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ガールズ&パンツァー絵コンテ集 Vol.1(書籍) _(書籍) |
2023 | ガールズ&パンツァー 最終章 第4話 監督 | |||||||||
2022 | ||||||||||
2021 | ガールズ&パンツァー 最終章 第3話 監督 | |||||||||
ガールズ&パンツァーOVA「ダイコン・ウォー!」 監督 | ||||||||||
2020 | 荒野のコトブキ飛行隊 完全版 監督・音響監督 | |||||||||
ガールズ&パンツァーOVA「タイヤキ・ウォー!」 監督 | ||||||||||
SHIROBAKO 監督・音響監督 | ||||||||||
2019 | ガールズ&パンツァー 最終章 第2話 監督 | |||||||||
荒野のコトブキ飛行隊外伝 大空のハルカゼ飛行隊 企画協力 | ||||||||||
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2018 | ||||||||||
2017 | ガールズ&パンツァー 最終章 第1話 監督・演出・絵コンテ | |||||||||
2016 | 監獄学園〈プリズンスクール〉 OAD 監督 | |||||||||
ガールズ&パンツァーOVA「愛里寿・ウォー!」 監督 | ||||||||||
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2015 | ガールズ&パンツァー 劇場版 監督 | |||||||||
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2014 | ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です! 監督 | |||||||||
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ウィッチクラフトワークス<TV> 監督・シリーズ構成・脚本 | ||||||||||
2013 | 侵略!!イカ娘 オリジナルアニメーション2013SUMMER 演出 | |||||||||
げんしけん二代目<TV> 監督・演出・絵コンテ・音響 | ||||||||||
よんでますよ、アザゼルさん。Z<TV> 監督・演出・絵コンテ | ||||||||||
2012 | 侵略!!イカ娘 オリジナルアニメーション2012SUMMER 演出 | |||||||||
ガールズ&パンツァー<TV> 監督 | ||||||||||
じょしらく<TV> 監督・脚本・絵コンテ | ||||||||||
2011 | xxxHOLiC・籠 あだゆめ 監督・演出・絵コンテ | |||||||||
+チック姉さん 監督 | ||||||||||
Another アナザー<TV> 監督 | ||||||||||
侵略!?イカ娘<TV> 総監督 | ||||||||||
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よんでますよ、アザゼルさん。<TV> 監督・演出・絵コンテ | ||||||||||
2010 | よんでますよ、アザゼルさん。 監督・演出・絵コンテ | |||||||||
xxxHOLiC・籠 監督 | ||||||||||
侵略!イカ娘<TV> 監督・演出・脚本・絵コンテ | ||||||||||
おおきく振りかぶって ~夏の大会編~<TV> 監督・演出・絵コンテ | ||||||||||
2009 | ムダヅモ無き改革 -The Legend of KOIZUMI- 監督 | |||||||||
xxxHOLiC春夢記 監督 | ||||||||||
BALLAD 名もなき恋のうた 脚本協力 | ||||||||||
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2008 | ケメコデラックス!<TV> 監督・演出・絵コンテ | |||||||||
2007 | 撲殺天使ドクロちゃん2(セカンド)<TV> 監督・演出・脚本・絵コンテ | |||||||||
おおきく振りかぶって<TV> 監督・演出 | ||||||||||
2006 | 大魔法峠<OVA> 監督・脚本 | |||||||||
げんしけん OVA<OVA> 監督 | ||||||||||
くじびき・アンバランス<TV> 監督・脚本 | ||||||||||
xxx HOLiC<TV> 演出・脚本・絵コンテ | ||||||||||
2005 | xxxHOLiC 真夏ノ夜ノ夢 監督・演出・絵コンテ | |||||||||
