特撮館Top

ウルトラマンメビウス

ウルトラマンメビウス事典
<amazon> <楽天>
ウルトラマンメビウス

 2006'4'8〜2007'3'31

 ウルトラマンシリーズ16作目にして誕生40周年記念作品。本作の最大特徴は「ウルトラマン80」以来止まっていたウルトラ兄弟のシリーズを実に25年ぶりに再開したと言う点にある。これは前作「ウルトラマンマックス」が第一次ウルトラシリーズの怪獣をモティーフとした実験で、特に大人からの受けが大変良かったことで、シリーズ再開に踏み切ったのだと思われる。本作ではそれを一歩踏み込み、昭和シリーズの直接の続編として作られることとなったが、決してマニアックなだけにはせず、新規に子供の関心を得ようとしている。この作りは成功で、しかも脚本の丁寧さもあって、極めて質の高い作品に仕上げられた。
 又本作の特徴として、ウルトラマンに変身するヒビノ・ミライだけでなく、隊員一人一人に対しても丁寧な描写がなされているのも特徴だろう。それぞれのキャラ立ちを上げることによって、最終的にウルトラマンと人間の共闘の物語へと物語を昇華させていった。
 当初他のどのウルトラマンよりも弱い存在として描かれたが、それは半人前という設定だからで、それ故にウルトラ兄弟の客演も説得力があった。徐々に成長し、やがて全ての兄弟の期待を一身に背負うヒーロー。やはりそれが良い。

主な登場人物
ヒビノミライ
ウルトラマンメビウス
(役)五十嵐隼士。
 ウルトラマンメビウスが地球人に変身した姿。地球について、特に人間の感情については未だ勉強不足だが、戦いや仲間を通して成長していく。
セリザワカズヤ
ウルトラマンヒカリ
(役)石川真。
 元GUYSの長官。ウルトラ五つの誓いを“友人”から教えてもらっていたそうだ。26年ぶりに出現した怪獣ディノゾールに特攻をかけて以降行方不明になっていたが、ツルギによって助けられ、その人間体として再登場している。ツルギがウルトラマンヒカリとなると、自分の意志で変身するようになった。
サコミズシンゴ (役)田中実。
 壊滅したGUYSを再編するために隊長に就任。基本的にのんびりした性格をしているが、隊員を自発的に働かせる能力に長ける。実は「ウルトラマン」における初期稿ではウルトラマンに変身するのはハヤタではなくサコミズという名前だったらしいが…
アイハラリュウ (役)仁科克基。
 元GUYSの生え抜きで、新生GUYSでのヴェテラン隊員。前隊長のセリザワを尊敬しており、その教えに傾倒するあまり、やや頭の固い部分もあり。地球は地球人の手で守る」という思いが強い。
イカルガジョージ (役)渡辺大輔。
 元サッカー選手でスペインリーグで活躍していたが、ミライの説得にあってGUYSに入隊する。人間業とは思えない脚力を持つ。
クゼテッペイ (役)内野謙太
 元エリート医大生。過去に出現した怪獣に関しての知識が豊富で、後方で作戦の立案を主に行っている。ほとんど前戦には出ないにもかかわらず、実は最もCREWGUYSの中での存在感が大きい。彼の存在こそが実は本作の一番大きな特徴かも。
カザママリナ (役)斉川あい。
 元オートレーサー。絶対音感を持ち、怪獣の鳴き声に混じる特殊な波長を聞き分けることができる。
アマガイコノミ (役)平田弥里。
 GUYSライセンスを持ちながら何故か幼稚園の先生を目指していた。弱いものに対し優しいが、大変な恐がりでもある。何故かマケット怪獣に懐かれる。
トリヤマ (役)石井喧一。
 CREWGUYSの担当官。事なかれ主義で常に世論を気にした発言を繰り返している。
マル (役)まいど豊。
 トリヤマの秘書。良いツッコミ役だが、いつも一言多いのでトリヤマに叱られてばかりいる。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 運命の出逢い

  監督:佐野智樹
  脚本:赤星政尚
  特技監督:原口智生
 M78星雲光の国ではウルトラの父によって新しい戦士メビウスが地球に派遣された。そして地球にやってきたメビウスはヒビノ・ミライという青年となり、特捜チームCREW GUYSの前に現れる。時を同じくして、四半世紀ぶりに宇宙怪獣が地球にやってきていた…
 敵は宇宙斬鉄怪獣ディノゾール。26年ぶりに地球にやってきた宇宙怪獣。割とオーソドックスなタイプの怪獣だが、デザインは現代風にまとめられている。尻尾が二本あり、見えない舌でどんなものでも切り裂く他、ミサイルも持っている。それとメビウスの正体を知っているような謎の女性が登場。
 話そのものはかなりオーソドックスだが、第一話という事を考えると、手堅くまとまっている。
 見事なほどにオールドファンの心を掴んだ話。徒然に上げていくと、正式に「ウルトラマン80」の続編であることは劇中で「25年と2週間ぶり」と語られている(「80」の放送終了は1981'3'25で、本作の放映は2006'4'8)。更に「ウルトラ5つの誓い」が冒頭で語られる。GUYSの本部は巨大なレドームがくるくる回ってるよ。更にサイレンで怪獣を知らせる怪獣警報が鳴り響き、大八車で避難する住民の姿が…熱い。懐かしくて熱すぎる。あと細かい所だが、変身シーンで右手を突き上げて変身している所とか、カラータイマーの点滅がえらく早いとか、未確認怪獣をちゃんと名前で呼んでいる所もチェック度高い。
 それとGUYSの出撃シーンの音源にも留意すべきだろう。戦闘機の効果音やミサイルの発射音など、全てかつてのウルトラシリーズの音源そのものだったりする。
 見事ディノゾールを倒したメビウスに対し、アイハラリュウ隊員は「この被害を見ろ!」と叫ぶ。これまでスルーされてきた問題を直視しようとしているようだ。更に個々のキャラをしっかりトピック当てようともしてる。バランスが結構良い。
 何にせよ、とにかく熱い!
<最初にアイハラ・リュウ隊員によりウルトラ5つの誓いが叫ばれているが、これはセリザワ・カズヤ隊長が友人から教えられていたものだという。坂田次郎君の友人なのか?(結局このセリザワ隊長はディノゾールに特攻かまして行方不明になってしまったが)。
 本作が
「ウルトラマン80」の正式な続編。つまりウルトラ兄弟達の物語の続編であることは分かったが、そうすると、その間に活躍していたウルトラマンたちはどうなるのやら?
 サッカーの名手イカルガ・ジョージ隊員の必殺シュートはなんと炎を巻き上げる。こいつ人間じゃないのか?
 メビウスは戦い慣れてないと言うことを強調してのことと思われるが、ビルを盾にして怪獣の攻撃を防ぐ描写はいかがなものか?>

VOL.1
第2話 俺達の翼

  監督:佐野智樹
  脚本:赤星政尚
  特技監督:原口智生
 新チームCREWGUYSに入隊したミライはリュウと共に新しいメンバーを探し始める。だが白羽の矢を立てた人達はことごとく自分の夢を追うことで手一杯。なんとか説得しようとするミライだが…
 敵は地底怪獣グドン。かつて「帰ってきたウルトラマン」に登場したものと同型で、両手に鞭を持った怪獣。私にとっても怪獣のベストに位置する存在。登場がちょっと早すぎる気もするけど、単体としての強さを遺憾なく発揮していた。
 CREWGUYSのメンバー集めと、チームとしての結成が描かれる話。色々な意味でここからCREWGUYSの活動が始まると言うことになる…確かにご都合主義ではあるが。個々のキャラをいかに強調するかの苦心が垣間見える。
 そしてやはりこれ。発進シーンはワンダバマーチ。これがあってこそウルトラマンだ。よく分かっている。更に言えば1分弱もかけてガンフェニックスの発進シーンを描いている所もノスタルジーを感じさせる。
 そしてメテオールの存在が明かされる。これは過去地球に来た宇宙人や怪獣のテクノロジーを武器に転用したもの。なるほどこれがシリーズ続編の強味の一つか。
 前回リュウに怒られていたので、グドンを市街地に入れないように注意しながら戦メビウス。これは重要な点だな。
 細かい所だが、本作は二話続いて戦いの後に朝日が昇ってる。これが本作の売りなのかも知れない。「帰ってきたウルトラマン」の夕日の描写との対比か?
<冒頭、ディノゾールの後処理について悩んでいたが、これもこれまでスルーされてきた問題。その辺を描こうとすることが本作の最大特徴とも言えるだろう。
 CREWGUYSはメンバーを自己調達する所から始める。ほとんど熱血スポーツ漫画ノリ…細かい所を言えば、ツッコミ所ばかり。とりあえずもの凄い人手不足で仕方なかったんだろう。うん。
 グドンの鞭を持ってジャイアントスイングをするメビウス。そういう事を考えたことはあるけどね、これをやるとグドンの姿がひたすら情けない。
 久々の怪獣切断が観られる。とは言え、グドンの鞭の一本を落とすだけだけど。>
第3話 ひとつきりの命

  監督:村石宏實
  脚本:赤星政尚
  特技監督:村石宏實
 大熊山火口から現れた怪獣。これはかつてウルトラマンタロウを死に追いやったという伝説のバードンであると判明。すぐさまヒビノはメビウスに変身するが、バードンの毒液を注入され、瀕死の重傷を負ってしまう…
 敵は火山怪鳥バードン。かつて「ウルトラマンタロウ」に登場し、ゾフィとタロウを倒したという実績を持つ怪獣。口の横の袋には毒素が詰まっており、それをウルトラマンに注入する。不細工な格好は変わらないけど、オリジナル版よりも優しげな顔つきになったようだし、凶暴性も今ひとつ。
 CREWGUYSの新入隊員の面々の休暇が描かれる。それぞれがかつて目指していたものと、これから自分のなすべき事を思いを馳せる。個々の物語をほんの僅かとはいえ、きっちりと描くのは本作の特徴であろうか?それに今回の中心はテッペイとなり、彼の分析能力の高さと、機転が描かれている。戦っているのはウルトラマンだけではない事をちゃんと描こうとしているのだろう。
 更にここにウルトラマンは不死身ではないと言う事実を加えることによって、いっそう人類との共闘の必要性が描かれてもいる。
 そう言えば、ここで初めて「ウルトラマンメビウス」というのが正式名称が決定された。結局本人の言葉からだった。
<バードンは「ウルトラマンタロウ」における最強怪獣と名高いが、突っついただけでタロウが死んでしまったのは毒を持つためという設定を新たに付け加えたか。
 ヒビノの発言は未だメビウスとの関係を示すような危ういものばかり。これで気づかないGUYSの面々も幸せというか…>
第4話 傷だらけの絆

  監督:村石宏實
  脚本:小林雄次
  特技監督:村石宏實
 GUYSは新しい仲間として、そして怪獣に対抗する兵器としてマケット怪獣を作り出した。その第一号怪獣として選ばれたのは、かつてウルトラセブンと共に地球人を守ったというミクラスだった。だが、活動限界が一分の上に、どうにも頼りがない。テストでも唯一コノミが使用した時のみ覇気を見せたものの、実際には全然役に立たなかった。そんな時、宇宙から怪獣が飛来する。怪我したマリナの代わり、ミクラスのカプセルを手にコノミが出動するが…
 敵は宇宙凶険怪獣ケルビム。長い尻尾と角を持つ、割とオーソドックスな感じの怪獣だが、宇宙から飛来した。火の玉を吐き、更に長い尻尾を使って攻撃するため、中・遠距離からの攻撃には動じず、更に至近距離では角で攻撃する。ミクラスの攻撃を受けた後、メビウスに倒される。それとマケット怪獣ミクラス。これから色々とお世話になるマケット怪獣の初お目見え。
 「ウルトラセブン」でお馴染みのカプセル怪獣(ここではマケット怪獣)ミクラスが登場。オリジナル版でもセブンの活躍前のつなぎっぽい使われ方してた。ここでもかなり情けない使われ方してるが、実は初めて主役級の扱いだったりする。
 今回はコノミが中心の話となっている。元保育士だっただけに、優しくて恐がりだが、肝心な時に怪獣に立ち向かい、ミクラスを叱責して怪獣と戦わせていたりする。こういう物語は割と古くさい感じであると共に、普遍的な面白さを感じさせる。
 サコミズ隊長がさりげなく有能ぶりを見せる。この人の巧さは自分が目立つことなく、人を動かして結果を得るという点。まるで『機動警察パトレイバー』の後藤隊長みたい…というかそれがモデルだろ?
<ミライがコノミの眼鏡を拾った時、「デュワ」という声と共に眼鏡かけてる。これまで黒縁だった眼鏡が赤くなったのはこのため?結構コノミの眼鏡の描写も多く、まるでヤッさんみたいな「眼鏡〜は〜ど〜こ〜だ〜」まで演ってくれる(一瞬だけど)。ただ、ウルトラマンマックスでの森次晃司によるものを観た後だと、やっぱりどうしても見劣りするのは確かだけど。
 テッペイはケルビムの吐く火の玉を「吐瀉物」と言ってるけど、ちょっとまずいのでは?>
第5話 逆転のシュート

  監督:高野敏幸
  脚本:長谷川圭一
  特技監督:高野敏幸
 霧吹山に怪獣が現れた。発進するCREWGUYSのガンウインガーとガンローダーだが、濃霧のためレーダーが使えず、更に発見した怪獣サドラに向かってジョージの独断専行によりサドラを逃がしてしまった。スタンドプレーを責めるリュウに、すっかりへそを曲げてしまい、GUYSを離れようとするジョージだが…
 敵は岩石怪獣サドラ。霧吹山に現れた怪獣で、「帰ってきたウルトラマン」に現れたのとは多少デザインは異なる。腕が伸縮自在となり、顔もちょっと凶悪になった。更に複数登場。
 イカルガ・ジョージを中心とした話。まるで70年代の青春ドラマのようなすごく臭い物語が展開。でも、逆にこれって新鮮なのかも。
 ただ、複数体出てくるサドラとかハンターナイトツルギの初登場とか色々詰め込みすぎたお陰で話がまとまってなかったのが残念。
<ジョージはクールなふりをしてる割にえらい饒舌で、更に自己弁護ばかり。子供かよ。
 ジョージを慰めようと雑誌を持ってきたマリナは、ジョージを糞味噌に書いてる雑誌の記事を克明に読み上げる。傷ついた人間に追い打ちかけるか。
 ジョージの流星シュートはボールが炎を上げてゴールに突っ込んでいく。どう見ても『少林サッカー』(2001)なんだけど。
 一度サドラにレーザーをはじき返されているのに、人口密集地帯で何の根拠もなくもう一度レーザーを打つジョージ…ひょっとしてこいつアホか?>

