読書日誌
2016’4〜6月

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16'06'29 思い出のマーニー 下 (著)ジョーン・ロビンソン <amazon>
 アンナが最後にマーニーに会ったのは風車小屋だった。そこで突然現れた青年の手を取ってアンナの前から姿を消してしまう。それからマーニーの記憶はあっという間にアンナの中から消えていく。そんな時、マーニーの住んでいたはずの入江の家に新しい家族が引っ越してくる。すっかりその家族と仲良くなったアンナだが、その末娘プリシラは何故かアンナのことをマーニーと呼ぶ…
 前半のイマジナリーフレンド、マーニーがあっという間に消えてしまい、そこからどんな物語展開になるのかと思ったら、ちゃんと少女の成長物語に落とし込まれていた。マーニーの存在を含め、色々曖昧な部分があるものの、その曖昧さが成長物語の味になっている。
 一応本作は童話ってことになってるけど、この物語理解するためにはそれなりの年齢になってないといかんというのも、不思議な感じではある。
16'06'23 夏目友人帳6
緑川ゆき (検索) <amazon> <楽天>
 通りかかった廃屋から悲鳴が上がるのを聞いた夏目がそこに入ったところ、石棺のようなものに一人のこどもが閉じ込められているのを発見した。慌てて助け出したのだが、その子は何故か自分をここに閉じ込めたのは夏目だと決めつけ、事ある毎に嫌がらせをするようになっていく。だが丁度その時に妖怪祓い人名取がやってきていて…

 基本短編で構築されるこの作品では、これまでで最長の物語となった。ただ、長ければいいかというと、そうでもなく、これまでの中で最も読み応えがない話になってしまい、評価的には今ひとつ。むしろ付録的に付けられた、前に登場したキツネのこどもの話の方が好みだな。
 ただ、ここでは少しだけこれまでの人間関係に変化が見られてもいる。祓い人名取とは、ちょっと距離感を置いていた夏目が、名取の危機を身を挺して守ろうとするとか、少しずつ人間関係にも進展があるようだ。
16'06'21 天地明察 下
冲方丁(検索) <amazon> <楽天>
 会津藩主保科正之から新しい暦を作るよう命じられた安井算哲はは、現在使われている宣明暦を廃し、中国で用いられている授時暦を用いるように働きかけ、ついに幕府と朝廷の双方を動かす。ところがその授時暦自体に間違いが見つかってしまう。これまでの働きの全てが無駄になってしまった算哲だが…
 日本独自の和暦、貞享暦作成に至るまでが描かれる事になるが、単純に暦についての蘊蓄だけで無く、政治的駆け引きや恋物語、仲間との交流などバランスの取れた描き方でなるほど面白い。
16'06'18 ワンパンマン2
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 突如襲ってきた「進化の家」の刺客達。難なくそれを撃退した後でサイタマとジニスはその本拠地へと向かった。そこで待ち受けるのは、狂った博士達のクローン軍団と最終兵器の阿修羅カブトだった。

 一巻の時点よりも更にサイタマの強さは際立っており、本当にどんな敵もワンパンチで屠ってしまう。それで物語になるのか?と言うと、現時点ではサイタマ自身ではなく周囲の人間の混乱とか、サイタマを巡っての攻防とかで物語は成立させている。ことごとくヒーローものの定式を無視した作りは大変興味深い。一応アニメの方を観ていたので、これからどう展開するのかは分かってるけど、よくこんなアイディア持ってるもんだと感心はする。
16'06'16 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ
武田綾乃(検索) <amazon> <楽天>
