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仮面ライダーカブト

仮面ライダーカブト事典
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NEXT LEVEL(CD)
FULL FORCE(CD)

2006'1'29〜2007'1'21

 平成仮面ライダーシリーズの第7作。仮面ライダーシリーズ・生誕35周年の記念作品。原点回帰が謳われ、仮面ライダーは虫をモティーフとしたデザインで「変身」のかけ声など、オリジナルシリーズを強く意識した作品となっている。
 物語は7年前に飛来した巨大隕石“渋谷隕石”によって一旦は壊滅的被害を受けた東京が舞台で、渋谷は未だ復興がなっておらず、しかもワームと呼ばれる人類の敵が現れている。そのワームと戦うためにZECTという特別チームが存在するが、クロック・アップという高速移動を可能とするワームの前に劣勢を強いられていた。そんな中、現れた正義のヒーローの活躍が描かれる。
 平成シリーズの特徴として複数の仮面ライダーが登場し、時として敵に、時として味方になりつつ敵と戦う形式を保っているが、なんと言っても本作の特徴はキャラ立ちにこそある。オレサマ口調の主人公の天道。直情的でひたすら頑張る加賀美新。女性に対しとても細やかな配慮をする一方どこか抜けている風間大介。エリート意識と被害妄想意識が混在する影山瞬。実力もない癖にあらゆる事に一番であると主張する神代剣などなど、ひと癖もふた癖もあるキャラ達が縦横無尽に戦い、語り合う。その姿を観るのが一番の楽しさだろう。主人公を完璧超人にしたのは、むしろ群像劇での狂言回しと強引なオチを付けるキャラとしての設定であり、本作の魅力はむしろ主人公の天道ではなく、その周りを彩る悩み多き面々の方にあったと思われる。
 ただし、平成シリーズの特徴である設定の弱さは本作でも健在で、結局解かれないまま残された謎ばかり。当初、時間の超越やタイムトラベルなども推測されていたが、その辺は見事にすっぽかされてしまった。そもそもライダーベルトが何故彼らに手渡されたかがTV本編では全く語られることがなかった(実はこれ劇場版で明かされている)。この辺を丁寧にやっていれば平成シリーズ随一の傑作と成り得たのだが…

主な登場人物
天道総司
仮面ライダーカブト
(役)水嶋ヒロ。本作を契機に若手スターとしてブレイク。将来を最も嘱望される若手俳優の一人。小説家としても有名。
 仮面ライダーカブトに変身する青年。何故かゼクトが開発したばかりの子供の頃からライダーベルトを持っていた。熱い心を冷静な態度の下に隠し持つ。
加賀美新
仮面ライダーガタック
(役)佐藤佑基。テレビドラマを中心に活躍中。
 ゼクトの見習い隊員。一本気な性格で、東京を守るため、自らカブトになろうとするが、突然現れた天道にその機会を奪われてしまう。普段は洋食店Bistro la Salleのアルバイト店員をしている。後にガタックゼクターによって選ばれ、仮面ライダーガタックとなる。
日下部ひより (役)里中唯。
 物語の語り部。洋食店Bistro la Salleのアルバイト店員。人とはあまり意思の疎通を持つことが出来ないのだが、機械の心が分かるという特技を持つ。7年前に渋谷に落ちた隕石により両親を失っている。尚、得意料理は鯖味噌。
天道樹花 (役)奥村夏未。
 天道の妹の中学生。人見知りしない明るい性格が特徴。兄を崇拝しており、兄の手料理を食べるのを楽しみにしている。
岬祐月 (役)永田杏奈。
 ZECTメンバーで田所チームの一員。有能な捜査員だが、性格はかなり堅く、見習いである加賀美をびしびし鍛えている。田所に恋心を覚えているが…
話数 タイトル コメント DVD
第1話   脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
 7年前渋谷に落下した隕石のため、今も落下地点は瓦礫の山となっていた。そんな記憶を引きずるひより。そんな時、ワームと呼ばれる凶悪生命体が東京の町を跋扈していた。そしてそのワームを駆逐するため結成されたZECTが今も戦っていた。ZECTはゼクトルーパーと呼ばれる特殊部隊にてワームに攻撃を加えているが、進化していくワームにおされ気味。今回のミッションも失敗したまま隊員のの加賀美はうなだれて帰途につくが、そんな時に出会った天道と名乗る青年…
 敵はサナギ体のワームと脱皮したアラクネワームルボア。サナギ体でもゼクトルーパーと互角以上に戦えるが、脱皮するとスピードが極端に増し、ゼクトルーパー程度は歯牙にもかけない。スピードにおいては劣るカブトだったが、天道の先読み能力のお陰で撃破される。
 新生ライダーを銘打った新シリーズの開始。まだなんとも言えないが、ハードなバックステージと妙に格好付けの主人公。そして和食に対するこだわりと、色々とケレン味溢れる作品になっているのは確か。さて、これがどう展開していく事やら。
 かなりの人死にが出ていることも本作の一つの特徴ではあろう。ハードさと笑いどころを忘れぬ作品に展開していく事を期待しよう。
<ZECTは秘密結社だそうだが、あんなに大っぴらにワームに攻撃して大丈夫なんだろうか?それ以前にゼクトルーパーって本来悪の組織の戦闘員としか見えない。昔は戦闘員は敵だったけど、正義側の方に戦闘員が来ているのは新機軸だが。
 ところで天道って謎はいっぱいあるけど、やってることはニートそのものなんじゃなかろうか?
 無機物の言葉が聞けるというひよりを見かけ、そのまま普通に接する天道。この二人は電波ちゃん同士なのかな?>
VOL.1
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第2話   脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
 カブトゼクターが選んだのはZECTの加賀美ではなく天道の方だった。それを知った田口は天道を問いただそうとするが、カブトは姿を消してしまう。翌日、この事件が新聞に載っていないことから興味を抱いた天道は加賀美とひよりがアルバイトしている洋食店Bistro la Salleへとやってくる…
 今回も敵はワームだが、今度は多量に出てくる。
 まだ何とも言えない。少なくともこれまでとは違った形の作品だとしか。これがパターンに飲み込まれていくのか、独自性を保っていくのかはこれからの展開次第。ただ、天道の行動原理は何となく少女漫画のキャラクタを思わせる。一方、本来のヒーロー的な性格してる加賀美が常に情けない。元ネタとなったのは少女漫画なんだろうか?
 カブトも一話はマスクドフォームのみの登場だったが、今回はいよいよ本来の姿であるライダーフォームがお目見えとなる。
 食にこだわりを持つ作品だが、今回は鯖味噌。洋食店Bistro la Salleでのまかない飯で作られたものだけど、ここまで凝ったものがまかないで作られるだろうか?しかも鯖味噌をナイフとフォークで食べるってのもなんか変。
<天道は格好良くあることを自らに課しているように見えるんだけど、そのクールさはなんか半歩ずれてる気もする。
 天道が朝食の味噌汁に入れてる具なんだけど、見た目タクアンのように見える。これ、具になったかな?
 天道が呼べばすぐにカブトゼクターは飛んでくることが分かったが、肝心の天道はベルトをしてないのに、カブトゼクターをキャッチした瞬間に出てくる。この辺は「仮面ライダー」シリーズの定番か?
 ここでのライダーキックは回し蹴りのようだ。この辺も違いかな?>
第3話   脚本:米村正二
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
 カブトエクステンダーを持ち出しながら天道に奪われてしまった加賀美は岬に叱責を受け、ZECT隊員失格の烙印を押されてしまう。落ち込む加賀美だが、そんな時にもワームは大量に出ていた。今度はユキという女性に木愛するワーム。しかもワームはユキ本体の抹殺に失敗してしまい、結果的に二人のユキが出てしまった…
 敵はランピリスワーム。ホタル型のワームで光によって相手を誘い出し、右手の発光体からプラズマを出して攻撃する。
 擬態したワームは対象者の知識まで得てしまうことがここで分かった。
 クールなヒーローと熱血の三枚目という構図はそのまま。特に加賀美のドジっぷりがますます誇張されている感じ。なんか同情するね。
<加賀美がバイトしているのは他の何物でもなく、ただバイト代のためだったらしい。まあ、その辺もこの後から語られていくんだろう。
 ゼクトルーパーは相変わらず弱い。つーか、この状態でよく今まで戦ってこれたね。
 ユキの留置房の隣に入ってワームの情報を得ようとする岬。いかにもわざとです。という感じが見え見え。昔だったらこれも良いんだけど、今になると外れだな。
 クロックアップして戦っていたカブトとワームは回り中の人間に迷惑をかけまくりだが、ガラスとかクロックアップ状態と同じスピードで落ちてるのはどういう事か?>
第4話   脚本:米村正二
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
 天道の家に招かれた加賀美はそこで仲睦まじい兄妹の姿を見た。実は加賀美には亮という有能な高校野球選手だった弟がいたのだが、肩を壊してしまい、励ます加賀美を残して行方不明になってしまったのだ。そしてそんな加賀美の前に現れたのは…
 敵はベルクリケタスワーム。スズムシ型のワームで、超音波を発し、空を飛ぶことも出来る。加賀美の弟である亮に擬態していた。
 一話完結のサブストーリーという感じだが、加賀美の過去と、何故ワームを憎んでZECTに入ったかが多少語られ、かなり重い物語になっている。
 熱血でドジなサブキャラを冷静な主人公がいたぶるという構図はここでも続いてる。それがこの作品の味になるのかどうか。天道は勝手に店に入ってきて加賀美を馘にしろとか無茶苦茶なことを言ってるけど、そんなことを言いつつも加賀美のことをちゃんと気にしてる。
 話が重くなっていき、物語は「剣」っぽくなってきたけど、でも決して悪いとは思えないところが本作の特徴。複合的な理由はあるのだが、微妙なバランスを保っているとは言えるだろう。
<Bistro la Salleに山ほど届けられた鯖。加賀美のツケで天道が買ったのだが、これって普通に犯罪だよ。それを受け入れてしまう加賀美くんも人が良すぎ。つーか、これだけの鯖、どうやって処理するんだろう?鯖味噌にするのは良いけど、何食分だ?
 樹花はおばあちゃんの言葉として、「どうせ食べるなら、まず、最初に最高のものを食べなさい」と言ってた。しかし樹花って鯖食べるの初めてなの?
 関係ないけど、天道の作った鯖味噌、あんまりおいしそうに見えない。
 「変なのに襲われ、もっと変なのに助けられた」「それは変だな」。なんだその会話は。>
第5話   脚本:米村正二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 天道を尾行する岬の前にZECTの東という男が現れ、カブト捕獲作戦の協力を要請する。ZECTのカブト捕獲作戦とは、わざとワームを野放しにしてカブトをおびき寄せるというものだった。その頃加賀美はワームに殺されてしまった弟の亮の事を告げるため、実家を訪れる。
 敵はエピラクナワーム。水色のテントウムシ型のワームで、口吻から人間の体液を吸い取りミイラにしてしまう。
 ひよりの身に7年前に起こった事件のことが少しだけ語られる。それで両親を失ったひよりを慰める珍しい天道の姿も拝める。
 今回のまかないはポトフ。天道の家でひよりに作らせたもので、味の秘密を盗もうと天道はその手元をじっと見ている。
 そうそう。加賀美がひよりをデートに誘うシーンがあるんだが、見事に撃沈。これが加賀美の役回りなんだろうけど、やっぱり可哀想だ。展開的に言えば「剣」よりも「555」に似てるかな?