VOL.2
第6話 深海の二人

  監督:高野敏幸
  脚本:川上英幸
  特技監督:高野敏幸
 射撃訓練でずば抜けた成績を残すマリナ。実は彼女は人並み外れた聴覚を持っていたのだ。だが、耳が良すぎるため危険を事前に察知してしまう恐怖心こそが彼女の弱点でもあった。そんな折、十六島の海底で異変が起きているとの報が入り、マリナとリュウは深海の調査に向かうのだが…
 敵は古代怪獣ツインテール「帰ってきたウルトラマン」に出てきたのとは別個体のようだ。深海に卵の状態で発見されたが、ボガールの放射した熱によって孵化する。実は海の怪獣であり、先のグドンとの戦いで負けてしまったのはフィールドが地上だったからという説明が付けられた。そして高次元捕食体ボガール。ミライの前に度々現れた謎の女性の正体で、怪獣を地上に呼び寄せては捕食していた。前回のサドラも次々に捕食していた。今回の捕食対象はウルトラマンメビウスらしい。そのボガールに対し、今回もハンターナイトツルギが登場している。
 マリナが中心の語。耳の良すぎるマリナは特殊能力に近い危険探知能力を持つが、逆にそれが臆病さと直結しており、それを克服することが今回のメインストーリー。これも古い特撮ではよくあるパターンではある。
 第2話でグドンは登場したが、セットとしてのツインテールは出てこなかったのが残念だったが、実はここで単体で登場。なるほど。ツインテールの強さを示すためにわざわざここに持ってきているのね。
 話としては一応前回の続きとなっている。ただ、やはり消えたはずのセリザワがツルギとなって現れるとか、二体の怪獣が出現するとか、謎の女性の正体とか、やはり詰め込みすぎて消化不良を起こしてる印象は受ける。
<元々は深海調査にはリュウとジョージが指名されたが、ジョージは頑なに拒む。ここで水の中が苦手という要素が彼には加わった訳だ。
 リュウは前のGUYSで先輩のはずだが、マリナはタメ口どころか完全に見下した発言してる。先輩後輩の差を無くするのは最近の特徴だろう。昔は責められるのは主人公と相場が決まっていたが、個性を出すためか、みんなそれぞれに弱点を持たせ、そこで嫌味を言われるのも特徴と言えよう。リュウ以外にもジョージがカナヅチで水が怖いとか…>
第7話 ファントンの落とし物

  監督:梶 研吾
  脚本:赤星政尚
  特技監督:菊地雄一
 外宇宙から地球人にコンタクトを取ってきた宇宙船があった。ファントン星人と名乗る彼らは母星のために開発した圧縮食料“シーピン929”を落としたため、それを回収させて欲しいと言うのだ。CREWGUYSの面々がシーピン929を探し回っている間、トリヤマ補佐官が地上に降りたファントン星人の面倒を看ることになるのだが…
 健啖宇宙人ファントン星人が登場。友好的な宇宙人で、本人自身は単なる大食漢なだけだが、彼の持ち込んだ圧縮食料“シーピン929”が肥大化して大変なことになる。宇宙語を操られるテッペイを大変気に入ったらしい。
 今回は割とコメディ編っぽい話で、特にトリヤマ補佐官の混乱が楽しい話。一応中心はテッペイになるが、だんだんこのキャラ「ウルトラマン」のイデ隊員に似てきた…というか、狙ったんだろうけど。コメディ色を前面に押し出した前作「ウルトラマンマックス」ほどにはぶっ飛んでないけど、結構楽しい作品に仕上がってる。
 他にもここにもボガールとツルギが登場。この二人が出てくると話がまとまりやすくなるんだな。これだけ色々詰め込んでる割にはしっかり物語のつなぎ方も良い。一応この二体同士の戦いが見られはする。この二体の名前自体がファントン星人が教えてくれていた。
 更にボガールを倒すためには町の被害を気にしないツルギの行動に怒りを露わにするメビウスの姿なども見られ、第1話の良い対比となっている。メビウスの成長までも描きこんだバランス感覚にはかなり優れた作品と言えよう。
<テッペイの開発した「パン・スペース・インタープリター」という翻訳機器は明らかに「ウルトラマン」16話「科特隊宇宙へ」のイデ隊員が開発した電子計算機と同じものだし、「キエテコシキレキレテ」という宇宙語。同じく第2話「侵略者を撃て」で、イデ隊員が練習していた宇宙語。>
第8話 戦慄の捕食者

  監督:梶 研吾
  脚本:小林雄次
  特技監督:菊地雄一
 ボガールの弱点が電流であることを突き止めたGUYSはマケット怪獣であるミクラスに電気怪獣の属性を加えることになった。そんな中、リュウは再びセリザワと出逢う。
 敵は高次元捕食体ボガールだが、それに対抗するためにマケット怪獣のミクラスに電気属性を付加しようとした結果、失敗してエレキングの構造を持つマケット怪獣リムエレキングが生成する。ちなみにミクラスに付与されたのはエレキングだけでなく、ネロンガ、エレドータスのデータも入っている。
 メビウスとツルギ、ボガールの関係に変化が訪れる。特にツルギについてはかなり細かく正体が分かった。彼も又M78星雲人ではあるものの、宇宙警備隊員ではないということ。ボガールには個人的な恨みを持っていることがここで判明する。
 そしてここでのマニアックな設定描写も見所の一つ。エレキングはこれまでにも数々登場したが、電撃攻撃を行わない「ウルトラマンタロウ」に登場した二代目に言及してみたり、ネロンガやエレドータスと言ったかなりマイナーな怪獣も名前が挙げられている。
 リュウがどれだけセリザワ隊長に心酔しているかよく分かるが、ここまで来るとまるで恋する乙女…それと、ジョージが徐々にギャグ要員になりつつある印象。今回リムエレキングに接触した結果、髪の毛がパンク調に逆立ってしまった。一方リムエレキングに対し、珍しく焦った顔を見せるサコミズ隊長は、実はコーヒーメーカーを守ろうとしていたと言うことが分かる。コーヒー好きなんだ。過不足なく全員に見所を作るのは上手い。
 話そのものが重いため、可愛いリムエレキングとかジョージが感電して髪の毛逆立ててるとか、色々サービスしようとしていることも分かる。戦いそのものもミクラスがコミカルな動きをしている上、音楽もほのぼのしていてなかなか和む。「ウルトラセブン」では単なるやられ役に過ぎなかったのが、ここでは色々個性を見せてくれている。
<エレキングを最初に映し出した際、テッペイは「これは違う個体です」と言っていた。これはおそらく「ウルトラマンタロウ」に出てきた再生体の方なのだろう。電気攻撃しなかったから。マニアだなあ。
 前にツルギを見たミライはセリザワに対して「君は宇宙警備隊員ではない」と断言していた。これはつまり、本来的には非戦闘員ということだろうか?そう言えば雑誌設定だが、ウルトラマンには四つの種族があると聞いていた(ウルトラマン達はシルバー族。ウルトラセブンがレッド族。それ以外にも労働者会層のブルー族とデスクワークが主体のホワイト族がいるはずだが、さしずめツルギはブルー族だろうか?
 エレキミクラスはエレキングだけでなくネロンガやエレドータスのデータを入れているため、姿を消すことも出来る。しかし描写がかなりマニアックだ。>
第9話 復讐の鎧

  監督:小原直樹
  脚本:長谷川圭一
  特技監督:菊地雄一
 ボガールを退けたメビウス。だがツルギの人間体セリザワはミライの干渉を頑なに拒み、ボガールによって滅ぼされた星のビジョンを見せつける。ボガールを倒すためには他の生命体の命を全く省みようとしないツルギに、別種の恐ろしさを感じるミライだったが…
 敵は古代怪獣グドン地底怪獣ツインテール。元々セットで出たものだが、これまで単体で登場していたのが、ようやく本来の居場所を見つけたって所か?戦いはツインテールの方が優勢なのだが、戦っている所をあっという間にボガールに捕食されてしまった。そして又しても高次元捕食体ボガール。怪獣を捕食するたびにエネルギーをため込み、今や移動する火薬庫と化しているという。まるでゴーストロンみたいだ。パワーアップしてボガールモンスとなり、電撃に対し耐性を持つようになった。ミクラスはここまでに既に三回の登場。ミクラスもますます人間っぽさを強調してる。
 ツルギの過去が明らかにされる話。元ウルトラ一族だったというツルギはボガールによって滅ぼされたアーブ住民の怨念を身にまとって鎧を手に入れたという。そして最後は初めてメビウスとツルギの直接対決が描かれている。それ以外にも見所が多く、バランスも良く仕上げられた好作。
 セリザワに対するリュウの想いというのが中心になっているが、実はサコミズの存在感をよく表した話となっている。いつもにこにこして人の意見ばかり聞いてるサコミズ隊長だが、勘が良く、何でも引き受けようとする器の大きさを感じさせる話でもあった。こう言うのに田中実ははまり役だと思うよ。彼の姿は茫洋とした印象を受けるが、実は全てを知った上で敢えて現場に任せてる感じ。まあ、「機動警察パトレイバー」における後藤隊長をモデルにしてるんだろうね。
 全般的に本作は分析というものを重視している。ほとんど前線に出ていないテッペイの存在感がCREWGUYSでは一番大きいという事実がそれを証明してる。
<リュウは自分にとっての隊長はセリザワしかないと考えているらしい。どんな姿になってもセリザワのことは隊長呼ばわりし、対してサコミズは呼び捨てだった。
 ボガールはあっという間にグドンとツインテールを捕食してしまったが、その際下腹部をぽんぽんと叩いてる。やっぱりボガール胃とかがあるんだろうか?>

VOL.3
第10話 GUYSの誇り

  監督:小原直樹
  脚本:川上英幸
  特技監督:菊地雄一
 リュウの叫びに邪魔されボガールモンスにとどめを刺すことが出来なかったツルギ。その心にはかつてセリザワだった時の感情が流れ込んでいた。破壊すれば地球に甚大な被害をもたらすボガールモンスを最低限の被害で倒す方法がGUYS上層部から提示される。メビウスやツルギの存在を顧慮に入れないその作戦にCREWGUYSの面々は反発するが…
 敵は高次元捕食体ボガールモンス。エネルギーを蓄えすぎ、いよいよ爆発が近づいていたが、GUYSの封じ込め作戦で破壊される。
 最初のエピソードであるツルギ編の完結編。ここまでウルトラマン同士の感情のぶつけ合いや、人間との交流によって本来のウルトラマンの心を取り戻していくという過程が描かれていた。同時にGUYSの面々が仲間としてまとまっていく過程、一途なメビウスの成長にもなっているのが特徴で、オーソドックスな物語展開をしているのに、複数話に渡ってきちんと話をまとめている。これだけきちんとまとめられると何も言えないな。古さと新しさを巧く取り入れた優等生的な物語になっている。
 戦いのシーンでは、これまで反発し合っていたメビウスとツルギの共闘も描かれ、しっかりアイコンタクトまで取っていた。これはツルギの方の変化ではあるが、こう言うのが一番燃えるシチュエーションだ。
 そして最後の最後、一瞬とはいえついにウルトラの母が登場。
 かなりバランス良く作られた物語の上に、シチュエーションの良さもあってツッコミ所は少ない。
<二人のウルトラマンによる戦いは大変格好良いものの、とうとうここでCGメインにしてしまったか。これはあんまり嬉しくない。
 今回の戦いは一体何分?メビウスのカラータイマーは最後に申し訳程度に点滅しただけだった。
 後、やっぱり死は死で終わらせてもらいたかったとは思うんだけどね。>
第11話 母の奇跡

  監督:鈴木健二
  脚本:鈴木健二
  特技監督:菊地雄一
 ボガールを倒し、自らの使命は終わったとしたツルギだが、そこに現れた銀十字軍隊長ウルトラの母は彼を何処かに連れて行く。数日後、トレーニングに励むCREWGUYSの面々にディノゾールの大群が地球に向かっているとの報告が入る。
 敵は宇宙斬鉄怪獣ディノゾールリバース。1話に登場したディノゾールの仲間で、ディノゾールは宇宙の渡り鳥みたいな存在だったのだが、たまたま最初の一体がボガールに引き込まれて地球にやってきたため、残りも同じコースを取ってしまったらしい。一体だけが地上に落下するが、頭部を破壊された後、反転して双頭となって復活する。空を飛ぶ機能は失われたがその分鞭が二つとなる。そしてマケット怪獣ウィンダムが初登場。長距離攻撃が可能なマケット怪獣として登場していた。「ウルトラセブン」のイメージをよく残しているグッドデザインだ。足の短い所は流石に日本人の体格が変わったため、再現出来なかったようだ(笑)。
 又、そもそもトラブルで登場したリムエレキングがマスコットとして存在を許されるようになった。
 ここから第二部の開始となり、かつてのツルギがウルトラマンヒカリとして復帰する話。ウルトラの母はウルトラ兄弟に命を与える力を持っているという元々の設定をきちんと活かした物語でもある。そして登場するヒカリは、アーブギアを外した本来の姿で登場。メビウスの赤に対応した青い姿で、メビウスとの連携でディノゾールリバースを倒す。戦いのシーンはCGを使わずに肉体で演じているのが好感度高し。
 怪獣が何故地球に来るのか、その事がしっかり考えられてるのがやっぱり丁寧さを感じる所。更に一度戦った怪獣に対してはCREWGUYSも対処方法を学んでいるため、かなり優位に戦いを進めることができる。更に隊員一人一人が自分の能力を受け入れているのも良い。
 しかし、細かい所がうまい話だった。ウィンダムの姿もそうだが、例えば宇宙機雷の名前がライトンR30マインであったり(「ウルトラセブン」15話でキング・ジョーを一発で倒した爆弾)、ウルトラの母の目にはちゃんと同じ位置に覗き穴…黒いポッチがあったり。私にとっては凄く嬉しい作品だった。
<ウィンダムはこれが初登場だが、やっぱりあんまり活躍出来なかった。走ってディノゾールリバースに突っ込んだ途端消えてしまうとか…コミカルで良いんだけどね。
 ウルトラマンヒカリのネーミングはリュウによる。確か人間がウルトラマンの名前を付けたのは初めてのことかな?それにしても言わせてもらうと、リュウはセンスがない…みんなにもそう言われてるけど。>
第12話 初めてのお使い

  監督:鈴木健二
  脚本:川上英幸
  特技監督:菊地雄一
 GUYS総監からの特別任務で未完成品のメテオールを最終処理施設に運搬することになった。だが移送途中にトランクを開けてしまい、カプセルの一つを落としてしまった。実はこのカプセルは「グロテスセル」と呼ばれるもので、無機物を怪獣化させる力を持ったものだった。それを拾ってしまった古物商の平蔵が釣り上げるのだが…
 敵は魔神怪獣コダイゴンジアザー「帰ってきたウルトラマン」に出てきた怪獣だが、かなりマイナーなのを持ってきたもんだな。グロテスセルが寿限夢堂に置かれていた恵比寿の置物に乗り移って誕生する。巨大化した恵比寿像なのだが、妙に強い。
 初めてのトリヤマ補佐官が中心の話で、いつも暖かい目で見られてるキャラだけに、シリーズ中最高のギャグ作品となっている。なるほどこういう使い方をする訳か。結構有効活用出来るキャラだな。
 今回戦いはメビウスとヒカリだけじゃなく、ちゃんと人間側のサポートもあったりして見応えはあり。
<自分が笑われものになってるのではないか?と心配するトリヤマ。事実その通りなんだが、本人は全く気付いてないのが悲しい。
 恵比寿像が歩いているのを発見したCREWGUYSの面々の台詞は「なんじゃありゃあ?」(リュウ)「なんか商売繁盛な雰囲気が漂う敵だな」(ジョージ)…音楽も妙に軽いものだった。
 で、昔のコダイゴンはグロテス星人が倒されたら消えたことを受け、みんなの視点が向かう先は…やっぱりトリヤマ補佐官。
 メビウスとコダイゴンジアザーの戦いもかなりおちゃらけた感じがする。戦ってる最中にも「商売繁盛、商売繁盛」と叫ぶ魚が飛び回ってる。>
第13話 風のマリナ

