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暴太郎戦隊ドンブラザーズ

暴太郎戦隊ドンブラザーズ事典
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書籍

2022'3'6〜2023'2'26

主な登場人物
桃井タロウ
ドンモモタロウ
(役)樋口幸平。
 ドンモモタロウに変身する青年。赤ん坊の頃にモモ型のカプセルに乗って人間界にやってきたという過去を持つ。尊大だが、一切の嘘をつくことが出来ないため、大変素直な性格をしている。
鬼頭はるか
オニシスター
(役)志田こはく。
 オニイエローに変身する女性で一応主人公キャラ。高校生漫画家で、漫画賞をもらうほどの実力者だったが、突然の盗作疑惑で世界から嫌われてしまう。そこで絶望に駆られていたときにタロウと出会ったことからドンブラザーズの一員となった。
雉野つよし
キジブラザー
(役)鈴木浩文。
 キジブラザーに変身する青年。コンサルタント会社に勤める既婚者で、妻のみほを溺愛している。自分には何の取り柄も無いと思い込み、やや卑屈な性格をしている。感情の起伏が激しいため、鬼に取り憑かれやすく何度となく鬼に変身させられてしまう。
猿渡真一
サルブラザー
話数 タイトル コメント DVD
第1話 あばたろう

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 21年前。空から落ちてきたモモのような形をした宇宙船。それを拾った桃井陣は、その中に赤ん坊がいることを発見する。そして時は流れ、漫画家となった女子高生鬼頭はるかは漫画賞授賞式の帰りでなんと鬼に襲われてしまう。そこに現れた謎の人物に救われるが、その日以来はるかは異次元空間が見えるようになってしまう。

 敵は騎士竜鬼。鬼頭はるかの同級生吉岡が変身した鬼。そして騎士竜鬼ング。騎士竜鬼が巨大化したものだが、より顔は鬼に近づいている。
 新戦隊は随分雰囲気が違う。少なくとも第一話の主人公は戦隊で言うところのイエローに当たるオニシスターだし、戦隊のレッドも謎のまま。異世界を覗いてしまった鬼頭はるかが自分自身が何者かを探す話になっている。
 最初にはるかを助けてくれた人物が救世主で仲間だと思ったら、全く違っていたという展開も意外。色々とイレギュラーだらけの話だった。
 レッドであるドンモモタロウは他の戦隊のリーダーの姿になることが出来ることも分かった。今回はゼンカイザーに変身してる。ちなみにモノクロのゼンカイザーともの言わぬゼンカイジュランも登場。センタイギアを回収していた。色々謎だらけだが、そのまま突っ走ってる感じ。今回回収したのはリュウソウジャーのセンタイギアだったようだ。
<盗作ってのは連載時に分かるのが普通だが、漫画賞を取った後で発覚した時点で普通ではない。当然それはおかしいのだが、その突っ込みは誰も入れてない。
 眼鏡を装着すると異次元が見え、人間に擬態した鬼が見えるって、まんま『ゼイリブ』なんだが、このパクリは構わないの?>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 おおもも、こもも

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 鬼の出現によって何もかも失ってしまった鬼頭はるかは、喫茶店「どんぶら」でアルバイトしながら、謎の男から告げられた桃井タロウという人物を探していた。

 敵は烈車鬼。若くなりたいと願う磯野さなえという女性に鬼が取り憑いて誕生したヒトツ鬼。さなえをどんどん若くするが、凶暴化させて人々を襲うようになる。そして烈車鬼ング。倒された烈車鬼が巨大化して、そのまま列車のような姿になったもの。
 今回も鬼頭はるかが中心だが、徐々に他のキャラの描写も出始めた。今回はキジブラザーに変身する雉野つよしを描く話。新婚ほやほやで幸せなはずが、何の因果かはるか同様眼鏡を手に入れてしまったことで異世界と関わってしまったというキャラ。他にもイヌブラザーに変身する犬塚翼と、まだ変身していない猿原真一が出てきているが、彼らはまだたいして描写されていない。前回からことある毎に出てきた宅配配達人がやっぱり桃井タロウであり、ドンモモタロウだと分かった。そして絶対嘘を言えないということが分かった。
 前回ドンモモタロウが他の戦隊キャラに変身したが、それは他のメンバーも可能。イヌブラザーキジブラザーがそれぞれリュウソウブラックとリュウソウピンクに変身していた。
 一方敵方も前回のソノイに続き、ソノザが出現している。頭の意匠で、ソノイがバロム1、ソノザがカゲスターと分かる。出現する鬼と彼らは連動している訳ではなく、鬼を成敗するために出てきているように見える。ただし、彼らによって退治されると鬼の元となった人間の命も消える。一方ドンモモタロウに倒されると、人は助かる。
 ところで五色田介人が回収したギアをドンブラザーズが使えるのだが、その関係性はなんだろうか?ちゃんと説明されるのかどうか。
<オープニングははるかによる「訳のわからないうち戦士になった」というナレーション。訳が分からないのは観てるこっちだ。
 元(?)ゼンカイザーの五色田海戸に向かって「全力全開で違います」と言い切ってるはるか。それだけで笑える。
 キジブラザーがリュウソウピンクになった時に「これ女の子のやつじゃん」と慌てていたが、たかだかあんな短いスカートだけでよくそれが女性だと分かったな。
 ストーリーの都合上、女性の年齢を聞く描写が度々出てくるが、コンプライアンス的にはあんまり褒められない。>
第3話 あかりどろぼう

  脚本:井上敏樹
  監督:中澤祥次郎
 「生きる事が仕事」と言って日々気まぐれに生きる“風流人”猿原真一はある日スマホを拾ったことでサルブラザーに変身する妖になった。それ以来様々な不幸が襲いかかるが、それも受け入れて飄々と日常を受け入れていた。一方鬼頭はるかはついに桃井タロウを見つけるのだが…

 敵は快盗鬼。人の家から照明を盗む配達員クロクマという男が変身させられた。踊りながら攻撃してくる。倒したら巨大化することなくルパンレンジャーのギアを落とした。
 ようやくはるかと桃井タロウがちゃんと遭遇した。ただはるかの方はタロウのことを全く知らないため、色々すれ違っている内にやっと理解するという脚本。会話のすれ違いは良くも悪くも井上脚本のお得意パターンで、いかにもと言った感じ。
 初めてドンモモタロウの変身シーンが出てきた。それで強制的に他のメンバーも変身状態で集められてる。
 はるかは刑事の叔母の家に居候していることが分かった。あんまり仲は良くないみたいだ。
 おしかけバイトのはるかは上から目線でタロウに命令してる。こう言うキャラって見てて苛つくが、そこから成長に持って行こうとしてる姿勢は感じ取れる。これまでの井上脚本はフォローしないので、少しは現代に合わせたか。
 戦いでのフォームチェンジは、前回手に入れたギアを使ってトッキュウジャーになっていたが、イエロー、ピンク、ブルーの三人だけ。
 三人目の敵幹部ソノザが登場。頭部の形状から「コンドールマン」かららしい。快盗鬼を消したのはソノザで、命まで奪っていた。本当に人が殺されるのは本作の特徴だな。
<桃井タロウを探すために宅配業者のバイトをするというはるか。馬鹿じゃないの?>
第4話 おにぎりのおに

  脚本:井上敏樹
  監督:中澤祥次郎
 桃井タロウをようやく探し当てたはるかだが、ドンモモタロウとなった桃井タロウは突然他のドンブラザーズのメンバーに襲いかかる。そこでタロウに会えと言った桃井陣を探し当てたところ、タロウの過去について話される。一方宅配便が一時休業となったため、コンサル会社でアルバイトをすることになったタロウは、そこで雉野つよしと出会う。

 敵は超力鬼。おにぎり屋のオーナーである水野幸雄が美味しいおにぎりを作ろうという執念から誕生した鬼で、「超力戦隊オーレンジャー」ベースのピラミッド型。
 桃井陣の告白でタロウの過去が明かされる。何でも出来る上に正義漢が強く嘘をつけないタロウは本音を言いすぎて嫌われてしまったという…問題として、話に全く関わりが無く、別にそんな過去はどうでも良いという点。実際はるかも「訳わかんない」と言ってた。
 何故かコンサル会社のアルバイトとなったタロウがおにぎり屋を立ち直す話になってるが、話の流れはモロに「仮面ライダーカブト」である。流石同じ脚本家だけのことはある。オーナーには技術を、従業員にはやる気を伝える。ただし、桃井タロウ自身は嫌われてしまう。
 他にもはるかと牧原真一がお互いにドンブラザーズの一員である事に気づいた。これで真一も桃井タロウのことを知った。ドンモモタロウが仲間を攻撃するのは自分たちを鍛えるためだと推測して、戦い終了後に二人でドンモモタロウに襲いかかるが、あっけなく退けられてしまった。あとタロウと雉野がお互いのことを知っていき、徐々にメンバーが固まってきた。
 今回のアバターチェンジはリュウソウピンク、ルパンイエロー、ルパンブルー、リュウソウブラックの四人。
 そして今回もソノニが現れて超力鬼を殺そうとしたがドンモモタロウに防がれた。そして今回も巨大戦はなし。
<そもそも従業員がこんなにやる気が無い店自体がおかしいと言えばそれまで。
 特訓した水野のおにぎりを食べたタロウは「日本で二番目においしいおにぎりだ」と言ってる。どこかで聞いた台詞だ。>
第5話 たてこもったイヌ

  脚本:井上敏樹
  監督:渡辺勝也
 指名手配の逃走犯として警察に追われている犬塚翼は逃走中に偶然はるかと出会い、運命の一目惚れと言って人質になってくれと頼む。これがマンガのネタになると思ったはるかはノリノリでその狂言に付き合うことにする。

 敵は警察鬼。定年前に手柄を立てたい刑事狭山健児が犬塚翼を追っている内に執念によって変化した。そして警察鬼ング。ドンゼンカイオーに倒されてパトレンジャーのアバタロウギアを落とす。
 5話にしてやっとはるかがドンブラザーズ全員の本名を知った。随分遅くなった。全員向いてる方向がバラバラなので、会話が成り立ってない。バラバラに一人一人ヒーローやってる感じだな。
 桃井タロウ曰く、「幸せが分からないから、人を幸せにして幸せを学ぼうとしているのだとか。
 今回のアバターチェンジはリュウソウブルー、ピンク、ブラックの三人。イエローがいないため、オニシスターはチェンジ出来なかった。
<猿原真一は特徴的な帽子に和装で、まるで金田一耕助。
 パンを食べてしまったお詫びに行った家で「困ったことはありませんか?」と聞いた桃井タロウに、すぐに用事を言い渡す主婦。切り替え早いというより、この世界の人間はモブも含めて全員異常すぎる。
 変身アイテムのサングラスを落とした翼だが、警察鬼に追われて逃げ込んだ先にそのサングランスがあった。偶然にしては出来すぎだな。
 メンバー中二人がCGなので、合成に違和感が出まくってる。>
VOL.2
<A> <楽>
第6話 キジみっかてんか

  脚本:井上敏樹
  監督:渡辺勝也
 仕事で失敗続きで落ち込む雉野つよしは、着実に仕事に成功している妻のみほにもコンプレックスを感じていた。そんな雉野に、何でも上手くいくポイントを使ってみないかと誘う五色田介人。一方、桃井タロウに、ドンブラザーズとは何なのかと問い詰める鬼頭はるかと猿原真一。だがタロウ自身何も分からないと言うだけだった。

