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大森美香

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鑑賞本数 合計点 平均点
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書籍
_(書籍)
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2011
2010
2009 プール 監督・脚本
カイジ 人生逆転ゲーム 脚本
ヘブンズ・ドア 脚本
ブザー・ビート 〜崖っぷちのヒーロー〜<TV> 脚本
2008 ネコナデ 監督
デトロイト・メタル・シティ 脚本
エジソンの母<TV> 演出・脚本
2007 グッジョブ Good Job<TV> 脚本
2006 マイ★ボス マイ★ヒーロー<TV> 脚本
2005 里見八犬伝 脚本
もうひとつの恋文日和 〜郵便屋の恋〜 脚本
風のハルカ<TV> 脚本
不機嫌なジーン<TV> 脚本
2004 恋文日和 監督・脚本
2番目の彼女 監督・脚本・編集
インストール 脚本
2003 ニコニコ日記<TV> 脚本
きみはペット<TV> 脚本
2002 ランチの女王<TV> 脚本
ロング・ラブレター〜漂流教室〜<TV> 脚本
2001 CROSS 監督・脚本
カバチタレ!<TV> 脚本
2000
1999
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1996
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1975
1974
1973
1972 3'6 福岡県で誕生

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プール 2009
2009日本シアタースタッフ助演男優賞(加瀬亮)

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大森美香(脚)
小林聡美
加瀬亮
伽奈
シッテイチャイ・コンピラ
もたいまさこ
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
プール(書籍)桜沢エリカ
 大学卒業を目前に控えた女子大生さよ(伽奈)は、卒業旅行で初めての海外旅行タイのチェンマイへと向かった。実は突然家を飛び出した母京子(小林聡美)がチェンマイのゲストハウスで働いており、そんな母に会うためだった。ゲストハウスでは従業員として働く市尾(加瀬亮)という従業員や、オーナーの菊子(もたいまさこ)の他、ビーという母にはぐれたタイ人のこどもも住んでおり、みんな仲良く暮らしていた。屈託のない母の姿に複雑な思いを持つさよだが…
 漫画家桜沢エリカ原作作品を、今や人気脚本家となった大森美香が監督した女性つながりの作品で、話の中心も女性ばかりという、女性色溢れた作品。
 このスポット予告は随分前から映画館で流れていたが、わずか30秒程度の予告で、しかも内容はプールの傍らに加瀬亮やもたいまさこがぼーっとした感じで突っ立ってるだけ。という、妙に挑戦的な予告だった。ただ、それだけで「ああ、この作品は空気感を大事にした作品なんだろうな」という事が分かり、妙に観たくなっていった(もたいまさこと小林聡美の二人は『かもめ食堂』でも共演していて、それが連想の引き金になったんだろうけど)。こう言う時に東京に住んでいるのは良いことで、ちょっと足を伸ばせば単館上映だろうが何だろうがすぐに観に行ける。
 それで中身だが、
期待していたのと見事に合致。そうそう、こう言うのが観たかったんだよ。不思議なリラックス感と心地よさ、そしてちょっとした居心地の悪さを全身に浴びてきた感じがする。
 ところで本作は何もテーマを持っている訳じゃないと思うのだが、敢えて私なりに考えるなら、本作のテーマというのは
“距離感”にあるのではないかと思える。
 人間同士、それがどんな関係でも、距離感を保つと言うのがとても重要な事になる。人は他者に頼らねば生きていけないし、孤独にも耐えられないので、他者との距離を縮めたい。でも一方、他者に自分の心の内まで踏み込まれるのは嫌う。そう言うことで適当な距離感を自然と身につけていく(現に引っ越しが多い私は、その度ごとに半年かけて距離感を確認するようにしているが、半年の間じっくり距離感を計るので、どこに行っても概ねは人間関係は崩れないことが多い。東京に越して丁度今で半年。身の回りにいる人達と丁度良い距離感を持てるようになってきた)。
不快にならない程度の距離感を保つのがエチケットであり、自分が心地よく生きるための知恵だ
 本作は主人公のさよを中心に、少ない登場人物と、それぞれの距離感を模索している物語ともいえ、僅かな日数で、心が通ったり、感情を爆発させたりまでは行かないが、それなりに上手くやっていくコツのようなものを見つけていく過程が丁寧に描かれている。さよと京子の関係がその中では顕著で、お互いにどう接して良いか分からない状態から、単純に一緒にいることによって、なんとなくわだかまりが消えたような気になる。そんな過程が描かれていく。
 ところで、この映画で面白いのは、距離感というのは、
自分の思っているものと、他者から観たものが結構食い違っているという事だろうか。主人公さよは、心のどこかでまだ母親を許していない所があって、京子と合うたびに少し身を硬くして、ちょっとよそよそしい気分になる。そもそもタイに来た目的は京子と会うためなので、離れたくはないが、それでも近くにいすぎると気詰まりになってしまう。さよ本人は全然距離感を保てないと思っている。一方、そんな二人を観ている市尾は、まさしくその二人を称して「距離感が良いね」とか言ってる。距離感ってのは、自分で思っているのと、人から観ているところで随分食い違いが出てくるもんだな。
 現実世界でも実際にありそうな物語ではあるのだが、そこに独特の存在感を持つもたいまさこが、不思議な役割を果たしている。彼女はほとんど何も言わず、ただ存在感だけの人物なのだが、これが不思議な緊張感をもたらしたり、ある意味神秘的な意味合いを持っていたりする。テレビドラマだとエキセントリックな役を演じることが多いのだが、黙っていた方が存在感が遥かにある。この人の存在がかなり画面を引き締める良い役割をしていたようだ。
 好きなんだけど、なかなか無いタイプの作品なので、こう言った作品を映画館で観れるのは、とても嬉しい気分にさせてくれる。

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