 北宇治高校に入学した黄前久美子は、クラスメイトの誘いで吹奏楽部に入部することになった。実は中学時代も吹奏楽でユーフォニアムを吹いていたのだが、嫌な思い出があったことから、躊躇しつつ、それでもそれなりに合わせようとしていた。そんな彼女の前に、中学時代の同級生で、同じ吹奏楽部でトランペットを吹いていた高坂麗奈も又入部してくる。

 先日映画を観て、しばらく積ん読状態になっていた本作を読んでみた。実際に小説として見る限りは、かなり荒削りで、決してすいすい読めるタイプの作品ではない。伏線も巧く活かせてないし、盛り上げ方もこなれてない感じがある。
 でも実はそれが本作の最大の味。登場するキャラがとにかくリアルな高校生って感じで、心の中にあるわだかまりを抱えつつ、何かに打ち込むことで不安を紛らわそうとする、悩みつつも進み続ける高校生の実態ってものが見え隠れしている。そのリアリティあることで本作はなかなかに面白い。
16'06'14 げんしけん19 二代目の十 (著)木尾士目 <amazon>
 卒業旅行の夜は更け、酔った斑目をホテルまで送る波戸は、ついにその思いを斑目にぶつける。そして翌日。日光東照宮に向かった一行は、くじびきでカップリングを決めて行動することになるのだが…
 なんとなく薄目で眺めつつ、そっとしておきたい恋愛模様だが、なんだか卒業旅行を機に妙な意味で進展はじめたようだ。最早オタクサークルとは言えない状況でもある。
 好みとして夾雑物無しの恋愛ものは苦手なタイプ。そっち方面に触れているのもちょっと苦手意識が先行してくる。
16'06'11 思い出のマーニー 上 (著)ジョーン・ロビンソン <amazon>
 自分の殻に閉じこもりがちな孤児のアンナは、夏休みの間に義母から離れて田舎に行くことになった。入江のある田舎町の人たちは善良ではあるが、ここでも疎外感を感じてしまうアンナ。そんな彼女が入江で佇んでいると、いつも彼女を見ていたと言う同世代の少女マーニーと知り合うのだが…
 映画原作。ちょっと不気味で、それでいてなんか懐かしい感じのする不思議な雰囲気の作品。イマジナリーフレンドを扱った作品と言うことになるだろうが、それが虚々実々に展開し、ちょっと変わった雰囲気が楽しい。日本人ではこの雰囲気出せないよな。
16'06'07 月刊少女野崎くん3
椿いづみ(検索) <amazon> <楽天>
 あくまで先生とアシスタントの関係として、まるで関係が進展しない千代と野崎。そんな二人の周囲では様々なずれたカップルがドタバタを繰り返していく。
 3巻になってもまだまだ面白い。
 本作の登場人物には大体対になるキャラがいるが、“声楽部のローレライ”結月に若松という後輩を合わせることで、非常にはまった設定になっている。又演劇部を舞台にして、キャラを色々絡ませてると、これも色々幅が出て良い感じ。
16'06'03 モナドの領域 (著)筒井康隆 <amazon>
 ある地方都市の公園で女性の右腕が発見された。その時からこの地には少しずつ奇妙な出来事が起こり始める。やがてGODを名乗る人物が現れ、軌跡の力を見せ始める。そんな彼を慕い、次々に人が集まり、ついには裁判沙汰にまでなってしまうのだが…
 著者の集大成という帯に惹かれて読んでみたが、なるほどこれは本当に集大成である。SF作家として知られる著者だが、デビュー当時からナンセンスなメタギャグや哲学領域、心理学にまで踏み込んで、ジャンル分け不可能な作品を次々書き込み、しかも年代によってその作風もコロコロ変わる。実は本作は、70年代から現在までの著者の書いてきた作風全てを包括する。著者の作品を読み込んでいくほどに、本作のまとまりには脅威を覚えるはず。
 本作は哲学領域の作品として読むことも出来るし、実際それで充分成立はしている。ただし、完璧な理論武装を展開しておいて、「そんなのどーだっていいじゃん」でまとめているところが実に著者らしい。その意味でも確かに「集大成」である。
16'05'27 テラフォーマーズ12
貴家悠 (検索) <amazon> <楽天>