<東の登場は「ちょーっとイイデスカ?」…これすげえアブねえ人のように思えるんだけど。岬が逃げ出そうとしたのはそのため?つーか、東役の小川敦史って、「超光戦士シャンゼリオン」の黒岩以来東映もの、特にライダーシリーズの常連だよな。格好付けがだんだん堂に入ってきてるみたい。
 落ち込む加賀美を元気づけてくれと天道の家を訪れるひより。あれ?天道の家知ってたの?そしてそれを見た樹花は「わーい。お客さん第2号だ」と喜んでるけど、今まで全く客がなかったのか?
 ワームを野放しにする上層部に怒りを覚える加賀美は「ワームを放置するなんて許せない」と息巻くが、今までZECTがなにか役だったのだろうか?
 クロックアップすると、やっぱり重力を無視できるらしい。空中で真っ二つになった車はそのまま固定されているのに、エピラクナワームだけしっかり落下してるよ。クロックアップってどういう理論なんだ?
 そう言えば加賀美がワーム探知機を持ってるんだけど、これってひょっとして今までのストーリー展開を全否定してない?これあったら3話は成り立たないんだけど…その後で開発したか?>
VOL.2
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第6話   脚本:米村正二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 ひよりが待つ投稿タワーに向かっていた天道はゼクトルーパーに取り囲まれてしまう。ベルトを取り去られた上に拘束されてしまう天道。ひよりと樹花に天道は心配ないと告げる加賀美だったが、やはり天道が心配で自らゼクトルーパーの格好をしてZECT本部に忍び込むのだが…
 敵はプレクスワーム。ノミ型のワームで、ジャンプ力があり。ZECTの東に擬態し、ZECT本部を探ろうとした。
 ワームは人間に擬態するが、実はZECTにまでその手は伸びていたと言うことが発覚。ワームとは決して知能が低い訳ではないことを知らしめることになった。
 当の天道自身は何を考えてるか分からないけど、そこがどこであろうとふてぶてしい態度は変わってない。天道の家に文句を言いに行ったひよりに電話で「樹花にホットケーキを作ってくれ」と頼んでたりする。一方の加賀美はやっぱり良い人過ぎる。
 話自体に爽快感は無いけど、天道の変な台詞がつるべ打ちに出てくるので飽きはしない。「太陽に向かってあなたは太陽ですかと聞くか」「尋問と言えば、カツ丼だろう。飛びきりうまいのを、ご馳走しろ」 「鯖と鰹どっちが好きだ」「太陽の輝きを知るが良い」…
 そして最期に一瞬だけ現れる、夜の街を睥睨する仮面ライザーザビー。このパターンはもう飽きたんだけどね。
 今回のまかないではホットケーキが出てくるが、あれはプロの作ったものだな。普通に作ってあんな厚くできない。
<普通の住宅街に大挙して現れるゼクトルーパー。一体どこが秘密組織なんだろう?
 ZECTの尋問室って随分広い。会議室と併用と言うことか?背後にゼクトルーパーを配してたりするけど、それだけ天道を恐れてるのか?それはそうと、どうやってカツ丼
 天道との約束を思い出して、これまで押していたバイクに飛び乗る加賀美。その時には既にヘルメットをかぶっていた。変身並のスピードでヘルメットを装着できるのだろうか?
 加賀美の質問に対し、「本部の命令だ」としか言えない田所さん。妙に疲れ切った姿は中間管理職の悲哀を醸し出してる。
 ZECT本部は現場の誰も知らないという。それって凄く無理がある設定だと思うぞ。>
第7話   脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
 ZECT田所チームはワームと交戦したが、なすすべもなく複数のワームに全滅させられてしまう。たった一人残された加賀美に迫るワーム。だがその時新たなるライダーが現れ、ワームにキャストオフ時間を与えずに全滅させてしまう。変身を解除した仮面ライダーザビーこと矢車に感動する加賀美。そんな時、樹花のリクエストで湯豆腐を作るために豆腐を買いに来た天道は豆腐屋で矢車と出会う。たった一丁しか残ってない絹ごし豆腐を巡って天道と矢車は料理対決をすることになるが…
 敵はベルバーワームベルバーワームロタ。同じくウデムシ型のワームで、怪力と口から出す毒液で攻撃する。今回はベルバーワームロタの方が倒される。
 第2のライダー、仮面ライダーザビーが登場。そしてザビーとなる矢車が登場した。天道に輪をかけてクールなキャラで、料理の腕も互角以上というキャラで、とにかく変な奴。いい加減主人公だけで鬱陶しいのに輪をかけてクールなキャラが出てきたな。
 天道の一言。「二兎を追う者は二兎とも取れ」。一丁しか残ってない絹ごし豆腐を矢車と取り合った時に言った言葉。通常これは喧嘩売ってるとしか思えないわけだが。
 それで今回のまかないは豆腐対決で天道が冷や奴、矢車は麻婆豆腐だった。
<今回は特にツッコミ所が多い。
 冒頭のワームの攻撃によってゼクトルーパーが全滅。クロックアップしてないワームにさえ効かない銃を持たせるのは問題じゃないか?ゼクトルーパーってなり手がいなそうだとしみじみ思う。やっぱ薬とか使って強制労働させてるんだろうか?(ほとんど悪の組織そのまんまだ)
 その中で武装してない加賀美だけが残された。加賀美ってまるでイジメに遭ってるようだ。
 その後シャドウが登場する。同じゼクトルーパーながら、えらく強いし、銃もちゃんとワームに効いてる。一体ZECTとはどういう組織なんだろうと真剣に考える。戦闘員は使い捨てか?ショッカーとなんら変わらないな。
 矢車は麻婆豆腐作るのに絹ごし豆腐を注文。個人的な趣味なら、麻婆豆腐は木綿ごしの方がおいしい。ついでに言うなら湯豆腐も木綿ごしの方がおいしい。
 料理勝負でほぼ同時に料理は完成。麻婆豆腐はかなり調理に時間がかかるが、冷や奴と同時ってのは、やっぱり天道が余裕見せて休んでたんだろうか?Bistro la Salleにあんなに中華料理の調味料があることに驚く。
 結婚式で花嫁のベールをはいだら、そこには自分の顔…これはかなり凄まじい恐怖だろう。
 ゼクトルーパーの銃でさえ全く歯が立たないワームに生身の天道の回し蹴りが炸裂。で、痛そうに見えるのは何故?> 
第8話   脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
 キャストオフしたワームの一匹を逃がしてしまい、それを追おうとするカブトだったが、ザビーは「お前を倒すことが俺の目的だ」とうそぶき、カブトに攻撃を仕掛けてくる。やむなく応戦し、シャドウの一員影山を殴り倒してしまうカブトだったが、それを見てしまった加賀美は天道に対して怒りを露わにする。日常に戻った天道だが、ワームの活動は続いていた。田所にシャドウの一員として戦わせてくれと頼む加賀美だが…
 敵はベルバーワーム。白い服をした人間を次々に毒液を吐きかけるワーム。結構あっけなくカブトに倒されてしまう。
 組織に属さないため、孤独に落とされる天道と、組織を大切にするあまり、天道に先を越されてしまう矢車。それなりにどちらも枷をはめられた二人の戦いが展開する。
 天道の言葉。「星はいくら輝いても太陽には敵わない」。これは勝負を挑んできた矢車に言い放ったが、すぐに「太陽は俺だ」と返される。
<矢車はこの街に来たばかりのはずだが、うまい豆腐がある場所はよく知っているらしい。勿論前回天道とぶつかった店だが、料理についてはかなりの情報通と言うことなのか?
 矢車は天道を意識しすぎで、常に格好付けて天道の上行ってるような発現をするが、それがことごとく外してる。加賀美は矢車に心酔してるけど、その実はコンプレックスの固まりのようだ。大体ワームがもう一匹いること位、一緒に戦ってたんだから分かって然りだったんじゃないか?
 で、矢車はシャドウは完璧とか言ってるけど、こういう場合は当然「ザル同然」と同義。
 天道が結婚式で神父の役やってる。こりゃかなりの冒涜だね。
 横に電車が通ってる所で戦いをしてるけど、これはやっぱり合成だろうね。
 カブトを打ち倒し、ライダースティングで攻撃をかけるザビー。夕陽の逆光を浴びて格好良いけど、なんでそんなにの〜〜んびりやってるかな。君は。>
第9話   脚本:米村正二
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
 襲いかかるザビーに応戦するカブトだったが、戦いの最中に加賀美を助けたためにザビーのライダースティングをモロに受けてしまった。ザビーによりベルトを破壊され、天道は病院送りになってしまう。自分の責任を痛感し、天道を心配する加賀美だが…
 敵はコレオプテラ・ワーム。コガネムシ型のワームで口吻を人間に突き刺して体液を啜る。三体登場し、それぞれ個体名をアエネウス(茶色)、アージェンタム(黒)、クロセウス(黄色)。今回はアエネウスがライダーキックで下される。
 今回は色々と見所が多い。カブトのライダーベルトが壊れて、しかも勝手に直っていたという事実。ひよりが過去に天道らしい少年と会っていたこと。そして何よりとうとう加賀美が仮面ライダーに変身したこと。カブトエクステンダーがキャストオフ状態になること…本当に色々詰め込んでるね。
 これまで完璧な上司を演じきっていた矢車がどんどんメッキがはがれていったのも特徴的。その代わり、ザビーゼクターはリーダーとしての素質を得た加賀美を選んでしまう。
 時折コスプレ気味の格好をする岬は、今回看護婦姿。これも本作の狙いなのか?
<見所が多いがツッコミ所も多い。
 前回ラストで倒れ伏したカブトにライダースティングを突き立てようとするザビーの姿があったが、今回のオープニングは全く違う。脚本の書き直しか?
 ザビーの使命はカブトの抹殺。で、ライダーベルトを破壊するのだが、ライダーベルトは1話で加賀美が使おうとしていたのもあったはず…矢車君、それを知らなかった?それ以前に放っておいても直ってるんだけど。それ以前にベルトを回収するのが本来の任務じゃないのか?
 カブトクナイガンは変身を解除しても残ってたんだけど、変身システムってどういう構造してるんだろう?
 岬が白衣姿で登場。しかしその狙いが今ひとつ分からない。なんでそんな滑降する必要があったんだろう?サービスかな?
