THE FIRST SLAM DUNK |
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宮原直樹
北田勝彦
大橋聡雄
元田康弘
菅沼芙実彦
鎌谷悠(演)
井上雄彦(脚)
仲村宗悟
笠間淳
神尾晋一郎
木村昴
三宅健太 |
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★★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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4 |
5 |
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バスケットインターハイ全国大会第二回戦。無敗の帝王と呼ばれる秋田の山王工業と神奈川代表の湘北高校の試合が始まろうとしていた。湘北は初参加の無名のチームで、山王工業のワンサイドゲームになるかと思われたが、それぞれの個性を生かして前半戦はほぼ拮抗した試合内容になっていた。そこで山王は得意の圧力をかけた試合へと攻撃をシフトし、湘北の得点を許さなくなっていく。あっという間に点差が放される中、湘北の宮城リョータは、過去の自分を振り返りつつ、この試合に至るまでの努力を思い出していく。天才プレイヤーの兄の死、中学以来荒れてしまったこと。それでも辞められなかったバスケット。そして仲間達との出会い…
2022年になって突如アナウンスされた「スラムダンク」のアニメ映画化話。「スラムダンク」と言えば、一応リアルタイムで原作は読んでいるし、放映していたアニメの方もそれなりに観ていた。それが今頃になってアニメ映画化とは驚いた。最初に思ったのは、これはリブートなの?一本の映画では足りないから、何本か作るのか?という程度の感想。更に原作者の井上雄彦が監督と聞いて、「これは全く期待できない」という箱の中に放り込んだ。
漫画家がアニメーション作って大成功する人もいる。それは例えば大友克洋であったり、今敏であったり、ちょっと違うかも知れないが宮崎駿だったり。しかしそれらはみんな某かに映像の仕事も並行して行っており、漫画には出来て映像では出来ない事、またはその逆のことがよく分かっていたから出来たものだ。井上雄彦はそういう経験が無くてひたすら漫画家なので、どうせ碌なものが作れるはずはないと高をくくっていた。
だが公開直後にTwitterに上がる評価は総じて高いものばかり。絶賛している人も多かった。これは観ておくべき作品だろうかと考えを改めて観に行ったのだが、正直、馬鹿にしていた自分自身を恥じた。とんでもない傑作だった。
まずオープニング部分で驚かされる。真っ白い画面に鉛筆画のようにキャラクターが描かれ、描き終わった順から色が付いて動き出す。その線画というのが間違いなく原作者そのもののタッチなのだ。それは原作者が監督をしているから当然なのかも知れないけど、いやそれでも本人が描いたものがそのまま動き出すというシーンは、これ以上ないアピールになる。
アニメーションというのは必ず監督によって色が付けられるし、キャラクターに至っては、動画の都合上どうしても単純化されるのがかつてのアニメだった。しかし原作者自身が演出することと、デジタル化が進んだことによって、原作者の絵をそのまま動かすことが可能になった。
本作が今の時代に作られる意味の一つはここにあったのだ。
その後の演出も凄い。
基本的に本作は二つのパートからなっていて、メインは山王と湘北のバスケットの試合。そしてそれに被さるように湘北メンバーそれぞれのエピソードが描かれる。
メインの部分の試合の演出はとにかく凄い。アニメーションによる省略を極力減らし、実際のプレーを観ているかのようだった。口による説明もとにかく少ないが、観てるだけでどんなプレーをしてるのかが分かるように作られている。これは原作者の井上雄彦が特殊な作り方をしているからだ。彼の頭には、実際にプレーをしているキャラクターの動きが完全に詰まっている。誰がどこにいて、ボールはどのように動くのか。アニメ的な省略はなく、リアルな動きとして頭にあり、それをそのまま絵にしている。漫画読んだ時にもリアルな絵だと思ってたが、動かしてみて分かったのは、漫画のコマの間も井上の頭の中ではちゃんと動いていたということだった。その意味ではアニメーションと言うより、これは動く漫画と言った方が良い。かつてアニメは「テレビまんが」と呼ばれていた時代があって、「漫画ではなくアニメだ」という主張によってもうそんな事を言う人はいなくなった。しかしこの時代になって、遥かに進歩した形で「映画まんが」が目の前にあった。これは驚きそのものだった。アニメーションをこんな形で作る事が出来ようとは。
人が頭で考えたそのものを画面に映し出し動かすことが出来る。これはとんでもなく画期的なことだ。元々アニメーションというのは現実を絵に置き換えることを目的にしていたが、リミテッドアニメが中心だった日本では、アニメ独特の表現が発展してきた。これは現実の動きとは全く異なる文法で作られるものなので、現実の動きとは全くかけ離れたものになってしまう。その形でアニメにすることでも問題は無かったが、本作の場合敢えてそれを取らなかった。そのため試合の描写が今まで見たことがなかったようなとんでもない密度で迫ってくる。
ただ、凄まじくこれは大変な作業で、それも限界があるために、試合以外は既存のフォーマットに則ったアニメーション作りになってるようだが、それで良い。ちゃんと脳が休めるパートがあるためにちゃんと全部受け止めることが出来る。
そのバランスも良い。一本の映画で試合だけを描くのではなく、それぞれのキャラのエピソードを深めることでキャラを受け入れることが出来る。
もう一つが主人公キャラの交代というのも画期的だった。原作は天才的な運動神経を持つ桜木花道が初めてのバスケットにはまりこみ、技術を培っていきつつ、時に突拍子もないプレーを行うことで天才ぶりを発揮するというのが主軸になるのだが、彼の場合はトリックスター的な位置づけなので、映画で主人公にするよりも、脇に置いて天才ぶりを発揮させた方が光る。
そこで湘北の中では最も着実で、ある意味最も普通の人間である宮城リョータを主人公にすることで、一歩引いたところで見せている。この起用は正しかった。
これも他の監督がやったら批判を食うだろうが、原作者がやったことで誰にも文句を言わせないというおまけも付いた。原作者が監督をしている以上、何をやっても許されるという裏技みたいなことをやってしまった。
これが原作者を監督する意味だった。 |
製作年 |
2022 |
製作会社 |
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ジャンル |
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売り上げ |
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原作 |
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歴史地域 |
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関連 |
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キーワード |
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