 敵は動物鬼。頑張る看護師の切田という女性が人を助けたいという思いから変化したヒトツ鬼。倒されるとジュウオウジャーのアバターギアを落とす。
 今回は雉野つよしが中心。何事も自信を持てない卑屈な人間なのだが、一度自信を持ってしまうと鼻持ちならない性格になってしまうという、なかなか素敵なキャラだと分かった。愛する妻を喜ばせるために強くなりたいという思いが空回りしてしまう。妻がいないとアイデンティティを保てないらしい。
 はるかと真一は、何も知らない同士、ドンブラザーズとしてどうすれば良いのかとタロウを問い詰める。そもそも「何故戦うのか」が全く分からない戦隊って初めてでは?
 ドンブラザーズとなると、何かのポイントがたまり、それを使えば幸運が舞い込むことが分かったが、ポイントは有限のため、すぐに使い切ってしまう。
 そして敵組織について、桃井陣が少しだけ語っている。脳人という高次の世界の住人がこの世界に干渉しており、彼らが欲望を持つ人間をヒトツ鬼にしてしまう。脳人は人間の感情を理解しようとしているようだ。
 アバターチェンジはキジブラザーがパトレン2号。
 今回つよしにポイントを与えたのは五色田介人だったが、ドンブラザーズのポイントを全部管理している描写があった。そもそもポイントとは一体何なのかが全く分かってないけど。
<何でも出来てしまうから得意な者が何もないというタロウ。これもどこかで聞いた台詞だ。>
第7話 せんせいのむれ

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 はるかの高校にはいろいろな人物の人生を学ぶ特別授業があり、はるかは密かにそれを楽しみにしていた。そんな時、授業の先生として猿原真一がやってきた。その授業中、今度は桃井タロウが勝手に先生になってやってきた。

 敵は地球鬼。はるかの高校の校長先生が規律を守らせることに執着した挙げ句に変身したヒトツ鬼。姿を隠す事が出来るが、花粉症のため居場所はバレバレ。そして地球鬼ング。倒されるとファイブマンのアバターギアを落とした。
 鬼頭はるかの学校にヒトツ鬼が出てくる話。たまたま猿原真一と桃井タロウが学校にいるときに出現したが、たまたま丁度その周辺に雉野つよしと犬塚翼がいた。偶然が起こりすぎるが、井上脚本では当たり前の演出だ。
 桃井タロウ曰く、他のメンバーとの関係は「主人とお供」だそうだ。嘘を言えないため、完全にそう思っているのだろう。戦いが終わったときに他のメンバーに襲いかかるのは、お供としての力を力を付けるために鍛えてやってるのだとか。確かに桃太郎と従者という関係だったらその通りだが、ここまで力関係がはっきりした戦隊はこれまで無かった。
 猿原真一が何を職業にしているのか。それは完全な無職。ただし飯は食えているとのこと。こう言うキャラが結構井上脚本には出てくる。ちなみに金に触れると拒絶反応を起こすそうな。
 今回はアバターチェンジはなし。巨大戦はドンゼンカイオーで戦った。
<真一は金に触れなくなってしまったそうだ。これは松尾スズキの『ジヌよさらば』という映画でやったネタだ。
 空手部主将が正拳突きで椅子に穴を開けたあとで、タロウは椅子を粉砕した。やっぱりどこかのヒーローじゃないか。
 キジブラザーとイヌブラザーのCG加工が甘すぎて、動きがカクカクしてる。>
第8話 ろんげのとりこ

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 喫茶どんぶらでひたすらに絵を描いている客がいた。理想のモデルを探しているというその男に鬼気迫るものを感じるはるか。一方火事の現場で逃げ遅れた人を助けたタロウは、そこで同じく人を救うソノイと出会う。通じるものを感じた二人。

 敵は魔進鬼。究極のモデルを探す榊という男がその欲望のあまりにヒトツ鬼となった。ソノイに消されてしまうが、キラメイジャーのアバターギアを落とした。
 広い意味では脳人も世界を救おうとしていることが分かった話。タロウともどこか通じる部分はあるのだが、根本的なところで違いが出てくるので、微妙なところでぶつかる。
 今回もドンブラザーズの面々や脳人たちが偶然遭遇するシーンが目白押し。ソノニと翼、翼とつよし、ソノイとタロウ…この偶然だらけの脚本は流石に井上脚本だ。
 翼とつよしが語り合うシーンがあるのだが、二人が愛する人がまるで同一人物のような感じ。なんだこの修羅場を思わせる設定は。そしてつよしの妻であるミホは榊に誘拐されるも自力で脱出してくる。意外に怖い目つきをする女性でもあった。
 キジブラザーがドンモモタロウを妨害したために、ソノイによって榊は消されてしまう。それを気に病むかと思いきや、妻のみほに危害を加えた奴はこの世にいてはいけないと言い放つつよしもいる。この夫婦、だいぶ狂気に冒されてないか?あくまで想像だが、キジブラザーはメンバーチェンジするかもしれないぞ。
 アバターチェンジはドンモモタロウがジュウオウイーグル、トッキュウ1号、パトレン1号、ルパンレッドに次々と変身してソノイと戦っていた。
<キジブラザーのヘルメットの下のつよしの顔はちゃんと眼鏡を掛けていた。ヘルメットの下の眼鏡って初めての描写では?>
第9話 ぼろたろうとロボタロウ

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 突然街中で「だるまさんが転んだ」をやろうと言って勝手にゲームを始めてしまう子どもが現れる。特命鬼というその鬼と戦うドンブラザーズだが、何故かドンモモタロウは気力を失っており、更に特命鬼は実体を持たないために全く歯が立たなかった。

 敵は特命鬼。井沢太一という老人が誰も相手にしてくれない寂しさから鬼となった姿。元となった人間から切り離されているため、実体を持たない。だるまさんが転んだのゲームが終わると成敗完了する。倒されてゴーバスターズのアバターギアを落とした。
 ドンモモタロウが数年に一度力を失うという日の話。都合良い話で、まるで「犬夜叉」みたいな話だ。きびだんごを食べないと力を失ったままと言うが、桃太郎はきびだんごをくれる側では?色々と複雑な作り方をしないといけないため、なかなか復活出来ないという問題があって、真一とはるかが奮闘する話になってる。
 きびだんごを300個食べないと復帰出来ないというドンモモタロウだったが、一個足りない299個のきびだんごを食べてオニシスターの力を借りてドンロボタロウに変身していた。
 何をやっても上手くいかない二人の代わりにきびだんごを用意したのは「どんぶら」マスターの五色田介人で、更に今回はみんなの目の前でゼンカイザーブラックにも変身してる。
 つよしが人間体のソノザと遭遇したが、ソノザは笑いを学んでいる最中。誰彼なく笑いかけるために不気味がられている。一方なにかに怯えるソノイの姿もある。
<だるまさんが転んだのゲームで空中にいたアノーニが止まっていた。
 だるまさんが転んだは動いてはいけないはずだが、細かく動いていても大丈夫らしい。>
VOL.3
<A> <楽>
第10話 オニがみたにじ

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 喫茶「どんぶら」のマスターからポイントが貯まったため、本来の人生を送ることが出来ると言われたはるかは高校生漫画家としての人生を取り戻し、華やかな人生を送ることになった。ところが丁度そんな時に漫画家達が次々に行方不明になる事件が起こる。はるかも何者かに狙われている事に気づく。

 敵は海賊鬼。漫画家志望をこじらせて人気漫画家を憎むようになった男が変化した鬼。倒されるとゴーカイジャーのアバターギアを落とした。
 井上敏樹脚本だと大概アイドル女性をネタにした話が一話くらいあるのだが、主人公のはるか自身が売れっ子漫画家ということで、アイドル的な立場にあるのが面白い。ただし、それは彼女が本来の自分を取り戻した時だけで、基本的には戦士として戦う役割だが。
 漫画家としての人生を取り戻すと、他の誰かがドンブラザーズの一員になってしまうということが分かった。それで前田真利菜という女性がオニシスターになるが、それは自分の生き甲斐を失ってしまったからだという。はるかはそれに責任を感じてしまって再びオニシスターに戻ることで一件落着。ドンモモタロウに次いでオニシスターもオニロボタロウに変化した。そしたら他のメンバーも全員ロボット化した。
 この設定だったら、やっぱりどこかでメンバーチェンジ起こるんじゃ無かろうか?
 真利菜と真一が付き合っていると勘違いしたはるかは「戦隊内恋愛燃える展開」と言っていたが、そもそも戦隊内恋愛を取り入れたのは「鳥人戦隊ジェットマン」から。つまり井上敏樹本人である。
 一方、別口で謎の失踪事件が起こってしまい、脳人の面々はそれを憂いていた。脳人が世界を滅ぼそうとしているのではないのか?
第11話 イヌのかくらん

  脚本:井上敏樹
  監督:山口恭平
 刑事の狭山に追われる犬塚翼はこれまでのように異空間に逃れるが、なんと狭山は異空間にまで追いかけてくる。怪我を負いつつもなんとか逃れた翼は知り合いの雉野つよしに助けを求める。

 敵は手裏剣鬼。忍者道を極めようとしていた大野という男が変化したヒトツ鬼。自分の忍者道を馬鹿にしたと思い込んだ桃井タロウを狙って攻撃をかけてくる。分身の術が使える。倒された際アバターギアを落とした描写がなかったようだが、おそらくニンニンジャーのギアを落としているのだろう。
 今回は犬塚翼が危機に陥る話で、脳人とは違った世界からやってきた怪人によって襲われて寝込んでしまった。それで介抱を頼まれた鬼頭はるかと猿原真一も、やっと雉野つよしがキジブラザーだと分かった。ちなみに未だ犬塚翼のことは知らないまま。更に介抱と戦いを行ったり来たりしてるので、大変鬱陶しい戦い方になってる。
 脳人が憂いていたのは、この世界とも脳人の世界とも異なる世界の住人である獣人という存在のことだった。前々回でバスの失踪事件に巻き込まれ、現実に戻ってきた人たちが獣人になったらしい。ソノイたちに獣人のことを告げたのは
 ここでついにつよしの妻みほが翼と出会う。みほとしては面識は無いが、翼の顔を見た途端に人格が入れ替わったようで翼の口の中にあった折り紙を取り出し、不気味な笑いを見せていた。どうやら獣人となんらかの関わりを持つようだ。
<宅配便の中には鎖鎌がそのまま入っていた。よく段ボール破けなかったな。それ以前に凶器を送るのは禁止事項。
 相変わらずだが、ちょっと探せばドンブラザーズの面々はすぐに現れる。
 翼の代わりに薬をもらってくるつよし。それ無理だろ?…と思ったら、自分のための下剤をもらっただけだった。
 その下剤飲ませたら一瞬で翼は腹を壊したが、早すぎないか?>
第12話 つきはウソつき

  脚本:井上敏樹
  監督:山口恭平
 喫茶「どんぶら」に新しいバイト吉良きららが入り、先輩として指導することになったはるか。外面が良く性格の悪いきららに手を焼くはるか。一方、嘘がつけないために同僚の秘密を喋ってしまった桃井タロウは同僚達から嫌われてしまった。他のドンブラザーズの面々はタロウに嘘のつきかたを教えようとする。そんな時、アイドルばかり狙う宇宙鬼が現れる。

 敵は宇宙鬼。アイドルオタクから生まれたヒトツ鬼で、アイドル追い回しては吸収することを繰り返していた。そして宇宙鬼ング。そしてちらっと獣人。
 井上敏樹脚本で、一年作品だったら絶対一話は入ってくると思ってたアイドル話がここで入ってきた。尤も井上脚本ではアイドルそのものよりもそのストーカーのようなファンを描く方が多いのが特徴で、本作も見事にそのパターンに則ってる。今は地下アイドルもいるので、話にも幅が出てきたな。
 犬塚翼以外のメンバーの内四人が正体をばらしたため、急に仲間意識が上がってしまったようでもある。それで嘘がつけない桃井タロウに嘘のつきかたを教えることになった。ちなみにタロウは嘘をつくことが出来ないが、嘘をつこうとすると心臓が止まるという性質があったが、嘘は人を傷つけないためにあるということは一応理解したらしい。そして相手がどんなに嘘をついてもその度ごとに信じてしまうという性質もあり。
 ソノイとタロウが妙に仲が良くなってる。お互いの正体を知らないが、どちらも獣人と敵対する立場にあるために、通じる部分があるようだ。お互いに相手を探したらすぐに出会えてしまったが、これは井上脚本の最大特徴。
 ついに合体巨大ロボであるドンオニタイジンが登場。ロボット状態になった本人達が合体してるんだが、一々それぞれが自分の状態を解説するので、合体と戦いが鬱陶しい。
<宇宙鬼のアイドル吸収のやり方がどこかで観たと思ったら、「超光騎士シャンゼリオン」7話と酷似してる…と言っても、これ反応出来る人は相当限られるけど。>
第13話 さよならタロウ