 病院で豚汁の炊き出しを行い、鍋を洗ってる天道。う〜む。まるで新品同様のような鍋だ。洗う必要なさそうだな。
 「凡人故の涙ぐましい努力」とまで天道に言われてしまう加賀美。ここまで言わせて憎まれ口程度しか返せない加賀美はいい人過ぎるぞ。
 クロックアップを行い、ワームと戦うカブト。それ以前にワームに吹っ飛ばされたシャドウの面々は無視かい。
 ラストでCDのプレゼントコーナーがあったが、天道は「プレゼントしてやる」と大上段な発言してるよ。>
VOL.3
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第10話   脚本:米村正二
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
 ついに念願の仮面ライダーに変身することが出来た加賀美はワームを蹴散らし、シャドウの隊長にも選ばれて有頂天になっていた。だがそんな加賀美にザビーの本来の任務であるカブト抹殺が指令されるのだった。一方、ライダーベルトを見たひよりはかつての忌まわしい記憶を思い出し、自分の殻に閉じこもろうとしていた…
 敵は前回に続いてのコレオプテラ・ワーム。クロセウスがオープニングで、アージェンタムが最後にやはりカブトのライダーキックで倒される。
 いよいよ加賀美が仮面ライダーに変身。思ったより早かったが、有資格と実際に変身することとの違いが描かれることになるんだろうか?事実今回加賀美は自分に課せられた使命がカブト抹殺である事を知ってザビーゼクターを捨てている。
 加賀美の父親が再登場してる。わざわざ天道にちょっかい出してたり、ザビーのことを知ってるようだが、息子がザビーになったことをどう思ってるんだろう?いずれにせよ、加賀美の存在がこれから大きくなっていくのは確かだ。
 細かい所だが、ゼクトルーパーのマシンガンブレードの排莢の演出が心地良い。スタッフにこういうマニアがいると見た。
<カブトエクステンダーがキャストオフ出来ることが分かったが、なんでわざわざ壁とか走る?下にいる人間はクロックオーバーした時に割れて落下したガラスで大怪我だな。
 特撮は教育番組とか言っておられるかつてのライダーの方もいたが、年長者を全く敬わない、友情を否定する主人公を出して教育も何もなかろう。>
第11話   脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 未だ廃墟のまま隔離されている渋谷からやってきた風間大介という青年とゴンという少女。化粧師でフェミニストの風間はすっかり街の女性に囲まれる。何かと天道とかち合う大介だが、ワームに囲まれた大介の元に飛んでくるものが…
 敵はミュスカワーム。ハエ型のワームで空を飛び、口から溶解液を吐く。次々と擬態を繰り返し、二人のライダーを狙うことになる。
 第3のライダー、仮面ライダードレイクが登場。トンボをモティーフとしたライダーで、新キャラ風間大介が変身する。風間はメイクアップアーティストで、女性に対してはとことん優しいが、逆に男に対しては非情なまでにつれない。どこか天道とキャラがかぶっているので、初対面からお互いに反発し合ってるのが特徴か。これからの二人のぶつかり合いが楽しみではある。
 天道の合コン姿も見られる。オレ様口調の天道は何故か持てて、一方加賀美はやっぱり貧乏くじを引く。なんだかそれで天道に全てを持って行かれるのだが…
 今回の天道の台詞。「太陽とスッポン」。「食事は一期一会」
<前回ザビーとしてカブトと戦った加賀美は、妙に熱い目で天道を見つめていた。描写的にまずい気もするんだが…
 風間と天道がかち合った時、お互いを「変」呼ばわりしてるが、確かにどっちも正しい。
 赤いメイド服を着た女性が登場。今の流行りに合わせたか?
 手にタケノコを持ったままカブトに変身する天道。変身してもタケノコはタケノコのまんまだった。変身の範囲はどうなってるんだろう?
 屋形船で天ぷらを一口食べた天道は一言。「この天ぷらはそば湯を活かし切ってない」…そば湯?
 風間のメイクアップ術で「アルティメット・メイクアップ」というのがある。画面がいきなりピンク色になり、色っぽい目つきをした風間が多数登場…気持ち悪いぞ。
 合コンに参加した女性の中にワームがいる。となって、気が付いたらなんと参加した全ての女性がワームだったというオチが付いた。
 ドレイクのデザインは「ビーファイターカブト」に登場したビーファイターヤンマに似てる感じもあり。>
第12話   脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 風間大介こそが第三の仮面ライダーであるドレイクだった。ただしその戦い方は天道とは全く違い、風間はあくまで自分の都合だけで戦うスタイルを貫く。一方そんな風間にZECTは目を付け、加賀美にスカウトを依頼するのだが…
 敵は前回に続きミュスカワーム。風間の信奉者に化け、風間の信用を得るが、カブトによってあっさりと倒されてしまった。
 人間関係について考察された話で、特に加賀美の成長はなかなかのもの。“友達”“属する”という言葉の重さを加賀美も感じることになる。同時に風間の妙なメークアップ術が冴え、気持ち悪さとギャグと重さが見事に渾然一体となった話で、無茶苦茶やってるように見えて意外にバランスが良い話に仕上がった。ようやく加賀美も天道と自分の関係がどのようなものかを知ることになった。二人の関係もこれから変わっていくのだろう。
 特に食にこだわりを持つ本作で味覚を持たないという三島の存在は異質感を醸してる。
<特に台詞に特徴の多い話となった。
 「やっぱり君はちょっとおかしい」と笑う風間に対し「それはお前だ」と返す天道…どちらも正しい。
 「合コンの女が全員ワームだったとは。お前はどういう趣味をしてるんだ?」と加賀美に訪ねる天道。趣味とは思わないけど。
 なんと加賀美に対しアルティメット・メークアップを施す風間。加賀美もまんざらではない表情してたけど、ピンク色の画面の中で恍惚とした表情は見てて気持ち悪いぞ。
 岬の立ち食い蕎麦の食べ方はなかなか堂に入ってる。あれくらい音を立てて啜るのが立ち食い蕎麦では正しい。
 なんでも一番でないと気が済まない天道は、スクラッチカードでさえ外れるとムキになってしまう。子供っぽすぎ。で、ひよりにも「ホント変な奴だ」と言われる始末。きっとそう言うこと全く関係なく自分の道を行くことが彼の生き方なんだろう。>
第13話   脚本:米村正二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 天道の言うことは正しいが、気にくわないとカブトに襲いかかるドレイク。結果的に軽くいなされてしまう。そんな折、ザビーを失い解散の憂き目にあったシャドウの元メンバーが次々にワームに襲われる事件が続発していた。岬の部下としてZECTに赴任してきた影山もすっかりやる気を失っていたが…
 敵はセクティオワーム。カマキリ型のワームで、両手の鎌と口から毒の泡を吐いて攻撃する。異性体のセクティオワームアクエレも登場。元シャドウの面々に化けて他のメンバーを襲っていた。
 少しずつ過去のことが語られるようになり、更に一旦解散したシャドウが再結集とか、更に新しいザビーとして影山が選ばれたとか、語るべきことは結構ある。影山はこれまで一般隊員の一人でしかなかったのに、妙に存在感があったのはこのためか。それにしてもザビーになった途端態度がでかくなるのは、やっぱり相当嫌な奴らしい。
<これまでのライダーとは違い、天道はよほど襲われ慣れているのか、ドレイクが襲いかかっても全く焦らない。お互い戦うことが当たり前と思ってるような。
 初めて天道が敗北を認めた。ひよりの味付けのことらしいが。で、その直後「全人類の未来は俺が救っている」とか言ってる所が天道らしいが。
 矢車が久々に登場しているが、気障ったらしい性格はそのまんま。天道に向かって「又俺の時代が来る」とか。
 セクティオワームは毒の泡を吐いて人間を攻撃するそうだが、矢車は何故か平気っぽい。
 あれほど矢車を慕っていた影山なのに、自分がザビーになった途端矢車を邪魔者扱いしてる。>
VOL.4
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第14話   脚本:米村正二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 ZECTには内通者がいる。その衝撃的な事実を突きつけられる岬だが、その候補に挙げられているのは、なんと加賀美であった。一方、7年前カブトによって両親を殺されたと思いこんでいるひよりは天道にベルトのことを問いただすのだった…
 敵はセクティオワームアクエレだが、今回は幼生体のみ。その中に白いワームが混ざっている。これが今後何らかの意味を持っていくのか?
 話は又しても迷走状態に入りつつある。ようやく自分自身を見つけたかのように見えた加賀美が情けなくなってしまったし、影山の性格もますます悪くなってる。天道も一応加賀美を心配しているようだけど、それ以上に飯のことを気にかけてるし。
 おや、今回ひよりはゴスっぽい服で登場してるよ(ちょっとだけだけど)。それと、なんか意味のあるっぽい謎の人間も登場してる。
<影山の性格の悪さ(と言うか人間の小ささ)がますます突出し始めた。内通者を洗い出すために加賀美を危険にさらして全く悪びれてない。上にへつらい、下に厳しい。中間管理職の典型みたいなキャラになってる。
 ひよりの料理を「美味い」と喜ぶ天道。食べながら喋るのは止めた方が良いよ。口の中から食べ物が見えてる。
 パーフェクトハーモニーセカンドステージを宣言する影山。内通者をあぶり出すことのどこがパーフェクトハーモニーなんだ?
 そう言えば前回手に入れたオリーブオイルはどうしたんだろう?天道がひよりに渡したら、当然ばれる訳だし。結局放っておいたんだろうな。
 関係ないけど、今回カブトゼクターはまるでひよりに見つからないように注意して天道にサインを送ってる。TPOをよく知ってるようだ…使用者とはまるで反対に。>
第15話   脚本:井上敏樹
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎 剛
 カブト、ザビー、ドレイクの三人がついに鉢合わせ。すぐさま戦闘に入るが、カブトは他の二人のライダーを圧倒する。一方、影山に利用されてしまった加賀美はショックを受け、ZECTに休職届を出してしまう。
 敵はフォルミカアルビュスワーム。シロアリ型のワームで、口から生物を溶かすガスを吐く。集団を好むらしく、オキュルスとマキシラという異性体があり。
 物語はようやく天道と加賀美の二本柱で展開するようになってきた。悩む加賀美と、遠くからそれを見つめる天道という図式が様になってきてる。なんだかんだ言って加賀美中心なのかもしれない。
 加賀美は父親との確執を捨てようとしているようだが、その父親の方にもかなり秘密があり、息子にも自分がZECT長官であることを打ち明けてないのはなんらか理由があるのか?
 しかしながら、そこにやっぱり変人の風間が割り込むことで、妙な空気を醸してるのも確かだが。
 ところで本作は平成ライダーシリーズで必ず出てくる井上敏樹脚本の話なのだが、端々にらしさはあるものの(食べるシーンが多いし、自分と同じ顔を見かけても全く動じずオヤジギャグをかましてるとか)、さほどおちゃらけていない。これだけで凄いことだと思うぞ。少なくとも、見所だけは無茶苦茶多いぞ。
 ラストも、敵視していた影山を自分の部下として使う天道の姿が見られるとか、なかなか終わり方も面白い。
<立ち食い蕎麦をかっ込む岬と加賀美。蕎麦を啜り混む岬の描写は素晴らしいの一言。さすがキャリアウーマンだ。ところで「天ぷら蕎麦」を頼んだらエビ天蕎麦が出てきた。なかなかサービスの良い蕎麦屋だな。
 先週上司の田所の命令に従って加賀美を犯人と決めつけてた岬が、いきなり説得モードになってもなあ。こいつ言ってることがバラバラじゃないか?
 店の中で岬のメイク合戦を始める風間と天道。なんとひよりがツッコミ役になってる。>
第16話   脚本:井上敏樹
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎 剛
 シャドウの隊長として颯爽と登場した天道の姿に唖然とする加賀美。天道寺総司郎という偽名で入隊したと言う。しかしそんな天道に影山は不満を覚えていた。一方、単独捜査を続ける加賀美だったが、行く先々で何故か天道に鉢合わせしてしまう。
 敵は前回に続きフォルミカアルビュスワーム。若林という医師に三体が変身していたことが分かった。ちょっと変わったワームである。
 天道と加賀美の両軸の話は今回も続くが、それだけでなく影山と風間が絡むので、かなり複雑な話になってるのだが、不思議とバランスは悪くない。確かに話の展開は早いけど、割ときちんと話をまとめてる…だけどツッコミ所も多い。
 井上脚本の大きな特徴として汚らしく食い物を食うという描写があるが、前回の立ち食い蕎麦に続き、今回も飲み屋での食い方がそれっぽい。私はこれが大好き。
<天道は偽名を使ってシャドウに入ったことを誇っていたが、偽名だろうが何だろうが、本人がシャドウに入ったと言う事実は変わらないし、発言も全く変わってないので、その意味は全くないように思える。
 ゼクトルーパーのヘルメットは片手で簡単に脱着出来る。えらい安普請だし、これじゃ機密性もなさそうだ。
 影山の性格はますます陰険になってる。天道の部下であることに我慢出来ず、天道と風間を戦わせようとしてるけど、結局ばれて余計不満が溜まってる。で、上司の三島にすがりついたり、三島に言われてゴンをストーキングしたり、陰険と言うよりは情けないと言うべきかも。
 健康体の加賀美を何の根拠もなく手術させようと言うのは前に「超光戦士シャンゼリオン」でやってたなあ。>
第17話   脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 影山に与えられた新しい任務とは、風間の相棒ゴンをさらってくるというものだった。執拗に狙う影山の影に怯えるゴンはミスを連発し、ついには風間から放り出されてしまった。影山に襲われたゴンは少し昔の記憶を取り戻す。
 敵はビエラワーム。バイオリンムシ型のワーム。基本的にゴンの回想シーンで登場。一旦狙った相手は徹底的に追いかける習性を持つ。
 今回も井上脚本らしく仕上げられた話。特に変質者を描かせたらこの人の右に出る脚本家はいない。そんで誰も聞いてないのに延々と喋る人間を描かせても上手い。ただ笑いの部分が全くと言っていいほど存在しないのは珍しい。
 初めて天道の料理が「まずい」と言われた記念すべき話でもある。
<冒頭長々といかにしてワームを倒したか吹聴する加賀美。よほど嬉しかったのだろうと思うが、前にザビーになって倒したことあっただろ?
