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スパイダーマン

スパイダーマン事典
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 1978'5'17〜1979'3'14

 東映とマーベル・コミックによる「3年間にわたり、お互いのキャラクターを自由に使用してよい」という契約の元、正式に東映で作られた特撮作品。スパイダーマンというキャラクターは使用するものの、原作コミックからは離れ、完全日本オリジナル作品となっている(スパイダーマンには数多くのパラレルワールドが存在するという前提で、本作も公式でその一つに数えられている)。。
 本作の製作位置づけとしては、「ジャッカー電撃隊」「バトルフィーバーJ」の間をつなぐ立ち位置にあり、「バトルフィーバーJ」から本格化されるヒーローが巨大ロボットに乗って戦うフォーマットを作り上げている。
 又本作では戦いの前にスパイダーマンが名乗りを上げるシーンが非常に特徴的で、特に後半は毎回楽しませてくれた。

主な登場人物
山城拓也
スパイダーマン
(役)香山浩介。現藤堂新二。「電子戦隊デンジマン」ヘドラー将軍。「超人機メタルダー」桐原剛造(帝王ゴッドネロス)。
 バイクレーサーだったが、スパイダー星人ガリアにより蜘蛛の能力を与えられ、スパイダーマンとして、父の仇であるモンスター教授率いる鉄十字団と戦う。
モンスター教授 (役)安藤三男。「ジャイアントロボ」ドクトル・オーヴァ、「人造人間キカイダー」プロフェッサー・ギル、「宇宙刑事シャリバン」レイダーなど。
 自称宇宙の侵略者で、生化学の権威者。地球では新聞社の編集長をしている。あらゆる宇宙生物を改造してマシーンベムを作り出す。生命源は人間の生き血で、身体全体をプロテクターで覆っている。最後は自ら巨大化し、レオパルドンと戦う。ちなみに愛車は霊柩車だったりする。
アマゾネス
吉田冴子
(役)賀川雪絵。特撮作品では本作を皮切りに、「太陽戦隊サンバルカン」アマゾンキラー、「巨獣特捜ジャスピオン」ギルマーザなど悪の女幹部役で大活躍した。
 鉄十次団の女幹部でモンスター教授の忠実な部下。マシンベムを率い前線で戦うこともしばしば。人間の姿では吉田冴子と名乗り、週刊誌の編集長をしている。後に正体がばれてからは様々な職業を隠れ蓑にした。モンスター教授を心から慕っていたのだが、失敗続きのためモンスター教授自身が距離を置くようになってしまう。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 復讐の時は来たれり!撃て鉄十字団!!

  脚本:上原正三
  監督:竹本弘一
 バイクレーサー山城拓也はバイクの練習中に謎の声を聞く。その直後巨大戦艦マーベラーが現れた。一方、古代学者でもある拓也の父山城博士は隕石の発掘を始めていたのだが、そこに現れた暴君竜によって殺害されてしまう。更に戦闘員によって瀕死の重傷を負ってしまう拓也だが…
 敵は暴君竜。最初に登場したマシンベムで、まさしく恐竜の姿をした怪人。拓也の父を殺し、原子物理学者の藤田博士を誘拐する。
 スパイダーマン誕生話。最初から拓也はスパイダー星人ガリアによって選ばれてはいたのだが、自ら変身するのは、父を殺された復讐によって。復讐がヒーローとなる契機とは、「仮面ライダーV3」に準じているようだ。更にガリア自体がモンスター教授に対する復讐のために地球に来ていたと言うので、復讐の二度塗りとなる。
 初めてスパイダーマンとなった拓也は色々自分の能力を試してみるのだが、最初にやったのは天井に張り付いて家族の目を眩ますことだった。その後、ビルをよじ登ったり、ターザンよろしくぶら下がって移動したりと、なかなか芸達者なことを見せてくれる。
 口上は「地獄からの使者スパイダーマン」。
<父を殺したとおぼしき足跡を発見した拓也は、一目見て「恐竜の足跡だ」と呟く。この飛躍は勘が良いというより、おかしいんじゃないの?
 それだけ勘が良いのに、普通の人間にしか見えないガリアを敵の宇宙人と勘違いしてなじる拓也。この人の考えがよく分からない。
 スパイダーマンは闘う際、四つん這いになって移動する。なんかとても卑屈に見えるのだが?
 今回の鉄十字団の秘密のアジトはダムの中。東映作品という事が分かるね。
 ところで先に暴君竜の足跡を見て「恐竜の足跡」と喝破した拓也だったが、実際の暴君竜の足下を見ると、ちゃんと靴を履いている。>
<A> <楽>
第2話 怪奇の世界!宿命に生きる男

  脚本:高久 進
  監督:竹本弘一
 ガリアの化身の蜘蛛に促されるまま、夜な夜なスパイダーマンとなりパトロールを行う拓也。そんな時、拓也の知らないところで列車の転覆事故が起こってしまう。不自然な事故に、疑問を覚える拓也。
 敵は双頭鬼。頭と体の二つに分離可能で、頭の方は空飛ぶ脳髄と言った感じ。ビームを用いて列車の転覆事故を起こしていた。体の方は大きな鎌を持つ。合体した途端に巨大化したが、特に体の方はほとんど何も出来ないまま一刀両断されてしまう。
 スパイダーマンとなることで強大な力を発揮する拓也だが、一方それは人間としての生活を大きく阻害する。今回は多少なりともその苦悩が描かれる
 今回はサイドストーリーでガリアと鉄十字軍との因縁が語られる。二人が地球で戦ったのは、400年前。関ヶ原合戦の時だった。その際ガリアは丹沢山中に落ち込み、モンスター教授は眠りについた。スパイダー星人にとっては地球の20年が1年に当たるそうで、だから400年といえ、体内時計では20年にすぎないと言う。
 しかし、最後は蜘蛛に化身してまで復讐のために生き続けたガリアもついに命を失う時がきた。後は拓也の孤独な戦いとなる。
 今回の口上はなし。
<ひとみがいくら親しいからと言って、拓也は上半身裸のまま普通に応対してる。やっぱりこの二人の関係って?
 モンスター教授と戦ったガリアは罠にはまり山中に。その際マーベラーを宇宙に返してしまうが、マーベラーの力で引っ張り上げてもらおうとか思わないの?
 今回の双頭鬼の作戦だが、列車を転覆させて何をしようとしたのか、全くわからないのがなんとも。>
第3話 怪盗001VSくも男

  脚本:高久 進
  監督:田口勝彦
 深夜のビルを標的としていた怪盗001が逮捕されたが、連行途中に鉄十次団によって連れ去られてしまった。その後、次々と泥棒が入り、誰も知らないうちに金庫を盗まれる事件が続発していた。そしてそこに残された“スパイダーマン参上”の文字…
 敵は妖虫鬼。蝉に似たマシンベムで、催眠術を得意とする。怪盗001をとらえ、洗脳してにせスパイダーマンに仕立て上げる。
 特撮には定番といえる偽者の話。ずいぶんと早くこれが起こってしまったようだ。スパイダーマンの評判を落とす罠であるとともに偽スパイダーマンはスパイダーマンをおびき寄せる餌だった。
 初めて山城家の母について言及あり。いつも食事しながら新聞読んでいた父を叱っていたとか。
 今回登場した怪盗001こと岡部役は「ジャッカー電撃隊」の大地文太役の風戸祐介。
 今回の口上「地獄からの使者スパイダーマン」
<スパイダーマンをおびき寄せる餌という割には実際にスパイダーマンが現れると、脅して逃げるだけの妖虫鬼。何のためにおびき寄せたんだ?
 折角岡部を追いつめておきながらパトカーのサイレンを聞いたとたん逃げてしまうニンダー。悪の組織も警察には弱いか?
 スパイダーマンのマスクは布製なので、時々ずれることがある。今回は片目がぐにょーんと伸びている時があった。>
第4話 恐怖の半魚人!奇蹟を呼ぶ銀の糸

  脚本:上原正三
  監督:田口勝彦
 これまでの戦いからスパイダーマンの能力を分析した鉄十時団は、対スパイダーマン抹殺プログラム「運命の書」を作り、必殺のマシンベム半魚人を作り上げる。翌朝、新聞にスパイダーマン死亡のニュースが載っているのを発見した拓也だが…
 敵は半魚人。スパイダーマン抹殺のために作られたマシンベムで、あらゆる能力においてスパイダーマンを上回り、スパイダーマンを市の一歩手前まで追いつめた。両手に持つカッターと、頭から出す殺人ガスが武器。
 昭和特撮作品だと、なんでヒーローの分析をあんなに遅くなってやるのだ?と常々疑問に思うわけだが、この作品だとこんなに早くそれが始まっている。今回は拓也の予知夢通りに罠が進行するため、だんだんとシャレにならない状態に落とされていくことがわかる。
 罠にはまったスパイダーマンとモンスター教授が初顔合わせ。モンスター教授は余裕たっぷりにスパイダーマンを言葉でいたぶり、半魚人を向かわせていた。
 スパイダーマンの体力は常人とは異なり、回復力もすさまじい。半殺しの目に遭っていながら、ちょっと寝ただけで元気いっぱいに動き回っている。
 今回渓流の中でスパイダーマンが必死に岩にしがみつくシーンあり。大変な撮影だ。
 今回の口上。「地獄からの使者スパイダーマン」「スパイダーマン」
<モンスター教授はスパイダーマン抹殺の「運命の書」を作るが、きちんとノートに日本語で「運命の書」と書いてある。わかりやすい。
 折角とらえたスパイダーマンの正体を知ろうとか、毒を使おうとか考えず、まっすぐにマシンベムを向かわせるモンスター教授。なんでこんなに詰めが甘い?結局逃げられてしまったよ。
 アマゾネスと初顔合わせのひとみ。編集長と同じ顔してるのに全く気がつかないもんなのか?スパイダーマンともしゃべってるけど、声がまんま拓也なんだが、これも気づかないらしい。
 激流に落ちそうになったスパイダーマンは間一髪蜘蛛の糸に救われたのだが、スパイダーストリングス使うか、GP-7呼べばそれですんだ気もする。
 半魚人はスパイダーマンに対しては絶対的に強い存在だが、レオパルドンには全く敵わなかった。そりゃ、スパイダーマンの状態で倒すことが前提とはいえ、強弱が極端すぎる。>
第5話 激突マシンGP-7!兄弟の誓い

