読書日誌
2023’1〜3月

Home
Book

23'03'31
石原慎太郎 (検索) <amazon> <楽天>
 石原裕次郎の兄として、その成長と成功、そして看取りまでした著者が見た弟裕次郎の生き様と、著者自身がスターの弟との関わりを描いた半自伝的作品。

 一口で言うと、随分ぶっちゃけた作品である。著者の好みだけで人をけなしたり持ち上げて見せたり、世界で最も重要なのは自分の家族だけだという態度を全く崩そうともしない。更に政治家として行った不正自慢や新興宗教団体の関わりなど。もはやこれ犯罪目録だろ?
<A> <楽>
23'03'27 ファイブスター物語17
永野護 (検索) <amazon> <楽天>
 魔導大戦が始まってかなりの時間が経過した。ボオスの星を巻き込んだ戦闘も膠着状態となり、どの国も次の一手を指しあぐねている状態の中、遠い外宇宙では偶然から、力の大部分を失った蓮葉の次期王女マグダルが目を覚ます。それに呼応するかのように次々と新しい事態が展開していく。

 いつの間にやら魔導大戦もほぼ後半戦。それぞれの国が次の一手を指そうとしている状態の中、その中心となったのがマキシだった。ついに誕生後戦闘もこなし、人類とは違う思考で周囲を混乱させていく。彼が魔導大戦の幕引きとして話を引っ張っていくのだろう。
<A> <楽>
23'03'24 英国一家、日本を食べる 日本をおかわり
マイケル・ブース (検索) <amazon> <楽天>
 日本を訪れ食を堪能した著者一家。それから時が流れ、日本では東日本大震災が起こり、そして著者の本がアニメ化までされた。そして成長した息子達を連れ、再び家族で日本を訪れた著者一家が、九州から始まり北海道まで、今度はじっくりと食を学びながら旅する紀行と食のレポート。

 作品がアニメ化された後で刊行された本なので、アニメについての軽い文句なども盛り込んでいる。日本食についてだいぶ知識が付いているようで、読んでるこっちの方が全く知らないことが次々出てくる。いかに自らが食に無頓着かを痛感させられた。
<A> <楽>
23'03'20 ショートショートショートさん3
タカノンノ (検索) <amazon> <楽天>
 趣味で書いている小説を本にしたいと思い立ったショートさんは、友人と語らって、同人誌即売会で売るために本を作ることにした。そこから即売会、その後の話など、いくつものトラブルと、たくさんの思い出を描く。

 これまでの四コマではなく、ストーリー仕立てで、一巻丸々コミケ?について描かれている。同人誌あるあるネタなのだろうが、実際そこまで苦労したことが無いため、あくまで「そんなもんか」という感じだが、承認欲求の強さと、それを形にする努力は、実際に共感するもの。色んな意味で面白い。
<A> <楽>
23'03'18 俘囚
海野十三 (検索) <amazon> <楽天>
 研究者の夫に隠れて浮気していた“あたし”魚子は、愛人の松永と共に夫を殺害してしまう。ところがその愛人が翌日蒸発してしまい、更に死んだはずの夫が現れるのだった。更に蘇った夫によって“あたし”の体は切り刻まれ、顔だけにされて壺の中で生かされ続けることになってしまう。

 とんでもない猟奇的な小説で、このまま映像化したら一級のホラー映画に仕上がるはず。著者の実力が遺憾なく発揮された作品と言っても良いだろう。
<A> <楽>
23'03'15 イチャイチャするとお金が湧いちゃう2人の話1
ときゎ (検索) <amazon> <楽天>
 貧乏大学生のアキとハル。隣のアパートに越してきた二人が偶然触れあったところ、何故かお金が湧いて出た。それから二人は度々触れあったり、時には一緒に抱き合ったりしてお金を湧かせて生活費のたしにしていた。だが近づく度にお互いの好きという感情が大きくなっていく。体の関係を持つと金が湧かなくなる可能性があり、お互いに一歩踏み出せないままもどかしい日々が過ぎていく。

 twitterで見かけた漫画が面白かったので読んでみたが、続けて読むとやや薄味な感じかな?臭いフェチのハルの設定が面白いので、続けて読むことにする。
<A> <楽>
23'03'11 現実主義勇者の王国再建記2
どぜう丸 (検索) <amazon> <楽天>
 エルフレーデン王国の再建は着々と進んでいるものの、王国を支える陸海空軍の大将たちがソーマ・カズヤを認めないという事態に直面してしまう。更にこれを好機と隣国のアミドニア公国が攻め込む機会を窺っていた。厳しい国際情勢の中、次に採るべき方法を考えるカズヤ。

