読書日誌2004'07-09

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04'09'23 ザ・スタンドIII
スティーヴン・キング(検索) <amazon> <楽天>
 アメリカ国内で生き残ったもの達は、やがて二つの町へと集結していく。一方はマザー・アバガイルを中心とした平和な町コロラド州ボールダーに、そしてもう一方は闇の男フラッグを頂点とする暴力の町ラスヴェガスへ。なんとかボールダーに秩序を与えようとするアバガイルのこども達の姿を描く。

 荒廃後の地上に再び秩序をもたらそうとする努力。こう言うのが私は大好き。政治組織とか、細かい生活がどうなってるのか、そんなことを自分でもよく考えるから。特に著者の場合、そう言う能力に長けているので、読んでいて実に楽しい。
ザ・スタンド3
04'09'18 はじめの一歩70
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 絶対優勢と言われたヴェテラン武に対し、大苦戦を強いられる一歩。倒しても倒しても立ち上がってくる武に対し、一歩の取った戦法とは…

 もう70巻。こりゃ終わるまでに100巻は行ってしまうぞ。どこまでいくやら、それはそれでとっても楽しみではある。ようやく宮田との再戦が決まったのに、その前にも一波乱ありそうだし。ま、それはそれで楽しませてもらおう。
<A> <楽>
04'09'16 ザ・スタンドII
スティーヴン・キング(検索) <amazon> <楽天>
 猛威を振るったスーパー・フルーによって99%以上の人間が死に絶えた荒廃した世界。残された者達はやがて小さなグループにまとまっていくが、彼らは一様に二種類の夢を見るようになっていった。その片方の夢の中心となっているのはネブラスカ州に住む老女マザー・アバガイル。彼女のいる地を目指して進む人の群れ。一方、ラスヴェガスでは“闇の男”フラッグを中心とした町が出来つつあった。

 一巻目で病気と闘う人々の姿を描き、二巻で一転。その後の話に持ってきている。著者らしいケレン味に満ちたサバイバル紀行。廃虚の中で生き残りを賭けた人間の努力が描かれるが、この描写が大変おもしろい。イメージが膨らむよ。
ザ・スタンド  2
04'09'14 青の炎 (著)貴志祐介 <amazon>
 親子三人、つつましやかな生活を送っていた櫛森家に突然入り込んできた曾根という男。こいつのために無茶苦茶にされてしまった家の状態の重圧に耐えきれなくなった息子の秀一はある決意を固めるのだった…完全犯罪の思いに取り憑かれてしまった少年の顛末を描く。
 劇場版『青の炎』(2003)(DVD)の出来が良く、それで原作が最近才能を買ってる貴志祐介の作品だと言うことが分かり、購入(とか言ってもしばらく積ん読のままだったが)。映画も面白かったけど、これはこれで充分面白い…と言うか、映画が青春映画っぽい撮り方をしてるのに対し、本作は実に定式に則った倒叙もの(犯人の側から描く推理小説)のストーリーとなっていた。ここからイメージを膨らましてあのような作品にしたという事で、改めて映画版の出来の良さを思わせられた。
青の炎
04'09'11 餓狼伝BOY2
板垣恵介 (検索) <amazon> <楽天>
 木戸の学校に赴任してきた型破りの教師切雨に挑む丹波文七。だが、その姿を見て、木戸は丹波の本当の姿を察してしまうのだった。これまではったりだけで生きてきた丹波に、決断の時が迫る。