  脚本:高久 進
  監督:竹本弘一
 鉄十時団のミサイル運搬の現場を偶然見てしまった一郎少年が襲われた。瀕死のその子を救うため、スパイダー星人の血を輸血すべきか迷う。
 敵は鳥神獣。空を飛ぶことができ、左手がロケットランチャーになっている。ニンダーを引き連れ、ミサイル基地をおそう。
 スパイダー星人の血の力の威力を見せつけた作品で、拓也と同じB型の血であれば、これを輸血することで微弱な超能力や、快復力を与えることができる。しかし、これは一般人にいらない力を与えることでもあり、さらに拓也の正体を教えることにもなる。そのために悩む拓也の姿もあり。話自体はそこまで深刻にならずに終わっているが、結構重要な示唆でもある。
 特撮面では、屋根の上でニンダーと戦うスパイダーマンのアクションはすごい。スパイダーマンの姿が消えたと思ったら、次の瞬間別の場所からひょっこりと顔を出す。もちろんスーツアクターが二人いるだけだろうが、効果は満点。それとGP-7とジープの激突なんかもあって見所。撮影もかなり危険だ。
 拓也に対してプロポーズするひとみの姿が見られたりもするが、拓也に簡単にあしらわれてしまい、逆に後で拓也がつるし上げ喰うシーンあり。
 山城家は拓也の妹新子が“大蔵大臣”なのだそうだ。新しいバイクを買うために拓也は新子を拝み倒していた。
 今回の口上はなし。
<鉄十時団のミサイル基地はどっかの廃屋の畜舎らしい場所だった。それでその屋根を駆け下りるスパイダーマンはちょっと倒れそうになって早足で駆けてる。その後、壁に張り付いてニンダーから姿をくらますシーンがあるが、結構長い間壁の上をもぞもぞ動き回ってるので、ちょっと変な感じ。
 鳥神獣の自己紹介途中でGP-7の機関銃を乱射するスパイダーマン。こいつはひどい。
 今回アマゾネス台詞は最初の数語を除けば「おのれスパイダーマン」が二回だけ。>
第6話 戦慄の実験室!悪魔のモンスター教授

  脚本:上原正三
  監督:竹本弘一
 行方不明になっていた拓也の友人松木洋介がひょっこり帰ってきた。洋介の話によれば、鉄十時団にとらわれ、改造手術を施されてしまったという。人間を実験動物として用いる鉄十字団に怒りを燃やす拓也だが…
 敵はロバキラー。人間の数千倍も嗅覚が優れたマシンベムで、脱走した洋介を追って町に現れる。巨大な一つ目が特徴で、左手のミサイルで攻撃する。
 親友の裏切りと、敵の非情さというものがよく現れた話で、上原脚本らしい骨太な物語が展開する。いったん改造手術を受けてしまったからには、もう元の人間の体には戻れず、死んでいくしかない親友の悲しさを描く。
 一方、親友を救うためには家族にも秘密を漏らしてはいけない卓也の緊張感もたっぷりで、ヒーローとして生きることの制約というのもきちんと描かれている。親友の元に向かいもせず、こどもたちと野球に興じる卓也をモンスター教授は「出来損ないのう
 ニンダーの追跡から逃げるスパイダーマンはそこら辺にぶら下がったり、逆さまになって壁に張り付いていたり…ほんとに撮影は大変そうだ。
 そうそう、これまで同じくスパイダーストリングスと呼ばれていたレオパルドンの武器が「レオパルドンストリングス」に変更になった。
 今回の口上「地獄からの使者スパイダーマン」。
<改造手術を受けたという洋介は自分の腹を見せるが、なんか鉄板をリベットでくっつけただけっぽい。えらく安っぽい改造手術だ。
 卓也に対して鉄十時団の秘密をペラペラとしゃべる洋介。見事に必要な情報だけをしゃべるあたり、卓也がスパイダーマンであることを知ってるとしか思えない言動。>
第7話 恐ろしきヒット曲!歌って踊る殺人ロック

  脚本:上原正三
  監督:田口勝彦
 人気ロックグループ“小林幸太郎とBB5”の人気に目をつけたモンスター教授は、彼らをさらい、そっくりなサイボーグを作り上げ、蜘蛛の嫌う超音波発生装置を組み込むのだった。その頃、宇宙科学研究所では鉄十時団を探り出す探知機の開発を進めていたのだが、研究所を鉄十時団のサソラーが襲う。
 敵はサソラー。ネーミング通りサソリ型のマシンベム。両手のハサミと毒針で攻撃する。伸縮自在で、体を小さくさせて研究所に忍び込み、早乙女博士を殺害した。等身大ではすごく強いのだが、巨大化したら、あっけなくレオパルドンに倒されてしまった。
 当時はやっていたブギウギバンドと、科学者誘拐を絡めた話。二つの話をくっつけている感じだが、結構バランスよくまとまっている。
 スパイダーマン賛歌の歌がスパイダーマンを苦しめるという皮肉さが良い。歌が流行れば流行るほどスパイダーマンとして活動できなくなるというのも皮肉だ。こういう時にジャーナリストが知り合いにいると便利で、有名人にすぐにあえる不自然さをカバーしてたりする。
 蜘蛛の本能はスパイダーマンには避けることが出来ず、動物的な本能のため、あたかもパブロフの犬のように苦しめられるという。つまり、一度歌を聴いて苦しめられると、音波を出してなくても苦しむことになる。
 町中に超音波が流れる中、苦しみながら戦わねばならないスパイダーマンの痛みの描写もなかなか泣かせる。その義務感が本能を超えさせ、人の命を救う。少々単純すぎるきらいはあるものの、よくできた話。
<タイトルには「ロック」と書かれているが、ブギは微妙にはジャズ。
 スペクトル光波探知機はインベーダーを探知できるため、鉄十時団はすぐに分かる。と断言する早乙女博士。でも前回の話でニンダーは人間が改造されたとか。インベーダーじゃなくて金属探知器じゃないのか?
 スパイダーマンブギを嫌っていた新子は卓次と一緒に曲にあわせてツイストを踊ってたりする。結構ミーハー?>
第8話 世にも不思議な昔ばなし 呪いの猫塚

  脚本:高久 進
  監督:田口勝彦
 かつて若い娘を襲い、生き血を吸ったという伝説の化け猫を祀る猫塚が荒らされた。その骨を使い、マシンベム“怪猫獣”が作られ、次々に人を襲う。
 敵は怪猫獣。江戸時代にいた怪猫の骨をベースに作られた女性型マシンベム。生前の記憶で若い娘を次々襲う。実は山城家の先祖に封じられた過去を持ち、臭いを頼りに拓也を襲う。右手は脱着可能。
 化け猫の出てくる怪談話。なんと山城家の先祖がこの化け猫を殺した事になっていて(香山浩介2役)、因縁話にもなっている。
 スパイダーマンが事件によくぶつかるのは恋人のひとみが事件を持ち込んでくるから。しかもその取材を指示するのがアマゾネスなんだから、当然か。なんかリアリティがある。
 スパイダーマンに変身する前に怪猫獣に襲われ、高熱を発した拓也を見舞うひとみの姿あり。いつも恋人がこんな目に遭わされているので、心配でたまらないだろう。その割にいつも楽しげにつきあっているけど。
 そして怪猫獣は、幼稚園の園バスを乗っ取ってスパイダーマンを待つ…何という定番キャラだ(特撮の揶揄に用いられることが多いが、実際はそんなに多くない)。
 江戸時代の町娘役で三原順子が登場。あっけなく化け猫に喰い殺される役だった。
 今回の口上「地獄からの使者スパイダーマン」
<江戸時代の風俗に詳しいモンスター教授。400年も生きているから、リアルタイムなんだろうけど、なんで「伝説」を強調する?
 殺されたおばあさんに黙祷を捧げる拓也だが、その後なんの措置もとってない。後でおばあさんがいなくなってるから、見えなかったが連絡はしたのかな?
 命の危機に遭っていながら、次の瞬間スパイダーマンの写真を撮ろうとするひとみ。これがジャーナリスト精神というやつか?
 突如猫封じの儀式を始めるスパイダーマン。そんな簡単に出来る者なのか?
 巨大化した怪猫獣に対し、「お前の名は?」と聞く余裕を持つスパイダーマン。それで名前を聞いて、「良し」と言ってからマーベラーを呼んでる。何が「良し」なんだろう?>
第9話 動くアクセサリーは恋のカブト虫スパイ

  脚本:上原正三
  監督:佐伯孚治
 モンスター教授はブルーダイヤを用いた高性能レーザー光線を搭載したマシンベムカブトンを開発する。山城拓也が怪しいとアマゾネスは、拓也の妹新子と拓治に標的を絞り、カブトンを山城家に潜入させる。
 敵はカブトン。ブルーダイヤを用いた必殺のレーザー光線を搭載している。山城新子をスパイするが、その優しさにふれ、彼女を守ろうとする。
 初めて山城新子が中心となった話。新子の優しさがよく表れており、いつの間にか怪人の方が新子に惚れ込んでしまうという変な話になってる。恩返しよろしく新子に服をプレゼントしたり(そのために店員を殺してるけど)、ブルーダイヤを与えて命を救ったりする。しかし、そのために自分の武器が使えなくなってしまい、レオパルドンににあっさりと倒されてる…良い奴すぎる。
 しかし、本作の最大の悲劇は、カブトンの気持ちを、劇中の人間が誰も知らないというところだろう。周囲からは単なる馬鹿者にしか見えてないのが最もかわいそうな存在で、命を助けられた新子でさえ、何故自分が生き残れたか全然知らない。カブトンは全特撮番組中、屈指の可哀想キャラと言える。
 山城家がスパイダーマンと関わりがあるのではないか?と当たりをつけるアマゾネス。だけど、肝心な拓也には何にもせずに弟と妹を張らせている。勘が良いのか悪いのか判断できない。
 東映の定番大学、城南大学が登場。拓也の父山城教授が在籍していて、現在もその意志を継いで研究を続けている。ところで7話でスペクトル光波探知機の研究が進んでいたのだが、今回の隕石探知機も同じようなものじゃないのか。複数の研究機関が宇宙人に対抗する研究をしてるんだろうか?
 今回の口上。「地獄から来た男スパイダーマン」
<怪我をしたカブトンはアマゾネスに治療を願い出るが一蹴。「なんて冷たい女だ」と恨み言を言ってる。強いキャラなのに、なんと情けない。というより、作戦遂行には必要なんだから、それくらいやってくれよ。
 カブトムシが傷ついたからと言って、消毒する新子。これがアルコールだったらまだ良いけど、仮にアンモニアだったら昆虫には猛毒。
 そんな新子が、生きた昆虫をペンダントにしてるひとみを非難するのは当然だが、自分もカブトンが擬態してるカブトムシをペンダントにしてたりする。新子の優しさってどの程度だ?
 最後のナレーションで「わずかに昆虫の心を残したカブトンの悲劇」という言葉があったが、昆虫に心ってあるのか?
 “山城家の大蔵大臣”と言われている新子だが、まさか自分の胸にあるのが世界最大のダイヤだとは最後まで気づくことはなかった。これは悲劇か、喜劇か。>
第10話 炎地獄にへび女の涙を見た