  監督:村石宏實
  脚本:長谷川圭一
  特技監督:村石宏實
 かつて自分が属していたレーシングチームがグランプリ予選で惨敗したと言うことでチームリーダーのカドクラを励ますために二人でツーリングに出かけたマリナ。そこでカドクラを痴漢と間違えた女性リンコと出会うのだった。リンコはかつてマリナと共にGUYSの入隊試験を受けた仲だったのだ。そんな三人の前に突如怪獣が姿を現す。
 敵は百足怪獣ムカデンダー。「ウルトラマンタロウ」に登場した怪獣で、「タロウ」からは3話のバードンに続いて2体目。特徴的な形状をしているが(尻尾の方に人間が入っており、首そのものは吊り)、その形を上手く活かして戦いが展開される。バラバラになっても生きてるのは「タロウ」の時と同じ。これと戦わせるためにミクラスも登場。電撃攻撃もしてるが、やっぱりあんまり役に立たなかった。
 ツルギ編も一段落して、再び個別の物語へと変わっていった。今回はマリナが中心となった。優れた聴覚故に臆病だったという過去も克服し、見事怪獣から逃げ切った。その分メビウスの活躍はあんまり見られなかったが、人間と怪獣との戦いという目で見れば、よく考えられた物語だ。ちゃんと過去の弱点にも言及しつつ、それを克服した姿を見せているのも上手い。キャラクタがちゃんと成長しているのを見せてくれるのはシリーズを通して考えると面白い。
 今回は登場無しか?と思ったヒカリは今回ばらばらになったムカデンダーを倒すためだけに登場。おいしい所だけ取ってしまった。
<お、カドクラ役は影丸茂樹じゃないか。平成シリーズではよく見る顔だ。
 マリナの紹介するCREWGUYSの面々は「熱血馬鹿」「怪獣オタク」「見栄っ張りでプレーボーイ」「メガネっ子の頑張り屋」「不思議ちゃん」だそうだ。上手く特徴捕らえてる。それぞれキャラが立ってることの証拠だろう。>

VOL.4
第14話 ひとつの道

  監督:村石宏實
  脚本:太田 愛
  特技監督:村石宏實
 とある山中に怪獣インセクタが現れた。出動したCREWGUYSはウィンダムを繰り出し、テッペイの適切なアドヴァイスで見事に撃破した。だが、そのテッペイがテレビに映ってしまったことから、てっきり医師の道を進んでいると思いこんでいたテッペイの母ケイコはGUYS本部に乗り込んでくるのだった。だがトリヤマ補佐官に取り憑いていたインセクタスの破片がケイコに入り込んでしまう…
 敵は昆虫型甲殻怪獣インセクタス。カブトムシを巨大化させたような怪獣で、最初に登場した雌はウィンダムによって倒されたが、そこから生まれた卵が人間を運び屋として、巨大成長を果たす。こちらは雄で攻撃力は格段に上昇してる。更に成長前のインセクタスを多数呼び出してメビウスを攻撃した。ニューロ・ニュートロナイザーで動きを止められた所をメビウスによって粉砕された。
 GUYS面々の紹介の二回目。今回はテッペイが主役となるが、彼の母親思いの心と、母親に黙ってGUYSになったことを隠そうとする。その成長が描かれることになる。親の強さというものを知ることで子どもは成長していく。むしろ大人になった時にそれを知ることが大切。そしてそれを知った時に親の方が子離れするようになる。真っ当すぎるほどの正統派物語だが、それが本作の強味だ。
 テッペイの実家は大金持ちらしく、なんと家にはメイドまでいる。モエというこの子、仕草とかが漫画みたいで面白い。
 細かい所だけど、テッペイの机の上には怪獣のフィギュアが結構たくさん置いてあった。
 ついテッペイの家に行ってしまったGUYSの面々。で、ごまかすために「GUYSのオタクほうも〜ん」とマリナが叫ぶなど結構コミカルなシーンも多く、バランスのいい話に仕上がってる。
<テッペイの母ケイコが登場。老けたメイクをしてるけど、声とかが若すぎるね。
 相変わらずジョージが狂言回しで登場。テッペイのことを隠し通そうとするGUYS面々の前でテッペイのことを母親にばらしてしまう。しかもその紹介も一々格好つけてる…彼なりに仲間のことを考えてるんだけど、それが見事に裏目に出るってのが特徴か。後はやっぱりトリヤマ補佐官がインセクタスのキャリアになるなど、相変わらずおいしい所を持っていく。使い勝手の良いキャラだ。
 あれ?メビウスの声がちょっと変わったように思える。これまで出来るだけ渋めの声を出そうとしていたのが、自然な声に変わってる。ウルトラマンの声にしては軽すぎるけど、これも又良しか。>
第15話 不死鳥の砦

  監督:北浦嗣巳
  脚本:谷崎あきら
  特技監督:北浦嗣巳
 地球に飛来した宇宙怪獣グロマイトをGUYSスペーシーが捕捉し破壊した。だがグロマイトの中枢器官は地球に落下。その後熊代山麓で巨大生物が探知された。出動しようとしたCREWGUYSだったが、アライソ整備長はエンジンコイルの慣らしが終わってないと反対する。無理にガンフェニックスが出撃するが、案の定メテオール発動はあっけなく解除されてしまい、ヒカリに助けられる。
 敵は宇宙礫岩怪獣グロマイト。瓦礫や岩石などを食べて岩石層の体表を形成。あらゆる攻撃を遮断する強靭な鎧を作っていた。又腹に蓄えた岩石を吐き出すことで目くらましのようにして地中に逃げることも出来る。
 GUYSの面々の紹介は続き、今回はリュウが主役となるが、彼の根性論と整備長であるアライソとのぶつかり合いが本話の中心となる。アライソは昔気質のベテラン整備員で、機体を万全に保ちたいという思いを持つが、一方のリュウはガンフェニックスに過大な思い入れを持ち、絶対機体を捨てようとしない。そのぶつかり合いなのだが、これは旧作をよく知っている人間にとってはこたえられないストーリー展開となってる。思えば他のキャラとは異なり、リュウだけは最初からGUYS隊員だったため、その物語は当然GUYSの歴史になっていくのだろう。ジョージは相変わらず自らを鼓舞するためか、戦いを敢えて軽く捉え、マリナは機体に乗ったまま風の音を聞き分けるなどリュウ以外のそれぞれの隊員の個性もよく表れている。
 しかも歴代シリーズに登場した数々の防衛隊メカが登場。ジェットビートル、ウルトラホーク、マットアロー、タックファルコン、ザットコンドル、スカイハイヤー…ううう。そして新兵器となるガンブースターが登場。お陰で今回はメビウスの活躍がもの凄く少ない上、ミライも狂言回しで終わった話になってしまった。
 それだけでなく、ヒカリに説教しに現れたゾフィの姿が拝める。これも結構ゾクッとするよ。
<ゾフィが登場。ヒカリに対し「ヒカリ」と呼びかけてる。地球で起こっていることを一々知っていたのかな?
 昔はメテオールなんて得体の知れないものに頼らずに戦ったと言うアライソに対し、リュウは「だから墜落ばっかしてたんだろ」と…いや、これはちょっと酷いぞ。笑えるけど。
 アライソが懐かしそうに語る機体は歴代ウルトラマンの防衛隊のメインメカの数々…それだけで嬉しいのだが、何故か「ウルトラマンレオ」にだけは触れられてない…なんで?>
第16話 宇宙の剣豪

  監督:原口智生
  脚本:赤星政尚
  特技監督:原口智生
 地球に近づいているオオシマ彗星上で宇宙人同士が戦っていた。一方はザムシャー。そしてもう一方はマグマ星人。二対一でザムシャーを追いつめるマグマ星人だったが、兄の方が倒されてしまった。その時オオシマ彗星が軌道を変え、地球へと落下しようとする。更にザムシャーを狙うバルキー星人の姿が…
 敵は宇宙剣豪ザムシャー。鎧武者のような姿で、並み居る宇宙人をなぎ倒しながら旅をしている。ハンターナイト・ツルギの噂を聞いて戦うために地球にやってきた。メビウス、ヒカリと刀を合わせ、愛刀星斬り丸が折られてしまい、宇宙に帰る。そしてサーベル暴君マグマ星人宇宙海人バルキー星人。ザムシャーを狙った宇宙人だったが、どちらもあっけなくザムシャーに倒されてしまった。尚マグマ星人は「ウルトラマンレオ」、バルキー星人は「ウルトラマンタロウ」。そのどちらでも最強クラスの宇宙人だった。
 今回は順番からすればコノミの中心となるべき話で、メガネを外してコンタクトにしたコノミの姿が見られるが、誰にも気付いてもらえなかったりする。彗星の地球激突という、まるで『アルマゲドン』(1998)みたいな設定に埋もれてしまった感はあるが、終わってみると、実は本作はコノミとサコミズ隊長二人の話になっていたことに気付く。メガネをコンタクトに変えたコノミの姿をたった一人気付いていたのも、あるいは彗星激突で手一杯で他に何も考えられないGUYSメンバーの一人一人を見ていて、更にその中できちんと宇宙人がどうなったかを見ていたのは彼一人だった…何度か演出されているのだが、この人、ミライがメビウスであることを感づいている節がある。何となくではあるが、ウルトラ兄弟の誰かが変身してるんじゃ無かろうな?とも思わされる。
 一気に二体懐かしい宇宙人が登場。特にマグマ星人はレオからは初登場なのだが、あまりにもあっけなく倒されてしまったのは寂しいところ。
<マグマ星人は兄弟という設定。これってかつての「アンドロメロス」で出ていたのにインスパイアされたのか?
 ご存じの方も多いと思うがバルキー星人はウルトラマンレオのプロトタイプ。確かにレオっぽい顔してるが、随分性格は凶暴化されている。なんか「ウルトラマンネクサス」におけるダークファウストみたいな存在感だった(あっけなく倒されることも含め)。
 ちょっと気になるのがザムシャーはファントン星人の事を言っていたこと。悪意のない宇宙人だったが、この宇宙人、結構後にかかってくるかも知れないよ。
 シルバーシャークGの運用システムはゲームだった…これは無理。だけど分かりやすい。>
第17話 誓いのフォーメーション

  監督:佐野智樹
  脚本:赤星政尚
  特技監督:北浦嗣巳
 ボガールが滅んだのに怪獣は今も出現していた。それは何故かとセリザワに問いかけに行ったミライの前にサラマンドラが現れる。それぞれメビウス、ヒカリに変身した二人はサラマンドラを倒す。だが再生細胞を持つサラマンドラは何度でも復活してしまうのだった。スペシウム弾頭弾を使用し、細胞の一片までも焼き尽くしてしまおうと提案するリュウだが…
 敵は再生怪獣サラマンドラ「ウルトラマン80」からの初登場の怪獣で、再生能力を持つ。弱点は喉で、ここを攻撃されると再生能力を失ってしまう。
 本当だったらジョージの個別話が展開すると思うのだが、今回は突然ヒカリの引退が描かれ、それに伴いセリザワ前隊長と最も親交の深かったリュウが中心となった。
 熱血馬鹿リュウだが、昔に戻ったかのように急に苛つき始めた。地球人の手で地球を守ると言っていたセリザワがヒカリになってしまったことがどうやら許せないらしい。ヒカリと和解した後、ようやくサコミズをこれまでの「さん」付けから「隊長」と言うようになった。
 これでウルトラマンヒカリ編も終了。ヒカリは光の国へと帰り、その代わりとしてメビウスブレスを強化してくれた。来るべき戦いに必要だ。と言っていたが、それが後半への布石となるのか(そろそろ新商品をという玩具メーカー側の思惑…とは言っちゃいけない)
<熱血馬鹿と呼ばれるリュウだが、たまに黄昏れる時もある。こう見えて結構繊細のようだが、問題はこいついつ怒りの発作が出るか分からないという点。子どもみたいな奴だが、こういう人間って身の回りに一人くらいいるものだ。
 おや、サラマンドラとガンフェニックスが戦っている時のBGMは「ウルトラマン80」じゃないか。しかも元々普通の曲をワンダバマーチにまでして。
 ヒカリはかなり長い間変身してたけど、活動限界は大丈夫だったのか?
 結局ヒカリは何故怪獣が地球にやって来続けるのか、その答えを言わないままだったな。これもこれからの話の展開如何か。>

VOL.5
第18話 ウルトラマンの重圧

  監督:佐野智樹
  脚本:川上英幸
  特技監督:北浦嗣巳
 地球へと向かうベムスターが無人ステーション04を襲い、それを破壊した。ウルトラマンヒカリ無き地球を一人で守らねばならないとプレッシャーを感じるミライ。丁度その時地球に飛来したオオシマ彗星を撃破するため出動するCREWGUYSだったが、意気逸るミライはメビウスに変身。GUYSメンバーを尻目にメビウムシュートで破壊するのだった。だが、その行動をリュウは「俺たちをコケにしやがった」と批判する。意気消沈するミライにサコミズ隊長が与えた指令とは…
 敵は宇宙大怪獣ベムスター。無人ステーション04を破壊。腹部の口から水素やヘリウムを吸収してエネルギーとしている。オオシマ彗星のダストテールを追いかけて地球に来たらしい。その腹部はメビュームシュートまで吸収するが、メビウスブレイブとなったメビュームナイトブレードによって倒される。なんか愛嬌ある顔つきや行動になってるのも面白い所。
 ヒカリ編が終了し、新展開となった本作。旧シリーズの雰囲気をたっぷりと残しながら、しっかり新しい部分にも挑戦している作りは素晴らしい。名作と言って良いだろう。
 前々回一応中心だったはずのコノミがあまり目立ってなかったためか、ミライとコノミの関わりが描かれる話となった。子どもを見ることで、自分は一人ではないと知るミライ。ベタな作品だけど、このベタさこそがそもそも特撮の醍醐味。青臭いストーリーをストレートにやってこそ、面白いのだ。ま、ちょっと気恥ずかしいけど(笑)。他のキャラもきちんと立っていたし、ベムスターとの戦いも見応えがあり、バランスの取れた作品に仕上がってた。
 マリナのガンローダーがベムスターに捕まるシーンも、大変リアルに仕上がってた。マリナが涙を流すシーンも良し。ちゃんとメビウスとGUYSの連携も取れていて、メビウス一人で怪獣をやっつける訳ではない。としている脚本も良い。
 それと、ウルトラマンを翻弄する「大怪獣」となると、やっぱりベムスター!実は「帰ってきたウルトラマン」でも同じ18話に登場している。分かってらっしゃる。そしてメビウスの初のフォームチェンジ。これは最近のシリーズでは当たり前になってるが、初期シリーズからの系譜では初めてになる。
<メビウスに先を越されたと言ってクサってしまうリュウ。あんたは子どもか?つーか、ウルトラマンを怒らせてどうする?
 メビウスの独り相撲を見たサコミズはミライに対し、「信頼っていうのは築き上げていくことは難しいけど、それが崩れるのは怖いくらい簡単だ」と言っていた。やっぱりこの人、ミライのことを知ってるんじゃないだろうか?
 ベムスターと戦うメビウスがパンチを放った所、ベムスターの腹が開いてメビウスの拳を飲み込んでしまう。これって『遊星からの物体X』(1982)そのものだよね?ホラー風味にしたら見応えあるぞ。>
第19話 孤高のスタンドプレイヤー

