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ウルトラマンネオス

ウルトラマンネオス事典
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 2000'11〜(OV版として)

 本作の企画は古く、アメリカ産のウルトラマンの後に製作が決定され、1995年にビデオリリース作として企画されたが、当時社長だった円谷皐氏の死去や海外での版権問題の裁判などでリリースは先送りされ、結局TVシリーズの「ウルトラマンティガ」の方が先になる。更にTV版は「ダイナ」「ガイア」と続くシリーズ化されることになったため、企画は先送りにされ続け、更にビデオ企画として「ウルトラセブン」までが先にリリースされてしまった。
 結果として2000年にOVとして12話が製作、発売される事になった。TVシリーズは全く考えられていなかったが、突然の「ウルトラマンコスモス」の中断を受け(本当は打ち切りだったのだが、最終的には復活)、最初の2話のみテレビ放映された(関西では全話放映)。結果としては不遇なシリーズだったと言えよう。
 本作の特徴は「原点回帰」という言葉に尽きるだろう。ネオスの造形はほぼ完全に「ウルトラマン」の姿を踏襲したシンプルな姿で、更に「ウルトラセブン」を思わせるセブン21とゾフィの登場など、旧作ファンにとっては細かい所で嬉しい。
 13話という事で一貫したストーリー作りが特徴で、実に5話に渡ってザム星人との接触が語られている。又、当時の時勢に合わせ、環境保護や人間のエゴにも突っ込んだ描写が見られ、これが「ウルトラセブン」に展開していくことになる。

主な登場人物
カグラ・ゲンキ
ウルトラマンネオス
(役)高槻純。特撮では「仮面ライダー龍騎」の仮面ライダータイガ東條悟役。ウルトラマンと仮面ライダーを両方演じた役者となるが、仮面ライダーライア役の高野八誠(「ウルトラマンガイア」のアグル役)に先を越された。
 HEARTの新人隊員。ダークマター通過中の宇宙空間で作業中に“何者か”と出会い、ウルトラマンネオスと融合。ネオスに変身する能力を得る。性格は至って真面目で能力も高く、HEARTの若きエース。
ミナト・ゴンパチ (役)嶋田久作。「帝都物語」の加藤保憲役があまりにもはまりすぎて、他のイメージではなかなか取られてくれない人。
 HEART隊長。自衛隊特殊戦略部隊出身で、これまでの腕を買われてHEART隊長に抜擢される。お気楽な部下と、予算のことで何かと小言を言ってくるフジワラ秘書官の板挟みでいつも苦労しているようだ。
ウエマツ・ヒロノブ (役)影丸茂樹。同じOVの「ウルトラセブン」でカジ役、「ウルトラマンティガ」ではシンジョウ隊員役と、何かとシリーズには馴染みが深い人物。「ウルトラセブン」では参謀にまでなっていたのだが。
 元警視庁特殊機動捜査隊員。現場にあっては冷静沈着ながら、仲間内では結構くだけた面も見せている。
ヒノ・タカヨシ (役)森田猛虎。オリジナルビデオなどに出演。
 HEARTのメカニカル担当で、機械をこよなく愛するが、その分人間関係は今ひとつ苦手らしい。自分の主張に固執しがちで、ぶつかることも多い。
ハヤミ・ナナ (役)瑠川あつこ。主にオリジナルビデオで活躍中。
 女性ながら前線に出るタイプで、怪獣との戦闘も積極的に行っている。医学博士号も持っており、隊員のチェックもしている。
キタバヤシ・アユミ (役)坂本三佳。他にいくつかの映画出演あり。
 HEARTオペレーター。基地で隊員との通信が主だが、時折は現場にも出るようだ。
フジワラ・ヨウコ秘書官 (役)村上聡美。
 内閣総理大臣秘書官。内閣とHEARTとのパイプ役だが、何かとねちねちと嫌味を言ってくる。
ウルトラセブン21  ウルトラマンネオスのピンチに現れるもう一人の戦士。元々は彼が地球に派遣されるはずだったらしく、それが気がかりでネオスを見守っているらしい。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 ネオス誕生

