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日本の映画監督。
大映京都で溝口健二、黒澤明、市川崑、吉村公三郎、伊藤大輔、森一生らの下でチーフ助監督を務めた後に独立。助監督時代の作品がいくつかの映画祭で賞を受賞したことから、「グランプリ助監督」とのあだ名もあった。悪名シリーズ全16作のうち半分を監督した。『眠狂四郎』を市川雷蔵で映像化したいと企画を出して認められ、全9作のうち6作の監督を務める。大映倒産後にフリーとなり、主にテレビ演出を務める。 |
Wikipediaより引用 |
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主に大映時代劇の監督をした職業監督。時代劇の中でも眠狂四郎シリーズは大当たりで、第一作目となる眠狂四郎 殺法帖から、メインの監督として活躍した。 |
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兵隊やくざ 強奪 |
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舟橋和郎
吉田哲郎(脚) |
勝新太郎 |
田村高廣 |
佐藤友美 |
夏八木勲 |
江守徹 |
千波丈太郎 |
金内吉男 |
須賀不二男 |
伊達三郎 |
平田守 |
川崎裕之 |
木村玄 |
籔内武司 |
西岡弘善 |
小林直美 |
毛利郁子 |
勝村淳 |
山岡鋭二郎 |
伴勇太郎 |
黒木現 |
森内一夫 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
3 |
2 |
3 |
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製作年 |
1968 |
製作会社 |
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ジャンル |
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売り上げ |
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原作 |
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歴史地域 |
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関連 |
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キーワード |
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兵隊やくざ 殴り込み |
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笠原良三
東条正年(脚) |
勝新太郎 |
田村高廣 |
野川由美子 |
岩崎加根子 |
細川俊之 |
安部徹 |
南道郎 |
小松方正 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
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製作年 |
1967 |
製作会社 |
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ジャンル |
|
売り上げ |
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原作 |
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歴史地域 |
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関連 |
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キーワード |
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兵隊やくざ 俺にまかせろ |
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高岩肇(脚) |
勝新太郎 |
田村高廣 |
内田良平 |
渡辺文雄 |
須賀不二男 |
佐伯勇 |
杉田康 |
渚まゆみ |
長谷川待子 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
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製作年 |
1967 |
製作会社 |
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ジャンル |
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売り上げ |
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原作 |
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歴史地域 |
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関連 |
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キーワード |
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陸軍中野学校 竜三号指令 |
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長谷川公之(脚)
市川雷蔵
安田道代
松尾嘉代
加東大介
仲村隆
滝田裕介
稲葉義男
松村達雄
新田昌玄
杉田康
守田学
有馬昌彦
伊東光一
原聖四郎
浜田雄史 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
3 |
3 |
3 |
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座頭市の歌が聞える |
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高岩肇(脚)
勝新太郎
天知茂
小川真由美
佐藤慶
浜村純
吉川満子
小村雪子
東三千
町田政則
水原浩一
伊達三郎
木村玄 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
4 |
4 |
3 |
3 |
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座頭市(勝新太郎)はある町でやくざに襲われた為吉(木村玄)を助けるが、既に深手を負っていた為吉は市に財布を託して事切れる。その財布を家族に渡そうと門前町へと向かう市だが、そこは板鼻権造一家の暴力に悩んでいた。
前作12作目の『座頭市地獄旅』(1965)で心機一転したシリーズ。13作目の本作はストーリーに関しては再び元のプログラムピクチャーに戻ってしまった感じだが、今回の物語は、居合いを封じ更にライバルキャラを配することで市の強さをますます際だたせることに成功もしてる。やっぱり本当にアクションが映えるのは、耐えに耐えて最後に爆発。というフォーマットだからね。最後の殺陣をいかに映えさせるか。という点で観るなら、本作は教科書的な良さで観ることが出来るだろう。表題にあるとおり歌の演出もかなりうまく作られ、時として市の心情を物語り、時として心を不安にさせる良い演出になってる。
今回はかつて第一作の『座頭市物語』で平手造酒をやった天知茂が再登場。相変わらず不遜な表情と強さを持ったキャラとして出てくるのは、かなり楽しい。惜しむらくはこの二人の決闘が話の中心でなかったので、あんまり活躍出来なかったと言うところだろうか?