 前巻を読んだ時、本編との設定の違いに疑問を覚えたが、なるほど。ちゃんとその辺は考えていたのか。こういうオチにするとは、なかなか感心。惜しむらくは本作で完結してしまったことなんだが、それも結局本編に続く。と言うことで、外伝として読めば良いんだろう。
 それより、小説版の新刊、一体いつ出るんだ?待ちくたびれたよ。
<A> <楽>
04'09'10 シェイクスピアの世界 (著)フランソワ・ラロック
 イギリスが誇る世界的劇作家シェイクスピア。彼の生きてきたエリザベス朝の時代背景を踏まえ、舞台の変遷、そしてシェイクスピアがどのような作品に影響を受けたかを加味し、その印象的な台詞の数々を紹介する。
 フランス人が書いたシェイクスピア研究書ってので、ちょっと違和感があるが、逆に遠くから見てるからこそ、見えるものもあるんだろうな。エリザベス朝時代からジェームズ1世時代に至る時代の舞台劇の熱狂さや、その時代に進歩した演出の数々など、なかなか歴史的に面白い事が書かれていて、興味深い作品となっていた。
 考えてみると、まだまだ私が読んだシェイクスピアは半分程度。ゆっくりと、着実に読んでいきたいと改めて思った。
04'09'08 鉄腕バーディー6 (著)ゆうきまさみ <amazon>
 浄火学館の経営する病院に軟禁状態となってるクラスメイトの千明和義の身を案じる千川つとむ。バーディーは銀河指名手配中のテロリスト、クリステラ・レビとの関連を察し、単独その病院に忍び込むのだが…
 なし崩しに物語は第2部へと移っているが、漫画にしては登場人物が多くなりすぎてるので、人間関係を把握するのに結構苦労する。著者の並々ならぬ意気込みを感じるが、ストーリー展開がどうものんびりしてる感じがして…さて、これから一体どう展開するんだか。バーディの上司であるメギウス警部の存在も徐々に変になってきたし…オリジナル版では単なる善人だったんだが。
鉄腕バーディー 6 (6)
04'09'05 鉄塔武蔵野線 (著)銀林みのる <amazon>
 引越前の最後の夏休み。小学5年生の見晴は近所の鉄塔に付けられた「武蔵野線75-1」と書かれたプレートを見つける。75の後ろはどこにあるのか?そしてその行き着く先は?見晴は次々に鉄塔を辿り、81号の櫛流変電所に行き着いた。それでは逆にその前はどこに行き着くのか。見晴は友達で2歳年下の少年アキラを誘って武蔵野線を逆に辿ってみることにする…ひとつ夏の少年達の冒険とその顛末を描く作品。
 第6回の日本ファンタジー大賞を見事受賞した作品。それでさて、本作はファンタジーと言えるのか?実際選考もそれで相当揉めたのだとか。しかし、実際本作は本物のファンタジーとして読むことが出来る。私だけでないとおもうが、子供の頃、日常のふとしたものにSFじみたものを発見することがあるものだ。本作は少年のそんな思いを見事に表していた。ジュブナイルとは又違った形だが、このような新しいファンタジーの境地を開拓した著者の感性には感心どころか、感動さえ覚える。なんかすっかりノスタルジーに包まれてしまった。
鉄塔 武蔵野線
04'09'04 ザ・スタンドI
スティーヴン・キング(検索) <amazon> <楽天>
 政府の防疫施設から一人の男が逃亡した。それが世界を覆う悲劇の始まり。たった一人の人間がまき散らした殺人ウィルスがあっという間に全米を覆い尽くす。その悲劇の中、ほんの僅かな人間だけが生き残っていく。その悲劇を描く。

