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王様戦隊キングオージャー

王様戦隊キングオージャー事典
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書籍

 

主な登場人物
ギラ
クワガタオージャー
(役)酒井大成。
 クワガオージャーに変身する青年。元はシュゴッダムの孤児院出身だが、王族以外装着できない王鎧武装が出来た。本人も知らなかったが、実は王家の出で、本名はギラ・ハスティー。何者かによって幼少時に誘拐されていた。
ヤンマ
トンボオージャー
(役)渡辺碧斗。
 ヤンマ・ガスト。ンコソパ国の王でトンボオージャーに変身する。底辺から自らの知力と技術力で王にのし上がったこともあって、性格はまさに不良の頭で、自分の身内のためなら命を張る。お人好しのギラとは最も馬が合う。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 我は王なり

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 ここは人類と守護者の昆虫が共存する平和な世界チキュー。だが予言によると、この年地下に封じられた邪悪な帝国バグナラクが復活することになっていた。それに対抗するため、地上の五大王国は同盟を結んで対抗しようとしていたが、まさに調印の日にバグナラクの侵攻が始まった。それぞれの王国の王は伝説の鎧を纏い戦いを始めるが、最大国のシュゴッダムの王だけは動こうとしなかった。

 敵はダンジーム。ダンゴムシ型の怪ジーム。頑強な肉体から無数のダンゴムシ型爆弾を放ち、シュゴッダムを攻略しようとする。
 新しい戦隊のコンセプトは全員王様で、昆虫の鎧を纏って戦う。これまでの戦隊で昆虫モティーフは追加戦士だけだったが、今回はメインとなる。それに王というコンセプトも初めてのこと。また現実世界ではなく、ちょっとファンタジックな世界が舞台なのも特徴的。
 主人公ははっきりしていて、五人のキングオージャーの中で、一人だけ平民のギラ。しかし平民でありながら王の証である最強のゴッドクワガタの守護を受けている。
 現時点では他の四人もあくの強いキャラばかりで、仲間意識は全くない。本来ゴッドクワガタとなるべきシュゴッタムの王は、バグナラクよりもこの地上の侵略の方に執心で、その王の代わりに平民のギラが戦うという話になった。しかし王の怒りを買ってしまったため、彼自身は反逆者として追われる身になってしまう。なかなか複雑な展開だ。
 演出にはかなり力入っていて、架空世界が舞台だからCG演出が多いが、とにかく派手だし、戦いも派手。キングオージャーの合体も特撮じゃなくてアニメ的。
 敵首領が登場したら第一声が「人間どもは皆殺しだ」だった。いやいやいや、素晴らしい一言だった。
<この世界は架空世界で、舞台となる惑星の名前はチキューだそうだ。昔チーキュという名前の惑星が舞台だった戦隊もあったな。チキュウという戦隊もあった。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 誰がための王

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 シュゴッダムで指名手配犯とされてしまったギラだが、そんなギラに興味を持ったンコソパ国王ヤンマはギラの前に現れ、その身柄を勝手にンコソパに連れてきてしまう。シュゴッダムとは全く異なるテクノロジーの王国に驚くギラだが、そんなンコソパもバグナラクによる侵攻を受けていた。

 敵はボダルジーム。ホタルのBNAを備えた怪ジーム。空を飛び、腕から光線を放つ。
 舞台となるこのチキュウでは国は五つあり、それぞれに王がいるという設定。それぞれ王様だけが王鎧武装ができるのだが、何故か前回シュゴッダムで王鎧武装出来てしまったギラ。それで指名手配犯になって、自分自身は王の前に行って決着を付けるつもりでいたのだが、その前にンコソパ国王のヤンマにさらわれてしまうという話。
 そこで今回はンコソパ国が舞台になるが、ここはテクノロジーが極端に進んだ国であるが、同時にPCのゲームこそが一番の価値観となっていた。ヤンマは貧民街から天才的な頭脳とゲームの才能だけで王にのし上がったという。そして自身が王になっても対決に価値を置きつづけ、国民の訴えも全てゲームで決着を付けている。その分国民全員柄は悪いが一旦信用するとすぐに打ち解ける。全員員子どものような価値観を持っていて、心地の良い国になっていた。1話目でかなりぶっ飛んだ性格に描かれたギラが圧倒されてしまってる。
 巨大戦では、今回はヤンマがキングオージャーを操縦していた。背中にトンボの羽が生えて空を飛んでいる。
 前回、今回とバグナラクの王デズナラク8世が現れるが、言葉がみんな無視されてしまう。少し可哀想になって来た。
 無事今回も敵を倒すことは出来たが、今度は巨大なカマキリにギラとヤンマが連れ去られてしまった。まずは全員分の国を回ることになるらしい。
<「敵に背中を見せるとは甘い」と行った次の瞬間ヤンマに背を向けるギラ。言ってることとやってることが違う。
 ギラとヤンマの意地の張り合いでは顔がとても近い。コロナ禍でこれだけ近づくのは観てるだけでも心臓に悪い。昔懐かしい「メンチを切る」ってやつだな。口をちょっと伸ばせばキスできそう。
 ンコソパって言いにくい国だと思ったし、これって…と思ったらギラがモロに言っていた。子どもは喜ぶだろうが。>
第3話 我がままを捧ぐ

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 ボダルジームを撃破したギラとヤンマだが、そこに現れたゴッドカマキリによって二人は医療と美の国イシャバーナに連れてこられてしまう。国王ヒメノはゴッドクワガタを差し出すようにギラに命じ、ギラを捕らえてしまうなどやりたい放題。そんなヒメノがこの国で好かれている理由があると考えるギラだが…

 敵はフンジーム。フンコロガシのBNAを備えた怪ジーム。固い甲羅で敵の攻撃をはじく。
 テンポ良く話は進み、三話目で三つ目の国となるイシャバーナの国にやってきた。ここは医療と美の国で、福祉が充実しているために国民の満足度が高いという国。
 そんなイシャバーナの王はカマキリオージャーであるヒメノ。勝手なことばかりを言う女王で、周囲に高圧的に振る舞い、更に自分の勝手で、「美しくない」という理由だけで国民の家を勝手に壊したりもする。
 そんなヒメノの我が儘に振り回されるだけの話だった のだが、彼女の勝手さは自分のものである国民全員を守るという強い意志から来ていて、国民を救うために強制的に国民を動かしている。
 その心意気を感じたギラは彼女を三人目の仲間と認めるのだが、ヒメノ自身はその気は無いらしい。
 そして今回もラストで巨大なカブトムシが襲ってきた。ただしこれまでのようにキングオージャーをさらうのではなく、突然攻撃してきた。
<自身の我が儘で国民を救うというヒメノの姿は意味理想的な独裁者となる。しかし、指導者によって左右される政治は最も恐ろしい国でもある。物語だからそのまま受け止めれば良いのかもしれないが、だがこれはちょっと問題があるぞ。
 カマキリオージャーの必殺技は踵落としなのだが、ローアングルでたっぷりと演出している…いいのかな?>
第4話 殿のオモテなし

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 突如襲ってきたゴッドカブトと交戦するギラたち。だが出遅れてしまったため、ゴッドカブトの一撃を受けて全員トウフの国に飛ばされてしまう。農業の国トウフで歓待を受けるギラたち。

 敵はタニジーム。タニシのBNAを備えた怪ジーム。胸に高出力のレーザー砲を内包している。
 四つ目の国となる農業国トウフ国にやってきた。ここの王カブラギはハチオージャーになり、ゴッドハチを操る。性格は一見豪快に見えつつ、色々画策をしている人物で、捉えどころがない。特にギラに対して何かを考えているらしくギラを翻弄し続ける。実は彼がゴッドカブトを操っていたことも分かった。
 シュゴッドには格があって、ゴッドクワガタとゴッドカブトは三大守護神と呼ばれる特別なものだとのこと。基本的に自分の意思で動くものだが、ゴッドカブトとゴッドクワガタはヤンマによってコントロール装置を埋め込まれ、王族によってコントロールされる。1話を観れば分かるとおり、ゴッドクワガタはシュゴッダムの王ラクレスの言うことを聞かずギラを乗せた。ゴッドカブトはハチオージャーによってコントロールされていたが、ゴッドクワガタとの戦いで正気を取り戻したようだ。
 最後にもう一人の王リタ・カニスカが現れ、ギラを捕らえてしまう。全部同じパターンだ。
<泥だらけの野菜をそのまま食べるギラ。料理人の基本とも言われるし、テレビとかでもたまにやったりするんだけど、実はこれは細菌や寄生虫の関係でやっていけない行為。子どもが真似したらまずいんだが。>
第5話 冬の王来たる

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 カグラギの罠にはまり、ゴッカン国の王様兼最高裁判長であるリタに捕まり、国家反逆罪に問われ、ゴッカン国の牢獄に閉じ込められてしまう。公平な裁判を行うため、リタはギラの行動を様々な国で聞き込むことにした。

 敵はジゴクジーム。アリジゴクのBNAを備えた怪ジーム。世界各地に穴を開け、落とし穴にはめる他、両手のドリルを突き刺して攻撃する。
 五人目の戦士パピヨンオージャのリタが登場。チキュウ全体の裁判所の裁判長でもあって、ラクレスの要請でギラの裁判を行う。
 ギラに対してリタの下した判断は、なんと無罪。実はギラはシュゴッダムの王ラクレスの生き別れの弟だったことが発覚したため、これまでの行いは王として正当な行いだったとされた。しかもギラの記憶はないが、それらは全てラクレスは承知の上だったらしい。色々複雑なお家事情があるっぽい。
 今回登場したリタは氷のように冷たい存在だが、自室に帰るとぬいぐるみのもっふんを抱きしめて変な声色で会話をしてるとか、テンパると奇声を発したりとかかなり変な性格をしてるのが特徴で、かなり極端なキャラに描かれている。これまで出てきた五人全員個性がありありのキャラになってる。
 今回からついに全員が変身して戦っている。ただ個性がありすぎるため巨大戦では全く息が合わず、敵を倒すのもギリギリだった。
 味方の方に個性がありすぎて敵があまりに存在感がなさ過ぎなのが難点。その背後でこっそりとゴッカン国の城から秘宝を奪っていた。全く個性が出てこないのが逆に凄い。
<ラクレスが会話する時、思いっきり反り返って横を見ながら喋ってる。こう言うのをアニメではシャフ度と言う。>
VOL.2
<A> <楽>
第6話 王子の帰還

  脚本:高野水登
  監督:山口恭平
 自身がシュゴッダムの王子であることを知らされたギラは真相を確かめるため、シュゴッダム王ラクレスの元を訪れる。だがその前にバグナラクがシュゴッダムに巨大な繭を設置した。これが羽化すれば世界は滅ぶことが分かり、五王国は緊急会議を開催するが、ラクレスは突然同盟を破棄し、キングオージャーを占有すると言い放つ。