 内政は着実に行っているものの、戦いの方は待ったなしに襲ってくる。今巻はいかにもファンタジーといった展開になった。
<A> <楽>
23'03'08 パタリロ!31
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 タイムワープの研究をしている内に時間を止める事が出来る事に気づいたパタリロは世界中の銀行に行って軽い盗みを繰り返していた。そんな時、ロンドンの銀行で銀行強盗と鉢合わせし…

 前後編を含める短編が主な作品で、今巻では基本的にはパタリロの思いつきで周囲を巻き込んで大騒ぎになるというのが多く、核戦争を引き起こしかけるというシャレにならないネタもあった。あと久々にラシャーヌが再登場する話もあり。パタリロとラシャーヌがいると全く話が進まない。
<A> <楽>
23'03'06 異世界食堂6
犬塚惇平 (検索) <amazon> <楽天>
 週に一度だけ開く異世界に通じる扉の中にある異世界食堂ねこ屋。今日も又多くの種族の者達が食堂に集っていく。ねこ屋には更に新しい人間の従業員が入り、ますます賑やかになっていく。

 完全に安定した物語で、安心して読むことが出来る作品。新しい従業員として、人間でマスターの姪が入ってきたが、やってることは基本的に同じ。
<A> <楽>
23'03'03 僕のヒーローアカデミア11
堀越耕平 (検索) <amazon> <楽天>
 爆豪を救うために集まったヒーロー達。その中心となるオールマイトの前に立ち塞がったのは、ヴィラン連合を束ねるオール・フォー・ワンという男だった。宿怨ある二人の戦いには誰にも割っては入れなかったが、こっそり現場に来ていた出久達雄英高校の面々は、オールマイトが全力で戦えるよう、ヴィラン連合から爆豪をさらうことを考える。

 オールマイトが、その姿での最後の戦いとなった。その力は既に出久へと受け継がれているが、そこで残った最後の力でオール・フォー・ワンを捕らえることは出来たというところ。爆豪も無事戻り、改めて学園生活が始まるが、今まで通りではなくなっているという状況。徐々に話は重くなっていく。表紙も相当痛々しい。
<A> <楽>
23'02'28 屋根裏の散歩者
江戸川乱歩 (検索) <amazon> <楽天>
 何をしても情熱が長続きしない郷田三郎は、何度も繰り返した引っ越しの末にたどり着いた下宿で屋根裏に入れることが分かり、そこで人の生活を覗き見る快感を得る。そんなある時、不意に完全犯罪が可能ではないかと思い立ってしまう。

 道楽で人殺しをするサイコパスが完全犯罪を試みるという、猟奇的なお話しだが、そこは良心的な部分があって、最後に名探偵が登場して全ての謎を解き明かしてる。ここで登場する明智小五郎は未だ学生で、素人探偵という位置づけ。
<A> <楽>
23'02'24 BEASTERS1
板垣巴留 (検索) <amazon> <楽天>
 草食動物と肉食動物の共学高校のチェリートン学園。そこで御法度であるはずの食殺事件が発生する。騒然とする学園の中、演劇部の舞台係をしている灰色狼のレゴシが犯人のような扱いを受けていた。当のレゴシは身の証を立てるでもなく、噂を尻目に黙々と自分の仕事をしているが、その事件は確かにレゴシにもおかしな影響を与えていた。暗闇の中、現れた学園の女の子ドワーフラビットに思わず襲いかかってしまうのだが…

 五日かならず読まねばならないと思っていた作品なのだが、思いの外遅くなってしまった。これは間違いなく私のツボにはまる作品だし、一通り読んで、間違いなくこれははまる要素満載であることを再確認した。著者はよくこんなもん描けるとひたすら感心するしかない。
<A> <楽>
23'02'20 転生したらスライムだった件6
伏瀬 (検索) <amazon> <楽天>
 たった一人でフェルムス王国軍を全滅させ、魔王として覚醒したリムルは、近隣の国家を招いて同盟を結ぶ。そして足下を固めた後で、ついにこの一連の災害を引き起こした黒幕クレイマンを倒すべく計画を立て始める。一方、当のクレイマンは自分自身真の魔王となるべく、最終段階に入っていた。

 物語の最初の区切りとなる作品で、これで第一部完となる。リムルが最初に出会った暴風竜ヴェルドラの解放、自らが魔王となったこと、そして一連の黒幕を排除したこと。設定料もかなりにのぼるが、それをすっきり読ませる技量はたいしたもんだ。確かにこれは転生作品としてはランクが上だ。
<A> <楽>
23'02'18 パタリロ!30
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 スーパーキャットの兄である間者猫が仕事も無くすさんだ暮らしをしているという相談を受けたパタリロは、彼に自信を取り戻させるために難事件を依頼することにした。その相手はなんとデュモン。

