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ウルトラマンデッカー

ウルトラマンデッカー事典
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書籍

 2022'07'09〜

主な登場人物
アスミカナタ
ウルトラマンデッカー
(役)松本大輝。
 ウルトラマンデッカーに変身する青年。祖父の営む煎餅屋で働いていたが、スフィアの襲来で日常が破壊されたことで、GUTS-SELECTに入隊する。戦いの中で光に認められてウルトラマンとなった。
キリノイチカ (役)村山優香。
 元TPUの訓練生。アスミカナタとリュウモンソウマと共にGUTS−SELECTに入隊し、同僚兼ライバルとして活動する。
リュウモンソウマ (役)大地伸永。
 カナタやイチカと同期の訓練生でカナタと一緒にGUTS−SELECTに入隊する。現実主義者で完璧主義者というキャラで、性格が正反対のカナタとはぶつかってばかり。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 襲来の日

  監督:武居正能
  脚本:根元歳三
 ウルトラマントリガーの活躍から7年後。人類は宇宙への進出を開始していた。そんな時、謎の球体スフィアが火星を襲い、その後地球の侵略を開始した。地球襲撃の惨状を目の当たりにしたアスミカナタは、人々を救いたいと願う。その時、光がカナタを包む。

 敵は精強融合獣スフィアザウルス。スフィアソルジャーが複数合体することで誕生した巨大な怪獣で、地球のエネルギーを吸収しようとする。
 「ウルトラマントリガー」と同じ世界を舞台に、その七年後を描く話。これは「ウルトラマンティガ」と「ウルトラマンダイナ」の関係を彷彿とさせる設定となる。又明確な敵が現れ、それがスフィアというのも「ダイナ」の設定を踏襲している。
 今回の主人公は純粋な地球人(?)で、人々を救いたいという願いでウルトラマンになるという、まさに王道ヒーロー。トリガーと同じで言葉を喋ることはなく、変身後もカナタの意思のまま行動出来る。
 初登場となる怪獣も人型でも恐竜型でもないかなり独特なデザインで、色々と力入ってる感じ。
 デッカーは「シュワッ」と叫びながら行動しているが、この声で戦うのは随分久々になる。
<空高くから攻撃するスフィアに対して実弾のマシンガンで攻撃するGUTS−SELECTの隊員達。トリガーの時より武装が弱くないか?
 最初から「輝けデッカー」と叫ぶカナタ。何故そんなすらすら決め言葉が出てくるの?
 一般人に対して脅すリュウモンソウマ。よくこんなのが隊員になれたもんだ。昭和でもこんなキャラいなかったぞ。>
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第2話 決意のカナタ

  監督:武居正能
  脚本:根元歳三
 スフィアの襲撃から一年が経過した。スフィアによって地球は光の膜で覆われ、宇宙に出ることができなくなったが、それ以外は全く変化無く過ぎていった。そんな中、TPUに入隊したアスミカナタは、厳しい訓練の中で再びデッカーに変身出来ない理由は何故かと考えていた。スリーマンセルの訓練の中でキリノイチカとリュウモンソウマと一緒のチームとなったカナタだが、考えの違いからソウマとぶつかってしまう。

 敵は破壊暴竜デスドラゴ。山中に突然現れた怪獣で、白と赤の電撃を頭部から放つ。
 話は一年後となる。その間訓練を続けてきたという。しっかり訓練を行っているというのは好感度が高い。そしてTPUの訓練を経てGUTS−SELECTに入隊する三人の訓練生が描かれる。三人一組というのが本作の特徴かな?
 楽天的で自信家のカナタと現実主義者で完璧主義者のソウマはことある毎にぶつかっている。確かに全く違う性格のライバルという位置づけは面白い。そんな二人を宥めるイチカは台詞が硬いので長い台詞言わせない方が良い。
 戦いの中でウルトラ怪獣を呼び出すシーンが出てきた。今回はミクラスが現れる。現時点ではカードは三枚あり、「ウルトラセブン」のカプセル怪獣が対応していると思われる。
 眼鏡を掛けた隊長は初めてだと思うが、眼鏡を効果的に使っているのも好感度が高い。
 あと、GUTS−SELECTのパートナーロボットであるHANE−2が初登場。人語を喋るが、「ウルトラマンダイナ」に登場したハネジローのような声も聞こえる。
第3話 出動!GUTS-SELECT

  監督:武居正能
  脚本:根元歳三
 正式にGUTS−SELECTに入隊したカナタたちは、早速新型戦闘機のガッツファルコンの飛行訓練に入る。HANE−2の操縦するガッツホークとの連携が不可欠なのだが、そこがどうしても上手くいかなかった。更に訓練中に地中から怪獣が出現してしまう。

 敵は古代怪獣ゴモラ。地球の地下に眠っていた怪獣で、地上に上がってきた。そして古代合成獣スフィアゴモラ。ゴモラにスフィアが取り憑いて誕生した。
 正式に隊員となった三人がまず最初にやったのは前回ラストに登場したHANE−2との連携だった。訓練の結果、ガッツファルコンの操縦者にはカナタが選ばれた。ガッツファルコンはHANE−2が並行操縦できるため、カナタがウルトラマンデッカーになってもばれないという利点がある。
 スフィアによって地球が宇宙から封鎖されているため、出てくる怪獣は基本的に地中からとなるが、それにスフィアが合体することで新しい怪獣となる。このパターンでしばらく行くのだろう。怪獣が一回り大きくなっているが、よくあの大きさの着ぐるみをあれだけ動かせるもんだ。
 デッカーの二つ目の形態であるストロングタイプが登場した。これもダイナと同じで紅くてマッシブなウルトラマン。
 ウルトラマンデッカーのことを命名したのはカナタだが、理由は「でっかいから」だそうだ。ダイナが「ダイナミック」から来てるのと会わせているのだろうけど、いい加減さが増してる。
<自分がウルトラマンデッカーである事を黙っているようにHANE−2に命じるカナタ。しかし会話記録は消せないと思うので、基地に帰った時点でばれるよな。会話では無く念話を獲得する脚本が必要だった。
 デッカーがストロングタイプに変身したことで隊長達が驚いていたが、そもそもトリガーも変身していたので、驚くには値しないと思う。>
第4話 破壊獣覚醒