 これが発表されたのは1990年。著者が最も脂の乗った時期であり、実際これが多分最後の“らしい”作品となったんじゃないだろうか?
 世界の終わりの話で、小松左京の「復活の日」DVD書籍)を思わせる内容っぽいが、こちらは流石にキング。モロにホラー仕立てで、全く違った切り口で、読み応えもあり、とても楽しめる。本巻はあくまで終末の前の話だが、ここに登場する人物達が一体どのように絡んでいくのか、とてもたのしみである。
ザ・スタンド 1
04'08'31 みんなの寅さん (著)佐藤忠男 <amazon>
 国民的年中行事と化した松竹映画『男はつらいよ』のシリーズ。これがどのようにして誕生したのか。そしてこの作品が何故日本人の心に染み渡るのかについて考察する作品。
 随分このシリーズも観てきたが、シリーズと言うことでひとくくりにしてしまい、ゆっくりと考えることもなかったかな?と少々反省。当時の松竹映画なかんづく当時の日本映画の事情なども書かれているので、なかなか楽しい作品だった。これを機会にもう一度しっかりこのシリーズについて考えてみたいとも思う。
 ちなみに本作が書かれた時点ではまだシリーズは終わってなかったが。
04'08'28 死の壁 (著)養老孟司 <amazon>
 日本人にとって死とはどのように受け止められているのか。その根本的な問題を、著者の行っている解剖学という立場、社会学の立場、そして家族という情の立場といった様々な角度から見つめ、死について考察した作品。
 説明不要のベストセラー作品だが、たまたま実家に置いてあったので読んでみた。
 著者が思ったとおりに語った事をまとめた。と言うのが本作の面白い点で、様々なキー・ワードが著者の話術によってひとつにまとめられていく過程を楽しんで読んでいくことができる。実に分かりやすく、ベストセラーってのは、こういう事もあってなんだろうな。
 この人は喋るのは面白いんだよな。
死の壁
04'08'26 豹頭王の行方 グインサーガ96
栗本薫 (検索) <amazon> <楽天>
 ケイロニア大使のランゴバルド公ハリスと会見するパロのリンダとヴァレリウス。パロを覆った戦後処理についての話し合いだったが、話題はどうしても消えたグインの所在についてになっていく。そんな会見途中で突然彼らの前に現れたグラチウス。彼はグインの居場所を知っていると言い、ノスフェラスに起こった異変のことを告げるのだった。

 とうとうここまで来た本シリーズ。なんとあと4巻で本当に100巻いってしまうよ。
 それにしてもこのシリーズは何か事が起こって盛り上がる時よりも、その合間の方が面白いと、改めて感じさせられた。なにせこれは全編において何が起こったと言うことが無く、ほとんど全てが会話で構成されてるし。しかし、これがかなり面白い。
 ところでグラチウスの言葉「やだ」はないだろ。駄々っ子か。
<A> <楽>
04'08'24 アジアパー伝 (著)鴨志田穣 西原理恵子 <amazon>
 タイに長く住み、世界各国の紛争地域へ取材に行った著者がアジアで体験した出来事や、自分の過去のことなどを綴った初エッセイ集。
 続編の方を先に読んでしまったが、どこから読んでも同じエッセイ集。先発だけに、更に文章が読みにくく、まとまりを欠くのが欠点だが、西原理恵子の漫画とか、結構楽しい部分は確かにある。西原理恵子好きならどうぞ。と言う作品。
アジアパー伝
04'08'14 十三番目の人格 ISOLA (著)貴志祐介 <amazon>
 人の強い感情を読み取るエンパスの能力を持つ由香里が阪神大震災の後ボランティアのカウンセリングをしていた時に、気になる少女を見つけた。千尋というその少女の中には様々な人格が蠢いていた。なんと彼女は多重人格の持ち主だったのだ。プロのカウンセラー浩子と共に千尋のカウンセリングを続けていった由香里だったが、千尋の中にある最後の人格、磯良に出会った時…
 著者の作品はかなり相性が良いらしい。特に「黒い家」は精神の方にまで打撃を食ってしまったほど。それで今回もそう言うのを求めて読み始める。やはり凄い。これが著者のデビュー作のはずだが、良くここまで書いたもんだ。と思える内容(尤も、この場合、単に面白いと言うレベルだったが)。なんかはまりそうな作者だ。
ISOLA
04'08'12 マリアナ伝説1〜2 (著)ゆうきまさみ田丸浩史  
 水球選手として優れた才能を持つ男寺澤。だが、彼はいかに自分を美しく見せるか。と言う点しか興味がなかった。そんな彼がシンクロナイズドスイミングに目覚めてしまった事で巻き起こる珍騒動。
 田丸浩史の漫画はかなり好きなんだが、面白いと思う一面、どうしてもどこか引いてしまうところがある
(その引いてしまうところが味なんだが)。しかし、本作に関してはそんなことがなく、凄く楽しい。やはりゆうきまさみの手を経ているだけのことがあるな。
 この人特有のホモネタはともかくとして、しっかりラブコメにもなってるし、何より端々にある確信犯的な勘違いネタが楽しい。今までいなかった美少年キャラ栗下の存在感が楽しいところ。
 小ネタなのだが、2巻に出てきたソドムさんは思いっきりツボ入りまくった。
分かる奴に分かればいい。と言う開き直りも又楽し。
マリアナ伝説 (1)
マリアナ伝説 (2)
04'08'09 迷走する帝国 ローマ人の物語XII
塩野七生 (検索) <amazon> <楽天>
 3世紀に入り、ローマ帝国は内憂外患の時を迎えた。新興国ササン朝ペルシアとゴート人の来襲。そして内乱により、ガリア帝国とパルミラ王国がローマ内で分裂。その中で、次々と現れる皇帝達。崩壊をつなぎ止めていた彼らの活躍を描く。