  脚本:上原正三
  監督:佐伯孚治
 霧深い白蛇山でハイカーたちの集団失踪事件が続発していた。かつて父の山城博士の同僚北沢博士がいることを知り、新子は北沢博士とその娘で友人の志摩子を訪ねていく。
 敵はへび女。新子の友人志摩子が鉄十時団に改造された姿で、普通は人間の姿をしているが、その正体は鱗だらけのサイボーグで、アマゾネスによりコントロールされる。自らの正体をスパイダーマンに知られた事に絶望し、自らの炎を自分に向けて自殺。
 今回も妖怪話。全般的に陰鬱な雰囲気を持った話が展開する。今回登場する妖怪は蛇女。なんか楳図かずおですっかりメジャーになった蛇女だが、ここでもその雰囲気を残している感じだ。主人公も今回は拓也ではなく新子なので、女性ならではの恐怖シーンあり。
 知人がマシンベムになってるということもあって、今回の戦いも変則的で、へび女とスパイダーマンとの戦いのシーンは無く、そのためレオパルドンも出てこない。マーベラーだけが登場し、地下要塞を破壊した。
 最初に暴力的なハイカーが登場。白蛇山の屋敷にいる女性を襲おうとして返り討ちにあってしまう。下卑た顔で女性を襲おうとするシーンは到底こども向きには思えないな。
 妹が重傷になっても放っておき、「鉄十時団はスパイダーマンに任せる」と嘯く拓也をなじるひとみの姿あり。拓也は立つ瀬無しだが、これがヒーローの孤独さってやつだ。
 今回の口上。「地獄から来た男スパイダーマン」
<命令に従わない志摩子に往復ビンタをかますアマゾネス。やってるのが女性とはいえ、これも現代ではやってはいけないシーンだ。
 新子の病室に現れた初対面のへび女を「へび女」と呼ぶスパイダーマン。なんで名前を知ってる?
 へび女は熱に弱いと劇中で言われてるけど、その武器が火炎放射器って、矛盾してないか?マシンベムが弱い理由は、その辺考えないで武器をくっつけることだったかもしれない。
 白蛇山は霧深い山で、洋館が一つしかないのだが、マーベラーが破壊したのは近代的なビルディングだった。どこにこんなのあったんだ?>
第11話 モンスター教授のウルトラ毒殺

  脚本:高久 進
  監督:竹本弘一
 久々に一郎少年と再会した拓也。だがモンスター教授の作り上げた蜘蛛殺しの猛毒を注入され、一郎は鉄十時団によって誘拐されてしまうのだった。瀕死の重傷を負った拓也だが…
 敵は深海王。オウム貝型のマシンベムで深海に住むウミヘビから抽出した対スパイダーマン用に蜘蛛殺しの猛毒を内蔵している。左手の貝殻からは吹雪を出す。スパイダーマンに瀕死の重傷を負わせた。
 一郎少年との再会と新しい仲間の登場となる、物語の節目となる話。スパイダーマンは瀕死の重傷を負わされるが、前に自分の血を輸血することで命を救った一郎の、今度はその血液を逆に輸血することで今度は拓也の方が命を救われる。きちんと伏線になってるのが良い。
 一方今回からインターポール秘密情報部の間宮重三なる人物が登場。電話で「わたしの声を忘れたか?」というメッセージを送っているが、これは先行する劇場版で登場していたとのこと。
 仲間が出来たのは心強い。インターポールを通して秘密裏に病院に運ばれるようになったというだけのことだが、これで正体を大々的に知られることは無くなった。
 東映特撮ではおなじみの橋の上での殺陣が展開するが、橋の欄干に逆さに捕まったり、橋桁の下を這っていったりと、かなり危険なアクションも展開。頑張ってるね。レオパルドンの変形も一部変更。
 拓治が観ているテレビからはピンクレディのモンスターが流れている。時代だな。
 今回の口上。「鉄十字キラー、スパイダーマン」
<アマゾネスからの連絡を受けたモンスター教授は、「何?スパイダーマンに重傷を負わせただと?」と驚いてるが、元々自分の指令だろ?
 左手の貝殻を切断されて苦しむ深海王だが、次に巨大化したら普通に左手が普通の手になって再生していた。>
第12話 華麗なる殺人マシーンへの変身

  脚本:上原正三
  監督:竹本弘一
 今やときめくファッション界。その華やかな業界の裏には人間の欲望が渦巻いていた。ファッションデザイナー東郷浩司に捨てられた元恋人の前にアマゾネスが現れ、悪魔のささやきを彼女に吹き込む…一方、中東から殺し屋が来日したとの情報が間宮からスパイダーマンにもたらされる。
 今回は敵はなし。一応ニンダー達になるだろうか?
 特撮作品で愛憎物語を全面に出すというのは滅多にないのだが、それを敢えて持ってきたところにこの話の特徴があり、更に怪人そのものが出てこない。と、かなりの異色話になった。物語の構造上、レオパルドンも出てこない。
 愛情のために人殺しをしたり、束の間の幸せを守るためにスパイダーマンと戦わせられるなど、女性の強さというか、悲しさが描かれている。しかも最後は本当に自殺してしまう。流石に30分じゃ限界はあるものの、完全大人向きの話。
 スパイダーマンにとって、間宮はもはや完全なパートナーで、その指令があると、何処にいてもとんでいかねばならないらしい。なんかインターポールの職員になりつつあるような?
 拓也が金を稼ぐことが滅多にない事を新子に指摘されるシーンあり。じゃ山城家はずっと父の遺産で食べてるってこと?随分寂しい話だ。
 今回インターポール職員黒木として登場するのは伴直弥。「キカイダー」のジローや「忍者キャプター」の火忍などで東映特撮ではおなじみ。
 今回の口上。「鉄十字キラー、スパイダーマン」。
<敢えて今回の問題点を言えば、美奈子が最初から綺麗な顔をしていたことかな?>
第13話 ドクロ団対悪魔の霊柩車

  脚本:高久 進
  監督:平山公夫
 カメレオンを用いた新たなマシンベムを作ろうとしたモンスター教授だが、ストックしてある人間に気に入った者がおらず、モンスター教授は自らマシンベムの素体となる人間を捜しにでる。
 敵は暴走獣。暴走族のリーダー天野正夫をモンスター教授自らが捕まえて改造したカメレオン型のマシンベム。口から毒液を吐き、長い舌で敵をとらえる。
 暴走族がマシンベムになったら?というコンセプトで作られた話だが、その中で親子の情なども描かれていくと言った、世相を反映した作品となっている。当時社会問題になっている暴走族と家庭内暴力をベースにしたためか、後味も悪い…それが本作の魅力だとも言えるんだが。
 バイクを愛する拓也は、人の迷惑をかける暴走族をとかく嫌っているらしい。一方、自分もまたレーサーになろうとバイクを乗り回していたこともあって、父親の山城博士には相当に複雑な思いを持っていたことが分かる。山城博士自身、拓也がレーサーになることを応援していたが、一方では自分の跡を継いで欲しかったと日記に書いていた。
 通常この手の話であれば、息子が回心して親子共々仲良く。というのがパターンだが、ここでは違う。鉄十字団によって親は殺され、子供は改造されて怪人となった上で容赦なくヒーローに殺される。結果として親子共々死んでしまうのがハードな話だ。
 モンスター教授の趣味は自らマシンベムの素体となる人間を捜しにでる事だという。それでモンスター教授の愛車はなんと霊柩車。これだと怪しまれないためと説明される。別な意味で怪しいと思うんだが。
 今回の口上「親の愛に泣く男。スパイダーマン」
<霊柩車に対し「もたもた走ってんじゃねえよ」とか言って蹴りを入れる暴走族連中…いるかこんなの?しかもこの霊柩車、普通のドライブインに駐車してるんだけど、不思議に思わないものかね?
 不審な霊柩車を追うためにスパイダーマンに変身する拓也。その意味は?と思ったら、モンスター教授に「スパイダーマン」と語らせるためだったらしい。
 山城博士は拓也に自分の跡を継いで欲しかったと言っていたが、大学教授ってのは、才能の問題だからねえ。拓也にそれだけの才能があることを知っていたのかな?
 ラストシーン。正夫の事など何も知らぬ暴走族が相変わらず暴走。たとえ悪を倒しても、スパイダーマンがやってることって、どれだけ意味があるんだろう?と思わせる瞬間。>
第14話 父に捧げよ戦えぬ勇者の歌を

  脚本:上原正三
  監督:平山公夫
 インターポールの間宮との連携で鉄十字団の組織を少しずつつぶしていくスパイダーマン。一方山城拓也こそがスパイダーマンではないかと目星をつけたマシンベムのコウモリ男は、人間に化けて拓也を挑発にかかる。
 敵はコウモリ男。身が軽く、天井に逆さづりで現れたりする。スパイダーマンが拓也ではないかと疑い、大和路夫という人間に化けて拓也を監視する。巨大化すると「ビッグコウモリ」と名乗る。
 スパイダーマンの正体は誰か?という疑問から話が展開する話で、スパイダーマン本人が、ばれないようにいろいろ画策する。正体を知られてはならないヒーローのつらさが存分に描かれることになる。こういう重めの話が普通に出てくるところに本作のおもしろさがあるな。
 知り合いの前では変身することが出来ず、更に能力も出せないので、ニンダーが化けた人間にまで良いようにいたぶり続けられる拓也の姿はあまりに惨めだ。拓次はともかく新子にまでなじられてた。更に変身を見られないようにするため海の中に潜り、ヘドロまみれになってる。ヒーロー稼業も楽じゃない。
 ところで本作に登場した大和路夫は翌年放映となる「バトルフィーバーJ」のバトルジャパン役谷岡弘規。スクリーンテストの意味もあったかも。
 今回の口上。「復讐に燃える男スパイダーマン」
<人間に化けたニンダーを止めるコウモリ男の大和路夫。その意味が全くないんだけど?
 コウモリ男は拓也を監視するためにメカコウモリを山城家に放つ。でもこれってすごく目立たないか?
 海に飛び込んで変身したスパイダーマンは鉄十字団の目をそらすためにGP-7を呼ぶが、当然そこには乗ってない。これが“世界一の男”だったら当然乗っていたはずだが。
 最後のナレーションは「腰抜けだ。阿呆だと言われようとも正体を知られるわけにはいかない」と言っていたが、ヒーローをここまであしざまに言ったナレーションはこれが唯一だろう。
 そもそも悪逆非道が売りの鉄十字団が拓也を殺そうともせず、ただ正体を見ようと言う作戦自体に無理があるといえばある。>
第15話 ぼくたちの命の約束