いちご100%<OVA> 脚本・構成 | ||||||||||
撲殺天使ドクロちゃん<TV> 監督・演出・脚本・絵コンテ | ||||||||||
2004 | クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 監督・脚本・絵コンテ | |||||||||
2003 | クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード | |||||||||
ジャングルはいつもハレのちグゥ FINAL 監督・絵コンテ | ||||||||||
2002 | クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 演出・絵コンテ | |||||||||
ジャングルはいつもハレのちグゥ デラックス 監督 | ||||||||||
2001 | クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 演出 | |||||||||
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2000 | クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル 演出・絵コンテ | |||||||||
1999 | クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦 演出 | |||||||||
1998 | クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 演出 | |||||||||
1997 | クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡 演出 | |||||||||
1996 | ||||||||||
1995 | クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望 助監督 | |||||||||
1994 | ||||||||||
1993 | ||||||||||
1992 |
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1991 | ||||||||||
1990 | ||||||||||
1989 | ||||||||||
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1968 | ||||||||||
1967 | ||||||||||
1966 | ||||||||||
1965 | 12'6 北海道で誕生 |
ガールズ&パンツァー 最終章 第4話 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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冬季無限軌道杯の準決勝。大洗女子学園と継続高校の試合は、開始早々西住みほ(渕上舞)のあんこうチームが脱落してしまう。そこで司令は元生徒会チームに移るのだが、慣れない雪山での戦車戦は継続高校有利のまま展開していく。一方、もう一つの準決勝では黒森峰女学園vs聖グロリアーナ女学院戦が激闘を繰り広げていた。 前作ラストで主人公西住みほのII号戦車が撃沈されてしまったという衝撃から、そのまま始まる試合。この試合ではみほのII号戦車はリーダーではなかったため、お陰で試合は継続するが、本来の司令塔が不在のまま試合続行となった。話の都合上、大洗学園が勝利することは間違いないだろうが、それがどうなるのかは分からず、たいへん緊張感が増した話になった。 話自体も逆転に次ぐ逆転劇で、本当にギリギリの勝利まで緊張感が続き、なかなか良い物語になっていたし、次回に続く伏線も意外な展開で面白かった。 それより本作での演出の凄さは強調すべきだろう。雪の上での戦闘と言うことで、雪の質感を描く必要があるが、CGでもちゃんと映えていて、戦車にかかる行きの質感まで感じるほど。更にスキー場での戦闘で戦車が固まりになって丘を滑り落ちる演出は、まるでレースを見てるかのよう。砲塔回して砲弾ぶっ放しながら滑り落ちていくのは観ていて凄い快感を得る事が出来た。ジェットコースターで観てる光景みたいで、このシーンは4DXで観たら相当心地よかろうとも思う。 ただ、私は三半規管が弱く、ちと酔いそうになったので、ちとやり過ぎか?と思わなくもなかったが。 決勝戦の相手も、し合い自体は結構意外性があったのも良し。 次回は二年後か?更に演出力が増していることを期待しよう。 |