  監督:小原直樹
  脚本:太田 愛
  特技監督:鈴木健二
 新開発のメテオールショットの説明を行うテッペイ。実はこのメテオールショット、複数の目標を同時攻撃するという機能を持っているが、人間の動体視力ではそれを制御出来ないという。だがそれを聞いたジョージは、自分がこれを使うと持ち出してしまうのだった。そんな折、宇宙怪獣ディガルーグがGUYSスペーシーの攻撃をくぐり抜けて地上へと落下してきた。咄嗟にメテオールショットを用いた作戦を立案するジョージだったが…
 敵は宇宙怪獣ディガルーグ。三体で一体の実体を持っており、実体は一定していない。倒すためには三体を同時攻撃する必要がある。
 ジョージを中心とした話。スタンドプレイを得意とするだけに、今ひとつ使い所が難しく、このところギャグ要員としてばかりだったが、久々にクールな一面を見せてくれた。話は古い特撮的な要素をたっぷりと取り込んで、センス・オブ・ワンダー的考察、伏線の回収、仲間の絆の再確認。と隙のない作品に仕上げられた。そうそう。特撮部分でのビルをぶっ壊す時の細かさも凄いものがある。やはり太田愛脚本は改めて面白い。
 ただ、隙がないと言うことは、ツッコミ所もさほど多くないと言うこと。
 リュウがサコミズに相談するシーンあり。ようやくリュウもサコミズを本当の隊長として認めた事が分かる。
<ツッコミという訳でないが、今回のジョージは髪型とか顔のメイクとか、妙に力が入ってるようだ。
 ジョージを中心にして、格好良く決めても、ディガルーグが生き残っていて逃げたり、三体同時攻撃の根拠が実は全くなかったりとちゃんとどこかドジな所を残しているのは、らしいかな?>
第20話 総監の伝言

  監督:小原直樹
  脚本:長谷川圭一
  特技監督:鈴木健二
 ディガルーグを撃破し、マスコミに質問されて有頂天のトリヤマ補佐官はうっかりメテオールの危険性について口を滑らせてしまい、ミサキ総監代理に叱責される。すっかりミサキに苦手意識を持ったトリヤマは、新プロジェクトであるハーメルンプロジェクトの視察に自分の代わりにマルを送り込むのだった。そんな時、怪獣の襲来が…
 敵は凶暴怪獣アーストロン。かつて「帰ってきたウルトラマン」に登場したものの別個体。地中からあらわれ、GUYS研究所を襲う。そして宇宙凶険怪獣ケルビム。4話に登場したが、その卵が残っていたらしい。日本海から出現し、ハーメルンプロジェクトを利用してアーストロンを操ってメビウスと戦わせる。
 初めてのマルが中心の話。珍しい話だ。トリヤマと常に良いコンビのマルだけに、今回もコミカルな要素がたっぷり入っている。いつもトリヤマにツッコミを入れているように見えていたが、実はそれは馬鹿にしてのことではなく、トリヤマを思ってのことのようで、単なるツッコミキャラではなかったようだ。しかし、こんな細かいキャラまで考えてるのはえらい。
 今まで一度も画面に出てこない総監の事が言及される話でもある。優秀な戦闘機乗りで幾多の怪獣と戦ったと言うが、そうなると、このキャラは歴代シリーズの隊員の誰かなんだろうか?それより、サコミズ隊長が今回妙にキャラ立ちしているのも気になる。あるいはこの人が?このキャラはシリーズそのものに関わってきそうだ。
 複線の回収もしっかり出来ている好作と言えよう。
 「帰ってきたウルトラマン」であれだけの強さを見せたアーストロンが、他の怪獣に操られるってのは、旧作ファンとしてはちょっと寂しいものがあるけど、こう見てみると、愛嬌のある顔つきをしていることに気付く。
<ハーメルンプロジェクトの実験でなんとウィンダムは電線音頭を踊る。
 マルの真摯な言葉に感動するミサキ総監代行。しかし目を潤ませながら「マルさん」って言うのもなんだな。本当の名前ってものを付けてやるべきじゃないか?>
第21話 虚空の呼び声

  監督:村石宏實
  脚本:谷崎あきら
  特技監督:村石宏實
 GUYSスペイシーが地上10万キロ上空にウルトラゾーン発生を観測。そこから漏れ出る電波から半年前に遭難した日本の貨物宇宙船アランダスからの救難信号が出ていた。調査に向かうことになったCREWGUYSだったが、そこは怪獣の墓場だった…
 敵は高次元捕食獣レッサーボガール。かつてメビウスとツルギを苦しめたボガールの同種の怪獣だが、知能は低く凶暴。複数登場するが、共食いをすることで巨大化を可能としている。
 初めての宇宙が舞台ということで、様々な新しい描写があり。ガンフェニックスとガンブースターの合体形であるガンフェニックスストライカーの初登場。サコミズ隊長自らが宇宙に出る。ウルトラゾーンにある怪獣墓場には懐かしい怪獣が浮かんでいた。怪獣墓場にはシーボーズ、ゴモラ、レッドキング、インセクタスなどが浮かんでいたが、シーボーズはしっかりロケットにしがみついているのが芸細かい。そしてバン・ヒロトという人物の名前が出てくる。この人物こそが、実はミライの原型となった人物らしい。画面にはほとんど出ていないが、クレジットには五十嵐隼士の名前があった。ただこの時点では、このバン・ハヤトは単なるモデルなのか、それとも本人なのかは分からない。
 ところで、今回メビウスがサコミズ隊長とアイ・コンタクトを取ってるシーンがある。それでサコミズはミライを見捨てるような発言をしているのだが、これはメビウスとミライが同一であることを知っていなければ出来ない処置のはず。やっぱり知ってるんだよね?いつも温厚な隊長が珍しく声を荒げているのも面白い。
<ギャグ要員(?)ジョージらしく、水に続いて宇宙も苦手だと分かる。更にマリナはクモが苦手というのも。
 レッサーボガールが共食いしてるシーンあり。描写としては結構ギリギリっぽい。
 そして無事脱出したミライの台詞は、当然「ウルトラマンメビウスに、助けてもらったんです」。外さないなあ。>

VOL.6
第22話 日々の未来

  監督:村石宏實
  脚本:赤星政尚
  特技監督:村石宏實
 ウルトラゾーンで名前だけを見つけたバン・ヒロトという人物について調べ始めたテッペイ。その頃ミライはサコミズ隊長とミサキ総監代行と共にバン・ヒロトの父親バン・テツロウに会いに行っていた。そこでバン・ヒロトの上に何が起こったのか、知らされることとなる。
 敵は前回に続き高次元捕食獣レッサーボガール。既に地球に何体か存在していたらしく、それが怪獣を呼んでいたらしい。口を巨大化させることが出来、顔全体が口になってしまった。
 ミライが中心となった話で、物語の根幹を成す話。タイトル名からして、ヒビノミライという、名前そのものとなっていることからも分かる。
 これを通してようやくミライとメビウスの関係が分かった。ミライはバン・ヒロトの勇敢な行動を見たメビウスが、彼の姿を取ったと言うことらしい。メビウスは人間と同化しているのではなく、人間の姿を取っている。このパターンは「ウルトラセブン」以来だな。セブンと違うのは、モデルとなった人物が既に故人という点だけど。
 演出がうまい話で、ミライが「ヒビノミライ」という名前を持つに至った経緯や日本家屋に馴染んでいった過程などさらりと演出で描写してくれた。最初は日本語を上手く喋れなかったミライが徐々に馴染んできたことがよく分かる。
 それと重要なのが、サコミズはミライが地球にやってきた頃からの知り合いだと分かったこと。やっぱりこの人ミライ=メビウスをあらかじめ知ってたんだ。更にメビウスとCREWGUYSの信頼も随分醸成されている事が分かる。
 真面目な内容なのだが、トリヤマ補佐官とマルの名コンビが相変わらずおいしい所を持っていく。このバランスの良さも魅力だ
<変身途中でレッサーボガールの攻撃を受けて気絶してしまったミライ。まるでその変身シーンは戦隊もののようだ。ウルトラマンはタイムラグ無しで変身して欲しいとは思う。それと倒れてる姿は全く汚れてない…けど、これは仕方ないか。
 ガンフェニックスをレッサーボガールの触手に絡み取られたリュウ。衝撃は相当なものだろうが、むち打ちとかならなかっただろうか?>
第23話 時の海鳴り

  監督:アベユーイチ
  脚本:太田 愛
  特技監督:アベユーイチ
 レッサーボガールも消え、怪獣の脅威は無くなったと思われていた。そんな時、郊外で次々と失踪事件が起こり、警察はGUYSのマリナに、その聴覚を役立ててくれと依頼してくる。マリナを迎えに来た刑事はトーリ(桐李)と言い、何故かトーリに懐かしさを感じてしまうマリナだったが…
 敵は時間怪獣クロノーム。ごてごてした飾りを付けたカタツムリのような怪獣。海鳴りのような音を出して人間を固定された時間に引きずり込んで捕食する。姿を自在に消す他、人の記憶を通じて過去の時代に入り込むことが出来る。そしてそのクロノームを探してやってきたアンヘル星人トーリ。完全に人間の姿をした宇宙人で、クロノームの脅威を排除しようと努力しているが、その中で過去、そして現在のマリナと心を通わせる。その本当の姿は子供の頃マリナが見たという白いクジャクだった。
 前回で怪獣を呼び寄せる要素が消え去ったため、次の展開につなぐために作られたような作品で、外伝的な要素が強い。平成ウルトラマンシリーズから脚本に参加し、次々外伝的作品を書いてきた太田愛らしい暖かみのある不思議な作品に仕上げられている。本来のSF的要素にタイムパラドックスとファンタジーを組み合わせた、ライトノベルお得意の手法を用いているのが特徴だろう。
 マリナが中心となるため、音が重要な要素となっているが、その感覚は祖父譲りのものだと分かった。
<過去の時間を演出するには当然年代を出さねばならない。7年前は1999年と言うこと。確かに現実世界とリンクしている訳だ。
 マリナを探すミライは超感覚を利用して時空の狭間を見つけるが、その際ピキーンと音がして目が光る。分かりやすい演出だけど、やり過ぎっぽい。
 ちなみにこの話には未来人(マリナ)、宇宙人(トーリ)、超能力者(ミライ)が登場している…まあ、それだけっつーと、それだけなんだけど。
 そういえばマリナの弟が登場してる。結構なシスコンらしいが名前が出てきてない。何か意味があるのか?
 7年前は当然ウルトラマンはやってきていない。そしてマリナの前には未来からミライがやってきていて、その直後にメビウスが登場している。この要素で全くミライの正体を気付かないマリナの方こそ超感覚と言うべきかも知れない。>
第24話 復活のヤプール

  監督:アベユーイチ
  脚本:長谷川圭一
  特技監督:アベユーイチ
 GUYS感謝祭が開かれ、これまでのCREWGUYSとメビウスの活躍がねぎらわれる。感慨深いミライだったが、その時、市民の目が赤く光り、テレパシーで語りかけてくる。それは、新たなる敵の出現だった。なんとリュウに憑依したヤプールは、メビウスをん妨害しようとする…
 敵は異次元人ヤプール一角超獣バキシム「ウルトラマンA」の時と同様、異次元からガラスを破るように通常空間に登場してくるのが特徴で、頭部の角はミサイルとなっている。ヤプールの方は単純な力押しではなく、ミライの精神面から侵略を行おうとしているかに見える。話もこれから重めになりそうだ。
 冒頭からタロウとゾフィの会話から始まり、まさに新展開の始まりを思わされる。そしてとうとうヤプールの復活。なんとも燃える展開である。ただし、話自体は結構重く、人を信じることの大切さ、自ら犠牲となる事による救いという、まさに「A」前半のメインライター市川森一脚本を意識したものとなっている。ミライの前に現れる能面も「A」に出てくる女ヤプールのもので、細かい設定を無視しないのもありがたい。
 ヤプール復活に合わせ、とうとう超獣が出現。「ウルトラマンA」からの復活は初めてだが、てっきり「A」の超獣はスルーされるとばかり思っていた分、結構嬉しい。なるほどヤプールの復活となれば、これも可能になるか。どうやらこれは劇場版を挟んでの話らしい(確かに「僕と兄さんたちが倒したはず」と言ってる)
 これまでのつきあいからか、マルはよくGUYSメンバーのことを知っている。一人一人のツボにはまった発言をしてる。そしてやはりサコミズがおいしい所を持っていく。ミライもリュウの性格をよく知っているため、ヤプールに洗脳されたリュウを助けることが出来た。と、個々の性格を上手く活かした演出も映えている。
 それと、マケット怪獣の強化のため、これまでの怪獣が次々と登場してくるのもなかなか感慨深い。
<ウルトラマンと共に地球を守っているというリュウの声に感涙の涙を流すミライ…その量はまるで滝のようで、ちょっとやりすぎ。
 ヤプールに憑依されたリュウとじっと見つめ合うミライ。それを見たジョージは「お前らそういう関係なの?」と発言。朝の番組でそれやって良いのか?
 ところで、リュウをバキシムに取り込んだヤプールだが、もしかそのまま取り込み続けたら人質に使えたのでは無かろうか?…その場合リュウは自害してしまうかな?>
第25話 毒牙のプログラム