  脚本:井上敏樹
  監督:渡辺勝也
 ドンブラザーズも四人まで正体が分かった。そこで現状を話し合うことになったが、戦士としての自覚が足りないと他のメンバーに鋭い指摘をするタロウに他のメンバーは反感を覚えるばかりだった。ついに真一は自分たちのありがたみが分かるまで戦いをボイコットすると言ってしまう。一方、脳人のソノイは、故郷を滅ぼしたのがドンモモタロウの一族である事を告げられ、ドンモモタロウを倒す事を心に決める。

 敵は獣電鬼。町のクレーマーの構って欲しいという欲望から生まれたヒトツ鬼。そして獣電鬼ング。倒されるとキョウリュウジャーのアバターギアを落とした。そしてソノイ、ソノニ、ソノザの三人が全員ドンモモタロウを集中して襲いかかる。
 四人のドンブラザーズに亀裂が生まれると言う話で、その亀裂から始まって、タロウが消えてしまう。実は桃井タロウは異次元から来た人物で、彼の一族が危うく脳人の世界を滅ぼしかけたのだそうで、脳人の三人にとっては彼こそが宿敵となる。
 ドンブラザーズでは犬塚翼だけがまだ正体が分かっていないため、他のメンバーが戦いをボイコットしてる理由が分からず、一人で戦っていた。
 タロウとソノイは心で通じるものがあるのだが、変身後は宿敵になる。このパターン井上敏樹好きだよな。ここでお互いの正体が知られてしまったが、嘘がつけないというタロウのことを知っていたソノイはそこでドンモモタロウの弱点を聞いたところ、素直にそれを教えてしまった。
 マスターはクレーマーに対しても、まるでホストのような大人の対応している。すっかり「ゼンカイジャー」の時とは変わってしまった感がある。
<はるかがコケるシーンがあるが、古典的なズッコケ。狙ってやってるよな。
 脳人の故郷の名前はイデオンというそうだ。なんてネーミングだ。
 逃亡者のはずの翼が普通に美容院で髪切ってもらってた。目撃者も多いんだが、随分余裕ある逃亡者だな。
 獣電鬼の前に出たときのドンモモタロウの台詞は「俺が来た」だった。オールマイトか?
 獣電鬼ングはトリッキーな動きで翻弄するが、それをサンバのリズムと見抜く真。よく分かったな。>
VOL.4
<A> <楽>
第14話 みがわりジロウ

  脚本:井上敏樹
  監督:渡辺勝也
 ソノイの攻撃でドンモモタロウは消滅してしまった。これからどうすれば良いのか、桃井陣の元へと向かったドンブラザーズの三人だが、陣はタロウがいなくなれば、その代わりがやってくるとだけ告げる。そしてとある村ではお告げを受けた一人の青年桃谷ジロウがお告げを受けていた。

 敵は高速鬼。高校生棋士が将棋の手に詰まって悩んでいる内にヒトツ鬼になった。復活したドンモモタロウに一閃されてあっけなく倒された。そして高速鬼ング。倒されるとターボレンジャーのアバターギアを落とす。
 前回ラストで桃井タロウが消滅するという展開で、どう復活するかと思ったら、復活は一瞬で、その代わりとして桃谷ジロウなる新しい人物が登場している。はっきり言えば訳の分からない脚本である。ジロウはヒーローを目指すだけの青年で、変身も出来ないのだが、脳人と人間の戦いそのものは理解している様子。
 その代わりとして戦いの時だけキビ・ポイントを使ってタロウが復活してドンモモタロウとして戦う。戦いが終わると消滅してしまう。
 一方、獣人と戦いを繰り広げるソノイだが、脳人は獣人と戦えないと言われてしまう。弱点を突いてドンモモタロウを倒したことを後悔し、戦っても虚しさばかりが募っている様子。
 難の力も持たないヒーロー願望を持つ青年が出てくるのも井上脚本の特徴の一つ。知識だけはあるから参謀みたいな役割を果たすことも、単なるイタいだけのキャラで終わることもある。ここでは追加戦士だろうか?ただ、タロウ自身は本当に復活していないため、これから彼が中心になる可能性もある。でもこの二人の関係って、「ドラえもん」の劇中マンガ「ライオン仮面」のライオン仮面とオシシ仮面の関係のような?
 ところで愛する妻みほが怪我してしまい、それを見舞うつよしの顔がヒトツ鬼らしき(カーレンジャーっぽい)ものになってる。みほ自身翼と出会う度におかしくなるので、こちらの物語も気に掛かる。
<バイクを奪って逃亡する犬塚翼。逃亡中はちゃんとヘルメットをかぶっている。随分用意良いな。>
第15話 おかえりタロウ

  脚本:井上敏樹
  監督:渡辺勝也
 ドンモモタロウが復活したのはほんの一瞬で、そのために使用したはるかと真一のキビ・ポイントがマイナスになってしまった。その頃、愛する妻みほが怪我をしたことでつよしの心が暴走しかけていた。

 敵は激走鬼。妻のみほの体を心配するあまり、心が暴走して変化してしまった。一度ソノイに斬られて異空間に送り込まれるが、その後ドンモモタロウとドンドラゴクウによって現実に引き戻された上で二人に斬られて正気に戻った。倒された際カーレンジャーのアバターギアを落とす。
 なんと戦隊メンバーの一人雉野つよしが怪人になってしまうと言う話。メンバーが裏切ることはあっても怪人化するのは初めてだった気はする。
 前回登場した桃谷ジロウがついに変身する。ジロウ自身は普通の人間で、桃井タロウに憧れるだけの男だと言っていたので、なんで変身出来るのかは不明。その名前はドンドラゴクウ…竜と悟空の合成かな?桃太郎の後継者と言った感じではないな。
 前回キビ・ポイントを失ったため、はるかは脚が動かなくなり、真一は俳句が作れなくなった。はるかはそれでもなんとかタロウを復活させようとするが、真一は生きている意味がなくなったと絶望している。二人に随分温度差があるのが面白い。
 みほと夏海という同一人物を巡ってつよしと翼が反目している。一人の女性を巡り誤解と反目が生じるのはまさに井上脚本だが、全体的にこの話は全員とても個性的だと言うことだ。同じ事が起こっても反応が一人一人違う。
 タロウを救うヒントを与えたのは、なんとソノイだった。ヒトツ鬼を斬るとその瞬間に異空間の扉が開くので、その扉に飛び込んでタロウを回収した。尚、斬られたのはつよしで、つよしごと現実に引き戻された。復活したタロウは相変わらずの性格だが、ジロウがお供としてタロウに付き従うことになる。ジロウはタロウに代わる存在では無かったという事が分かったが、お供という訳でもなさそう。なんだか分からない存在だ。
 これで分かったのは、ソノイによって斬られた人は死んだ訳ではなくて異空間に封印されているだけ。然るべき手順を踏めば戻せると言うこと。
<キビ・ポイントがマイナスになってしまって脚が動けなくなったはるかは、なんかしんみりした口調で真一に話しかけている。一生動けなくなるわけじゃないのに、随分演出過剰だな。
 もう死にたいという真一に向かって刀を振り上げるジロウ。言われたことを忠実に守ってるんだが、おかしい。
 異空間に行ったドンドラゴクウは、そこに多くの人がいるのを知り、「今まで斬られた人たち」と言っていた。何で新参者のジロウがそんなことを理解出来るんだ?
 ドンドラゴクウの必殺技は光の竜を呼び出して敵にぶつけるというものだが、その際「あーたたたた」と化鳥音を叫ぶ。これを「ベタ」と言うのは相当な年齢になるような?>
第16話 やみおちスイッチ

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 ヒトツ鬼になって暴れてしまった雉野つよが激しく落ち込む一方、素直にみんなに感謝の言葉を語る桃井タロウ。そして押しかけメンバーのような形になった桃谷ジロウ。新メンバーの追加には慎重なはるかと真一。

 敵は恐竜鬼。ゲーム実況をしていた青年がSNSで中傷されたことで怒りを覚えて変身したヒトツ鬼。そして恐竜鬼ング。倒されるとジュウレンジャーのアバターギアを落とす。
 新入メンバーの桃谷ジロウに旧メンバー達が振り回される話。全く空気を読めず、親切を押しつけるキャラのため、みんなが迷惑してしまう。こう言うキャラを出すのが井上脚本の特徴。
 ジロウは二重人格らしく、タロウのお供として満足している一方、何かを機に性格と記憶が変わり、タロウを倒して唯一のドンブラザーズとなろうとしている。お供たちの力を奪う能力を持っていて、キジブラザー以外の三人の力を奪った。正気に戻ったら全員に土下座していたが、どうも人格が不安定な感じだ。
 一方、タロウは生還するために力を貸したソノイと会話している。会話はすれ違うが、お互いに正々堂々戦う良きライバルとして認定したようでもある。
 少しずつだがタロウの性格が変化している。仲間を褒めたり、謝ったり出来ているので、最初の頃からは成長しているように見える。
 いつも通り敵を倒すとアバターギアが落ちるが、ジュウレンジャーのギアだけでなくドラゴンレンジャーのギアも落ちていて、それは桃谷ジロウの元にやってきている。これが一体何を意味するのか?
<イヌブラザーは犬の本能があるらしく、餌を目の前にすると這いつくばって食おうとするし、「お手」をやられるとついやってしまう。今までそんな設定なかったと思うが?
 ドンドラゴクウにびんたを放つはるかだが、あれだけ勢いよく腕を振り始めたのに、実際のびんたは撫でる程度になってる。>
第17話 ひかりとつばさ

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 消えてしまった恋人夏美との約束を守り、一年間誰にも夏海のことを黙っていて、一年後の今日再び会える事になっているその日。約束された場所へと向かう犬塚翼。だがそこには自殺しようとしている若者と、ソノニがいた。自殺を止めることが出来たものの、ソノニによれば、もうすぐヒトツ鬼に変わろうとしているその男田辺に希望の光を見せられるかと問われてしまう。成り行き上その提案に乗るしかない翼。

 敵は鳥人鬼。犬塚翼に一目惚れした女性が、恋心のあまりに変身してしまったヒトツ鬼。そして鳥人鬼ング。倒されるとジェットマンのアバターギアを落とした…はず。
 完全犬塚翼中心の話。ずっと逃亡生活を送っていた翼は一年後に恋人の夏美と会える約束を信じ続けていたが、その当日に苦労するという話。ほぼ今回は翼一人の話で、他のメンバーは鳥人鬼を倒すためだけに登場した。ただしこの話では苦労だけして何も決着しないままだった。
 翼と夏美は役者だったという事が分かった。合宿中、何者かに折り紙を口に入れられ、翼だけがそれを吐きだしたが、他のメンバーは折り紙を口に入れたまま気絶したまま。夏美だけが折り紙を飲み込んでしまい、その後変な空間に吸い込まれてしまう。その際「このことを誰にも言わなければ一年後に夏美と会える」と言われたから、ずっとそれを守り続けた。翼が警察に追いかけられるのは、その事件の犯人と見られてるからだとか。
 アバターチェンジはドンドラゴクウがドラゴンレンジャーに変身している。
 今回のドンオニタイジンの合体ではみんな素直に合体はしてるんだが、喋りまくっていたため、ドンモモタロウから黙れと言われていた。毎回合体の台詞が違うから面白いな。
<田辺を力づけるために翼はヒトツ鬼になりきった扮装をしていたが、その格好はまるでブラックデビルだった…知ってる人もいないか?これフジじゃなくてテレ朝だよな?
 翼にすっかり惚れ込んだ加奈子は部屋中に翼の写真を貼りまくっているが、もはやそれは病的超えてる。こんなのと恋人になったら無茶苦茶苦労するぞ。最後は田辺と恋人同士に戻ったようだが、メンヘラは治ってなさそうだ。
 鳥人鬼は上空から卵形の爆弾を落とす…女性だけに、相当やばくないか?>
VOL.5
<A> <楽>
第18話 ジョーズないっぽん