 敵は巨大繭。羽化すればチキュウ全てを破壊する怪ジームを生み出すという存在だが、ラクレスの操るキングオージャーによって破壊された。
 上がり下がりが極端な話で、ギラは王子として大歓声で迎えられた。そして前回奪われたゴッカン国の秘宝を取り戻してゴッドスコーピオンを呼び出したことでますます評価があがるのだが、だがそのゴッドスコーピオンがラクレスの操るキングオージャーに攻撃をかけたことでシュゴッダムの敵にされてしまった。
 結果として五王国全体の危機に対して勝手な振る舞いをしたラクレスが一人で収めてしまったため、シュゴッダムの国民はみんなラクレスを支持するという話になる。
 ギラは他の誰も持たないシュゴッドをコントロールする力を持っているため、みんながその力を欲しがっている。それはバグナラクも同じで、ギラを取り込めばチキュウは一気に蹂躙されてしまうらしい。前回ラクレスがギラを処刑しようとしたのはそれが理由だろう。
 今回ラクレスはゴッドクワガタなしでキングオージャーを呼び出したが、その核となったのは黄色いクワガタ型のメカだった。これが何を意味するのかは不明。
<ヤンマはとにかくヤンキー語りが好きだ。問題は全く似合ってないという部分。
 ヤンマはラクレスにはシュゴッドを動かせないと言っていたが、前々回ゴッドカブトを動かしてたよね?
 巨大繭から孵った怪ジームは世界全てを滅ぼすと伝説にあるそうだが、この作品ではその伝説が当たったためしがないんだが、よくみんな信じてるな。>
第7話 神の怒り

  脚本:高野水登
  監督:山口恭平
 ゴッドスコーピオンの攻撃で動かなくなってしまったシュゴッドたち。ヤンマはそれをシステム障害と考え、ヒメノはゴッドスコーピオンの毒だと主張したことで対立し、治療は進まなかった。

 敵はグンダジーム。グンタイアリのBNAを持つ怪ジーム。サナギムを軍隊のように統率してゴッドカブトを回収しようとした。
 前回登場したゴッドスコーピオンによってキングオージャーはバラバラになって、更にそれぞれのシュゴッドが動かなくなってしまった。これに対して、ラクレスはギラのせいだと言い、ヤンマはシステム障害、ヒメノはゴッドスコーピオンの毒だと言う。それぞれの主張がバッティングして、シュゴッドの治療がなかなか進まない。ただいつの間にかこの時だけの即席チームになって、シュゴッドの治療を共同で行う事になっていった。
 それで今回はヤンマのンコソパ国とヒメノのイシャバーナの対立というか、競争がメインの話で、その中でゴッドスコーピオンこそが自分の両親を殺したと考えるヒメノがゴッドスコーピオンの真実を垣間見るという話になってる。またヤンマがギラを仲間と認めた。
 ヒメノと和解したゴッドスコーピオンはキングオージャーの左腕に装着され、強力な武器となった。
 今回ほとんど出番がなく全く役に立ってないギラだが、次回にラクレスとの決闘が待ってる。
<ヒメノは子どもの頃から縦ロールの髪型だった。子どもの頃はこれ出来ないんだよな。
 ヒメノがゴッドスコーピオンに訪ねたのは、「人類に仇なすものか?」だった。上から目線だが、この世界では人類よりもシュゴッドの方が偉いんじゃなかったっけ?>
第8話 王と王子の決闘裁判

  脚本:高野水登
  監督:山口恭平
 孤児院の仲間達を人質に取られ、ラクレスとの決闘裁判を余儀なくされたギラ。どちらか一方の死によって決着するという命がけの戦いに挑む事となるが、その背後では四国の王たちによる思惑も動いていた。

 敵はゲロウジーム。カゲロウのBNAを持つ怪ジーム。人そっくりに擬態できる。光の屈折で姿を消すことも出来て、「どこにでもいて、どこにもいない」をモットーにしている。
 ラクレスによって殺されそうになったギラだが、これまで共に戦ったことでギラを仲間として受け入れたい他の四人の王が毒を用いてギラの死を偽装しようとする。
 途中でバグナラクのゲロウジームが乱入したことで勝負がおかしくなってしまって、ラクレスは毒を用いることなく、実力で決闘裁判でギラに勝利する。みんなの作戦ではラクレスは確実に毒を使うだろうと考えていたのだが、別段使わなくて済んでしまった。
 ただその際、ラクレスは絶対殺せるはずのギラを敢えて崖から突き落とすだけに留めていて、ギラはそれに少し違和感を覚えていたようでもある。
<「俺は敗北を知らない」とギラは宣言していたが直後に敗北していた。
 決闘裁判で、ギラは崖から落とされた。仮面ライダーシリーズではこれは生存フラグ。>
第9話 ギラ逃走中

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 四人の王たちに助けられたギラだが、ギラを切り札として確保しておきたい王たちはギラに潜伏を命じる。一方王たちは自分一人の切り札としてギラを確保しようとお互いを出し抜こうとしていた。そんな四人を冷ややかに見つめるギラ。

 敵は巨大サナギム。そしてデズナラク8世。王たちの前に自ら姿を現し、各個撃破していく。
 前回で協力してギラを助けた王たちは互いに同盟を組むと言っておきながら、裏ではギラ争奪戦を行っていた。全員打算的な考えしてるが、自分の国が他の国より優位に立つことを第一に考えるのは国際社会の常。
 ただ、そうこうしてるうちにそれぞれの国にバグナラクの攻撃が加えられたため、王自身は国で戦い、側近達がギラに接触していた。今回はバグナラクも本気で、皇帝自らが戦いに赴き、結果それぞれの王たちを各個撃破していく。
 前回ラストで登場したゴッドホッパーはギラと心を通わせ、仲間として戦っていた。本人(?)によれば、ゴッドスコーピオンに懸想してるとのこと。性別とかどうなってるんだろうね?
 これで三大守護神それぞれと心通わせることが出来たが、一方でデズナラク8世はそれぞれの王国に巨大繭を送り込み、一気に孵化させようとしている。その際それぞれの王国の王を倒し、戦えるのはギラとラクレスだけとなった。なんか最終回前のような盛り上がりだ。
<特撮の常とは言え、デズナラク8世は圧倒的な力を持ちながら、誰も殺してないというのは無理がある。>
VOL.3
<A> <楽>
第10話 伝説の守護神

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 王たちは次々にデズナラク8世によって倒され、ギラも捕らえられてしまう。五王国それぞれに置かれた巨大繭が孵ったその時にチキュウはバグナラクのものになってしまう。起死回生の奇跡を求める民達。

 敵はデズナラク8世。そして巨大繭から生まれたデズダンジーム、デズボダルジーム、デズフンジーム、デズタニジーム、デズジゴクジームの五体。
 まるで最終回のような展開で、チキュウ最大の危機が回避される。チキュウを守るためには奇跡を起こすしかないと言ったら本当に奇跡が起こった。戦隊ものらしい展開だが、王様は一人一人違った悩みを持ち、国のために何をなすべきかを悩んでいるのが違いか。
 その奇跡を起こしたのは、ここで初めて心を一つに出来たキングオージャーの面々で、ここでようやく王様戦隊の名前が実質的なものになった。ただし手柄は全てラクレスのものとなり、ギラはお尋ね者として逃亡生活を余儀なくされる。
 バグナラクはこれで再び地下に潜ることになったが、最後にデズナラク8世は高笑いしていた。
<ヤンマの側近シオカラはあんまり滑舌が良くないので、叫ばせるとちょっと…「仮面ライダーブレイド」思い出したな。
 王を誰も殺さなかったし、わざわざギラを地上まで運んで王国が滅びる様を見せようとしてるデズナラク8世。なんか親切すぎるよな。理由があるのか?
 キングオージャー全員での名乗りが10話になってやっとか…と思ったら50話になって初めてやった戦隊がちょっと前にあった。>
第11話 怪奇!クモ仮面の男

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 バグナラクの侵攻を防いだ王たちは死んだとされるギラの葬式を挙げ、その最中に復活させてシュゴッダムの国民を驚かせようと考える。だが葬式当日にギラは何者かに連れ去られてしまった。

 敵はナガバジーム。オナガバチのBNAを持つ怪ジーム。実はこれまでの戦いで度々現れ、キングオージャーに自らの卵を仕込んでいた。ジェラミーに協力してキングオージャーを出現させ、自らが犠牲となってキングオージャーをバラバラにした。そしてデズナラク8世。突然現れ秘宝を手に入れたジェラミーによってあっけなく倒されてしまった。
 前回で一山越え、これから新展開。デズナラク8世は三大守護神を手に入れ世界をひっくり返すことを目的としていたが、そのデズナラク8世の考えを利用する人間ジェラミー・ブラシエリが現れ、勝手に秘宝を手に入れ、その力を使ってデズナラク8世を倒してしまった。蜘蛛をモティーフとしているが、蜘蛛というと、当然三大守護神の一体だが、これは追加戦士となる可能性は高い。
 人類とバグナラクを手玉に取るジェラミーだが、本人曰く、「バグナラクは本当に人類の敵か?」と謎めいた言葉をギラに贈っている。本院曰く「時代遅れの語り部」で、実は本作のナレーションはジェラミーによってなされていたことが分かった。
<普通に「うんこ」発言が出てるな。>
第12話 6人目の王様

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 五人の王たちの前に現れ、デズナラク8世を倒した男はジェラミー・ブラシエリと名乗り、予言の書を書いたのも自分であるという。敵か味方か分からぬ王たちは、ジェラミーを調べ始める。

 敵はデズナラク8世。前回でジェラミーに倒されたように見えたが、実はそれは偽装で、また現れたがジェラミーが変身したスパイダークモノスによって倒された。
 前回登場したジェラミー・ブラシエリの正体について。二千年前の人物で、キングオージャーの予言の書を書いた張本人。実は人類とバズナラクのハーフだという。本人に言わせれば、人類とバズナラクをつなぐ役割を持つとのこと。スパイダークモノスに変身したことで追加戦士である事ははっきりした。
 ただ、ジェラミーの上から目線の発言に王様全員が反発してしまっているので、まだ仲間という感じではない。
<やたらもったいぶったジェラミーの喋り方は野村萬斎がモデルかな?>
第13話 怒りのスパイダー

  脚本:高野水登
  監督:茶谷和行
 人間とバグナラクのかけ橋になるというジェラミーだが、その態度はデズナラク8世の怒りを買い、侵攻を早めてしまう。一方ジェラミーの装備品に興味を持ったヤンマはその装備を調べようとする。