 前回ラストで見事なストーカーぶりを見せた影山は、更に不気味さを増して登場。さらうんだったらさっさとさらえ。獲物睨め回してるみたいで、本物の変質者に見えるぞ。
 ドレイクの撃った銃弾を生身のまま避ける天道。又『マトリックス』(1999)よけか?と思ったら、そのまま仰向けに倒れてた。まあ、こっちの方がリアリティあるか?ドレイクの銃弾もクロックアップしたら弾道が遅くなったけど、これってひょっとしてワームに全く通用しないって事なんじゃ無かろうか?
 ところでこれ言っちゃもともこもないけど、今回のワームは本当に都合良い時に出てくるな。まるで天道が出てきて欲しいと願ったら出てきたみたいだ。>
VOL.5
<A> <楽>
第18話   脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 影山に拉致されたゴンを救い出すため、風間は敢えて天道に挑むが、事情を知った天道は戦いを放棄して姿を消した。天道は改めて独自にゴン救出を試みるが、その前にドレイク、そしてザビーが立ちふさがる。
 敵は前回に続きビエラワームだが、やっぱり天道の都合良い時にだけ出てきてあっけなく倒されてしまった。むしろ今回はライダー同士の戦いがメイン。
 この話もライダー同士の戦いが描かれる。ただ「剣」の時と較べてあんまり怒りたくなくなるのは、きっとキャラに隙が多いからなんだろう。余裕があるからこそ戦いも楽しめるんだろう。
 とは言っても、ツッコミ所は無茶苦茶多いのは流石井上脚本。
<ドレイクのライダーシューティングをライダーキックではじき返すカブト。飛び道具を素手で弾くのは「ドラゴンボール」の見過ぎ。
 ゴンが拉致された場所は風間にはばればれ。だったらドレイクに変身して壁ぶち破るなり鍵を奪うなりすればすぐに助けられるんじゃ無かろうか?
 ゴンを助けるためには他の方法がある。「頭が悪い」と風間に言い放つ天道だが、うん。これに関しては間違いなく君が正しい。
 ゴンの記憶が戻った時、今の記憶は全て消えてしまうと言う。昔の推理小説とかではよくあったが、実際そんなことはほとんど無いらしい。
 田所は無愛想に見えても、上と下に挟まれつつ最大限部下のために苦労しているようだ。それにしてもこいつ仏頂面して座ってるだけとは、なんとも楽なキャラだ。
 ゴンの閉じこめられていた伊豆の保養所に忍び込む面々。いきなり全員まかない人になってるのはともかく、その作戦ってのが天道の作った料理がうまくて職員が我を忘れてる内に救出という妙な話だった。
 風間と一緒にいた記憶を失ったゴンを知った風間は姿を消すが、ゴンに声をかけたのは「あんまり可愛かったからつい」だそうだ。変質者のような台詞だ。
 ドレイクのライダーシューティングをクロックアップして避けて余裕を持っていたザビーは、結局その誇った格好のままやられてしまう。影山がザビーになるようになってからこんなのばっかりになってきたな。
 目の前にワームが現れたというのに、それよりライダー抹殺を優先しようとする影山…こいつだけはツッコミたくなるのは、やっぱりこいつだけ余裕がないからか?>
第19話   脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 ついに四人目のライダー、仮面ライダーサソードが現れた。彼の名は神代剣。名家の出で、“じいや”と呼ばれる執事を従えてやってきた。ZECTと契約を結び、ワーム退治をしていたが、当然その行動は天道とぶつかることになり…
 敵はセパルチュラワーム。シデムシ型のワームで、窃盗などが行われる現場に出没しては犯罪者に襲い掛かると言う性質を持つ。
 もはやツッコミ所しかない作品。しかし、これが妙に楽しくなってきたのも事実。
 仮面ライダーサソード登場。それはともかく人間体である神代剣は完璧に天道とキャラがかぶっており、しかも実力まで拮抗というキャラで、主人公一人でもいい加減鬱陶しいのに、それがダブルになった。狙ったなこりゃ。二人を見てのひよりの一言。「ちょっと疲れるな」はあまりにも見事に言い当ててる。
 更に怪盗が登場。井上脚本では当たり前だが、本当に自分のフィールドで作ってるあ。しかもその正体はガチで岬だったというオチ付くし、更に加賀美や田所までそれに協力…って、一体何やってんだZECTは?
<サッカーの助っ人を頼まれた天道は「俺一人でやる」と豪語する。それはともかく、神代まで一人でやるってのは、凄く変…それ以前に金持ちの坊ちゃんがなんで商店街のサッカー試合に出てるんだ?
 サッカーの後、バスケ、バレー、卓球、剣道、ボウリングと次々ゲームを繰り広げる天道と神代。それにつきあう加賀美とひよりも暇というか…最後までつきあう必要なかったんじゃないか?
 いくらワームを誘い出すためとは言え怪盗シャドウは岬?と言う展開はやっぱり変だけど、やっぱり警察は無能に描かれているのがそれらしい。それ以前に田所さん、よくそんなワームの性質が分かったもんだ。>
第20話   脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 「全てのワームは俺が倒す」とワームに対する憎しみを隠そうともしない神代。実はワームによって最愛の姉を殺されたという過去を持っていたのだ。一方、怪盗シャドウこと岬を助太刀する加賀美はだんだんそれが楽しくなってきた。そしてついに神代を標的に捕らえる岬だが…
 敵は前回に続きセパルチュラワーム。動きが素早く、キャストオフした時のマスクドフォームの破片を全て避けていた。
 初めてひよりが登場せず、そしてこれ又初めて田所が立ってるシーンがある話(笑)
 これも井上脚本の良い部分が出た作品で、笑える部分と同時に、妙にハードな物語が同時展開してる。特に神代の王様ぶりが遺憾なく発揮されている。モロ天道とキャラがかぶってるんだが、庶民の出と貴族の出の違いがある訳で、その辺のキャラの違いが微妙に面白い。今回はピアノ勝負で、どっちもどっちの実力ぶりを見せてる。
 とにかく何でもかんでも自信満々の神代は見ていてとにかく暑苦しいが、それが妙に面白い。そして最後に明かされる神代のもう一つの秘密…「剣」のレンゲルか?
<神代の最愛の女性は姉さんだったが、その回想シーンはバラ園で「ははは」と笑いながら追いかけっこ…これを素でやるところが凄い。
 加賀美のドジっぷりも相変わらず。警察にモロ顔を見せてるじゃないか。
 加賀美の親父さん、加賀美が怪盗シャドウの一員と分かった時、あの厳つい表情を全く変えずに「ちょっと、びっくり」とだけ発言…この人結構面白いな。
 珍しくまともな影山。「まとも」という事だけでツッコまれるのはこの人の人徳だな。で、まともになっても結局良いように使われるだけの存在。>
第21話   脚本:米村正二
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 ZECTでは新しいマスクドライダーシステム、ガタックの資格者探しが始まっていた。田所さえもガタックからは拒否され、瀕死の重傷を負ってしまうのだが、その報告を受けた加賀美陸は自分の息子を被験者に差し出すことを示唆するのだった。その頃、ワームの巣となったという工場に張り込みを続ける加賀美と岬だったが、その工場にいた工員皆がワームとなり襲いかかられてしまう…
 敵はタランテスワームと2対のブラキペルマワーム。いずれも蜘蛛型のワームで、口から糸を吐いて相手の動きを止め、串刺しにする。
 第5のライダーシステム、ガタックについて描かれる話。平成ライダーシリーズの例に漏れず、敵そのものよりも同じ仮面ライダー同士の関係が中心になっている。サソードの話もまだ終わってないから、話は混迷状況へと移っていく。
<前回スコーピオワームへと変身した剣だったが、伏線が全く活きてなかった。
 何かと金持ちであることを強調し続ける剣だが、嫌味と言うよりはここまでくるとギャグだ。いい加減見ていて鬱陶しいけど。
 ZECTとシャドウの連携はまるで取れてない。大体加賀美に工場に入って欲しくなかったら、あらかじめそれを言っておくべきだろ?影山は加賀美の命なんてどうでも良いんだろうか?報告も連絡も出来ないのに人を責めることだけは一人前の影山の姿が見られる。
 ひよりはサルのシェフを勝手に天道にしてしまう。許可書持ってないのに料理させたら保健所来るぞ。
 剣の執事の料理をべた褒めする天道。レシピが分からないとか言ってたけど、天道の目の前で作ってたはず何だけどなあ。>
VOL.6
<A> <楽>
第22話   脚本:米村正二
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 ガタックの装着に失敗した加賀美は自分の甘さを噛みしめていた。だがなんとか工場で出会った少年マコトを助けたい加賀美は、岬の制止を振り切って工場へと向かう。その頃、盛大に(?)剣の誕生日が祝われているが、サソードを仲間に入れるよう指令された影山もそこに居合わせ…
 敵は前回に続きタランテスワームブラキペルマワーム。前回加賀美が守ろうとした少年マコトこそが実はタランテスワームの擬態した姿だった。それ以外にも剣自身が変形してしまったスコルピオワームがカブトに襲いかかる。
 ガタック編の第2話。ついにガタックは装着者を選んだ。それは一度装着に失敗した加賀美であった。絶望の中、しかも命まで失った加賀美こそが真のガタックに選ばれし者となった。これで本式に主役二人が仮面ライダーになったことになる(既に加賀美は一回ザビーになってるけど)
 坊ちゃんの暴走ぶりは相変わらずで、ひよりや天道だけじゃなく、今回は影山までその被害に遭ってる。なまじ上の命令に従おうとするだけに真面目な影山じゃ坊ちゃんの相手はつとまらない。と言うか、ほとんど部下にされてしまってる。
<坊ちゃんの執事をべた褒めする天道は彼を「人類の宝」とまで言っている。ここまで持ち上げるのは初めてのことだが、天道の基準がよく分からない。料理が上手ければそれは宝なのか?