 この時代は本当に悲惨なもんで、読んでいてもかなり寂しくなる。日の出の勢いはどこへやら。って感じ。しかし、その中でも賢帝と呼んで良い皇帝も現れ、それがなんとかローマという国を作っていったのだ。としみじみ感じさせられる。歴史とは、崩壊をも合わせて考える必要があるんだな。
 それにしてもかかったな。読み始め、読み直しを含めると、確か4ヶ月くらい読んでたよ。
<A> <楽>
04'08'06 タイタス・アンドロニカス (著)ウィリアム・シェイクスピア (訳)小田島雄志 <amazon>
 ゴート人相手に大きな軍功を挙げたローマの武将タイタス。しかし、彼が捕虜としてゴート人の女王をローマに連れてきた事から悲劇が始まった。彼に残された息子は次々に謀殺され、娘のラヴィニアは陵辱され、タイタス自身も片手を失うことに。全てを失ったタイタスは…
 映画『タイタス』(1999)の元ネタであり、シェイクスピア作品の中でも最も残酷と言われる作品。何故か私はこれが好きで、今回の読み返しで3回目になる(一番好きなのは「マクベス」で、これは5回以上読んだ上に、英語でも通読した)。やっぱり読んでると精神にピリピリと触ってくるような、不思議な感覚を今回もたっぷり味わうことが出来た。やっぱり好みなんだよな。この作品。
 逆にこれを読もうと思ったと言うことは、精神的に安定しているからかもしれん。

 ちなみにこのサイトの掲示板及びチャットはほとんどがシェイクスピアの作品の登場人物から取ってるのだが、この作品からも取ってる。探してみると面白いかも(すぐに分かると思うけど)。
04'08'03 新・土曜ワイド殺人事件
とり・みき (検索) <amazon> <楽天>
ゆうきまさみ (検索) <amazon> <楽天>
 連続殺人事件を調査する群馬県警の田子刑事と土手村刑事は、手がかりを求め、魔都京都へと足を踏み入れる。なんとそこには都合良く(?)A子の姿があった。藁人形の家元に手伝いに来ていたA子は、そこで秘密の開かずの間に入り込んでしまって…