  監督:北浦嗣巳
  脚本:川上英幸
  特技監督:北浦嗣巳
 ヤプールの復活が確認され、これからも新たな超獣がやってくるという予感に暗澹たる思いを抱かせられるGUYS。そんな時、異次元物理学の専門家フジサワアサミ博士がやってくるという。それを聞いて何故かあわてふためくサコミズ隊長だが…
 敵は蛾超獣ドラゴリー。これも「ウルトラマンA」からの登場。オリジナルよりも幾分すっきりしたデザインとなっている。実は同一個体らしいのだが…あれだけ完膚無きまでにぶっ壊されて復活出来るものか?33年前のミッション通りミサイル基地破壊のために出現した。巨大な蛾に変形することが出来、フジサワ博士に憑依までする。
 異次元獣との戦いに、異次元物理学の専門家フジサワアサミが登場。天才という触れ込みだけにかなりぶっ飛んだ性格で、コーヒー嫌いのため、サコミズもかなり苦手らしい。フラメンコが趣味で、同じくラテン系のジョージとは何故か馬が合う。ドラゴリーをおびき寄せるために自らの体を囮にするなど、本当に天才としか思えないような作戦を平気で敢行する(紙一重とも言う)。いやあ、こういうマッド入ったキャラって大好きだ。特に超獣やGUYSメンバーのみならず、ヤプールまで騙してしまった。
 フジサワ博士のお陰で随分コミカルな話に仕上がったが、前話が結構重かったので、そのバランスを取るためだろう。良いバランス感覚だ。
 今回大変小技が効いた作品で、特にキャラの描写は見事。
 なんかマリナはジョージを意識し始めているらしい。脇役同士がくっつくなんてシリーズでは珍しいな。
 初めてのことだけど、サコミズ隊長があわてふためく様子が見られる。飄々として得体の知れない存在が、徐々にコミカルになって行ってるようだ。この辺前作の「ウルトラマンマックス」とつながる所があるな。
 そしてリュウはフジサワ博士によって見事に「リアクション大賞」に選ばれた。これも重要。
<ジョージはフジサワ博士に一目惚れ。目にハートマークが浮かぶという漫画的な演出がされている。
 フジサワ博士はフラメンコ大好きとのことだが、ジョージまで巻き込んで踊りまくってた。それはそうと、衣装はどこから出した?
 ジョージは泳げないという設定だったはずだが、しっかり泳いでた。これも愛のなせる業か?…と思ったらジョージは泳げないのではなく、単に海が苦手だっただけらしい。「海は俺を必要としてない!」と絶叫するジョージ…久々に彼の魅力が爆発してたよ。>

VOL.7
第26話 明日への飛翔

  監督:北浦嗣巳
  脚本:小林雄次
  特技監督:北浦嗣巳
 フジサワ博士は超獣の体組織構造を解析し、新型メテオール「ディメンショナル・ディゾルバー」の開発に成功した。これを使えば半永久的に超獣の侵入を阻止できるのだが、そのためにはフェニックスネストのフライトモードを使用しなければならない。しかもその権限を持つ唯一の人物サコミズ隊長は超獣ベロクロンとの戦いで負傷を負ってしまう。
 敵はミサイル超獣ベロクロン「ウルトラマンA」の第1話に登場した、超獣の代表格。珊瑚と宇宙怪獣を合体させて誕生した超獣とのこと。全身の突起はミサイルであり、口からもミサイルや火炎を吐く。昔と違いCGが使われるため、ミサイル描写は映えるし、たっぷり空中戦が楽しめる。
 今回も超獣とメビウスの戦いよりもキャラクタ描写に力を入れた話に仕上がっている。今回は人間がメビウスをサポートするのではなく、逆にメビウスが人間をサポートしているというのも面白い所。
 これが初めてとなるが、サコミズ隊長、ミサキ総監代行が中心となった話。この二人には色々秘密が多いが、ほんの僅かその秘密が垣間見える。ただし、相変わらず総監の存在は謎のまま。
 アライソ整備隊長が再登場。職人気質を見せてGUYS面々を指導していく。こういうキャラをちゃんと描くのはこれまでにはなく、それだけ格好良く見える。
 そしてミライは人間っぽさを強調。リュウは相変わらず熱いが、サコミズを心から心配する様子が見て取れる。
 そしていよいよフェニックスネストが飛び立つ!一応CGなんだけど、手作り特撮っぽさに溢れた描写は良いねえ。発進シーンとかはモロ「宇宙戦艦ヤマト」か「海底軍艦」っぽいけど。あんな巨大なものが飛び立つ
<休暇を取ってハワイに行くというフジサワに対し、サコミズは心からほっとした顔を見せる。そんなに苦手か?
 ディメンジョン・ディゾルバーがあれば超獣を抑えることが出来る。それは良いんだけど、それをすぐに起動しなければならないという必然性が感じられないのは致命的な部分だろう。ストーリーでそれを感じさせないように努力してるのは分かるけど。
 ガンフェニックスからメビウスになって外に出たミライ。ガンフェニックスは無事着地してるんだから、ミライ不在を誰も疑問に思わないのはなんともなあ。>
第27話 激闘の覇者

  監督:小中和哉
  脚本:谷崎あきら
  特技監督:小中和哉
 ヤプールを異空間に封じ込めることに成功した。だが、これまでに地球の狙われ方が尋常ではないことから、あるいは何者かの意志が介入しているのではないかと推測するミライ。そんな時トリヤマ補佐官は対抗措置のため、新しいマケット怪獣を選抜しようというのだった。多くのマケット怪獣を試すため、トーナメント方式で戦わせてみることにしたが、マケット化したはずのゼットンが暴走してしまい…
 敵はマケット怪獣ゼットン。シリーズ中の最強怪獣との呼び声も高いが、マケット怪獣化しても暴走してしまう。数値化して仮想空間に現れたメビウスとミクラス、ウィンダムの連携によって倒される。
 第三期開始。歌も替わり、総集編的な内容だが、これまでの怪獣との戦いを振り返りつつちゃんと物語が展開しているし、新しく怪獣も登場してる。それでなんとメビウスまでマケット化してたのも面白いところ。
 マケット怪獣とはいえ、更にそれがコンピュータの中だけと言っても、数多くの怪獣が登場。それも対象の怪獣に嫌な目にあったキャラが嫌がるなど、よく再現されてる。しかも本作には登場していないゼットンまで登場し、なかなかに豪華でお祭り的な作品に仕上がってくれた。
 オープニングとエンディングにウルトラの父とウルトラの母の対話があったり、最後にミライに「どこに行ってた?」と発言あるのも興味深い。これからの話の展開の広がりを感じさせてくれた。
<トリヤマ補佐官はゼットンのことを「デットン」とか呼んでた。
 マケット化したメビウスに、やはりマケット化したメビウスを当てたら、本当にウルトラマンと全く同じ倒され方していた。アングルまで同じって所にマニアックさを感じるね。倒れ方が仰向けになったのが違いか?>
第28話 コノミの宝物

  監督:小中和哉
  脚本:長谷川圭一
  特技監督:小中和哉
 GUYSJAPAN近くに赤い幽霊が出ると噂されていた。しかもある夜、CREWGUYSメンバーたちまでそれを発見してしまう。思わず追いかけるテッペイは一人の男スザキと出会い頭にぶつかってしまう。スザキは実はコノミの幼馴染みで、苛められていたコノミを助けてくれたのだった。運命の出会いとはやし立てるCREWGUYSメンバーだったが…
 敵は円盤生物ノーバ。赤いてるてる坊主のような宇宙怪獣でリムエレキングを構成する高エネルギー分子ミストを奪い、実体化していた。分身を作り出すことが出来、それを用いてメビウスのエネルギーを奪った。
 コノミが中心となる話で、ほろ苦い恋愛話が展開。この手のドラマ風味は珍しいと言えば珍しい。怪獣そのものよりもGUYSメンバーの描写掘り下げの方が中心となった。流石に30分の時間で、更に怪獣まで出してるため、あまり掘り下げることは出来ないけど、GUYSは最近では珍しい仲間意識を強く持っていることを改めて感じさせてくれた。マケット怪獣のお陰で一個人が戦いの主導権を握れるという設定は上手い。
 感心したのはテッペイはノーバを「アウト・オブ・ドキュメント。ドキュメントMAC壊滅後に記録された」と語っていること。確かに円盤生物はMAC壊滅後に登場したから、正確に語っている。
 それと、何と今回はウルトラサインが登場。メビウスに帰還命令が下ってしまった…ええ?まだ最終回には遠いけど、どういう展開になっていくんだ?
<相変わらずトリヤマ補佐官とマルはおいしい役どころで、コノミとミサキを尾行してる格好は易者とルパン三世(の格好をした次元大介)。結局不審者として捕まえられてしまう。
 今回初の円盤生物登場だが、本来単独では出てこないはずの怪獣なのだが、何かの伏線なのだろうか?戦い方も、メビウスを倒すよりも力を試していた感じが強いし。
 メビウスを助けるために登場したミクラスだが、やっぱり弱かった。キングシーサーみたい。>
第29話 別れの日

  監督:佐野智樹
  脚本:赤星政尚
  特技監督:鈴木健二
 光の国に呼び出されたメビウスはウルトラの父と母から、迫り来る脅威に対抗出来ないと、地球での任務解任を言い渡されてしまう。なおさら自分が必要だと反抗するメビウスに対し、ウルトラの父は、既に兄弟の一人が向かっていると語るのだった。仲間に別れを告げねばならなくなったミライ…
 敵は無双鉄神インペライザー。何者かによって地球に送り込まれたロボット兵器。強力な武装を保有するほか、瞬間移動も可能で、更に自己修復機能まで持つ。タロウのストリウム光線で上半身がふっとばされても活動していた。
 何故か番組途中でまるで最終回のような話が展開する。話も予想外の展開。ラストではなんと自分がメビウスであることを明かしてしまうし…これから一体どういう話になっていくんだ?
 ミライは地球を去らねばならなくなり、一人一人におみやげを渡すのだが、その中で隊員一人一人の私生活も描かれている。テッペイ、コノミ、マリナ、ジョージと、いかにも分かりやすい私生活なのだが、リュウはやっぱり任務以外の生活が無いみたい
 それでなんと言っても今回のトピックはウルトラマンタロウの登場と、実際に戦いが描かれている事だろう。これは熱い!細かいが、必殺技を出す際「ストリウム光線」と叫ぶのはタロウの特徴。スタッフもよく分かってらっしゃる。劇場版でもこのシーンはにやにや笑いながら観ていたもんだが、当然これはここでも健在。更に本編で魅せてくれていたトランポリンアクションまで見せてくれる。この細やかな配慮こそ本作の嬉しさだ。
<「大切な人とは一緒にいたい」とリュウに語るミライ。もう不思議ちゃんは卒業したと思ったんだけど…まあ、本音なんだけどね。
 サコミズ隊長はミライの正体について知っているだろう事は知っていたが、もっと深刻な事態も知っているようだ。それが何だか今のところ分からないけど。
 今回メビウスのカラータイマーはあっという間に点滅し、更にあっという間に活動限界を迎えてしまった。屈指の早さだろう。>

VOL.8
第30話 約束の炎

  監督:佐野智樹
  脚本:赤星政尚
  特技監督:鈴木健二
 力尽き、病院に運ばれたミライはリュウに自分がウルトラマンメビウスであることを明かし、ウルトラマン達が何故地球を守り続けているのかを語って姿を消した。そんな時、タロウが倒したはずのインペライザーが更に強力になって復活した。タロウのストリウム光線さえも弾くインペライザーに、まだ地球に残っていたミライはメビウスに変身するが…
 敵は前回に続きインペライザー。前回ストリウム光線で上半身をバラバラにされていたが、完全復元してしまった。更にストリウム光線を弾く装甲を手に入れてる。変身したメビウスを全く歯牙にもかけず、タロウの禁じ手ウルトラダイナマイトで爆発四散するも、又しても復活。
 前後編の後編で、何故メビウスが地球にいられなかったのかが語られる。結局、強力な敵が来たら殺されてしまうと言うのが真相だったらしい。そっか。メビウスって半人前だったのか。結局それで更なる力を手に入れ、メビウスバーニングブレイブが誕生した。
 非常に盛り上がった話に仕上がっていて、物語そのものは満足。あり得ない話だが、ウルトラ兄弟の話になっていくのか?と思わせた所で強引に元の流れに戻したのは感心出来た。一つ残念なのは、ウルトラマンが簡単にパワーアップして、それで終わりってのは寂しい。
 ウルトラマンが地球を守る理由がここで語られる。ウルトラマンたちは元々人間と同じ姿であり、超人的パワーを得て宇宙を守るようになってからも、地球人をかつての自分たちの姿にダブらせていたからだそうだ。これは漫画「ウルトラマン0」で語られていることであるが、もっと単純に「地球が好きだから」の方が説得力あったんじゃないかな?
 さて、これから自分がメビウスであることを知られた状態でミライはどのようにGUYSとつきあっていくのか。ここからは未知の領域へと入っていく。
<これまで多少の怪我ではピンピンしていたリュウが今回は杖を突いて登場。これってダン隊長の真似?
 「タロウからの通信と思われるものを解析した」といってるけど、それが本物かどうか確かめる方法はどうやって?…サコミズ隊長のお陰か?大体タロウが帰る時もサコミズとアイコンタクト取ってたし。ますますある人物を思い出させるキャラになってきたなあ。>
第31話 仲間達の想い

  監督:八木 毅
  脚本:川上英幸
  特技監督:八木 毅
 見事インペライザーを倒し、兄弟からも認められたメビウス。だが、その帰りにミライは過労で倒れてしまった。そして目覚めた時、変わらぬ仲間の姿を目にするのだった。そして翌日、GUYSスペーシーから、怪獣邀撃衛星5基が破壊されたという報告がなされ、世界各地からUFOの目撃情報も入る。そしてそのUFOは、メビウス抹殺が伝えられてくる…
 敵は円盤生物ロベルガー「ウルトラマンレオ」に登場していない新種の円盤生物。円盤形態と移動形態の二つの形態を有し、移動形態では圧倒的なパワーと破壊光線を操る。
 ミライがカミング・アウトして後の話になるが、これまでしつこく仲間同士の結束が語られていただけに、たとえミライがメビウスだったとしても、全然変わってないのが面白い。多少はその軋轢も観たかった気がするが…いずれにせよ、新展開の橋渡しとしては充分すぎる作品と言える。
 本作でのキャラではやはりサコミズ隊長の立ちっぷりが良い。これまでにないタイプの隊長としての地位はここで確立されたと思う。
 そう言えば誕生日パーティに円盤生物がやってくると言うシチュエーションは「ウルトラマンレオ」40話と共通してるけど、これも狙いか?
<「豆を買ってこい」という命令に、コーヒー豆じゃなくて福豆を買ってくるミライ。この辺はまだミライが地球に慣れてないってことなんだろうけど、狙いは分かるけど、ちょっと外した感じかな?それでも、それ見たメンバーの反応は微妙な感じ。>
第32話 怪獣使いの遺産