  監督:辻元貴則
  脚本:中野貴雄
 寂れた温泉街に謎の巨大カプセルが現れた。調査のためにその温泉を訪れるカナタらGUTS−SELECT。そこでは町長達が揃って怪獣を町の名物に出来ないかと考えていた。

 敵は破壊獣モンスアーガー。ユノハナ町に地中から現れたカプセルの中から現れた怪獣。元々宇宙から文明を滅ぼすために地球に持ってこられた。体組織は極めて硬く、ほとんどの攻撃が通じない。あとシミュレーションの中で闇黒星人シャプレー星人宇宙怪獣ベムラーが登場している。
 最初はGUTS−SELECTの訓練風景でシミュレーターの中での戦闘訓練だったが、それが分かっていてもカナタは危機に陥った瞬間デッカーに変身しようとしてしまう傾向がある。こんなんではすぐにばれるだろうな。
 ハネジローには事情を話し、自分の代わりに会話させることにしたカナタだが、ハネジローがカナタの真似をするとなんだかイェーイ系になってしまった。他のメンバーには事務的な敬語で対しているので、まるで二重人格のよう。ひょっとしてツンデレ?
 今回はガッツファルコンとガッツホークが合体してガッツグリフォンとなった。成功する確率は少ないとか言いながらハネジローが勝手に合体させてたが、やっぱりこのキャラ目立ちすぎてない?
 辻元監督は人間の目線で怪獣とウルトラマンの戦いを描くことを好むが、今回もその演出は健在。見応えあった。
<ハネジローによれば、モンスアーガーの体組織はダイヤモンドよりも硬いため、武器が通用しないとのこと。ちなみにダイヤモンドはひっかきに強いだけで、とてももろいため、この場合の硬さの基準にはならない。
 さびれた温泉街で戦っていたはずだがそれなりに高層ビルが建っている。どこだここ?>
第5話 湖の食いしん坊

  監督:辻元貴則
  脚本:継田淳
 度々現れ、電気を吸い取っては消える怪獣エレキングに手を焼くGUTS−SELECT。その現場でイチカは謎の少女ユウコと出会う。ユウコは宇宙人だと分かったが、怪我をした

 敵は宇宙怪獣エレキング。元々はピット星人のペットだったが、地球の環境に合わせて巨大化した。単に腹が減っているから電気を奪うだけ。高電圧の電気を与えたら食いすぎて暴れ出した。そして変身怪人ピット星人。地球が封鎖する前に地球に訪れており、出られなくなってしまった。エリーと呼ばれるエレキングを飼っていたが、それが巨大化する。
 これまで度々様々な形で登場したエレキングがここでも登場。怪獣を保護するというちょっとコミカルな感じの話に仕上げた。過剰な電気を与えたら暴れたという、地球防衛組織にあるまじき失態をしていた。結局デッカーのミラクルタイプで元の小さな個体に戻された。
 成長するエレキングは幼生体が「ウルトラマンマックス」、ぬいぐるみみたいなのは「ウルトラマンメビウス」からか。
 エレキングに対してミクラスを出すのは「ウルトラセブン」に則った方法だが、やられ方も同じ。ミクラスは電気に弱いという設定がある。
 エレキングの電気攻撃を食ってる内にデッカーはミラクルタイプに変身した。「奇跡よ起これ」と唱えてたらミラクルタイプになったという、何の脈絡もない変身の仕方で、まるで「仮面ライダーblack RX」のロボライダーみたいだ。
<乾電池から電気を補給するエレキングだが、ちょっと離れたところから電気の形で吸収してる。馬鹿げた描写だが、すごく細かくて馬鹿馬鹿しいことを言うと、電気は乾電池のマイナスの方から放出されるが、ここではプラスの方から出ていた。ツッコミにもならんけど。
 エレキングは電気を食べるのなら、海底に放り込めば電解質を分解して勝手に補給するぞ。
 ミラクルタイプはエレキングの成長を逆転させた。確かに奇跡的な方法だが、これを使えるならどんな敵も無効化できてしまう。能力が強すぎないか?>
特別1 マルゥルの帰還  GUTS−SELECT特務三科の責任者であるホッタマサミチは、昔のことを思い出していた。そんなところに共にナースデッセイ号を開発したマルゥルがやってきた。旧交を温める二人だが、マルゥルが特務三科に戻ってくることがわかり…

 これまでの話の特別総集編。単なる総集編とならないように新キャラと前作「ウルトラマントリガー」からの設定の裏話なども加えている。
 「トリガー」でガッツウイングが無人機になったのは、アキトの無茶ぶりによるもので、アキトがいなくなってから有人機に戻したこと。ナースデッセイ号は逆に有人機から無人機に戻したことなども言及されている。
 マルゥルがうっかり口を滑らせたことで、人間がウルトラマンに変身することがばれてしまった。
<マルゥルが特務三科に戻ってくるとき、段ボール一箱に荷物詰めてやってきた。これは退職する時にやるものだが。>
第6話 地底怪獣現わる!現わる!