 ザビーゼクターをかつて捨てた加賀美なのに、今度はなんとかしてガタックを装着しようとしてる。捨てなきゃ良かったのにね。結果オーライだけど。
 影山の妙な存在感もそうだが、回が進むに連れ存在感を増していく加賀美のお父さんの姿も凄い。今回チェロを弾きながらぶつぶつ言ってる危ないオジサンだった。確かに言ったとおり息子がガタックになったけど。>
第23話   脚本:米村正二
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
 ガタックの力を手に入れた加賀美はワームを倒し続け、町を守るようになっていった。自分の力に酔いしれる加賀美。そして助けたひよりは渋谷廃墟との関わりを口に出すようになった。
 敵はジオフィリドワーム。百足型のワームで数多く登場し、ガタックに次々撃破される。
 ガタックの登場により話は新章へと入る。今まで語られなかった渋谷廃墟の秘密へと話は入っていく。そしてそこで両親を失ったというひよりの過去についても。ようやく話が本来のものへと入ってきたということだろう。
 …ただし、主人公達がやってることはラーメンの屋台だったりするところがなんか変。
 神代家が実はほとんど破産寸前で、もの凄い貧乏であったことがここで発覚。剣がワーム狩りやってるのは、実は金のためだったが、本人は全くそれに気付いてなかった。このオレサマキャラは…
<念願の仮面ライダーとなり、有頂天の加賀美は結構所構わず変身してるみたい。
 で、ガタックには専用バイクが登場するが、それは誰が持ってきたのか全く分かってない。
 樹花の箸の使い方は全然なってないな。碌にラーメン啜る事も出来てないよ。
 ラーメンの屋台を手伝う天道は放り投げられた皿を全身を使って見事キャッチ。しかし足で受け止めたのも普通に重ねてたようだけど…
 ボウリング場でワームと戦う天道。何故かボウリングの球が投げられてピンに当たるまでの時間で戦いが展開しているのだが、ワームの出てくる中、誰が投げてたんだろう?
 カブトゼクターは本当に色々なことが出来るようだ。なんとラーメンの麺切りまでこなしてる。
 このところ妙に隙の多い田所だが、「加賀美には話すな」と念を押した上で大声で全部岬に喋ってる。遠くにいた加賀美、全部聞いてるよ。>
第24話   脚本:米村正二
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
 ライダー同士の戦いは剣のじいやの裁定によって天道の勝利とされた。剣は今度はラーメン勝負を挑んでくる。一方、渋谷に何か秘密がある事を推測した加賀美ではあるが、田所から強く止められてしまう。
 前回に続きジオフィリドワーム。2体出てくるが、カブトとガタックにあっけなく倒されてしまった。
 話は二分。仮面ライダーとなった加賀美はもう単独で戦えるということだろうか。シリアス部分は加賀美が担当し、天道は剣と共に笑い担当。いつの間にか役割は逆転してる。
 それで勝負に負けた剣はついに自らの敗北を認める。多少は成長したって事なのかな?
 それでとうとう天道がひよりの前で変身を解除。なんだかんだ言っても話は進行していってる。
 相変わらず加賀美パパは謎めいた言葉と訳の分からない行動で、息子のことを思ってるんだか思ってないんだか分からない。今回は廃墟で一人フェンシングの格好して、「増えすぎたネズミは希望を抱いて死んでいく」とか…
 ラーメン勝負で「粋」という言葉を解釈する剣と天道の違いも明らかに。「すい」と呼ぶ剣はふんだんに金をかけて豪華さを求めるのに対し、「いき」と呼ぶ天道はあくまでシンプルに味を極めようとする。
 ラストで劇場版の宣伝?かつてのシリーズの敵について(「仮面ライダー」、「V3」、「X」までの敵を紹介してた。ライダーは組織と戦うもの…だからZECTとも戦うという訳か?
<岬に「馬鹿は馬鹿らしく戦ったら」とか言ってたが、それを思い切り好意的に受け取る加賀美。ポジティヴ・シンキングの最たるものだな。
 坊ちゃんの始めた高級ラーメン屋を前に、キャスターが何故か岬にインタビュー。「どっちが勝つと思いますか?」「かけそば」…えらい!
 どうしても渋谷廃墟に行くという加賀美の背を見ながら天道は「どこまでもお節介な奴だ」と独り言…あんたにそれを言う資格はないはず。
 久々にカブトのマイザーボマー登場。まるで蠅の大群みたいで気持ち悪かったり。>
第25話   脚本:米村正二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 渋谷廃墟の中のエリアXと呼ばれる区域に足を踏み入れた天道、加賀美、ひよりの三人は研究室らしい施設に足を踏み入れる。そこには保存されたワームの卵と、「マスクドライダー計画」と書かれたファイルがあった。しかも何故かそのファイルには加賀美の名前があった。東京に戻った二人はそれぞれ独自に調査を開始するのだが…
 敵はウカワーム。シオマネキ型のワームで、右手に巨大なハサミ状の刃を持つ。かなり強力なワームで、ザビー、ドレイクの両面攻撃にも互角以上に戦っていた。麗奈という女性に擬態していた。それとジェノミアスワーム。アリジゴク型のワームで、あらゆる場所にすり鉢状の巣を作り、そこから出入りしている。ウカワームの部下らしい。
 物語の核心に迫るZECTとマスクド計画の謎が提示された。かなり風呂敷を広げた感じだが、特に平成ライダーシリーズは謎を放っておく事が多いので、今回くらいはまともに風呂敷を畳んで欲しいものだ。
 今回は全ライダーが登場。それぞれに特徴持った行動してる。如才のない天道、直情的な加賀美、オレサマな神代剣、情けない影山(?)、それと久々に風間も出てきたが、今ひとつ活躍の機会はなかった。
 ガタックは最初から加賀美を選んだと劇中で言及されていた。そうすると、マスクドライダー計画とは、装着者があらかじめ決められていた?これは一体どういう事か。
<岬とのプロジェクトが着々と進んでいるとは言え、岬が二人現れても片方を放っておく加賀美。きっと二つ以上の事を考えられないキャラなんだよね。>
VOL.7
<A> <楽>
第26話   脚本:米村正二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 警視庁に入り込んだ天道はそこで加賀美新の父、陸と対峙する。何故35年前に招待状を送ったのか、そして生まれていない息子の名前が書かれているのか問いつめるが、はぐらかされてしまう。一方ザビーとドレイクは二人がかりでもウカワームに圧倒されてしまい、更に樹花にも伸びるワームの手…
 敵はウカワームジェノミアスワーム。ウカワームは圧倒的な力を有し、二人のライダーを歯牙にもかけず。
 ここに来てストーリーが大きく動いている。謎の部分は思わせぶりな台詞のみで展開するが、5人のライダーそれぞれに見せ所があり、危機を迎えることになる。天道は妹を襲われ、影山、風間は強力な敵を前にし、神代は自らの過去と対峙し、やはりワームを許すことの出来ない自分を発見する。そして加賀美は田所、岬と共にマスクドライダー計画を探っていく事を確認する。ハードな内容で話もまとまりきれないが、これまでのお笑い部分を全く抜いてしまったのは良いのか悪いのか…この改変がどのように物語を変化させていくか、あるいは元に戻るのか。これからの問題だな。
 これまでのクールさを捨て、天道が妙に熱くなってる。最初から最後まで熱いままってのはこのキャラらしくないんだけど。
 とりあえずひよりが7年前に見たベルトの少年は確かに天道であることが発覚。謎部分で明かされたのはその程度。
 そうそう。ガタックエクステンダーは空も飛べることが分かった。
<加賀美を止めようとした田所はガタックを生身でぶん殴ってる。ガキッと音がしてるから、今回のライダーはやっぱり金属ボディらしい事がわかる。
 ところで大変言いにくい部分があるが、岬はちょっとふくよかになってきた?特撮は体力勝負だからね。>
第27話   脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 記憶を取り戻して母の元にいるゴンは雑誌に載っていた風間大介の記事を目にし、大輔と一緒にいた時の思い出が蘇る。一方ZECTの三島はウカワームを呼び出し、何故か共闘を呼びかけていた。更に神代剣の家ではじいやが倒れ、ついに家の財政状況を知っていく…それぞれのライダーの運命が交錯する中、新しい話が展開していく。
 敵はアキャリナワーム。ダニ型のワームで真っ赤なボディに全身のトゲをミサイルのように撃ち出す。カブトとガタックに挟まれてあっという間に倒されてしまった。
 恒例の夏の井上脚本開始。しかし、ここでの話は決してギャグにならずにハード路線のまま。ただ、食べ物のシーンが多いのはそれっぽい。
 5人のライダーがそれぞれ独自に話を展開させているが、「剣」の時とは異なり、それなりにちゃんと話が作られているのが面白い。
<今回も影山のへたれぶりは健在。ワームに対し強気に出たらあっという間にぶん殴られ、敬語を使わねばならなくなる。更に三島に文句を言ったら隣にそのワームが。「うわっ」とか言って飛び退いてる。
 新進気鋭の相良和彦と風間大介との戦いはメイクアップ技術をお互いに施すというもの。アルティメットメイクアップに対し、スプリームメイクアップという技を使い、まるで格闘漫画みたいだけど。どっちも気持ち悪いが。>
第28話   脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 自分に擬態したワームの犯行のお陰で警察に追われへとへとの風間大介。一方、影山にワームが擬態した大介の死体を見せられた天道達ライダーたちは怒りを露わにし、本物の風間に襲いかかってしまう。
 敵はアキャリナワーム。前回は赤い姿だったが、今回は黄色。風間に擬態し、なんとドレイクにまでなってしまう。
 ライダー同士が勘違いによって戦いあうという、平成ライダーらしい物語へと話は移行していく。しかし、主人公に余裕がある分、下手に暗くならないのが本作の特徴か。
 四体のライダーの同時変身や、戦いの際のアングルなど、演出面も良く、なかなか見応えある話に仕上げられている。それと相変わらずの食事シーンの多用など、やはり井上脚本らしい作品でもある…ただ、見栄えのため、細かい設定を無視するのも井上脚本らしいが(笑)
 それぞれに話が展開していくが、相変わらず影山はヘタレであり、神代はオレサマ全開。加賀美は熱すぎると、それぞれのキャラがちゃんとキャラ立ちしてる。そして風間は…やっぱこのキャラ、ゴンいないと一本立ち出来ないみたい。久々に風間とゴンの掛け合いが聞けるのも良いね。
 ただ、最後の唐突な終わり方は今ひとつ。物語と直接つながってないじゃん。
 本物のキャラに擬態するとワームも仮面ライダーへと変身出来るらしい。
<狙ったとしか思えないのだが、ライダー全員が横並びになって変身するシーンはそのまんま「Gメン75」ではある。見栄えはするけどね。
 ようやくゴンとコンタクト出来た風間は「さよならだ」とか言ってるけど、なんでそういうことを言う必要があるか?普通「助けてくれ」だろ?
 本物の風間に襲いかかる加賀美は、「その手の芝居にはうんざりなんだよ」と叫んでた。うん。観てる側からすれば確かにその通りだ。>
第29話   脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
 夜の路上、行き倒れた男から包丁を手渡される天道。一体何の包丁かといぶかる天道だが、どうしても鞘から抜けなかった。その後、天道は樹花から、近くに店が出来たため客が激減した友達の店を手伝って欲しいという。そのライバル店に行った天道と樹花だが、そこに現れた生簀一郎という男と料理対決することに…
 敵は新しいのは出ず、サナギ体との戦いだけだったが、とうとう剣が加賀美の前でワームに変身してしまった。
 恒例の夏の井上シリーズの開始。大抵なんか食べ物と関わった話が展開されるが、この話もご多分に漏れず、何故か料理人対決の話になってしまった。話そのものは妙に外しているんだけど、これが味と言う奴だ。
 今回出てきた生簀は天道はおろかじいやの料理にまで全て勝ってしまうと言う達人。料理で人間の感情を操ることが出来るのだそうだ。
 神代のじいやが実は天才料理人だったと言うことが今回判明。なるほど天道が敬語使う訳だ。
<珍しい加賀美の嫌味。「いままで碌な奴がライダーになってないもんなあ」という言葉を受け、天道は「全くだ。まともなのは俺だけだ」と返す。
 バイトをしていた坊ちゃんが得た金は79円だった。なんでも「俺は食器を割ることでも頂点に立つ男」なのだそうだ。じいやはそれでも満足そうだったけど。
 岬と加賀美が蕎麦を食べるのはいつもだが、今日は田所まで蕎麦を啜ってた。それにしてもまずい蕎麦食わされた時の田所の顔はほとんど鬼。
 じいやはかつて名だたる料理人であり、「料理の心得」という本をかつて書いていた。それを「肌身離さず持っていた」という天道。あんなでっかい本をどこに持ってたんだろう?