  監督:八木 毅
  脚本:朱川湊人
  特技監督:八木 毅
 宇宙船が地球にやってきた。宇宙人のテレパシーを受けたミライは、彼が友好大使としてこの地にやってきたとメッセージを受け取る。彼の名はメイツ星人ビオ。35年前に地球で起こった悲劇的な事件の交渉のためにやってきたのだという…
 敵は宇宙調査員メイツ星人ビオ。かつて地球にやってきた調査員の息子で、地球と交渉するためにやってきた。仮に地球人がそのままだったら、攻撃を加えるためだった。そして巨大魚怪獣ゾアムルチ。メイツ星人が連れてきた怪獣でかつて連れてきたムルチの同族で、メイツ星人の宇宙船に連れられて来た。かつてのこの二者の関係は大変微妙なものだったが、今回は明らかにゾアムルチはメイツ星人に使役されている。ムルチよりもヒレとかが巨大化している。
 なんと「帰ってきたウルトラマン」33話「怪獣使いと少年」の続編。私にとって幼少時の最大のトラウマ作の続編である。この続編を作ってやろうとする姿勢には敬意を表そう。ちなみにこの脚本は朱川湊人。「花まんま」で直木賞を受賞した小説家である。
 あのやるせない作品を本作らしい爽やかな作品に仕上げたという事実は評価して然るべきだろう。少なくとも、30年前の事件を、人間の生理として仕方ないと結論づけているが、それを超える努力を人間は出来るはず。という所に持っていく。ただ、これまでの緻密な脚本と較べると、かなり短絡的な作品になってしまった感はあり。特にリュウの行動はちょっと単純すぎ。過去と現在をつないで、更に新しい演出をするには時間が短すぎたかも知れない。
 コノミの勤めてる保育園の園長先生は良少年の知り合いだったかを含め、色々オマージュがあるのは良いとして、ちょっと捕らわれすぎかな?決して悪い作品じゃない。だけどあのシリーズ最大の問題作をここまですっきりさせてしまったのには、ちょっと釈然としないものを感じるのは事実。
 それとビオの行動が今ひとつはっきりしない。彼は調査員と言いつつ、まるで全権大使のような発言をしているし、まるで父親の復讐に来てるかのような行動も、「交渉」とは思えない部分あり。
 メビウスであることを明かしたお陰でミライは堂々と「テレパシーを受けてます」と言えるようになった。これは初めての試み。
 「怪獣使いと少年」の再現シーンも多々あるが、再現性はかなり高い。良君の顔まで結構似てる。
 ムルチと戦う時は雨の中で、良少年との思い出は夕陽で。この辺の演出はしつこいほど。
 今回に関してツッコミはしない。ただ、園長先生が言っている「地球人は今より優しくなる」という信念は大切なことだと思う。実際35年前よりも今は優しくなったのか?改めてその事を考えていかねばならない課題のはずである。
 強いて言えば、次回話だったら、同じ33話になって更に良かったけど(笑)
第33話 青い火の女

  監督:小原直樹
  脚本:長谷川圭一
  特技監督:菊地雄一
 テッペイは先輩のタカムラから妹のミサが悪霊に取り憑かれていると相談を受ける。一週間ほど前、仲間で海に行った時青い鬼火を見て、それ以来ミサがパニックを起こすと周囲に炎が燃え上がるようになった。炎を発生させたのはミサの体に寄生した何かであると推測するテッペイだが…
 敵は人魂怪獣フェミゴン(フェミゴンフレイム)「帰ってきたウルトラマン」47話「狙われた女」に登場した怪獣の別個体。本体は精神生命体で、人間に憑依して実体化する。デザイン的には旧作の雰囲気を残しつつ、より恐竜っぽくなった。
 テッペイが中心の話で、これも大きな物語とはちょっと離れた、単体の話。テッペイが中心となるとどこかコミカルになるのが特徴だが、本作もそんな感じ。テッペイの大学生活なんかも描かれ、GUYSの仕事しながらちゃんと勉強もしていることが分かる。この人の実力が垣間見える。
 コンビナートを守るためフェミゴンを撃とうとしたメビウスを見て、テッペイはその前提でミライに毒舌を吐いている。より多くの人間を救うのか、それとも一人の人間にこだわり続けるのか…軽いエピソードに見えて、シリーズの本質的な問いが問いかけられているのも面白い。又、ウルトラマンの能力をよく知っているために作戦を立てると言うシーンもこれまでにない説得力を持つ。
 なんか自然とミライはメビウスに変身するようになった。「僕が行きます」とか、こういう変身も結構良いかも。
 特撮もCGではない本当の炎が多用されているのも嬉しい所。
 尚、今回霊媒師役を演じているのは赤星昇一郎。シリーズのいかがわしい役にはよく出る人で、今回も胡散臭さ満点。
 なんだか今回もツッコミがない話だった。強いて言えば、テッペイの妙な熱血ぶりとか、フェミゴンの存在感の無さなんかがあるけど、それはしかたないだろう。

VOL.9
第34話 故郷のない男

  監督:小原直樹
  脚本:赤星政尚
  特技監督:菊地雄一
 リフレクト星人と戦うメビウス。だが一切の光線技の効かないリフレクト星人にあっけなく負かされてしまう。だがリフレクト星人はガンウィンガーの攻撃によって戦意をそがれ、再戦を約して去っていく。そんな時、何者かの呼び声を聞いたミライはGUTSのメンバーと共に伊豆諸島の黒潮島に向かうのだが、そこに待っていたのは…
 敵は光派宇宙人リフレクト星人。円盤生物の一種らしく、体全体を一切の光を反射する装甲で覆っている。メビウスを圧倒し、勝ち誇っていたが、ウルトラマンレオの助言によってドリルキックを編み出したメビウスとレオの連係攻撃によって破れた。
 妙に汗くさい物語が展開。まさに「ウルトラマンレオ」の続編にふさわしい話。
 ウルトラマンレオが登場。これまで光の国でちょっとだけ出ていたレオがとうとうメビウスの前に現れる。しかも人間体であるおおとりゲンの姿で現れ(勿論演じるは真夏竜本人)、「レオーッ」と変身する姿は、ぐっとくるものがあり。これに関しては声も昔のままだし、ちゃんと後半は二人で連携しての戦いだった。
 レオはかつて光線技よりも肉体技がメインの戦い方をしていた。これまでのメビウスは光線技が主体となっていたため、足りないものをここで与えたのだろう。
 ここでの台詞だが、ゲンが「よくウルトラマンを名乗れたものだ」と言っている。かつてレオは出身星が違っていたので、ウルトラマンを名乗るために苦労した過去があって、その実感が良く出ているし、何といってもかつてモロボシダンから言われた「その顔は何だ?その目は何だ?その涙は何だ?お前の涙でこの地球が救えるのか?」をそのまま引用して若いミライに叩きつけているのはぐっとくる部分。
 パターン的にも「ウルトラマンレオ」っぽくあり、特訓など燃える展開であるが、展開そのものはちょっとお手軽すぎて、今見るとほとんど戦隊もののノリというのがちょっと引っかかる所でもあり。リフレクト星人が人間の言葉を喋るのもちょっと嫌。折角だから多少暗くなっても前後編にして前半は思いっきり重くしてほしかった。レオの物語にはそれが似合う。
<こう言った特訓とかはやっぱりリュウの独壇場。「熱血馬鹿」と言われる所以だ。
 リュウの陣中見舞いに来たテッペイ達はマッチを持ってきてなかった。制服だから、武器の一つくらい持ってるもんじゃないか?
 そう言えば、おおとりゲンは「タロウ兄さん」と呼んでたけど、多分タロウが兄さん呼ばわりされたのはこれが初めてのはず。>
第35話 群青の光と影

  監督:村石宏實
  脚本:小林雄次
  特技監督:村石宏實
 ハンターナイト・ツルギが現れ、突如町を破壊し始めた。驚きを禁じ得ないCREWGUYSの面々。だがミライはこれはウルトラマンの信頼を失わせようとする何者かの仕業であることを確信する。その夜、ババルウ星人を追って地球にやってきたヒカリは、ツルギに変身したババルウ星人と戦っていたが、逆にその姿が市民に目撃されてしまい…
 敵は暗黒星人ババルウ星人。かつて「ウルトラマンレオ」に登場し、レオとウルトラ兄弟達を仲違いさせた過去を持つ。今回はハンターナイト・ツルギに変身し、人間にウルトラマンヒカリの信用を無くそうとする。「レオ」の時は女性だったはずだが、今回は男だか女だか分からない。髪をかき上げる姿が特徴的。
 シリーズでは初めての青いウルトラマンであるヒカリの色を問題にした話(実際はこれまでに何体か出ているが、確かに昭和シリーズでは一度も出ていない)。そしてそれが信頼へと変わるまで。いよいよヒカリが本当の意味でヒーローとなった。結果的に今回はヒカリこそが主人公となっている。実際メビウスは後半登場しない。もう一人の主人公ってことか。
 ミライがウルトラマンであることを前提に話が作られているのも特徴で、ヒカリの人間体であるセリザワはちょっとそれを羨ましく見ているのが分かる。
 メビウスはナイトブレスをヒカリに返す。これでメビウスブレイブはもう登場出来なくなったと言うことになる。
 ところで、最後のセリザワの言葉がちょっと気になる。地球に危機が迫っており、ババルウ星人はその尖兵だ。というものだが、これはかつてウルトラの父も同じ事を言っていた。一体それは何者なのだろうか?思えば結構謎が多いんだよな。(ウルトラマンシリーズでこれだけ強いこと言われる存在は、「ウルトラマンA」のヤプール人くらいが、もう出てるし。すると、「ウルトラマンタロウ」で名前だけ出てきたエンペラー星人の姿がひょっとして?
<ツッコミ所があまりないのだが、ババルウ星人とヒカリの関係というものをもうちょっと掘り進めてくれたら良かった。
 ところでババルウ星人はヒカリが捕まっているのを知りながらツルギの姿で出てくるんだが、これってヒカリを釈放してくれ。って言ってるようなもんじゃないのか?
 人々の反応がすごく素直なのはストーリー上致し方ない所。>
第36話 ミライの妹

  監督:村石宏實
  脚本:赤星政尚
  特技監督:村石宏實
 怪獣アングロスが出現。早速出動するCREWGUYSだったが、アングロスは地下に潜って姿を消してしまう。その帰りにミライは森に倒れている少女を発見。フェニックスネストに連れ帰る。記憶を失っている少女はリュウにより「カコ」と名付けられたが、彼女は何とミライのことを「兄」と呼ぶ…
 敵は土塊怪獣アングロス。サイコキノ星人によって鉱物粒子から組成された存在。正確には怪獣ではなく、サイコキノ星人の思念波によって生きているかのように動かされている。そしてサイコキノ星人。強力なサイコキネシスを持つ星人で、その強大な能力で母星を滅ぼしている。様々な星を訪れ、イタズラを繰り返している。地球には6人がやってきている。
 話自体は昔からある物語の焼き直しなのだが、これもミライがウルトラマンであることが周知だからこそ成り立つ話。それをそのまま受け入れているGUYSの面々の姿がなかなか良い。
 光の国では「兄弟」というのは特別な意味を持つ。これは血のつながりのない兄弟達の結束を見ても分かるし、それは地球人に対しても同じように向けられている事が分かる。これは「帰ってきたウルトラマン」の次郎や「ウルトラマンA」の梅津ダン、「ウルトラマンT(タロウ)」の白鳥健一などを示しているのかな?
 地球には時空波があり、それを目指して円盤生物や星人がやってきていると告げられている。ボガールやヤプールがいなくなった地球に相変わらず宇宙人達がやってきているのはそのせいだとか。
 最後にサイコキノ星人達の悪巧みが話されているが、なんでも「ミステラー星とアテリア星の戦争をもっと悪化させる」「バルダック星にまた雪崩を起こす」と言われてたが、これも又懐かしい星の名前。ミステラー星およびアテリア星は「帰ってきたウルトラマン」49話「宇宙戦士その名はMAT」で続いていたという星間戦争。バルダック星はこれも「帰ってきたウルトラマン」39話「20世紀の雪男」に出てきたバルダック星人から…こいつらが宇宙を混乱させてたのか。
 今回は珍しくミクラスがその力を存分に発揮している…が、やっぱり1分という時間縛りがあるため、使えない存在になってる。
 特に過去シリーズの引用が多く、旧作ファンには嬉しい作品だが、中学生に対する考え方というのがちょっと行きすぎた感じがあり。図式が単純すぎる気がする。
<ジョージはカコと出会った瞬間にバラを差し出してる。こいついつもバラを隠し持ってるのか?
 ミライの妹はカコか?リュウもセンスがないな。
 トリヤマ補佐官が持ってきた雑誌には何故かヒッポリト星人が載ってた。まだ出てないよ。しかし、相変わらず外さないキャラだ。カコによってズボン下ろされて「いや〜〜ん」はやめれ。
 ミライは「兄」と呼ばれたことにとても喜んでる。現時点では末弟だからそれは当然か?」アングロスによって首だけ出して土に埋められてしまうメビウス。『犬神家の一族』のスケキヨ状態だが、やっぱり公開に合わせたのかな?>
第37話 父の背中

  監督:アベユーイチ
  脚本:谷崎あきら
     赤星政尚
  特技監督:アベユーイチ
 地球ではこれまで度々歴代のウルトラマンを助けるためにやってきたウルトラの父を記念し、「ウルトラの父降臨祭」が行われていた。特に今年は久々にウルトラマンが地球にいると言うことで、大きく盛り上がっている。そんな時、ミライは町でコウキという少年と出会う。お父さんとの約束をすっぽかされて怒っているコウキを慰めるミライだが、そんな時に凶悪な宇宙人ジャシュラインが現れたとの報が入る…
 敵は宇宙三面魔像ジャシュライン。三つの顔を持つ、トーテムポールを思わせる宇宙人。三つの顔それぞれがパーソナリティを持っており、三つの顔が同時に発動すると、相手を金に変えてしまう光線を出す。メビウスも金にしてしまう。三つの顔とも大変饒舌。
 「ウルトラマンA」26話「全滅!ウルトラ5兄弟」および27話「奇跡!ウルトラの父」に酷似した話で、あの時はヒッポリト星人がウルトラ兄弟をブロンズ像に変えたが、ここでのジャシュラインはメビウスを金に変える。少し高価になった?ウルトラの父が助けに入るという話の展開も同じ。
 これまで話の冒頭に何度か出てきたウルトラの父がようやく戦いに出てきた。特に父の現れ方は他の兄弟とは違い、まばゆく光りながら神々しさを演出。そして自らの強さを見せつけた後、メビウスに戦いを任せる。実に“らしい”演出だ。
 ここではコウキという少年を出してウルトラの父の出現にシンクロさせているのが特徴。コウキ自身は物語に関わっている訳でないが、そのお陰でバランスのいい話に仕上げられてる。「ウルトラマンT(タロウ)」に近い話かな?
<ジャシュラインはそれぞれ三つの顔で「ジャ」「シュラ」「イン」と叫んでるけど、ひょっとして三つの名前を持っているんだろうか?
 金になったメビウスは胸のカラータイマーだけが変化してなかった。それを鈍器?で壊そうとするのは、まんま「新世紀エヴァンゲリオン」だな。>