  脚本:高久 進
  監督:竹本弘一
 拓次の同級生順一は病気の母の代わりに家事をしていた。そんな順一の姿に心打たれた拓也は彼のためにスパイダーマンとなって順一と遊んであげる。だが、順一は持病の心臓病が悪化してしまう。
 敵はキラー一角獣。機械のとさかがついた恐竜みたいな怪人。登場直後に倒されてしまった。きぐるみが勿体ない。
 病気のこどもを力づけるという、なんかどっかのスポーツ選手みたいな行動をしてるスパイダーマンが描かれる。
 今回は少年とスパイダーマンとの交流が中心なので、戦いのシーンはとても少ない。いっそニンダーとの戦いのみで終わらせても良かったくらいで、折角登場したキラー一角獣も登場から破壊まで1分足らずで終わってる。
 今回吉田冴子がアマゾネスであることがスパイダーマンによって見破られた。そもそもがひとみがスパイダーマンの美談として記事にしようとした事が事の発端だった。
 今回の口上「約束に命をかける男スパイダーマン」
<心臓の弱い順一を励ますつもりで、「君にも出来る」と言ってアクロバットを披露するスパイダーマン。絶対無理。
 順一の見舞いに訪れたスパイダーマンだが、病院の中までは拓也の姿で行けばいいのに、スパイダーマンになってビルからビルに飛び移りながら移動していた…そのお陰でニンダーの群れにも気付けた訳だが。
 病室から運ばれた直後に手術を受けている順一。普通隔離されてから執刀まではしばらく時間必要なんじゃなかった?
 手術直後の順一の病室を訪れ、寝てる順一を叩き起こすスパイダーマン。すげえ迷惑。>
第16話 名犬よ父のもとへ走れ

  脚本:上原正三
  監督:竹本弘一
 キャンプを楽しむ山城家兄弟のところへ突然やってくるシェパード。その犬に導かれた拓也は遭難したイサム少年を見つける。自分のことを何も喋ろうとはせずに別れるイサムに、ニンダーが迫る。
 敵はムカデ鉄人。ムカデ型のマシンベム。話の都合で出てきただけっぽく、登場して巨大化してレオパルドンに倒されるまで1分弱。
 何らかの責任者が敵に捕らわれ、その子がヒーローと協力して父を助け出す。見事に東映特撮のフォーマットに則った話だが、当初出てくるのが少年だけで、話が進むにつれ謎が解けていくといった構造は珍しい。そのためスパイダーマンも協力しようにも出来ないという歯がゆい話が展開していく。
 あと、今回はシェパードのリッキーが大活躍。賢い犬らしく、演技もしっかり出来ている。最後にスパイダーマンの元へ拓也が落としたサングラスをくわえて持ってくる辺り、正体を知られてはならないヒーローの哀愁もそこはかと演出している。
 今回の口上。「犬笛にむせび泣く男スパイダーマン」
<父親の元に行こうとするイサムと、それを阻むニンダー。普通だったら捕らえて人質にしてしまうものだが、別の考えがあったんだろうか?と思ったら、やっぱり人質にしてる。やってることが一定してないぞ鉄十字団。
 前回のキラー一角獣に続き、今回のムカデ鉄人も登場から倒されるまで1分弱。着ぐるみが勿体ない気がしてならない。
 いくらこれから死ぬからと言って、スパイダーマンを縛り上げながら正体を見ようとしないアマゾネス。やっぱりこの組織問題ないか?
 ダムの破壊はモンスター教授の地球来訪400年を記念してのことだったらしい。この後行われたんだろうか?>
第17話 プロレスラーサムソンの涙

  脚本:高久 進
  監督:佐伯孚治
 有名なプロレスラーの兄を持ち、自身もプロレスラー志望のサムソンは、強くなりたいと願っていた。そんなサムソンの前に現れたアマゾネスは、言葉巧みにサムソンを誘い出し、改造手術を施すのだった。
 敵は岩石男サムソン。強くなりたいプロレスラーのサムソンが改造された岩石男。怪力を誇り、スパイダーマンとレオパルドンをかなり苦しめた。
 強くなりたいという弱いプロレスラーと、引き裂かれる兄弟の悲しみを描いた作品で、改造された弟は兄を殺し、更にレオパルドンに殺されてしまうという、本当に救いようがない作品に仕上がっている。
 山城拓也の周囲にスパイダーマンが出没していることから、拓也がスパイダーマンでは?と疑うアマゾネスの姿があり。まともに考えれば、正しい推測なのだが、これ見よがえしの罠だったため、拓也に簡単にばれてしまっている。
 先に吉田冴子がアマゾネスであることがばれてしまったが、それ以来冴子は出社しておらず、そのため週間ウーマンは廃刊の危機にあることが分かる。
 今回サムソンの兄中田役は八名信夫。
 今回の口上。「冷血動物マシンベム殺しスパイダーマン」
<吉田冴子がアマゾネスであることを知っている拓也は、ひとみに「命があるだけ奇跡だ」と言っているが、その割には今まで放置しっぱなしだったな。
 ビルを易々と登るスパイダーマンの姿があるが、よく見ると両手両足が浮いてるシーンもある。つり下げてることモロバレ。
 強くなったことを誇るサムソンがやったのは、兄をトラックでひき殺すことだった。これで強くなったと言えるのか?しかもちゃんとシートベルトもしてるよ。
 巨大化したサムソンのサイズはばらばら。最初は10数メートルだが、次に現れた時は港のコンテナを遙かに超える大きさになってる。>
第18話 母の胸に甦る少年

  脚本:押川国秋
  監督:佐伯孚治
 下校途中で大金の入った鞄を拾った岡田良一少年は、母加代に鞄を託する。だが加代が警察に持っていこうとしたところ、鞄はニンダーによって奪い取られてしまった。泥棒扱いされた良一少年は、自分と母の身の潔白を証明しようと鉄十字団へと乗り込もうとする。
 敵は食虫植物。全身緑色の植物型マシンベム。巨大な口からなんでも吸い込み、体に入ったものを毒液に変えてしまう。精製した毒液をはき出す。ツタ状の鞭を武器として使用。
 大金を奪われてしまう少年が中心となった話。鉄十字団としては、そんなのはした金だが、人の心を荒ませるため、敢えてそういう作戦を取ったと説明される…つまりは単なる嫌がらせだと言うことだ。でも、そういう嫌がらせが続くと、人心が荒むのは事実。効果的とは言えないまでも、着実に悪を蔓延らせる作戦ではある。
 今回アマゾネスの服装が次々に替わるのも見所。デパートの店員とか、ジャージ姿とかまで登場してる。
 ここでも目の前にひとみがいるため変身できず、駄目男呼ばわりされる拓也の姿があり。必ずこう言うシーンが入るのが本作の特徴だな。
 今回の口上。「母と子の愛の絆を守る男スパイダーマン」
<鞄を取られたという事実を息子の良一に話す加代。でもその際「鉄十字団に取られた」というのは飛躍しすぎ。
 吉田冴子の姿を捨てたアマゾネスは、様々な職業に身を扮しているが、一日でどれだけ仕事してるんだろう?
 食虫植物に吸い取られそうになったアマゾネスを「危なかったな」とか言いつつ高笑いして見ているモンスター教授…お前は部下をなんだと思ってるんだ?
 拓次に「良一君のお母さんは悪い人じゃないよね?」と言われ、「そんな人じゃない」と自信を持って答えている拓也。そんなに知ってるわけ訳ないだろ。
 追跡装置のスパイダートレーサーは初登場。でかすぎるから、すぐにばれそうだけどね。
 今回のレオパルドンは変形した途端にソードビッカーを使って食虫植物を撃破。戦いが10秒足らずって、最短記録?>
第19話 まぼろしの少年地図にない村

  脚本:上原正三
  監督:竹本弘一
 突如拓也の前に超能力を持つ少年が現れた。その少年山田史郎は拓也がスパイダーマンであることを指摘した上で、生け贄に捧げられることになっている自分の姉を救って欲しいと言ってくる。
 敵はカメンガー。マシンベムではなく、かつて戦争のために宇宙人が作ったロボット。天ヶ原村の守護神像そのものだった。鉄十字団の手により復活し、自警団の荒木によって操られる。最初から巨大なまま登場。
 不思議な少年に連れられ、不思議な村へと迷い込むスパイダーマンの姿が見られる話で、どことなく外伝調だが、生身でスパイダーマンと互角に戦う普通の村人とか、不思議な感覚にあふれている。一応鉄十字団との連携も見られている。ただ、話が少々詰めすぎの感があるので、前後編にしてほしかったな。
 拓也が幻影で新子と拓次が襲われている姿を見るが、大変サイケデリック調で、なかなかよろしい。
 今回からアマゾネスの髪の毛は真っ赤に変わった。個性的といえば言えるけど、趣味悪いぞ。
 村人の中にやたら個性があるのがいるなあ。と思ったら、潮健児じゃないか。普通の格好してるから、瞬間的に分からなかった(いつも変な恰好ばっかりしてるから)。
 今回の口上。「モンスター退治の専門家スパイダーマン」
<村を出ることを極端に恐れる天ヶ原村の住民だが、着ている服とかこどもが使ってる虫取り網とか、普通に売ってるものじゃないか?
 もったいぶって登場したカメンガーも、いつものようにソードビッカー一撃で破壊されてしまう。もうちょっと使い道があったんじゃないかな?
 ラストシーンで天ヶ原村の道が消え、村を探すスパイダーマンの姿があるが、一々ポーズを取りながら探してる。誰かに見せてるのか?>
第20話 謎が謎を呼ぶ私の出生の秘密

  脚本:曽田博久
  監督:竹本弘一
 拓也が家庭教師となった家の娘石原陽子は実は予知能力を持つ超能力者で、そのことを知った鉄十字団は陽子を狙っていた。
 敵は原始人。猿のような風貌で怪力を誇り、スパイダーマンを200メートルも投げ飛ばす。
 偶然家庭教師を頼まれた家庭の子が超能力者で、しかも鉄十字団に身柄を狙われるという出来すぎの話。でも何とか整合性を持たせようと苦労している脚本が見て取れる。
 中学生くらいになると、自分は本当に両親の子か?とか、自分は特別なこどもではないか?と疑問に思うものだが、それが時に暴走することがある。そんな中学生の心理に踏み込んだ物語となり、最後にちゃんとあるべき場所に着地と、意外にしっかりした物語が展開する。
 家庭教師をするという拓也に対し「働く気になったのは良いけどねえ」とあきれ顔の新子と、面接書類に「美人中学生」と書いてあるのを気に病み、拓也に襲いかかるひとみ。今日も山城家は平穏無事だ。それで顔中絆創膏だらけにしているところをアマゾネスに襲われ、顔をすりむく。今回の拓也は受難の日だな。
 陽子役は東映特撮によく登場する柿崎澄子。背伸びしたい思春期真っ盛りの少女役をうまく演じていた。
 今回の口上。「愛のために血を流す男スパイダーマン」
<鉄十字団が探し当てたという少女が人違いだったというのが分かるのだが、それ位調査しろよ。それを人違いだとスパイダーマンは気づくのだが、それも何で分かったのか不明。
 あんな真っ赤な髪の毛を持った女と、化け物そのものの原始人がやってきているのに、平然と受け答えする神父。肝が据わっていると言うべきか、単に鈍いのか…>
第21話 大空に散る父の愛