 敵はゲロウジーム。8話に登場したのと同一個体。誰からも期待されず、ゴッドタランチュラにあっけなく倒されたが、ジェラミーの計らいでジェラミーの部下となる。
 人間とバグナラクの和解を薦めようとするジェラミーだが、まともに説得力ある言葉を使わないため、誰にもその真意が分からない。双方とも憎み合ってる仲のため、全く和解はできず。結局キレたジェラミーは無理矢理和解させるために自身がこの世界全体の王となろうとしている。人のことを全く考えず自分の考えを押しつけて、理解されないとキレるって、駄々っ子か?
 ジェラミーは自身のシュゴッドであるゴッドタランチュラを呼び出した。
<壊れた傘を持ってゴミの山に佇む子どもの頃のヤンマの姿はどこかで観た気がする。
 ヤンマはジェラミーのことを「マカロニ野郎」と言っていた。食べ物はこの世界と変わりがないのかな?>
VOL.4
<A> <楽>
第14話 もっふんといっしょ

  脚本:高野水登
  監督:山口恭平
 人間とバグナラクの和平を目指すため自ら王になると宣言するジェラミー。ジェラミーが使役するシュゴッドの中に、かつてイシャバーナを襲った災害を引き起こしたセミのシュゴッドがいたことに気づいたヒメノは怒りのままにジェラミーを追う。命からがらゴッカンに逃げたジェラミーは、そこでリタに捕らえられ、裁判を受けることとなった。

 敵はアメンジーム。アメンボのBNAを備えた怪ジーム。昆虫界のカンフーマスターでバズナラクの長老と呼ばれる存在で、デズナラク8世の体術の先生。
 今回もジェラミーの話で、かつてイシャバーナを襲った事件がジェラミーによってなされたと思い込んだヒメノがジェラミーを殺そうとして、最終的にそれが誤解だったことが分かるという話。反発しながら少しずつ受け入れ合ってるようで、70年代の青春群像ドラマを彷彿とさせる。
 イシャバーナの災害が起きたのは15年前であり、その時はジェラミーは封印されていて牢の中にいた。自分が犯人ではないということはすぐに証明できるのに、「行間を読め」の一点張りのジェラミーが全部誤解を与えたばかりになった。
 今回はヒメノのカマキリオージャーが大活躍するが、ギラの存在感がほとんど無かった。ジェラミー憎しで突っ走るヒメノを抑えようとして失敗しただけ。
 ラストシーンでカグラギとラクレスの会話があるが、カグラギは自分の妹を通して弱みを握られていることが分かった。
第15話 スズメにお見舞い

  脚本:高野水登
  監督:山口恭平
 ジェラミーと会いたいというラクレスの言葉を受け、ジェラミーにお願いするカグラギ。その際カグラギは自分の妹スズメが人質同然にシュゴッダムにいると言ったことで、興味を持ったジェラミーはラクレスと会うことにする。

 敵はバエジーム。蠅のBNAを持つ怪ジームで、高速飛行をして次々に人を襲う。慇懃無礼なものの言い方をするが、人に対しては容赦ない。
 これまで謎の存在であったカグラギの秘密の一端が明かされる。実はカグラギには妹がおり、ラクレスが婚約者としてシュゴッダムにほとんど拉致している。それでカグラギはラクレスの言うことを聞かざるを得なくなったということ。
 …と思ったのだが、そこには更に裏があるらしくスズメはラクレスにすっかり惚れ込んでしまってシュゴッダムに留まると主張して一筋縄には行かなかった。カグラギはトウフ国をシュゴッダムに差し出すとまで言っていた。しかしこれさえも嘘だという描写も…裏の裏の裏という複雑さ。
 そんな中、ラクレスは突然バグナラクと人類は手を結ぶべきだと言いだし、一人でデズナラク8世との交渉に出かけている。
 今回もギラは狂言回しで個性出せず。勝手にスズメを助け出そうとシュゴッダムの王城に潜り込むがスズメに拒絶されるだけの役回り。
 ゴッドタランチュラが人型のタランチュラナイトに変形した。単独の大きさで巨大化した怪ジームと同じくらい。
第16話 10才の裁判長

  脚本:高野水登
  監督:山口恭平
 先代王カーラスが暗殺され、10歳でゴッカン国王兼チキュウ最高裁判長となったリタが、裁判長就任15周年を迎えようとしたその日。最初に裁いた王暗殺裁判で、犯人とされたカーラス王の夫のシロンを終身刑とした。そしてリタは今日、その日何が起こったのか真実にたどり着く。

 敵はヲゲラジーム。オケラのBNAを持つ怪ジーム。穴掘りを得意とする。ゴッカンで15年前の事件の犯人とされたシロンを殺すために現れた。巨大化したがタランチュラナイトに倒された。
 前回イシャバーナで15年前に起こった神の怒りの真実が語られたが、今回はほぼ同じ時に起こったゴッカンの前王暗殺について描かれる。暗殺されたという前王カーラスは実は死んでおらず、イシャバーナで起こった神の怒りの犯人を封印するために姿を消したのだと分かった。今もどこかで生きているらしい。つまり15年前に起こった事件はチキュウの各国に大きな影響を与えているという事になる。
 ゴッカン王は前王の指定によって全国民の中から選ばれる。リタは10歳で選ばれたが、それは先代王のカーラスが、大切なところでは絶対に間違えないという確信を持っていたからだったという。そして15年前にリタが王殺しで終身刑に処したカーラスの夫シロンが黙っていたのは、カーラスだが、実はが犯人ではなく、本人もそれを知っていながら刑に服している。
 前回ラクレスとデズナラク8世との間で語られた和平交渉の内容は謎だが、普通にバグナラクはチキュウに侵攻していて、今回はゴッカンとンコソパの両面攻撃だった。交渉の中身はなんだったと問い詰めるヤンマに対して笑うだけのラクレス。
 カーラス役は「仮面天使ロゼッタ」神あすか役の吉井怜。もう30年以上も前の作品だったか。
<ツッコミではないが、ついに今回、ヲゲラジームという頭文字に「ヲ」を使うキャラが登場した。これまでの特撮の歴史上おそらく初。>
第17話 王は逃げない

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 ンコソパで暴れ回るバグナラクから国を守るためにラクレスとの会談に応じるヤンマ。だがチキュウを守るのはシュゴッダムだけで、他の国はシュゴッダムに跪けと語るラクレスとは交渉の余地はなかった。更にラクレスは大昔のバグナラクの英雄ダイゴーグを蘇らせる技術を提供したと宣言する。

 敵はダイゴーグ。古代のバグナラクの英雄で、最強の守護者。ラクレスの情報でデズナラク8世が復活させた。復活後、トンボオージャーとスパイダークモノスを一撃で粉砕した。
 前々回のラクレスとデズナラク8世との会談の内容が明らかになった。その内容とは、地上は人間が生きていて良いが、バグナラクの配下になることと、シュゴッダムだけが生き残るというものだった。ラクレスは地上の王となるためにその屈辱的な取引を受け入れている。
 当然ながら他の王たちとジェラミーはそんな条件を飲めず、ラクレスと戦おうとするが、ラクレスはバグナラク最強の戦士を復活させてキングオージャーの相手をさせている。
 ジェラミーがラクレスと戦うため、レジェンドキングオージャーにタランチュラナイトを合体させた。ほぼ全部のシュゴッドが合体したが、この形に名前は無く、蜘蛛の糸を使って無理矢理合体させただけの形態らしい。
 ここしばらく全く目立った活躍をしてこなかったギラは瀕死のヤンマを助け、ラクレスの前に姿を現した。現したところで次回に続くため、今回も全く活躍の機会はなかった。
<ンコソパからシュゴッダムへ一瞬でやってきたギラ。時間の経過が分かりづらいな。>
VOL.5
<A> <楽>
第18話 始まりの王冠

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 ラクレスとダイゴーグによって絶体絶命の危機に陥ったヤンマを救ったのは、これまで死を偽装してきたギラだった。しかし逆にラクレスはシュゴッダム王家に伝わるオージャクラウンを用いてキングオオクワガタオージャーに変身し、圧倒的な力を持ってギラを退ける。他のキングオージャーたちの力を借りなんとか逃げることには成功したギラだが…

 敵はダイゴーグ。そしてキングオオクワガタオージャー
 シュゴッダムに伝わる伝説の力オージャクラウンにまつわる話。突然出てきて話の中心になったが、シュゴッダム王家のものだけが使える最強の力。最初ラクレスが使っていたが、カグラギによってそれが奪われ、その力はギラのものになる。
 これまでラクレス側に付いていたと思われたカグラギは、実はこれまで真の力を手に入れるためひたすら従順を装っていたとのこと。オージャクラウンこそがその力である事に気づき、その使い方を覚えた上で奪っていた。
 これによって晴れてキングオージャーは五人プラスアルファで戦う事になった。18話まで引っ張ってしまった。
 最強の力を手に入れたギラはついに全てのシュゴッドを合体させ、エクストリームキングオージャーを誕生させた。まだストーリーは1/3程度。これが最強というわけでもなかろう。
 ギラがラクレスに勝利したことでめでたしめでたしとはならず、シュゴッダムは既にバグナラクの手に落ちていたという落ち。
<最強の力で斬られていたにも関わらず、イシャバーナの医師達によって簡単に傷は治っているギラ。最強の力ってその程度のものか。
 エクストリームキングオージャーはあまりにたくさんの合体のため、普通にしてるだけで装飾がゆらゆら揺れてる。これは動きにくそうだ。>
第19話 王様戦隊キングオージャー

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 ギラとラクレスが争っている間にシュゴッダムはバグナラクに占領されてしまった。戦いに敗北しシュゴッダムに戻ったラクレスは捕らえられ、傀儡王としてバグナラクのために働くことを強要されてしまう。このままではシュゴッダムが完全にバグナラクに乗っ取られてしまうと、出撃を決める王たち。その中心となったのは、ギラだった。

 敵はダイヤモンドダンジーム。強化装甲を持つダンジーム。トンボオージャーとハチオージャーの両面攻撃にも全く動かなかった。そしてダイゴーグとデズナラク8世とカメジム。
 人類の仲間内でやり合ってるうちにバグナラクによって占領されてしまうと言う体たらくだったが、そこに現れた五人の王様と一人によって再び虫たちを追い落とす。何話か使うかと思ったら、たった一話で解決してしまったので、相当展開が早い。
 王様達がついに名乗りを上げた。「王様戦隊キングオージャー」が結成されたが、19話まで引っ張ったか。ちなみに正式な名称は「五国異事案対策用略救命部」で王様戦隊だとか。
 結局シュゴッダムの王位はこれで空位になってしまったので、これをどうするかという議論が始まり、ギラがラクレスと決闘裁判をすることとなった。
<未だに重傷のまま伏せってるヤンマ。もっとダメージが大きいはずのギラがなんでこんなに元気いっぱいなんだろう?
 ヤンマが「俺のこと散々ブッチしやがって」とラクレスに迫っていた。「ブッチする」って、ここでは「潰す」という意味で使ってるようだが、普通は「サボる」という意味だ。
 デズナラク8世がシュゴッダム国民は全員人質だと言っていたが、既に全員が避難済みだったという。一体シュゴッダムの国民って何人くらいだ?>
第20話 王と王の決闘