 かつて少年キャプテンに連載されていた伝説の(?)漫画の続編。これまで関東を中心に活躍していた話が一気に京都へ。凄いことになってる。
 本作の醍醐味はやっぱり数々のパクリ。本作も映画や特撮のネタが実に豊富に存在し、元ネタ分かってると笑えること笑えること…「パトレイバー」のパクリまであるのが笑える。ストーリーそのものも今や古典となってしまった直球のギャグマンガなので、そう言うのが好きな人にはお勧め出来る。
 これで分かったのだが、とり・みきってアシスタントを使わず、全部自分でやってるのね。凄いもんだ。
<A> <楽>
04'07'31 さよなら、海の女たち (著)椎名誠 <amazon>
 著者にとって印象深い海で出会った女性達との思い出をエッセイ風にまとめた作品。「グンジョー色の女」「伊勢海老騒動」「珊瑚礁の女」「七面鳥ホテル」「座間味にて」「貝の踊り」「秀さんの女房」「あつい冬」「秘密宅急便」「三分間だけのサヨウナラ」の10編を収録する。
 時折無性に読みたくなる著者の作品だが、本作はエッセイと言うより、短い私小説と言った感じ。この人の文才はどこか伝統的なものから外れていながら、しっかり日本人しているのが大変面白い。
さよなら、海の女たち
04'07'29 最驚!ガッツ伝説 <amazon>
 元ボクシングの世界ライト級チャンピオンで現在タレント業を営むガッツ石松は数々の伝説を持つ。伝説となった発言の数々を収録する作品。
 ネットで哨戒されたのを見て、それだけで爆笑したので早速購入。ただいざ文章になったものを読んでみると、面白いのは面白いのだが、なんか食傷っぽい気がする。こう言うのは、小出しで読むのが良いんだろうな。あんまりたくさんどどっと書かれても、続けて読むべきじゃないんだろう。
 時折読み直してぱらぱらとめくってみることにしよう。
最驚!ガッツ伝説
04'07'24 どこまでもアジアパー伝 (著)鴨志田穣 西原理恵子 <amazon>
 東南アジア暮らしが長い著者が、これまでアジアで体験してきた面白い話や、カメラマンとしてリアルタイムに遭遇している事件等をエッセイとしてまとめ、本文とは全く関係のない漫画を挿入した作品。
 シリーズの2作目らしいが、1作目は未読。今度注文してみよう。しかし、読み進んでみると分かるけど、著者は結構文章がうまくないな。かなり読むのに時間がかかってしまったよ。漫画の方は結構シャレにならないことが描かれていて面白かったけど。
どこまでもアジアパー伝
04'07'22 ジパング15 (著)かわぐちかいじ <amazon>
 あくまで人命救助を目的とし、積極的に歴史に関わることを拒否してきた角松艦長代理。だが、草加に同調する菊池はついにみらい艦内でクーデターを起こす。これからの日本の未来を作るために。
 戦後生まれの感覚と、戦いを強いられた人間の願いのぶつかり合い。これは重い内容だった。ファイナル・カウントダウン(1980)では当たり前に行われていた事が、日本という国にあっては、それがどれだけ難しいことなのか。
 実際、人命救助にどのような大義を見いだせるのか。これからテーマが明確になってきたな。
ジパング (15)
04'07'20 からくりサーカス33
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 黒賀村で夏を迎えた勝の元に仲町サーカスがやってきた。久々の再会に大喜びする勝としろがねだったが、しばしの別離は二人の間それぞれに互いには明かせない秘密を作っていた。そんな時、フェイスレスの放つ最強の刺客が黒賀村へと近づいてきていた。最古の四人と呼ばれるアルレッキーノ、パンタローネさえも歯牙にかけぬ強さを持つその自動人形シルベストリと戦うことになった勝だが…
 黒賀村の話はどうも閑話休題的で、さほど面白いとは思えないのだが、著者のこと。最終回への伏線が山ほどぶち込まれているんだろう。これからどういう展開となるのか、とりあえず楽しみにさせていただく。
<A> <楽>
04'07'17 餓狼伝BOY1
板垣恵介 (検索) <amazon> <楽天>
 「最強」を目指す二人の少年が出会った。一人は学業で日本のトップを目指す木戸新一。そして格闘技での最強を目指す丹波文七。二人が出会ったその夜、二人は怪物と出会う。

