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ウルトラマントリガー

ウルトラマントリガー事典
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書籍

 2021'7'10~2022'1'22

主な登場人物
マナカケンゴ
ウルトラマントリガー
(役)寺坂頼我。歌手兼俳優。
 ウルトラマントリガーに選ばれた青年。火星生まれでシズマ財団火星開拓局の植物研究センターに勤務する植物学者だったが、トリガーに変身出来たことでシズマミツクニに見いだされてGUTS-SELECTの一員としてスカウトされる。
シズマユナ
ユザレ
(役)豊田ルナ。子役出身の俳優兼グラビアアイドル。
 シズマ財団の娘として生まれた17歳の高校生。GUTS-SELECT隊員でケンゴの教育係。実はユザレが憑依しており、時にその意識が表面に出る。
ヒジリアキト (役)金子隼也。元『大!天才てれびくん』のてれび戦士で、子役出身。
 GUTS-SELECT隊員で現役高校生。超古代遺跡の秘密を研究し、そこから新たな武器などを開発している。ユナを守るのは自分だと自負しており、自分の開発したスパークレンスをケンゴに使われるのに複雑な思いを持っている。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 光を繋ぐもの

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 火星で暮らし植物を愛する青年マナカケンゴは毎晩不思議な少女と出会い、闇の巨人に襲われる不思議な夢を見ていた。そんな時、火星遺跡調査を行っていた母について行ったところ、遺跡が発する光がケンゴを包み込む。

 敵は超古代闇怪獣ゴルバー。火星地下から現れた怪獣で、かつてティガと戦ったゴルザとメルバが合わさったような姿をしている。実際ゴルザとメルバが合体したものらしい。
 新しいウルトラマンの第一話となる話だが、言葉の端々に「ウルトラマンティガ」との関連がうかがえる出来になってる。
 主人公は心優しいくせに冒険好きで危険な事も平気で行うという、昭和のヒーローみたいなキャラで、新しいキャラを模索していたこれまでの主人公像とは違って古くさい。これが思考停止なのか、それとも割り切りなのかはこれからの物語展開次第だろう。
 一話目の舞台は火星だったが、次回からは地球へと戻るらしい。
 ただ、全般的に言うと、大変古くさい印象はある。「ウルトラマンティガ」よりも古い感じだ。
<話の都合だろうが、いきなりスパークレンスをケンゴに託してしまうミツクニって、相当話に無理ないか?>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 未来への飛翔

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 ミツクニの頼みで地球へと来たケンゴはそのままGUTS-SELECTへと迎え入れられる。そんな矢先に地底から怪獣ギマイラが現れ出動するGUTS-SELECTだが、戦いの中でみんなを守るためケンゴはトリガーに変身する。

 敵は吸血怪獣ギマイラ。昔宇宙から飛来した怪獣で、地下に潜って棲息していた。
 ケンゴがGUTS-SELECTに迎え入れられる話。エキスパートという割に多彩な性格の人ばかりで、数人からは反発されている。特にナースデッセイ号の設計者というヒジリアキトが反発心を隠そうともしない。ヒロインであるシズマユナを挟んでのこの二人の関係が本作の見所になっていきそうな感じ。ただ概ねにおいてとても古臭い。30位前のドラマみたい。ただBLっぽい演出は今風かな?
 シズマミツクニ以外にケンゴがトリガーである事は知らないのだが、自分の設計したスパークレンスをケンゴが使っていることですぐに正体に気づき、ユナは自分の意思とは関係ないところで光の巨人に何かを感じていたようだ。
 二体目の闇の巨人ダーゴンが現れ、トリガーはパワータイプへの二段変身を果たした。
<アキトは技術者のはずだが普通に前線に出て戦っていた。そう言う役回りなの?>
第3話 超古代の光と闇

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 GUTS-SELECTの中で新入隊員としてシズマユナ隊員につく事になったケンゴ。そんなユナが何者かに狙われた。宇宙一のトレジャーハンターを名乗るその男イグニスにつっかかるケンゴとアキトだが、軽くあしらわれてしまった。

 敵は変形闇怪獣ガゾート。「ウルトラマンティガ」に登場した怪獣だが、この世界では既に認知されている怪獣らしい。今回登場したのは闇の巨人の力を受けた特別なタイプらしい。
 謎のトレジャーハンターが登場。何故かユナにご執心でユナを手に入れようとする。第三勢力のような存在らしい。実はユナは遺跡の石版に描かれた女性ユザレの精神を宿していて、ケンゴの夢に出てきた女性そのもの。
 ユナを巡って、ケンゴとアキトのやりとりが
 ウルトラマントリガーはもう一つのタイプとなるスカイタイプに変身した。一方闇の巨人側も三人目となるヒュドラムが登場した。
 イグニス役はどこかで観た気がしていたが、「海賊戦隊ゴーカイジャー」バスコ役の細貝圭だった。
第4話 笑顔のために

  監督:武居正能
  脚本:根本歳三
 自らが闇の巨人に変わってしまう夢を見たケンゴ。そんな時に超古代の遺跡から謎の出土品が発掘されたと連絡が入りGUTS-SELECTは調査に出向く。ところがそこに洗われたイグニスは出土品を狙うが、それが怪獣を呼び寄せてしまう。