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ガールズ&パンツァー 最終章 第3話 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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戦車道大会の二戦目。弱小であるはずの知波単学園の思いもかけない頭脳プレイで苦戦を強いられた大洗学園だったが、長期戦の末に辛くも勝利を得る事が出来た。その間にも他のトーナメントの勝者が次々と決まっていく。準決勝の相手は継続学園となり、その対戦が始まるが、継続学園得意の雪上戦を余儀なくされる。 「ガールズ&パンツァー」最終章も本作で前半の終了。三本の映画が公開されるまでに既に4年が経過しているので、一体最終回までどれだけ時間かかるのか分からなくなってきた。 完全に前作からの続きだが、相変わらず戦車戦のクォリティは馬鹿高く、戦車戦の見応えは充分。戦いのシーンもメリハリもあるし、混乱しがちな中で、ちゃんと何をやっているのか視聴者が分かるよう工夫されているのがよく分かる。特に今回主人公チームである大洗学園が戦う相手はこれまでの高校とは違うところなので、その個性もきちんと描かれている。 大洗だけでなく、トーナメントの他の高校同士の戦いもあって、その演出は素晴らしい。時間とある程度のまとまった金を投入出来る劇場版の強みを遺憾なく発揮している。 ただ、戦いのシーンに力を入れすぎた結果、これまで以上にストーリーパートが薄くなってしまって、観終わって気がついたら、内容はほぼ「準決勝が出そろいました」だけになってしまった感じ。 ストーリーを進めない代わりに演出に力を入れる。これはこれで潔い話なのだが、ほとんど書く事がなくなってしまった。 一話くらいは戦車戦の方を最低限に、人間ドラマに力入れた話も観てみたい気はする。 |
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SHIROBAKO | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2015年にテレビアニメ「第三飛行少女隊」を成功させた武蔵野アニメーション(ムサニ)だが、その次のオリジナル企画が頓挫してしまって大きな損失を被ってしまう。スタジオの壊滅は避けられたものの、スタッフも散り散りとなってもはや新しい企画を出せる余力はなくなってしまった。現在は大手のアニメの下請け孫請けでなんとか会社を存続させている状況だった。そんな中で制作として会社を支える宮森あおい(木村珠莉)は日々奮闘中だったが、そんな折、降って湧いたようなオリジナル劇場アニメの制作話が舞い込んでくる。 2014年にテレビ放映された「SHIROBAKO」というアニメ作品は、前年「ガールズ&パンツァー」というスマッシュヒットを取った水島監督の手がける作品だと言うことで、前評判も良く、更にアニメ業界の内部話という目新しさもあって連発ヒットを記録し、アニメ界に水島監督の名を轟かせる結果となった。 表題の「SHIROBAKO」とは業界内の用語で「映像業界において作品が完成したときにスタッフに対し確認用に配布される白い箱に入ったビデオテープ」から来ている用語で、本来は「白箱」と呼ばれるものを指すそうだ。かなりの専門用語らしいが、それを表題にするだけあって内容も相当細かい。 テレビ版のシリーズの良さはバランスだと言えるだろう。物語としての見せ場もちゃんと見せながら、同時にアニメーションがどのように作られているのかをしっかり描いていて、それを飽かせることなく描ききった。企画から製作、そして納期の設定ができてから設定脚本CG作画班の選抜を経て短い準備期間に詰めて全ての設定を追え、そこからアニメーターとのやりとり、録音に至るまでを丁寧に描いていたし、そこに様々なトラブルを持ち込むことで、単なる説明に留まらないドラマティックな作品を作り上げていた。 主人公の宮森あおいはアニメスタジオのプロデューサーなので、日程の調整やあるいは上がったデータなどを手渡しする役割を担う。タイトルとなった白箱と最も付き合いが多いので、このタイトルは上手く付けたものだと思った。 二部構成半年2クールのボリュームもあって、メリハリのある良い作品だった。一見華やかに見えるアニメ業界の内部の苦労する部分を(適当に美化しながらも)しっかり描いていたのが好感高い。一般人には分からない業界の内部での苦労話と適度な誇張が上手い具合に良いバランスを取っていたと思う。 何より、この放映当時の私は仕事上色々あってかなり精神的に疲れており、これを観て力をもらっていた感じがあって、ちょっと入れ込みすぎてたのもあって、突出して思い出深い作品でもある。この作品のお陰で元気をもらったし、幸い危機も通り過ぎてくれた。 そんなこともあって思い出深いアニメなので、劇場版は大歓迎。 