ただ、あのラストだけは止めて欲しかったな。そりゃ封印した剣を抜いてしまったのだから、町にいられなくなったってのは分かるんだが、それを追いかけるキャラを作ってしまったのは駄目で、一気に興が冷める。前に『座頭市二段斬り』でやったまずい演出が最後の最後で出てしまったなあ。 |
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悪名桜 |
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依田義賢(脚) |
勝新太郎 |
田宮二郎 |
市原悦子 |
守田学 |
酒井修 |
須賀不二男 |
多々良純 |
沢村貞子 |
藤岡琢也 |
浜田雄史 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
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新・兵隊やくざ |
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舟橋和郎(脚) |
勝新太郎 |
田村高廣 |
成田三樹夫 |
藤岡琢也 |
瑳峨三智子 |
北城寿太郎 |
玉川良一 |
見明凡太朗 |
遠藤辰雄 |
神田隆 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
3 |
3 |
3 |
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トラックを奪って逃走した大宮(勝新太郎)と有田(田村高廣)。だがガソリンが切れたところを八路軍に襲われ、すんでのところを関東軍に救助された二人は、再び軍に復帰させられることとなった。そこでも問題を起こした二人は、今度は天津へと逃げ込むのだが、そこで妓楼の用心棒のような真似をする羽目に…
シリーズも3作目。オープニングの構造は前作『続兵隊やくざ』(1965)と全く同じで、もうマンネリ化かよ。と思ってたんだが、途中からいきなり急展開。裏街道を走る任侠ものっぽくなっていくという変化球な物語になってる。 「兵隊やくざ」というタイトルのシリーズながら、本当に兵隊がやくざになってしまったと言う事で、一番タイトル通りの事をしているとも言える。
改めて考えてみると、別段本作でそれをやる意味はないんだけど、やっぱり主人公二人の魅力でぐいぐいと見せてくれる。
任侠ものとなると、勝新太郎は悪名シリーズもあるが、あちらは押しも押されもしない親分。やんちゃで突っ走るこちらの方が魅力は良く出ている感じはある。それに戦時下という極限状態に舞台を置いているので、そこら辺の緊張感が良いスパイスとなってる。
これまで真面目一徹と言った雰囲気だった有田が妙にはじけてて、嬉々として大宮と一緒に犯罪を起こしてるのも、だいぶ脚本が練れてきたためかもしれん。一貫して本作は反戦をベースにしてるけど、本作はこれまでの中で最も軍のくだらなさというものが良く出ていて、結構面白い。 |
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大殺陣 雄呂血 |
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星川清司
中村努(脚)
市川雷蔵
藤村志保
八千草薫
五味龍太郎
藤岡琢也
中谷一郎 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
4 |
3 |
3 |
3 |
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悪名無敵 |
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依田義賢(脚) |
勝新太郎 |
田宮二郎 |
八千草薫 |
藤村志保 |
千波丈太郎 |
戸田皓久 |
藤岡琢也 |
水原浩一 |
大杉育美 |
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★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
3 |
2 |
2 |
2 |
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続兵隊やくざ |
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舟橋和郎(脚) |
勝新太郎 |
田村高廣 |
小山明子 |
水谷良重 |
須賀不二男 |
五味龍太郎 |
上野山功一 |
睦五郎 |
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|
★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
3 |
2 |
3 |
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軍からの逃亡を決め、汽車に飛び乗った有田(田村高廣)と大宮(勝新太郎)だが、その列車がゲリラが仕掛けた爆弾によって吹き飛ばされ、二人は陸軍病院に入れられてしまう。再び脱出の機会をうかがう二人だが、その機会を失ったまま、今度は中国軍との最前線に送られてしまう…
前作『兵隊やくざ』(1965)のラストは脱走シーンで終わったが、いざ続編が始まってみると、やってることは全く同じという、典型的な続編だった。それに、まだこの二人の話だけで充分物語を作れたものを、ここに第三者の人情話を絡めて、とてもありがちな話に落とし込んでしまったのも残念。
結局ここで二人がやってることは、自分たちのことではなく、軍内部の不正によって死んでしまった同僚兵隊の敵討ちなので、別段本作を使う意味合いがない。
ただ、それなりに金を遣った演出や、主人公二人の関係の絆を再確認ができるなど、続編なりの良さもあるので完全な駄作とは言えないのも確か。
演出がきちんとしているし、キャラが良いので、典型的な続編と割り切って観ればそれなりに面白い。 |