  脚本:井上敏樹
  監督:諸田敏
 ドンブラザーズの面々は桃谷ジロウを仲間に入れたくないと桃井タロウに訴えるが、タロウはそれも面白いと、ジロウに俺から一本取って見せろと挑戦する。それを見たはるか達も参戦するが、誰もタロウから一本を取る事が出来なかった。そんな折、ドンブラザーズにそっくりな姿をした新たな戦士が現れる。

 敵はドンムラサメ。ドンブラザーズとそっくりな姿をした紫色の戦士。正体は分からないが女性の声をしているのとアルターチェンジが可能。
 桃谷ジロウが、他のメンバーのようなお供は嫌だと駄々をこねて、タロウから一本取る挑戦をすると言う話。いつの間にか他のメンバーも参加して、タロウに挑戦するという話になる。正攻法だと全く敵わないため、父親代わりの陣から弱点を聞いて勝負を賭けるが、肝心なところで一本取ることに躊躇してしまう。そして勝負の間に、ソノイとの勝負も並行して行う。戦いではなく、どれだけ人助けをして感謝されるかという勝負だけど。ヒトツ鬼は出て故尾内のだが結構盛りだくさん。
 そんな時、突然現れた新キャラ。仲間になりそうな姿だが、今のところ全く分からない。
 一方、夏実を探す犬飼翼は相変わらず迷ってばかり。一年後に会えるって話はどうなったのやら?
<タロウとの勝負を挑むソノイは、人助け勝負を賭けるが、公平を期して、タロウの手伝いをするという。ただしやってることはタロウの横にいるだけ。これは手伝ってるとは言わない。>
第19話 もしもしユーレイ

  脚本:井上敏樹
  監督:諸田敏
 ヒトツ鬼の反応で出動するドンブラザーズ。ところがそのヒトツ鬼には実体が無く、全く攻撃が通用しないまま逃げられてしまった。そこにあった電話ボックスに女性が座っていることを見たはるかは、その女性に声をかけたところ、彼女は鷺山美奈子と名乗り、「友だちになって」とはるかに迫る。うっかりその言葉に頷いてしまったら、なんと美奈子の幽霊に取り憑かれてしまう。

 敵は炎神鬼。幽霊の鷺山美奈子が、思い入れの強い電話ボックスを守るために鬼となった。実体が無いため攻撃が通用しない。そして炎神鬼ング。自分の意思で巨大化したが、炎神鬼同様実体が無い。ゴーオンジャーのアバターギアを落としたはず。
 夏らしい(?)幽霊話が展開。敵が幽霊のため、全く攻撃が通用しないという話で、昭和の戦隊ものでは結構この手の話は多かったが、大概何かの謎を解くと実体化するので、それを倒すパターンだが、この話では本体を成仏させたら実体化した。
 普通に犬塚翼が喫茶「どんぶら」にいて、美奈子の前では変身もしてるのだが、未だに正体は知らないはず。
 今回のドンオニタイジンへの合体では台詞無しで、お供達はそれぞれ吠え声を上げながら合体していた。
 美奈子の恋人役として登場した田所新造役は声優の井上和彦だった。特撮では「動物戦隊ジュウオウジャー」のジニス役以来か。顔出しは初。
<五色田介人がデートのために現れたのは、ひらひらが付いたド派手な真っ白い(道化のような)スーツだった。『サタデーナイトフィーバー』かよ!
 炎神鬼は実体がないはずだが、攻撃は食らっている。随分都合が良いな>
第20話 はなたかえれじい

  脚本:井上敏樹
  監督:山口恭平
 桃谷ジロウの幼なじみが上京することとなり、ヒーローとなった自分を見せるため、ドンブラザーズのリーダーをやらせてくれと頼むジロウ。それを面白がったタロウは一旦自分がドンブラザーズを抜け、好きなようにやってみろとジロウをけしかける。すっかりその気になったジロウはドラゴンファイヤーズというチームを作ると宣言する。

 敵は五星鬼。ひたすら強くなりたいという願いを持つ芦田という男が変身したヒトツ鬼。強い者と戦う事だけを目的とする。そして五星鬼ング。五星鬼が巨大化した鬼。倒されるとダイレンジャーおよびキングレンジャーのアバターギアを落とす。
 リーダーである桃井タロウが突然脱退し、その後釜に桃谷ジロウが入り込むという話。目立ったもんがちというコンセプトのため、メディアにも取り上げられてみんなすっかり舞い上がってしまうのだが、その活動は全て影ながらドンモモタロウがサポートしていたからだという。それで大臣賞を受賞することになったが、何故か受賞したのは五色田介人だった。なんだかよく分からない。
 戦いでは桃谷ジロウがバーサーカーモードになり、ドントラボルトという新しい変身を果たした。ドンモモタロウを排除しようとする。
 一方、一年間黙っているという誓いを守ったのに夏美と会えないことで落ち込んでいる犬塚翼。この話どうなるの?
<ドラゴンファイヤーズの特訓風景を見て付き合いながら、すぐに飽きた犬塚翼は、「警官だ」と言って姿を消す。別に付き合う義務はないはずだが。
 そしてそれを見た雉野つよしは「便利だな。逃亡者って」と呟いてるが、だいぶ麻痺してるよな。
 ヒーローはもっと目立つべきだというジロウに同調したはるかは、それを「老後のために」と言っていた。一番若いキャラなのに。
 桃谷ジロウの新しい変身はドントラボルトという。「テツワン探偵ロボタック」との関わりは?>
第21話 ごくラーメンどう

  脚本:井上敏樹
  監督:山口恭平
 いつものようにサルブラザーに変身して人助けをしていた猿原真一だが、その姿を見た謎の人物達に拉致されてしまう。そこに飛び込んだ男白井によって助けられるが、白井は自分が先代のサルブラザーであると言う。

 敵は侍鬼。先代サルブラザーの白井が何故サルブラザーの力が抜けてしまったかを考えている内に変身してしまった。等身大のままドンオニタイジンに倒される。
 猿原真一を中心にした話で、何故報酬もなしに戦えるのかという問いに答える話となっている。まさしくヒーロー論そのものだが、真一に言わせると、「それが自然だから」だそうだ。
 先代のサルブラザーが現れるが、その力を敵と戦うのではなく自分のために使ったら力が抜けてしまったそうだ。その際に揉めた松井組との抗争に巻き込まれる。松井組とはヤクザの組織みたいだが、実はラーメン屋だった。
 前にドンブラザーズはメンバーの入れ替えがある事が示されたが、実際今回先代ブラザーズのメンバーがいる。五色田介人によれば、候補だけならドンブラザーズに変身出来るのは五千人もいるそうだ。
 一方、前回ラストで別人格に支配された桃谷ジロウはおかしなままで、現れたドンムラサメに向かってつっかかっていく。
 はるかがソノザに誘拐されてしまった。てっきり殺されるかドンブラザーズの人質にされるかと思い込んでいたら、実ははるかのマンガを読んで心がざわついたので、はるかがオニシスターだと分からないまま誘拐して漫画を書かそうとしたらしい。
<先代サルブラザーの白井は自分の欲望のために使ったと言うが、それは女の子にもてるためとか、アイドルと握手するとか。真一も「くだらない」と言っていたが、まさしくその通り。
 真一の能力は空想の力で、これがあると何もない丼でもラーメンの味がするそうで、腹まで膨れるそうだ。「魔進戦隊キラメイジャー」のイマジネーションっぽいが、どっちかというと安部公房の「魔法のチョーク」みたいだ。
 白井は自分のラーメンを作るために松井組のスープを手に入れるが、手に入れなければならないのはスープ本体ではなくレシピでは?>
VOL.6
<A> <楽>
第22話 じごくマンガみち

  脚本:井上敏樹
  監督:渡辺勝也
 鬼頭はるかのマンガを見て感情を動かされたというソノザに誘拐されてしまったはるかは無理矢理マンガを書かされることになってしまう。書いている内に盛り上がってしまい、「初恋ヒーロー」の新章が出来上がっていく。

 敵は電磁鬼。何もかも面白くなくなったという大富豪の豪田という男が変身したヒトツ鬼。面白い話をしろと迫り、面白い話が無いと吸収してしまう。そして電磁鬼ング
 前回はるかが誘拐されてしまったが、ドンブラザーズの一員だからではなく、漫画家として認められたからだった。それで無理矢理漫画を書かされるのだが、ソノザの編集力は高く、ダメ出しを出されてる内にはるかの方が乗ってしまう。劇中劇が展開していくし、はるかの変顔が非常に特徴的。よくここまでやらせるもんだ。結局ソノザを満足させることが出来ず、恥を忍んで、かつてはるかが盗作したと噂された椎名ナオキの元へと向かう。
 一方桃井タロウは、何もかもがつまらなくなったという大金持ちと知り合うが、はっきり、それはお前が面白くない人間だからだと言ってしまって、ヒトツ鬼化させてしまった。
 猿谷真一と雉野つよしは別人格に支配されてる時の自分の事を覚えていないという桃谷ジロウを問い詰めるが、いつ襲われるか分からないのも緊張感があって良いと、タロウはジロウを受け入れている。タロウによれば、変身時に「ドン」が付くのは、一族のものだからとのことだった。
 はるかは自分を盗作者にしてしまったという椎名ナオキに会いに行くが、なんとその人物は着ぐるみを着っぱなしで正体が分からず。なんだこのキャラ?ひょっとして誰か既知のキャラなのか?
 ドンブラザーズは全員で久々にメガレンジャーにアバターチェンジしたが、あんまり意味がなかった。ドンドラゴクウはキョウリュウゴールドにアバターチェンジしてソノイを撃退していた。今回は珍しく巨大化してからの戦いが長い。
<ビーフストロガノフをいつの間にか作ってる椎名ナオキ。これ短時間で作れる料理じゃないんだが。
 久々のアバターチェンジでメガレンジャーに変身していたが、目の前にいる電磁鬼こそがメガレンジャーのアバターギアを持っているはず。ギアはどこから持ってきた?>
第23話 イヌ、いぬになる

  脚本:井上敏樹
  監督:渡辺勝也
 愛する夏美と会えないまますっかりクサってしまった犬塚翼は、現れたヒトツ鬼の獣拳鬼と戦っている中でイヌブラザーから戻れなくなってしまう。桃井陣によれば、犬の霊が憑いてしまってると言われ、時間が経つにつれだんだん精神まで犬になってしまう。

 敵は獣拳鬼。勉強に行き詰まった田丸という青年が変身する。そして獣拳鬼ング。虎龍攻神によって倒された。
 翼の中心回。お互いに正体を知らないまま夏美=みほつながりで雉野つよしとはなんだかんだでよく出会っている。そんな翼が死んだ犬の霊に取り憑かれて本当に犬になってしまったという話。幽霊話は19話でもやっているので連発っぽいが、なんだか脈絡のない物語が連発してる感じだ。特撮の常でラストで姿は元に戻っている。しかし、ラストシーン観る限り、精神は犬のままだった。
 一方自分自身がもっとヒーローとならねばならないと悩む桃谷ジロウは故郷の友だちと会って正体を明かしたことで一皮むけ、戦闘時に二人に分裂してそのまま合体巨大化。虎龍攻神となった。結果として単独で巨大化したことになる。片方はタロウを敬いすぎ、片方はタロウを軽視しすぎるという相反した性格で、その二人が合体するのだが、お互いに反発しているため、自分自身の間で喧嘩しながら合体してる。
 今回はアバターチェンジして、イヌブラザーを除いた四人がダイレンジャーとなった。
 一方、つよしの妻みほは獣人となった狭山と会った瞬間に性格が豹変して人間離れした動きで獣人と戦っている。
 色々謎を投げっぱなしのまま無視して物語は続いている。
<ヒトツ鬼になった青年は「何故俺の勉強を邪魔する」とか言ってたが、喫茶店で勉強してたらそうだろう。
 イヌブラザーはその姿のままなのだが、何故か普通に犬として認識されてるようだ。二足歩行する真っ黒な犬を普通に受け入れる社会って、相当異常だと思う。>
第24話 むすこ、ににんばおり