さあ、今度はどんな裏話が飛び出すか。 と、言う意気込みはあって、それがちゃんと満たされたのは確か。 ただ、この映画の中で多々出てくる裏話的な要素はずっと厳しく、そしてリアルな現状だった。 コンテンツ王国と言われるようになった日本は質の高いアニメ作品を量産し続けている。これはとても素晴らしい状況なのだが、それだけ質の高い作品を作っているにもかかわらず、業界の状況は全く良くなっていない。 概ねは賃金の問題に帰結してしまうが、敢えてそこは語らないで業界の現状を考えてみよう。 劇中にも「ヒット間違いなしの原作が失敗する」という台詞が出てきたが、テレビ版「SHIROBAKO」が作られた当時からすると市場は明らかに縮小している。本作の舞台となるムサニがという問題ではなく、業界全体が現在縮小傾向にあるのは確かである。アニメオタクがエッジであるともてはやされたのも既に数年前。時代の先端は着実に他のコンテンツに移っている。今やアニメ業界は少しずつ時代に取り残されてきはじめているのをひしひしと感じさせてくれた。 そして旧態依然とした契約関係が最前線のアニメーターを縛り付ける。口約束の企画は、現場ではやるらねば契約破棄になるのに対し、雇用主はいつでも掌を返せるという不均衡この上ない契約を見せられると、現実感がありすぎて大変辛い。どんな業界にも必ず理不尽さというものがあるものだが、それが可視化される。端的に言えば、本作は結構飲酒の描写が多いことで表されるのだが、宮森の酒量が半端ない。一体どれだけのストレス抱えてるのかと思うと胸が痛くなってくる。 それでも負けずに劇場用アニメを作る過程が本作の本来の見所であり、これまで宮森が培ってきた人脈と、同じ夢を語り合ってきた仲間達が結集してアニメ作りに邁進していく。完成したフィルムを劇場で観るところまでで、ここまでの苦労が報われたと溜飲を下ろすのだが、中盤までの辛さが現代の日本社会の構造的な問題である事がわかってるので、その辛さを跳ね返すほどの強度になってなかった。観終わった時点で気持ちの良さよりも辛さの方が先に来てしまって、素直に楽しめなかった。 でもだからこそ、本作は大変印象に残る作品だとも言えるだろう。今までにないタイプの作品で、5年後位にまた劇場版で続きを観てみたいとも思う。 |
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ガールズ&パンツァー 最終章 第2話 2019 | |||||||||||||||||||||||||||
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無限軌道杯1回戦で思わぬ善戦を見せるBC学園との戦車道対戦に苦戦を強いられた大洗学園だが、BC学園のチームワークの弱さに目を付けた西住みほの作戦で辛くも勝利をもぎ取ることが出来た。次の対戦は、突撃ばかり繰り返すことで知られ、最弱とも呼ばれる知波単学園だったが、かつて二度大洗学園と共闘した経験から、入念な準備が進められていた。 大ヒットしたTVアニメシリーズ「ガールズ&パンツァー」が放映されたのは2012年。それから既に7年が経とうとしているのだが、未だに劇場版が作られ続けていることが、いかにこの作品が息の長い作品だと言えよう。その最終章となる劇場版の第2話目。 そもそも「最終章」を銘打ち、6話で終わらせるというので、きっと三ヶ月くらいの短いスパンで作られ、終わるまで二年もかからないだろうという当初の予定はどこへやら。第1話からほぼ丸二年経ってからやっと第2話が公開となった。いったい最終話である6話が公開されるのはいつになるのやら。という感じだ。 とはいえ、物語自体がシンプルなので、観始めてすぐに世界観に戻ってこれるのは助かる。 本作の物語としての特徴として、実力差のある、若しくは最初の作戦の読み間違いで圧倒的な不利に陥った大洗学園が主人公西住みほの機転で逆転していくという構図がほとんど。 それでその作戦というのが心理戦であることが多いのも本作の特徴のひとつで、相手の心理的ミスを誘ってピンポイントで攻撃するパターンとなる。その意味ではみほは「名将」と呼ばれるに足るものの、あれだけおとなしい女の子がかなりえげつない作戦を平気で行うミスマッチさがよろしい。 ただ、テレビ版で一度大洗女学園は優勝していることもあって、最初に心理戦を仕掛けてくるのが相手側というのがこのシリーズの特徴となるだろう。相手の心理戦にまんまと引っかかってしまいながら、しっかりリカバリーして勝利を得るという新しい構図で展開中。 これからまだ4章あって、最後まで同じパターンで行けるとは思わないけど、現時点のパターンはうまくはまってる感じ。 |