 今回も加賀美パパは変。まるでプレスリーのような白いカウボーイハットをかぶってじいやと生簀の料理対決を見守る。オーバーアクションで「びっっっくり」と叫ぶ姿は、ほとんど常軌を逸してる。
 しかし、悔しいのは今回ツッコミが全部狙いにはめられてしまったこと。>
VOL.8
<A> <楽>
第30話   脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
 生簀の黒包丁の威力はじいやをもしのぎ、倒れたじいやを前に天道はリベンジを誓う。そしてじいやの紹介で料理の修業を行うのだが、そこで出された課題はなんと雑巾の料理だった。一方、生簀は黒包丁を使った料理で政府要人を骨抜きにして、ゆくゆくは全ての人間を支配しようとする。
 敵はキュレックスワーム。蚊型のワームで、実は生簀の正体。正体表した途端にカブトのライダーキックに倒されてしまう。プ〜ンと言う音がいかにも蚊だ。
 一体どんな物語だ?と言う料理対決が描かれる。流石井上脚本。つーか、単にやりたい放題なだけって気もする。お陰で凄い作品に仕上がった。お陰で以下はほとんどツッコミのみとなってしまった。
 一応本来の物語である剣のワーム化を見守る加賀美。ほとんどストーカー状態だった。で、一応最後にハイパーカブトが申し訳程度に登場。
<とにかく料理の話が次々と登場。妹の樹花に「まずい」と言われてしまい、茫然自失の天道が拝める。初めての表情だな。
 田所の実家は実は蕎麦屋。で、弟から「料理は兄ちゃんの方が美味い」と言わしめてる。田所の料理の腕も凄いらしい。そして料理にこだわる田所はどんどん壊れていく。
 じいやが紹介した料理人はじいやの双子の弟。で、その庵の前には数多くの墓が…志半ばで倒れた料理人はこうなってしまうそうだ。で、その修行というのが雑巾を料理することだってのがなんかなあ。しかも天道はあっけなくその神髄を得てしまう…まあ、それで良いんだけどね。
 相変わらずおいしい所を持っていく加賀美パパ。今度は美人秘書を横に侍らせてニコニコ。何とも言えない。
 最後は天道と生簀の一対一の勝負。加賀美パパによれば、これで負けたら料理人失格だそうだが、別段天道はダメージがないぞ。>
第31話   脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
 スコルピオワームが剣であることを尻、咄嗟に天道の攻撃を防いでしまった加賀美。正気を失ったスコルピオワームは二人を襲うが、突然現れたハイパーカブトに全員吹き飛ばされてしまう。全てのワームに敵意を燃やす剣に、真実を告げようかどうか悩む加賀美。一方、ひよりにもウカワームが近づいていた。
 敵はウカワームシシーラワーム。ウカワームはワームの親玉のようなものだが、シシーラワームは、なんとひより自身だった。そしてもう一体フォリアタスワーム。コノハムシ型のワームで、他の多くのワームを引き連れ、風に乗って現れる。
 前回2話分がお笑い編だったが、そこで溜めた分、一気に話は重くなった。ひよりがようやく天道に対して心を開き始めたのに、そのひより自身がワームであると言う話が展開。ハイパーゼクターの事もあり謎はますます多くなってきてる。
 天道も随分丸くなってきたようで、表情が豊かになってきた。話が進むと徐々に人間が変化していくが、それを分かるように演出するのは上手い。
 今回様々な人間関係が浮き彫りに。ひよりと天道が同じ両親と写ってる写真が今回出てくる。結局これは、この二人が兄妹だったというオチになるのかな?そしてじいやはどうやら剣がワームであることを分かった上で仕えているらしいこと。その辺が一体どういう展開を見せていくのか。
 ワームは完全に人間に擬態出来るため、時として恐怖の表情を見せることがあり。逃げ回る人間を非情に追い回し、いきなりキックを浴びせかけるというカブトの、まるで悪者としか見えない姿が見られる。
<いつも外さない坊ちゃんだが、今回はうどんと蕎麦を間違えてた。だけど、最初に食べてたのは蕎麦だったはず。ちなみに坊ちゃんに言わせると、「ウ・ドーン」だそうだ。>
第32話   脚本:米村正二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 ひよりがワームという衝撃の事実に驚愕する天道と加賀美。自覚のないひよりを取り込もうと麗奈、ZECT共に動き出すが、彼らの目の前で天道はひよりが変身したシシーラワームを粉砕する。だが、そこにハイパーカブトが現れ…
 敵は前回に続きフォリアタスワーム。風に乗った多数の枯れ葉が合体して登場するが、それだけでなく自分自身も風を起こせる。
 前回ひよりが正体を見せ、これまで画面に何度と無く出てきた羽根が彼女のものであったことが判明したが、今度は天道とひよりが兄妹である事が発覚。ひよりがかつて渋谷廃墟で見た少年はやはり天道だったが、あれは随分前に両親に擬態したワームを両親の敵として殺そうとしていた姿であった。尚、妊婦に擬態したワームから生まれたからひよりもワームだったと言うことになる。そして天道のワームを倒し続ける理由とは、実は妹であるひよりを守るためだけだったという。更に渋谷廃墟には、なんともう一人の天道か?何が何だか分からなくなってきたぞ。ちゃんと風呂敷畳めるか?
 話として面白いのは、前回逃げ回る一般人に擬態したワームを非情に殺したカブトの姿を見せておいたお陰で今回もひよりを殺したと思わせたところだろう。
 後、これまで名前だけ何度も出てきた天道のおばあちゃんは存命していたらしい。
 やっぱ物語は「剣」っぽさを増してきた。しかしあの作品と違って、それが面白いと思うんだけど、その違いって一体なんだろう?
<相変わらず変な影山君。ZECTの一員であるガタックを「邪魔する奴は消す」のひと言の元、部下に一斉射撃を命じてる。こいつの思考形態ってよく言えば一本気。だけど、目的のために手段を選ばないっていうか、目的以外目に入れないというか…なかなか面白いな。>
第33話   脚本:米村正二
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 ひよりを追った天道と加賀美は何故か海岸に出てしまう。そこには三島が倒れていたが、二人に何も告げずにゼクトルーパーに連れられて去ってしまうのだった。ひよりを救うため、天道はついに自らカブトであることを明かし、ZECTに入ることを決意する。そして次々と他のライダーのゼクターを奪っていくが…
 敵はキャマラスワームだが、他のライダー同士の戦いが主。新ライダー、新キャラも入り、話は新展開へと移行する。おそらくこれからしばらくひよりは登場しなくなると思われる。
 天道は他の何よりもひよりの方を選んだ。そのためにはZECTを内部から崩壊させようとし、他のライダーも全て敵対することを宣言。本来人類を守るはずのヒーローにしては思い切った決断を下したものだ。
 新ライダーであるキックホッパーが登場。その装着者はなんとかつてザビーの装着者であった矢車だった。かつてパーフェクトハーモニーを提唱していた矢車もすっかりやさぐれてしまってる。
 さて、この新展開が吉と出るか凶と出るか。今のところは判断出来ないが、ここを乗り切れるかどうかで評価は決まるだろう。
<今日の影山君。訓練生と一緒に出動させられたことが不満で、真っ先に踏み込むが、一番最初にとラップに引っかかって逆さ吊りにされる。それでこれが天道の訓練だと知り、「貴様」と詰め寄るが、天道がひと言「誰だっけ?」。三島に対し、「捨てないでください」と足下にしがみつく。ウカワームが「手伝ってやろうか?」と聞くと、最敬礼して「お願いします」と頼む。ワームの協力を得たら、嬉々としてカブトをなぶり者にする。更にザビーゼクターまではぎ取られてしまう。今回は散々な目に遭ってるけど、これがこのキャラの魅力だったり。
 同時にやはりサソードゼクターをはぎ取られた坊ちゃんの方は対照的。なんと生身でワームを倒してしまった。それにしてもこいつくらいポジティヴ・シンキングだと生きるのが楽だろうな。
 それにしても、かつて天道と並び立っていた矢車のヒネ方は凄いものがある。「パーフェクトもハーモニーも俺には関係ない」「どーせ俺なんか…」とかぶつぶつ言いながら戦ってる姿は凄いものがある。>
VOL.9
<A> <楽>
第34話   脚本:米村正二
  監督:田ア竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 自分以外全ての仮面ライダーを消し去ろうとするカブトの前に、新しい仮面ライダーキックホッパーが現れ、更にひよりが消えてしまった。ワームの麗奈から与えられた情報によれば、ハイパーゼクターによってひよりは時空の彼方に吹き飛ばされたのだという。三島の手にあるというハイパーゼクターを手に入れようとする天道だったが…
 敵はキャマラスワーム。エビ型のワームでウカワームのサポート役。天道が変身したハイパーカブトに倒された。
 ついにハイパーゼクターをカブトが装着。しかし時間を操るって、ちょっと出来すぎだろうに。一体これからどんな物語になっていくやら。天道の力とも言えるのだろうが、天道は未来との交信が出来るようだ。
 しかし盛り上がりという意味ではさほど高くはない。アクションを高めるのではなく、キャラ立ちに全ての力を注いだ感じだ。
<とにかくキャラ立ちが全てと言った感じ。今回の影山はザビーゼクターを取られ、泣きながらみんなにすがりつくが、その度ごとにすげなくされてしまう。それで一般のシャドウ隊員からも殴られて雨の中放り出される。こいつがシャドウの中でどう思われていたかよく分かるな。
 坊ちゃんは「ショ・ミーン」の格好を服屋に頼むが、そこで与えられたのはなんと小学生の服だった。嬉々としてそれを着込む坊ちゃん。更に駄菓子屋と勝手に決闘して負けてしまう…こいつは並じゃない。
 復帰した矢車は雨の中、地べたに頬ずりしてる。もはや危ないとか言うレベルじゃなくて完全にイッちまってるよ。>
第35話   脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
 天道の周りが騒がしくなった。謎の男立川が現れ、ゼクターを集めるのはもう止めろと言ったり、三島を裏切った蓮華とザビーゼクターを取り戻したい影山がまといついたり。その頃加賀美は田所から立川を守るようにと指令を受けていた。そして一方、ザビーゼクターを奪われ、茫然自失の影山の前には矢車が現れる…
 敵はコキリアワーム。カタツムリ型のワームで、麗奈を保護する黒装束の女の正体。ハイパーカブトにあっさり倒されてしまった。
 やはり少々展開が重くなったのは事実。ギャグも、にやつく所はあっても思い切り笑える所はなく、ちょっと滑り気味。立川という謎めいた人物も登場したが、それがどうなっていくやら。
 とにかくキャラクタが変化しまくり。これもテコ入れの一環?