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 アネックスに突入した合同班は、ついに第4班の裏切りを地球に送信することが出来た。だが中国はまだミシェルと燈の確保をあきらめておらず、実は火星上空に待機しておいた宇宙船を投入してきた。そんな中、燈とミシェルは雲霞の如く押し寄せるテラフォーマー達と戦い続けていく。
 地球を救うためにテラフォーマーを捕獲するという任務のために来たはずなんだが、なんでだか他の宇宙船があったり、どんどんパワーアップしていくテラフォーマーを尻目に国家間の戦いを延々と続けていくばかり。盛り上がっているが、一体何で盛り上がっているのかわかりにくいという根本的な問題あり。
16'05'22 天地明察 上
冲方丁(検索) <amazon> <楽天>
 公儀指南碁の打ち手安井算哲は、碁打ちとして生きる自分に常日頃から違和感を感じていた。好きな算術をしている時にだけ生き甲斐を感じる算哲だが、そんな算哲に安井家の後援者でもある会津藩主保科正之からお呼びがかかり、何故か天文観測の全国行脚に行かされることに。何故この旅をしなければならないのか、疑問だらけの算哲だが、天文学にすっかりのめり込んでしまう。そのため楽しい旅だったが、それは彼を待ち受ける試練の前兆だった。
 和暦を作り出した安井算哲=渋川春海を主人公に描く物語。実は全然知らない人だったが、いろんな知っている人とこんな絡みがあったのか!と言うのがまずは楽しい。
 SF作家としては大変好きな著者が歴史物?とも思っていたが、意外にきちんと描けるものだ。少なくとも文体はとてもこなれていて、すいすい読めるし、ちゃんと深いところまで語られる部分も好感度は高い。
16'05'19 ワンパンマン1
ONE (検索) <amazon> <楽天>
村田雄介 (検索) <amazon> <楽天>
 数多くの災害や侵略者達が大挙して押し寄せる世界。そんな中、趣味で正義の味方をしている男サイタマ。ただし、あまりの強さのため、あらゆる悪者はパンチ一撃で轟沈してしまい、そのため充実感が全く得られないままくすぶりつづけている。そんな彼の強さに目を付けた者達がいるが…

 前にテレビアニメで観ていて、是非読んでおこうと思っていたが、やっと読み始めた。ヒーローものの作品としては多分極北に位置する作品で、あまりに主人公が強すぎて、ヒーローものにあって然りの高揚感やら、徐々に強くなると言う過程やら全部ぶっ飛ばしてしまった。結果として、読んでいて一切のカタルシスが無くて虚しさだけが残るのだが、それが実に新鮮。その視点はとても面白い。
 ただ、そういった高揚感を求めている身としては、妙に脱力するというかなんというか…とりあえず読み進めていこう。
16'05'15 長崎ぶらぶら節 (著)なかにし礼 <amazon>
 長崎の遊郭で芸者として奉公し、齢五十になろうとしている愛八は、ある日一人の男に一目惚れしてしまう。古賀十二郎というその男は、「長崎学」に没頭する好事家だった。そんな古賀から、長崎に古くからある歌の収集を手伝ってくれるように言われるのだが…
 「長崎学」なるジャンルを開拓した実在の著名人を主軸に、彼を支えた一人の女性を主人公とした作品。女性の生き方を通して時代の移り変わりを描いたものになっている。しみじみした好作。
 尚、本作は映画にもなっている。これも結構良い作品だった。
16'05'12 トクサツガガガ2
丹羽庭 (検索) <amazon> <楽天>
 隠れ特オタオフィスレディ仲村さんは、今日も今日とてこっそり特撮にはまり込んでいた。そんな彼女でも、少しずつ特撮について語り合える、友人とも言える人たちが出来てきた。そんなみんなと共に、更にディープに、更にオタク道を邁進していく。
 1巻に登場した人たちとのその後のエピソードと、更に新たな人たちの登場によって、更にディープな方向性へと向かって行く。
