月光仮面 幽霊党の逆襲 |
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織田清司(脚)
大村文武
柳谷寛
若水ヤエ子
佐々木孝丸
岡譲司
住田知仁
山東昭子
藤里まゆみ |
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★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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ある雨の夜、東都大学の鈴木博士が殺害され、助手の藤田が姿を消した。その後精神錯乱状態で戻ってきた藤田を看た心霊学者の鷹の羽道寛は、彼が催眠術にかかっていることを見抜く。道寛によれば、これほどの催眠術を使えるのは戦時中満州で行方不明になった竹林賢法だけだと言う。そして“幽霊党”を名乗る賊は、山師の大岡鉄造を狙い、それを阻止すべく働く祝十郎。そして月光仮面…
テレビシリーズ「月光仮面」の第四部「月光仮面 幽霊党の逆襲篇」と同じ脚本による映画化作。テレビ版はかなり複雑な物語で、催眠術や幽霊と言った非常にオカルティックな題材を使い、重複した謎が展開するため、演出的にも設定的にもかなり見応えがあった。幽霊の演出の合成などもチープながら、テレビ特撮の進歩も感じさせるような内容だった(原爆の問題なんかも出てきたりして、科学とオカルトを対比するような内容もあった)。完成度はともかくとして、評価できるところは数多い。
それに対して映画版の方はストーリーラインは同じではあるが、少々単純化させ、犯人も変わっている。
テレビ版では最初から登場していた胡散臭い心霊学者がずっと味方でいたのだが、映画版ではその胡散臭い学者が実は最後に糸を引いていたというオチへと持って行っていた。その部分だけは物語がすっきりしたのだが、他がいかん。テレビ版で幽霊党が探していた放射性物質が、ここでは単純に“莫大な宝”にされてしまい、テレビ版で持っていた社会問題は消え去って単純な謎解きになってしまった。
折角のテレビ版の評価できる部分を全部無くしてしまったのがもったいない。 |
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