 短編で構成はされるが連作もあって、又してもデュモンが出てくる。レギュラーというか、越えられない好敵手と言った位置づけ。これまでこんな立ち位置にあったキャラはないため、都合よく使われてる感もある。スターダスト計画の時以来の間者猫の登場もあり。
 スーパーキャットって宇宙から一人でやってきたという設定のはずだが、兄とは?血のつながりがないのか?
<A> <楽>
23'02'15 ゴジラとエヴァンゲリオン
長山靖生 (検索) <amazon> <楽天>
 日本が誇るコンテンツとなった特撮とアニメーション。その最高峰と著者が考えるゴジラとエヴァンゲリオンという二つの巨大コンテンツが重なる部分を探し、この二作の日本のメディアにおける歴史的意味と日本人の意識がどう変えられたのかを考察する。

 二つのコンテンツの重なる部分を探る作品と書かれていたが、実質的にはゴジラはゴジラ、エヴァはエヴァで独立して考察して、全然重なってなかった。おそらく単純に『シン・ゴジラ』絡みで庵野論を書きたかっただけだろう。
<A> <楽>
23'02'12 銀河鉄道999 16
松本零士 (検索) <amazon> <楽天>
 いくつもの星を巡り、その度ごとにメタノイドと人間の争いを目撃するようになった鉄郎。人類とメタノイドの間の戦いに巻き込まれつつも、メーテルはひたすら目的地エターナルに向かうことを鉄郎に促す。

 前巻までで人類とメタノイドの果てしなき争いが主軸になっていたのだが、今巻から様相が少し変化し、人類とメタノイドの争いの中で、何か別なことが起こっていることが暗示された。そのためにメーテルは鉄郎を連れてきたらしいが、それがなんであるかは語られないまま。
<A> <楽>
23'02'08 オーバーロード15 半森妖精の神人 上
丸山くがね (検索) <amazon> <楽天>
 アインズ・ウール・ゴウンによる地上侵攻も一段落し、これと言ってすることが無くなってしまったアインズは、まだ見ぬエルフ族を調べようと思い立つ。そこでダークエルフという設定のアウラとマーレを連れ、エルフの森へと向かう。

 前巻の展開から一転し、妙にほのぼのした話が展開中。もう終わりが近いはずの作品なのだが、なんでこんな間延びのする話を挿入するのか疑問だし、更に終わってない。著者はこれからどういう話を作るつもりなんだ?
<A> <楽>
23'02'06 金色のガッシュ!!2 1
雷句誠 (検索) <amazon> <楽天>
 魔界王が決定してガッシュが魔界に帰ってから数年。王となったガッシュによって魔界は平和に治められていたはずだった。しかし魔物を全て殺そうとする“何か”が現れ、圧倒的な力で次々魔物達を殺していく。ガッシュも倒れてしまうが、その遺言とも言える、「人間界に行って清麿という男を捜せ」というメッセージを持ったゼリィという子どもが人間界に現れる。

 「金色のガッシュ!!」終了後から既に10数年が経過しているが、劇中ではそこまでの時間は流れていないらしい。魔界ではガッシュが殺されたという衝撃の事実から始まり、残された一人の魔物が人間界で清麿と出会い、そこからガッシュの復活と、流れるような物語展開。ブランクを感じさせない良質な物語になってた。
<A> <楽>
23'02'02 蜘蛛ですが、なにか?7
馬場翁 (検索) <amazon> <楽天>
 魔王領までの長い道のりを徒歩で歩む魔王アリエルと“私”たち。砂漠を踏破中、地下に謎の空間があることを発見した“私”は好奇心半分にそれを探ってみたところ、そこには金属で出来たトンネルと、膨大な数のロボットの群れが存在した。更にその奥にはとんでもない超兵器まで。

 突然世界の危機が起こってしまい、互いに嫌い合ってる人類、エルフ、魔族が共同して対処するという話。一見感動的な設定なのだが、その中心となる主人公のやる気のなさがあって、今ひとつ感情的に盛り上がらない。ただこれは進化の頂点にいるはずだった主人公が新たなパワーアップを果たすために必要な話でもあった。どうやらこの星一つで話は終わらないらしい。
<A> <楽>
23'01'28 新九郎、奔る4
ゆうきまさみ (検索) <amazon> <楽天>
 父の名代として伊勢の荘園である井原荘に着任した新九郎。しかしここは父の兄珠厳によってがっちりと抑えられ、新九郎が割り入る隙が無かった。それでも少しでも荘園を良くしようと見回りを続ける新九郎。そんな彼の前に現れたのは…