  監督:神澤信一
  脚本:武上純希
 地球はダークマター(暗黒星間物質)漂う未知の空間を通過していた。宇宙に浮かぶ空間ダークマターで調査作業を行うHEART隊員のカグラはUFOの出現を目撃し、作業中の調査員を助けようとした際UFO衝突の衝撃で宇宙空間に吹っ飛ばされてしまう。だがその時、カグラの命を救うものがあった。その後地球のHEART本部では、岩肌が生きているように動き崖崩れが起きた、という通報を受け出撃する。療養中のカグラもHEARTの一員として出動するのだが、子犬を追って坑道の中に迷い込んでしまった子供を助けるため、ナナ隊員が行方不明となる。その時、坑道の中から日本初の怪獣が出現する…
 敵は鉱脈怪獣アーナガルゲ。鉱物に寄生した宇宙生物によって巨大化して出現する。左右非対称で多くの突起を持つ怪獣。この世界では“日本初”の怪獣となる。
 本来OVとして製作されていた作品だったが、「ウルトラマンコスモス」の打ちきり(後に復活するが)により急遽放映の運びとなった。
 この話ではネオスの誕生が描かれる。主人公が既にウルトラマンと合体した状態で登場するため、一話とはいえ説明部分があまりなく、突然ネオスが登場する感が強い。ただ、登場の後は敵と見誤ったHEARTによるネオスの攻撃など、なかなか展開もしっかりはしてる。
 それと「ウルトラマンコスモス」で行われた着ぐるみとCGの融合は本作でも健在。
<ウルトラマンはシリーズを通し登場時間が極めて限られるのが普通。ネオスも一応カラータイマーを持っているが、ここでは5分近くも戦ってる。
 ネオスがナナ隊員を助けたと分かった途端、いきなり「連係攻撃だ!」と叫ぶ…単純すぎだが、物語としては多分これで良いのだろう。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 謎のダークマター

  監督:神澤信一
  脚本:武上純希
 東京郊外の団地に突然奇妙なタワーが現れた、と言う子供達の通報を受け、調査のためにHEARTが出動した。その時カグラの頭に「ウルトラマンネオス」という呼びかけの声が聞こえ、そちらに気を取られている内にナナ隊員と子供達が消えてしまう。
 敵は脳魂宇宙人ザム星人。故郷の星が怪獣に支配されてしまい、宇宙を放浪して地球にやってくる。ダークマターのパワーを取り込んで進化し、宇宙へ帰ることが目的なのだが、進化実験は失敗し、巨大化してしまう。性格は結構良い奴なんだが、巨大化と共に凶暴化してしまう。他にテレポート能力を有す。結局ネオスにより倒されてしまった。
 カグラに忠告めいたことを語る謎の少女が登場。実はウルトラセブン21で、ザム星人を見守っていた。他にカグラの記憶の中でゾフィも登場してる。
 物語は結構硬質なのだが、妙に笑える演出が多用され、その分ツッコミ所満載の話となっている。
<初登場のフジワラ秘書官はHEARTの面々に向かって「皆さんのサラリーは国民の血税だと言うことをお忘れ無く」…うわ。なんとリアリティの溢れた言葉だ。
 不思議な形のタワーが現れたと言うので子供達と調査に向かうカグラ。何とも危機感のない話だ。それにしてもあれだけ怪しげなタワーを不思議に思わない人間が。
 ナナとカグラの調査失敗を受けてヒノとウエマツがそこに向かうが、ヒノ隊員は思った以上に恐がりらしく、カグラには相当格好良いこと言っておきながら、へっぴり腰でウエマツの背後にぴったりとくっついて行動。その度に「くっつくな」「寄り添うな」とたしなめられるわ、自分で悲鳴を上げておきながら、ウエマツに「変な声出さないでくださいよ」とか言ってのける。良いキャラだ。
 今回もネオスは5分近く戦ってる。>
VOL.2
<A> <楽>
第3話 海からのSOS

