新進モデルで売り出している矢野文(佐伯日菜子)は東都医科大助教授の守宮一樹(石橋保)と知り合い、つきあうようになる。自らの美しさが損なわれることに異様なまでの恐怖心を覚えている文、大学の研究室に閉じこもり、蛇の研究に没頭する一樹。不思議なカップルだったが、二人はお互い惹かれるものを感じていった。だが、ある日デート中に蛇に噛まれて怪我をした文は一樹の家に泊めてもらうことになったのだが、そこで彼女が見た光景は、妹の匡子(夏生ゆうな)と抱き合っている一樹の姿だった…
和製ホラーブームに乗って、作られた作品で、モダン・ホラーと言えばこの人!の佐伯日菜子を主演。更にホラー映画では常連オンパレードで作り上げた作品。
しかし、モダン・ホラーと言う割には物語そのものが大変古くさく(実はこの手の怪談話の方が私は好き)、そこに現代風の不気味なキャラクターだけがわさわさと登場してるので、バランスが大変悪いのがなんともかんとも。
キャラクターで魅せようってのは分かるけど、出てくるキャラがみんな性格破綻者ばっかりで、まともと言えるキャラが誰一人いない。一体何が異常で何がまともなのか、それさえもだんだん分からなくなっていく、まるで無間地獄を見るような気分にさせられた。
物語そのものは実に単純。開けてはならぬ扉を開けてしまったばかりに不幸に巻き込まれる主人公の姿は、昔話の「鶴の恩返し」のバリエーション(「安達ヶ原の鬼婆」と言った方が良いか?)で、ホラーでは常套手段の一つなんだが、なんでか演出が古い。しかもその古さに(特に)女優が映えない。
なぞが徐々に分かってくる、本来緊張感とカタルシスを演出すべき部分が淡々と過ぎ、最後の最も盛り上がるはずの対決シーンはべろべろとなめるだけ。しかもオチは「ふ〜ん」で済ませてしまえると言う…
雰囲気など、悪くないところも結構あるし、こういう役に佐伯日菜子などは完全にはまり役ではあるんだが…少々使い方を間違えたかな?
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