 情けなさの頂点に達した影山だが、同じく最低を経験した矢車によりついにホッパーゼクターを手に入れる。
 一応今回から加賀美の髪型も変わり、よりヒーローっぽくなってきた。一方で剣に引っかき回されっぱなしではあるが。
<もはやストーリー云々よりもキャラクタそのものがツッコミになってしまった。
 今日の影山君。とうとう天道に対し、卑屈に天道家のお手伝いをするようになり、同じく不器用な蓮華に対し、「ガキ」と言ったら「おじん」と返される。で、我慢が足りないので結局天道に捨て台詞を吐いて出て行く。更に立川を殺せと言われ、逆にZECTに攻撃されたり。それで「これ以上の地獄はどこにあるのさ」とか…よく言うよ。
 で、今日の坊ちゃん君。加賀美を前に「カ・ガーミ」とか言って抱きついて一緒にお風呂入ったり(!)、詩を朗読したり。
 今日の田所さん。相変わらず仏頂面を下げてサルの中で客にガン飛ばしまくってる。こいつもどんどん個性が増してきてる。壊れているとは言わないけど、狂犬じみてるな。
 今日の蓮華さん。影山と張り合うのは良いけど、見事に天道の気に障ることばかり。おお、「私のことは良いからこいつを…」などと今時珍しい台詞を言ってくれるじゃないか。
 影山と蓮華の奉仕合戦が続くが、天道はフェミニストだけに、怒りの矛先が全部影山に行ってしまってる。まるで面堂終太郎だ。>
第36話   脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
 決して人を襲おうとしない角のある特殊なワームの立川は何故かドレイク、サソードへと変身が出来た。不審に思う加賀美と、その立川をZECTを用いて保護しようとする天道。だが無防備な立川をワームの群れが襲い続ける。
 敵はコキリアワーム。前回倒されたはずだが再登場してる。
 話が暗く、そして複雑へと変化してきた。これまでどこか余裕綽々だった天道が急に余裕無くしている上に、カブトの暴走が始まってしまった。妙に気弱になってしまった天道は天道らしくない。
 それで何で出てきたのか分からないキックホッパーとパンチホッパー。ただ登場してガタックとカブトをボコるだけ。単に憂さ晴らしをしたいだけか?それにしても影山も僅か一話で随分変わってしまったな。
 今回新たになった謎は、加賀美陸と(天道の本当の両親である)日下部は何らかの繋がりがあったこと。ひよりは皆既日食の中にいるということ。カブトとガタックには暴走装置が組み込まれていること。ダブルホッパーは何らかの役割を持って登場したこと。天道の両親を殺したのはネイティブであり、しかもネイティブは人類の敵ではないこと。かなり多いな。
 後半の改編はあまり有効に働いてないような印象はあり。ただでさえかなり微妙なバランス取っていた作品だったのだから、匙加減を間違えると駄目になりかねない。
<今日の坊ちゃん。サソードゼクターを取り返しに来たはずが蓮華の料理「イモの二個焦がし」を食べさせられることに。それをうっとりした顔で食べてる。
 今日の加賀美パパ。赤い靴のたとえ話をしながら軽いステップで踊りまくったり、「闇の時代がやってくるのだ」と託宣しながら大きく手を広げてカメラを威嚇してるとか。壊れっぷりが激しい。>
第37話   脚本:米村正二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 樹花の中学で野球部の全員が突然消えたという失踪事件が発生する。だが、出されたはずの捜索願いは直ぐさま取り消されていた。この事件に不審なものを感じ取った天道はパン屋に扮して中学に潜入する。
 敵はレプトーフィスワーム。キリギリス型のワームで、樹花の学校で生徒たちを次々に神隠しに遭わせる。ジャンプ力と殺人音波が武器。
 何か妙な話が展開。重要な設定とかハードな展開を無視して突然学園ドラマが展開する。何だかよく分からない。剣は学校に転校してくるわ、影山は不審者となって学校の周りをうろついてるわ、ほんと訳分からん。しかもこれは続くらしい。
 とりあえず前回までの気弱さが消え、ふてぶてしさが戻ってきたのは良いけど。こう言うのは脚本が井上敏樹と決まってるようなもんだが、そうでないのが面白い。
 意外なことに樹花は成績優秀らしい。常にトップとのこと。
 今回パーフェクトゼクターがお目見え。ザビー、ドレイク、サソードの三つのゼクターを合体させた剣だが、何の伏線も無かった。ただ天道が「俺の進化は光より速い。全宇宙の何者も俺の進化にはついてこれない」とだけ説明してるけど。いくら何でもいい加減だろう。
<今日の影山君。不審者になって学校の周りに出没。で、何故か人助けをして矢車に叱られてる。
 今日の蓮華さん。ラグビー部のマネージャーとして登場。で、「私、汗くさいの嫌い」とか言って部員とふれあおうとしない。
 今日の坊ちゃん。中学生となって学校に転校してくる。勝手にじいやを使って好き放題やってるけど。相変わらず「カ・ガーミ」を連発。
 ハイパー化してカブトのライダーキックは跳び蹴りに変わったが、通常のフォームでも跳び蹴りになったようだ。>
VOL.10
<A> <楽>
第38話   脚本:米村正二
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
 樹花の通う学園にはワームが蠢いていた。天道と加賀美は樹花に心配をかけぬよう調査を進めるが、超人的な力を持つようになった生徒が何人かいることが分かる。彼らに近づく校長の動向を探る天道だが…
 敵はレプトーフィスワーム。パーフェクトゼクター単体での攻撃には耐えられたが、ゼクターを装着したマキシマムハイパータイフーンで撃破される。
 ホラー風味というか、怪談調の作品に仕上がった。ただ、これだけ風呂敷広げておいて、関係ない話を入れる意味はどこにあったんだろうか?こう言うのはむしろ井上敏樹に書かせるべきだった。
<天道の家で朝食を食べてる加賀美と蓮華。だんだん加賀美も練れてきたようだ。
 ワームに擬態された合唱部は閉鎖された教室で「とおりゃんせ」を歌い続けていたが、これで気付かない学校の生徒も問題じゃないか?
 ワームを追って閉鎖教室に入り込んだ岬と天道。だが、そのワームは何故か消えてしまってた。何のために出てきたんだ?
 今日の影山君…は別に問題なかったか。ただ、あっけなくレプトーフィスワームに負けた上に矢車からお小言を言われてた。それで「粉々に砕けたお兄さん」とか言われてたが。
 今回出てこないと思ってたら、やっぱり坊ちゃんは登場。「俺はキャンプにおいても頂点に立つ男だ」とか言いながらサソードゼクターを装着…天道に売ったのはどうなった?>
第39話   脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 ウカワーム=麗奈がサルに乗り込み、食事中の天道に挑んでくる。ハイパークロックアップしたカブトは難なくウカワームを下すのだが、瀕死の麗奈を見かけたのはなんと風間大介だった…
 敵はウカワーム。これまで散々登場してきたが、これが決戦のようなものだったはずだが、あっけなく負けてしまう。他にウカワームを助けるためにサブストワームが出てきて、更にラストで黒いカブト、ダークカブトが登場。
 久々に風間大介が登場。ほぼギャグ要員ではあるのだが、流石に脚本が井上敏樹だけに、丁度はまる感じ。ただ、風呂敷がますます広がってるんだが、どうやって畳むんだろう?
 鐘の音が効果的に使われた話だった。ただやたらと鐘の音だらけなんだが…
 とりあえず今回出てきた新しい設定はワームの掟は、ワームであることを忘れた時は処刑される。と言うこと。そして謎の部分はは間宮麗奈の人間体がどうしてワームになったか、黒いカブトが何者か。天道そっくりなのだが、やっぱり時間を超越してきたのだろうか?
<樹花の「好きな人が出来た」発言に、声が裏返るほどのショックを受ける天道。これをやらせるのが井上脚本か。
 麗奈を助け起こす風間は「しかしで会ったような…いや、これほどの美女なら忘れるはずはない」発言。こいつの記憶力はどれほどのものだ?
 今回の影山君…は仲良く矢車君と肩を組んで歩いてる。なんかやだな。
 今回の坊ちゃん。ミサキーヌのためにかけそば専門の屋台を作るが、振られてしまって泣きながら屋台曳いてる。
 今回の蓮華さん。冒頭で麗奈の顔見て水こぼすほど動揺していたのに、次に会った時にまるっきり忘れてた。>
第40話   脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
 謎の空間でひよりともう一人の自分に出会う天道。ダークカブトによって強制的に現実空間に吹き飛ばされてしまう。一方、麗奈がワームであることを知っても、それを庇おうとする風間。人間として生きようとする麗奈だが、徐々に戻ってくるワームの心に苦しみ始める…
 敵はウカワーム。これまで長く登場していたボスクラスのワームだったが、ここで退場となった。ウカワームを殺すためだけにサブストワームも登場。ザリガニ型のワームで麗奈をサポートしていた黒ずくめの女性の正体。カブトによって倒される。
 ワームの心と人間の心二つを持つ女の苦悩が描かれた話でちょっと重い話が展開。井上脚本はおちゃらけだけでなくこういうのが時折入ってくるから魅力があるのだろう。
 今回分かったのは、異空間にいた天道は擬態したワームである(と天道が信じている)こと。新たな謎は出てきてないが、ストーリーそのものは全然動いてない。
<今回の坊ちゃん。キューピッドの格好をしてカ・ガーミとミサキーヌを祝福してる。靴とかもちゃんと凝ってる。その嘘を固めるため、加賀美と岬が痛々しい言い訳を続けてる。
 今回の矢車君。麗奈に惚れ、「この人は、俺が守る」とか格好付けてたら後ろからどつかれてふっとばされてしまった。座ったような格好のまま「うぁあああああ」と叫び声を上げてふっとんでる。素晴らしい姿だ。
 今回の影山君。矢車が女に惚れたということで、裏切ったと考えてるが、すぐにふられた事を知り、ほっと一安心。>
第41話   脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
 ZECTはワームの擬態能力を奪うアンチミミック弾を開発した。現段階で実戦に投入出来るのは3発しかないが、ワームとの戦争を終わらすため、加賀美陸は早速実戦投入を指示するのだった。掃討作戦に駆り出される加賀美新ではあったが…
 敵はカッシスワーム。カブトガニ型のワーム。乃木怜治という男に擬態したワームで、ワームの王と言われる。いまだその実力は未知数だが、ハイパーカブトをも圧倒する力を持つ。
 しばらく動いてなかった物語だったが、いくつもの謎が明らかになる。ワームの中でもネイティヴと呼ばれる種類は、実は35年前に地球にやってきて、ライダーシステムを開発したのも実はネイティヴであり、ZECTはワームからネイティヴを守るために存在した。そして子供の頃の天道にライダーベルトを渡したのも、ネイティヴだという。
 加賀美陸と天道の父日下部との関係も明らかに。陸は日下部の意志を継いでいるのだとか。更に田所がネイティヴだったことも発覚。解答の大盤振る舞いだな。
 ただし、新たな謎としてワームのクロックアップがハイパーカブトを超えるものであることや、ネイティヴとワームの関係は未だにはっきりせずなど、まだまだ謎も多い。
 カッシスワームに扮するは坂口拓。アクション俳優としては一級品だが、テレビ出演は結構珍しい。
<今回の坊ちゃん。カ・ガーミとミサキーヌが恋人同士でないことを知らされ、金粉をばらまきながら喜んでた。更に負傷した岬と同衾。問題はサルの中に天蓋付きのベッドなんかどうやって入れたのやら。で、初めて見た豆腐と納豆に砂糖かけて食べてた。気持ち悪い。ようやく岬から本当に振られたことを知らされ、矢車・影山と戦って矢車を「兄さん」と呼んでた。今回の暴走ぶりはなかなか凄まじかった。
 今回の地獄兄弟。廃車置き場で落ち込む剣を金網にへばりついて見ていて、「いいよなあ」といつもの台詞。「俺も一回くらいお坊ちゃま君って呼ばれたい」とも。>
VOL.11
<A> <楽>
第42話 第42話

  脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
 自分以外の時間を止めてしまう能力を持つ乃木はネイティヴを人質に取り、ZECTにアンチミミック弾を差し出すように持ちかけるのだった。その交渉役に選ばれたのは、なんと加賀美…
 敵はカッシスワーム。時を完全に止めるフリーズという技を使い、人間体のままでもライダーを圧倒する。一旦はハイパーカブトに倒されるが…
 このところイッパイイッパイの天道だが、今回はかつての余裕を取り戻したかのように見える。一方、加賀美も加賀美で、今回は主人公っぽい活躍をしてるのも特徴。かなり良い物語なのだが、今回演出が今ひとつで、折角のシナリオを生かし切れなかった感じ。徐々にいつものシリーズ展開になりつつあるかも。
 ラスト、倒されたはずのカッシスワームが復活し、ダークカブトがこの世界に現れる。この展開、「剣」っぽくなってきた。
<カッシスワームは完全に時を止める能力を持つ…「ザ・ワール…」?