ガールズ&パンツァー 最終章 第1話 2017 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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二度に渡る廃校の危機を乗り切った大洗学園にも日常が戻り、三学期を迎えた。そんな時、元生徒会の川嶋桃の進路が決まっていないことが分かり、推薦を取るためにもう一度戦車道の大会に出場することを決めるのだが… 2012年に放映されたテレビアニメ「ガールズ&パンツァー」。放映中から好事家によって好まれ、多くのマニアを生んだ他、様々な波及効果を及ぼしたアニメーションとなった。その後のオリジナルビデオ、劇場も大ヒット。めでたくその続編が作られることとなった。 形として、テレビでの二期ではなく全6話での劇場公開作品となったが、繰り返し観に来る人も多く、ソフト売り上げも期待できるので、この上映方法で正解。 で、作品そのものは戦車戦を行い、最初かなりきつい危機に陥るが、主人公の西住みほの機転によって大逆転するというパターンで、テレビと大体フォーマットが同じ。後は学園艦での日常生活とかも細やかに描いていたりと、とても安心できる作品に仕上がっていた。 おそらくこれから話もきつくなるかと思うのだが、現時点では微笑ましさの方が上で、心地よく観る事が出来た。 トピックとして大洗学園に新しい戦車が入ったり(新しいと言ってもマークIVは第一次大戦時に作られたイギリス製戦車で、本作に登場した戦車の中では最も古い)、新しい高校(明らかにフランスをモティーフとしてる)との対戦があったりと言ったところ。 楽しめたからそれで良し。 |
ガールズ&パンツァー 劇場版 2015 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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第63回戦車道全国大会。実はこれは洋上学園都市大洗女子学園の存続をかけた大きな戦いでもあったが、そこで見事大洗女子学園は優勝を飾ることができた。平穏な日常が戻ってきたと思っていたが、なんと文科省から、大洗女子学園の閉鎖が通告されてしまう… 2012年に放映された深夜枠のTVアニメ「ガールズ&パンツァー」。これは女子高生が戦車に乗って実弾を撃ちまくり、しかもそれが家元もある戦車道なる日本古来の女子のたしなみとされるという、はっきり言って無茶苦茶な設定で始められたアニメだった。普通こう言うネタ系アニメはひっそりと埋没していくものだが、この作品については回を追う毎にどんどんファンを獲得していき、今なお語られるアニメの一つとなっている。 それはこの作品がどんなに無茶苦茶な設定であっても、一つ妥協しないポイントがあったからだと思う。 それは他でもない。戦車戦の描写である。一台一台の戦車の特性をきちんと把握した上で、作戦上必要な行動を取らせる。この一点に尽きた。ただし、これはスタッフの知識や技量に大きく依存することとなり、最も面倒くさい作りになる。実際、そこをおろそかにして、華やかな女子校生活をメインにするという選択しもあったのだが、あくまで重要なのは戦車戦としていたのが、この作品の最大の成功だった。戦車一台一台が、現実に存在した戦車そのものをきちんと描写しており、女子を見るよりも戦車を見ていたい。いや、どっちも見たいという人にとっては何より嬉しい時間を提供してくれたものだ。 物語自体は非常に単純化され、戦車戦を行うために物語が作られていたきらいはあるが、その潔さに惚れたファンも多い。 そんなことで、放映終了後も是非続編をという要望も多く、OVAを経て、ついに劇場版の登場となった。 そしてこの劇場版、「凄い」の一言である。 何が凄いかって言えば、スタッフがこの作品に何が必要なのかを完璧に把握していたと言うこと。繰り返しになるが、それは、劇場用のふんだんな予算を用いて、戦車戦に特化して描くということに他ならない。 この戦車戦以外の描写は、正直「ここまで割り切るか?」というレベルで全く描かれてない。存続が決まったはずの大洗女子学園が閉鎖される理由はTV版と全く同じで、その理由として「事情が変わった」以外の説明はないし、その解決方法もTV版と全く同じ。女の子が沢山存在するのに、せいぜいやってることはお風呂に入って親睦をしたり、一緒に寝泊まりをしたりと言った程度。主人公の西住みほには多少描写の枚数が取られているものの、友人との交流や実家との和解と言った描写も必要最小限。ライバルキャラの出現も、ほんの一瞬接触があるだけ。結果、作品の尺の半分以上は戦車戦に取られることになった。 映画でここまで割り切った描写をしたら、もう「立派!」としか言いようがない。ここまで物語をないがしろにしておいて、それでちゃんと面白い作品を作れるんだからもう立派すぎる。 作品の全てを戦車戦に賭けただけあって、都合二回ある戦車戦の描写は、もう「素晴らしい!」の一言。 