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悪名幟 |
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依田義賢(脚) |
勝新太郎 |
田宮二郎 |
水谷良重 |
ミヤコ蝶々 |
佐藤慶 |
島田竜三 |
内田朝雄 |
千波丈太郎 |
杉山光宏 |
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★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
3 |
3 |
1 |
2 |
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赤い手裏剣 |
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高岩肇
野上竜雄(脚) |
市川雷蔵 |
春川ますみ |
吉田義夫 |
南原宏治 |
小林千登勢 |
須賀不二男 |
山形勲 |
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★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
3 |
2 |
2 |
2 |
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乞食大将 |
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八尋不二(脚)
勝新太郎
藤由紀子
藤巻潤
城健三朗
田村正和 |
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★★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
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宿無し犬 |
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藤本義一(脚)
田宮二郎
天知茂
江波杏子
坂本スミ子
成田三樹夫
水島道太郎 |
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★★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
4 |
3 |
3 |
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忍びの者 霧隠才蔵 |
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市川雷蔵
磯村みどり
城健三朗
中村鴈治郎
小林勝彦
成田純一郎
島田竜三
中村豊
須賀不二男 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
3 |
2 |
3 |
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悪名一番 |
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依田義賢(脚) |
勝新太郎 |
田宮二郎 |
江波杏子 |
藤原礼子 |
雪代敬子 |
丸井太郎 |
茶川一郎 |
芦屋雁之助 |
芦屋小雁 |
伊井友三郎 |
安部徹 |
名和宏 |
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|
★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
3 |
2 |
3 |
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座頭市兇状旅 |
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星川清司(脚) |
勝新太郎 |
高田美和 |
万里昌代 |
成田純一郎 |
小林勝彦 |
北城寿太郎 |
名和宏 |
松居茂美 |
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|
★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
2 |
4 |
2 |
3 |
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上州下仁田の知り合い旅篭の主人島蔵を訪ねて来た市(勝新太郎)だったが、土地の二代目親分となる下仁田佐吉(成田純一郎)と恋仲にあるのぶ(高田美和)の義父島蔵との確執を知る。そして島蔵は佐吉の二代目披露式をぶちこわそうとしていた。一方市は島蔵の用心棒である棚倉蛾十郎(北城寿太郎)の妻に成り果てたおたね(万里昌代)に再会するのであった…
シリーズものとしてはここで一区切り。市が旅に出ている間にすっかり変わり果ててしまった市の思い人たねとの再会と別れが描かれる。
シリーズの中では最も女性が強く描かれた話で、女性達に振り回されっぱなしの主人公格の男達がとにかく情けなく、ラストもあんまりすっきりしない。全般的なストーリーが今ひとつ不可解なままで終わってしまってる。特に『座頭市物語』(1962)と『続・座頭市物語』(1962)でのメインヒロインだったたねがすっかり悪女っぽくなってるのがちょっと悲しいところだ。大体最後に虫の息の棚倉蛾十郎が市に対し、「お前を殺そうとしたのはたねだ」とか言ってるのだが、たねは市をかばって死んだはず…整合性がおかしいよ。
ただ、ストーリーはともかく、殺陣のシーンはこれまででトップクラスの素晴らしさではあったけどね。劇中何度か棚倉蛾十郎と市との対決シーンがあるけど、これまでで一番市を苦しめたのはこの人物で、殺陣のシーンはかなり格好良し。
単純に格好良い座頭市が観たいってのなら、充分な作品なんだが…それ以上を求めちゃいけないのかな?