  監督:辻元貴則
  脚本:中野貴雄
 120年に一度咲くという天変地異の前触れとも言われるササメダケの花が咲いた。その直後に空には金色の虹が現れ、更に多くの地底怪獣が現れる。

 敵は地底怪獣パゴス。ササメダケの花に誘われるように出てきた地底怪獣。そして地底怪獣グドン地底怪獣テレスドン地底怪獣ツインテール。地下空洞の中で多数現れた怪獣達。
 地底怪獣よりも透明怪獣の方が合いそうなタイトルで、シリーズの中で「地底怪獣」と付けられた怪獣が大挙して登場している。
 リュウモンの過去が少しだけ語られる。リュウモンというキャラは特段並外れた才能も無い割に上から目線キャラで、常に「やってやってる」感を出すためにあまり好かれないタイプのキャラだが、恵まれた家庭に育ち、なんでも与えられているので、自分自身の力で何かを成し遂げたいと思い続けているという。
 新たなディメンションカード怪獣としてアギラが現れた。「ウルトラセブン」では役立たずだったが、ここではちゃんと役に立ってたようだ。
 ササメダケの花と金色の虹、地底怪獣の関連性を推測はしてるが、理屈がよく分からない。これは何かの伏線なのか?
 常に新しいタイプの特撮を作ろうとする辻本監督らしく、今回は怪獣の体当たりで壊れる建物にだいぶこだわりがある。あと、地下での戦いも、暗さの描写が絶妙。
<そこら辺に避難民のいる中で叫びながら変身するカナタ。見つかることを気にしてないのね。
 今回ガッツファルコンに乗っているのはリュウモンで、デッカーが地下に引きずり込まれた際、ガッツファルコンでその穴に飛び込んでいる。飛行機で地下に突っ込むなんて自殺行為だと思うぞ。
 地底怪獣を一網打尽にするために市街地に向かってネオマキシマキャノンぶっ放すナースデッセイ号。怪獣以上の被害が出るのは確定だな。
 ミラクルタイプとなったデッカーはテレポーテーション能力を使って怪獣を空中に放り投げた。このやり方を使えば大概の怪獣はそのまま倒せるよな。重力が最大の武器になる。>
第7話 希望の光、赤き星より

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 地球がスフィアによって封鎖されている間。火星では旧GUTS−SELECTお面々がそこに住む人々を守り続けていた。その中心にいたのはウルトラマントリガーことマナカケンゴだった。そのケンゴの前にユザレが現れる.一方地下で謎のエネルギーを感知した現GUTS−SELECTは調査へと向かう。

 敵は邪神スフィアメガロゾーア。地中に眠っていたメガロゾーアがスフィアの力を吸収して復活した。既に知性は感じられなくなっている。
 前作「ウルトラマントリガー」からトリガーが参戦する。これまでの経緯からすれば当然登場するのは推測できたが、スフィアにある地球封鎖も関係なくあっさりと登場してしまった感じ。監督もトリガーのメイン監督だった坂本浩一。
 トリガーが帰ってきた理由は前作の最後の敵であったメガロゾーアがスフィアの力を使って復活したからで、分かりやすい継続の仕方をしてる。
 本作は「ウルトラマントリガー」の世界での続編ということもあって、スムーズに受け入れていた。特にGUTS−SELECTの面々は、過去のメンバーのことも分かっているので、カナタが変身したこともあまり違和感なく受け入れいているようだ。トリガーとデッカーの連携もあっという間。
 同じウルトラマンではあるがトリガーとデッカーは少し経緯が違うらしく、デッカーは古代文明からやってきたトリガーとは異なる存在らしいことを推測している。
<旧GUTS−SELECTの面々は火星にいるが、あれから10年も経っていながら全然顔が変わってなかった。>
第8話 光と闇、ふたたび

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 スフィアメガロゾーアへの攻撃を突然止めてしまったトリガーのことが理解出来ないカナタはケンゴに詰め寄るが、ケンゴはスフィアメガロゾーアの中から聞こえたカルミラの声に、カルミラも救いたいと言うのだった。しかも謎の植物が人々を幻覚に陥れる。その植物の姿はかつてケンゴが育てていた植物ルルイエとそっくりだった。

 敵は邪神スフィアメガロゾーア。中心にいたカルミラを引き剥がされた後にカルミラを含めた三人のウルトラマンによる同時攻撃で倒された。そして超古代植物ギジェラン。スフィアメガロゾーアによって活性化した巨大植物で人々に幸せな幻覚を見せる植物。マナカケンゴがかつて育てていた植物ルルイエとそっくりな姿をしている。
 前作「ウルトラマントリガー」のサービスに溢れた話で、ケンゴがユナと再会してGUTS−SELECT臨時隊員として戦う話で、
 ケンゴから、一体何を目的にするのかと聞かれたカナタは、自分自身何を求めているのかを考えるようになった。「みんなを笑顔にしたい」というケンゴの言葉に、何をしたいのかは未だに分からないが、ケンゴにカルミラを引き合わせる。それで復活したカルミラは突然仲間になってしまうので、ちょっと「え?」って感じでもある。、敵が味方になる展開は安直すぎるかも。一応カルミラだけでなくヒュドラとダーゴンも復活しているらしい。なんか後でまた出てきそうな雰囲気はある。
<ケンゴと二人っきりになったらいきなり抱きつくユナ。良いのそれ?
 かつて自分が呼び出して使役していたメガロゾーアの扱いが酷いカルミラ。ペットが懐かなかったら捨てるタイプだな。>
第9話 誰がための勇姿

