16'03'29 | はじめの一歩113
なんというか、流石にこれはもう擁護できないって言うか、引き延ばしもここまで来ると無残。鷹村の強さは最早人間レベルでなくなり、それだけに読んでいてカタルシスが来ないし、一歩もこれからの一歩が全く踏み出せないままずるずると巻を重ねるだけ。幕間のコミカルな話もシモネタがきつくなって正視に耐えなくなってしまった。 ほぼ連載開始からずっと買い続けてきた作品だが、いい加減切るべき時が来たのかもしれんな。 |
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16'03'24 | 坂の上の雲8 (著)司馬遼太郎 <amazon>
日本が西欧諸国と完全に肩を並べたとされる日本海海戦によってこの作品は閉じられる。ただし、この海戦は他の資料では本当に書かれることが少ないので、かなり興味深く読ませてもらった。実際はかなり圧倒的に日本海軍の勝利となったようだが、それについてもかなり克明に描かれている。結局戦争とは、情報をどう使うか、それによって敵の実力を発揮させないうちに潰すという、古来の孫子の兵法がここにも活きているということだな。 尚、この作品を読んで日本人のすばらしさを語っていたある小説家がおり、司馬遼太郎がそんなもの描くのか?と思ったのが本作を読むきっかけの一つなのだが、良くも悪くも通常運行って感じ。これで日本人うんたらを語る事は出来ないし、それで良い。 |
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16'03'20 | シドニアの騎士4
戦いとシドニアの謎に迫るという物語が組み合わさったような物語展開で、過去落合という狂った科学者がここで何をしようとしていたか、そしてその意思は今もシドニアを覆っていることが確認された。一方、奇居子に対する対抗手段についてもどんどん発展はしていっている。人類と奇居子の双方が互いを攻撃する手段をどんどん発展させていくというのも見所か。 |
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16'03'18 | 坂の上の雲7 (著)司馬遼太郎 <amazon>
陸軍の側での最大の戦いとなった奉天会戦が中心となった。これまでのかなり細かな戦いの描写がなされてきたのだが、この戦いはかなり大ざっぱな描写になってしまった感はある。戦いが正面での力押しだったために語るべき所が少なかったのかも知れないけど、折角秋山好古という個人に焦点を当てているのだから、彼の目から見た戦場というのを掘り下げてみても良かったのでは?と言う気はする。 |
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16'03'16 | 修羅の門 第弐門17
前巻で完全に記憶を取り戻して、本来の姿となった九十九だが、第一部からの因縁の決着が必要になった。それこそ第一巻で対決した海道晃なのだが、なるほどここで本当に決着を付けるところがこの物語の終着点になるのか。いよいよこれが本当の終わりに向かっていると言う事になるのだろう。 |
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16'03'12 | サイコダイバー25 新魔獣狩り 完結編・魔王の城 下
実に30年もの時間をかけてついに完結まで読み切った。なんだかんだでここまで延々とつきあってきたもんだと感慨深い。 広がりきった物語をどのようにオチつけるものかと思ったが、割とすっきりした終わり方となっていた。最後に鳳介と獣太の二人で何にダイブするのか。その結果どうなるのか。かなりスケールが大きい。 ただ一方、取り残された設定も結構あって、そちらの方はこのままなんだろうか?それを考えると少々寂しくもある。実際残された設定だけで長編の一、二冊くらいは充分に描ける分量がある。 |
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16'03'10 | 大市民 最終章
なんだかんだ言ってこの作品ももう最後になるのかな?最初の頃は確か40歳代後半だったから、連載開始から20年になるのか。 ただ、ちょっと前に出た「大市民日記」と同じく、ほとんど呟くだけで終わってしまっているのが何とも寂しい。この作品の面白さってのは基本的にちょっとだけ変わった日常的な出来事が展開し、そこでちょっと蘊蓄やら思った事を語るってものなのだが、その日常的なドラマをカットしてしまったら、文章で書くのと何の違いも無い。漫画として放棄された作品だった。 あと、この作品を読み進めていれば分かってることだが、ここで山形が語っている過去は、山形ではなく著者本人のもの。 |
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16'03'08 | バンド・オブ・ザ・ナイト (著)中島らも <amazon> “俺”ラムと女房の“み”が住む大阪の家には何人もの薬物中毒者がたむろしており、いつの間にか“ヘルハウス”と呼ばれるようになってしまった。睡眠薬の多量摂取や覚醒剤などでラリっぱなしの日常生活を描く。 薬物中毒者の日常生活を描いた話で、薬を買うためにどう金を引っ張ってくるかが物語の主題になってる。これが本当の話だったら、明らかに法的にやばいんだが、まあフィクションってことだから。 本書が書かれたのは2000年代になってからだが、内容的には1980年代のもので、実際内容と言い文体と言い、まさしく80年代のものって感じ。具体的に言うなら、ビートニク世代に乗り切れなかった70年代に成長した人間がそんな憧れを抱き、無理矢理堕落した生活をしようとしているってところ。実際明らかにウィリアム・バロウズの文体を真似てるところが多々あったり。 |