 「餓狼伝」主人公の丹波文七の少年時代を描く作品。と言うことだが、あら?文七の高校時代については既に漫画版の「餓狼伝」で描かれているんだが、設定がまるで違ってるぞ。まあ、お祭りみたいなもんだと思って読むのが良いんだろう。それにしても「餓狼伝」の小説版が出てから既に10数年が経過してるけど、今も尚拡大中ってのが凄いもんだ。肝腎の小説は全然出てないのが困りもんだが(笑)
<A> <楽>
04'07'16 はじめの一歩69
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 フェザー級日本タイトルを賭けた一歩最後の戦いがヴェテラン武との間に始まった。楽勝と思われた一歩は思わぬ苦戦を強いられる。得意のはずの接近戦でことごとく上をいかれる武の術中にはまってしまった一歩は…

 あれれ?こんな長くなるとは。精々丸一巻程度あれば終わるだろうと思っていたが、長引かせたな。いくら強くなってもそれ以上に強いのが出てくるってのは少年漫画のパターンだけど、一体どれくらい続くんだ?これは。
<A> <楽>
04'07'15 アンダーグラウンド (著)村上春樹 <amazon>
 1995年3月20日オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた。平和と思われた東京で起こったテロで、国内に衝撃が走ったが、しかし最も悲惨だったのは、偶然事件に居合わせてしまった当事者の方だった。事件から約一年後に著者が行ったインタビューの模様を描く。
 随分時間が経過してから読み始めたが、改めてとんでもない事件だったことを思わされる。しかし不思議な話だが、これで私が何を感じたかと言うと、何も感じなかった。なんか変なもんだよ。事件が古びたのか、私自身に共感能力がないのか、あるいはインタビューそのものが面白くないと思えたからか…
アンダーグラウンド
04'07'09 人魚伝説 (著)ヴィック・ドンデ (訳)荒俣宏
 ギリシア神話に登場し、
「フィシオロゴス」と言う書物に紹介され、中世には当然いる存在として描かれた人魚。アンデルセンの童話とディズニーによるアニメで現代でも有名となった人魚のルーツを探る作品。
 幻獣は今でこそゲームの中に封じ込められてしまっているが、中世の頃は、存在そのものが何らかの意味合いを持っていると考えられてきた。人魚はその内の一つで、堕落を意味する存在だったらしい。又、元々がギリシア神話のセイレーンから来たものだけに、ハーピーと同じ存在として描かれていたと言うのがなかなか興味深いところ。人を誘惑する存在を一個の人権として認めたのはアンデルセンの創作に負うところが多いとも。
 なかなか興味深かった。
人魚伝説
04'07'03 強殖装甲ガイバー22 (著)高屋良樹 <amazon>
 アリゾナと東京で同時に行われるガイバーによるクロノス基地襲撃。東京ではギガンティックが使えず、しかも十二神将のカブラール操るアプトムの身体に窮地に陥っていた晶と速見だったが、晶はそこに勝機を見いだしつつあった。一方アリゾナで一人の十二神将を倒したギガンティック・ダークだが、彼の前に信じられない光景が展開していた。十二神将の一人、ワフェルダノスの隠された力とは…
 あまりに緻密な絵のため、年に一冊程度の割でしか刊行されない本作だが、それでも随分巻数が進んだものだ(実際20年かかってるし)。しかし、一体この決着はどうなるんだろう?ギュオーだって生き残ってるんだし。これからどう話を持って行くやら。のんびり待たせてもらおう。
強殖装甲ガイバー (22)
04'07'01 ドールの子 グインサーガ95
栗本薫 (検索) <amazon> <楽天>
 グインが姿を消した後の中原。パロ、ケイロニア、そしてゴーラの3国はそれぞれの思惑をはらみ、事後処理に追われていた。パロ王子ディーンとケイロニア王女オクタヴィアの娘マリニアの処置、そしてゴーラではイシュトヴァーンとアムネリスの息子、ドリアンを巡り…

 政治的要素が強く、ドラマ性の極めて薄い作品となったが、こういう点をしっかり書くのが本作の一番の魅力だと思う。私としても、ここのところの馬鹿げた物語連発より、はるかにこっちの方が面白いと思えたし。
 残りいよいよ5巻で当初予定の100巻へ。
<A> <楽>