 敵は古代地底獣オカグビラ。文字通り地中から現れたグビラ。鼻の部分にあるドリルを回転させて攻撃する。
 少しずつ古代文明の謎が開かされていく。現時点ではシズマ財団が得ていた情報が説明されるだけだが、イグニスがちょっかい出すことで新しい事実が少しずつ開示されていくような感じ。
 相変わらずケンゴに対して「ウザい」を連発するアキトと、イグニスが絡んで男三人でわいわいやってる。なんか同窓会ノリっぽさがあって。戦隊ものっぽいノリしてる。
<グビラが陸で棲息出来るようになったからオカグビラだそうだが、鼻のドリルは地中で相当邪魔になりそうな気がする。
 古代遺跡を持ってオカグビラから逃げ回るアキト。体のサイズの対比から、足で逃げ回るのは無理だと思う。>
SP1 平和を守る力  怪獣デバンの紹介によるGUTS-SELECTの組織についての説明と、これまでの新シリーズにおける防衛組織の紹介。
 防衛組織があるのはウルトラマンギンガSのUPG、ウルトラマンXのXio、ウルトラマンタイガのイージス、ウルトラマンZのストレイジ。ウルトラマンオーブウルトラマンジードウルトラマンR/Bは組織がないため紹介もなし。
SP2 宇宙を翔る英雄  怪獣デバンによるウルトラマントリガーをはじめとする歴代ウルトラ戦士の紹介。トリガーマルチタイプに似たキャラとして、ウルトラマンリブット、ウルトラマンタイガ、ウルトラマンZ。パワータイプに似たキャラとしてウルトラマンタイタス、ウルトラマンZベータスマッシュ。スカイタイプに似たキャラとしてウルトラマンフーマ、ウルトラマンブルウィンド。
 トリガーの敵となる闇の巨人を紹介し、悪の超人を紹介。ダークルギエル、エタルガー、ダークキラー、トレギア、アブソリュートタルタロス。
第5話 アキトの約束

  監督:武居正能
  脚本:根本歳三
 100年前に人類の前に初めて現れた怪獣デスドラゴが再び現れた。出動するGUTS-SELECTだが、デスドラゴの姿を見たアキトの様子がおかしかった。無謀な攻撃を加えるアキトに不審を覚えるケンゴ。

 敵は破壊暴竜デスドラゴ。100年前に初めて地球に現れた“始まりの怪獣”。何度も人類に撃退されているが、その度ごとに甚大な被害を与えている。前回出現時にはアキトの両親が犠牲になった。
 アキトの過去を描く話。過去父親が怪獣に殺されてしまったことがトラウマになっているという分かりやすい話。デスドラゴを殺すことを目的としてGUTS-SELECTにいるとのこと。一方では時分を立ち直らせてくれたユナに対して騎士を自認しているので、それがトラウマを乗り越えるきっかけとなった。そこでケンゴに対しても素直になっていく。青春してるなあ。別段見たくないけど。
 一方ユナがユザレの生まれ変わりだと知ったカルミラはデスドラゴに陽動させ、ダーゴンにユナを襲わせる。ユナにビンタされ、
<アキトは冷静なときには組織を鼻で笑い、敵討ちの時は死のうとして突っかかる。中二病の権化か?>
第6話 一時間の悪魔

  監督:武居正能
  脚本:根本歳三
 宇宙から無人島に落下してきたロボットサタンデロスにGUTS-SELECTが出動するが、強力なバリアに守られたサタンデロスにトリガーの攻撃も全く通用しなかった。一時間だけ稼働し、後は全く動かなくなるサタンデロスに何度も挑むが、その度ごとに撃退されてしまう。そんなサタンデロスの弱点を教えようとやってきたのはイグニスだった。

 敵は惑星破壊神サタンデロス。元は惑星防衛用に作られたギガデロス(「ウルトラマンタイガ」に登場)だったが、ヒュドラムに改造されて地球に落下してきた。何者にも破られない強力なバリアを張れるが、それを一時間張るためには23時間のエネルギー充填期間が必要。
 何者にも破られないバリアを張る怪獣との戦い。頓知で敵の弱点を突くような話だが、最近ではこの手の話は少なくなった気はする。
 イグニスが協力を申し出てくる。本人は善意のようなことを言ってたが、実際はサタンデロスの背後にヒュドラムがいる事を知っていたため、ヒュドラムをあぶり出すためにGUTS-SELECTを利用しただけ。実はイグニスの星を滅ぼした存在こそがヒュドラムで、イグニスの目的そのものがヒュドラムを倒すためだった。
 そしてヒュドラムはトリガーでは無くユザレを捕まえるために行動してることが分かる。まだその時ではなく、ユナに覚醒慣れさせることが目的らしい。
<イグニスにトリガーのことをばらされたケンゴは「鳥がー、鳥がー」と叫んでる。はあ。
 この作品では普通の隊員が銃で怪獣を撃つシーンが多いのだが、それはあんまり好きじゃないな。>
第7話 インター・ユニバース

  監督:田口清隆
  脚本:小柳啓伍
 突如宇宙から次々に不思議な落下物が落ちてきた。最初は正体不明のロボット。その中には防衛隊員を名乗る人物が乗っていた。その人物はナツカワハルキを名乗る。