  脚本:高久 進
  監督:竹本弘一
 インターポール秘密情報部の潜入捜査員津田は鉄十字団の秘密軍事訓練基地を発見し、それを発信したのだが、その姿をアマゾネスに発見されてしまう。インターポール日本支部から連絡を受けた拓スパイダーマンはなんとか津田を救うことには成功したが、津田は瀕死の重傷を負っていた。一目息子の姿を見たいという津田の願いを叶えるべく、GP-7を走らせるが…
 敵はタンクバッファロー。戦車とバッファローの合成怪獣で、体を丸めて戦車形態にもなれるクモ殺しの殺し屋の集団リーダー。デザインも良いんだが、ほとんど何も出来ないままソードビッカーに貫かれて爆死。
 非情なインターポール秘密情報部捜査官の親の情を描いた話。ここで親子の再会がないまま、親の方が死んでしまうのが本作らしい。
 本物のヘリコプターを使ってのチェイスシーンもあり。かなり危険なスタントだが、金かけてるな。
<津田を捕まえたのは良いけど、基地をどこかに移そうという考えのないアマゾネス。当然スパイダーマンに発見されてしまう。
 秘密基地に潜入したスパイダーマンは見張りを殴りつけるのだが、その後何故か見張りの鉄兜をかぶって登場。その鉄兜を使って殴りつけていた…コントか?
 鉄十字団のヘリコプターを奪って操縦するスパイダーマン。免許は持ってるの?それ以前にGP-7を最初から呼んでいたら問題なかったような?
 クモ殺しの殺し屋集団はアマゾネス直々に訓練を受けて、特別なマスクも作ってるんだけど、結局スパイダーマンの相手にならず。何のための訓練だったんだ?>
第22話 暗い運命に泣け父と子

  脚本:高久 進
  監督:佐伯孚治
 生きるために人間の生き血を必要とするモンスター教授のために次々に人間を襲うドクロ怪人。死体に一滴の血も残っていないという不可思議な事件を、フリーカメラマンとなったひとみが追う。そんな中、大滝ジュンという少女だけが何故か無傷で返される…
 敵はドクロ怪人。見た目のまま骸骨のマスクをかぶった怪人。杖の先に付いているドクロ型の爆弾を投げつけて攻撃する。そして白衣怪人。元タクシー運転手だったが、娘の目の治療費を稼ぐため騙されて鉄十字団に入れられた。
 親子の情を描く話。これも又父親が既に怪人にさせられていて、娘を救うために自ら犠牲になるという、悲しい話になっている。こういうパターンが実に多いのだが、それが本作の持ち味だ。
 鉄十字団に改造された人間は人間の情を失ってしまっていたが今回は辛うじて意識を保っていたようだ。どこかに違いがあるのかな?
 ラストでジュンを安心させるため、「お父さんは旅に出た」と騙さざるを得ないスパイダーマンの苦悩もあり。
 今回の口上「情け無用の男。スパイダーマン」
<無関係の拓也にジュンの病状から家族形成まで全部喋ってしまう医師。随分親切な人だ。
 娘のジュンを助けたことで「今なら遅くはない」と白衣怪人を説得するスパイダーマン。いや、遅いと思うぞ。
 ドクロ怪人はよく見ると左半身が赤く塗られ、右半身が青く塗られてる…キカイダーなのか?>
第23話 家なき子たちに愛の学園を

  脚本:曽田博久
  監督:佐伯孚治
 新子の知り合いである大空学園に慰問に来た山城一家。そこにやってきた卒園生中村五郎はいきなり羽振りが良くなっていた。ほかにも同様の話があることがあり、一月前まで一文無しだったという五郎に不審を覚えた拓也は調査を始める。
 敵は魔女猿。カジノクラブ「魔女の館」を経営し、若者から金を巻き上げていた。マシンガンを仕込んだ杖が武器。
 今度鉄十字団が目を付けたのは若者たちだが、その際孤児院にまで手を出している。なんか作戦としてはしょっぱいが、持ってない人間から金を搾り取るとは、あまりにリアリティあふれすぎてキツイ描写が目白押し。ただ、それをのばせなかったのは脚本の限界かな?
 ここでも人前では弱いふりをしなければならない拓也の哀しみが描かれる。無敵のスパイダーマンも、人に知られてはならない以上、こういうハンディキャップを持つ。これがあるから本作は面白い。
 今回珍しくレオパルドンは登場せず。マーベラーの状態で魔女猿を粉砕している。
 今回の口上「家なきこどもたちのために涙を流す男スパイダーマン」
<孤児院の園児に突然一万円札を配る五郎。この描写はやりすぎ。
 鉄十字団が経営しているという「魔女の館」はチェーン店が500軒を超えたとか言っているが、公営ギャンブルは日本では禁止されてます。ところで、あんな不気味な猿が店をやってるのに、誰もそれを不思議に思わないのは何故?
 スパイダーマンに金を借りようとする五郎。ギャンブルにはまると周囲が見えなくなるとは言うけど、ここまでするのか。
 ところでスパイダーマンが新宿の街中を走ってるシーンがあるが、通行人が不思議そうに見ていた。これってゲリラ撮影だろうか?
 前半部で謎の霧に包まれたスパイダーマンはその能力を封じられてしまったが、これについての言及はなかった。後の話で明かされるのだろうか?
 今気が付いたが、マーベラーのコックピットには何故か電話の受話器が置いてある。400年前に作られたという割には随分と近代的?それよりこれ、何に使うの?本物の電話?>
第24話 ゴキブリ少年大戦争

  脚本:高久 進
  監督:田中秀夫
 ゴキブリを投げつけるなど悪さばかりを繰り返し、学校では「ゴキブリ野郎」と言われて嫌われている小学5年生の竹内雷太。そのことを注意しようと雷太に会いに行った拓也は、雷太の目に寂しさを見る。実は雷太の父親が失踪してしまっているのだ。雷太少年に父親を返すことを約束するスパイダーマンだったが…
 敵はゴキブリコンビナート。ゴキブリ型の怪人で、額から鉄十字団が開発した毒ガスを噴霧する。
 ゴキブリ型の怪人は東映特撮では一種の定番ではあるのだが、ここまでゴキブリを画面に出した作品は前代未聞だろう。にしても、食事時にこれ流したら、非難の手紙が来るぞ。
 悲しい話が続いている本作だが、今回の話に限っては完全なハッピーエンド。物語自体がシンプルで特徴がない分、どうもゴキブリばかりが目立ってしまった。
 今回の口上「鉄十字キラー。スパイダーマン」
<サラ金にたかがこどもが乗り込んだだけでアマゾネスまで出てきて、しかもアジトにまで引っ張ってくる。一応脅迫を兼ねているようだが、今回のサービスぶりは過剰だな。
 今回のアマゾネスの服装は露出度が高い白い服。真っ赤な長髪と見事にミスマッチ。
 インターポール秘密情報部の通風口に毒ガスを流し込むのが今回の作戦だそうだが、毒ガスを放出するゴキブリコンビナートなんて怪人がいる以上、そんなまどろっこしい事をする必要は無いと思うぞ。
 結果として、こどもを囮に使って鉄十字団のアジトを発見したことになるスパイダーマン。これはこれで結構卑怯なやり方のような?
 ゴキブリコンビナートが出す毒ガスをかなり長く浴びているスパイダーマンや雷太はぴんぴんしてる。新開発の毒ガスってどの程度の威力なんだか。>
第25話 秘宝と犬と複成人間

  脚本:松下幹夫
  監督:田中秀夫
 5年前怪盗107号によって「エジプトの星」という貴重なダイヤが盗まれた。そのダイヤを狙う鉄十字団は、その犯人が拓也と仲良しの信行少年の祖父中山であることを突き止め、アジトに拉致するのだった。孫のため、秘宝の在処を決して喋ろうとしない中山だが…
 敵はガニ魔。カニから作られたマシンベム。堅い甲羅を持ち、左手には巨大ハサミとマシンガン、頭からレーザー光線を出し、胸からは金属をも溶かす泡を出す。全身武器といった感じだが、能力を活かすことなくレオパルドンに瞬殺されるのもいつものこと。
 家族の情を扱うのは東映特撮では定番中の定番。しかし、捕まった人間が簡単に殺されてしまうのは、本作の特徴とも言える。しかも宝の在処は完全に分からなくなってしまったし、少年にも全く秘密は明かされなかった。
 ところでこの中山というお爺ちゃんの事を考えてみると、とても深い悲劇があるっぽい。娘はどうやら私生児を産んだらしいし(それが信行)、その事は中山にも喋ってなかったらしく、深い父娘の断絶があったらしい。それで可愛い孫を引き取ったら、今度は自分が殺されてしまった。しかも孫を守るためとして世界最大のダイヤを盗んでいた…絶対こども向きの設定じゃないな。
 ラストで「おじいちゃんは何故殺されなきゃならないんだ」と絶叫する少年が印象深い。悪人でなくても殺されてしまう番組のやるせなさを叫んでいるようだ。
 今回の口上。「少年の友達。スパイダーマン」
<カニを見つめて「又必殺のマシンベムが作れる」と悦にいるモンスター教授。しかし、今まで必殺のマシンベムなんていたっけ?
 GP-7を走らせていたスパイダーマンは信行少年の飼い犬ジョンをあっという間に見つけてしまう。スパイダー感覚ってすごいなあ。
 宝の地図を手にしたアマゾネスにスパイダーストリングスを放つスパイダーマン。ストリングスはアマゾネスの腕を拘束するのだが、次の瞬間地図の入ったお守り袋はスパイダーマンの手に。便利な機能だ。
 一応ダイヤって個人のものじゃなくて世界の宝なんだから、地図を燃やさず、後でこっそり取って、然るべき所に返すのがヒーローの役割じゃなかろうか?9話のブルーダイヤに続いて2回目のダイヤ紛失になる。スパイダーマンも随分迷惑なことをしてる。
 最後にどこに行ったか分からなくなってしまったエジプトの星の姿が見られるが、これダイヤじゃなくて水晶じゃないのか?
 ところでタイトルの「複成人間」だが、これって「複製人間」が正しいんじゃなかろうか?>
第26話 絶対ピンチのにせものヒーロー