 概ね特オタあるあるの話が続くのだが、家族の話やら一般人を特オタに引きずり込もうとか、少々方向性の違うディープさもあり。実に楽しい。
 巻末にも書いてあったが、この世界は、ネットがあると成立しないという根本的な問題がある。それを割り切ってすっぱりと無視したところに本作の面白さがある。
16'05'08 図書館大戦争 (著)ミハイル・エリザーロフ <amazon>
 ロシアで客死したウクライナ人の叔父の遺産を処分するためにその町に向かった“私”アレクセイは、そこで叔父が秘密のグループに属していたことを知らされる。かつてのソ連時代、社会主義作家のグロモフが書いた7冊の“本”。それはそれぞれが読む人の精神に作用し、超人的な“力”を与えることができた。そんな“本”の独占を狙い、血の抗争が裏社会で起こっていたのだ。その一冊「記憶の書」を守るために死んだ叔父の代わりとして、グループのリーダーに推されるアレクセイだが…
 不思議な雰囲気を持つ作品で、物語の大半はあまり意味を持たず、目的も終着点も見えないまま。暴力的な抗争に巻き込まれ、ただ流されていく青年の姿が描かれていくだけ。
 設定はとても良く、特に冒頭部分の“本”を巡る過去話は大変面白いのだが、肝心の物語がこれで、しかもラストが非情に虚しいだけなので、ちょっときつい。
16'05'06 テラフォーマーズ11
貴家悠 (検索) <amazon> <楽天>
橘賢一 (検索) <amazon> <楽天>
 アネックスを確保している第4班の裏切りを地球に伝えるため、第1班、第2班、第3班の面々はそれぞれの能力を活かしてアネックスへと潜り込もうとしていた。だがそのアネックスの中では、そこにいるだけであらゆる生物を死滅させてしまうと言う最も危険な第4班メンバーがいた。
 今巻も第4班とその他の班の戦いが展開中だが、主人公であるはずの膝丸燈が全く何もできず、他のメンバーがとにかくがんばっているという感じ。
 あと、モザイクオーガン手術は生物由来だったら何でもありとはいえ、フジツボの能力でコピー体を作れるとか、ありえない組み合わせが出てくるようになって、流石にこれはちょっと…って感じになってきた。盛り上げ方は面白いんだけど。
16'05'03 天地無用!GXP12
梶島正樹 (検索) <amazon> <楽天>
 ダ・ルマーギルドの擁する幸運艦“運呼”は西南の守蛇化と接触することも無く、ギャラクシーポリスの監視する船を強奪し続けていく。幸運艦に対抗できるのは守蛇化だけだと判断した瀬戸により、霧恋は樹雷の第二世代を与えられた。その樹“瑞輝”と守蛇化との合体が行われる事になった。
 アニメ版の21話と22話のノベライズで「ダ・ルマー編」の決着。メインストーリーは至極あっさりしたもので、枝葉の方が多くなっているのが本作らしさでもあり。もう終盤のはずだが、新しい伏線が次々と出てくる。どうやらアニメ版の最終回のその後がまだ控えているらしい。
16'04'28 Gのサムライ (著)田中圭一 <amazon>
 孤島に島流しにされた侍、品場諸朝と、貴族の腹上院魔手麻呂の二人。この孤島でなんとか女性とまぐわいたいと願う童貞の二人は、ありとあらゆる快楽を求めていくのだが…
 著者によるWebコミックの単行本化。帯に「このマンガがゲスい!」3年連続第1位とか書かれているが、本当にゲスというか、下品極まりない話になってる。それが実にすがすがしいというか、突き抜けた笑いがここにある。下品すぎるので万人にお勧めできないが、こう言うシモネタが平気な人には是非読んで欲しいマンガだ。
 著者の漫画を最初に読んだのは今から四半世紀も前になる。「ドクター秩父山」から随分とタッチは変化したが、突き抜けた笑いは今も尚健在。
 尚、著者本人がイタコ漫画家と言っているが、その通り本作のメインタッチは小島剛夕の模倣。そこに更に手塚タッチやら本宮ひろしタッチやらが入り乱れ、最早何が何だか。特に書き下ろし部分のタッチの混乱っぷりは凄まじい。そう言う意味においてもやっぱり下品な作品である。