 敵は海賊宇宙人バロッサ星人。四代目にあたり、ウルトラマンZの地球でウルトラメダルとキングジョーストレイジカスタムを盗んで逃げてきて、捕まりそうになったところをブルトンを使って次元を超えて逃げてきた。そして海賊雛怪獣ベビーザンドリアスケダミャー。バロッサ星人の相棒で、通訳をしている。
 前作「ウルトラマンZ」からウルトラマンZが登場する話。性懲りも無く現れたバロッサ星人にキングジョーストレイジカスタムを奪われ、それを奪回しようとしたら異次元の扉を開けてしまった。これもアナザーバースの話で、ナツカワハルキがやってきた。Zとトリガーは少々あり方が違うので、その違いを一々説明するのが親切。作品のカラーも違うため、大変違和感のある会話が展開してる。前々噛み合わない会話の中に挟まるアキトが大変迷惑そうな顔してる。ケンゴに言わせれば、結構楽しそうでもある。アキトのお陰でスパークレンスを用いてこの次元でもZに変身出来るようになった。
 イグニスとバロッサ星人が会話し、トレジャーハンターと海賊同士で言い合ってる。最後はバロッサ星人の方がキレて巨大化して暴れ回ってしまった。
 トリガーは無口だが、喋れない訳ではなく、ケンゴの声で喋ることが出来る。完全に意識が一致していることが分かった。
 今回は「ウルトラマンZ」のメイン監督である田口清隆が監督をしているが、バロッサ星人の声も当てている。ちなみにうなり声だけ。
 監督が替わると妙に雰囲気が変わる。この話はかなり「Z」の雰囲気に引っ張られてしまった感じだ。
<ケンゴがウルトラマンである事を感じたハルキは目をじっと近づけるが、その距離が…
 Zの招きで異次元に入れられるケンゴとアキト。仮にも防衛隊がそんな無防備で良いのか?
 何故かでっかい鯛の置物が出てきて「ショーバイハンジョー」と言いまくる。これは世界の中心となった次元で出てきた特殊アイテム。具体的には「ウルトラマンメビウス」12話のコダイゴンが連れていた鯛の置物が巨大化したもの。
 Zはベリアロクを使っている。あれはデルタライズクローでないと使えないのではなかったかな?ベリアロク自身の意思の問題か。
 次回もZの話が続くようだが、出てくる敵はダダらしい。その姿はオリジナルではなく「ウルトラマンパワード」のものっぽい。マニアックな。>
第8話 繁殖する侵略

  監督:田口清隆
  脚本:小柳啓伍
 突如日本中の携帯端末がおかしな画像を映すようになった。そしてついにはナースデッセイ号にまで被害が及ぶ。キングジョーストレイジカスタムを取り戻し元の次元に戻るまでこの世界に留まっていたハルキも協力し、ケンゴと二人で調査する。

 敵は三面怪人ダダ。宇宙から降り注いだダダ因子から生まれたコンピューター生命体。顔が異なるPDO-3A、PDO-3B、PDO-3Cの3タイプが登場した。攻撃は出来るが、実体が無いため、どこにでも現れる。そしてキングジョーストレイジカスタム。ダダ因子によって暴走してしまった。
 前回に続いてウルトラマンZの客演話。現れるのは「ウルトラマン」に登場したダダだが、その姿は「ウルトラマンパワード」に登場したパワードダダだった。電子生物というのも設定的にパワードダダと同じ。これと言って意思を持たない感じもあり、何者かから送られてきたウイルスみたいな存在なのかもしれない。
 ハルキ客演の暑苦しさに押されてケンゴも大声を上げるようになった。個性が出てきたので、こっちの方が良い感じだ。
 それでハルキに懐きっぱなしのケンゴに、なんか複雑な感情を抱くアキトの表情も見所か。なんかBL臭が強くなってきた。あとは隊長のセイヤが全くの無表情でいて、最後の一撃だけ見せ場を作る。凄く美味しいところかっさらってしまった。
 今回もトリガーとZの二人が共同で戦うが、今回は次々形態を変えるので、戦いも見応えあり。
 暴走するキングジョーストレイジカスタムを止める方法は破壊するしかなかったようで、ハルキは破壊されたパーツを全部持ち帰ることになってしまった。更に、帰る方法はベリアロクさえいればいつでも行き帰り出来るのだとか。いい加減な設定だ。
 裏話だが、マナカケンゴ役の金子隼也はウルトラ怪獣の中でダダが最も好きだとのことで、撮影終了後はちゃっかり記念撮影していたとか。
<ダダのサイバー攻撃に対処しているアキトは「スカジーケーブルを頼む」と言っていた。ほんとに懐かしい言葉を聞いた。昔は当たり前に言ってた言葉だったんだよ。SCSIケーブルと言うんだが、この世界では現用なのか、それとも相当に発展したものなのか。
 ガッツウィングの操作盤が何故か8bitっぽいゲーム画面に。悪ノリしてるな。>
第9話 あの日の翼

  監督:辻本貴則
  脚本:林壮太郎
 ユナは18歳の誕生日を迎えた。父のシズマミツクニに話があると呼び出すユナに、ミツクニは、自分は別次元の人間だと明かす。

 敵は石化闇魔獣ガーゴルゴン。3000万年前にユザレを襲ったが逆に自分の光線で自らが石化してしまい、そのまま封印されてしまった。カルミラの呼びかけで復活し、ユナを襲った。
 ユナとユザレの関係が明らかになる話で、ユナの出生の秘密が明らかにされる。というか、まずシズマミツクニの方が別次元の人間で、そこは「ウルトラマンティガ」の世界。GUTSの一員でガッツウィングと共にこの地球にやってきたミツクニはここにもウルトラマンの伝説があることを知り、来たるべき危機を予見してここでその次元の技術を用いて新たなGUTS-SELECTを設立したと言う。何故GUTSという名前と同じガッツウィングがあるのかが明らかになった。
 そしてミツクニはこの地球でユザレの記憶を受け継ぐユリカという女性と結婚し、ユナをもうけた。その時点でユザレの記憶はユリカからユナへと継承される。今回は自分の意思でユザレを呼び出しており、だんだんユザレという別人格を使いこなせるようになってきたように描かれている。どうやらそれ自体がカルミラの目的のようだ。
 オリジナルのガッツウィングも稼働出来るが、新しいものと同じで遠隔操作で動かす。
 3000万年前には多くの怪獣がいたが、ほとんどが封印されているとのこと。カルミラの呼びかけでいつでも復活出来るようになっているのだろう。
<GUTS-SELECTの装備がGUTSのものと似ているのはミツクニが持ってきた技術によるものなのは良い。でもスパークレンスのことを知っていたのはダイゴだけのはずだぞ。
 ユナのプレゼント選びをしたアキトはスタンガンをプレゼントしてる。デコってるけど、そのデザインは感覚が古くないか?>
第10話 揺れるココロ

  監督:辻本貴則
  脚本:林壮太郎
 ユナがユザレとして覚醒が近づいた。だがダーゴンは複雑な思いを抱いていた。ユナに対する思いが溢れたダーゴンはユナに接触する。それを敵対行動と思ったケンゴとアキトはダーゴンと戦う。