  脚本:押川国秋
  監督:竹本弘一
 定時制高校に通う宮口順一はチンピラに絡まれ、何もできない自分に嫌気がさしていた。そんな順一のもとに一本の電話がかかってきた。「あなたの未来を変える」という誘いに乗った順一だが、そこに行った順一はなんとスパイダーマンと間違えられてしまう…
 敵は噴火獣。火山のエネルギーを持ち、体に溶岩を吹き出す火山口をいくつも持っている。珍しく設計図が登場した。
 前にもあったスパイダーマンの偽者作戦が展開。要するにスパイダーマンの評判を落として国民から糾弾させようとするのがねらいだが、この作戦は効果的なので、積極的に使った方が良かったと思われる。
 今回は拓也よりも偽スパイダーマンに仕立て上げられた青年の成長物語にされており、スパイダーマン自身は都合の良い時に登場するヒーローの役割に徹している。
 同時にマスコミの暴力を描いた社会派作品として観ることもできるだろう。マスコミの操作であっという間に人はヒーローにも悪人にもされてしまう。
 今回の口上。「悪のカラクリを粉砕する男。スパイダーマン」
<ビルを登るスパイダーマンだが、両手両足が壁から浮いてるようにしか見えないので、空中浮遊に見える。更に言えば、窓に釣り糸が映ってるけど…
 わざわざアマゾネスのもとに順一を救うために現れたスパイダーマン。でもアフターケアを忘れてるため、あっという間に順一は再びとらわれの身に。
 今回噴火獣には設計図が登場。絵と実物は随分違ってるみたいだけど、そんないい加減で良いのだろうか?
 警官を集団暴行するシーンあり。現代では許されない描写だ。それより、順一を救い出すためにスパイダーマン自身が刑事に暴行してるんだけど。
 巨大化した噴火獣を前に、空を飛んでるGP-7から一旦わざわざ降りてマーベラーを呼ぶスパイダーマン。GP-7に乗ったまま呼ぼうとは思わなかったのか?>
第27話 さらば戦友愛しのセパード

  脚本:高久 進
  監督:竹本弘一
 モンスター教授はガリアが400年間幽閉されていた丹沢山中の洞窟から蜘蛛を採取させ、その体液からスパイダーエキスを抽出した。このスパイダーエキスを犬に嗅がせ、スパイダーマンの正体を暴こうとする。
 敵は登場せず。スパイダーマンを追うシェパードが敵といえば敵か。そのため、レオパルドンも登場しないで終わった。
 劇中何度も出てくるスパイダーマンの正体を探ろうとする鉄十字団の努力が描かれる。これまで何度も失敗しているが、これもやっぱり失敗が描かれる。
 今回特筆すべきは犬と少年の友情話だろう。飼い犬だけでなく、犬全体に愛情を注ぐ少年の心がスパイダーマンを助け、鉄十字団のテロ活動を未然に防ぐこととなる。犬の演技もとてもいい。
 久々にアマゾネスは吉田冴子の名前を使い、ひとみと接触する。すぐに正体を明かしているので、単に拓也を引っ張り出すために脅かしただけだが。
 今回の口上。「物言わぬ動物の愛情に泣く男。スパイダーマン」
<スパイダーマンを追うのにスパイダーエキスなるものを使っているが、これまでの戦いから、十分にその断片は採取できてるはずだから、そんなものは不必要な気がするのだが?
 ひとみに対し高圧的な態度に出るアマゾネス。それに怯え、「あなたの言うことだったら何でも聞きます」とか言ってしまうひとみ。いつもの勝ち気な態度はどうした?というか、これが本性?
 今回は犬に頼りっぱなしだったが、いつものスパイダー感覚はどうした?
 犬にスパイダーマンを探させるという作戦自体は良いのだから、次にも使えば良かったのにね。>
第28話 駅前横町の少年探偵団

  脚本:松下幹夫
  監督:小林義明
 駅前横町に住む少年たちが少年探偵団を結成した。それを見ていた伸子たち女の子はそれがうらやましくて仕方ない秘密基地を探しに行ったのだが、なんとそこにあったのは鉄十字団の秘密基地だった。あじとが発見されたと思いこんだアマゾネスにより監禁されてしまうのだった。
 敵はマグニナマズ。ナマズ型のマシンベムで、地震を起こすことができる。地震発生装置の中にいるときはあたかもロボットのような風貌だが、装置が解除されると、オタマジャクシのような姿になる。
 タイトル通り駅前横町の少年少女が中心になって話が展開する。少年が中心になることは多くても、少女が中心になることは少ないので、結構貴重な話かも。少年の方も活躍してる。少年探偵団という名前はこどもにとってはお馴染みであこがれでもあるので、それを最大限活かそうとしてるのだろう。そのため話は結構陽性に仕上がってる。
 下町が舞台なので、スパイダーマンが銭湯で演説してるシーンなんかもある。ミスマッチのようで、不思議とはまっているのが面白い。
 今回拓也はひとみからは役立たずと呼ばれ、少年探偵団からは軽いいじめに遭う。本人は常に眠そうと全然良いところなし。それがスパイダーマンとの良い対比になってる。
 今回の口上。「親の心子の心。大切な心を守る男。スパイダーマン」
<「鉄十字団は利用した人間は必ず殺してる」と言ってるスパイダーマン。前にひとみとかも利用されてたけど、ぴんぴんしてるね。
 地震発生装置の要で装置に接続されているマグニナマズをスパイダーマンに向かわせるアマゾネス。勿体ない使い方だ。
 トラックで町を去るアマゾネス。マグニナマズは運転席に入りきらないため、荷台に載せて出発。公道を走ってるとなかなかシュールだ。>
第29話 急げGP-7時間よ止まれ

  脚本:上原正三
  監督:小林義明
 鉄十字団は軍資金稼ぎのため、爆弾オオカミによる大企業を狙う連続爆破事件を起こしていた。次に狙ったのは日の本商事の杉井会長だったが、その爆発に巻き込まれ、運転手の久保が巻き込まれてしまった。更なる反抗を防ぐため、インターポールからの情報を手に入れたスパイダーマンが調査に乗り出す。
 敵は爆弾オオカミ。大企業を狙って爆弾テロを起こす。右手にガトリングガン、背中にはミサイルを装備してる。なんでも「高いものを見ると爆破したくなる」のだとか。迷惑な。
 爆弾テロに対するヒーローの役割。ヒーロー特撮だとこれが軽めに描かれがちだが、本作はかなり頑張って悲劇的な作品に仕上げてる。実際人が死んで、それを描写するのは本作らしい手法だ。ラスト、死んだ人間は決して戻ってこないから、生き残った人間が前向きになるしかない。というシーンも明るいが重い。
 珍しく怪人が最初から事件に関わっているし、等身大での戦いがメインなので、どっちかというと演出的には「仮面ライダー」っぽくもある。
 スパイダーマンが戦いに嫌気をさす描写あり。一話くらいこう言うのがあっても良いんだが、そういえばスパイダーマンの漫画や映画版でもこういう話はあったな。そういえばひとみが自分のことを「フリーのカメラマン、生活がかかってる」と言ってるシーンもあるが、これも原作のピーターがよく口にする言葉だったりする。オリジナルを意識してるのかな?
 今回の口上。「爆弾魔を退治しに来た男。スパイダーマン」…そのまんま。
<爆弾オオカミがやってることは、夜の内に車に時限爆弾を仕掛けておくというやり方。怪人でなくてもできるような気がするけど?
 車に仕掛けられた爆弾の破壊力はすさまじく、近隣のビルまで全部吹っ飛んでるのだが、実際には車は小破で、乗っている人間も少しの間は生きていたし、焼けこげてもいなかった。どんな爆弾だったんだ?
 爆弾を仕掛けてあるビルにニンダーを残したまま安全圏に逃げるアマゾネスと爆弾オオカミ。中に残ったニンダーは見殺しか?>
第30話 ガンバレ美人おまわりさん

  脚本:曽田博久
  監督:佐伯孚治
 ある日拓也は警察署を覗くニンダーを発見する。逃げるニンダーをバイクで追いかける拓也だが、スピードを出しすぎたため、ミニパトに追いかけられる羽目に陥る。それがもとでとうとう留置所にぶち込まれることになってしまった拓也だが…
 敵はアンコウパト。警察に捕まったスリの男を脱走させた。人に幻覚を見せることが出来る(と言っても車をパトカーに見せるだけだが)。
 物語の基本はドジな女性が鉄十字団を捕まえようとして、結果スパイダーマンの足を引っ張りまくるという、ややコメディ的な話だが、見所が多い話。
 ヒーローはこの世の法律に縛られない…訳ではないことを如実に示した話で、鉄十字団を追っていた拓也は警察に捕まってしまってた。実際、見過ごされがちだが、どんなヒーローでも多かれ少なかれ、必ず法律に抵触してる。しかもそれで拓也を救おうとするのは、善意の一般人というのも面白いところ。なかなか細かいところを突いてくれる。
 一方、スパイダーマンは警察にも頼りにされてるのだが、そこの部分はスルーか。そこまで描いて欲しかった。でも警察とヒーローの連携って結構珍しいかも。
 警察が関わるだけあって、カーチェイスシーンも多い。というか、今回ほとんどカーチェイスばかりやってた気がする。アンコウパトとはまともに戦ってないもんな(接触したのは輸送車の運転席から引きずりおろしたときだけ)。
 そうそう。今回スリ役で登場したのがきくち英一。「帰ってきたウルトラマン」のスーツアクターで、様々な特撮作品で、特技や顔出しで活躍した重鎮。
 今回の口上「亡き兄に復讐を誓う姉弟に心を打たれる男。スパイダーマン」
<拓也を守ろうと署名を呼びかける新子とひとみだが、ひとみの方はいつの間にかカンパになってしまってるあたり、性格が表れてる。
 茜を懲戒免職しようとした城北署の署長に、「そんなことはしない。ね、署長さん?」と、日本的な脅迫の言葉を吐くスパイダーマン。なかなか性格が悪い。それ以前に任務を忠実に果たしただけの婦警をいきなり首を言い渡す事自体が問題だが。
 偽パトカーの写真を見て、「ナンバーが普通乗用車のもの」と見破るスパイダーマン。一般人にしては細かい観察眼だ。それより、アンコウパトは普通車をパトカーに変えるだけの能力がありながら、そこは出来ないのかよ。
 コバルトXの輸送にはタンクローリーが使われてる…液体なの?
 コバルトX輸送車の前に立ちふさがる茜のミニパトを見てアンコウパトが一言。「暴走パトめ」。怪人にそれを言わせるなよ。
 コバルト爆弾を作るため、という名目はあるものの、そのためにわざわざ警察からスリの男を脱走させ、盗聴器をネクタイピンに取り替えさせるというまどろっこすぎる作戦を展開してる。マシンベムをそのまま輸送車にぶつけても結果は変わらないんじゃないのか?>
第31話 明日なき子連れ刑事