VOL.10
第38話 オーシャンの勇魚

  監督:アベユーイチ
  脚本:太田 愛
  特技監督:アベユーイチ
 宇宙怪獣アリゲラが現れた。直ぐさま撃退に向かうCREWGUYSチームだが、その圧倒的な速度の前に、なすすべがなかった。メビウスもがその速さに翻弄されてしまうのだが、その時、GUYSオーシャンのシーウィンガーがアリゲラを攻撃。アリゲラは海上に落下する。そして日本海溝に潜むアリゲラを攻撃するため、GUYSオーシャンから勇魚洋という男が派遣されるのだが…
 敵は宇宙有翼怪獣アリゲラ。時空波に呼ばれて地球に飛来した宇宙怪獣。空中、海中共に極端な速度を有する。メビウスと戦うために地球に来たらしい。
 今期2回目の太田愛脚本。2回とも海が舞台になってるのが特徴だが、人間関係に重点を置いた脚本は流石。今回に関しては小難しい理論も出てこない。
 今回の舞台は海。基本的にCREWGUYSは空と地上の敵に対するため、今回初めてGUYSオーシャンの共同作戦となった。
 ミライがメビウスであることはCREWGUYSの中では当たり前になっていたが、異分子が入り込むことでちょっと関係がギクシャクしてしまう。ちょっとした描写だけど上手い。そしてその異分子として現れるのが、嫌味な奴ではなく好漢だと言うのが特徴だろう。こういう場合は大概嫌味な奴が多いのだが、絵に描いたような軽くて良い奴だけに、非常にストレートな、いい話に仕上がってた。久々に整備班のアライソも存在感見せていて、そっちも見所。
 特撮面に関してだが、初登場でおそらくもう出てこないだろうシーウィンガーのマニューバモードがなかなか凝った作りになってる。今回CGよりも着ぐるみの方を重視したので、それも良し。メビウスがアリゲラを一刀両断するのも、高速飛行するアリゲラの前にメビュームブレードを置いただけってのも良い。
 勇魚洋は「仮面ライダー555」仮面ライダーカイザ/草加雅人役の村上幸平。
<今回はほとんどツッコミ部分がない。強いて言えば、近年のシリーズでは徹底的に避けられていた怪獣切断がしっかり描かれていたことくらいか?>
第39話 無敵のママ

  監督:小中和哉
  脚本:朱川湊人
  特技監督:小中和哉
 GUYSの食堂に勤める肝っ玉母さん日の出サユリはある日車道に飛び出した子供を助けて車にはねられてしまった。死んで霊安室に安置されたサユリだが、その枕元にサーペント星人が立つ。彼女の行いに感動したというサーペント星人は、地球での活動のために体を貸して欲しい。と言うのだ。生き返られる条件をサユリは飲むのだが…
 敵は憑依宇宙人サーペント星人。地球征服にやってきた光の姿をした宇宙人。死んだサユリの体に憑依し、GUTSの内部に入り込んで破壊工作を行おうとした。その体成文はほとんどが水分で、常時水分を摂取しなければならない。コノミによれば「ナメクジみたい」な宇宙人。
 32話「怪獣使いの遺産」に続き朱川湊人2回目の脚本作品。これまでのシリーズの第1話の定式を逆手に取ったような作品で、そこにホームドラマの要素まで取り込んでしまった。異色作だけど皮肉で面白い。事実サユリが復活するシーンは「帰ってきたウルトラマン」の郷とウルトラマンの融合シーンそのまんまである。台詞や看護師に語りかけるシーンまでほとんど同じという凝りよう。しかし、意志の強さで憑依人格を乗っ取るというのはほとんどギャグ。ゴジラVSビオランテ(1989)みたい。
 サユリを演じた美保順は熱演。元人格、サーペント星人との融合性格、サーペント星人を押さえ込んだ性格という三つの姿を見事に使い分けており、ほとんど今回の話を食ってしまってた。特に鏡に向かい合って自分自身と会話するシーンなんかは白眉。
 お陰で今回は最早メビウスさえほとんど間に合わせでしか出てこない。
<食堂で食べ物に塩気がないと食器を突き返すGUYSの職員達。「こんなの食べられないよ」と言ってた人に限って全部残さずに食べてた。
 サーペント星人の意志を乗っ取ったサユリの最初のひと言は「よっ」。このとぼけた発言が良い。
 10数体のサーペント星人が合体することで巨大化するのだが(宇宙怪獣バイラスか?)、動力室で巨大化してれば目的を果たせていたと思う。
 サーペント星人はナメクジみたいなもので、塩に弱い。今回は消火弾を使っていたが、出来れば本当に塩使って欲しかったな…ただ、そうすると
「ウルトラマンタロウ」のZATになってしまうけど。>
第40話 ひとりの楽園

  監督:小中和哉
  脚本:朱川湊人
  特技監督:小中和哉
 隕石が山中に落下した。そこから伸びた触手は周りの木々を取り込み、自ら植物となり、そこに咲いた花からは植物人間が誕生する。その頃休暇で暇をもてあましていたミライはナオコという少女と出会う。友達からいじめられているが、一人きりになるのが怖いから友達にくっついていたのだ。人間の孤独というものを考え始めるミライ…
 敵は宇宙植物怪獣ソリチュラ。宇宙から飛来した隕石の正体で、周囲の植物を取り込んで成長。植物人間のソリチュランを生み出す。そして宇宙植物人間ソリチュラン。ソリチュラから生み出された人間状の怪人で、顔に大きな花が咲いているのが特徴だが、白いフードをかぶっているため遠目には人間に見える。人間を同化し、やがてはソリチュランで地球全体を覆い、地球そのものをソリチュラに同化する事を目的とする。
 前回に続き朱川湊人による脚本で、人間の心を描こうとする異色作。心の闇を描くのは「ウルトラマンネクサス」以来か?ナオコという極端なキャラを出してその成長を描くことで、メリハリを出そうとしているが、孤独な人間を延々描くので、メリハリと言うよりは落ち着きすぎてる感じもあり。
 物語自体は人類SOS!(1962)っぽい感じがするものの、作品の性質上やや地味な印象。これはこれでシリーズの形の一つだろう。
<休暇をもらっても何もすることがないミライ。地球に来て随分経つのに、全然すれてないな。こいつは。
 ヒーローが、悪いことをしてる子供を叱る描写は決して珍しいものではないが、それに対し、「キモい」とか言われるのは初めてかも。>
第41話 思い出の先生

  監督:佐野智樹
  脚本:川上英幸
  特技監督:鈴木健二
 桜ヶ丘中学校の教師である塚本は子供一人一人を大切にする良い先生だった。実は彼自身が昔登校拒否に陥りかけたのを、ある先生に救われ、それ以来教師を目指してきたのだ。その頃、ロベルガー2世を追ってウルトラマン80が地球にやってきていた。メビウスの助力もあってロベルガー2世を倒す80。そして地球を懐かしむ80はかつての矢的の姿となり、桜ヶ丘中学へとやってきた。
 敵は円盤生物ロベルガー2世。地球のマイナス波動に引かれてやってきたが、80とメビウスの連携によって倒される。そして硫酸怪獣ホー。潰されてしまう桜ヶ丘中学がマイナスエネルギーを発生させて作り上げた怪獣。目から硫酸の涙を流す。80によって消し去られる。
 タロウ、レオと続いて今度は80が登場。これも熱いよ。特に80は中学校教師という二面性があったため、その教え子たちが物語の中心となっているのが泣かせる。時間配分が難しかったこともあり、「80」の教師編は出来があまり良くなかったのも確かだが、それがここまでの完成度を持って出されてるのが泣かせる。しかも中学校のメンバー、スーパー、落語、シンイチ、塚本、ファッションとみんなが登場。凄いよな。
 物語そのものはベタベタなのだが、思い出というものがある以上、そのベタさこそが実は最も重要なのだ。嫌いだったはずなのに、80のテーマが流れると、体が熱くなるよ。しかも最後に本当に矢的になってかつての教え子たちの元へ…
<ちょっと興奮気味でツッコミ所が語れない。強いて言うなら34話のレオと同様、折角人間体が出たのだから、変身シーンを出してほしかった。
 ウルトラマン80の人形を持って「お前の兄さんの人形持ってきたぞ」と言うリュウ…宣伝か?
 桜ヶ丘中学が何故ホーを出現させたかは、校舎が壊れる事を嫌がってではなく、矢的先生と生徒たちを会わせるためとミライは言っていた。それが本当だったとしたら、なんと迷惑な話だ。>

VOL.11
第42話 旧友の来訪

  監督:佐野智樹
  脚本:谷崎あきら
  特技監督:鈴木健二
 南太平洋のジョンソン島に、初めてのに本以外での怪獣の出現としてゴモラの存在が確認された。警戒を呼びかけるサコミズ隊長だが、そんな時、フェニックスネストにタケナカ最高総議長がやってくるという。初めての総議長の来訪に慌てふためくディレクションルームの面々。
 敵は古代怪獣ゴモラどくろ怪獣レッドキング。そして宇宙同化獣ガディバ。ゴモラとレッドキングはおそらく前作「ウルトラマンマックス」からの流用で、さほど活躍はなかった。結局ガディバに寄生されただけだからねえ。そしてガディバは黒い霧状の正体不明の宇宙生物で、怪獣に取り憑き、怪獣を操るほか、その遺伝子を取り出してコピー体を作り出すことも出来る。レッドキングを操った後、最初に取り憑いたゴモラとして再生した。そして最後、異次元人ヤプールの生き残りが現れる。
 怪獣の総出現とサコミズ隊長の秘密が明かされる話。懐かしい怪獣が大挙して出てくるだけでなく、サコミズが何故隊長となったのかも明らかになるのだが、サコミズはなんと40年前の科学特捜隊のメンバーであり、亜高速テストに志願したためウラシマ効果が出てしまい、今の年齢だと言うこと。そして亜高速で飛行中、ゾフィと出会った事が、今の彼を作ったことも明らかになる。
 タケナカはシリーズではもはやお馴染みの佐原健二が演じている。歴代のチームマークや戦闘機の模型を観て懐かしがるタケナカ。いやはやゾクッとするね。
 人間関係にスポットが当てられた一方で、大挙して登場した怪獣の活躍の場はあまりない。おそらくこれは最終章に向けての伏線かと思われる。
 それにファンに嬉しいのはゾフィの強さを存分に見せてくれたこと。このキャラは特に「ウルトラマンA」以降不遇な地位におかれてしまい、あんまり強くは描かれなかったが、今回は並み居る円盤群をM87光線でなぎ払うと言った描写があり。一気に溜飲が下がった。特にM87光線の発射ポーズがちゃんと「ウルトラマンA」で使用された右手を水平に胸に当て、左手をまっすぐ伸ばすポーズってのも芸細かで嬉しい。
 最後の最後、なんとヤプールが生きているという事実が発覚。これも熱くなるぞ。
<放映当初からサコミズ隊長はゾフィではないか?という噂が流れていたが、それは違うことが発覚。
 さほど見せ場がないとはいえ、レッドキングに空を飛ばせてみたり、足に岩を落として痛がらせたりと、遊びは多い。岩でキャッチボールして見せたのは「ウルトラマン」10話「謎の恐竜基地」のジラースとの戦いのオマージュかな?
 最後にヤプールの生き残りがいたことが分かるのだが、格好からして「ウルトラマンレオ」のブラック指令かと思ってたよ。>
第43話 脅威のメビウスキラー

  監督:小原直樹
  脚本:赤星政尚
  特技監督:菊地雄一
 宇宙のどこか。グローザム、デスレム、メフィラス星人、そして復活したヤプール人による“皇帝”に仕える四天王が会談していた。ヤプールはメビウス打倒を約束し、去っていく。その頃フェニックス・ネストにジングウジ・アヤが訪ねてきた。実はアヤはタケナカ最高総議長の孫であり、ミライを強引にデートに連れ出すのだった。そんな時ヤプールによる時空波の乱れがフェニックス・ネストで感知され、その殲滅作戦が開始された。フェニックス・フェノメノン発射のために発進するフェニックス・ネスト…
 敵は異次元超人メビウスキラー。かつてヤプール人によって作られたエースキラーを改造したもので、ウルトラマンメビウスの能力を調べたガディバと合体することでメビウスキラーとなる。全てのメビウスの技をコピーして互角の戦いが繰り広げられるが、メビウスの編み出したメビウスダイナマイトによって爆発。
 とにかく見所だらけの話。最初から“四天王”としてグローザム、デスレム、メフィラス星人、ヤプール人の会談が語られ、その後劇場版で登場したジングウジ・アヤと、43話に登場したヒルカワの再登場。フェニックス・ネストの発進。そしてメビウスキラーとなったエースキラー…いやはや。30分がこんなに長いとは。
 話は最終回に向けて発進。ヤプール人には更に上の存在があり、しかも四天王としてメフィラス星人までが登場してる。個人的にデザインが大好きだったエースキラーが出てくるのも嬉しいし(しかも動きが良い)、メフィラス星人の声はなんと初代の声を演じた加藤精三が演じている。そして最後のメビウスの編み出した必殺技はウルトラダイナマイト(ヤプールによってメビウスダイナマイトと命名された)。このこだわりがなんとも言えない。
 細かい所だが、劇場版でアヤがサコミズのことを「サコっち」と呼んでいたのは、ちゃんと理由があったことも示される。
<“皇帝”と呼ばれる存在が発覚。これはひょっとして「ウルトラマンタロウ」に名前だけ登場したエンペラー星人の登場がなるか?>
第44話 エースの願い

  監督:小原直樹
  脚本:長谷川圭一
  特技監督:菊地雄一
 ヤプールの罠にはまり、月面に着陸したフェニックス・ネスト。一方ミライはアヤとヒルカワと共に見知らぬ砂漠へと飛ばされてしまった。ヒルカワの卑怯さに付け込み、ミライに人間に対する不信感を植え付けようとするヤプール…その時GUYSメンバーの耳に声が響く…
 敵は満月超獣ルナチクス。かつて「ウルトラマンA」で月を滅ぼした超獣だが、ここに登場したのは別個体らしい。月で妨害電波を出している謎の石柱を守っていた。エースと戦うことで北斗星司が南夕子と出会う機会を作る。そして異次元超人巨大ヤプール。異次元空間にメビウスを引きずり込み、メビウスを仲間にしようとするが、それが果たせずに巨大化してメビウスと戦う。
 前回からの続きだが、劇場版以来登場してなかった北斗星司の再登場というおいしい話になった。しかも南夕子との再会という、旧作知ってる人間にとっては感涙もの。
 今回はヒルカワが完全に悪役になっているが、第2期ウルトラマンシリーズで度々出てきたテーゼ。かなり重い話に仕上がっているものの、ちゃんと救いが語られる。自分の力ではなく、エースの力が必要だったのは、旧作ファンには嬉しいが、一個の作品としてはちょっと出来過ぎの感もあり。
 しかし、なんだかんだ言っても、エースの登場は、やっぱり鳥肌立つよ。文句なく格好良い!エメリウム光線もちゃんとタメ作ってくれてるし、しかも最後は南夕子の登場!と、「ウルトラマンA」ラストの北斗の台詞「優しさを失わないでくれ…」が聞けたりして、旧作ファンサービスもきっちりしてる。
 最後にヒルカワの卑怯さが出ているが、これもラストの伏線かな?
<ヤプール人の卑怯さがよく現れた話であるが、人間であるアヤを一撃で殺せないなど、強いのかどうだか分からない描写が今ひとつ。
 結局エースは地球に残っていたらしい。劇場版で力取り戻したんじゃなかった?それとも取り戻せなかったのかな?
 「ウルトラマンA」では光線技ばかりだった巨大ヤプールは今回は格闘もこなしてる…光線技主体であって欲しくもあり。
 そう言えばGUYSは月にマケット怪獣持っていかなかったんだろうか?>
第45話 デスレムのたくらみ