最初に大洗で行われる戦車戦だが、これは戦車戦そのものを人物紹介に充てている。TV版に登場した幾多の高校(その大部分は特定の国の戦車が使用されている)と、主人公の混成戦車チームがぶつかり合うところで、戦いの中で一人一人の個性を描いており、主人公との会話なしにちゃんとコミュニケーションが取れている。しかもそのキャラというのが戯画化された、戦車のモティーフとなった国特有の描写となっているので、性格が把握しやすい。ほとんど会話無しにちゃんとキャラ立てが出来ている。 しかもこの一度目のエキシビションマッチは個性を把握させるためだけでなく、来るべき本番に備えていくつもの伏線がばらまかれている。 例えば劇場版初参戦となる日本軍の九五式及び九七式戦車が登場するが、戦車自体の性能があまり高くなく、それをカバーするために、むやみな突撃を繰り返す(どこかの国が昔やっていたことそのものだったりするんだが)、それが味方になってるために、最初のエキシビションでは大洗女子学園は敗北を喫することになる。ここが二度目の本番の戦いでは、それを反省し、教訓とすることで局地戦での勝利を得ることになるし、それぞれが自分達の持つ個性を生かしたり、あるいは反省したりすることで二度目の戦いに備えるようになっていく。この辺は一度だけでなく、何度も見れば、それだけ細かく伏線が張られていることが分かってくるのだろう。 そして二度目の戦いでは、これまでのライバルが味方になって参戦するというテンプレの燃え展開を経た上で、更なるバリエーション豊かな戦いが展開されることになる。敵である大学混成チームが基本イギリスのセンチュリオンという画一的な戦車を用いているのに対し、ヴァリエーション豊かな混成チーム(ドイツ、ソ連、イタリア、アメリカ、日本の混成)が、それぞれの特性を活かした戦術を張りつつ、新しい戦術を戦いの中で考案していく。ここまで張った伏線を回収しつつ、戦いを通してお互いの気持ちを確かめ合うという構成で、全く飽きることなく見せてくれた。素晴らしい出来である。 本作の最も重要なところをぶれることなく映画化したその姿勢には改めて感服した。物語は最低。しかしその最低さこそが最大の強味につながる。そんな作品があっても良い。 あと、これは書くか書くまいかちょっと迷ってはいいたのだが、一応妙なツッコミをいくつか。 一つには、本作における戦車戦では実弾が使われているという部分。戦車は防弾がしっかりなされているという説明はあるので、それは良いけど、砲撃によって戦車がひっくり返ったり、時にアクロバットな動きを見せた時、中にいる人間はそこら中の突起物にぶつかって大怪我してるのでは?それだけでなく、実弾を防いでも衝撃波を防ぐことは出来ないので、被弾した場合、少なくとも内臓破裂は必至… 二つ目。戦車の動きだが、観ていると車と同じ動き方をしている部分が散見される。履帯を使用する構造上、カーブ程度ならともかく、戦車が旋回する際は一度動きを止めないと旋回できないはずなんだが、普通にカーブしてるシーンがいくつか見受けられた。 そして三つ目。この作品の最大の見所は最後の西住姉妹の共闘となるが、これは第二次大戦時のドイツのIV号戦車とティーガーIとの共同作戦でもある。二台の戦車が連携を取って縦横無尽に戦場を駈ける姿は大変見応えがあるのだが、中戦車であるIV号戦車と、重戦車であり、しかも砲塔が非常に重いティーガーIとでは、機動性が全く違う。それが同じ機動性を持つように描く、その点がどうにも気になってしまって(まだまほの乗っているのがティーガーIIでないだけましだが)。 |
ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です! 2014 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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xxxHOLiC 真夏ノ夜ノ夢 2005 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 2004 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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春日部にある古い映画館で遊んでいたしんのすけ達。しんのすけを除く友達が映画の画面に変な光景が映し出されるのを見る。そしてついついその風景を眺めている内に、いつの間にやらみんなが消えてしまっていた。心配になったしんのすけは家族を連れて再び映画館へ行くのだが、上映終了しているにもかかわらず突然スクリーンで西部劇が上映され始め、その刹那、しんのすけたちは西部劇の町に迷い込んでしまった。しかも先に映画に入り込んでしまった人たちは保安官や夫婦といった劇中のキャラクターになりきり、春日部の記憶を失ってしまっていたのだ。