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手討 |
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八尋不二(脚)
市川雷蔵
藤由紀子
城健三朗
成田純一郎
中村豊
矢島陽太郎
佐々十郎
阿井美千子
加藤嘉
名和宏
柳永二郎
菅井一郎 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
3 |
3 |
3 |
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新・座頭市物語 |
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犬塚稔
梅林貴久夫(脚) |
勝新太郎 |
坪内ミキ子 |
河津清三郎 |
丹羽又三郎 |
須賀不二男 |
武智豊子 |
真城千都世 |
近藤美恵子 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
4 |
2 |
3 |
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数年ぶりで故郷笠間へ帰ってきた座頭市(勝新太郎)。ここでもやはりやくざものに絡まれ、大立ち回りをやらかしてしまうが、そこに市の剣の師匠伴野弥十郎(河津清三郎)が割って入った。弥十郎の家にやっかいになる事になった市は、脚の悪い弥十郎の妹弥生(坪内ミキ子)と情を交わす市は、これまでのやくざな生き方を止めることを決心するが、弥十郎の家は今や天狗党の落ち武者の巣となっていたのだった…
本シリーズは第4作の『座頭市兇状旅』までが一連のシリーズとなってるが、その中で故郷の話が描かれる。
この四作の一連のシリーズの特徴は市の立場がとても切ないものとなっていること。一作目では友を、二作目では兄を敵に回さざるを得ない状況に直面。そして今度は剣の師匠である。市の行くところはどこに行っても血の雨が降り、自分の大切な人を斬らねばならない。その演出が突出している。特に本作は故郷に戻り、旧友と語らい、そして剣の師匠とその妹との交流が細かく描かれた上での、殺陣。格好良いと言うより、むしろ切なさの方を感じる。実際最後の天狗党との殺陣はあれだけ殺伐としているくせに妙に情感がたっぷりあって、哀しみが良く出ていたよ。
人を斬ることしか出来ない市には、つかの間の休息はあっても、それは更なる修羅の道へ歩み出す一歩でしかない。その辺が分かって観てるこちらもしんみりしてしまう。
本作でちょっと残念だったのは、物語そのものがフォーマット化されたもので、ウェルメイドの作品という印象をどうしても与えたこと。人間の魅力だけではたりず、もう一歩欲しかった。それと最後の剣の師匠である弥十郎との決闘が今ひとつ盛り上がらなかったこと。そこさえもうちょっと力入れてくれれば…
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眠狂四郎 殺法帖 |
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星川清司(脚)
市川雷蔵
中村玉緒
城健三朗
小林勝彦
真城千都世
沢村宗之助
伊達三郎
高見国一
扇町景子
荒木忍
南部彰三
橘公子
木村玄
美吉かほる |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
3 |
4 |
4 |
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大川端の船宿で無聊をかこっていた眠狂四郎(市川雷蔵)はある夜、伊賀者と見られる忍者に闇討ちされた。返り討ちにしたものの、口を割らせようとした一人に逃げられてしまう。その後狂四郎は加賀前田藩の奥女中千佐(中村玉緒)の訪問をうけ、唐人陳孫(城健三朗)から命を護ってくれるよう依頼される。だが、実は千佐こそが前田藩を牛耳る豪商銭屋五兵衛の刺客だったのだ。何より自分を見くびられた事に憤る狂四郎は前田藩に乗り込む…
私の愚かぶりをひけらかすようで気が引けるが、実は数年前まで私は邦画を徹底的に馬鹿にしていた。私が映画に目覚めた80年代にはろくな邦画が無かった事もあるが、観る気も殆どなかった。その後、改めて黒澤明監督の映画を観たり、あるいはBSが入ったので、古い作品を時折観るようになって、その認識を改めたのだが、その私の目を開いてくれた重要な作品が本作。
いくら有名とはいえ、たかがチャンバラ。そんな認識はあっという間に消し飛んだ。
格好良いんだ。これが。
確かにシリーズが進んでから魅せてくれる、虚無感をまとう狂四郎の姿にはここにはなく、むしろ無頼のくせに女にだらしない浪人って感じの役柄なんだが、その仰々しい台詞の数々や、言葉の端々に込められたニヒリスティックな思想が、見事にツボって感じ。しかもシリーズが進むに従い、その好みはどんどん上がっていく。
今回だって、前田藩の藩事情に首を突っ込んだのは情のせいでも義務感からでもない。単に自分を馬鹿にされた事が悔しいから。と言う単純な理由だ…それでバッタバッタと人を斬り殺し、藩そのものをがたがたにした訳だから、彼はむしろ疫病神に近いな…いわゆる「触らぬ神に祟りなし」を地で描いた映画とも…(実はその後のシリーズで藩とは浅からぬ縁があることが明かされるのだが)