 今日の坊ちゃん。「俺は、地獄においても頂点に立つ男だ」とか。ここまでポジティヴシンキングだと、こいつだけは闇に落ちることはないだろう。で、岬に再び告白するが、岬は田所のことしか考えてなかった。
 今日のヤグルマン。三人がかりでカッシスワームにあっけなく負け、「笑えよ」とひと言。「俺には豆腐が眩しすぎる」とか言いつつ、天道に対し「地獄の豆腐を見せてやる」とも言ってた。で、天道に豆腐勝負を挑むも、天道の方は完全にそれ忘れてた。>
第43話 第43話

  脚本:米村正二
  監督:柴崎貴行
  アクション監督:宮崎剛
 ビストロ・サルに現れた天道。だが何か様子がおかしい。実はそれこそが天道に擬態したワームだった。ひよりを自分の世界から外に出さないために天道を倒しにやってきたのだという。戦う二人だが、時空の門を超えるためダークカブトを倒す訳にはいかず、一方的にやられてしまう天道…
 敵はカッシスワームグラディス。カッシスワームがパワーアップした形態で、両手が刃に変わっている。そしてダークカブト。ひよりを異次元から出さないために本物の天道を倒しに来たのだという。
 話は妙に重くなってる。苦悩する天道とか、これまで見られなかった姿が見られるが、やっぱりちょっと目的がずれてる感じがあり。その分加賀美が妙に格好良くなってた。
 今回、エリアXがライダーシステムの実験場である事が判明。今更だけど、田所がはっきりと言葉に出した。
<なんだか凄く久々にカブトのクナイガンを見た気がする。ところでマイザーボマーはもう出てこないのだろうか?
 今回の蓮華さん。ちらし寿司のことを「ちらり寿司」と勘違いしてたり。
 今回の地獄兄弟。格好付けて田所の前に現れ、カッシスワームグラディスと戦いに行くが…>
第44話 第44話

  脚本:米村正二
  監督:柴崎貴行
  アクション監督:宮崎剛
 ようやく天道の前に現れたひより。だが彼女は「二度とこの世界には戻らない」と言い残して去っていった。一方、乃木に率いられたワームの群れが防衛ラインを突破し、エリアZに接近していた。カッシスワームグラディスの前に次々と倒れていくライダー達…
 敵はカッシスワームグラディス。サソード、ザビーの二体を瞬時に倒すが、ハイパーカブトとガタック、キックホッパーの三面攻撃によって倒される。
 ひよりの本心と、天道の決意が描かれる話だが、加賀美、剣、影山、そして矢車とそれぞれのライダー達にも見せ場を作っている。格好悪く倒れる奴らだが、むしろその格好悪さが格好良いものになってる。ただ、その分ぶっ飛んだ個性が見られないため、印象はそう高くない。
 今回新たな謎解きはハイパーカブトが時空を乱すと言う程度。むしろ熱さの演出に重点が置かれているようだ。
<今回の坊ちゃん。ついに自分の実力を知り、カッシスワームグラディスに対し敵わないまでも、岬を守ろうとする。だけど最後は「俺は現実を見ることにかけても頂点に立つ男」と強がってた。
 今回の影山君。世をすねるふりをかなぐり捨て、再びザビーへ変身して大喜び。だけどライダースティングをコピーされてあっという間に変身解除。そう言えば顔に出来ていた傷も消えてた。>
第45話 第45話

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎剛
 現実世界にひよりを取られてしまった擬態天道の前に二人に分裂した乃木が現れ、共闘を持ちかけた。一方、ひよりが戻ってきたのは良いが、ワームの大量発生に追われ、なかなか話すことも出来ない。そしてワームの群れに対抗するため、剣をZECTにスカウトするのだが…
 敵はカッシスワームクリペウス。再度復活したカッシスワームが二つに分裂した姿で、サソードと戦い、あっけなくそれを下す。
 ワームの大量発生により、ライダー達がそれぞれ必死に戦っているが、一人剣だけがマイペース。ただ、岬との仲が進展するなど、これはなんか死亡フラグが立ってるような気がするけど。
 暗くなりがちの話だが、脚本が井上敏樹だけに、どことなくユーモラスに仕上がってるのも特徴か。特にZECTの一員となった剣がやってることは、部下全員を岬を守るために勝手に使ってたりする。尤も、今回は多少はずれ気味でもある。
<今回の蓮華さん。クリスマスの特別料理と称し、栗と鱒の薫製を多量に天道の前に出してた。
 今回の地獄兄弟。前回ワームと戦ってしまった事を反省し、自分自身に戒めを施す。一人SM状態か?
 一方、加賀美は岬の危険を察し剣とつきあわないように言っているが、やってることは単なるストーカー。>
VOL.12
<A> <楽>
第46話 第46話

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎剛
 自らの正体がスコルピオワームであることを知ってしまった剣。既に自分自身は姉と共に殺されてしまったという事実に衝撃を受けるが、突然「俺は全てのワームの頂点に立つ男だ」と宣言するのだった。そんな剣を倒すしかない。と判断する天道と加賀美だったが…
 敵はスコルピオワーム。これまでにも何度か剣が変身していたが、今回とうとう自分自身の事を知ってしまったため、自ら天道の前にその姿をさらす。毒針を用いて他のワームを従える能力がここで明らかになる。そしてカッシスワームクリペウスも登場。スコルピオワームの毒針で僕になってしまった。その後、片方はガタックにより、もう片方は地獄兄弟のライダーパンチおよびライダーキックにより倒される。
 剣の物語の最終話。舞台ではクリスマスだが、そんな中、とても暗い物語に仕上がってしまった。この人は最後はこうなるだろうと思っていたものの、最後は結構きちんと締めてくれた。今回に関してはほとんどコメディ要素がない。
<ゼクターは装着者の意志によって現れるという設定があるにもかかわらず、ガタックゼクターを奪われた加賀美は何の反応もしてない。まあ、プレス機程度で壊れるんだったら、とうに破壊されていただろうけど。
 スコルピオワームは爆発したはずだが、その後剣の姿で家に帰ってた。演出的には正しいんだけどね。
 今回田所と岬の会話でワームの目的は分からない。とワームである田所までが言っていた。果たしてこの物語、ちゃんと収束するのだろうか?
 今回の地獄兄弟。自らを戒める鎖を引きちぎり、再び参戦。わざわざ縛った意味はあったんだろうか?
 わざわざ分裂までして復活したカッシスワームは一体何をしようとしてたんだろう?現時点では完全に無意味。又復活するのかな?>
第47話 第47話

  脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
 ワームの首領とも言えるカッシスワームの消滅と共に、ワームの発生も少なくなり、加賀美陸はテレビを通して全国民に人間とワームの関わりを訴え、更にネイティヴの開発したワーム探知機のお陰で残されたワームも次々駆逐されていく。加賀美は勝利を確信するが、一方の天道は「勝負はこれから」と語る。まるで悪者のように振る舞う天道の行為にとまどいを隠せない加賀美だが…
 敵はダークカブト。同じカブト同士の戦いになるが、やはり引き出しの多いカブトの方が圧倒的有利のようだ。
 事態は沈静化の様相を呈していたが、天道にとってはまだまだのようだ。ワーム探知機を破壊したり、ひよりの料理を手伝ったりと、まるで終わりを急いでいるように見える。
 ここにきて何故か話が妙な展開になってるのだが、残り僅かな話の中でどう決着を付けていくのやら。
第48話 第48話

  脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
 ワーム検知用のネックレスのお陰でワームの数は激減していた。だがそのネックレスには秘密が隠されていた。これを装着し続けていると人間はネイティブになってしまうのだ。一方そのペンダントを作っていた根岸は三島と手を組み、加賀美陸を追い落として全人類をネイティブ化してしまおうとする新生ZECTを立ち上げるのだった。
 敵はグリラスワーム。コオロギ型のネイティブ・ワーム。三島がネイティブの力を得て変身した最強のワーム。ダークカブトをあっけなく倒してしまった。そう言えばこれまでネイティブは誰も変身してなかったので、これが最初となる。
 これまで不遜な態度を崩さなかった加賀美陸の真実が語られる。実は人類の真の支配者はネイティブの方で、それから人間の尊厳を取り戻すために、暴走スイッチを切り札にしてきたというのだ。現時点ではネイティブの説明されていないが、全人類をネイティブ化させるのが目的と思われる。
 そしてダークカブトとなる擬態天道だが、この人はそもそも人間であり、ネイティブ化した最初の人間だったことも明らかにされる。
 ラストになり話がかなり迷走状態。結局最強のワームとされた乃木怜治はもう復活せず、三島が最後の敵になってしまった。改めて考えるとカッシスワームは勿体ない使い方されてたな。
<今回の影山君。ネックレスを買い占めたお陰で他の人よりも早くネイティブとなってしまい、矢車によって倒される。結局この人、良い所無く終わったな。と言うか、後半のこの二人の存在意義はどこにあったんだろう?>
第49話 最終話

  脚本:米村正二
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎剛
 天道も父の陸も倒れ、真実を知らされた加賀美はたった一人、三島と根岸の野望を阻止すべく行動を開始する。二人の狙いは全世界の人間にネックレスを配布し、特殊な電波によってネックレスを持つ人間をネイティブにしてしまおうと言うもの。だが、たった一人では強力なネイティブとなった三島には敵うはずもなく…
 敵はグラリスワーム。最強のワームでカブトとガタックの二人を相手にしても圧倒するほどの力を持つが、二人の連携によって倒される。
 いよいよ最終回。しかし、残念ながら設定的に残した所が多すぎて、間に合わせの終わり方のようにしか見えなかったのが残念なところ。天道のしてることと言っても、いくら格好良いこと言っても、ただまっすぐに戦うことしかしてなかったし。
 演出だけは良いと認めるにしても、設定的な取りこぼしと投げ捨てるようなラストは何とかならなかったか?まだワームは残ってるわけだし、ネイティブの存在意義も全く分からないままだぞ。
<電波塔の上に立ち、そこから飛び降りる天道。中の根岸や三島を倒すよりも先にハイパーカブト化して電波塔を破壊すべきだったんじゃないのか?
 今回のライダーキックはダブルで行われたが、いつもの敵が来るのを待つパターンとは違い、まるでオリジナルのようなドロップキックだった。
 何故か最後蓮華が抱きついたのは天道ではなく加賀美の方だった。あれれ?いつの間にやら?
 ラストだが、色々不思議な事が。岬は田所ではなく、神代家のために働いていて、風間大介は相変わらずゴンを連れ回している。樹花はひよりを姉として認めてる…この辺もうちょっと丁寧に演出してほしかった。
 ところで前回で影山は死んだけど、矢車はどうなった?>
1.渋谷隕石以前