記憶のはっきりしているしんのすけはなんとかみんなを現実に戻そうとするのだが… 前作『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』(2003)は一気に方向転換して子供向きにした感があったが、本作は再度方向転換。マニアックな描写を入れたりして、大人も子供も楽しめる作品に仕上げようとしているのがわかる。本シリーズ特有の線の少ないキャラクタ描写で、元ネタのはっきり分かる人物描写がされているのは上手いし、西部劇ファンだったら(古いタイプもマカロニもひっくるめて)分かるマニアックな小ネタが満載されているので、見応えはあるし、緊張感もしっかり持続されていた。最後の仲間の力を会わせて!という展開も燃える。 流石に原恵一監督作と較べてしまうと、パワー不足は否めないながら、普通に観る分なら、充分に楽しいアニメに仕上げてくれた。観てるこちらもほっとした。 実際本作はかなりバランスが良い。絵も複雑にしすぎず、謎の部分もちゃんと理解できる範囲で用意され、そして最後の団結のパワー。この辺が観てるこっちを熱くさせる。前半の世界観を後半まで持ってこなかったのは、逆に英断だっただろう。そして最後まで残る一つの謎と失恋に終わるしんのすけの初恋。90分弱の中によく詰め込んだ。と思えるような作品だったのは確かだ。 それにしても、西部の町に出るキャラ描写は見事。クラウス=キンスキーは出るわ、チャールズ=ブロンソンはでるわ、ユル=ブリンナーは出るわで、なんかそれだけでもにやにやしてしまう(本作は予告と本編が全く違うのも特徴だが、予告でブロンソン似のおっさんが右手を顎に当て「ん〜〜」とやるのには笑えたもんだ。是非このシーンは本編でも使って欲しかった)。 これまで中心的題材であった家族愛部分が極端に小さくなり、しんのすけだけにスポットが当てられる作りは、ちょっと寂しい部分はありだし、最後のオチがやや弱い感じは受けるけど。 このシリーズでなければ本作はもっと評価されてしかりなんだろうけどねえ。 |
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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いつものように大騒ぎの野原一家の朝食風景。だが、そこに突然車がつっこみ、車から降りてきた男は野原一家に助けを求めてくる。更にそこに怪しげな組織が現れ、野原一家に「あるもの」を渡せと要求してくる。夕食に用意した最高級焼き肉を食べるため、野原一家は走る! 前年公開された『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(2002)はアニメ史に残る最高傑作だったが、翌年公開された本作は、監督を原恵一から水島努へと変えての投入となり、どうやら原点復帰を目指して作られたものらしい。 …それは分かる。特に前2作が設定は無茶苦茶ながら、内容は極めてシリアスだった事も、本作を作る上での問題となったのだろう。ただ、それが成功したのかどうかと言われると…これまでのシリーズ作品の中でも最低の作品となってしまった感じ。 楽しいところは結構あるのはあるのだ。特に前半のいくつかの映画からのパクリなど、オトナのためのサービスも忘れてないし、スピーディな展開も決して悪くはない。 ただ、原恵一作品では、一見無茶苦茶な事をやってるように見えていながら、その実は非常に内容がシリアスで、それを見事にギャグ作品に仕上げてる力量が凄いと思ってたのだが、今回は何せ肝腎なストーリーの核が笑えないギャグだったので、その周辺の演出でいくら頑張ってもしらけるばかりだった。 これまでのシリーズでは結構重要な役割を果たしていた幼稚園の面々もここでは邪魔しかしてないし、家族がバラバラになって、それで一つに結集していく過程も説得力無し。幼稚園児が東京から熱海まであんな速く行けるかよ。ギャグを作りたければ、幾ばくかのリアリティってのが重要なんだ。それ自体を放棄してしまったら、単に瞬間的な映像が次々と現れるだけの作品になってしまう…事実本作はその好例だ。 それに何より、主題であったはずの焼き肉を食べる描写が全然旨そうに見えないのが致命的。焼き肉ってのは、決して高級な食い物じゃない。一人一人がじっくりと時間をかけておいしそうに食べるのではなく、まるで戦争のように相手を押し合いへし合いしながら、生焼けだろうが何だろうが口に放り込んで、怒号が飛び交うようなものでなければ本当においしそうには見えないもんなんだ。そこが分かっちゃいねえ。 特にアニメの場合、食わせることには大変苦労するからこそ、その苦労を結実させて欲しかったよ。 |
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