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 タロウが荷物を届けに行った家の主婦東智子がタロウを息子の耕一郎だと言い張る。何度否定しても息子と言い張る彼女に戸惑うばかりのタロウ。他のメンバーがサポートして、彼女を安心させようとするのだが…

 敵は忍者鬼。東耕一郎という男が生き甲斐を求めてなったヒトツ鬼で無差別に人を襲う。そして忍者鬼ング
 タロウが人違いされてしまうと言う話で、いつも不遜で自信たっぷりなタロウが戸惑うという珍しい話になってる。タロウの代わりに他のメンバーが声を出してごまかすのだが、だんだんごまかしが利かなくなってしまって混乱してしまうという話。にっちもさっちもいかなくなったところで都合良く敵が現れてうやむやの内に終わってしまう訳だが。
 問題としてタロウは嘘をつくと心臓が止まってしまうので、無理矢理嘘をつかせようとしたら動けなくなってしまう。
 話としてはいいんだが、前回犬になってしまった翼がいつの間にか戻っているとか、ジロウの性格豹変とかドンムラサメのこととか色々絶賛放置中。
<喫茶どんぶらの地下には防音室とグランドピアノが置いてある。用意周到…って不自然すぎるだろ。しかも妙に広いし。>
第25話 ヒーローしごとにん

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 勤めていたコンサルタント会社を首にされてしまい、収入のために当座肉体労働にいそしんでいた。そんな時にヒトツ鬼大鬼が現れるが、慣れない肉体労働で体が重いキジブラザーは全く戦力にならなかった。そんなつよしを見かねた他のメンバーはつよしの代わりに働くと言い出す。

 敵は大鬼。雉野つよしの上司山田が全く使えないつよしの尻拭いをしたくなくて変化した。新体操の道具を武器に使う。そして大鬼ング
 雉野つよし中心回。仕事を首になってしまい、誤解した他のドンブラザーズの面々が勝手に仕事をするという話。猿原真一に至っては今まで働いたことがないので、金を稼ぐ事が出来ないが、それでも頑張ってる。勘違いが勘違いを呼び、つよしまでもが誰か他の人のために働き始めるというカオスな話になってる。
 雉野が傾けた店を再建するためドンブラザーズの面々が頑張っているが、何故かそこには犬塚翼までいる。これでお互い正体を知らないのだから笑える。
 井上敏樹脚本の場合、必ず出てくるヒーロー論がこの作品では少ないと思っていたが、今回介人から「ヒーローとは本来無償の行為。いわばボランティアでするべきものだ」との言葉が出てきて満足した。
<大鬼が新体操の道具を武器に使う理由は言うまでもなく「大戦隊ゴーグルV」の武器から。
 レストランの宣伝活動を含めてドンブラザーズが変身してレストラン内で盛り上げているが、あの格好で踊られると衛生面が心配だぞ。
 「仮面ライダーリバイス」の最終回を受け、次回予告で突然タロウが「次回でフィニッシュを決める」とか言い始めた。>
VOL.7
<A> <楽>
第26話 フィナーレいさみあし

  脚本:八手三郎(井上敏樹)
  監督:茶谷和行
 喫茶どんぶらで「仮面ライダーリバイス」の最終回を観ていたドンブラザーズの面々。マスターの介人はその最終回に合わせてドンブラザーズも終わらせようかと提案する。そして最終回特別企画としてMVPを決めると言い出す。

 「仮面ライダーリバイス」の最終回を受けて、突然この作品も終わるという人を食った内容。脚本は初めて井上敏樹以外となるが、この名前は?実質的にはこれまでの戦いとキャラの振り返りだけ。話が複雑なために振り返ったら色々分かってきた。ちなみに犬塚翼は未だに正体を知られてないため、ソノザが説明していた。
 それで結果としてMVPは五色田介人になった。理由はドンブラザーズの面々は半年しか戦っていないが、自分は「機界戦隊ゼンカイジャー」を通して一年以上も戦っているからだとか。時間の問題かよ。
 それでMVPからのプレゼントだと言って渡されたのは五色田介人の写真集だった。当たり前だが話は続く。そもそも広げるだけ広げた伏線が一切明かされてないのだから、終わらせようもない訳だが。
<リバイスの最終回を観ていると言うことは、この世界は2022年8月28日以降となる。完全なリアルタイムか、それとも未来ということが分かった。
 介人はゼンカイザーとして戦ってきたことを隠しもしないが、ドンブラザーズの面々はそれを誰も突っ込んでない。>
第27話 けっとうマジマジ

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 プールで夏を満喫するドンブラザーズの面々。そこに現れたソノイはタロウに勝負を挑み、タロウもそれを受ける。そしてその時は近づくが、タロウはいつも通り配達の仕事を続けていた。

 敵は魔法鬼。かつて忍者鬼になって挑戦した現代忍者大野が今度は魔法使いとなって挑戦する。そして魔法鬼ング
 唐突にドンモモタロウとソノイの決戦が展開する。本当に唐突で、冒頭のプールでくつろいでいたところで出会って約束したら決戦となってしまう。その後タロウは休んだ同僚のために仕事をして、ソノイがそれを手伝うという、妙にほのぼのした展開となってる。この人を食った展開は流石井上敏樹脚本だ。
 それで決戦が始まったと思ったら、ドンドラゴクウとドンムラサメが現れ、更に魔法鬼とお獣人まで現れ決戦とかじゃなくなってしまった。
 そして最後に一対一での決戦が行われ、ドンモモタロウが勝利を得るが、倒されたソノイの体はドンムラサメによって連れ去られてしまった。
 戦いの中でソノイから獣人とドンムラサメの正体の推測が語られる。脳人の世界では人間をエネルギーとしていたが、桃井タロウの実家であるドン家が人間を多量に殺してエネルギーを得られるように獣人を作ったのだが、それが暴走して脳人の世界を犯すようになってしまった。それこそがドン家が脳人の裏切り者とされている理由らしい。
 あと、決戦用に特訓はしないのかと聞かれたタロウは「特訓して強くなるなら楽なもんだが、俺には無意味」とか言っている。ヒーロー作品を真っ向から否定するような台詞だが、ちゃんと理由がありそう。
<宅配に行ったお宅の主婦はおでんをつまみにドンペリ飲んでた。なんだその描写?>
第28話 ひみつのヒミツ

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 相変わらず逃亡生活を続ける犬塚翼の前に伊集院瑞穂という女性が現れ、弟子にして欲しいと願いこむ。どうしても欲しい絵があり、その思いでヒトツ鬼になってしまったが、その絵を盗まねばならないと願っているという。行きがかり上手伝わされてしまう翼。

 敵は科学鬼。どうしても大切な絵が欲しい女性伊集院瑞穂が絵の欲しさのあまりに変身してしまったヒトツ鬼。そして科学鬼ング
 犬塚翼が中心となって、一人の女性に振り回されるという話。オークションで絵を競り落とそうとする世間知らずのお嬢さんの度を超えた執着に引っ張られてしまう。ヒトツ鬼を手伝うことになってしまい、他のドンブラザーズと敵対することになってしまった。
 天才画家が最後に描いた絵は、その対象となるモデルに恋をしてしまったために失敗作となってしまい、画家の遺言でそれを処分するために絵を盗もうとしたというオチだった。
 しかしこれだけやってイヌブラザー未だにお互いに正体が分かってないとか、ほとんどギャグの世界。そのいい加減さが本作の持ち味か。
 突然ドンオニタイジンと虎龍攻神が合体してトラドラオニタイジンになった。伏線とか全く無しで、ドンモモタロウが言ったら出来てしまった。
 あと、オークションに絵が出されると聞いてノリノリの五色田介人はお金の有無を聞かれたときに「喫茶どんぶらにないものはない」と答えていた。介人は多元世界を行き来していたんだから、あながち間違ってない。
<犬塚翼の正体をばらそうという瑞穂は鞄の中に拡声器を持っていた。用意の良いことだ。
 オークション風景が古典的だが、こっちの方が良い。
 科学鬼は感情が高ぶると爆発する。それを見たサルブラザーは一言「芸術」と言っていた。番組が違う。>
第29話 とむらいとムラサメ

  脚本:井上敏樹
  監督:諸田敏
 桃井タロウの元に、かつてタロウが斬ったソノイの葬式の案内が届く。脳人の罠だと分かっていたものの、一人でそこに向かうタロウ。そこでは歓待を受けたが、魂を失って抜け殻となったソノイの骸が突然起き出して襲いかかる。

 敵は爆竜鬼。永井という会社社長が何でもスピード重視するあまりにヒトツ鬼となった。アバレンジャーのエンブレムで攻撃する。そして爆竜鬼ング
 ソノイの葬儀にタロウが招かれ、初めて故郷である脳人の世界に足を踏み入れる。そこで丁重なもてなしを受けるものの、ドンモモタロウの力をソノイの骸に吸い取られてしまう。
 今回中心となるのはムラサメ。マザーの命じるまま地上で戦うムラサメだが、自分の目的を知らず迷っている。そんなムラサメが、同じく不完全な存在である桃谷ジロウに惹かれ、生きる意味について語り合う。二重人格のジロウだが、本来の性格は凶暴な方で、人との関わりの中で優しい人格が現れてきたそうだ。ただちょっと話しただけだから、お互いの正体については謎のまま。
 ムラサメの刀はを握った人間はムラサメの意識に乗っ取られておかしくなってしまう。ところが脳人の国で力を失ったタロウが握ったら力が戻った。訳が分からない。
VOL.8
<A> <楽>
第30話 ジュートのかりゅうど

  脚本:井上敏樹
  監督:諸田敏
 はるかの叔母で保護者のゆり子がアノーニにさらわれてしまった。ゆり子を返す条件として、獣人を隔離して欲しいという。アノーニがドンブラザーズに渡したリストの中に、つよしの妻みほの名前があったことに動揺するつよし。他にもドンブラザーズの関係者の名前も多々あることが分かり…

 敵は超新星鬼。激辛好きな男小山が辛さを求める余り変身してしまった。星のような光を操って攻撃する。そして超新星鬼ング
 はるかの叔母ゆり子が中心になった話。誘拐されてしまったが、扱いは丁重で、更にアノーニの人間体はイケメン揃いと言うことで、まんざらでもない様子。
 一方、つよしは妻のみほが獣人だと知らされてしまう。それは視聴者にはもう分かっていたことで、もっと劇的に盛り上げるかと思ったが、獣人のリストの中に名前があったからというだけで、随分あっさり分かってしまった。更についにみほが夏実であることがばれてしまった。次週はいよいよ修羅場か?
 何故かドンブラザーズに好意的な獣人が現れ、ムラサメについて語っていたが、ムラサメは獣人を倒すために脳人の世界で作られた存在だという。そしてその獣人にもいくつかのレベルがあると言う。これまで現れて暴れていたのが猫。ドンブラザーズに危機を伝えた女性が鶴。他にペンギンがいると言う。何を言ってるのか全く分からないけど。
<辛いもの好きが怪人化する描写は無理があるというか、食べ物はネタにしない方が良いと思う。>
第31話 かおバレわんわん

  脚本:井上敏樹
  監督:山口恭平
 犬塚翼こそがイヌブラザーであると主張する桃谷ジロウ。その真偽を確かめるため、イヌブラザーの正体を探ることにしたドンブラザーズは、戦いの場に現れたイヌブラザーを拘束しようとする。ところが捕まえたのは関係のない乾龍二という売れないミュージシャンだった。その男がイヌブラザーと勘違いしてしまうが、その男の方もその気になってしまい…