  監督:坂本浩一
  脚本:皐月彩
 カナタがウルトラマンである事を知ってしまった女性から、黙って欲しかったらお父さんと戦って欲しいと言われる。実は彼女は宇宙から来たグレゴール人で、宇宙で名の知れた格闘家である父の引退の花道のためにウルトラマンと戦ってほしいと願っていたのだ。

 敵はどくろ怪獣スフィアレッドキング。地中から現れたレッドキングがスフィアに寄生されて更に凶暴化した。そして宇宙格闘士グレゴール人グレース。長く格闘家として活動してきたが、引退を考え、
 カナタがウルトラマンデッカーだとばれてしまう話。ばれた対象が地球人でないのでノーカンか。
 怪獣にプロレス技で戦うシーンが多いが、この場合、監督は河崎実を引っ張ってくるべきだと思うぞ。なんか隊長がノリノリで協力してるのが微笑ましい。GUTS−SELECTのメンバーのための食事も作ってるとか。
 今回は格闘家の方に戦いを譲ってサポートに徹したデッカーは、前回トリガーからもらったウルトラデュアルソードを用いてウルトラディメンションカードからウインダム、ミクラス、アギラの三体を呼び出した。
 グレース役は中村浩二。知る人ぞ知る着ぐるみ格闘家で、ティガやダイナの中の人でもある。だいぶ老いたが、元気な姿を見られたのは嬉しい。なんか彼の引退試合を観てる気がしてきた。
<ウルトラマンデッカーであることがばれて驚くカナタだが、あそこまでおおっぴらに変身しておいてばれないと思ってた方がおかしいと思うぞ。せめてどこかに隠れるとかしろよ。
 グレースとGUTS−SELECTの試合が行われたが、基本GUTS−SELECTは総力戦でしかも飛び道具だけで攻撃してる。それって一方的な蹂躙じゃね?
 ガッツファルコンとガッツホークは空中で静止出来るのだが、どうやってだろう?>
第10話 人と怪獣

  監督:越知靖
  脚本:根元歳三
 怪獣が出現する度にGUTS−SELECTよりも早く現れ、怪獣を倒して去って行く不思議な怪獣が現れる。敵か味方か分からないまま、次の怪獣の出現を待つ間、カイザキ副隊長は遺留品からその怪獣の真相を探ろうとする。

 敵は新創獣ネオメガス。シゲナガマキによって作られた新型怪獣。怪獣を倒すために作られた人造怪獣で、通常のパワーでもデッカー以上で、光線技も使える。
 GUTS−SELECT副隊長のカイザキが中心となった話。恩師との意見の相違から仲違いをしてしまい、その恩師が復讐を込めて怪獣を作るという話。カイザキは怪獣と人間の共存を提唱しているのに対し、シゲナガは人間か怪獣のどちらかが滅ぼされると言っている。
 デッカーがガッツフェニックスと合体というか、ガッツフェニックスを鎧のように纏っていた。まるでアニメの勇者シリーズのようだ。あるいはアニメ版の「グリッドマン」か。
 話自体は「ティガ」44話のイーヴルティガの話とほとんど同じ。他の作品の引用も多く、更に新怪獣を人間が作るという無理目なハードルを簡単に越えてるためにリアリティなし。スフィアの存在感も全く無視してるし、一口で言うなら酷い脚本だ。
<キングゲスラが地中から現れているが、ゲスラは海から現れてこそだと思う。
 崩れ落ちる洞窟からカイザキを守るためにデッカーに変身するカナタ。これでばれなかったら馬鹿だ。
 シゲナガによれば、ネオメガスのコントロール装置は制御装置だけでなく高速装置でもあったそうだ。エヴァそのまんま。>
第11話 機神出撃

  監督:越知靖
  脚本:足木淳一郎
 スフィアに対抗するためかねてからTPUで開発が進められていた新装備のロボットであるテラフェイザーがGUTS−SELECTに配備されることとなった。ところがテラフェイザーに引き寄せられるように怪獣が次々と現れてしまう。

 敵は変形怪獣ガゾート。テラフェイザー配備直前に現れた飛行怪獣。現れただけで去って行った。そして稲妻怪鳥テラバッサー稲妻怪鳥ヒナバッサー。テラフェイザーの性能テストの時に現れ、集団でテラフェイザーを襲う。
 新戦力であるロボットの配備にまつわる話。テストをしようとしたら次々と怪獣が現れてしまうので、その度ごとに微調整を余儀なくされるという、ちょっとコミカルな話になってる。男の子はロボット大好きなので、男子達は妙に浮き足立ってたり、ヒナバッサーからAIユニットであるハネジローを守るためにラグビーの真似事をしてたり、デッカーに変身したのは良いけど、何故か等身大の大きさになってしまってその大きさで戦うとか。妙にコミカル描写が多い話だった。嫌いじゃないぞ。
 「ウルトラマントリガー」7話でキングジョーストレイジカスタムが落下したことも言及された。ここでの登場人物にとっては子どもの頃の記憶だが。
 ライバッサーおよびヒナバッサーの襲撃によってテラフェイザーの運用試験はグダグダになってしまったし、最初に出てきたガゾートも何もしてないので、まだこの話は続くのかも。
<ハネジローを横抱えにして一列で走ってるのはラグビーっぽいと思ったら、モロにラグビーやってた。この描写はどっちかというと「秘密戦隊ゴレンジャー」っぽい。>
第12話 ネオメガスの逆襲

  監督:越知靖
  脚本:足木淳一郎
 シゲナガマキによって作られた合成怪獣ネオメガスの細胞にスフィアが取り憑いて強力なスフィアネオメガスが誕生してしまう。ウルトラマンデッカーを凌駕するそのパワーに押されっぱなしのGUTS−SELECT。