 敵は変身怪獣ザラガス。地上でダーゴンが暴れたため、その刺激を受けて眠りから目を覚ましてしまった。死なない限り攻撃を受ける度に肉体が強化される特性を持つ。ダーゴンに投げ飛ばされて体勢を崩したところをトリガーのデラシウム光線で倒された。
 今回はカルミラの仲間であるダーゴンの中心回。なんとユナに恋してしまったのだが、本人もそれに気づいておらず、その事をイグニスに指摘されて動揺している。3000万年も生きてきて、そういうのに疎いのがちょっとおかしい気もする。イグニスにそそのかされて壁ドンしたりバックハグしたりと地球流の口説き行動を取るダーゴンのミスマッチぶりが見所ではあるが、はっきり言ってこの手の話は観たくなかった。
 エタニティコアの影響で地下の怪獣が覚醒しやすくなっているらしく、今回のザラガスもそれで目覚めやすくなったと説明されている。
 石版の解析によってカルミラの仲間だった闇の巨人についても言及があったが、四人目の仲間としてトリガーの名前があった。やっぱり設定は劇場版『ウルトラマンティガ』に準拠してるんだな。
 特撮においては辻本監督らしい外連味がよく見られるのが救いか。得意の家の中から見た戦いは勿論、揺れる電線描写なんかは昭和感満載だ。
<ユナが気になるダーゴンはユナをこっそりと尾けていくが、姿がモロバレで、ほぼストーカーそのものだった。
 「この顔を見ろ」というダーゴンの顔を見たケンゴは「恋する顔だ」と言っていた。どうやったら表情読み取れるんだ?
 何故弱い人間が逃げないのかというダーゴンの問いに、「誰かを守りたい気持ちが私を突き動かす」というユナ。格好良い台詞だが、周囲には守るべき人がいない。>
第11話 光と闇の邂逅

  監督:武居正能
  脚本:ハヤシナオキ
 カルミラの挑戦を受け、迎え撃つトリガーだが、カルミラの放つ黒い炎に包まれたトリガーはそのまま昏倒してしまう。トリガーの中で過去に何があったのかを目撃するケンゴは、そこにもう一人の闇の巨人の姿を見せられる。

 敵はカルミラ
 トリガーの過去を描く話で、カルミラの闇の炎に包まれたケンゴは3000万年前に精神を飛ばされ、そこでトリガーとユザレと出会う。そこで出会ったトリガーは元々カルミラと共にいた闇のウルトラマンだったことが分かる。この辺の設定は劇場版ティガの設定とよく似ている。というか、そのまんまだ。
 闇に包まれたケンゴがその闇に飲み込まれてしまうと、トリガーは本来の姿であるダークトリガーになってしまうらしい。だが3000年前に行ったことで逆に自分自身のことをユザレに伝える事になった。ユザレがケンゴのことを知っていたのはこれが元だったらしい。
 過去はともかく現在ではダークトリガーとなってしまったケンゴは自分自身を取り戻せておらず、このまま闇に飲み込まれるのか?
<ダークトリガーの姿はウルトラマンネクストとウルトラマンノアを合わせたような姿をしている。ティガだけでなくネクサスの設定も入ってきたりして。
 3000年前の会話でヒュドラムは「エクセレント」とか言ってる。なんだかえらい違和感あるな。
 ユザレによれば、「ルルイエは私達の言葉では希望」と言っていた。それ絶対騙されてるって。この世界には旧神がいるのかもしれんな。>
第12話 三千万年の奇跡

  監督:武居正能
  脚本:ハヤシナオキ
 カルミラによって闇の戦士となってしまったトリガーの中でケンゴはトリガーに呼びかけ続ける。

 敵は闇のトリガー。正気を取り戻したトリガーと分離してトリガー本体と戦う。
 ウルトラマントリガーのパワーアップを描く話。パワーアップのためには試練を乗り越えるのは特撮の定番で、ここでは肉体的ではなく精神的な闇からの脱却として描かれる。同じくユザレとしての過去を取り戻したユナの力によってトリガーはグリッタートリガーエタニティとなった。トリガー自身まだその強すぎる力を制御し切れていないというのもウルトラマンシリーズではよくあるパターン。
 3000万年前に何が起こったのかも描かれる。ダークトリガーはユザレと過去に精神を飛ばしたケンゴの努力で光の意思を持つようになり、ユザレに力を与えて自分たち全員を封印させた。
 この話に登場するダークトリガーは、カルミラによって現代に現れたものと、トリガーの記憶にある3000万年前の二体が登場し、過去のダークトリガーはケンゴの導きで光の戦士としての自分を取り戻したが、現代に現れたものはケンゴが分離してしまい、ケンゴがグリッタートリガーエタニティになったのに対し、ダークトリガーはそのまま残って戦う事になった。
 ケンゴとトリガーが一体化してるためにケンゴの意思がトリガーの意思になってる。そのためにアキトとかユナとかがケンゴに話しかけてる姿があるが、巨人に向かって叫ぶ姿が妙に浮いて見える。これらの描写は等身大のヒーローにやるべき事で、ウルトラマンシリーズではやってほしくなかった。
<カルミラ達と共に自らも封印されたトリガーだが、その間ウルトラの戦士は誰一人助けに来なかったらしい。
 グリッタートリガーエタニティのスポンサーは三菱重工です(嘘
 グリッタートリガーエタニティはダークトリガーを倒してしまったが、それって自分自身を殺してしまったことにならないかな?過去編では手をつないでたのに。>
第13話 狙われた隊長 〜マルゥル探偵の事件簿〜

  監督:内田直之
  脚本:足木淳一郎
 タツミ隊長が行方不明となった。何者かに殺されたと思い込んだマルゥルは自分の推理で犯人を捜してやると盛り上がり、既知の全員を引き連れて探索に当たる。一方ナースデッセイ号にはイグニスが侵入していた。