  監督:高野敏幸
  脚本:右田万昌
 長井港で全く魚が捕れないという事態が発生。その魚市場では巨大な怪獣を見たという目撃情報がもたらされるのだった。調査を行ったHEARTは、ヒレ状の
 敵は群体怪獣シーゴリアン。イメージとしてはヒレを体にくっつけたアギラといった面持ちの怪獣。数センチから30メートルまで大きさを自在に変えられる怪獣で、海から現れる。実は数センチの水棲生物の群体だった。結局倒されることなく、海に戻される。
 テレビ番組よりもちょっと時間が長いため一筋縄でいかないのが本作品だが、今回も面白いことに怪獣は目撃情報だけで実害が一つもないというのが面白い特徴となっている。せいぜい出現した際、付近の魚がいなくなったことくらい。実際、この怪獣は単に陸上に出てきただけ。
 HEARTは部隊そのものは(オフ状態では)お気楽軍団で、しかも上層部からは資金面でがみがみ言われている。なかなかリアリティ溢れる描写。あんまり真面目すぎるのもなんだから、こういう描写も良しだろう。
 戦闘シーンは純粋に肉弾戦で構成されており、存分に怪獣プロレスを楽しめる。ただ音楽がないので、長々と戦ってると、ちょっと間延びした印象も受ける。
<逃げようとしたシーゴリアンに対し、尻尾をつかまえた上、後ろから蹴りを入れるネオス。完璧な悪者ぶりを見せてる。
 最初から最後まで可哀想なのはやっぱり隊長のミナト。お気楽な部下と、がみがみ言う監査官に囲まれ、頭を抱えている。更に最後は部下の全員に寿司をおごる羽目に…中間管理職の悲哀がそこはかと。>
VOL.3
<A> <楽>
第4話 赤い巨人!セブン21

  監督:満留浩昌
  脚本:右田万昌
 300万年前のダークマターの接近により生まれた怪獣が、新しく発生したダークマターによって地球の両極で活動を再開し、日本に向けて動き出した。たまたまHEARTの無線を傍受してしまったTVレポーターのエリカは独占スクープを狙い、現場へと潜り込むのだが…
 敵は北極怪獣ノゼラ南極怪獣サゾラ。ノゼラはネオスのナックルシュートを跳ね返すほどの硬さを持った巨大な甲羅を持つ怪獣で、海から日本へやってきた。ビル風に怯え、動けなくなるような一面も持つ。サゾラはノゼラの声に調子を合わせたように、飛んで日本へとやってくる。実は結構仲が良いらしい。頭のツノから電撃を発生させることが出来る。ネオスとセブン21の両面攻撃を受けると拝んで攻撃を止めてもらおうとするなど、お茶目な面もあった。
 二体の怪獣が登場の話で、それに対抗するかのようにネオスだけでなくウルトラセブン21も登場する。この二体の怪獣は仲が良いみたいだが、そんなことに頓着無くHEARTは攻撃を加えたため、怒ってしまう。まあ、人間の勝手な行動なんだろうね。
 ウルトラセブン21が初めて巨大化して戦うシーンが出てきたが、巨大化した直後のポージングはまさにセブンそのものだった。往年のファンにとっては嬉しい演出。
<セブン21が人間に姿を変えてカグラの前に現れるのだが、「君のやるべきことをやれ」と言って、一人怪獣退治に行かせてしまう。危機になると現れるのだが、基本的に一人でやらせようと言うのか?
 ネオスは今回割とあっけなくカラータイマーが点滅するが、それから随分長いこと戦ってた。時間配分がここでもおかしな感じ。
 主人公達とは別にキスシーンが描かれるから、これも珍しい描写だ。>
VOL.4
<A> <楽>
第5話 見えない絆