 敵は新創合成獣スフィアネオメガス。ネオメガスの細胞にスフィアが取り憑いて誕生した怪獣。スフィアを使って追加の強化武装を施される。
 前回登場したテラフェイザーと前々回登場したネオメガスの激突となる。人類の作り出した対怪獣の二つの方向性がぶつかることとなったのは、狙ってのことだろう。それでハネジローが根性でテラフェイザーをコントロールして、デッカーとの連携で勝利した。結果として人類が作った怪獣は間違っていて、機械が正しいというところでオチが付いたが、果たしてそんな単純なオチで終わるのか?これがもし終わらなかったら本作は名作になる可能性がある。
 そしてスフィアの目的が少しだけ明らかになった。スフィアが狙っているのは地球の内部にあって、そこに菌糸のようなものを伸ばしている。
 アサカゲ博士から、戦いに目的があるのかと聞かれて答えられなかったカナタ。自分なりの答えを見つけることがこれからの方向性になるのかもしれない。
 そしてハネジローのプロテクトを解除して会話記録を解析したアサカゲ博士はカナタがデッカーである事に気づいてしまう。そりゃいつかは必ずばれると思ってたけど。
<ウルトラマンデッカーに変身させるためにガッツグリフォンからカナタを放り出すハネジロー。GUTS−SELECTが画面解析したらすぐにばれるから、そう言う行為はしない方が良いと思うぞ…それ以外のことでばれたが。>
第13話 ジャンブル・ロック

  監督:内田直之
  脚本:鶴田幸伸
 隊長がテラフェイザーの説明会に出かけている留守中、突然ナースデッセイ号の電源が落ちてしまった。この緊急事態に現れたのは、先代GUTS−SELECTのセンパイでもあるメトロン星人マルゥルだった。

 思い出シーン以外に怪獣は登場せず(?)、職員のみでナースデッセイ号の停電に対処する話。今は技術班にいるが、ナースデッセイ号の危機に出張ってくる。
 停電になって、みんなの努力で復旧するというのは「エヴァ」以来よく使われるようになったネタだが、今更って感じはする。
 概ねはこれまでの戦いを振り返るバンク回。キャラクターとウルトラマンについて説明している。マルゥルはカナタがデッカーである事を推測していて、鎌を掛けたらあっという間にカナタは引っかかって喋ってしまった。既にケンゴがトリガーだったことを知っていたから、人間がウルトラマンになったことを推測したらしい。
第14話 魔神誕生

  監督:武居正能
  脚本:根元歳三
 テラフェイザーとデッカーのコンビは強力で、順調に怪獣を倒していった。だがリュウモンは怪獣の出現頻度が上がっていることに危機感を覚えていた。そんな時、強化されたスフィアザウルスが現れるのだが、突然テラフェイザーが動かなくなってしまう。

 敵は騒音怪獣ノイズラー。地中から現れた有翼怪獣で、空から攻撃するがデッカーとテラフェイザーの連携であっけなく倒された。そして精強融合獣スフィアザウルス。スフィアネオメガス同様巨大な腕を持ち、地下からエネルギーを吸収する。
 テラフェイザーがあまりに順調にいっていたので、これで良いのか?と思ってたら、意外な展開が待っていた。これまでGUTS−SELECTのために尽力していたアサカゲ博士が実は、地球がスフィアに飲み込まれた後の時代からやってきた人物で、テラフェイザーは元々デッカーを倒すために設計されたものだという。
 そして未来から謎の男が現れたかと思ったら、カナタの代わりにデッカーに変身した。カナタよりも戦いに慣れており、テラフェイザーとスフィアザウルスの両面攻撃にも対応している。
 複数の人間が同じウルトラマンに変身するのは「ウルトラマンネクサス」以来か。
 ウルトラマンデッカーに変身する謎の男は谷口賢志。「救急戦隊ゴーゴーファイブ」巽ナガレ/ゴーブルー、「仮面ライダーアマゾンズ」鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファ役で、ついにウルトラマンと戦隊と仮面ライダー全てに変身したキャラが誕生した(正確には数ヶ月前にケイン・コスギが先行したが)
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第15話 明日への約束

  監督:武居正能
  脚本:根元歳三
 突然現れた謎の男にデッカーの力を奪われてしまったカナタ。デッカーはアサカゲが操るテラフェイザーと戦い、テラフェイザーを一度は撃退するものの、人間に戻ったその男は姿が消えかかっていた。

 敵は精強融合獣スフィアザウルス。そしてテラフェイザー
 突然やってきてデッカーの力を奪った男は数百年後の未来からやってきたという。そこから語られた真実は、宇宙に進出した人類がスフィアと出会い、そこで地球が滅ぼされかけたのだが、アサカゲ博士がスフィアを連れてきたのだという。実はアサカゲは人類ではなく、未来に地球人と遭遇してしまったためにスフィアに滅ぼされてしまうバズド星人であり、スフィアを自分の星ではなく地球に向かわせるためにこの時代にやってきたという。
 デッカーの力は元々が未来人のものであったが、アサカゲが向かった過去に適合者がいたことを知った未来のデッカーが自らの力を託したということになる。これまでのパワーアップは未来人のバックアップあってのことだった。
 しかしそれを知った今、ケンゴは未来人から正式にデッカーの力を与えられ、そこでパワーアップ形態ダイナミックタイプに進化した。
 そして最後、未来人が自分の名前を告げたが、その名前はデッカー・アスミという。
<テラフェイザーの攻撃を転がって避ける描写があるが、あれだけ太いビーム兵器がそれだけで避けれるものか?>
第16話 君は君のままで

