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山田尚子

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鑑賞本数 1 合計点 3.5 平均点 3.50
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
2018 リズと青い鳥 監督
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
<A> <楽> 絵コンテ
2017 響け!ユーフォニアム 〜届けたいメロディ〜 シリーズ演出
小林さんちのメイドラゴン
<A> <楽> 演出・絵コンテ
2016 映画 「聲の形」 監督・絵コンテ
響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜 シリーズ演出
響け!ユーフォニアム2
<A> <楽> 演出・絵コンテ
無彩限のファントム・ワールド
<A> <楽> 絵コンテ
2015 響け!ユーフォニアム<TV> 演出・絵コンテ
2014 たまこラブストーリー 監督・演出・絵コンテ
Free! -Eternal Summer-<TV> 演出・絵コンテ
中二病でも恋がしたい!戀<TV> 絵コンテ
2013 境界の彼方
Free!<TV> 演出・絵コンテ
たまこまーけっと<TV> 監督・演出・絵コンテ
2012
氷菓
<A> <楽> 演出・絵コンテ
2011 けいおん! 監督
日常
<A> <楽> 監督
2010
けいおん!!
<A> <楽> 監督
wiki
2009
けいおん!
<A> <楽> 監督
wiki
涼宮ハルヒの憂鬱(2nd)<TV> 演出・絵コンテ
2008
CLANNAD AFTER STORY
<A> <楽> 演出・絵コンテ
wiki
2007
CLANNAD
<A> <楽> 演出・絵コンテ
2006
2005 AIR・夏 特別編 AIR IN SUMMER 原画
2004
2003
2002
2001
2000
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1998
1997
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1973
1972
1971
1970
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1968
1967
1966
1965
1964
1963
1962
1961
1960
1959
1958
1957
1956
1955
1954
1953
1952
1951
1950
1949
1948
1947
1946
1945
1944
1943
1942
1941
1940
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1903
1902
1901

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リズと青い鳥 2018
<A> <楽>
吉田玲子(脚)
種崎敦美
東山奈央
藤村鼓乃美
山岡ゆり
杉浦しおり
黒沢ともよ
朝井彩加
豊田萌絵
安済知佳
桑島法子
中村悠一
櫻井孝宏
本田望結
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
響け!ユーフォニアム(書籍)武田 綾乃
 北宇治高校吹奏楽部の三年生で親友のオーボエ担当の鎧塚みぞれ(種崎敦美)とフルート担当の傘木希美(東山奈央)は毎朝の早朝練習にも休まず来て、練習にも余念が無かった。そんな二人も進路を決めねばならなくなるのだが、希美に精神的に依存しているみぞれは、その答えを出せずにいた。そんな中、最後の大会に向けての練習が始まるのだが…
 質の高いアニメ作品を作ることで定評のある京都アニメーションが作り上げたテレビシリーズ「響け!ユーフォニアム」は第一期が大好評で、再編集した劇場版『響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜』(2016)と、テレビ版2期、更にその劇場版まで公開され、大進撃を続けている。
 かくいうわたし自身も第一期を観て、原作に興味を持って読んでみて、その面白さに結構はまった口。
 大学生が書いたというその物語は文体が練れておらずにかなり読みにくかったが、作品の質は別。
 実質的な盛り上がりがある訳ではないけど、とにかく高校生の描写と心理描写が上手い。誰にでも持っているコンプレックスとか、クラスメイトや上級生に対する距離感の取り方とか、将来的になんら特別なメリットがないのに、だからこそ一生懸命取り組んでぶつかってみる部活動のあり方とか、その辺の描写が全部ありのまま描かれている感じがして、とても面白かった。
 ちょっと痛々しさがあって、
読みながら何度も本を置いて深呼吸する必要があったけど

 この作品を観た時点で現在私が読んでいるのは主人公の黄前久美子が一年生の時の話までだが、本作は主人公を変え、一年上の先輩を中心に描かれた短編を映画化したらしい。

 短編一編を一時間半の映画にするというのはかなり大変である。なんせ
物語が進まないのだから。

 それを可能にするのはいくつかの方法があって、その中で最も多く採られるのは、いくつものミニエピソードを加えてかさ増しをする方法となる。
 しかし本作はそんな手を取らなかった。物語はシンプルなまま、ド直球に演出で短編を徹底的に見せてみせたのだ。
最も難しい方法を敢えて使った姿勢には素直に感心する
 その分演出は妥協がない。というか、画面で見せることよりも、ほとんど台詞だけで演出してしまった。
 台詞の一つ一つが凄く、囁き声どころか息づかいさえ演出の一部に取り入れてしまう。
 本作の主眼が主人公の心の変化を見せることなので、それが可能になったのだが、よくここまでやったもんだ。
 出てくるキャラ一人一人も声に特徴がある人を選んでるようで、絵柄の雰囲気に合わせて、きつい声だったり、ほんわかした声だったり、自信なさげなおどおどした声だったりと、その辺の巧さも光る。