16'04'24 たのしいムーミン一家 ムーミン童話全集2
トーベ・ヤンソン(検索) <amazon> <楽天>
 ムーミン谷に春が来た。冬眠から醒めたムーミントロールとスナフキンは早速春野探検に出かけるのだが、そこで二人は不思議な帽子を見つける。この帽子に何かを入れると、全く別なものになって出てくるのだ。実はこれはルビーの王様を探して飛び続けている飛行おにの持ち物だったのだが、これが家にある事でムーミン一家は大騒ぎに。
 私の実家にあった唯一のムーミンシリーズの本だった。こどもの頃に何度か読んだ記憶があるのだが、今読んでみると結構細かい記憶は失われていて、その分新鮮な気持ちで読むことは出来た。
 基本的にこの作品には悪人はいないが、かといって善人というほどのキャラもいない(強いて言えばムーミンママくらいか?)。みんな自分勝手に行動し、フォローもあんまりされないので、読んでいてちょっと苛つくところがあり、多分それで記憶から消えていたんだろうと思う。
 今読んでみると、その身勝手さがこどもっぽくて良いって印象に変わっている。同じ本でも年齢が変わってから読むと、随分変わって感じるものだ。
16'04'22 月刊少女野崎くん2
椿いづみ(検索) <amazon> <楽天>
 高校生少女漫画家の野崎に憧れながら、見事に恋心は空回りばかり。だがなんとなく一緒にいることが当たり前になってる佐倉千代。そんな二人の周りには、キャラ立ちする面々ばかり。そんな濃い面々と共に味わう高校生活を描く。
 1巻と較べ、キャラに奥行きを持たせているところが特徴で、新キャラは野崎の後輩の男子一人だけ。これによってちょっと浮き気味だった瀬尾のキャラがぐっと立つようになった。
 ただ、冷静な分析より、流れるように読みながらクスクスと笑えるところが何より。繰り返し読んでもやっぱり笑える漫画って、これまでにあまりなかったので、実に楽しい。
16'04'21 紅の凶星 グインサーガ135 (著)五代ゆう <amazon>
 ミロクの聖地ヤガで神殿の奥に入り込んだブランはついに教祖とまみえることとなった。一方スーティを守るスカールは大鴉のザザと狼王ウーラに伴われ夢の都市フェラーラを目指す。更にその時、破壊し尽くされたパロス脱出したイシュトヴァーン一行は、更なる困難に直面していた。
 正直な話。「なんで俺、まだこれ読んでるんだろう?」と思う。
 シリーズを支えるもう一人の方はまだスムーズに読めるが、こちらは読んでいて本を投げ捨てたくなる。オリジナルからいかに脱するかを考え抜いているんだろうが、それが原作に縛られてしまって、読んでいて痛々しさしか感じない。
 そろそろ真面目に切り時なのかも?
 そう思いつつも読み進めてる自分がいるのも確かだが。
16'04'16 激マン! マジンガーZ編3 (著)永井豪 <amazon>
 テレビアニメ「マジンガーZ」は企画を進めていたのだが、スポンサーがつかず、難航していた。一方、少年マガジンで「デビルマン」を連載しつつ、少年ジャンプで「マジンガーZ」の連載を始める準備も始めていた激。その構想は着々と進んでいく。
 ページの半分で「マジンガーZ」のリブート版を描きつつ、テレビと連載の苦労話を語る作りはこれまで通り。ただ、まだ連載が始まっていないのに、作品自体は既にかなりのところまで進んでしまっているので、ちょっと現実とのすりあわせが乖離してきた感じもあり。
 バンダイ子会社のポピーがスポンサーとなったということだが、初めてのロボットアニメ(正確にはちょっと前に「アストロガンガー」が、更に前に「鉄腕アトム」もあったが)、これがどれだけおもちゃの売り上げにつながるかどうか全く分からないため、「絶対におもちゃは作りません」と断言している辺りが、今からするとなんだか微笑ましい。