この後12本も続くシリーズとなる本作だが、色々な意味で後々の伏線が張られた作品となった。 |
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「この世に美しいものは何もない。どこにあるんだ」 |
第三の悪名 |
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依田義賢(脚) |
勝新太郎 |
田宮二郎 |
長門裕之 |
月丘夢路 |
藤原礼子 |
矢島陽太郎 |
西村晃 |
南道郎 |
若杉曜子 |
|
|
★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
3 |
3 |
2 |
2 |
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清次(田宮二郎)と共にかつての弟分貞(田村二郎)の女房お照(藤原礼子)の家に厄介になっていた朝吉(勝新太郎)は、ある日戦友粟津修(長門裕之)と出会い、修の誘いで粟津一家に厄介になることに。この町はカポネ一味によって、古い粟津一家は追いつめられていた…
前作『続・新悪名』で、ようやく朝吉清次コンビがきちんと出来て、本作で完全に親分子分の間柄となった。ただ、本作ではそのコンビはあまり強調されず、三人目の悪名として現れた粟津修という人物が登場し、それと朝吉・清次とからませて以降の物語を作ろうとしたかのように思われる。
ただ、それが成功したとは言い難い。特に後半のシリーズの魅力とは、どんどん貫禄を増していく朝吉がやんちゃな清次に振り回されるのが楽しい、かなり陽性な物語性にあるのだが、この作品に限っては、かなり陰性であり、話がウジウジとしてまとまりがなくなってしまってる。ドラマ性を高めようとも、それが合わない作品だったと言う事か。本作のみの登場で、早々に長門裕之を切ったのは英断かも。
ただ、この作品では浅丘夢路が気っぷの良いやくざの女親分をやっていて、それが物語の軽快性を担っていて、その部分はなかなかよろしい。本作はそこくらいか? |
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続・新悪名 |
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依田義賢(脚) |
勝新太郎 |
田宮二郎 |
赤城まり |
水谷良重 |
藤原礼子 |
阿井美千子 |
近藤美恵子 |
ミヤコ蝶々 |
茶川一郎 |
遠藤辰雄 |
杉田康 |
永田靖 |
|
|
★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
3 |
2 |
3 |
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闇市を追放されてしまった村上朝吉(勝新太郎)は故郷の河内へ帰ったが、あっという間に田舎が嫌になってしまい、再び大阪へ出る。そこで靴磨きの少女ひろみ(赤城まり)を拾い、彼女の面倒を看ることになったのだが、そんな朝吉は女剣劇一座のごたごたに巻き込まれてしまう。その暴力団玉島の用心棒になっていた清次(田宮次郎)に再会する…
前作『新悪名』(1962)で新展開となったシリーズだが、オリジナル版の『悪名』(1961)と較べると、パートナーの清次が随分軽くなったため、全く異なる雰囲気になっているのが特徴で、これからは基本的に軽い性格の清次に振り回されて事件に巻き込まれてしまうというパターンが続くことになる。ここでも基本はそのままだけど、まだ二人は親分子分の間柄にはなってないところから始まっているので、この話で二人は本当の親分子分となる。
前作であれだけ見事に喧嘩別れしたのが、喧嘩すればするほど仲良くなっていくという、後年の少年漫画のような展開とも言えるか。
どんなピンチにあってもあくまで軽く、人を小馬鹿にする発言を繰り返す清次の姿は、あたかも自分の命を的にスリルを楽しんでるかのよう。そんな清次は、きっと自分が心から従える人を探していたのだろうし、そんな清次の思いに応えるように朝吉が現れたと考えるならば、この作品にも結構な重さが感じられる。少なくとも本作は、朝吉よりも清次の方がキャラ立っていたが、それもこれからのシリーズを目してのことなのだろう。シリーズ前提で観ると味わいは増す。 |
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鯨神(くじらがみ) |
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永田雅一(製)
新藤兼人(脚)
本郷功次郎
藤村志保
江波杏子
志村喬
勝新太郎
高野通子
竹村洋介
見明凡太朗
村田知栄子
杉田康
藤山浩二
河原侃二
橘喜久子
上田吉二郎
北城寿太郎
橋本力
藤原礼子
須藤恒子
宮嶋健一
佐々木正時
谷謙一
阿部脩
ウィリアム・ヒューズ |
|
★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