 微妙な声で演出される本作だが、それに合わせるように物語も心理的な微妙さを描くものだった。

 中学校や高校あたりで、人が「好き」という感情を持つのは、異性よりもむしろ同性に対するものが多い。この場合の「好き」は性的なものではなく、「一緒にいて心地良い」からという部分で、これは一生同じ感情を持つことになる。
 だけどそれが時として、「心地よい」が「依存」となり、やがて本当の意味で「好き」という感情に化けることもある。
 その辺の感情はとても微妙なところ。先に挙げたように、「心地良い」「依存」「性的に好き」が微妙に絡まり、強く「愛する」とまでいかない心境のまま思春期は過ぎていくことになる。
 その微妙な感情はどこかで踏ん切りを付けねばならなくなる。「親友」となるのか「恋人」になるのか、「無関心」になるのか、それとも「敵」になるのか。
 どこかで踏ん切りを付けることで、これからの付き合い方が変わることになるが、出来る事ならその踏ん切りを付けたくないという感情も生じる。

 こんな微妙な心理描写をしながら、主人公鎧塚みぞれの「踏ん切り」を描くのが本作と言える。
 そこで重要になるのがタイトルともなった童話「リズと青い鳥」である。
 みぞれは自身をリズになぞらえ、リズが青い鳥を逃がす光景を追体験して、自分には希美を突き放すことが出来ないと思い込む。しかしどこかでその時が来るということを意識もしていた。
 ところが先生から、実は自分自身がリズではなく、青い鳥の方であると指摘を受け、気づいてしまうのだ。自分がしなければならないのは、希美を見捨てることではなく、自分が飛び立つことなのだと。
 それが出来た時、当の希美自身も本当はそれを望んでいたことを知る事になる。正確に言えば、希美の方は、「今のままではいけない」とみぞれよりも切実に思っていて、何かの踏ん切りを付ける必要性を感じていた。
 みぞれが一歩踏み出してくれたお陰で、希美の方も自分の実力を知り、みぞれと一緒にはいられないと言うことを納得させられた。

 だから一見起伏の無い物語に見えながら、もの凄いドラマが込められている。
 複雑に絡み合う依存を一度断ち切ることで、新たな人間関係が構築されて終わる。まだまだ話はこれからも続くが、高校生活の一エピソードとしてはこれで充分。
たまこラブストーリー 2014
<A> <楽>
八田陽子
古川陽子
中山佳久
波里梨
中村伸一
八田英明(製)
吉田玲子(脚)
洲崎綾
田丸篤志
金子有希
長妻樹里
山下百合恵
日高里菜
藤原啓治
日笠陽子
西村知道
立木文彦
雪野五月
小野大輔
辻谷耕史
津久井教生
岩男潤子
渡辺久美子
家中宏
成田剣
川原慶久
山下大輝
野坂尚也
藤村鼓乃美
照井春佳
羽月理恵
真中桂子
升望
山崎たくみ
山岡ゆり
下野紘
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
けいおん! 2011
2011日本アカデミーアニメーション映画賞