  脚本:高野水登
  監督:山口恭平
 バグナラク撃退後のシュゴッダムではラクレスとスズメの結婚式が行われ、国民は祝福モードにあった。しかし王としては形の上とはいえ、ラクレスに王である猶予を与えてしまったことでギラに対して非難が集まる。そんな中、ギラとラクレスによる決闘裁判が行われたが、オージャランスを持つ側が絶対的優位に立つため、決闘の背後で皆の暗躍が始まった。

 敵はオオクワガタオージャー
 8話に続き二回目の決闘裁判。前回はラクレスが勝利し、ギラは死んだものとされていたが、今回は全国民に放映された正々堂々の戦いとなるはずだった。ただしラクレスがシュゴッダムの王である以上、オージャクラウンはラクレスの側にあり、ギラの方が不利な状況での戦いだった。ただしオージャクラウンの真の力はオージャランスが必要で、それを取ることが勝利の鍵となる。
 オージャクラウンなしでもなんとかラクレスを追い詰めることが出来たギラは、もし本当の優しい王になってくれるなら自分は負けても構わないと語っていた。しかしラクレスの方は卑怯な方法を用いてギラを殺そうとしたため、結局誰からも信用を失ってしまって最終的にはギラに斬られてしまう。
 実はラクレスの側近であるボシマールはカメジムの変装だったことが発覚した。長年にわたってラクレスを騙していたわけで、ラクレスが変わったのもカメジムのせいだった可能性もある。
 決闘裁判でラクレスを下したことで、ついにギラはシュゴッダムの王となった。王として何を為すのかは次回以降。
<シュゴッダムの国民ってみんな単純すぎる。自分でものを考えないように躾けられていたということにしておこう。>
第21話 突き進め王道を

  脚本:高野水登
  監督:山口恭平
 ラクレスとの決闘裁判に勝利し、正式にシュゴッダム王となったギラ。しかしまだその覚悟を決めかねていた。そんなギラに対し、他の四人の王と勝負することを提案するジェラミー。そこで一人一人と勝負をするが…

 敵はダイゴーグ
 ギラが自分が王としての自覚を持つという話で、他の王たちのプロフィールを辿りつつ勝負する。半分総集編。
 全員が得意分野で勝負するため、ギラはあっけなく全敗。それぞれのキャラの個性が良く出た話となった。ちなみにヤンマはクイズ、ヒメノはピアノ、カグラギは料理、そしてリタは意外にもにらめっこ。それぞれがちょっとだけ卑怯な方法を使っている。その結果、シュゴッダムの何もかもが他の国の管理下に置かれてしまった。それでギラはとにかくまず名前だけの王となることとなった。
 ギラは他の王と違い王としての振る舞いを何も分かっていないので、とりあえず全員でサポートするという構図になったようだ。
 バグナラクに王宮が占領されたとき、いち早く逃げ出したドゥーガが他の国で就職活動をして全部失敗し、シュゴッダムに戻ったところ、ギラに採用されるという話もあり。その際、ギラは何をなす王になりたいかとと問われ、その答えを出すのが最初の王としての任務となった。その答えは「貴様(バグナラク)の野望を踏みにじり、子ども達に夢を与える王」だそうだ。
<ダイゴーグが襲ってきた際、シュゴッダムの住民はみんな逃げてしまったが、子どもが一人だけ残っていて、しかもダイゴーグの衝撃波の正面にいた。不自然すぎないか?>
VOL.6
<A> <楽>
第22話 シュゴッド大集合

  脚本:高野水登
  監督:茶谷和行
 シュゴッダムに現れたダイゴーグに立ち向かう王たち。しかし三大守護神のソウルとシュゴッドソウルを食ったダイゴーグは際限なく巨大化していく。更に三大守護神まで喰らって巨大化していくダイゴーグに恐れをなした他のシュゴッドたちが活動を止めてしまい…

 敵はダイゴーグ。三大守護神のソウルとシュゴッドソウルを取り込み、大陸サイズにまで巨大化し、一撃でシュゴッダムを粉砕しようとした。そしてイラガジーム。コーカサスカブト城の秘密を知り、ロボット化を防ぐためにやってきた。強力な雷を操る。
 前回ラストでダイゴーグが登場し、王様全員で倒せると思った矢先、ダイゴーグが急激にパワーアップしてしまう。巨大化にはシュゴッダムソウルだけあれば良いのだが、三大守護神のソウルが食われてしまったのを見た他のシュゴッドが怖がってしまって戦えなくなってしまった。
 話は上がったり下がったり。ダイゴーグを前にシュゴッドが動かなくなって絶望的な状況になり、ダイゴーグに対抗する手段がなくなったと思ったら、今度は城が巨大ロボに変形するから動かそうとしたら動かず。ギラが叫んだらシュゴッドが急に動き出す。そして城は動かないまま。めまぐるしい展開だったが、ダイゴーグの脅威は去ってないというオチ。
<スズメに言わせると、「ラクレス様が寝物語に聞かせてくれた」と言っていた。なんとアダルティな…と思ったら、病気で寝ていたスズメのベッドの傍らでラクレスが一方的に自慢話を喋っていただけだった。>
第23話 シュゴッダムの動く城

  脚本:高野水登
  監督:茶谷和行
 夜明けにはダイゴーグによってシュゴッダムは滅ぼされてしまう。唯一それに対抗できるはずのコーカサスカブト城を変形させるためにはまだ何かが足りなかった。その足りないパーツを探すため、王宮を探した結果、老朽化によるものだと分かる。突貫工事で修理を行う事となるが…

 敵はダイゴーグ。一撃でシュゴッダムを破壊出来るほどに巨大化したがキングコーカサスカブトと戦って敗北する。
 前回突然話題に出たコーカサスカブト城が変形してキングコーカサスカブトという巨大ロボに変形した。通常この手の話だと何かパーツが一つ足りないというパターンなのだが、老朽化で動かないというのは珍しいパターンで、何か画期的なアイテムではなく国民全員の努力で城を動かすというのが面白い。
 それで国民を無理矢理協力させるためにやったことは国民を脅してパーツを持ってこさせることだった。この程度で直るんだったら楽な話だ。
 そして他の王たちも参戦し、無事ダイゴーグを打ち倒すことに協力した。
 現れたキングコーカサスカブトは大きさにしてキングオージャーの4倍の220メートル。おそらく史上最大の戦隊ロボとなるだろう(調べてみたら、これまでの最高は「五星戦隊ダイレンジャー」の大神龍の354メートルで、220メートルのキングコーカサスカブトの1.5倍。ただしこれは“神”であり、戦隊ロボではない)
<ヒメノが気絶してるスタッフを起こすのに使った技は「北斗の拳」に出ていたトキの技だった。星まで見えている。
 問題が一つあって、最後の希望と言われたキングコーカサスカブトは確実にダイゴーグを打ち倒せるという確信が何一つないんだよな。>
第24話 狭間の王vs奈落の王

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 地上侵略にことごとく失敗したデズナラク8世は業を煮やし、自らの命を用いて地球を破壊しようとする。そのため異常な暑さに襲われたチキューだが、王様達は国民を安心させるために五王国連合でチキュー祭りをシュゴッダムで行う事にした。

 敵はザリガジーム。ザリガニのBNAを持つ怪ジーム。デズナラク8世の地球破壊作戦を遂行するため、自ら地球の核まで掘り進める。
 地球侵略を諦め、思いあまって地球を破壊しようとするデズナラク8世に対抗するキングオージャーの活躍となる。ただ現時点では他の王様にギラは完全に舐められており、なかなかリーダーとしての行動が出来ない状態。そんなギラに王としての心得を語る他の王たち。結局結論は自分らしく民を守るのが王だとのこと。
 今回の中心となるのはジェラミーで、デズナラク8世の地球破壊工作を止めさせようとするのだが、その際2000年前に地上を襲ったのはバグナラクではなかったという事実を告げた。謂われのない罪を押しつけられて地下に封じ込められたことを未だに恨みに思っていたという。それを知らなかったジェラミーは、これまで自分が語ってきたことが間違っていたことにショックを受けていた。なんとかデズナラク8世を説得して人類とバグナラクの共存を語りかけるが、デズナラク8世は耳を貸さず、自らマグマに飛び込んでいった。
<昭和特撮を思わせるように子どもを使うことで王とは何かを語らせるのだが、これがまた全く的外れなので、ちょっと困ったもんだ。
 ザリガジームはマグマまで掘り進んだが、マグマは上がってこず、熱波だけが穴から出てくる。都合良い話だ。>
第25話 王と民の戦い

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 ジェラミーの制止を振り切り、自らチキュウの核へと突っ込んでいったデズナラク8世。チキュウ滅亡までにはあとほんの僅かな時間しか残っておらず、キングオージャーを強化して向かうこととなった。そのためにシュゴッド全部にパイロットを選出することとなるのだが、そんな時にジェラミーの部下であるゲロウジームが反乱を起こす。

 敵はデズナラク8世
 前半のクライマックス。キングオージャーは全20のシュゴッドが合体することで最強形態と馴れることが分かり、全てに五つの王国から集められた選ばれた人たちを乗せることになった。大半は生身で変身しているわけではないが、歴代全戦隊の中で最も多くの数の合体となった。
 先にジェラミーの配下となったゲロウジームが突然反乱を起こしたと思ったら、自らの命を賭けてジェラミーに覚悟を迫るためだった。これによってジェラミーはこれまでのようなトリックスターのような立場を捨て、狭間の王として人間とバグナラクの間で国を作ることとなった。
<エクストリームキングオージャー時点で既にゴテゴテして動きにくかったのに、ゴッドキングオージャーになったら、もはや身動きだけでも苦労してる感じ。
 キングオージャーの決めポーズは剣を腰だめに、画面の中央に切っ先を向ける勇者パース(別名大張ポーズ)だった。>
VOL.7
<A> <楽>
第26話 新王国の誕生

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 チキュウの核を破壊しチキュウそのものを破壊しようとするデズナラク8世の野望は潰えた。最後にジェラミーはデズナラク8世にバグナラクの王位を賭けて決闘を挑む。

 敵はデズナラク8世。そしてカメジム
 バグナラク編の最終話。かなりドラマチックな展開となったが、実はバグナラクは地下に押し込められた亜人種であったことが発覚する。人類に地下に追われたことを恨み、シュゴッドを喰らって今の姿になったという。シュゴッドが人間に手を貸すのも、自分たちを捕食するバグナラクに対する復讐であり、また自分たちの身を守るためだった。
 そしてジェラミーはデズナラク8世と決闘の末に倒し、バグナラクを六番目の国として認めさせることが出来た。
 ただ、最後の戦いの際、デズナラク8世の命を奪ったのはカメジムだった。実は彼こそが本当の黒幕であり、これまでの戦いの糸を引いていたという。それを語った後であっけなく倒されてしまったのだが、最後にまだ戦いは終わってないことを匂わせていた。
<最後の戦いだけにゴッドキングオージャーが登場するが、合体直後一撃でカメジムを倒してしまった。なんかレオパルドンを思い出すな。>
第27話 宇蟲王の到来

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 人類とバグナラクの戦い終結から二年が経過した。六つ目の王国としてのバグナラクを含めて混乱もありながらそれぞれの国が運営されていた。ところがシュゴッダム以外の国の王様はみんな罪を犯してゴッカンに収監されてしまっていた。そんな中、六国会議が開催されるのだが…

 敵はダグデド・ドゥジャルダン。宇蟲王で、遊び半分で星々を破壊している迷惑なキャラ。実はバグナラクの戦争の黒幕でもある。
 後半の物語の開始。二年後という設定も意外であり、ギラ以外の王様が不在というのも変。とにかく異例づくしの中でほとんど状況さえもわからないまま新たな敵と戦わねばならなくなった状況。
 全ては宇蟲王の手のひらの上。チキュウではカメジムの他、ラクレスがそのことを知っていて、その上で従っていたという。そしてギラに対しても服従か星の滅びのどちらかを選べと言われたギラは、第三の道として、ダグデド・ドゥジャルダンを滅ぼす道を選ぶと宣言。
 そして捕らわれていた四人の王が脱獄し、それぞれの王国に戻るところまで。
 しかし最強形態となったキングクワガタオージャーの攻撃もほぼ全くダグデド・ドゥジャルダンには届いていないようだ。
第28話 シャッフル・キングス!