4 |
3 |
3 |
|
|
|
続悪名 |
|
|
勝新太郎 |
田宮二郎 |
中村玉緒 |
水谷良重 |
長谷川季子 |
浪花千栄子 |
中村鴈治郎 |
山茶花究 |
南都雄二 |
山路義人 |
上田吉二郎 |
|
|
★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
5 |
4 |
2 |
3 |
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故郷の河内に帰った朝吉(勝新太郎)は、女房お絹と家を継いで畑を耕し始めるが、弟分モートルの貞(田宮二郎)の訪問によってやくざ者の正体がばれてしまう。それで大阪へと戻った朝吉はそこでやくざと堅気の狭間を行きつ戻りつ、しかし着実に弟分を増やしていった。だがそんな時、貞が…
大好評シリーズの第2作。一作目はなかなか出来が良かったのだが、唯一気になっていたのが、中途半端な終わり方だった。しかし、ちゃんとここで決着を付けている。
ここでもやはりキャラとして立っていたのは田宮二郎演じる貞で、ここでは朝吉に理想の親分像を見た貞は、完全なやくざものになることを躊躇する朝吉にハッパをかけるため、むしろ朝吉を追い込むような行動を次々と取る。そして貞に追い込まれることでますますその力を発揮していく朝吉。
現代であればこれは同性愛的な方向へ持って行く可能性が強いが、ここでは親分子分の関係に終始するため、本当の男の友情にのみ焦点が当てられているため、二人の関係が実に興味深い。物語自体は実はかなり重いのだが、演出によってそれが重くなることなく、結構コミカルな演出がなされている。
更に本作はカメラワークが又凄く良い。特に後半、貞があっけなく死んでしまうシーンの色の対比と言い、カメラアングルと言い、よくぞここまで!と言ったレベルに達していた。そして最後、まるで貞を追うようにセンチでただ一人戦う朝吉の姿…
ここで本来終わっていた方が良かったような気もするんだが、実は話はまだまだ続いていく… |
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悪名 |
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依田義賢(脚) |
勝新太郎 |
田宮二郎 |
中村玉緒 |
中田康子 |
水谷良重 |
浪花千栄子 |
山茶花究 |
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|
★★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
5 |
3 |
2 |
3 |
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河内の農家に生まれた朝吉(勝新太郎)は村の中では鼻つまみ者として知られていた。隣村の人妻お千代(中田康子)と有馬温泉に駆け落ちしたものの、数日で退屈さに耐えきれず大阪の街に出て行くのだった。そこで地元やくざのモートルの貞(田宮二郎・ちなみにモートルとは、モーターの関西読みで「馬力がある」という意味)を完膚無きまでに叩きのめすのだが、その侠気に惚れた貞は親分の吉岡(山茶花究)に紹介され、朝吉は貞を弟分として吉岡一家に身を預けるのだった。喧嘩や博打でたちまち頭角を現していく…
『座頭市』や『兵隊やくざ』で知られる勝新太郎のもう一つの代表作であり、これまた名作の誉れ高いシリーズの第一作(これら三つのシリーズは全て田中徳三監督が関わっているのも特徴。勝新太郎とは相性が良いんだろうね)。
このシリーズの最大の強味はやはり勝新太郎と田宮二郎という大スター二人が組んだ点にある。そもそも二枚目スターとして売り出していた田宮二郎だが、意外にもきちんと引いた演技が出来たという事実のお陰で、ミスマッチのように見えたコンビが見事にはまってる。実際、名演を見せる朝吉役の勝新太郎はともかくとして、田村二郎演じる貞の立場はとても良い。
自分の力だけを頼りにのし上がっていく生き方というのも格好良いのだが、本当に頼る人物を見出して、そのために働く生き方というのが、実は私の憧れてる生き方。それを体現してくれたのがここに描かれる貞だった。
到底自分では敵わない巨大な存在を目の当たりにした時、どういう反応を見せるか。その人物に関わりなく生きようとするのも一つの生き方だし、逆に徹底的に反発するのも一つの生き方。しかし、そこで素直にその人物に従っていくという道は、なかなか選べないものだ。そのために色々苦労はするだろうし、その人のため。と思ってやったことが裏目に出ることもある。しかしそれも含めて従っていく生き方ってのは、やっぱり格好良いよ。勿論、従うべき存在はきちんと選ぶ必要があるんだが…
ただ、一本の映画として見る限り、ストーリーとしては結構シンプル。メインは朝吉のサクセスストーリーだし、ラストも「え?これで終わり?」って終わり方だった(これは2作目の『続悪名』の引きとなっているのだが)。設定もちょっとありがち。二作目とカップリングして評価すると凄く高くなるんだがなあ…
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