 敵は天装鬼。痩せたいという願いを持つ太った男が変身したヒトツ鬼だったが、大食いが好きだという女性と出会って浄化されてしまった。魂のような状態で彷徨っていたが、そこで乾龍二に取り憑き直す。
 これまで正体が分からないままだったイヌブラザーの正体を探る話。ここまで引っ張ったのだから、そろそろ正体が分かっても良いだろうと思ったら、キャラを勘違いして、正体が分からないままだった。どうやらまだ引っ張るらしい。翼の方はもうだいぶ前にドンブラザーズのことは分かっているが、夏実そっくりなみほを同一人物かどうか決めかねているため、少し距離を置いておきたいらしい。
 今回登場したヒトツ鬼は自分が認められたことで浄化されてしまった。こう言う退治の仕方もあるのか。ただし怨念は離れただけで、他の人物に取り憑いてしまうため、最終的には退治が必要だが。
<格好付けた龍二は「俺は納豆と男が嫌いなんだ」発言をしている。確かにどこかで聞いた台詞だぞ。この脚本家の作品で。
 公園で耳掃除を始めるのはともかくとして(?)、そこで急に顔を振るのは止めて欲しい。観てて怖い。>
第32話 けっとうソノ2

  脚本:井上敏樹
  監督:山口恭平
 ソノニとソノザに呼び出されたドンモモタロウは決闘の場に向かう。そこにはパワーアップを果たした二人だけでなく、突然死んだはずのソノイまで現れる。

 敵は轟轟鬼。11話で手裏剣鬼になった大野が忍者道を諦めきれずに又しても変身してしまった。
 ドンモモタロウに倒されたソノイの弔い合戦が展開する。27話で冒頭で決闘直前の時間、それからそこに至るまでの過程を描くと言うことで、基本路線は同じで、タロウが仕事をしてたら決闘の時間に遅れたのも同じでほぼ同じ展開。タロウ自身が「ソノイの時と同じ展開だ」と言っていた。
 違いとして、死んだはずのソノイが現れた際、登場の仕方がタロウと同じになったことと、性格までタロウそっくりになってしまった。29話でタロウのエキスを注入したのが理由だろうか?
 そしてムラサメがブラックオニタイジンへと変形した。オニタイジンを黒くしたもの。その際、中空に目線を向け、「はいマザー」と言っていることから、このキャラが「ロボット刑事」イメージだと今分かった(ちなみにソノイが「超人バロム・1」、ソノニが「コンドールマン」ソノザが「ザ・カゲスター」イメージとは言われていたこと)。トラドラオニタイジンとも又句遜色なく戦っている。
 どうしてもタロウに敵わないジロウは桃井陣にアドバイスをもらいに行くが、そこで二人の自分が一緒になったときにタロウに迫れると言われていた。そう言う展開になるのかな?
 そしてラストシーン。改めてドンモモタロウとソノイの決闘が行われ、今度はソノイの方が勝利し、倒れたドンモモタロウをドントラボルトが担いでいった。これも27話と同じだった。
<タロウに文句を言ってた老人は食事中だと言っていたが、こんにゃくと大根とちくわのおでんを持っていた。チビ太なのか?
 ソノイ曰く、「俺とお前は似ている。海と空のように」だそうだ。海と空は向き合っていて決して交わることはないが、どちらも青いのだそうだ。何言ってるのか分からない。>
第33話 ワッショイなとり

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 ソノイとの対決に出かけたまま帰ってこないタロウを案じるドンブラザーズの面々。実はソノイに敗北したタロウは桃谷ジロウによって喫茶どんぶらに運ばれており、そこで復活を待っていた。それも知らないまま、ソノイの挑戦を受ける残った面々。

 敵は太陽鬼。ソノイの力で欲望を解放された雉野つよしが変身してしまったヒトツ鬼。
 タロウ亡き後のドンブラザーズの身の振り方についてだが、脳人の仲間というか、ソノイのお供になれと誘われ、それを拒否したところ、ソノイから試練を与えられた。ドンブラザーズの面々が一人一人ゲームのアイディアを出して、そのゲームに勝てば質問に答え、負ければお供になるというもの。ピーナツキャッチ、沈黙の行、大食いと続き、全員が失敗。その後に欲望を解放されたら、雉野つよしだけが試練に失敗してしまって太陽鬼になってしまった。15話の激走鬼に次いで、二回目の変身になる。
 喫茶どんぶらにやってきたソノイたちだが、ソノザは鬼頭はるかが漫画家であることを既に知っていたらしい。話が通じないのでは?
 前回ソノイに倒されたタロウが復活する話。何もかも唐突で、介人が死にかけたタロウを手術までしていた。喫茶どんぶらには地下に手術室まであった。生命力が足りないので、店にいたドンブラザーズの面々と脳人からエネルギーをもらってそれを注入したところ、生き返っただけでなくパワーアップまでしていた。確かに仲間の力とか敵の力をもらってパワーアップって定番かもしれないけど、誰も知らないうちにこっそり奪ってパワーアップするって展開、どうなの?この話はなんかほんと「シャンゼリオン」っぽかった。
<手術中のゼンカイザーブラックが汗を拭くシーンがある。ヘルメットの上から汗出るの?
 雉野つよしが変身した太陽鬼は顔が太陽を象っていた。確かつい最近どこかで見たような?>
VOL.9
<A> <楽>
第34話 なつみミーツミー

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 二度までもヒトツ鬼になってしまったことで落ち込む雉野つよし。その前に現れた犬塚翼は、一度つよしの妻のみほと会わせて欲しいと願い、つよしもそれを認める。

 敵は特捜鬼。おでん屋の店主が勝手なことばかり言う客に切れて変身したヒトツ鬼。そして特捜鬼ング
 雉野つよしと犬塚翼の中心回で、つよしの妻みほがやはり翼の恋人夏美だったことが発覚した。人間の時に翼の恋人だったが、獣人となった時につよしと会って結婚したという。体は同じだが中身は違う人間だった。翼と会ったことで人間の記憶が戻ってしまった
 その結果として、夏美として翼の元に行ってしまう。それでついにつよしと翼は感情的にぶつかる。にこやかに話をしていたつよしが突然キレたり、翼を罠にはめるとか、なかなか凄まじい演出やってくれる。三角関係を描くのは井上脚本の特徴と言えばそれまでだが、かなりきついことやってる。
 ソノイの性格が桃井タロウの性格とそっくりになったことにみんなが戸惑っている。なんかみんな仲良くおでんなんか食ってたりするので、仲が良いのか悪いのかよく分からないけど。で、おでん食ってる内にカラシで涙が出たら性格が元に戻った。
 あと、なんだか桃谷ジロウが苦しがっている。理由は分からないが、パワーアップの伏線か?
<特捜鬼のモティーフは犬だった。確かにデカレンジャーって言ったら犬だよな。
 今更だけど、犯罪者を普通に家に入れるのはどうだろうか?
 おでんを前に蘊蓄を披露するソノイ。どこかの日本国大統領みたいな性格になって来たぞ。というか明らかにネタにしてるだろう。>
第35話 おりがみのうた

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 妻のみほを奪った犬塚翼を罠にはめて逮捕させた雉野つよし。しかし完全に昔の自分を取り戻したみほが戻ってくる訳でもなく、ただひたすら虚しさを噛みしめていた。一方取り調べを受ける翼の前に現れたのは鬼頭はるかの叔母である鬼頭ゆり子だった。

 敵は超獣鬼。哲学書を持った青年が青春とは何かと悩んだ末に変身したヒトツ鬼。必殺技の一つ一つに「青春」のキーワードが入る。そして超獣鬼ング
 雉野つよしと犬塚翼の二人を中心に話が展開していく。同じ女性を好きになった二人がいがみ合ったり和解したり。
 警察も無能ではなく、既に獣人のことを調査しており、その獣人事件に関わっていることから翼を道具として使うことにしたようだ。官憲に使われてしまう主人公ってのも井上脚本では結構あること。その協力をすることを条件に指名手配を解除された。
 それで獣人となっている疑いのある夏美=みほをどうするかで、翼は悩むことになる。一方、つよしの方はただ捨てられてしまったことにウジウジ悩んでいる。
 そして翼は獣人になった夏美を追いかける内に不思議な空間に吸い込まれてしまい、そこで獣人に捕らえられてしまった。その空間には元の夏美を含めて獣人とされた人たちが捕らわれていて、翼も又獣人によってコピーされてしまう。
 ドンモモタロウが久々にトッキュウ1号へのアバターチェンジを行ったが、ゴールドンモモタロウの顔だけが変わっていた。そう言う変身もあるのね。
 あと、桃谷ジロウの病は重くなっている。もはや自力で立ち上がることも出来ない。
<なんで凶悪な逃亡犯である翼と、痴漢行為のつよしが同じ牢に入れられるんだ?
 超獣鬼の必殺技名は青春爆発ファイヤーだった。嶋大輔の顔が思い浮かんだ。>
第36話 イヌイヌがっせん

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 最愛の妻みほがいなくなり、落ち込む雉野つよし。そんなつよしを励まそうとするドンブラザーズの面々。ところがみほの事情のことを知らなかったために、逆に傷つけてしまった。そんなつよしは犬塚翼と出会うのだが、その様子がおかしかった。

 敵は救急鬼。久我という気弱な男が自分を救って欲しいという願いで変身した。そして救急鬼ング。何故か列車の姿になってる。
 前回獣人に成り代わられた翼が暴走してしまうという話。現れたソノニの助言でそれが獣人であることに気づくのだが、普通にイヌブラザーに変身までしていて、無理矢理ドンオニタイジンに合体までしてる。その後獣人の世界に入っていなくなったはずの翼の本体も現れて偽物を撃破した。
 今回ドンブラザーズの口上が聞けるが、確か初めてだと思う。イヌブラザーだけ吠え声だった。
 獣人は基本的にこの世界では不死身の存在。これまではドンムラサメだけが倒す事が出来たが、コピー元の本人がこの世界に戻ると倒す事が出来るということが分かった。
 一方桃谷ジロウは二つの性格がせめぎ合って熱が出ていたらしいが、幼なじみのルミのお陰で無事復帰。なんかこんないい加減で良いのだろうか?
 今回獣人の夏美はタニマチから色々プレゼントもらって、それを当然のように受け取っていた。なんかバブルの時代を思わせる描写だが、この手の描写は井上敏樹脚本ではよくある。
 次回脳人がもう一人増えてソノシが登場するようだが、真っ赤なボディと仮面と言うことで、「仮面の忍者赤影」だろうか?
<ルミの言葉「夕陽は赤チン」だそうだが、この番組一体対象年齢はどこにあるんだ?>
第37話 イとニとザとシ

  脚本:井上敏樹
  監督:諸田敏
 それなりに脳人との交流を深めているドンブラザーズの面々。だがそこに現れた脳人の監察官ソノシによって脳人たちは強要され、そんな馴れ合いも終わらせるために決戦を行うこととなった。

 敵は星獣鬼。三度ヒトツ鬼になりかけた大野からソノザによって分離され、ソノシに憑依されて誕生した。そして星獣鬼ング
 いつの間にか仲間意識が出来ている脳人とドンブラザーズの描写をたっぷり描き、その後新たな脳人の戦士を出すことで緊張感のある話に仕上げた。結果としてコミカルになってるのも良し。
 新たに登場したソノシ(おそらく「仮面の忍者赤影」ベースの脳人)だが、脳人の三人にとっては鼻つまみ者で、出来れば排除したいと思っていて、そのためにソノイはドンブラザーズに協力を要請した。もはや敵味方がよく分からなくなってしまった。
 前回ドンブラザーズの口上が登場したが、今度は脳人の三人まで名乗りを上げる。名乗りを上げた背後で爆発が起こるのは懐かしい演出だ。それで戦う事になるが、ドンブラザーズの方はイヌブラザーが抜け、ドントラゴクウが入っている。
 ソノイの要請で一芝居打つことになったドンモモタロウは、わざとやられたふりをする。そうしたら嘘がつけないために本当に心臓が止まってしまった。それでソノシを騙すという非常に卑怯な方法を使っている。ただ、最後のとどめは刺さないままで、ソノシは満身創痍で脳人の世界に帰っていった。
 つよしはオープニングで奥さんのみほが帰ってきたと喜んでいたのだが、ラストで家に帰ると人形をみほちゃんと呼んで愛でていた…おい。
<脳人にとって最も屈辱的なのはぞうきんがけらしい。無限ぞうきんがけが最も重い罰となるらしい。>
VOL.10
<A> <楽>
第38話 ちんぷんかんクッキング