  監督:満留浩昌
  脚本:星野拓也
 住宅地に現れた怪獣シルドバンをハートウィナーで迎撃するHEART。見事怪獣を倒したヒノは有頂天になるが、怪獣が埋葬された場所からは巨大なキノコが現れてくる。
 敵は昆虫怪獣シルドバン寄生怪獣バッカクーン。シルドバンは蝉を思わせる昆虫型怪獣で、ほぼ出てきたと同時に倒されてしまうのだが、それを埋めた場所から出てきたキノコからバッカクーンが現れてくる。背中にキノコのカサを背負っているのが特徴。どうやらシルドバンに寄生していたらしい。口から毒キノコの胞子を吐き出す。死んだシルドバンを菌糸を通じて操ったりもする。
 実力はあってもお調子者で知られるヒノが中心の話。こいつの性格はほとんど駄々っ子。調子に乗ると果てしなく増長するが、自分を否定されると果てしなく落ち込んでしまう。
 死んだ怪獣の処理はどうする?という根本的な話が描かれる。これまでスルーされてきたのだが、ウルトラマンではなく人間側が怪獣を倒した場合、その処理はどうなるのか。と言うことになる。
<相変わらずぬる〜い感じのHEARTメンバーの様子が描かれる。でも、よく考えたら初めての対怪獣組織なんだから、これくらいの方がかえってリアリティがあるのかも知れない。
 自分のたてた作戦に自信を持ち、「これしかない」と言い切るヒノ。要するに視野狭窄なだけ。こういう人間を部下に持つミナト隊長も大変だ。>
VOL.5
<A> <楽>
第6話 ザム星人の復讐

  監督:高野敏幸
  脚本:武上純希
 日本でダークマターについて討議する会議がもたれることとなり、アメリカで研究中のオオトモ博士が帰国することとなった。その護衛任務に就いたカグラとナナだったが、三人は基地へ帰る途中で謎の飛行物体を目にするのだった。何者かが世界会議に圧力をかけようとしていたのだ。
 敵は第2話に登場したザム星人の生き残り。リーダーを失ったため、地球とウルトラマンネオスに逆恨みしている。そして今回は円盤からロボット形態へと変身する復讐ロボットザムリベンジャーを用いる。ロボットだけに各種ミサイルや電撃と言った武器を使いこなしている。ネオスの技はバリヤーによってほとんど防がれてしまうが
 今回は、これまで常にHEARTに対し小言ばかり言ってきたフジワラ秘書官が中心の話となっている。彼女はそもそも研究員だったとか、過去にオオトモ博士と確執があったことなどが語られる。
 どことなく「ウルトラマン」23話「故郷は地球」と「ウルトラセブン」14、15話「ウルトラ警備隊西へ」の話に似ている。現代的なリファインと、先に一本話があったので話はやや深みが出ているが、やはり痛々しさは落ちるし、何せ登場人物があまりにも少なすぎる。
<セブン21がオオトモ博士に扮したザム星人に向かって「復讐するは我にあり」と発言してる。やっぱりこれは狙ったんだろうか?>

VOL.6
第7話 生態系の王

  監督:小原直樹
  脚本:武上純希
 荒神島の地質観測員たちが調査中に行方不明になった。連絡を受けたHEARTは観測員の救助に出撃する。だが彼らはすぐに小怪獣ロックイーター達の群れに取り囲まれてしまう。彼らを助けたのはなんと行方不明になったはずの調査員と、彼らを守っていたバモスという怪獣だった。
 敵は凶暴竜ロックイーター。ティラノザウルスを無茶苦茶不細工にしたような風貌だが、タイプとしてはオーソドックスかな?等身大の大きさで3体登場。そしてロックイーターから調査員を守っていたバモちゃんという怪獣。昔流行ったモンチッチに似てる気がする大人しげな怪獣だが、怒りを感じると巨大化して変貌怪獣キングバモスとなる。こちらはちょっとだけ凶悪そうな風貌となってる。体から電撃を発することが出来、ツメに電流を集めて相手を攻撃する。倒されることなく、等身大サイズに戻される。
 「ウルトラマン」の「怪獣無法地帯」に似た雰囲気を持つ話だったが、ピグモンに当たる怪獣が一番強いという、なんか人を食ったような作品に仕上げられていた。ちょっといい話。時々はこういう話もあってこそのウルトラマンだな。
<ターザンよろしく蔦を使って森を飛び跳ねるバモちゃんと成瀬。その真似をしたカグラは地面に激突して大の字のくぼみを作ってしまう…漫画的演出を狙ったな。
 巨大化したキングバモスとロックイーターの戦いではロックイーターの尻尾を掴んでのジャイアントスイングまで見せてくれる。『キングコング対ゴジラ』(1962)のインスパイアか?>
VOL.7
<A> <楽>
第8話 蘇る地球 HEART南へ!