16'04'13 土漠の花
月村了衛(検索) <amazon> <楽天>
 ソマリアのPKO活動の一環で、墜落したヘリコプターの回収作業に当たっていた自衛隊の一部隊。ところがそこに部族間抗争によって命を狙われてたビヨマール・カダン族の王族女性アスキラが助けを求めてくる。そこから抗争に巻き込まれてしまう羽目に陥る。上官の死により、部隊を率いざるを得なくなった友永だが…
 否応なく戦争に巻き込まれてしまった“今の”自衛隊が、どう生き残っていくか。この微妙な設定が巧く機能していて、実際“今”だったら自衛隊に何が出来るのか?と言う事を含めて考えさせられる設定になっている。文体そのものもとても読みやすく、ぐいぐいと読ませるようになってる。
 著者の作品はこれが初めてとなるが、著者は元々アニメの脚本家だったそうで(TV版「天地無用!」や「少女革命ウテナ」、「ノワール」など)、それがアクションパートの演出力や読みやすさにつながっているのかもしれない。
16'04'10 強殖装甲ガイバー32 (著)高屋良樹 <amazon>
 ギュオーを追うガイバーIとアポルオンだが、ギュオーには逃げられ、瀬川兄妹の行方も知る事は出来なかった。一方、十二神将の造反部隊であるクルメグニクとジャーピルが立て籠もるアジトを急襲する巻島顎率いるゼウスの盾だが…
 今巻は晶とアポルオンの対話、瀬川兄妹の今の生活風景、ガイバーIIIのED化と、色々詰め込んではいるのだが、全部さわりだけで終わって、まだ風呂敷を広げてる最中って感じ。
 連載開始からもう30年と言う事で、MAX渡辺との対談が載っている。この人が造形した最初のガイバーIとIIIのフィギュアを買ったのも古い思い出だ。もう四半世紀以上も前の話だが。
16'04'09 水際の号火 アクセル・ワールド13
川原礫(検索) <amazon> <楽天>
 梅郷中学の文化祭が始まった。純粋な善意でニコ、パド、リンの三人に招待状を送ったハルユキは、敵対レギオンがネガ・ネビュラス本拠地にやってくるという事態を招いてしまう。黒雪姫の冷たい視線に晒されながら、それでも楽しく過ごしていたが、そんな中、アッシュ・ローラー=リンが突然不調を訴えて倒れてしまう。
 リアル世界ではほのぼのハーレムもの。ブレインバースト世界では切迫したISSとの対峙といういつもの構図となった。新キャラも又登場し、ますます賑やかになりつつ、切実度も上がるという盛り上がりで、大変楽しめる。
16'04'06 修羅の門 第弐門18 (著)川原正敏 <amazon>
 どうしても陸奥九十九が戦わねばならない相手。それはかつて奥義を駆使して勝利をもぎ取った武神館の天才海堂晃との決戦だった。空手の神髄を得、最強の空手家となった海堂との最後のぶつかり合いの結果は…
 第弐門も最終巻。17巻と18巻に限っては、昔の「修羅の門」っぽさが強く、懐かしいながら、とても燃える展開となっていた。逆にこれで終わるのか?と妙な寂しさが出てきた。ここからが本当の始まりって気がするので、出来れば第参門を期待したい。
16'04'03 謎解きはディナーのあとで (著)東川篤哉 <amazon>
 世界的企業宝生グループの令嬢宝生麗子は身分を隠し国立署の刑事をしていた。上司の風祭警部の自慢話に辟易しながらも、二人で数々の難事件に遭遇していた。そんな麗子の個人秘書の影山は、どんな難事件もたちどころに解いてしまい、そんな影山を頼らざるを得ない麗子だが…
 「殺人現場では靴をお脱ぎください」「殺しのワインはいかがでしょう」「綺麗なバラには殺意がございます」「花嫁は密室の中でございます」「二股にはお気をつけください」「死者からの伝言をどうぞ」の6編を収録する。
 新しい形のいわゆるアームチェアディテクティブものとジャンル分けされるだろう作品。もの凄く読みやすいのと、キャラ立ちがしっかりしているため、すいすい読める。
 …すいすい読める。