| 焼肉ドラゴン |
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江守徹
佐々木弘毅
小西啓介
堀内大示
巖本博
畠中達郎
本間憲
岡田美穂
高橋一仁
岩崎アキ子
三宅容介
梅川治男
森重晃(製)
鄭義信(脚)
真木よう子
井上真央
大泉洋
桜庭ななみ
大谷亮平
ハン・ドンギュ
イム・ヒチョル
大江晋平
宇野祥平
根岸季衣
イ・ジョンウン
キム・サンホ |
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| ★★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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4 |
4 |
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かつて第二次大戦に日本人として従軍して左腕を失った金龍吉(キム・サンホ)は戦後同じく在日韓国人の高英順(イ・ジョンウン)と結婚し、大阪の国有地を不法占拠した集落で焼肉店「焼肉ドラゴン」を開業し、哲男(大泉洋)、時生(大江晋平)の男二人、静花(真木よう子)、梨花(井上真央)、美花(桜庭ななみ)の女三人の子どもにも恵まれた。そして1969年。保証金を出すので国有地を国に返して欲しいという再三の役所の申し出を断り続けつつ、次女梨花の結婚話や、中学校でいじめにあい、失語症に陥る時生のことをやきもきしながら見守る日々を送っていた。
名脚本家として知られる鄭義信の初監督作品となる。脚本家が監督になることは結構多いが、監督としては今ひとつというパターンも散見される。理由としては、文章で描いたものと、現実に役者が演じるものは意味合いが異なるため、そのギャップを埋めることができない場合が多いからだと思っている。
脚本家が初監督というなら、本作もそうだが、本作の場合、映画の前に舞台劇があった。その中で鄭義信は脚本家として参加しているが、舞台劇の場合はリアルな観客の反応を見て、時に演出も変えることもあるので、その反応を実際に見ていたこともあってか、非常に練り込んだ物語を作り上げてくれた。
1960年代の在日朝鮮人の置かれた状況をベースに、ペーソスと笑いを詰め込んだ下町人情噺と、凄くいろんな設定をぶち込んだものだが、恐ろしいことにそれが全く破綻なくきちんと収まった物語になってる。見事な作品だ。
本作の設定は決して明るくない。昔から在日の人たちは日本人に蔑まれ、どこにいても暮らしにくさの中で生きていた。その中でありながら力強く生きていたし、時には仲間内でのいざこざもある一方、日本人として生きようとする側と、朝鮮人としての誇りを持って生きようとする人もいる。色んな意味でカオスな社会だが、全て根底に怒りというエネルギーを感じさせる。そのエネルギーがあるからこそ、普通の物語がそれだけで劇的なドラマに見えてくる。
物語の中に怒りが常に見ているからこそ、本作はパワーを持つ作品とも言える。そういえば鄭監督が脚本書いた『月はどっちに出ている』の異様な迫力もそこに起因していたのかな。
話は大きな物語にはならず、一つの家族が時代の中で翻弄されるだけの話で、決してハッピーエンドでもない。だけど、強い説得力を持って迫ってくる。 |
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