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 ある朝突然六人の王様の人格が入れ替わってしまう事件が起こってしまった。それを引き起こしたのは宇蟲五道化の一人ゴーマによるものだった。ゴーマの入れ替わりの印を破壊すれば元に戻ると分かり、ゴーマに挑む六人の王。しかし馴れない体に満足に戦う事も出来なかった。

 敵はゴーマ。宇蟲五道化の一人で忍者のような振る舞いで皆を煙に巻く。戦いの実力はキングオージャーを遙かに超えているのだが、ダグデド・ドゥジャルダンを楽しませるために六人の王の人格を入れ替えて楽しんでいる。
 メンバーそれぞれの人格が入れ替わるという話で、ギラとジェラミー、ヤンマとリタ、カグラギとヒメノがそれぞれ人格交換されてしまう。
 人格入れ替え戦隊ものでは定番の一つで、これまでにも結構多くあるし、それぞれのキャラの物真似が楽しい話になる。本作の場合は全員が王様という事なので、それぞれの国を治める立場で、しかも入れ替わり前の自分の国を有利にしようと画策するとかして一筋縄にはいかない話になってた。それぞれ極端な性格をしているため、真似のしがいがあるだろう。ギラとジェラミーの二人に関しては変わっても大して変わらなかった気はするけど。
 ただ、これによってそれぞれの国の状況が分かってきて、逆に結束が高くなると言う決着。
 宇蟲五道化は主のダグデド・ドゥジャルダンを楽しませるために行動する。要するに面白ければ良いので、人間達を混乱させて楽しんでるだけというのが良い感じ。
第29話 王様失格

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 ゴーマの前に突然現れた王の側近達は突然王たちに襲いかかり、不意を突かれた王たちはジェラミーを除いて倒されて眠りに就いてしまう。それは宇蟲五道化の一人ヒルビルによるもので、側近達の反乱によって国民達は他の国々を敵視するようになっていく。そんな中一週間後に目覚めた王たちは、自分の知らぬうちに起こった事態に対処せねばならなくなる。

 敵はヒルビル。宇蟲五道化の一人で、洗脳能力を持ち、それを用いて人々に疑心暗鬼を生じさせて国々を瓦解させることを特異とする。
 敵の策略によって国々が憎しみ合う中で、王として何が出来るのかを問う話。王たちは自分たちを悪者にして側近に禅譲することで混乱を治めようとしたが、そこに唯一正気を保っていたジェラミーが、全て悪いのはバグナラクだと言って憎しみを自分たちに集めることで他の国々を救う。最後に身を引き、唯一の部下であるゲロウジームと共に去って行った。歴代の戦隊作品の中でも最高に重い話になっていた。
 そしてそれを眺めて笑ってるダグデド・ドゥジャルダンと宇蟲五道化の面々がいるわけで、相当な悪人に見えてくる。
 今回の敵となったヒルビルだが、やはり実力は高く、キングオージャーも翻弄していたが、全員が心を合わせての攻撃に引かざるを得なかった。なんとか攻略の糸口はありそうだ。
VOL.8
<A> <楽>
第30話 凍てつく天秤

  脚本:高野水登
  監督:中澤祥次郎
 イシャバーナが時ならぬ吹雪に襲われ街一帯が凍ってしまった。たまたまイシャバーナに滞在中のリタの前に現れたのはゴッカンの前国王兼裁判長のカーラスだった。リタの目の前で倒れてしまったカーラスは数日前に死んだと診断される。一方地下のバグナラクでは一人の男が捕らえられ、ジェラミーの前に引き出されていた。それは17年前の大災害「神の怒り」の犯人にして、宇蟲五道化の一人静謐のグローディだった。

 敵はグローディ。宇蟲五道化の一人で、実は17年前にゴッカンに大災害を起こした張本人。ゴッカンの前国王カーラスによって封印されていたが復活した。死者を操る能力を持つ。
 宇蟲五道化の最後の一人が登場。17年前「神の怒り」と呼ばれた大災害を引き起こした張本人であり、ゴッカンの前国王カーラスによってチキュウに封印されていたのだという。カメジムによって復活させられたらしい。これで宇蟲五道化が揃った(宇蟲五道化って、ダグデド・ドゥジャルダンは入ってないのか)。
 グローディは前回中途半端に終わった「神の怒り」の続きを始めたが、それを防ぐためにリタは命を賭けようとした。実はリタは両目の色が違う理由は、右目はあらゆるものを氷の中に封印することが出来る力を持つというもので、前国王カーラスから引き継いだ力だった。ただしそれを発動させたら自分も封印されてしまう。前王カーラスはその力を用いて「神の怒り」の犯人を封印したという。
 ゴッカンの前国王カーラスの名前は16話で出ていたが、復活した瞬間に死んでしまうと言う悲しい役割だった。
 そしてグローディによってチキュウを滅ぼす「神の怒り」の発動直前、突然ジェラミーの母であるネフィラが乱入し、グローディを叩き伏せた。展開の先が見えない。
 グローディ役は天野浩成だった。この名前だけで笑ってしまうのは仮面ライダーファン。
<前回ゲロウジームと共に去って行ったジェラミーだが、逃亡していたわけではなく、バグナラクの国に普通にいた。
 仲間の一人が他でもないチキュウで封印されていたのにこれまで放置していたカメジム。良い性格してるわ。>
第31話 二千年の愛

  脚本:高野水登
  監督:中澤祥次郎
 突如現れグローディを倒したのは、ジェラミーの母ネフィラだったが、実はそれはダグデド・ドゥジャルダンが送りだしたものだった。2000年の間捕らえ続け、憎しみを蓄えたネフィラを地球を滅ぼすために使うという。あのダイゴーグよりも強いというネフィラを倒すためにはゴッドキングオージャーが必要だが、ジェラミーはどうしても母を倒す事は出来ず、このままでは合体は不可能だった。

 敵はネフィラ。ジェラミーの母親で2000年前にバグナラクの混乱を収めようとした結果殺されてしまった。その肉体をダグデド・ドゥジャルダンに回収され、かりそめの命を与えてチキュウ攻略に用いられる。
 ジェラミーの母が敵となったことで王様戦隊がみんなバラバラになってしまうと言う話。通常運営だな。ダグデド・ドゥジャルダンの策略にはまってしまったようだが、実は全員チキュウのためという目的は同じなため、逆にダグデド・ドゥジャルダンを騙していたというオチ。ジェラミーが言葉の端々にヒントを出していたのだが、ギラだけそれに気づいておらず一人で悩んでいた。結局ギラの独り相撲というのもいつものパターン。
 ただ、これによってバグナラクと人類の共同戦線が深まった。
 ラスト。怒ってしまったダグデド・ドゥジャルダンによって王様戦隊の面々は何人かずつ別な世界へと飛ばされる。ギラとヤンマが飛ばされたのは、「獣電戦隊キョウリュウジャー」の世界らしい。
 ネフィラの声は井上喜久子。「海賊戦隊ゴーカイジャー」のインサーン以来か。
<カグラギが宇宙に対して叫んでる「ベントラー」は70年代を生きた人なら分かる呪文。
 何故かヒメノの口から大塚芳忠の名前が出てきた。もっふんの声優だそうだが、この世界では日本人の名前で通るの?もっふんじゃなくてシグナルマンが出てきたらどうするんだ?
 ゴッドキングオージャーとネフィラとの戦いはかなり大きさに差があって、よくこれで戦いの演出できると感心出来る。ただ、小さくても動きやすいネフィラの方が絶対強いと思う。>
第32話 遭遇!キョウリュウ!

  脚本:金子香緒里
  監督:坂本浩一
 ダグデド・ドゥジャルダンの逆鱗に触れてしまったキングオージャーは別な世界に飛ばされてしまう。そこは「獣電戦隊キョウリュウジャー」の世界だった。そこで二人は今も戦い続けている立風館ソウジと、彼が育てている新たな戦士プリンスと出会う。

 敵はデーボ・センキング。デーボス軍の全戦騎の能力を受け継ぐデーボモンスターの王。ダグデド・ドゥジャルダンによって、デーボスを復活させるために地球に送り込まれた。
 かつての戦隊「獣電戦隊キョウリュウジャー」の世界に送り込まれてしまったキングオージャーの面々の活躍。
 キョウリュウジャーの面々は何人かは地球に残っているが、全員ブレイブを奪われて変身出来ないのと、ダイゴと空蝉丸の二人は宇宙に出ているとのこと。その代わりとしてブレイブを持つ新しい戦士プリンスもいるのだが、今のところ未完成で変身が出来ず、デーボス軍と戦うまで至っていない。
 そこでギラが自ら悪役になることでプリンスを覚醒させようとして、見事プリンスはキングキョウリュウレッドに変身は出来た。
 今回はギラ以外のキングオージャーの面々が変身出来ないため、生身で戦っているが、みんな実によく動く。
 キングオージャーの世界の星がチキュウと呼ばれていたのは、実は祖先が地球から移民してきたからと言う結論だった。なるほどチーキュじゃないのはそのせいか。
第33話 シューゴー!キングとキョウリュウ!