 応仁の乱が続く京を離れて舞台は岡山へ。これまでの三巻はずっと見てるだけしか出来なかった新九郎が、ようやく自分の意思で動き始めた。どうやらここがこれからの主戦場となるらしい。色々漫画的な盛り上がりが見えてきた。
<A> <楽>
23'01'25 悪魔の舌
村山槐多 (検索) <amazon> <楽天>
 木村という友人から来て欲しいという内容の電報を受け取った“私”が木村の家に行ったところ、そこで彼は自殺を遂げていた。その机にあった“私”宛ての遺書に書かれていたのは、彼の恐るべき告白だった。幼少期から奇食にはまった木村は、何を食べても物足りなくなっていき、ついには禁断の食へと手を伸ばすことになった。

 「青空文庫で読める奇書」という触れ込みがあったので興味を持って読んでみたが、これは本当に奇書と呼んで良い内容だった。意外なオチも含めて色々と心に残る。
<A> <楽>
23'01'22 ようかい居酒屋のんべれケ。4
nonco (検索) <amazon> <楽天>
 居酒屋のんべれケの借金返済が滞っているとして、家主が野球勝負を挑んでくる。受けて立つ店長は、従業員や常連を総動員して試合に臨む。だが素人の集団だけに特訓をすることになるのだが…

 基本的には全く同じ展開の話。やくざの親分が現れたり、ひのの妹が居酒屋に通い詰めるとか、やっぱり女の子ばかりが出てくる。登場人物が多くなりすぎて画面がうるさく感じることも結構あるが、まあ面白い。
<A> <楽>
23'01'21 雨ふり坊主
夢野久作 (検索) <amazon> <楽天>
 晴天続きで田んぼに水がなくなってしまった農家の父を心配した太郎少年はてるてる坊主ならぬ雨ふり坊主を作って、それに願いを込める。

 子供用に描かれたファンタジックな短編で、こんなのも描くのかと感心出来る。あくまで単純な話なので、するっと読めてしまうけど。
<A> <楽>
23'01'18 パタリロ!29
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 マリネラにいるパタリロの元に次々とトラブルが舞い込む。常軌を逸したトラブルの数々を持ち前の知恵とバイタリティで押し返していくパタリロ。

 今巻も短編集で、概ねマリネラを舞台におかしな出来事が次々起こるというパターンが続く。完全にマンネリ状態だが、安定した面白さという言い方も出来る。
<A> <楽>
23'01'14 グラスホッパー
伊坂幸太郎 (検索) <amazon> <楽天>
 妻を殺されて復讐に燃える元教師の鈴木は、その男の経営する会社に潜り込み、殺害の機会を窺っていたが、鈴木の目の前でその男は車に轢かれて死んでしまう。そこには“押し屋”と言われる男が関わっていることを知り、その男を追う鈴木だが、そこには様々な人の思いが絡んでいく。

 物語は鈴木、殺し屋“蝉”、自殺屋“鯨”という三人の視点で展開する。はっきり言えばリアリティは一切無い。だが楽しませようという思いに溢れていて、大変面白い作品に仕上がっている。
<A> <楽>
23'01'10 JJM 女子柔道部物語6
小林まこと (検索) <amazon> <楽天>
 高校総体北海道大会に挑むもえたちカムイ南。練習の成果を見せつけ、順調に勝ち上がっていく彼女たち。その中で高校生活で勝ち知らずの先輩小室亜弥が最後の大会で根性を見せる。

 なんかもう主人公のもえは強くなっていて、割と余裕で勝っていくため、今回は他のメンバーの描写を少し強化している感じ。いつも媚びるような言動をしてみんなから敬遠されがちな先輩が、それでも柔道に賭ける思いを存分に見せつけている。
<A> <楽>
23'01'07 転生したらスライムだった件5
伏瀬 (検索) <amazon> <楽天>
 この世界の最強戦士ヒナタ・サカグチの奇襲を受けて殺されかけた“俺”リムルは命からがらテンペストに戻ったが、時を同じくしてテンペストは隣国ファルムス王国の転生者達によって襲撃を受け、多数の死傷者が出ていた状況だった。更に宣戦布告したファルムス王国は二万人の兵を率いて一週間後にテンペストに襲いかかることが分かった。このままではテンペストは滅んでしまうことが分かったリムルは一つの決断を下す。

 前巻ラストから急に話が重くなり、ついには多数の死者まで出てくる。しかしそれこそが主人公のパワーアップに必要なことだったということで、危機があっても即解決でフォーマットに則った話とも言える。
<A> <楽>
23'01'03 犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい3
松本ひで吉 (検索) <amazon> <楽天>
 犬と猫を飼う著者が、犬と猫どっちとの付き合い方をマンガにした作品の第三弾。

 Twitterで著者をフォローしてるので、犬がもう亡くなっていることを知っているが、作品は作品で面白い。今巻は結構排泄ネタが多かったが、実際ペット飼ってるとそれは避けられないものなので、うんうんと頷きながら読んでいる。
<A> <楽>