  監督:中川和博
  脚本:皐月彩
 二年前に落下した隕石からスピニーという小型怪獣が発生した。浮遊するだけで悪さをする訳でも無いが、不気味という事でTPUによる捕獲作戦が行われる事になった。職員として捕獲作戦に参加するカナタらGUTS−SELECTの面々だが、調子を崩しているカナタはリュウモンから強く非難される。

 敵は浮遊幼獣スピニー。二年前に落ちた隕石から生じた小型怪獣で、最初は浮遊するだけだったが徐々に能力を高めていく。そして双頭怪獣パンドン。スピニーが進化して巨大化した怪獣。二つの口を持ち、高熱火焔を吐く。
 前回がハード展開だったこともあってか、結構緩やかな話が展開する。前回パワーアップを果たしたのは良いのだが、その余波もあるし、アサカゲ博士とのこともあって心が体について行かずに空回りしてしまう。
 そんなカナタにアドバイスを与えるのがリュウモンソウマ。これまで完璧で無ければならないと思い込んでいたソウマがカナタを思いやる発言をするなど、成長しているようだ。
 この作品では外宇宙から怪獣がやってこられないため、宇宙からの怪獣にはかなり工夫が必要で、今回は二年前の隕石を使っている。
<このシリーズで実弾を撃つ銃は珍しいが、あんな反動の強い銃持たせるのはどうかしてるぞ。
 ハネジローがもう回復してるけど、ハネジローの設計自体がアサカゲ博士だから、中にどんなプログラム仕込まれてるか分かったもんじゃ無いぞ。それでも使うんだ。>
第17話 過去よりの調べ

  監督:中川和博
  脚本:継田淳
 異星人であるアサカゲ博士を受け入れていたという事実から、ムラホシ隊長が内部査察を受けることになった。調査局長官としてやってきたメトロン星人ナイゲルによって執拗な調査を受ける。

 敵は古代怪獣ゴメス。これまで度々地中から現れた怪獣。ここに現れたのはデッカーと同サイズのかなり巨大な個体で、防災都市の防衛権を突破するほどの力を持つ。
 今回はムラホシ隊長が内部調査を受けるという話。内部調査というのはこれまでにもいくつかの作品で行われてきたが、かなりきつくなるのが普通だった。この話では一見シリアスだが、監察官がメトロン星人というのが面白く、更に程よくコミカルな演出もあるのであまり深刻にならずに仕上げることが出来た。
 ムラホシ隊長は10年前のGUTS−SELECTの特殊部隊にいたことが分かった。その際ヒュドラムと遭遇し、そこから少年を守ろうとしたが少年は逃げてしまい、それがヒュドラムを助けたのではないかと疑いをかけられていた。ところがその少年こそがリュウモンソウマだったというオチ。そこは出来すぎかな?
 リュウモンによれば、ウルトラマンと人間は連動しているため、怪我をしているところが同じであれば、その元となった人間も分かると言っていた。丁度良くカナタは腕を怪我したままデッカーになっていた。わかりやすい伏線だ。
<今回大人の個体であるメトロン星人ナイゲルが現れたが、この前出たマルゥルは子どものままだったな。10年経っても同じ大きさと言うことは、メトロン星人は成長速度が遅いのかな?>
特別2 テラフェイザーの脅威  二回目となる特別編集編。前回同様マルゥルとホッタマサミチによる、GUTS−SELECTの装備の話でテラフェイザーについて話をする。
 マルゥルによれば、テラフェイザー自体がウルトラマンを破壊するために作られたものと言うこと。
 「ウルトラマントリガー」6話および8話の描写もあり。続編だから出来る強みだな。他に劇場版ダイナについても言及があったが、そこに出てきたデスファイサーはデラフェイザーとよく似ている。
<DGという言葉を見たマルゥルは、それはデッカーとジェノサイドを意味する言葉で、デッカーを殺すと言っていたが、その場合GenocideではなくKillなのでDKではないのか?>
第18話 異次元からのいざない

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 逃亡生活を続けるアガムスの前に、自ら悪魔を名乗る謎の生命体が接触してきた。その提案に乗ったアガムスに、その謎の生命体は超獣を与える。それ以降、都市部を中心に陥没事件が頻発する。

 敵は大蟻超獣アリブンタ。ヤプール人が異次元から連れてきた超獣。都市部をあっという間に陥没させてその力を見せつけた。口から出す溶解液は一瞬でガッツフェニックスも溶かしてしまう。そして異次元人ヤプール人。逃亡生活を続けるアガムスの前に現れ、人類に対する復讐に手を貸すと言ってアリブンタを渡す。そしてテラフェイザー。アリブンタとの両面攻撃でデッカーを倒そうとする。
 アガムスを救いたいと願うカナタだが、そのアガムスはヤプール人と手を組んでしまった。未来でウルトラマンデッカーの力を知っていたアガムスはデッカーを倒せるようにテラフェイザーを作ったのだが、デッカーがパワーアップしたために失敗してしまい、それでカナタを恨みに思ったと言ってた。見事な逆ギレを見せてる。
 ウルトラマンデッカーはアリブンタとテラフェイザーの両面攻撃を防いで倒す事が出来たが、アガムスを救おうとしたためにヤプールの罠にはまって異次元に吹き飛ばされてしまった。
<「怪獣を超越した存在。さしずめ超獣と言ったところか」とはソウマの言葉。最初から超獣という言葉ありきで取って付けたような台詞のため、言ってて恥ずかしくないか?>
第19話 月面の戦士たち

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 ヤプール人によって異空間に閉じ込められたウルトラマンデッカーは、なんとか異空間から脱出することが出来た。それを待ち構えていたスフィアに襲われるのだが、そんなデッカーを救ったのはウルトラマントリガーだった。