 これまでの戦いの振り返りをメインに、物語の説明と、これからの話の展開を示唆する箸休め的な位置づけの話。ここで頑張るのがメトロン星人マルゥルで、いろんなパロディを加えたコミカルな話。
 コメディでメトロン星人となれば、当然「ウルトラセブン」8話が出てくる訳で、マルゥルの自室は畳敷きでちゃぶ台が置かれている。ちゃぶ台の上には古びた灰皿があって、そこには山盛りの赤い玉。こいつ一体なにやろうと思ってたんだろう?他にも「見た目は子どもでも頭脳は宇宙人。絶対に俺様が解決してみせる。」とか両手の人差し指を頭にあてて「ポクポクポク」とか、カーキー色の上下にはだけたワイシャツと腹巻き姿、第四の壁に向かって「解決編はこの後すぐ」いろんなパクリ描写あり。
 マルゥルは隊長から直接スカウトされてGUTS-SELECTに入ったと言う過去が描かれた。それで隊長には恩義を感じているらしい。尤もその恩義というのは好きなテレビ番組の全話録画を貸してもらうというものだが。
 一方ナースデッセイ号に侵入したイグニスは廃棄されたスパークレンスとハイパーキーを奪っていた。イグニスも巨大化するのか?
第14話 黄金の脅威

  監督:坂本浩一
  脚本:足木淳一郎
 3000万年前のユザレから託されたグリッターの力を使いこなせないことに悩むケンゴ。一方、カルミラの前には究極生命体アブソリューティアンの戦士アブソリュートタルタロスとアブソリュートディアボロが現れ、この世界にあるエタニティコアをアブソリューティアンがいただくと宣言する。

 敵は奇機械怪獣デアボリック。かつて「ウルトラマンタイガ」で登場した機製の怪獣だが、アブソリューティアンの使役する怪獣として現れる。ノーマルタイプのトリガーでは全く歯が立たなかったが、グリッタートリガーエタニティには瞬殺される。そしてアブソリュートディアボロ。アブソリューティアンの一人で、この次元に生じたエタニティコアを奪うためにやってきた。
 強力なグリッタートリガーエタニティの力が使いこなせず、それを使いこなすための話。3000万年前の戦いで、自分がユザレに認められた光の戦士である使命感に溢れているが、気持ちが先行してしまって巧く力を使えず、力を使う度に肉体がボロボロになってしまう。
 前のZに続いて他の世界からもう一人のウルトラマンが参戦する。その名はウルトラマンリブット。実はマレーシアで放映されたシリーズからの参戦である。坂本監督がこの前に監督したweb作品「ウルトラギャラクシー」にも登場しているため、知っている人も多いだろう。それに合わせて「ウルトラギャラクシー」の敵であるアブソリューティアンも登場してる。これまで登場してなかったリブットの人間体も登場してる。
 本作は人間が怪獣と戦うシーンが多用されるが、今回はカメラがぐりぐり動いて面白い演出になってる。個人的にはこの演出は好みではないが、新しい。
 リブットの人間体役は土屋神葉。馴染みはないが、テレビドラマ「トクサツガガガ」で劇中の戦隊ヒーロー、シシレオーを演じていた。
<アブソリュートディアボロスは牛のような姿をしていたが、実際必殺技は牛モティーフだった。なんか聖闘士星矢の黄金闘士を思い出すねえ。>
第15話 オペレーションドラゴン

  監督:坂本浩一
  脚本:足木淳一郎
 ケンゴの前に現れた青年は、自分がウルトラマンリブットであることを明かし、ケンゴに特訓を施すという。一方、アキトはタツミ隊長にナースデッセイ号の真の力を解放する時が来たと進言する。

 敵はアブソリュートディアボロ
 アブソリューティアンとの戦いの続編。カルミラたちダーク勢は静観しており、イグニスも生暖かく特訓を見守っていた。
 パワーアップには相応の訓練が必要となる。同じウルトラマンから特訓を受けるのは当然と言えば当然だが、ここでは普通の特訓ではなく、踊ってるだけだった。理由はちゃんとあって、ウルトラマンの使命とか考えるのではなく、無心で力をコントロールすることが重要だとか。無心で踊るのが特訓になってた。そして無心になったところでユザレであるユナが精神を導く。
 ウルトラマンリブットの変身ポーズも初登場。スパークレンスを使って変身していたが、ウルトラマンは人間体になると変身用のアイテムがないと元に戻れないと言っていた。
 一方GUTS-SELECTの方もパワーアップ。ナースデッセイ号が怪獣モードへと変形した。名前から分ってたが、ナースデッセイ号って「ウルトラマンティガ」で出たアースデッセイ号と、「ウルトラセブン」のナースを合わせたネーミングだし。なお、変形すると司令室以外は
<リブットによれば、人間体になったウルトラマンは元に戻るためには変身用アイテムを必要とするらしいが、M78のウルトラマンたちは状況によっては無しでも結構変身してたぞ。多分気合いが足りないだけだ。>
VOL.2
<A> <楽>
第16話 嗤う滅亡

  監督:越知靖
  脚本:植竹須美男
 イグニスはナースデッセイ号から奪ったスパークレンスとトリガーダークキーを使ってトリガーダークへと変身して暴れ回る。それがイグニスとは知らずに戦いを始めるトリガー。その戦いの中、地中から巨大な卵のようなものが現れる。