  脚本:上原正三
  監督:竹本弘一
 今日本では若者を中心にマッシュと呼ばれる幻覚剤が流行しており、これが元の犯罪も起こっていた。そおルートの裏に鉄十字団の影を感じた拓也は調査を開始するが、そんなスパイダーマンの前に表れたのは子連れの麻薬Gメン立花豪だった…
 敵はキノコンガー。毒キノコの成分と自分の体に生えたキノコを混ぜ、幻覚剤マッシュを造り出す。一年前立花刑事の妻を殺したらしい。
 あの宮内洋がゲスト出演した話で、この人が出た以上、すべて一人で持っていってしまうのは自明の理。案の定、今回のスパイダーマンの存在感はとにかく低い。いやあ、しかしスパイダーマンと早川健の競演ってだけでも眼福かも。「日本一の男」よろしく一年前の事件の事件を追って悪者を拷問したり、ギターにマシンガンまで仕込んでたり、崖から落ちてもピンピンしてるタフネスさとか…そのまんまじゃん(ついでに言うとこれだけは“日本一”じゃない歌唱力も。
 一方、スパイダーマンはことごとく捜査を立花に先行され、更に樹海の中で道に迷う。徹底的に今回は宮内洋の話に持って行かれてしまってる。
 今回の口上。「キノコ狩りの男。スパイダーマン」…なんだよそれ。
<ネーミングだが、豪の息子の名前は猛で、姓は立花…どっちも『仮面ライダー』で出てきた名前だよね。競演もしてるし。
 宮内洋の美声が聴ける話でもある…だから、この人には歌わせちゃ…(笑)
 スパイダーマンは予備のマスクを少なくとも4枚顔に付けていることが分かった。それ自体もツッコミどころではあるのだが、確かスパイダースーツって全身ワンピースじゃなかったっけ?
 キノコンガーが母親を殺したと叫ぶ猛。あれ?このマシンベムって一年前から活動してたの?一度も出てこなかったけど。
 レオパルドンによって一撃のもと粉砕されたマッシュ密造工場。でも麻薬工場を壊す前に解毒剤なんとかしないとあかんのじゃ?>
第32話 甘くささやく妖女

  脚本:松下幹夫
  監督:佐伯孚治
 東京に大停電を起こそうとする鉄十字団。発電所の図面を奪うため、アマゾネスは開発者である杉本の後妻に入り込み、杉本から図面を奪おうとするが、誤って墜落死させてしまった。何かの情報を杉本の娘京子が持っていると睨むアマゾネスは京子を襲う。
 敵は電気ミミズ。発電所を襲ったマシンベムで、体にある高圧電流で攻撃する。地中が好きらしく、危険が迫るとすぐに地面に潜る。
 相変わらずといえば相変わらずだが、まどろっこしい作戦を展開する鉄十字団と、それによって被害を受ける少女の災難が描かれる。今回登場した杉本京子役は上田かほりだが、この子を目立たせるためだけの話っぽい。設定自体がかなり無茶な話だけど、アメコミっぽくはあるか。
 今回の口上「大東京の停電を阻止する男。スパイダーマン」
<東京に停電を起こすだけのために結婚までしてしまうアマゾネス。鉄十字団にかける情熱は凄いけど、ここまでやる必要がどこにあるんだ?
 相変わらずちゃっかりしてるひとみは、拓也にバイト代が入ったことを知ると、「手料理を作って上げる」とか言い、拓也に食材の代金を払わせてる。なるほど、それで拓也はいやな顔をしていたのか。
 スパイダーネットで電気ミミズを捕らえるスパイダーマン。発射失敗らしく一旦ネットが腕からはみ出してから発射されてる。
 曇りガラスの向こうを大股開きで降りていくスパイダーマン。シルエットしか見えないが、股間は巧みに隠されてるのが撮影の妙。>
第33話 男の子をイビる野生の凄い少女

  脚本:高久 進
  監督:竹本弘一
 ひとみが撮った少女の写真が週間心グラビアを飾った。だが、そのモデルの少女花子が持つペンダントは、かつてモンスター教授が滅ぼしたスパイダー星を滅ぼした際、奪ったものだった…
 敵は火炎ギツネ。「お稲荷さんの守り神」を自称し、スパイダー星の財宝の在処を知る花子から情報を得ようとする。左手から火炎を噴出させる。
 タイトルは凄いけど、内容は少女とスパイダーマンとの交流が描かれる話。しかし、この少女というのが一筋縄ではいかず、手加減をしてるとは言え、スパイダーマンに近い運動能力を持つ。そんなお転婆な女の子が成長する過程を描いた話になっている。
 「遊び」と称して罠やパチンコなどでスパイダーマンを追いかける花子。ほぼ人間の能力を超えてるが、これはスパイダー星のペンダントの能力だとか。
 今回の口上。「野生の少女に味方する男。スパイダーマン」
<お稲荷様にあげた油揚げを取ったという理由でカラスを棒でぶっ叩く花子。動物虐待。
 400年もの間、スパイダー星の財宝を探していたというモンスター教授。なんとも気が長い話だ。
 初めて自分の写真がグラビアを飾ったと言うことではしゃぐひとみ。でも前に「週間ウーマン」で巻頭写真飾ってたような?
 フリーとなったひとみは写真を使ってもらえなかったので何度もカメラをたたき壊したのだという。カメラパーソンとしては、自分の武器であるカメラを自分で壊すなどもってのほかだと思うのだが。
 財宝を狙っていたはずのモンスター教授は、いつの間にか不思議な力を持つペンダントだけを狙うようになる。目的がころころ変わるな。お陰で結局財宝の在処は分からずじまい。
 ところで今回レオパルドンのソードビッカーの発射がレバーで行われていた。いつもはでっかいボタンを押して発射するのに。
 出稼ぎに行って墜落死した花子の父親がどこで働いていたか分からない。と報告され納得するモンスター教授。400年探してきて、それで良いのか?そんなの追うの難しくないだろうに。>
第34話 びっくりカメラ殺人事件

  脚本:曽田博久
  監督:竹本弘一
 伸夫少年はUFOを撮影したと友達に写真を見せるのだが、偶然通りかかった拓也とひとみにより、それが合成写真とばれてしまう。袋だたきにあいカメラまで壊された伸夫を心配して伸夫に事情を聞くのだが、これは父の形見で、それで驚く写真を撮りたかったと言う。それでひとみから新しいカメラを借りて早速撮影に出かけるのだが、なんとそこで殺人現場を目撃してしまう…
 敵はスクラップマン。スクラップガスを噴出する能力を持つ。その合成工場をパトロールしていた。
 ひとみに弟子ができる話。しかし、その弟子というのが結構はた迷惑な少年で、本人に悪気がない分かなりやっかいな存在。でも、そんな少年の心を大切にするスパイダーマンの姿も合わせて描かれる。
 大人は嘘を言う。だが、カメラは嘘をつかず、それをこどもが見ている。という、ある意味警告になってる話でもあった。
 今回の口上。「カメラのレンズは真実を見る瞳。曇り無き瞳を信じる男。スパイダーマン」
<こどもたちにまで「三流カメラマン」と揶揄されてしまうひとみ。なんともいじられてるなあ。
 普通の町中で殺人を起こし、更に目撃者もいるというのに「二重三重に防衛策を取ってる」とか自信満々のアマゾネス。その自信どっからきてるんだ?
 山代拓也が事件を嗅ぎ回ってると聞いたモンスター教授は拓也を「うつけ者」呼ばわりする。それは良いんだが、拓也が風邪を引いてることまで知っていた。なんだかんだ言って関心があるのね…ツンデレ?
 鉄十字団と聞いて及び腰のひとみ。そしてそれをなじる新子だが、いざ自分が行け。と言われると、やっぱり逃げてしまう。それが普通の反応ではあるのだが…
 スクラップガスを浴びたニンダーは鉄の塊になるのだが、現場に最後まで残っているアマゾネスは無傷。
 それでスクラップガスを浴びた富田社長は骨にされてしまうのだが、転がってるのは白骨ばかり。服はどうなった?
 ところでスクラップマンの右目のタコメーターの上には小鳥が乗ってる。デザイン的なお遊びなのか、それともこれがモンスター教授の趣味なのか?>
第35話 秘境アマゾンから来たミイラ美女

  脚本:高久 進
  監督:小林義明
 東亜大学の考古学研究所に保管されていた2体のミイラを奪った鉄十字団は、それを2体の美女として蘇らせる。だが、そのミイラを保管している洋館に一人の少年が入り込み…
 敵はタイガーポンプ。虎型のマシンベムで、ミイラから蘇ったベラとリタをサポートするために登場。マーベラーのカノン砲と撃ち合いとなって倒された。
 新しい敵ベラとリタの登場話。アマゾンで発見されたミイラから復元された人間で、外国人二人。以降対スパイダーマン用の殺し屋として短いながらレギュラー出演する。それで問題はアマゾネスの方で、二人に嫉妬心を覚えているのが面白い。モンスター教授も二人の美女に囲まれてまんざらでもなさそうだ。
 一応話としては、弱虫の少年がスパイダーマンと共に戦い、勇気をもらうという流れに持って行ってるが、ベラとリタに全部持って行かれてしまった感じ。
 今回の口上。「少年の勇気に希望を見た男。スパイダーマン」
<モンスター教授はミイラのことを「ミイラー」と伸ばした発音してる。こういうしゃべり方をするキャラがいると、なんかほっとする。
 復活したベラとリタは何故か修道服姿。これってモンスター教授の趣味か?
 ナレーションで進一少年が友達から「臆病者」呼ばわりされていると説明されるが、スパイダーマンはそのことを知らないはず。>
第36話 タマネギ鉄仮面と少年探偵団

  脚本:上原正三
  監督:小林義明
 突如日本に飛来した謎の物体。これはモンスター教授がミラクル星から呼び出した異星人だった。それを偶然目撃してしまった杉田源太少年は、その物体が落下したところから、宇宙人らしい存在が現れるのを見る。
 敵はドクター・ミラクル。モンスター教授が呼び寄せた。可憐な女性の姿で現れるが、タマネギを使った秘薬により怪人化する。ゴリラや蜂にも変身し、スパイダーマンに毒を注入した。真っ赤な傘と鉄仮面がトレードマーク。モンスター教授に好意を持ち、鉄十字団の幹部となるはずだったが、巨大化したところをソードビッカーで瞬殺。
 前回のベラとリタに続き、今度は異星から美女…戦いの際はアルカイックスマイルをへばりつけたどう見ても男。役は「ジャッカー電撃隊」のカレン水木役のミッチー・ラブ。なんか彼女もモンスター教授には好意を持っているらしい。アマゾネスといい、ここの女性キャラの好みはよう分からん。なんか三角関係のようなものになっており、結局ドクター・ミラクルはアマゾネスに見捨てられてしまった。
 徹底して少年視点から描かれたため、話は大変コミカルなものになってる。大体変身の秘薬ってのがタマネギから作るってのもふざけた話だが、そんなコミカルな敵に良いようにあしらわれ、危機に陥るスパイダーマンも情けない。
 蜂の毒にやられ、車椅子でもがくスパイダーマンがひたすら哀れ。
 今回の口上。「不死身の男。スパイダーマン」
<ミラクル仮面の登場シーンは、鉄仮面がタマネギのいっぱい入った麻袋をかついで歩いてるシーン。なんかシュールな光景だ。ところで空から落ちてきたのは鉄仮面の顔だったけど、これが宇宙船なのか本人なのかは不明。
 源太少年が主催する少年探偵団の名前は「マンマン探偵団」だとか…凄いネーミングセンスだ。
 ミラクルビーに二度目刺されたスパイダーマンは、一度蜂に刺され、抗体が出来ていたと言っていたが、実は蜂は一度刺されると、その抗体は激しいアレルギーを起こす。二度目に刺されると死んでしまうこともある。
 スパイダーマンを捕らえたドクター・ミラクルは、基本的に何もやってない。殺すなり正体を暴くなりすればいいのに。わざわざ自分が鉄仮面に変身するまで待つことも無かろうに。
 自分の体に蜂の毒の抵抗があると悟った途端元気になるスパイダーマン。悟っただけで良いのか?
 巨大化したドクター・ミラクル。レオパルドンを前にやったやりとりは「いくぞ」(ドクター・ミラクル)、「ソード・ビッカー」で終わり。ちょっと話くらいさせろよ。>
第37話 地獄からの密使えん魔大王