  監督:村石宏實
  脚本:太田 愛
  特技監督:村石宏實
 月からフェニックス・ネストが帰還しようとしていた。地上でそれを待っていた報道陣とミライ。だが、その目の前で突然フェニックス・ネストが爆発四散してしまう。ただ一人戻ってきたジョージはフェニックス・ネストの中で起きた事をミライに語る。帰還中のフェニックス・ネストはデスレムに襲われ、全員が捕らわれてしまったのだと言うのだ。デスレムの狙いは地上におけるメビウスの完全なる敗北。現れたデスレムに手を出せないメビウスだが…
 敵は策謀宇宙人デスレム。四天王の一人で、“謀将”と呼ばれる。CREWGUYSを人質に、メビウスと人間の関係をズタズタにしようとする。
 前回エースの登場の後、今回は新マン(ジャック)の登場。新マンは私がとても好きなキャラだが、本編のストーリーが半端なく詰まっているため、折角の郷秀樹の登場もスポイルされてしまった感じ。まあ、ピンポイントで良い役を演ってくれてるが、主体じゃないからなあ。ちょっと残念。戦いも怪獣相手じゃないし、変身姿もない。ちょっと残念だ。
 冒頭でいきなりフェニックス・ネストの爆発炎上が描かれ、話の突然の展開に驚かされる。まるで「ウルトラマンレオ」40話「MAC全滅!円盤は生物だった!」かと思われるほど。一瞬本気でびびったぞ。
 一方マスコミから徹底的に叩かれるミライの姿が描かれる。優しい物語を作ることで知られる太田愛作品なのに、今回の暗さはどうだ。しかしこれはこれで大好きだぞ。郷秀樹が出るだけあって話自体も「帰ってきたウルトラマン」っぽくあり。脚本は流石にしっかりしてる。
 CREWGUYSが死んだと報道された時にあれほど憤った市民が、デスレムと戦わないメビウスに対しては文句を言う。それに怒りを覚える自分に嫌悪感を覚えるミライに対し、「それで良い」と語る郷。これまえ戦ってきて、様々な痛みを覚えているからこその発言だろう。
<市民が脅かされているのに戦わないメビウスに文句をつけるマスコミに対し、黙して何も言わない。人質になっているのがCREWGUYSではなく市民であることを何故言わない。
 怒るのも単純ながら、真相を知ったらすぐにメビウスを応援するのも市民。単純すぎるが、一話で話を展開させる都合上仕方ない所か。
 ちなみに後半アマチュア無線を通じてリュウのメッセージを受け取る電気屋の親父さんを演じているのはきくち英一氏、かつてスーツアクターとしても、ちょっとドジな役として実際に登場した話も数多い。ここに出てきたのは「帰ってきたウルトラマン」関連かな?>

VOL.12
第46話 不死身のグローザム

  監督:村石宏實
  脚本:川上英幸
  特技監督:村石宏實
 サコミズ、ジョージ、リュウが怪我で動けない中、高倉市でダムの水が凍り付いてしまうと言う事件が起こる。現場に急行したミライとテッペイだが、その目の前にグローザムが現れる。正面衝突するメビウスとグローザム。だがメビウスのあらゆる技はグローザムには通用せず、ついにはメビウスはダムに磔にされてしまう。
 敵は冷凍星人グローザム。「四天王」の一人で、「豪将」と呼ばれる宇宙人。口から冷凍ガスを吐く他、脅威の再生能力を持つ。メビウスの技も全く通用せず、逆にメビウスを磔にしてしまった。セブンとメビウスの合体技を食らってばらばらにされた後、メテオールによって焼き尽くされる。
 ウルトラ兄弟客演もこれが3回連続。今回はウルトラセブンとモロボシ・ダンが登場する。話自体も「ウルトラセブン」39話、40話「セブン暗殺計画」に準じており、人間側の努力が描かれた話になっているのが特徴。ここではコノミが個性を見せており、ミライとメビウスどちらに対しても思いを託している他、ガンローダーに乗るなど、女性主体の話になっている。
 ウルトラマンが拘束される話はこれまでにもいくつかあり、大変重くなるのが普通だが、今回はかなり明るい。メビウスがやられたのが冒頭で、しかもすぐに希望が与えられるからなのだが、何よりもコノミの成長が描かれているのが特徴的。
 ただ、女性の頑張りとメビウス救出という見所の多い話にセブンが登場するため、今ひとつ個性が見せられなかったのが残念と言えば残念。それでもちゃんとアイスラッガーやエメリウム光線など、重要な技はちゃんと出ている。そして「俺が受けた、悲しい思いだけは、君に味わわせたくない」という台詞は、「ウルトラセブン」のみならず、「ウルトラマンレオ」にも関わっていることを思わされる。
 久々にウィンダムが登場。だけどグローザム相手には全く歯が立たなかった。この作品ではミクラスの方が活躍してるね。
<グローザムにメビウスシュートを撃つメビウス。見事にグローザムの腹に穴が開くのだが、背後にあるダムは全くの無傷。
 メビウスとセブンの連携攻撃は「ウルトラマンレオ」におけるダブルフラッシャーを彷彿とさせる。サービスかな?
 今回はコノミの眼鏡が重要アイテムになってるが、最後に「眼鏡眼鏡…」とヤッさん状態。これも狙いかな?>
第47話 メフィラスの遊戯

  監督:アベユーイチ
  脚本:小林雄次
  特技監督:菊地雄一
 休暇をもらい、公園で寝ていたミライはメフィラス星人からの悪夢のメッセージを受け取る。夢から覚めたミライだが、その光景は何かおかしい。そこではメフィラス星人がヒーローとなっており、ウルトラマンは地球侵略に来た宇宙人と言うことになっているのだ。変身してメフィラス星人と闘おうとするメビウスは、何とGUYSによって攻撃されてしまう。なんとか自分の事を思い出してもらおうと説得するミライだったが…
 敵は悪質宇宙人メフィラス星人「ウルトラマン」および「ウルトラマンタロウ」に登場した宇宙人で、かつてウルトラマンとほぼ互角の戦いをするほどの実力者だが、むしろ悪巧みの方を得意とする。今回もゲームに負けたと知るや、潔く撤退している。最後に“皇帝”によって粛正されてしまう。そして15話に登場した宇宙礫岩怪獣グロマイトが再登場。メフィラス星人の力を示すため、倒されるためだけだったが。
 4話連続で地球に残ったウルトラ兄弟の話が展開しているが、今回はその最後で初代ウルトラマンが登場。
 「ウルトラマン」33話「禁じられた言葉」からの因縁の対決の決着編?(「ウルトラマンタロウ」は無かったことにしたい)と思われたのだが、実際はまだそれは先。ただ相変わらずメフィラス星人の悪人ぶりは堂に入ってるので、それは嬉しい。彼はあくまで心理戦でゲームをやっていたため、直接攻撃をした時点で、実は負けになっている。頭脳戦とはそう言うものだ。勝負に負けたメフィラス星人は、いくら攻撃しようとも
 客演では初の単独出演となったウルトラマンだけでなく、テッペイの成長が描かれる話。彼は論理的だが、それ故に論理的に説得されるときちんと応えてくれる。一方、ガンウィンガーを単独で操縦出来るようになるなど、技能的にも
 ここでハヤタは何故か真実を知っていながら手出しをしようとしない。最初ツッこもうと思ったけど、メビウスを信じて見守っていたのだろう。かつての自分がそうだったように。
 心象風景がモティーフとなっているため、光の加減や登場人物の服装など、様々な所でケレン味が見られるのも特徴。この話は実相寺監督に作っていただきたかった。
<そう言えば劇場版ではAタイプの顔をしていたウルトラマンがここではCタイプになってる。わざわざ変える必要あったんだろうか?>
第48話 皇帝の降臨

  監督:アベユーイチ
  脚本:長谷川圭一
  特技監督:菊地雄一
 ヒルカワによってすっぱ抜かれ、ミライがメビウスであることが週刊誌に載ってしまった。時を同じくして13体のインペライザーが地球襲撃を開始。次々に現れるインペライザーに、ついにメビウスは敗北を喫してしまった。その時、皇帝を名乗る声が空から響く…
 敵は無双鉄神インペライザー。29話および30話に登場。ウルトラマンタロウのウルトラダイナマイトを食らっても再生出来る能力を持っていたが、それが13体も大挙して押し寄せてきた。そして宇宙皇帝エンペラ星人。「ウルトラマンタロウ」で名前だけ出てきた宇宙人で、光の星が宇宙防衛隊となったきっかけを作ったという重要な存在である。シリーズ最後の敵としてはまさにうってつけ。ついにその姿を現した(現時点ではシルエットのみ)。
 最終三部作の第一部。まずは地球人とウルトラマンの絆を改めて確認する話になっている。ウルトラマンへの反発心が、受け入れに至るまでの過程を丁寧に描いている。トリヤマ補佐官が妙に格好良い話。ミライをメビウスと知り、「彼は誠実でかけがえのない部下だ」と叫んでいる。
 これまで出てこなかったGUYSジャパンの総監が実はサコミズであることが発覚。ただし、地球の危機に際し、解任されようとしている。しかしやはり田中実氏の名演ぶりでいい話になっている。特にこれだけの長台詞は今までのシリーズでは無かったことだけに、最後の試みとして良い具合に仕上がっている。
 最後の結論は、人間が自分の意志でメビウスを選んだところ。出来過ぎの感はあるが、巧く仕上げられている。
 戦いは厳しいが、メビウスは地球に来てから会得した大技を次々使うことでインペライザーに対抗している。これはなかなか見応えあり。
 ツッコミではないのだが、オリジナルのウルトラマンシリーズをベースとしている以上、皇帝はエンペラ星人であろうとは思われていたが、やはりその予想が当たると、嬉しさを感じる。今回は総監がサコミズであったという謎も明らかになり、設定明かしとしては実にうまい構成になっている。
<ツッコミではないけど、連戦でボロボロになったミライの体の症状は、「脈拍360、血圧400、熱は90度近くもある」。これは「ウルトラセブン」48話「史上最大の侵略」でのモロボシ・ダンの症状と同じ。細かい配慮だ。>

VOL.13
第49話 絶望の暗雲

  監督:佐野智樹
  脚本:赤星政尚
  特技監督:原口智生
 人々の声に押されインペライザーを倒し続けるメビウス。だがそんな彼をあざ笑うかのようにインペライザーは次々現れ、人々の耳にはエンペラ星人の勝ち誇る声が聞こえる。その時…
 敵は無双鉄神インペライザー。インペライザーは7体ばかりが消え去った。そして初めてその姿が明らかになった宇宙皇帝エンペラ星人。人間型をした宇宙人だが、最強の宇宙人と言われるだけあり、圧倒的な力でヒカリとザムシャーの連係攻撃を圧倒してしまう。
 最終話の中編。絶望的な戦いを強いられるメビウスと、それを助ける人々が描かれていく。通常このパターンはウルトラ兄弟の出現!となる訳だが、ここでは本作に登場してきた数々の宇宙人達が大挙して出てくるのが特徴。ザムシャーサイコキノ星人カコファントン星人ウルトラマンヒカリが登場。そしてそれにも関わらず、圧倒的な力で地球人を圧倒していくインペライザーとエンペラ星人。徐々に壊れていくフェニックス・ネスト…これは熱い!これくらい絶望を演出出来るなら充分だ。
 いつもニコニコしていたサコミズ隊長が今回はとても凛々しくって良いけど、今回トリヤマ補佐官までが格好良すぎる。これまでドジな保身家とばかり思わせておいた分、一世一代の晴れ舞台をきちんと演出できている。
 今回面白いのがもう一点。今回の描写はほとんどCGを使わないミニチュア撮影とそのアングルだけでしっかり戦いを演出しているのだ。特にインペライザーを一刀両断にするザムシャーの演出などアングルの凝り方も素晴らしい。
 それにしてもよく詰め込んだ。最終回の溜めを作るためには最高の演出とも言えるだろう。
 エンペラ星人とウルトラの父との因縁もしっかり描かれている。エンペラ星人が地球をわざわざ狙ってきたのは、ウルトラの父を挑発するためだったらしい。
 最後の最後、ヒカリがリュウとミライにメッセージを残すあたりも泣ける。
 そして本作の最大の見所は、実は予告編で、ここでウルトラ兄弟が全員登場することが予告(アストラもいた)。これは燃える。
第50話 心からの言葉

  監督:佐野智樹
  脚本:赤星政尚
  特技監督:原口智生
 エンペラ星人によって太陽は黒く染められ、地球は光の届かぬ星へと変えられてしまった。しかしその時、死んだはずのリュウの言葉がヒビキ、ウルトラマンヒカリが現れる。メビウスはヒカリと共にエンペラ星人に立ち向かう。だが、二人の力を使ってもエンペラ星人には通用しなかった。だがその時…
 敵は前回に続き宇宙皇帝エンペラ星人。ウルトラマンには絶対的優位を保つ存在なのだが、人間の希望の力に負けたという。
 いよいよ最終回。ウルトラ兄弟総結集でエンペラ星人に立ち向かうことになると思っていたのだが、むしろ本当にエンペラ星人と闘うのはGUYSメンバーによってだった。そしてメビウスは最強のメビウス・フェニックスブレイブへと変身。いや、これは考えつかなかった。人間はウルトラマンに守られる存在と言うのがこれまでの理解だったが、人間の力こそが実はウルトラマンを強くするという事実がはっきりと示した見事な作品に仕上がっている(これは平成ウルトラマン三部作にも共通することだが)。
 基本的にGUYSメンバーとエンペラ星人との戦いだが、勿論ウルトラ兄弟も全員登場。太陽を再び輝かせるために彼らも光線を撃ちまくってる。ゾフィもサコミズ隊長に同化し、初めての変身ポーズを取ってM87光線を放っている。旧作ファンにはこれも感涙もの。一応ではあるが、これまで一切登場してこなかったアストラもちゃんと出ていて、レオと共にウルトラダブルフラッシャーを放っている。初期には視聴者からはサコミズがゾフィだという意見も多数出されていたが、半分は間違ってなかった訳だな。
 最後、ミライはメビウスの姿となり、地球を離れる。最後に残るのでは?と言う思いもあったが、やはりこれは外せないことか。
<最後にツッコムのも野暮だが、インペライザーはまだ何体か残ってるはずだが、それは無視されてるね。
 ヒカリはリュウの体を再生するのだが、そうなると、セリザワはどうなったんだろう?>