 敵は闇黒勇士トリガーダーク。かつて地上に現れた闇のトリガーの力を封じたキーとスパークレンスを遣ってイグニスが変身する。ちなみにトリガーダークという名称はこの話から。そして宇宙伝説魔獣メツオーガ。なんでも飲み込んでしまうと言う宇宙魔獣。かつてヒュドラムが地球に持ち込んだが、危険性が高いために地中に埋めて放置していた。トリガーとトリガーダークの戦いに反応して地上に出現する。
 13話でナースデッセイ号に忍び込んだイグニスが巨大化するという話。イグニスの本来の姿ではなくかつて現れたトリガーダークだった。イグニスはヒュドラムを倒すためだけにこの姿を取り、試験運用の形でトリガーと一度戦った後にヒュドラムに挑戦する。
 ただヒュドラムには一蹴されてしまい、かつてヒュドラムが地球に持ち込んだという魔獣の卵が復活して、それと戦うと言う話になってる。最終的にグリッタートリガーエタニティとナースデッセイ号の攻撃で倒すことには成功したが、その亡骸から更にパワーアップした姿で登場している。
<ヒュドラムに対して正々堂々と戦おうとするイグニス。復讐のためだったら闇討ちするという手もあるだろうに。それにトリガーダークの力も引き出せてないのに敢えて正面から戦う理由が分からん。>
第17話 怒る饗宴

  監督:越知靖
  脚本:植竹須美男
 メツオーガを倒す事が出来たものの、その骸から現れたメツオロチが暴れだした。トリガーとトリガーダークを一蹴したメツオロチに対してナースデッセイ号に未完成のガーゴルゴンキーを使って足止めだけはだけた。猶予は20時間のみの中、タツミ隊長は今出来ることをそれぞれの隊員に命じる。

 敵は新宇宙伝説魔獣メツオロチ。メツオーガの骸から生まれた新種の怪獣で、実はこれこそが本来の姿。あらゆるものを食い尽くしていく。あらゆる光線兵器を無効化するバリアを張れる。バリアを張る頭部の角が弱点で、GUTSファルコンに角を折られたところをグリッタートリガーエタニティによって両断された。そしてカルミラ
 トリガーダーク登場の前後編の後編。トリガーダークとなったイグニスの恨みが込められており、トリガーを攻撃しようとするが、逃げ惑う人を見ると冷静ではいられなくなって助けようとしてしまう。この辺がイグニスの魅力か?
 この作品はやけに地上にいる人間が怪獣に対して銃ぶっ放すシーン多いが、GUTS-SELECTの隊員の大半がそれをやってる。この話は本作の特徴と言っても良いだろう。
 GUTSファルコンをケンゴが直接操縦するシーンあり。完全遠隔操作じゃ無かったのね。動きがマクロスのヴァルキリーっぽい。
 トリガーをそそのかした人物としてケンゴに恨みを持つカルミラが直接参戦してトリガーを倒そうとしてるが、トリガーのことを「マナカケンゴ」と呼んでる。やっぱり一体化してるんだな。
<メツオロチの出現で、みんなでビビりまくっていたくせに、なんかあっさり倒してしまった。切実度の割に簡単。
 カルミラにとってはトリガーダークの姿こそが本当のトリガーのはずだが、全く相手にしてない。トリガーダークも可愛そうに。>
第18話 スマイル作戦第一号

  監督:田口清隆
  脚本:根元歳三
 巽隊長がGUTS-SELECTアジア総司令官に任命された。そのお祝いをしようとサプライズでお祝いの会を開こうとする隊員の面々。そのメンバーに次々幸運が舞い込んでくるのだが、舞い上がる面々の前に怪獣が突然現れる。

 敵は超古代闇怪獣ゴルバーⅡ。1話で登場したゴルバーと同じ姿の怪獣だが、異次元から突然現れた。より力は強化されている。
 いつも仏頂面してるタツミ隊長が笑顔を見せてるのが特徴的な話。大変明洋な事だが、出世が嬉しいらしく、すぐに顔が緩んでしまう。そんな隊長のお祝いをしようとする隊員の面々を描いている。何故か全員幸運が舞い込み、舞い上がってしまって狂躁状態に陥ってしまったため、怪獣退治が上手くいかない。一見コメディ回にも見えるのだが、この話は続きがあるらしい。
 お祝いの会のネーミングは「スマイル作戦第一号」だが、勿論これは「ウルトラマン」の第一話「ウルトラ作戦第一号」からだろう。
 闇のウルトラマンの方も少し事情が変化している。トリガーダークの波動を感じたカルミラはすっかり舞い上がってしまい、それを見ているダーゴンとヒュドラムは、このままカルミラがリーダーで良いのだろうかとこっそり話し合ってる。しかもダーゴンの方はユナのことが忘れられず、ストーカーと化している。
 結果として、イグニスを含めてGUTS-SELECTの面々は全員幸運の幻影を見せられていた訳だが、何者かが波動を送っていたらしい。それが誰で何の目的なのかは不明。ゴルバーIIが現れた理由も不明。最後に訳ありのように現れた男が鍵を握っているのかのようだ。
<マルゥルの幸運とは、宇宙人居住可の家を探し当てたことで、木造二階建てちゃぶ台付きだそうだ…ちゃぶ台?更に理想の住居は四畳半。まあこれだろう。
 アキトがトリガーに変身しようとしてポーズまで取ってる。よくポーズまで知ってたな。こっそり練習してたんだろうか?>
第19話 救世主の資格

  監督:田口清隆
  脚本:根元歳三
 何者かによって心が操られていたことに気づいたGUTS-SELECTの面々。実はナースデッセイ号のブラックボックスには、人を操る何かの因子があるらしい。ミツクニによれば、それはモルフェウスRという宇宙線によるものだという。その分析を始めるGUTS-SELECTの面々だが、一人だけその宇宙線の影響を受けなかったユナの背後に何者かが迫る。