  脚本:金子香緒里
  監督:坂本浩一
 デーボ・センキングを倒すことはできたものの、デーボスに支配されている地球を救わねばならぬと考えるギラ。一方自分たちのチキュウに帰る手立てを考えることが先だと言うヤンマと意見が衝突していた。そんな時、出土した石版から、この地球がチキュウの故郷である事を知ったジェラミーは、コーカサス城にこの地への帰り道が記されていることを突き止める。ギラは自分自身がゴッドクワガと結びついているならば、通信が出来るはずと考えるのだが…

 敵は兜武神デーボス
 「獣電戦隊キョウリュウジャー」とのコラコラボの後編。かつて地球のために戦った獣電戦隊が復活することと、彼らの助けで再び元のチキュウに戻れるまでを描く。
 キョウリュウジャーの活躍の後、色々あって、ノッサンとキャンデリラは結婚することになったそうで、ラッキューロはいきなりリタに惚れ込んでしまった。ちゃんとあの後の話になってるし、キャラもきちんとしている。
 前回突然出てきたプリンスも本名は桐生ダイゴロウだそうで、なんか桐生ダイゴとアミィの間の子っぽい。ちゃんと前の設定が活きているのが良い具合だ。
 失ってしまったブレイブを呼び起こすために必要なのは音楽で、それはキョウリュウジャーのオープニングソングというのが面白いところだが、そんなもので戻せるものなのか?という疑問はある。
 ブレイブを取り戻したキョウリュウジャーの面々が変身するのと、コーカサス城が地球に来たことで変身出来るようになったキングオージャーが変身することで、11人の戦隊が揃った。ちなみにテレビで同時出演の最大の戦隊はまさに「獣電戦隊キョウリュウジャー」の14人。
 今回はスペシャルと言うことで、採石場を舞台に本物の火柱を使っており、懐かしさに溢れた演出になってる。
 桐生ダイゴの出演は声だけだったのがちょっと残念かな。話の都合上それで良いんだろうけど。
<プリンスはダイゴとアミィの子どもだそうだが、番組終了からまだ10年。それにしては老けているが、その説明はどこかで行うのだろうか?
 デーボスが直接一人で戦ってるシーンは、ちょっと情けない感はあり。>
VOL.9
<A> <楽>
第34話 シュゴ仮面の逆襲

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 もう一つの地球から無事脱出できたキングオージャーの面々は故郷へと向かった。だがチチキューでは既に半年が経過しており、ダグデドによって支配されてしまっていた。民は王様達を自分たちを見捨てたと教え込まれ、王たちに対して激しい反発を覚えていた。更に王不在の中でシュゴ仮面と呼ばれる人物がシュゴッダムを収めていたのだが…

 敵はキンバエジーム。バグナラクの一員で、民達に豊かさを約束して地上に侵攻してきた。高速で空中移動して敵の死角から攻撃するのを得意とする。
 ダグデドの狙いも実はそちらで、王たちの不在の間に民達を先導して民達に豊かな生活を与え、王を反逆者に仕立て上げた。これまでのスーパー戦隊では一切なかったパターンだが、本作では民達によって虐げられる王様という構図が結構多用される。
 今回はシュゴッダムだけが豊かになり、他の国々は極貧にあえぐという構図を取るが、民はそういうことですぐに態度を変えてしまうというどうしようもない現実を突きつけている。
 そして新たな支配者となったシュゴ仮面の正体は、ラクレスだった。生きてたのね。そしてそのシュゴ仮面に仕える存在としてすずめがいた。
 前回の戦いでヤンマは恐竜の力を武器に込める手法を開発し、キングガブリカリバーを開発し、更にやってきたガブティラがゴッドクワガタ以外の他のシュゴッドと合体してキングキョウリュウジンとなった。
<地球からチキューに帰る際、光速移動したために周囲の時間が経過していたとヤンマは言っていたが、この理論だと前回同じ方法でやってきたコーカサスカブト城が地球に来るまでに半年かからないとおかしい。>
第35話 泣くなスカポンタヌキ

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 シュゴッダムの王として現れたのは死んだと思われたラクレスだった。チキューの全てをダグデド・ドゥジャルダンに差し出すというラクレスに怒りを覚えるギラだが、今は雌伏の時とジェラミーに諭される。改めて協議をした結果、今チキューを支配するために必要なのはヤンマの持つテッペンコンピュータだと分かった。

 敵はヒルビル。ンコソパで住民達を洗脳して支配しようとしていた。
 王様戦隊キングオージャーの反撃の話。ただヒメノはあっという間にイシャバーナを掌握し、リタはゴッカンの秩序を取り戻すために奮闘中という事で、残った男四人の話となる。今回の中心はヤンマで、ヤンマが持つマザーコンピュータを巡っての攻略となる。元々スラムの出身のヤンマが王になれたのは仲間の力、特にシオカラの献身的な努力があったからということが描かれ、男の友情話になっていた。その分ギラは全く目立てなかったが。
 結果で言うならば、ヤンマは仲間の命を救うためにコンピュータを自ら破壊し、ンコソパ攻略は失敗してしまう。
 ちなみにヒルビルの洗脳に唯一素で抗えるのがカグラギだった。本人に言わせると、自分自身を含めて何もかも騙しているので、何が本当か嘘か自分でも分からなくなったからだとか。
第36話 ヒメノのお見合い大作戦

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 首尾良く自らの王国イシャバーナを取り戻すことが出来たヒメノは突然結婚するので婿になりたい者は立候補するように命じる。戸惑うばかりの他の王達はその真意をただすべくイシャバーナへと向かうが、そこでは婿候補としてロマーネ・ディアーボーンという男が立候補していた。

 敵はカメジム
 前回ラストでンコソパが宇蟲五道化によって完全支配されてしまった。一方イシャバーナはヒメノによって国を取り戻したと思われたが、実はカメジムによって国全体が病に冒されており、元気に見えた国民は全員カメジムによるバズナラクの虫たちが変装したもので、ヒメノを含めたほとんどの国民は地下に幽閉中だった。
 表に出ているヒメノはカメジムが化けたもので、他の王様達を一網打尽にするために結婚という罠を仕掛けたというのが実情。
 カグラギを除いた四人の王が婿候補となり、新たな婿候補であるロマーネ・ディアーボーンという男と競うことになるが、何をやっても誰かの邪魔が入って婿捜しは全く上手くいかず、本物のヒメノが地下から解毒剤を開発してみんなを助けた。
 実はロマーネ・ディアーボーンという男はヒメノの執事であるセバスチャンの本当の姿で、事情を知った上で他の王様を助けるために行動していたことが分かった。確かに実は若いのを老けメイクしていたというのは言っていたが、その設定がここで活きたか。あとナチュラルに妨害していたのはジェラミーで、トリックスターらしい存在感を見せた。
 それでカメジムをイシャバーナから追い出すことに成功。やっと一矢報いられた。
<普通にリタが婿候補に入っているのが新しいな。>
第37話 イロキの乱

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 イシャバーナをなんとか取り戻したキングオージャーたちは、星全体の食糧危機を救うためにトウフ王国へと潜入していた。ここは今は宇蟲五道化の一人グローディが支配しているのだが、彼はトウフの前王イロキを蘇らせて王座に据えていた。

 敵はグローディ。怪人体となってキングオージャーを襲った。触れたもの全てを腐らせる能力を持つ。
 今回はトウフ攻略となったが、この国を支配しているグローディは自分で支配するよりも、死んだ前王イロキを蘇らせて、治世を任せていた。
 かつてイロキは善王と言われていたが、神の怒り事件の後で、国の米を全て自分のものだと宣言して国全体を飢えさせ、更に王宮に火を放って集めた米を全て焼き捨てたという悪王に突然変わってしまった。それを止めようと説得に向かった、当時側近だったカグラギがイロキを殺して王になったという過去があった。
 その過去の真実に直面することになったカグラギ。実は神の怒り事件はグローディによってトウフの米に毒が混入され、その事実を隠しきるためにイロキは自ら悪者となって全ての米を焼き、自らを殺させてカグラギを王にしようとしたという。しかし当時イロキを信頼していたカグラギは殺す事が出来ず、半ば自殺によって死んでいった。
 自分の命よりも国を守ろうとした王の志を受け継いだカグラギは、その事実を国民に隠し続けた。その結果、国民を守るためにどんな嘘もつくという人間になったらしい。これまで幾度となく嘘をつき続けたのは
 蘇ったイロキも基本的には昔と変わらず、暴君のような行動をしつつグローディを牽制してトウフを守ろうとしてきたとのこと。王道を理解したカグラギを見守りつつ消滅していった。
 そんなイロキの思いを受け、ほとんど一人でグローディを追い払ったカグラギ。
 イロキ役は雛形あきこだった。グローディ役の天野浩成の奥さん。夫婦共演という豪華な話だった。
自分が蘇らせたイロキによって何故か自分が命令される立場になってしまったグローディがイロキに向かって「俺はお前の主なんだが」と言うのだが、それに対する答えは「いいからさっさと行ってこい」だった。わざとそういう演出してるんだろうけど、家庭事情をここに持ち込まれてる気分になる。
 イロキは死んだら極楽浄土に行くと言っていたが、この世界は仏教があるのか?>
VOL.10
<A> <楽>
第38話 不動のアイドルデビュー

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 こっそりゴッカンへと潜入したキングオージャーの面々だったが、そこで彼らが見たのは、宇蟲五道化の一人ミノンガンとゴーマが開催する宇蟲王専属アイドルオーディションの開催と、そこで踊り回るリタの姿だった。

 敵はミノンガンゴーマヒルビル
 イシャバーナ、トウフと順調に国を取り戻していって、今回はゴッカンだったが、異様な雰囲気の話になってしまった。
 元々コミュ症で、裁きしかしてなかったリタがいきなりアイドルになるという極端な話で、あまりのギャップに他の王様達が戸惑うばかりだったが、これまで培ってきたコミュ症キャラが一気に転換したため、観てるこっちの方も頭が混乱する。よくぞこんな脚本描いたもんだ。
 結局リタがやったことは潜入捜査で、宇蟲五道化を探っていたのだが、ほかの王様達の介入によってそれは失敗。一応ゴッカンも取り戻せはしたものの、チキューを救うという手立てまでは探れなかった。
<オーディションの審査員にもっふんまでいたが、この中身はだれ?
 アイドルオーディション途中で乱入したヒルビルは「五王家のことは嫌いになってもあーしのことは嫌いにならないで下さい」と言っていた。元ネタ考えると、これ馬鹿にしてないか?
 謎の多いリタの行動に対して、ジェラミーが「言葉にしなければ伝わらないだろう」と言ってる。こいつにだけは言われたくない台詞だ。>
第39話 ンコソパ頂上決戦

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 チキュー五王国の内三国が奪還できた。そして一度は奪還失敗したンコソパ攻略に向かう王達。ンコソパ王であるヤンマには秘策があると言うが…