 敵は異次元人ヤプール人。そして警備ロボゾンボーグ兵。月のTPU基地の警備ロボットだったが、ヤプールの波動を受けて襲いかかってくる。更にスフィアジャッジメンターギャラクトロンMK2。月に眠っていたギャラクトロンにスフィアが寄生して現れた。何故これが月にあったのかは不明。
 今回の舞台は月。結果としてヤプール人によって異次元に封じ込められたことで封鎖された地球から脱出することができたので、結果オーライ。そしてスフィアジャッジメンターギャラクトロンMK2。月に眠っていたギャラクトロンにスフィアが寄生して現れた。
 二度目の客演となったウルトラマントリガー。今度はデッカーの方がパワーアップしていて、お互い最強形態で戦っている。同じ時間軸に存在するのは楽で良いのだが、都合良く現れすぎ。
 カナタの不在をごまかすためにみんなに嘘を言い続けるハネジロー。その辺はコミカルな描写になってるが、なんでこの好機にヤプールとアガムスは何もしてこないんだ?
<月には廃棄されたキングジョーがいたが、いつのまにか人間が開発したことになってるようだ。「ウルトラマントリガー」でやってきたストレイジカスタムを元に作ったのかもしれないが、なんで見たことのないオリジナルに似せた?
 ヤプールの末期の台詞は「ヤプール死すとも」だった。これで三回目の同じ台詞だが、途中で言葉が止まる。
 先代のデッカーを「デッカーのおっさん」と言うカナタ。確かにおっさんではあるが、一応子孫だよ。>
第20話 らごんさま

  監督:田口清隆
  脚本:中野貴雄
 海を埋め立てて造られた近代都市ワダツミシティに次々起こる怪事件。正体不明の怪物が跋扈するこの都市を調査するGUTS−SELECTだが…

 敵は海底原人ラゴン。ワダツミシティでは「らごんさま」と呼ばれた守り神だった。基本的には等身大の大きさだが、大きさは自在。70年の封印を経て巨大化して暴れ回った。
 キリノイチカを中心にして、「ウルトラQ」および「ウルトラマン」に登場したラゴンを中心にした外伝的な話。一応ラゴンはウルトラマンと戦うが、最後はゲートを抜けて何処へか消えていった。イチカが中心の話はどこかファンタジックなものになる。
 伝奇的な話だが、世界中の伝奇を集めたような胡散臭いものになってしまい、それがファンタジックさを強調してる感じだ。どっちかというと人工的な神話なので、「クトゥルフ」っぽさがある。ラゴンが海から来た「深きもの」とするなら確かにこれはクトゥルフものの一本としても良かろう。佐野史郎呼んでくれば良かったのに。
 演出がいかにも実相寺風なのはおそらく『シン・ウルトラマン』に影響を受けた田口監督のチャレンジだろう。田口監督はリアル世代ではないので、あくまで遊びだが。
<ラゴンの子どもと遊んでいた女の子がラゴンと引き離されるシーンはまんま「風の谷のナウシカ」である。
 自信満々でガッツファルコンを操縦してラゴンのビームの直撃を受けるカナタ。本当に操縦上手いのか?>
第21話 繁栄の代償

  監督:田口清隆
  脚本:足木淳一郎
 民間開発の最先端となるS・プラズマ増殖炉からスフィア反応が検知され、調査に向かったカナタとソウマだが、そこでは会社社長のヒヤマユウジから、スフィアの死骸を使った増殖炉を開発していると聞かされる。

 敵はSプラズマ融合獣スフィアジオモス。スフィアを使った発電施設S・プラズマ増殖炉が暴走し、増殖炉を取り込んで怪獣化したもの。S・プラズマ増殖炉の力を用いて未来との通路を作り出すことが出来、そこからスフィアザウルスを呼び出す。そして精強融合獣 スフィアザウルス。スフィアジオモスが増殖炉の力を使って未来から呼び出した。
 人類が怪獣を利用しようとしてしっぺ返しを受けるという定番の話が展開する。話がとてもテンポ良く進むが、それはこれ自体ではなく、ウルトラマンダイナの客演こそがメインとなる。
 ウルトラマンダイナはスフィアジオモスが未来から連れてきたスフィアザウルスを追って来た存在で、未来からやってきたという設定だが、ここまで全く伏線は無かったため、ちょっと話が強引すぎる感もあり。
 人類がスフィアの力を利用したら暴走してしまったが、実はTPUもまた同じくスフィアの研究を続け、それを武器に使っているというのが皮肉となっている。この決着は付くのかどうか。ラストのオチが期待される。
<最後にサムズアップをしながら未来へと帰るダイナ。スフィアジオモスなしでどうやって帰れたんだろう?>
第22話 衰亡のバズド

  監督:辻元貴則
  脚本:足木淳一郎
 GUTS−SELECTのムラホシ隊長の元にアガムスからホットラインが入った。直接会談をしたいというアガムスの言葉に、二人だけの会談を了承する。