 敵は炎魔戦士キリエロイド。モルフェウスRを使って人々の心を惑わせたキリエル人が巨大化した姿。力を使い果たしたトリガーを圧倒するが、そこに現れたティガとトリガーの合わせ技で倒される。そしてカルミラ達。キリエル人によってそれぞれが夢を見せられ、仲違いを始めてしまい、現実世界で喧嘩を始めてしまった。
 「ウルトラマンティガ」に登場したキリエロイドが登場する話。前回現れたゴルバーはカルミラたちによるものでもアブソリュートでもなかった。その波動を送ったのはキリエル人で、GUTS-SELECTとカルミラ達を試すためだったのだが、その波動に影響を受けなかったのはユナ一人だけだった。キリエル人に言わせれば、それは宇宙の救世主となる資格で、そのためには何者にも動じない心が必要だという。だがピンチに陥ったトリガーを救おうとユザレを呼び出したことを、心を動かしたということで救世主の資格がないと断定されてしまう。
 一方カルミラの方の不協和音は大きくなり、ついにヒュドラムがカルミラに反抗して内乱状態。これもキリエロイドによるモルフェウスRの波動を受けてしまったかららしい。
 そしてカルミラ達と戦って力を使い果たしたところで満を持してキリエロイドが登場。全く敵わなかったトリガーを救うため、現れたウルトラマンは、ティガだった。
 このキリエル人は倒したが、宇宙の救世主を探しているというキリエル人の言葉は以降の伏線となるのかどうか?ちょっと風呂敷広げすぎてないか?
 ちなみにここに登場したモルフェウスRというのは、ティガ40話に登場したバクゴンが使ったモルフェウスDを元にしているが、これはキリエル人とは無関係のもの。
<都市部で拡散型の光線を放つナースデッセイ号。キリエロイドどころか街まで消し飛びそうだ。>
SP3 咲き乱れる悪の華  再び登場したデバンによる総集編。前半はウルトラマントリガーがエタニティとなるまでの話と、グリッターの力を示した話。そして後半はユナの持つ力と、この世界における光について考察している。
 「ウルトラマンティガ」の世界とこの世界の共通点についても考察されるが、光の力だけでなく、人としての力も強さには必要だとしていた。
第20話 青いアイツは電撃と共に

  監督:辻本貴則
  脚本:継田淳
 ヒュドラはかつてユザレに因縁を持つバリガイラーを呼び出してユナの誘拐を依頼する。バリガイラーはGUTS-SELECTのアキトを人質にユナを出せと命じてくる。

 敵は電撃獣人バリガイラー。宇宙を股に掛ける用心棒のような存在で、過去地球にも来た事があるらしい。その際ユザレに追い返されてしまうが、その意趣返しでユザレの精神を宿したユナを取り込もうとする。胸にある太鼓のような模様を叩くと電撃を生じさせる。結局ヒュドラムに騙されていたことを知ってユナを返して去って行った。尚、その姿は「ウルトラマンタイガ」に登場したゴロサンダーの色違いである。
 今回はヒュドラム単独での作戦が展開する。ヒュドラムの狙いはユザレの力を奪うことで、カルミラを出し抜いてユザレを襲おうとした。その際用心棒というか暴れ者のバリガイラーを呼び出して襲わせる。このバリガイラーというのが調子の良いキャラとコミカルな風貌を持っているため、とてもコミカルな話になっていた。
 怪獣とウルトラマンが相撲を取る話は「ウルトラマンコスモス」「ウルトラマンタイガ」でもやってた。その意味ではトリガーのパワータイプはぴったりだ。バルガイヤーは塩まで撒いてるが、ちょっとやりすぎかな?
 ミニチュアの部屋に小型カメラ置いてそこから怪獣を見るとか、ミニチュアの車や電車を走らせてみたりと言った辻本監督お得意の演出もあり。
<バリガイラーが大阪弁喋ってるのはともかくとして、それに当てられヒマリやユナまで関西弁になってる。伝染したのか?
 バリガイラーはへそを切られたら、そこにバッテンにした絆創膏貼っていた。ちょっとやり過ぎだな。>
第21話 悪魔がふたたび

  監督:辻本貴則
  脚本:継田淳
 先の戦いでバリガイラーが放った電撃はシズマ財団の研究施設を直撃し、そこに補完されていた赤と青の液体となっていた遺跡が目を覚ましてしまう。GUTS-SELECTから派遣されたケンゴとアキトが到着する前に青い液体は巨大怪獣へと変化していた。登場と同時に戦いを始め、町に甚大な被害を与える二体。更にアボラスの泡にケンゴが巻き込まれてしまう。

 敵は青色発砲怪獣アボラス。遺跡にあった青い液体から復活した怪獣で腐食性の泡を吐く。そして赤色火炎怪獣バニラ。炎を吐く。二体はライバルで、復活と同時に戦いを始めた。体液は毒そのもので、殺してはならないとされる。
 「ウルトラマン」19話の「悪魔はふたたび」を現代風にアレンジした話。相手が二体なので、味方も二体で戦う。
 アキトを助けるためにアボラスの泡にケンゴが巻き込まれてしまい、それに責任を覚えたアキトが熱くなっている。一方で囚われの身だったイグニスが積極的に協力している話でもあり、ケンゴを助けるためにイグニスにトリガーダークの力を託す事になった。アキトはこれまでにトリガーダークの力を解析して安定化させていた。
 トリガーとトリガーダークが協力して敵を倒したところまではいいが、イグニスには目的があるため、直後にユナを人質に逃亡してしまった。
<カルミラがダーゴンを呼ぶ時、まるでドロンジョみたいな呼びかけしてる。意識してるよな。
 アボラスはともかくバニラは目を回してみせたりトリガーダークに火炎放射器みたいに使われたりと、お茶目な行動が目立つ。
 倒せば毒がまき散らされる怪獣に対してウルトラマンがなすべきは、一度粉砕したところでバリアで無毒化させることだった。こう言う場合宇宙に連れて行って粉砕するのが定番だが。>
第22話 ラストゲーム