 敵は宇蟲五道化全員。
 一度失敗したンコソパ攻略だが、それを可能にするためには、オージャカリバーに秘められたパワーを解放する必要があるという。具体的にはシュゴッドのパワーをそのままオージャカリバーに宿すと言うこと。それは命を賭けることになるが、それが出来ればダグデド・ドゥジャルダンさえ倒せるという都合良い設定になる。
 そしてヤンマの策略でウルトラコンピュータが活動を再開し、シュゴッドが再び動き出した。その結果、パワーを解放し、ついに宇蟲五道化の一人ゴーマを倒す事が出来た。
 命乞いをするヒルビルに対して「考えても良い」と言った後で攻撃するキングオージャー。嘘をついたとなじるヒルビルに対してカマキリオージャーが言った台詞は「英雄じゃない。王冠を戴くく戦士」だった。これまでのスーパー戦隊とは一線を画す存在である事をよく示している。
 ゴーマの死はヒルビルの身代わりになったからだった。実はヒルビルがゴーマを危機の時に入れ替わるように洗脳していたからだという。それを助言したのはラクレスと、なんとカグラギ。相変わらず全方位を騙し回ってる。
<ウルトラコンピュータの偽物にはうんこのフィギュアが入っていた。それを見たミノンガンは「つんつくつん」と言っていた。「ドクター・スランプ」のアラレの台詞だが、同じ東映だから良いのか。>
第40話 我は王で王子なり

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 宇蟲五道化の一人ゴーマを倒すことには成功したが、強すぎる力の反動で満身創痍となってしまったキングオージャーたち。王様不在の中、ゾンビ化したサナギムの群れに襲われる国々。そんな中、ダグデド・ドゥジャルダンに忠誠を誓うラクレスはギラに全ての責任を負わせてチキューを破壊させようと策略を巡らす。

 敵はゾンビ化してダグデド・ドゥジャルダンに操られるサナギムの群れ。
 話も終わり近くになって、それでもやはりギラを追い詰めるラクレスの姿がある。ラクレスに言わせると、シュゴッドの感情が分かり、説得によって言い聞かせることが出来るギラの能力はダグデド・ドゥジャルダンによってチキューに送り込まれた存在だったが、裏切ってこの世界を滅ぼそうとしているというものだった。その策略が当たり、又しても国民からギラが裏切り者として扱われることになる。この構図は延々と続いてる。
 王様の中で唯一シュゴッドを自在に操る力を持つのはギラだけで、しかもその力はダグデド・ドゥジャルダンと同じものと言うことで、説得力はあった。実際ギラが何故その力を使えるのかは誰も知らないので、あながち間違ってない可能性もある。
 ちょっと前にギラ達と一緒に来てしまったガブティラを連れ返しにプリンスがやってきて、一瞬だけギラと一緒に戦うが、すぐに帰ってしまった。友情を語るくせにだいぶ薄情だ。
<チキューから地球までに五年かかるらしいのだが、プリンスがチキューにいたのは数分。それで良いんだろうか?
 リタは三途の川を見たと言っていたが、この世界にもその概念があるのだろうか?
 ダグデドがギラに「ねえねえどんな気持ち?」と聞くポーズは昔懐かしい掲示板のアスキーアートと同じものだった。
 前回ラストでカグラギはラクレス側に付いていたが、冒頭では他の王様と同様体の苦痛で動けなくなっていた。あれはちょっと前の出来事だったのかな?あるいは二人いるか。>
第41話 宇宙を救う時

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 ダグデドの束縛から逃れたシュゴッドと共にダグデドに戦いを挑むキングオージャー。だが全力の攻撃も一切通用せず、ダグデドはもうこの星で遊ぶのも飽きたと言い始める。その意を汲んだラクレスは、シュゴッダムの人間だけを生き残らせてダグデドの手足として使うように進言していた。

 敵はダイゴーグ。かつてキングオージャーに倒されたが、ダグデド・ドゥジャルダンによって強制的に復活させられた。そしてオオクワガタオージャー。ダグデド・ドゥジャルダンより不死者を殺す力を得てギラを倒そうとする。
 前回語られて真偽不明だったが、ギラは本当にダグデド・ドゥジャルダンによって作られた不死の存在である事がはっきりした。これまで死ぬような目に遭っても生き残ってきた理由はそれだったと説明された。そこでラクレスはダグデドに願ってギラを殺せる力を得た上でギラに挑戦する。
 カグラギもそれに同調し、ギラを騙してキングオージャクラウンを借りた上でラクレスにキングオオクワガタオージャーの力を与えた。
 そして決戦でラクレスのキングオオクワガタオージャーはクワガタオージャーを倒した上で不死者を殺す力を用いてギラにとどめを刺そうとするのだが、最後の最後でその力で、ダグデドを斬る。
 ここに来てついにラクレスの真意が明らかとなった話だった。これまでの経緯から、幼少時のギラに王としての心得を説いていたシーンが何度も挿入され、その教えを守ってギラは王になっていたと言う事実があり、いつか本心を明かすのだろうと待っていたのだが、まさかここまで引っ張るとは思ってもみなかった。
 今回ラクレスの真意というのが少しだけ出てきた。シュゴッダム王は2000年前からダグデド・ドゥジャルダンの意を受けて、その情けにすがり続けてきた。ラクレスもまたその運命から逃れられなかったのだが、実はラクレスのお目付役としてギラが存在したため、その監視の目を恐れてダグデドに対して抵抗できず、ずっと従ってきたという。ギラの記憶を消して王宮から追い出したのは、僅かな時間の猶予でダグデドを倒す用意をしていたらしい。そのためにカグラギは協力していたらしい。
 結局ギラこそが本人も知らないまま「邪悪の王」であったことがはっきりした話でもある。
VOL.11
<A> <楽>
第42話 ラクレス王の秘密

  脚本:高野水登
  監督:茶谷和行
 不死者を殺す力をダグデド・ドゥジャルダンから受け取ったラクレスは、ギラではなくダグデドを斬る。そのままギラに共闘を持ちかけ、ダグデドと戦うこととなった。だが、ダグデドの力はあまりにも強く…

 敵はダグデド・ドゥジャルダン
 ラクレスの真の目的が明らかになった。全ては17年前に、ラクレスが王位を受け継いだ時から始まった。これまでの歴史で、歴代シュゴッダム王は星の住民の命を人質にダグデド・ドゥジャルダンに屈辱的な屈服を強いられていたことを知る。
 それでラクレスはなんとかしてダグデドを倒してその歴史に終止符を打とうと考え、表向き暴虐の王として振る舞いつつこっそり活動していたという。
 当初は他の四王国を踏み台にして星をまとめてダグデドの隙を窺おうとしたが、お目付役としてやってきたギラが思いもかけない力を持っていることを知り、ギラに希望を託すことにしたという。しかし王宮にはカメジムが化けたボシーマルというスパイが潜り込んでいる事を知ってしまったため、ギラを彼に近づけないようにして、まずは自分がダグデドの元に潜り込むことを決めた。暴虐の王を装っていたためとして気に入られたお陰で宇蟲王に潜り込み、ダグデドの忠実な部下を演じていた。
 そして不死者を殺す力を手に入れることで、ようやく本心を明かしてダグデドと戦う。不死者を倒す剣を持つオオクワガタオージャーと、不死者であるクワガタオージャーの二人でダグデドに挑む。ここまでが随分長かったが、ようやく素直に燃える展開へと移ることが出来た。よくここまで引っ張ったもんだ。
 これが最終回だったらそれで終わるのだが、まだ話は続いている。それでもダグデドの力はその上を行っていて、二人がかりでも敵わなかった。なんとかギラの怒りの力の発動でなんとか今だけは退けることが出来た。一応ダグデドに対抗する力を持てたというところまで。
 ダグデドを倒すのがギラの怒りで終わらなくて良かった。訳の分からない力で圧倒するのは興ざめだから。
 そして最後、ラクレスはギラに全てを託して倒れるのだが、ギリギリでキングオージャーが間に合い、その命を長らえさせることに。そこはちょっと肩すかし。
 まだまだ物語は終わらない。
第43話 覇王の大罪

  脚本:高野水登
  監督:茶谷和行
 生き残ったラクレスに対する裁判が行われた。そこでシュゴッダム王家にまつわる歴史を語り始める。それは2000年にわたる屈辱の歴史と、ラクレスの父に当たるコーサスから始まる、宇蟲王に対する反逆の歴史だった。一方、倒されたダグデド・ドゥジャルダンはあっけなく復活を遂げる。

 敵はミノンガン・モウズ。人間の年齢を好きにいじることが出来る。シュゴッダムの国民を勝手に変えた上に、現れたキングオージャーを10歳に変える。実はその身体にダグデド・ドゥジャルダンの遺伝子を宿しており、ダグデドを復活させた。
 前回でだいぶ語られていたが、今回ラクレスの口から真実が語られる。
 まずシュゴッダム王家は2000年前からダグデド・ドゥジャルダンに仕えており、チキューを守るためにダグデドに忠実だったが、ラクレスの父コーサスが反逆を企てた。その企て自体はばれて失敗したが、事前に事情を話したラクレスに全てを託した。それを受けてラクレスはより巧妙にダグデドの信用を得ようと、敢えて国民を苦しめつつ反逆の機会を待っていた。
 ギラはコーサスの妻にダグデド・ドゥジャルダンの遺伝子を注入することで生まれた存在。ゴッドクワガタのシュゴッドソウルを食べさせることで記憶を封印した。このまま食べさせ続けたら記憶どころか人格まで失うことになったはずだが、弟を愛するラクレスは途中でシュゴッドソウルを食べるのを止めさせて記憶を失ったギラを孤児院に入れた。
 ギラなしで反逆するか、それともギラを兵器として反逆の機会を待つかの選択がなかなかつかないラクレスだったが、ギラの方が勝手にクワガタオージャーになってしまったため、予定は常に修正され続け、今も尚修正中という。とてもややこしい状態。前回で話したが、そのために作られたのがキングオージャーZEROで、これをダグデドに対する切り札にしたが、シュゴッドを操るギラのキングオージャーに倒されてしまっていた。これまでに色んな修正が入っていることが分かる。
 前回斬られたダグデド・ドゥジャルダンは本当に死んでいたが、ミノンガン・モウズの肉体から復活してしまった。ダグデドによれば、「俺様は万物の創造主。俺様すらも作り出せる」そうだ。もはや倒しようがない。
 先々代王となるコーサス王はなんと中村獅童が演じていた。
<ギラとラクレスは父親違いということになるのだが、ギラはダグデド・ドゥジャルダンの遺伝子を注入されて生まれたいわば不倫の子。戦隊ものでそこまでやるのかよ。>
第44話 王の証!真の六王国同盟

  脚本:高野水登
  監督:茶谷和行
 ラクレスによって、不死身のダグデド・ドゥジャルダンを倒す方法はそれぞれの王が持つ王の証にあると言われる。あまりに危険なその力をコントロールするためには、力の正しい使い方をしなければならなかった。そのためのまとめ役を選出することとなったのだが…