  脚本:高久 進
  監督:佐伯孚治
 オカルト研究家の沢井により、えん魔大王の復活が予言された。それを聞いた息子の正夫少年は、スパイダーマンに知らせようと、ビルの屋上からスパイダーマンに呼びかける。
 敵はえん魔大王。地獄の王。スパイダーマンに倒されたマシンベムのエキスを使って作り上げた秘薬を用いて現世に蘇った。マシンベムのエキスを得ているため、巨大化能力も有する。そして使者復活の秘薬によりタイガーポンプ、キノコンガー、スクラップマン、火炎ギツネが蘇る。
 話としては相当荒唐無稽で、えん魔大王なる存在が地獄から甦ってくるのだが、何をしたいのか全く分からず、ただ暴れてる内に話が終わってしまう。見ているほど頭が痛くなってくるような話になってる。高久進は無難な脚本を書く人なんだけど、これだけはぶっ飛びすぎ。まともにレビューするのが阿呆らしくなる。子役の演技も下手だし。
 予言者沢井役を演じているのは三谷昇。何かと特撮にはよく出てくる人だが、こういった不気味な役がよく似合う。
 今回の口上。「孤独な少年のために戦う男。スパイダーマン」
<沢井はタロットカードを使ってえん魔大王の復活を予言…宗教が全く違うんだけど。
 ビルの屋上からスパイダーマンに呼びかける正夫少年。まあ予想通りというか、すっかり「かわいそうな少年」にされてしまった。
 えん魔大王は真っ先に沢井を殺すのだが、その際の台詞は「お前は占いによって儂の復活を知ったから」だそうだ。何の関連がある?
 父の死体を見た正夫少年は、「これでもお父さんは嘘を言ってるの?」とスパイダーマンをなじる。それって父の死よりも大切なのか?
 突然ニンダーを殺し始めたえん魔大王に対し、「いくらえん魔大王でも無法な行いは許さんぞ」とか言うアマゾネス。無法って、法の範囲内なのか?
 えん魔大王によれば使者復活の秘薬は「地獄の名物」なのだとか。死んだニンダーやマシンベムも生き返らせてるけど、ニンダーってロボットって設定じゃなかったっけ?
 前の戦いでベラとリタに重傷を負わされたスパイダーマンは二人に対し「容赦はしなかった」。フェミニズムとは無縁の存在だ。>
第38話 ブリキの一番星と少年探偵団

  脚本:曽田博久
  監督:佐伯孚治
 芦田博士が開発したボツリヌス毒素の小型カプセル。それを購入しようとしたアマゾネスに対し、芦田は100億円を要求するのだった。そのことを聞いていた養女のめぐみはそのことを夕焼け探偵団の玉川三郎に相談するが…
 敵はムシバワニ。食いついたら絶対離さないという顎の強さが武器だったが、甘いものが好物で、それをスパイダーマンに見破られて敗退。その後イレバワニとして再生する。イレバワニは折れた歯を金歯にさしかえたもの。緑湖のミッシーと間違えられた。
 後半になってよく出てくるようになった少年探偵団の話が今回も展開。ただ、今回は探偵団のメンバーがみんな抜けてしまい、リーダー一人が奮闘しているのが特徴で、そんな彼らが友情を取り戻すまでが描かれていく。
 恩人が悪者だったら?というテーマもあるのだが、そちらの方はやや話が薄まってる。後半の特徴かな?
 今回の口上。「100メートル先に落ちた針の音をも聞き取る男。スパイダーマン」「少年探偵団の友情を信じる男。スパイダーマン」。今回は2回あった。
<敵マシンベムの名前がムシバワニと聞いたスパイダーマンは、思わず「ならば甘いものが好物だと見た」とか言って、「ケーキが落ちてる」と叫ぶ。良いのかそれで?それ以前に何で虫歯?
 三平とみどりの会話を盗み聞きする拓也を「アベックを覗くなんて趣味悪い」と叱るシーンあり。アベックとは懐かしい言葉だ。
 緑湖にいる怪物だからミッシー。それはそうと、湖じゃなくてこれ沼じゃん。
 スパイダーストリングでイレバワニとベラとリタを拘束するスパイダーマン。時折縄が2本になったり3本になったりする。>
第39話 格闘技世界一大会

  脚本:上原正三
  監督:小林義明
 バイクを走らせていた拓也は卍の字が浮き上がった蜘蛛の巣を発見する。その直後殺気を感じる。一方、覆面プロレスラーのキラー・ネルソンを追っていた麻薬Gメンの立花は、鉄十字団の罠で世界的な格闘技大会に連れ込まれていた。
 敵は大力士ファイター大鳥人ファイター。完全人間型のマシンベム。大鳥人ファイターと共に各地の強い人間に挑んでは、腕を持った人間を連れ帰り、腕がないと殺して回っている。
 スパイダーマンが格闘技大会に参加するという、妙な話で、当時のプロレスブームに乗っかった感じの物語に仕上げられている。応援するニンダーもリズムに合わせて踊ってたりして、ノリも良し。
 再び宮本洋演じる立花刑事の登場。前回にもましてますます早川健そのものになってる。格好良いけど、凄いネタっぽい。スパイダーマン絶体絶命の危機に、ギターを爪弾きながら登場するなど、もはや完全に早川だ。
 格闘技世界選手権大会主催者のモンスター教授は久々に外に出ているが、スパイダーマンと直接顔を合わせるのは珍しい。
 今回の口上。「格闘技世界チャンピオン。スパイダーマン」ノリノリだな。そもそも人間を超える能力を持ってるんだから、そんなこと言う必要ないだろうに。
<息子に腕を披露するためだけにライフルをぶっ放す立花。仮にも刑事がそんなことをしていいのか?
 キラー・ネルソンは覆面のまま、荒野を車で走ってる。
 スパイダーマンが現れた直後、立花を家につれてくる拓也。絶対正体ばれてるよね?
 よく見たら立花の乗ってるジープと鉄十字団のジープは同じナンバーだな。
 スパイダーマンも恐れをなすほどの実力者大力士ファイターだが、GP-7にはねとばされただけであっけなく絶命したようだ。えらく弱いな。>
第40話 さらばゼロ戦の謎

  脚本:松下幹夫
  監督:小林義明
 第二次大戦中に設計された素晴らしい性能を持つ零戦が設計されたが、行方不明となっていたその設計図に目を付ける鉄十字団は、零戦の設計者を次々に襲い、設計図を奪おうとするのだった。
 敵は空爆エイ。本来ゼロ戦のエンジンを積み、空中から攻撃するはずだったが、結局空を飛べないままスパイダーマンに挑み、あっけなく倒された。最後まで意味のある言葉は一言も喋らなかった。
 ラス前なのだが、いつもの話が展開してる。いろんな設定を詰め込んだ結果、妙に中途半端な話になってしまったが、それも味か…あるいは最終回近くになって、息切れしたか?
 今回はアクションシーンに随分時間使っているが、踊り場から飛び降りたスパイダーマンがその直後階段下を這ってるシーンがあるけど、これってやっぱり二役かな?
 今回の口上。「鉄十字キラー。スパイダーマン」。久々のフォーマット口上。
<モンスター教授は過去を見る機械も作っていたらしい。そんなものがあるなら、情報面で世界征服は容易だと思うけど。
 新型ゼロ戦がいくら強力だと言っても、所詮はレシプロ機。それを後生大事に持っている必要ってあるのかな?そもそも超科学の持ち主であるモンスター教授がゼロ戦を欲しがる理由が希薄。
 重傷を負った小原と共に救急車に乗ってるスパイダーマン。当時でも肉親以外は乗ってはいけなかった(現代では誰も乗っては行けない)。
 折角スパイダーマンを罠にかけておびき寄せたのに、そのことをべらべら喋ってしまうアマゾネス。口は災いの元だな。>
第41話 輝け熱血の勇者

  脚本:上原正三
  監督:小林義明
 謎の密告者によって鉄十字団の秘密基地のありかを知ったスパイダーマンは、次々と基地をつぶしていく。アマゾネスはそれがインターポールの手によるものと考え、インターポール本部の襲撃を提案する。
 敵はアマゾネスベラリタ、そしてモンスター教授が巨大化したビッグモンスター
 いよいよ最終回。ここにきていきなり鉄十字団内部の内紛が描かれていく。モンスター教授にとってアマゾネスはもはや不必要な存在であり、そのことを知ったアマゾネスは、なんとか最後の名誉挽回をしようと必死の行動に出ている。ここまで健気な敵幹部はとても珍しい存在だ。それだけモンスター教授を愛していたということなんだろう。一方ベラとリタもモンスター教授にべったりだし、なんでモンスター教授ってそんなにもてるんだ?
 そんなアマゾネスの必死の行動は、ついにスパイダーマンの正体を見抜き、更にスパイダーマン自身を一旦は倒す。だが、復讐の念に燃えるスパイダーマンは復活。モンスター教授によってアマゾネスは粛正されてしまった。
 振り返って見るに、この話はアマゾネスこそが主人公であり、ここまでモンスター教授に仕えてきた悪の女傑の壮絶な死をもって実質的に話は終了してしまったとも言える。死んだとは言え、最後においしいところを全部持って行かれてしまったな。以降はベラ、リタ、モンスター教授とあっけなく倒してしまうし、話自体がかなり慌ただしいので、出来ればアマゾネスの死で一旦閉じて、もう一話モンスター教授との決戦を描いて欲しかったところだ。
 スパイダーマンが最後の気力を振り絞るシーンは、「俺に復讐の力を」と念じているが、ヒーローが怨念によって強くなるなんてのは、結構珍しい話ではある。この作品全体の前半部分はそれに準じてはいたんだが、後半すっかりこどもの味方になってたしね。
 海岸線の岩場での戦闘シーンがあるが、これは相当に危険。命の危険さえあるぞ。
 今回の口上。「鉄十字キラー。スパイダーマン」。原点に戻ったか。
<モンスター教授の目的は、一旦水爆によって地球人類の大半を殺し尽くし、その後人類の王として君臨することだそうだ。そんな放射能まみれの地球に未練あるのか?
 アマゾネスによれば、前からスパイダーマンが山城拓也であったことを知っていたそうだ。だったら、もっと早く処置していれば。
 それにしても、最後の最後に登場したビッグモンスターが弱すぎるのがなんとも。せめてアークターンとかレオパルドンストリングス程度は使わせて欲しかった。ほかの敵と同じくソードビッカー一発で終わりだもんな。>