 敵は有翼怪獣チャンドラー。GUTS−SELECTを全滅させるためにアガムスが呼び寄せた怪獣。ハネジローのGUTSグリフォンに粉砕される。そして電脳魔人テラフェイザー。スフィアを取り込んでパワーアップしたが、ダイナミックタイプとなったデッカーと相打ちとなった。
 アガムスの故郷バズド星の滅亡が語られる。未来の地球人の宇宙船がバズド星に不時着したことが原因でバズド星がスフィアに襲われたことを恨みに思っていたからだという。それだけだと逆恨みとも言えるが、バズドの科学者であったアガムスはスフィアと戦えると思いこんで対策をしたらそれが失敗してバズド星が滅んでしまったので、自分自身を滅ぼすために戦っているとのこと。
 宿敵であるはずのスフィアの力も取り込んで地球を滅ぼそうとするアガムスの姿はかなり本末転倒になってる。
 そしてラスト。変身解除したカナタの姿をソウマが目撃してしまい、破壊されたテラフェイザーから記憶を失ったアガムスが現れる。
<オープニングでバズド星の描写があるが、完全に地球のものと同じ。異星ということをすっぱり無視してる。重要なのは本編なので割り切ったな。
 ムラホシ隊長を呼び出したら、そこにはGUTS−SELECTの面々が周囲を取り囲むことを予測していたアガムス。予測は当たっていたけど、TPUの組織ってGUTS−SELECTだけではないんだけど。>
第23話 絶望の空

  監督:辻元貴則
  脚本:根元歳三
 記憶を失ったアガムスに尋問が開始された。その中で、アサカゲ博士に最も親しかったカナタが話をすることになる。久々に訪れた穏やかな時間。しかしそんな時にスフィアの攻撃が始まった。

 敵はテラフェイザー。記憶を取り戻したアガムスによって操られ、スフィアを用いて地球からのエネルギーを吸い取った。そしてスフィアゴモラとスフィアレッドキングとスフィアネオメガス。テラフェイザーを守るために突然現れた。最後に最強スフィア獣マザースフィアザウルス。次元の裂け目から少しだけ姿を見せた、スフィアの親玉らしい。
 記憶を失い、自分の星バズド星でスフィアと戦っていたことだけ覚えていたアガムスから情報を得る話。本当に記憶を失ったのかどうかは分からないが、地球人のことを友人だと言っていたりと、前に話していたこととは矛盾が生じている。
 おそらく地球に来た時点で何者かの介入を受けて精神が変わっていたのだと思われる。スフィアに浸食されていたのか?
 前回ラストでソウマはカナタがデッカーである事に気づいた。とうの昔に気がついていたかと思っていたが、大分遅い気づきだった。
<大怪我を負ったというアガムスだが、服は元のスーツだった。ここは病院ではないのか?>
特別3 立ち上がれデッカー  スフィア総攻撃を前にTPU技術部のホッタ・マサミチはパニック状態にあったが、そんなホッタを冷ややかに見つめるマルゥルがいた。

 最終回を前に総集編を挟んだ。内容的には前作の「ウルトラマントリガー」の最後の戦いを中心に、世界の危機について語り合う。
 21話で突然ダイナが現れたが、伏線なしの登場だったため、ホッタがそれを突っ込んでいた。
第24話 夢の果て

  監督:武居正能
  脚本:根元歳三
 スフィアバリアの収束が始まった。このままでは程なくして地球はスフィアによって完全破壊されてしまう。既に肉体的には限界のカナタはそれでも人々を救うためにデッカーに変身する。スフィアオベリスク破壊のために総力戦が始まるが、そこにはテラフェイザーが立ち塞がる。

 敵は最強スフィア獣マザースフィアザウルス
 地球の最後が近づき、GUTS−SELECTとしての最後の作戦が始まった。これまでデッカーとして戦い続けたカナタは既に肉体的に限界が近く、更にスフィアの浸食を受けている状態で戦わねばならなかった。本来の力が出せないまま壊れかけのテラフェイザー相手にギリギリで勝利を収めた。その戦いの中でアガムスの理解を得る事が出来た。
 ところがその時点で最強のスフィアであるマザースフィアザウルスが登場というたたみ込むような展開となる。アガムスがマザースフィアザウルスの攻撃を引き受けて消滅してデッカーは生き延びたが、カナタがデッカーである事がばれてしまい、更にスフィアの浸食を受けていることが知られてしまう。
第25話 彼方の光

  監督:武居正能
  脚本:根元歳三
 かつてマナカケンゴに接触したことから、マザースフィアザウルスの狙いは地球にあるエタニティコアにある事が分かった。リュウモンソウマは、アガムスが残したデータからマザースフィアザウルスの弱点を割り出すが、その撃破のためにはウルトラマンの力を借りねばならなかった。満身創痍のカナタは自らがデッカーである事を明かし、作戦に臨もうとする。

 敵は最強スフィア獣マザースフィアザウルス。地球のエタニティコアを吸収しパワーアップを図った。その目的は宇宙の生物全ての完全な統一だそうだ。
 最終回。デッカーの最終決戦であるだけでなく地球の戦力の結集としての作戦が展開するが、トリガーとデッカーが完全に地球の戦力に組み込まれている。ウルトラマンが完全に地球人だからこそ出来る作戦となったのは面白い。
 具体的にはマザースフィアザウルスが吸収しようとしてコアがむき出しになったエタニティコアからトリガーが直接取り込み、それをデッカーに渡してパワーアップさせるというもの。最強の姿となったトリガーとデッカーが共闘する姿はなかなかぐっとくるものがある(トリガーは途中退場するが)。あとハネジローが操縦するテラフェイザーも参戦し、なかなか派手な見せ場になっていた。
 マザースフィアザウルスの中でスフィアマザーの思考が流れ込んでくる。全ての生物を一つにするという平和を語っていたが、それってスケールの大きい人類補完計画では?
 ムラホシ隊長から、何故カナタをチームに迎えたのかが語られるが、TPUの訓練では最下位だったカナタが誰よりも努力しているのを見たからだという。
 マザースフィアザウルスを倒したことでカナタの体内に救っていたスフィアは駆除されたが、デッカーの力まで抜けていた。もうデッカーになれないということだが、劇場版は決まっているので、その伏線だろう。

 

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