 敵はヒルビル。ダグデド・ドゥジャルダンによって発破をかけられ、チキュー全体を混乱させようと出撃した。これまで以上の能力を用いて世界中の住民どころか王まで洗脳するが、力は薄まっているらしく、ちょっとしたことで正気に戻ってしまう。
 今更リーダーを決めようという話になって、結局それがヒルビルの洗脳で大混乱になるという話。特に洗脳の度合いが激しいヤンマを、洗脳の効かないギラが抑えるという話がメイン。その中で逆に結束が高まるのは定番の話である。
 リーダーを決める対決は頭に付けた紙風船を誰が割るかというゲームだったのだが、一斉に真っ先にギラを攻撃する辺りが、みんなよく分かってる。
 ダグデドの遺伝子を持つギラはヒルビルの洗脳に冒されることはなかったが、もう一人カグラギが平気だった。自分を含めてあらゆるものを騙しているだけのことはある。
 結局リーダーを決めず6人の王が完全同盟というオチとなったが、最後まで完全リーダー不在という作品は極めて珍しい。それも全てラクレスの策謀によるとのこと。ラクレス本人は自分が信用されてないことが分かってるから、敢えて策謀を使ってみんなに言うこと聞かせてる感じ。なかなか良い性格してる。
 一度死んで蘇ったダグデド・ドゥジャルダンは、この屈辱を与えたチキューを滅ぼすのではなく、自らのコレクションに加えることにした。そのためにチキューを大混乱に陥らせ、絶望の中で封印しようとしている。
<頭に紙風船を付けたメンバーが変身すると、仮面の上に紙風船がついた状態になる。これはもはやツッコミにもならんか。>
第45話 王を継ぐ者たち

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 ダグデド・ドゥジャルダンを倒すためには王の証の力を全員が使いこなせばならなかった。そこにラクレスの助言で、命を賭す前に王としてやるべき事をなすこととなった。それは自らの後継者を指名すること。だがそこにミノンガンが現れ、王達とその関係者の精神年齢を変えてしまう。

 敵はミノンガン。光線を発し、その光線に当てられた人間の肉体や精神を変えることが出来る。
 六つの王国の王の後継者問題というのがメインの話だが、途中で精神が取り替えられるというありがちな物語へと話がずれていく。ギラとヤンマとリタの三人が幼児になってしまい、残りの三人とラクレスでフォローしているが、スズメとモルフォーニャの二人が10年ほど前の精神になってしまった。モルフォーニャは犯罪者の親を牢から出すための脱獄の常習犯。そしてスズメはかつてラクレスを殺そうと意気込んでいたことで、ラクレスを憎むキャラに変貌していた。
 そんな王の三人をジェラミーが面倒を看ているので、今回活躍するのはカグラギとリタの二人となり、二人が共同して王の証の力を使いこなすまでを描く。カグラギは火の力、そしてリタは氷の力を使う。
 リタの右目は氷を作り出す王の力を宿していて、不完全ながらこれまでにも何度かその力を発していたらしい。一日の長があるとはいえ、現時点では誰も力をコントロール出来ていない。対して最初に王の証の力を使おうとしたカグラギは全身を焼き尽くしてしまうところだった。この二人が共同して王の力を使うことでミノンガンを撃破した。二人とも使いこなしているとは言えないまでも、氷と炎の二つの力を同時に使うことでバランスが取れたらしい。
 今回はギラが全く活躍出来てない。それが普通にあるのがこの作品の面白いところだな。
第46話 命の美しさを知れ

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 ミノンガンが倒された後、今度はグローディが現れた。まるで殺してくれと言わんばかりの挑発に、命を刈る王の証の力を得たヒメノが対峙する。見事グローディを殺したはずが、何故か生き残り、姿を消してしまう。

 敵はグローディ
 前回でカグラギとリタの王の証の力が発動したが、開始時点でもうヒメノが能力に目覚めている。そして今回はジェラミーの能力が発動する。この二人の能力は合わせ鏡のようで、ヒメノが命を刈る力、ジェラミーが命を与える力だった。前回のカグラギとリタの関係と同じか。
 ヒメノの王の証の力を発動させ、一度は倒れたグローディだが、すぐに起き上がる。実はグローディは既に死んでおり、ダグデド・ドゥジャルダンによってかりそめの命が与えられているだけの存在である事が明かされた。
 このままではグローディは殺す事は出来ない。それで考えた作戦は、ジェラミーの持つ永遠の命の力を用いて一度グローディに命を与えた上で、改めて殺すというものだった。
 だが、その作戦によって命を与えられたグローディは極端に力を増してしまい、かつての神の怒りの時と同じくグローディは多量のセミシュゴッド呼び出している。
 医者としてヒメノは、命を弄ぶことを極端に嫌う一方、両親を生き返らせたいという強い願いを持っている。対して望まぬまま不老の能力を与えられてしまったジェラミーは、その力の使い道について悩む。ヒメノの結論は、「死の克服は医療の夢じゃない。」だった。「生を全うするために医療はある。死があるから生きる事は美しい」とのこと。不老不死について真面目に考える内容で、戦隊ものでこんな深いテーマを扱うとは驚きである。
VOL.12
<A> <楽>
第47話 神を黙らせろ

  脚本:高野水登
  監督:加藤弘之
 不死のグローディを倒すため、ジェラミーの命をグローディに与えたが、そこでパワーアップしたグローディは再び神の怒りを起こそうとした。チキューの危機に際し、人命最優先で全てを救おうとする王達。

 敵はグローディ
 グローディによってゴッドセミの大軍が現れて17年前と同じく神の怒りが発動したが、今回は六国の王達が連合して、誰一人殺さないという固い信念の元に行動する。シュゴッダムは国にある全てのシュゴッドを使ってゴッドセミをできるだけ食い止め、ンコソパは全世界に通信で避難場所を指定する、イシャバーナは各国の怪我人の治療、トウフは国内全ての食料の持ち出し、ゴッカンは囚人達を用いての避難誘導、そしてバグナラクは地下を開放して避難民を受け入れる。これらの連携の結果、予定通り全ての人を殺さずに民を避難させられた。
 更に避難を行う中で、ラクレスが献身的に働き、国民達にその思いを伝えることが出来、王としての責任を果たしているのも見所。
 結局思い通りにならなかったことに怒ったグローディは巨大化して星を破壊しようとするが、ゴッドキングオージャーの戦いの末、グローディは撃破され、命を奪うことに成功。
 これで宇蟲五道化は全て消え、後はダグデド・ドゥジャルダンだけとなった。
第48話 さらば、親愛なる民よ

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 グローディを倒しすことが出来た。だがそのためにジェラミーの永遠の命を使ってしまったため、究極の力が得られていないキングオージャーではダグデド・ドゥジャルダンを倒す事は出来なかった。しかしそんな時にみんなの前に現れたダグデドはこのチキューをまっさらにしてしまおうと言ってくる。

 敵はダグデド・ドゥジャルダン。宇宙で誰も対抗出来ない力を持つ。そしてカメジム。唯一残った宇蟲五道化の一人で、国民達の前に現れ、全員を殺害しようとする。
 一旦は手に入れた究極の力を手放してしまったキングオージャーに、ダグデド・ドゥジャルダンを倒す手立てはなく、それでも否応なく戦いはやってきてしまった。ここからは最後の戦いとなる。
 唯一の希望はヤンマがジェラミーのための擬似的な命を作れるかどうかだが、それも時間が必要だが、ダグデドはその時間を許さなかった。
 そのため絶望的な戦いを強いられる事になるのだが、この戦いの中で王達が選択したのは、全国民を宇宙に送り出し、その時間稼ぎで絶望的な戦いを行うというものだった。ラクレスはその脱出計画の指導者で、辛い立場にあったが、真実を知ってしまった国民は皆、チキューに残ることを選択した。ラクレスも心は同じで、全員でチキューに残ることを宣言。
 ラクレスの宣言の直後にカメジムが現れるが、更にその時に死の国からデズナラク8世がやってくる。凄い展開になってきたな。
<チキュー脱出計画だが、一応元の地球という逃げ込む場所はあるのはあるのだが、そこは無視か。>
第49話 王はここにいる

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 王達による全力の攻撃にも全く動じなかったダグデド・ドゥジャルダン、チキューに隕石を落として壊滅状態に貶めた。王達もほとんどが瀕死で、たった一人ギラだけが戦う石を見せるも、国民の脱出計画まで潰されてしまい、絶望の声を上げる。しかし、そこになんと死んだはずの国民達が集まってくる。

 敵はダグデド・ドゥジャルダン。そしてカメジム
 前回ラストで、最後の希望として国民を脱出させようとしたが、それは失敗。しかし結果として、全員チキューに残ったことで全員生き残っていたという。
 更に死者の国であるハーカバーカからこれまで戦ってきた敵達が、ダグデドと戦うために蘇ってくる。その中には前回出てきたデズナラク8世もいるが、それだけでなく、動けない動けないリタとカブラギに代わり、前王カーラスとイロキが王鎧武装していたり。更には始祖の王であるライニオールまで登場と、見所だらけ。
 何の力も持たない一般国民が全員で戦うシーンあり。これまでの作品では決して観られなかった凄まじい描写となる。
 今回は名言だらけでメインの物語よりも台詞を追うだけで手一杯だった。
第50話 俺様たちが世界を支配する

  脚本:高野水登
  監督:上堀内佳寿也
 王と民全てが立ち上がりダグデド・ドゥジャルダンに立ち向かい、最後の戦いが始まった。一方、足りない不死の命のコピーを作るために全ての国の知恵を結集していた。

 敵はダグデド・ドゥジャルダン。そしてカメジム。これまで散々裏切られてきたラクレスとデズナラク8世の怒りで滅多斬りにされた上でデズナラク8世に死の国に連れて行かれる。
 ついに本当のラストバトル。未だパーツが足りず、ダグデド・ドゥジャルダンを殺せない状態での戦いだが、背後で頭脳達が永遠の命の合成を試みており、最終的にそこで結論が出た。実はその永遠の命とは、無限に連なる小さな命、つまり民達の命だった。自らの命を王様に託した時、永遠の命は誕生するというオチ。
 最終決戦はダグデドの部屋の中の血栓となる。実はダグデドはここから外に出ることができず、ここからちょっかいを出すしかない存在だった。そこから放り出された時に力を失い、キングオージャー全員の剣で滅ぶ。
 すべてが終わった時チキューは一度統一国家を作ろうとしたが王達の喧嘩でご破算。その後相手を受け入れることで交流を続ける事になる。終わり方がなかなか洒落ていて良い。
 結局他の勝手な王の間で右往左往しているギラが一番苦労しそうなオチだった。ラクレスは罪人としてゴッカンで労働しているが、それはそれで楽しそうだ。
 恒例のハイタッチは、タッチはなしで、ブンレッドの車にクワガタオージャーを乗せて走っている。
<ダグデドの台詞にはお手玉や独楽といった台詞が出てくるが、出身地は日本なんだろうか?>

 

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