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かきふらい(脚)
豊崎愛生
日笠陽子
佐藤聡美
寿美菜子
竹達彩奈
真田アサミ
米澤円
藤東知夏
永田依子
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
けいおん!(コミック)かきふらい
 進路も決まり、後は卒業式を待つばかりとなった桜が丘高校の軽音部の面々平沢唯、秋山澪、田井中律、琴吹紬の四人。そのメンバーに後輩の中野梓を加えた5人で卒業旅行を計画する。行き先はロックの本場ロンドン。頼りない先輩達に代わり、全てを差配した梓に率いられるような形で一路メンバーはロンドンへと向かう。
 人が幸せを感じる瞬間というのはそれぞれだろうが、時代の共通認識によって幸せというのも変化していくものかとも思える。
 特にメディア関係になると、時代が幸せの定義を作り、その定義が時代を作っていくようになっていく。現代においてはネットで話題や考察が拡散していくため、更にその共通認識は深まっているような感じもあり。例えば京都アニメーションによる
「涼宮ハルヒの憂鬱」なんてものは、YouTubeというツールによって拡散し、ブームを作った作品でもある。
 そんな中、
「ハルヒ」と同じく京都アニメーションによって作られたアニメ「けいおん!」は、確かに時代によって作られ、時代を作っていった「幸せ」を提供してくれた作品と言えよう。ここに描かれるのは、バンド生活を通じての女子高校生の日常なのだが、彼女たちはバンド活動を通して何かを達成しようという意識は低く、ちょっと演奏の練習をしながら、放課後でみんなでお茶を飲むのが楽しみと言った、ほんとにどこにでもいるような高校生の姿を描いていく。
 現在、それが時代の共通認識による“幸せ”を表しているかのよう。少し言い方を変えれば、オタクにとって、これは“快感”であると共に、一般レベルでも小さな“幸せ”を与えてくれる作品として認識されている。一般に紹介できるオタク系アニメの最右翼。
 2009年と2010年の2期に渡り放映されたテレビシリーズは、その時代に乗って(あるいは時代を作って)大ブームを引き起こした。
 わたし自身も第一期時点で友人に勧められるように観始め、毎週楽しく観させていただいた。そのほとんどは他愛もない話だが、まるで自分がその空間にいて彼女たちをニヤニヤしながら眺めているような、そんな気にさせてくれる、何というか不思議な“幸せ”を感じる時間でもあった。

 …ここまではテレビ版の話だが、映画化に当たり、スタッフは面白い思考で映画作りをしたように思う。
 その一番大きな点は、本作が
テレビ版の“その後”を描いているのではなく、テレビ版最終回の“ちょっと前”を描いていると言うところにあるだろう。ロンドンに行くのが卒業式の前なのか後なのか、描き方はほとんど変わらないかも知れないが、少なくともテレビ版を観ていた視聴者にとっては、全く意味合いが異なる。
 通常テレビシリーズから映画化する場合、たとえそれが日常を描いた作品であっても、日常生活から離れた大きなイベントを用意しておくものだ。本作でもそれが日常とは異なる「ロンドンへ行こう!」となっている訳だが、本作のユニークな点は、物語の中心はロンドンではなく、やっぱりテレビと同じく日常をメインにしているという点にあるだろう。
 ただし、その日常とは、単にいつものようにだらだらと続くお茶会ではなく、「卒業式」に向けた日常であることが特徴。
 テレビ版でも第二期の方は、最初から最終話を目指して作られていたという指摘を聞いて納得した記憶がある。最終回とは即ち「卒業式」であり、「別れ」を目指して作られたと言って良い
(実際には軽音部のメンバーは全員同じ大学に合格して、本当の意味での「別れ」ではないのだが)。話の内容は第一期と変わらないにせよ、その中で「あと一年あるよ」から「これが最後」とか「卒業まであと〜〜ヶ月」とかのキーワードを事ある毎に滑り込ませ、切なさというものを半年かけて徐々に上げていったのだ。最後の方になるとそれを隠しもせず煽り続け、切なさを爆発させる演出に、本当に寂しい思いまでさせてくれたものだ。
 この半年かけて造り上げていったその「切なさ」を、最大限再現しようとしたのが映画版と言えよう。
 仮にこの映画が卒業式の“その後”を描いているなら、再会と言う事で喜べはするが、一抹の気まずさが残るだろう。だが、卒業式の前に時間を設定することで、観ている側としてはこれは再会ではなく、再びあの切ない時間帯に放り込まれることになる。僅か数日の違いだけでここまで見事に演出を変えるとは実に巧い。
 そんなことで、テレビ版第二期を丸ごと使ってやらかした切なさの演出を映画で再現し、観ているこっちがいつの間にかテレビの最終回前を観ているような気持ちにさせられた。
 だからこそ前半のロンドン編が重要になる。これは卒業旅行であり、これが終わったらみんなが卒業するのだと言う事を言葉の端々に匂わせ、本当の別れの演出を強調していった。そしてだらだら続くロンドンでの時間の中で、やっぱり「これが最後」を幾度も言葉の端々に上らせ、再び卒業式に向けて切なさを演出していく。
 そこで最後の卒業式を角度を変えて描くことによって、最大限切なさを演出。うまいものだな。

 映画の出来としては確かにそんなに優れたものとは言えないが、少なくともテレビをリアルタイムで観ていた視聴者にとっては、これほど“幸せ”ってものを感じさせてくれる演出は無かろう。

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