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16'03'06 | 夏目友人帳5
16話〜19話までと、田沼を主人公にした特別編を収録。人魚の話や、過去おじさんが祖母夏目レイコと関わっていた話もあるが、前後編で描かれた新キャラ多軌の話がメインとなる。これまで夏目が妖怪を観ていることに気づいたのは二人だけだったが、更にもう一人増えた。やや天然入っている感じの女の子なので、なんだか読んでいて和む。 各話のタイトルが無くなってしまったため、やや説明が難しくなってしまったな。 |
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16'03'03 | 坂の上の雲6 (著)司馬遼太郎 <amazon>
今巻は戦いのプレリュードと言った感じで、奉天、日本海海戦の前日譚、そして後方攪乱をしている明石がメイン。戦いよりもこっちの方が歴史が動いている感じがして面白い感じもする。歴史ってのは、こういう背景史こそが楽しい。 |
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16'02'28 | KEYMAN7
物語がどこまでも急展開なので、一体どこにオチがつくのが分からない作品で、前巻で主人公アレックスが右手を失い、警察の肩書きまで失ってしまったが、今回は怒濤の展開によって、ついにキーマンの真実とネクロの過去、そしてネクロに従うキーマンであるファントムの素顔が明らかにされていく。体のどこかに鍵穴を持つ何故「鍵穴」ではく「鍵」を意味するKEYMANと名付けられているのか。その理由も明らかにされるわけだが、それが分かったからと言って、この後どうなるのかも全くみえてこない。作品自体は面白いので続けて読み続ける予定ではある。 |
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16'02'26 | 少女不十分
著者の作品には軽快に読み飛ばせる作品と読むのにえらく苦労する作品があるけど、本作は後者。非常に読みにくい。しかし一方、実は著者の作品の中で最も面白い作品だったかも。少なくとも、小説家としての著者につながっている、フィクション風味たっぷりの私小説のようなものとして読めるから。 この作品の中で、小説家と小説家予備軍の差というのが書かれている。それは明確に言葉に出せない「何か」であり、この事件を通してその「何か」を得るということ。実はこの部分、私にとってはとても共感できる部分。私もまさにその「何か」を経て今があるのだから。 やっぱり自分自身の体験とどっか重なる作品ってのは心に残る。 |
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16'02'23 | テラフォーマーズ10
完全に地球人類同士の戦いになってしまっているのだが、根本的に、なんでわざわざこれを稼いでやる必要があるのか?という疑問がついて回る。 あと、多彩な動物の遺伝子は良いけど、もはや現実的とは思えないような能力が出てくるようになってきたのは、泥縄なのかそれとも最初から計算されたことなのか分からない。 |
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16'02'19 | 2/2
シンガソングライターとして有名な著者だが、実は結構エッセイや小説なんかも書いている。本作はそんな著者の書き下ろし小説となる(著者の「夜会」で使用された物語らしい)。ただ、作品としてどうか?と聞かれると、残念ながら、陳腐としか。無理のある設定に強引に物語を被せた結果、行き当たりばったりの物語になってしまったのが残念。舞台にして歌を加えたら面白くなるのかな? |
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16'02'14 | 仮面ライダークウガ2
丁寧に「仮面ライダークウガ」初期部分をなぞっており、ようやく白いグローイングフォームから赤のマイティフォームへの変態が可能になった。 漫画ならではの描写もきっちりしており、怪人は人間の姿を模していながら、動物のフォルムの方が勝ったデザインだし(着ぐるみだとしても人は中には入れない)、時折パースが狂う人間の表情も良い。榎田女史の顔がモロにマッドサイエンティストになっていて狂気じみた表情作るのが素晴らしい。特撮を良く分かっていらっしゃる。 本編と異なる部分として、「アギト」という名前が出てきたこともトピックかな。どうやらこれから二つの作品をクロスして描写することになりそうだ。 |
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16'02'10 | 坂の上の雲5 (著)司馬遼太郎 <amazon>
結構長引いた旅順攻略もようやく終わり。児玉が来た途端に攻略が終わったという具合の描き方で、いかに乃木が無能であったのかと言う事がやたら強調されてる話になっている。よほど著者は乃木という人物が嫌いなんだろうと思わされる部分でもある。 ところで一応主人降格である秋山兄弟はほとんど今回出る幕がなかったが、中心に据える意味があったんだろうか? |
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16'02'07 | 月刊少女野崎くん1
前にアニメを何気なく観たら、無茶苦茶好みのコメディだったので、原作読んでみようと思って購入してみたのだが、予想以上の面白さだった。四コマなので、その辺に置いておいて、ちょっとぱらぱらめくって読むというのに適しており、実に面白い。 こういうナンセンスコメディは好きは好きだが、合う合わないの微妙なところではまると実に楽しい。 |