  監督:辻本貴則
  脚本:足木淳一郎
 イグニスがユナをさらってしまった。イグニスの部屋に残されていたメッセージボックスには、エタニティコアを開いて故郷リシュリア星を復興させようとしていた。だがそのメッセージで自分を止めて見せろとメッセージボックスにはあり、ケンゴとアキトはイグニスの待つ遺跡へと向かう。一方、闇の軍勢ではヒュドラがカルミラを裏切って自らが闇の王となろうとしていた。

 敵はカラクリ武者メカムサシン。イグニスが用意していた人型ロボットで、少しずれた日本語を喋る。そしてヒュドラム。エタニティコアの扉を開いたユナの後を付け、イグニスからエタニティコアを奪おうとするが、トリガーダークと戦って敗北を喫した。瀕死の重傷を受けて再起を誓ったところをカルミラに吸収されてしまった。
 イグニスが長年の宿敵だったヒュドラムを倒す話。イグニスにとってヒュドラムを倒すことと故郷リシュリアを取り戻すことが悲願だったが、どちらも一人では出来ない事だった。可能性は低いがそれがユナとトリガーダークの力で両方とも可能になったので、そのどちらかを行おうと賭に出た。結果としてエタニティコアを手に入れることは出来なかったものの、ヒュドラムを倒すことには成功した。
 イグニスのトリガーダークの戦い方は少々意地汚く、ヒュドラムの足を踏んで攻撃してたりする。ウルトラマンらしくない戦い方をしてるが、これも正義ではないウルトラマンの戦い方の演出だ。
<メカムサシの顔はどこかで見たと思ったら、「ウルトラマンコスモス」の戀鬼が元だったか。「オーブ」にも出てたか。>
第23話 マイフレンド

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 裏切ったヒュドラムを殺し、その闇を吸収したカルミラは、今度はその闇を使いダーゴンを操る。暴走したダーゴンと戦うトリガーだが、戦いの中でダーゴンは正気を取り戻した。

 敵はダーゴン。カルミラにはついていけないとカルミラの元を去ろうとしたところをカルミラに捕まって闇の力でコントロールされている。
 ラストに向けて、敵がだんだん減っていく。今回はダーゴンが倒れた。最後はカルミラによって狂戦士化させられるが、途中正気に戻り、宿敵であるトリガーと正々堂々戦おうとした。結局それもカルミラに利用され、最後はユナを奪われてしまう。
 この作品の特徴として、人間が怪獣と対等に戦うシーンが多用されるが、今回はアキトがナースデッセイ号を操ってダーゴンと会話しながら戦っている。ただ、暗黒に染まってしまったダーゴンを助けることは出来ず、ダーゴンはヒュドラムに続いてカルミラに吸収されてしまう。
 そしてユナによってエタニティコアへと到達したカルミラはコアを暗黒に染めることで自らが邪神メガロゾーアに変化した。
<ツッコミどころとは言わないが、敵側のまともなキャラが狂わせられてしまうというのは90年代のアニメの定番で、この脚本は浅すぎる。>
第24話 闇の支配者

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 カルミラはエタニティコアを汚染することで闇の邪神メガロゾーアへと進化した。あらゆるエネルギーを吸い取るメガロゾーアに手出し出来ないナースデッセイ号。そして世界を闇に染めてしまおうと進撃を開始するメガロゾーア。

 敵は邪神メガロゾーア。カルミラがエタニティコアを汚染して誕生した巨大な怪獣で、闇そのものを武器に変えて攻撃する。あらゆるエネルギーを吸収するため、攻撃は基本的に無意味。
 ウルトラマントリガーの最終決戦の前哨戦。既にトリガーに対する恨み以外無くなってしまったカルミラにとって、トリガーを殺せればあとはどうなってもいい。エタニティコアが暴走を起こして世界を滅ぼそうとも一切気にせずにトリガーだけを攻撃している。
 登場人物が誰も彼も自分を犠牲にしようとしてる。パターンとしてはあまりに安直すぎるのが難点だ。
 ケンゴの意識が火星に飛び、そこで母親からケンゴの出生の秘密が明らかにされた。実は最初から人間では無く、記憶を失った光の化身であり、ウルトラマントリガーそのものの人間体だった。
<「僕がウルトラマントリガーなんです」とはケンゴの告白に驚く仲間達…これまでの展開だったらみんな知ってないとおかしくない?
 マルゥルによれば、メガロゾーアの暴走によってビッグバンが起こるかもしれないとのこと。質量的に無理だと思う。>
第25話 笑顔を信じるものたちへ 〜PULL THE TRIGGER〜

  監督:坂本浩一
  脚本:ハヤシナオキ
 巨大化したメガロゾーアに立ち向かうトリガーとトリガーダーク。無敵のメガロゾーアを押さえるためにはエタニティコアの暴走を抑える必要があると考えたアキトは、トリガーダークの力をトリガーに戻そうと考える。

 敵は邪神メガロゾーア。闇を取り込み巨大化した。
 最終回。光と闇の戦いだったが、光と闇の双方を取り込むことで最強となるという方向へと持って行った。ウルトラマンシリーズらしくないが、劇場版の『ウルトラマンティガ』からの続きなのだろう。
 そこで現れたのはマルチタイプに黒い線が入ったトリガートゥルース。
 それでなんとかメガロゾーアを下すことは出来たが、今度はエタニティコアの暴走が収まらなかったため、それを抑えるためにトリガーが再び地下へと向かったところでエンディング。ケンゴはエタニティコアの中で自らが核となって暴走を抑えている。ウルトラマンシリーズでこういう終わり方は始めてだな。
「ウルトラマンティガ」最終回と同じく子ども達の応援する心がトリガーに力を与える描写がある。しかしこれまで一般人を放っておいたこともあるし伏線も無かったので唐突すぎる。
 エタニティコアへと向かおうとするケンゴを最後まで止めたのはユナでは無くアキトだった。最後に本物の友情になったということか…そういうことにしておこう。>

 

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