  脚本:井上敏樹
  監督:諸田敏
 獣人の森から現実世界に帰還したことを包み隠さず警察に話す犬塚翼。しかしその記憶を失っており、更に獣人の自分自身がやってしまったことで又しても指名手配犯にされてしまった。そんな翼に雉野つよしがごちそうしようと言う。

 敵は電子鬼。新しい味の食事を求める料理評論家が変化したヒトツ鬼。料理人達を吸収してしまう。たまたま料理勝負していた犬塚翼と高村という料理人まで吸収してしまった。
 話は概ね混乱しっぱなしだが、今回は翼の料理勝負が中心。みんなは翼がイヌブラザーだと分からないのに、家に押しかけて料理を堪能してたりしていて、結構カオス状態。
 前回ラストでつよしが人形をみほと言って愛でていたが、すぐにそれが翼にばれてしまう。既に精神的にやばい状況にあるのだが、普通にみんなと交流していた。つよしの精神って大丈夫だろうか?しかもラストでまた獣人のみほが家に帰ってきている。不穏さしか感じられない。
 今回はドンブラザーズの面々で食事してるが、精神的にみんなすれ違っているために(翼とつよしは言うまでもないが、タロウに執着するジロウの別人格とか、脳人と仲良くなってるはるかに対して危惧を覚える真一とか)口論になってしまってレストランから追い出されてしまった。
 戦いでは封印を解かれたドンムラサメがパワーアップしたため、トラドラオニタイジンもパワーアップしてトラドラオニタイジン極となった。流石にこれが最終形態か?
第39話 たなからボタンぽち

  脚本:井上敏樹
  監督:山口恭平
 喫茶どんぶらの金庫を発見したはるかは、その中にあったスイッチをつい押してしまう。そのスイッチとは、ドンブラザーズを滅ぼすためのアンドロイド兵器の起動スイッチだった。現れたドン・キラーに全く歯が立たないドンブラザーズ。

 敵は邪鬼。男性に振られたたまきという女性が変身したヒトツ鬼。そして邪鬼ング。更にドン・キラー。桃井タロウをコピーして作られた対ドンブラザーズ用壊滅兵器。当然顔はタロウそっくり。
 ドンブラザーズの壊滅?という話なんだが、ストーリー上で強大な敵が現れたのではなく、ちょっとした好奇心で破壊神を呼んでしまったという身も蓋もない話に成ってる。時折井上敏樹脚本ではあること。
 それでもう後は死ぬしかないということで、最期のひとときを過ごそうとするドンブラザーズの面々の姿を描く。まるで最終回のような展開なのだが、たまたま桃谷ジロウの実家に対抗手段が置かれていて、そのボタンを押したら万事解決。実にあっけなく解決してしまうあたりも井上敏樹だ。
 ドンブラザーズでは絶対敵わないので、ソノイたちがちょっかいをかけたところ、反撃を食ってしまったのですぐに逃げ帰ってしまった。あと久々にゼンカイザーブラックも登場したが、やっぱりドン・キラーには全く敵わず。
 前回ラストで突然つよしの前にみほが帰っていたが、それはスルーされ、今回のラストで桃谷ジロウが多量の折り紙を折っていたのと、ドン・キラー・キラーの呼び出しボタンを持っていた。謎が出しっぱなしだな。
<格好良くドン・キラーの前に現れたのは良いものの、一撃を受けただけで逃げ帰るソノイ達。思わせぶりなくせに何も
 今回の敵は邪鬼。そんな戦隊いたっけ?と思ってたら、トランプを使って攻撃していたことでやっと分かった。なるほど「ジャッカー」か。>
第40話 キケンなあいのり

  脚本:井上敏樹
  監督:山口恭平
 はるかは姉に勧められて車の免許取得のために自動車学校に通っていた。失敗続きだったがようやく路上教習にまでこぎ着けた。

 敵は未来鬼。鬼頭はるかの自動車学校の教官武藤がムラサメとはるかの戦いを見て混乱した末に変身した。そして未来鬼ング。時を戻す力を持つ。
 話は鬼頭はるかと犬塚翼の二つで展開する。はるかの方は自動車教習で悪戦苦闘するコミカルな話で、あまりにも運転が下手なため、その試験官がヒトツ鬼になってしまう。
 一方の翼の話では、愛を知りたいというソノニが翼に興味を持っていたが、その中で自分の割に合わない感情に戸惑う話になってる。ドンムラサメと戦って一時的に目が見えなくなった翼はソノニを夏美と勘違いしてしまい、ソノニもそれを利用して翼をフォローする。ムラサメと戦っている内に偶然ムラサメを手にしてしまったイヌブラザーだが、何故かムラサメが「お前といたい」とか言い始める。夏美とソノニとムラサメの三人に囲まれて慕われてる訳だな。
 はるかの教習の最初の教官はスーツアクターの五味涼子だった。知る人ぞ知るってやつだ。
<翼をビルから蹴り落としたムラサメは何故か追い打ちするために階段をゆっくり降りてくる。なんでそんなゆっくりしてる?
 試験開始から一月で最終試験までいくはるか。あの運転技術でよくそんな短期間で路上に出られたもんだ。
 獣人を殺せば獣人の森のキャラも死ぬと最初で言ってたが、最後にソノニは、刀状態のムラサメで切れば森の人間は元に戻ると言っていた。言ってることにだいぶ矛盾がある。>
第41話 サンタくろうする

  脚本:井上敏樹
  監督:渡辺勝也
 脳人の面々は、サンタクロースになって子ども達にプレゼントを配ることになっており、今年はソノイ達がその当番に当たっているという。サンタが何者か分からないというソノイに喫茶どんぶらのマスターが、サンタと知り合いだという。

 敵は光鬼。サンタクロースが変化したもので、要らないものや嫌がらせのプレゼントをみんなに配っている。
 クリスマスらしいサンタクロースの話なのだが、肝心のサンタクロースがヒトツ鬼になってしまったので、それを更生させることが目的。子ども達に愛されなくなったことでひねくれてしまった。
 相も変わらず脳人とドンブラザーズの決戦をやってるのだが、ほぼレクレーションみたいなもので、常に痛み分けで年中行事と化している。日によっては勝負どころか喫茶どんぶらで普通にくつろいでたりもする。
 てっきり自分に気があると思い込んでソノニにちょっかいをだす真一が、常に撃退されてしまう。やってることは昔のラブコメみたいだぞ。
 戦いの中ではイヌブラザーがムラサメを呼べるようになって普通に使いこなしているが、ムラサメは他のドンブラザーズを観ると戦おうとしてしまう。ムラサメは更にパワーアップしており、徐々にドンブラザーズを追い込み始めた。
 サンタクロース役は螢雪次朗だった。久々に観たよ。
<サンタクロースの正体は脳人だというのがキーワードなのだが、肝心の脳人がサンタを知らないというところで話が破綻してる。>
VOL.11
<A> <楽>
第42話 ドンびきかぞく

  脚本:井上敏樹
  監督:渡辺勝也
 猿原真一の家に荷物を運んできた桃井タロウだが、何故か真一とはるかとつよしが家族になっていた。混乱するタロウを閉め出し、家族団らんを始める三人。実は三人は悪質な詐欺師を撃退するために一芝居打っていたのだ。

 敵は秘密鬼。詐欺師の亀井勉が正体ばれた時点で変化したヒトツ鬼。ハート型の爆弾や緑色のブーメラン、青い弓矢、赤い鞭で攻撃してきた。そして秘密鬼ング。ゴレンジャーハリケーンのようなボールを使って攻撃する。
 詐欺師撃退のためにみんなで嘘の家族を演じるドンブラザーズの面々。桃井タロウだけは嘘がつけないためにつまはじきにされていたが、そもそも全員演技下手なため、支離滅裂状態になってしまったが、幸い詐欺師を騙すことは出来たようだ。詐欺師はインチキ霊能者で、悪霊払いに来たと言っていたが、ドンブラザーズの面々を悪霊そのものと思い込むようになっていく。関わってはいけない人たちに関わってしまった可哀想な人間にも思える。結局ストレスのあまりヒトツ鬼になってしまうほどだった。
 オープニングで「最大の戦いが近づいている」と言っていたが、これのどこが最大だ?
 一方では、ムラサメが犬塚翼のものになったことについてソノイ達が危機感を覚えつつある。これは何かの伏線なのか、それともまっっったく何も考えてないのかは不明。後者である可能性が高い。
<詐欺師と分かっている人物がそこをうろうろしてる時点でおかしい訳だが。
 真一がジロウに状況を説明する際、「うんぬんかんぬんで」と言っていた。「でんでんかんぬん?」じゃないのか?
 タロウを見かけたジロウは「タロウ兄さん」と言っていた。お前は80か?>
第43話 トキかけナゾかけ

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 自分を今の境遇にしたライバル漫画家椎名ナオキに一泡吹かせることを目標にマンガに精進するはるか。一方ドンムラサメのマスターとなってしまった犬塚翼は、獣人の森の秘密を解き明かすことこそが重要と考えるが、不意に蘇った記憶によると、ウサギの着ぐるみの人物が自分を助けてくれたことを思い出す。

 敵はドンムラサメ。未来から椎名ナオキを殺すために現れた、未来のムラサメで今のムラサメとは異なる。そのため今の世界のドンムラサメと戦っている。
 はるかを追い落とした漫画家の椎名ナオキと、犬塚翼の恩人が実は同一人物だったという話。実は未来のはるかが休暇を取って現代にやってきたという事とのこと。色々事情を知っていたために先回りして色々やってしまったため、みんなを混乱させてしまったらしい。しかもその未来というのは、次元が異なるために今の歴史とは違う歴史を歩んでいたようで、続いてやってきた真一が妙に低姿勢だったり、はるかが桃井タロウに殴りかかったりと、全く異なる様相を呈している。未来のはるかはまだ他にもなにかやってそうだ。
 未来からやってきたはるかが椎名ナオキを名乗って漫画を書いたのは、「休暇でやってみたかったら」だそうだ。そんな理由?とも思うが、ひょっとしてはるかのいる次元でははるかは漫画家になれてなかったのかも知れない。それで憧れていた漫画家になったということか。
 今回はオニシスターとサルブラザーが二体出てくるという変則的なものとなった。
 問題として、今日の話がどう本編につながるのか全く分からないと言うところだな。
<ウサギの着ぐるみの中にいる翼は「動きづらい」と言っていたが、イヌブラザーの方がよっぽど窮屈に見えるぞ。>
第44話 しろバレ、くろバレ

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 ドンブラザーズの面々は犬塚翼を喫茶どんぶらに呼び出し、そこで獣人のことを聞いてみるのだが、みんながドンブラザーズだと知らない翼は適当な答えを返し、その上でみほの姿をした獣人を倒して夏美を取り戻そうとする。

 敵は超電子鬼。自己承認欲求の強い小野という男が変化したヒトツ鬼で、人々に無理矢理自分を褒めさせる。
 ソノニの助言で夏美を取り戻すため、みほの姿をした獣人を殺そうとする翼。しかし彼女を殺せば夏美を取り戻せるというのはソノニの嘘で、すんでのところでソノニが身を挺してみほを救う。しかし重傷を負って逃げたみほはつよしに翼のことを語り、ついに二人は本気でぶつかり合う。
 つよしと翼のぶつかり合いはイヌブラザーとキジブラザーのぶつかり合いでもあり、ここでようやくお互いの正体を知ることになった…のだが、それについては全く言及なしで、普通に馴染んでいた。ここまで引っ張った割にはあっさり過ぎる。むしろ戦隊メンバー同士で本気で殺し合いをするのは滅多になく、結構重い話でもあった(無いとは言わないのだが、概ねは誰かが洗脳されてのこと。お互い完全に正気で殺し合うのは初めてでは?)
 あと、重要な設定として、ドン家が何故脳人から追放されたのかが語られた。それはドン家の者が、かつて人と脳人のかけ橋になろうとしたからで、脳人にとって人間を好きになることは許されない罪だったからとのこと。翼を愛してしまったソノニも制裁対象だが、人間社会に馴染んでしまったソノイもソノザも彼女を殺す事は出来なかった。
 更にタロウはジロウのことをはっきりドン家の者と認めた。二人とも赤ん坊の頃に脳人の世界からこの世界へと追放されたらしい。そして何故かジロウにとっての幼なじみルミが存在しないことになってるようで、この辺も複雑。
<会社の風景があるが、そこにいた課長と社員は「超電子バイオマン」のドクター・マンとモンスターのコスプレしてる。これ一体誰を対象にしてるんだ?
 瀕死のソノニを救おうとする翼に雪が降ってくるが、その場所だけしか降ってない。>
第45話 カカむらガガむら