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16'02'05 | 野火 (著)大岡昇平 <amazon> 太平洋戦争末期。フィリピンの小島に派兵され、米軍の攻勢に押されている日本軍の中に、肺を病んで戦う事が困難となった兵士田村は野戦病院からも追い出され、行く当てを失ってしまう。空腹を抱え、死ぬ事も出来ない田村がそこで見たものとは… 塚本晋也監督による映画があまりに衝撃的だったもので、これは是非原作を読まねば。という思いで購入。 映画は物語そのものは完全にトレースしているのだが、原作である本作は、外面的に何が今起こっているのかを肉体で体験しながら、精神は別の思考を持ち、その二つが合わさったところに現実を見るという複雑な構造を持っている。残酷すぎるエンターテインメントと読み解くことが出来る一方、、哲学や宗教の領域にまで踏み込んだ極めて質の高い読み物になっている。 “戦後文学の最高峰”と呼ばれる事もある本作だが、まさしく、これだけの誌面で、これだけのものを詰め込んでるって事だけでも本当に素晴らしいものと思える。 |
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16'02'01 | トクサツガガガ1
いやはや。久々にこれはキタ。1ページ読む毎に頭を抱えたり天を仰いだり。分かりすぎるくらいに分かる特オタの生態が極めて痛々しく、しかも無茶苦茶身に迫ってくる。 ちなみに私はグッズ集めは一切興味ないので、ガチャの苦労とか、グッズ愛溢れる描写は完全に新鮮な思いではある。 |
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16'01'29 | 坂の上の雲4 (著)司馬遼太郎 <amazon>
著者の乃木嫌いが「これでもか!」とばかりに書き綴られる。一般的に名称と言われる乃木希典ではあるが、旅順戦では手持ちの軍隊は大打撃を受け、彼我損害だけ見れば大敗北となっているのも事実。それをどう見るかというところだが。 |
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16'01'26 | 修羅の門 第弐門16
15巻でやっと本来の物語に戻ったこともあり、一気に物語はまとまった感じ。これまで負けたがっている陸奥は本当に負けるのか?というところに焦点があったのが、これでやっと普通に強いキャラになったために安定した感じ。ただ、そうなると陸奥が強くなりすぎてしまうと言う問題もあり。 |
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16'01'23 | 鰐の聖域
1992年に亡くなった著者の絶筆で、未完の作品。 著者の作品読むのは何年ぶりだろう。この人の作品は剥き出しの暴力性と差別を受ける側の痛みが特徴だが、この作品には最初それが見えてこなかった。でも暗喩でそれも書かれているようで、どうやらこれ、被差別地域の人間関係らしいことが言葉の端々から分かってくる。違ったかな? |
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16'01'19 | テラフォーマーズ9
テ完全に人間対人間の図式が定まってきた。ただ、人間と動物の融合は良いけど、だんだんあり得ない組み合わせが混じってきたような気もしてきた。ここまでくればもう何でもありで、異種格闘技とかのレベルでもないようだが?まあ、そのぶっ飛び方が面白いっちゃそれまでの話だが。これまでなりを潜めてきたテラフォーマーが現れてきたことが一つの特徴となるか。 |
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16'01'16 | 坂の上の雲3 (著)司馬遼太郎 <amazon>
日露戦争については著者が大きな思い入れがあるようで、かなり細かい描写がなされているが、著者が語りたいのは、これは日本人が好きな、多勢に対して少数の兵士で勝利を得ることとは一線を画していると言う事。戦争とは数の問題であるという立場に立ちつつ、それでも日露戦争に日本が勝てたのは何故か?という点を中心にしようとしてるかのようだ。 |
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16'01'10 | 新仮面ライダーSpirits12
話は単純な“正義対悪の軍団”から離れ、敵側がバダンとデルザー軍団に分裂して、内部で争いながら満身創痍の仮面ライダー軍団に対するという構図になってきた。しかもその二極構図にあっても、暗闇大使やニードルが更に分裂要素として存在してる。非常にややこしい状態にある。 これまで大きく広げていた風呂敷をようやく畳み始めた感じではあるが、広げすぎてるため、かなり取りこぼしも多い感じ。 ただこの巻で、「仮面ライダーストロンガー」に登場する予定だったデルザー軍団の一員ジェットコンドルが登場してるのが、特オタ心を擽るものもあり。 |
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16'01'06 | ローズマリーの赤ちゃん (著)アイラ・レヴィン <amazon> 憧れていたブラムフォードのマンションに空き部屋が出来たことで、引っ越しを決めたウッドハウス夫妻。近隣の人々もちょっと変わってはいるが優しい人ばかりで、更に役者の夫のガイルにも次々に良い役がつくようになった。良いことずくめの中、ついに妻のローズマリーにも念願の妊娠が訪れる。だが… 映画ローズマリーの赤ちゃん(1968)原作。ゴシックホラーからモダンホラーの過渡期にある時期に描かれたものなので、物語のバランスはとても良く、大きな事件が起こることなく、それでも緊張感をきちんと演出する力量があり。映画も良かったが、それも原作あってのことだな。 |
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