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 ようやく犬塚翼がイヌブラザーであることが分かり、五人が揃ったが、愛する妻が獣人である事実を突きつけられたつよしはどうしても翼を仲間と認めようとしない。そんな中でジロウの故郷華果村に招待されたタロウはその村へと向かう。そこに何かがあると感づいた翼も同行することとなる。

 敵は百獣鬼。三度目につよしが変身したヒトツ鬼。そして百獣鬼ング
 桃谷ジロウの真実を暴く話。ジロウの故郷の村の華果村は、獣人の森と人間社会をつなぐ通路で、その扉を守っていたのがジロウの育ての親である寺崎だった。寺崎はその後継者としてジロウを育てていたとのこと。ジロウにとっての村の仲間たちは実は寺崎が作り出した幻で、ジロウはある意味夢の中で勝手に獣人にされようとしていた。
 ジロウの状況を知ったタロウは、その役目はドン家の当主である自分が行うと宣言し、自ら獣人に変化してしまった。なんだかよく分からない展開だ。
 タロウと翼のコンビはかなりの凸凹コンビになるが、タロウも翼のコントロールも出来てるようだが、ちょっとしたことで翼がキレるので、戦いになったりもする。
 一方、脳人の方も色々複雑で、更に二人、ソノゴとソノロクが登場。モティーフはナショナルキッドとシャンゼリオンらしい。
 更に三度目にヒトツ鬼に変身してしまったつよしはなんと次回のスーパー戦隊であるキングオージャーによって倒され、更に現れたソノシによって斬られ、封印されてしまう。
<華果村のジロウの友だちはみんな幻だったように描かれているが、前はジロウがいなくなっても普通に存在していたので、設定が変化したような気がする。まあその辺は井上敏樹だから仕方ないか。>
VOL.12
<A> <楽>
第46話 なつみのよのゆめ

  脚本:井上敏樹
  監督:加藤弘之
 獣人の森に入るため、敢えて自ら獣人になるタロウ。一方、脳人の元老院からソノイらを摩擦する命令を受けて現れたソノシ、ソノゴ、ソノロクによってつよしは封印され、オニシスターとサルブラザーだけで戦わねばならなくなってしまう。

 敵はソノシソノゴソノロク。そして獣人の群れ。
 タロウは獣人の森に取り込まれ、獣人のタロウが誕生。更に雉野つよしが封印され、ドンブラザーズがすっかり歯抜け状態。
 このカオス状態がどうなるのかと思ったら、人間の世界に戻ってきた獣人状態のタロウが記憶を取り戻し、逆に獣人の意識を飲み込んでしまい、再び獣人の森へと戻ってそこに捕らわれている人間を全員解放。更に獣人にここから出ることは許さんと命令していた。
 幻の中に生きているジロウは翼に幼なじみのルミを紹介するが、翼の目には何も見えない。シュールな光景が展開している。ジロウの育ての親である寺崎が死んだ時、ジロウもそれが幻である事を知ってしまった。
 ソノイ、ソノニ、ソノザは元老院から抹殺命令を受けてしまい、代わりにやってきたソノシ、ソノゴ、ソノロクによって追い立てられてしまう。そこで開き直って人間の世界を守ることにした三人は、これまで自分たちが封印してきた人間達を全員解放してやる。当然その中にはつよしも入っている。
 今回分かった事実は、脳人の貴族であるドン家は人と脳人をつなぐ存在として獣人を作り出したが、失敗したために特殊空間の獣人の森を作り、そこに獣人を封じ込めた。その封印を守るために代々ドン家の血縁者が守り人となっていた。ところが封印の力が弱まったために獣人は人間をこの森に入れることでその体を手に入れて外に出るようになった。タロウが獣人の森に来て封じ込まれた人間を解放し、獣人を改めて封印した。
 タロウの活躍で色々すっきりしたが、すっきりさせた結果、ジロウは幻から目覚めて幼なじみを全員失い、つよしは愛するみほを失う。なんとも切ない。お陰でこれから余計カオス状態になりつつある。
第47話 ドンノーかいぎ

  脚本:井上敏樹
  監督:諸田敏
 ソノイ達三人の脳人はドンブラザーズと手を結ぶことを提案する。そこで喫茶どんぶらに集まって話し合いとなるのだが、話はどんどんややこしくなっていく。

 敵は電撃鬼世界鬼。喫茶どんぶらで喧嘩したカップルの男と女が変化した。ちなみに女の方は39話で邪鬼となったたまきという女性だった。
 ドンブラザーズと脳人が手を組むという、ある意味とんでもない話。これまでの戦隊ものでもなかなかこう言う話は無い(「カ〜〜〜レンジャー」で実際にあったから、無いとはいわんのだが)。
 それで会談が始まったのは良いのだが、主張が錯綜してなかなかのカオスぶり。ソノザと真一の相性が悪くて互いにいがみ合い、ソノニは翼に秋波を送るが無視され、ストレートなはずのソノイとタロウの会話が噛み合わない。更に妻のみほを失った雉野がキレ散らかして会談そのものを混乱させている。更にタロウの育ての親で、獣人の見張りをしているという桃井陣まで現れ、しかもほとんど何の役にも立たないとか。現実の会議っぽいカオスっぷりだった。
 ようやくマスターのことが話題に出た。ソノザに「お前はただ者ではない」と言われたマスターが「俺はただ者ではない」と返すとか、桃井陣が突然現れてくるとか、何が何だか。更に陣はマスターのことをよく知っていたようで、「トゥルーヒーロー」と呼んでいた。
 桃井陣の役割は前回の寺崎と同じで獣人を抑える役だったようだ。前回ソノイに許しの輪の元に行く力を与えたのも陣だったことも分かった。
 一方、ソノシ、ソノゴ、ソノロクは勝手に暴れ回ってドンブラザーズを呼び出そうとするが、会議に忙しいドンブラザーズと脳人は全然気がつかず、無視されてしまう。
 結果としてほとんどが喫茶店の中だけで終わるという異色回だった…そもそもこの作品は異色回だらけの気がするが。
 最後に二体のヒトツ鬼が現れ、それを退治に出たら、キジブラザーとドンモモタロウが吸い込まれて終わり。なんだこの終わりかた。
<ソノシが脳人の戦闘員を呼び出す時にオカリナで奏でる曲は「人造人間キカイダー」のギルの笛の音だったよな?
 電撃鬼はともかく、世界鬼ってどこの戦隊?…あ、「バトルフィーバーJ」か。>
第48話 9にんのドンブラ

  脚本:井上敏樹
  監督:諸田敏
 ヒトツ鬼によってつよしとタロウが吸い込まれてしまった。残されたドンブラザーズと脳人たちはこれからの事を語り合い、二人を助けるところまでは一致したものの、それ以外は全く噛み合わない。それぞれ勝手にヒトツ鬼に向かっていくことになるが…

 敵は電撃鬼世界鬼。そしてソノシソノゴソノロク
 タロウ不在のまま、これからどうすれば良いかを考えあぐねる面々。翼は夏美と愛の生活に入ろうとする矢先、又しても指名手配犯にされてしまう。ソノザは喫茶どんぶらで働くことになる。真一はドンブラザーズのリーダーになると宣言したものの、全く頼りにならなかったが、危機の連続でやっと仲間意識がまとまった。
 友だちがみんな幻で消えてしまったジロウは、自分に残されたのは自分自身の分身だけだと気づき、ついに合体することを決め、一つの人格にまとまって帰ってきた。
<はるかは度々「雉野はともかく」と言っているが、それではあまりにつよしに対して可哀想では?
 全員がヒトツ鬼に吸い込まれれば三人の脳人に隙が出るはずと言って作戦を立てていたが、まさか本当に隙を作るというか、完全に「もうどうにでもして」という三人。馬鹿じゃないか?>
第49話 さいごのおもいで

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 脳人の三人を加えて九人となったドンブラザーズ。だがチームワークはがたがたで、これからのことを考えていたところ、脳人たちの襲撃を受けてしまう。

 敵は王様鬼。これまで度々ヒトツ鬼になっていた大野稔が変身したヒトツ鬼で、次回作「キングオージャー」からの鬼となる。最強のヒトツ鬼だが、ドンモモタロウが全力を出したらあっけなく倒されてしまう。
 ラス前だが、未だにストーリーの決着が見えてこない。新生ドンブラザーズになったのは良いのだが、桃井タロウは気持ちが上がらない状態。逃亡者に戻ってしまった犬塚翼は何故かソノニと共に逃げ回ることになり、夏美は眠っている間に自分の分身がつよしと生きていた記憶を持ち、気持ちが揺らいでいる。新連載を前にソノザと一緒に漫画を書いている。
 それで妙にテンションが低いタロウに、勘違いばかりのマスター、みんなで突然タロウの誕生日を祝うとか、シュールな光景が続き、最後にタロウが死んでしまう…なんのこっちゃい?全く訳の分からない話になってしまった。
第50話 えんができたな

  脚本:井上敏樹
  監督:田ア竜太
 徐々に人間界の記憶を失っていくタロウは、ドンブラザーズの面々と会い、それとなく別れを告げていった。そしてそれぞれの道を歩み始める面々。

 敵はソノナソノヤ。脳人の世界からやってきた処刑人。変身はしてないが、ソノシ、ソノゴ、ソノロクをあっという間に消し去りその姿を手に入れた。二人でドンモモタロウ以外の全員を圧倒する力を持つが、ドンモモタロウ一人にあっけなく倒されてしまう。
 最終回だが、なんか特別な大きな出来事が起こったという感じではなく、いつも通り敵を倒して終わった感じ。ドンブラザーズは誰も欠けることなく健在で、タロウに代わってジロウがリーダーとなった。そしてはるかは漫画家として再出発。夏美は翼と別れてみほとしてつよしの元へといく。ソノニは翼と共に逃亡生活を送り、ソノザははるかのパートナーとして漫画のダメ出しを行っている。
 おそらくこの世界ではまだ完全な平和は来てない。鬼はこれからも現れ続け、脳人の世界からのちょっかいも続いていくが、ジロウをリーダーにしたドンブラザーズが鬼退治をし続けていくことになるのだろう。こう言う終わり方も良い(かつての「特捜戦隊デカレンジャー」がそう言う終わり方だった)
 ただしタロウだけは別。この世界でなすべき事は全て終わり、去って行く。タロウ自身はまだこの世界に残るが、記憶は消え、普通の人間として生きる事になる。他の面々と再会することはあっても、タロウ自身は覚えていないと言う事になるらしい。そう言う意味では寂しい終わり方だったが、ラストでちゃんと変身していた。一時的ではあるもののドンブラザーズ6名に脳人3人を加え、更にドンムラサメを加えて10人の戦隊となった。最後の最後に10人全員の名乗り口上も聞ける。
 今回登場したソノナ役は「激走戦隊カーレンジャー」イエローレーサー=志乃原菜摘役の本橋由香。そしてソノヤ役は「仮面ライダー555」仮面ライダーカイザ=草加雅人役の村上幸平。
 最後の戦いは採石場だった。完全に狙ってやってるだろ?
 ところで最後まで五色田介人が何故ここにいるのか全く語られなかったんだが、一体どういうこと?完結版の映画かオリジナルビデオで明らかになるのか、それともまさか次の作品まで引っ張るとか?
 例年のレッドのハイタッチは今回はがっちり腕を組んで、二人でポーズを決めるというものだった。
<真一が寝転がって空に手を伸ばしてるシーンがある。これって「555」のラストシーンだよな。脚本が同じ井上敏樹なんで、これも狙いか。>
第51話
第52話

 

書籍