  監督:小原直樹
  脚本:武上純希
 かつてダークマターを予測し論文を発表していたという宇佐美教授の研究を探るため、ミナト隊長とアユミ隊員は宇佐美教授が住んでいたという南の島に向かった。その船上で宇佐美教授の仮説を力説する少女と出会ったアユミ。そしてまるで彼女の声に呼応するかのように現れた怪獣の姿…
 敵は幻聖魔獣ラフレシオン。エリマキトカゲのような姿をした怪獣で、かつて宇佐美教授によって書かれた架空の怪獣だが、地球環境の改良という教授の夢を具現化した怪獣で、地球にとっての救いでもあった。しかしその力は植物に関してだけで、動物にとっては致死的な毒だった。火を吐くだけでなく、その還元光線によってウルトラマンネオスを散々苦しめる。角が弱点。
 人間は実はダークマターによって地球を食い尽くすために作り出されたという衝撃の事実が明かされる。この辺の設定は「ウルトラセブン」にも通じる部分だが、少々突っ込み不足。演出的な問題だな。
 話自体はかなりストレートなものだが、脚本の武上純希の個性が良く出たものとは言えるだろう。
<ミナト隊長がHEARTに通信を送ってからウィナーが到着するまでのタイムラグがほとんど無いのだが、それだけHEARTの危機管理が優れているのか、あるいはミナト隊長はウィナーが到着するまでずーっと同じ姿勢を保ち続けていたのかは不明。どっちかというと後者ではないだろうか?>
VOL.8
<A> <楽>
第9話 僕らの恐竜コースター

  監督:神澤信一
  脚本:星野拓也
 タクミ、アヤカ、ショウタらの三人の子供たちは遊園地にある恐竜コースターが大好きだった。しかし近々その恐竜コースターが取り壊されると聞き、三人は取り壊しを防ぐために町に恐竜ブームを起こそうとするのだが…
 敵は合体恐竜キングダイナス。遊園地の恐竜コースターが子供達の願いと三体の恐竜の遺伝子情報を得たダークマターの力を受けて怪獣化したもの。ネオスのナックルシェルにより骨にされてしまう。
 今回は子供達が主人公となった。これもウルトラマンらしいと言えばらしい作品。それにしてもひねくれた子供達だ…ひねくれてるから子供なんだという話もあるか。
 ヒノ隊員は小学生の頃「恐竜博士」と呼ばれていたらしい。ちなみに私は「怪獣博士」と呼ばれていたぞ。
 子供が主役だけあって、笑える要素も多く、特にネオスとキングダイナスとの戦いはロデオやってみたり、キングダイナスの鼻に指突っ込んでみたり、闘牛やってみたり。果ては転倒して建築中の家を壊してしまったネオスが慌てふたまいて家を直そうとする描写まである(結局直せないんだけど…これは「ウルトラマン80」でも似たような話があったし、後に「ウルトラマンマックス」でも同じネタやってた)。なかなかサービス精神満点で、これはこれで楽しい。
<化石が飾ってある小学校…うらやましい。しかし現実にあるか?そんな学校?
 アヤカちゃんは脚を怪我して動けなかったのだが、一旦助かってみると普通に立ってたりする。
 ところで遊園地って結構田舎にあるみたいだけど、どうやって子供達は移動してる?つーか、そんなに金持ってるのかな?>
VOL.9
<A> <楽>
第10話 決断せよ! SX救出作戦

  監督:宮本 拓
  脚本:武上純希
      星 貴則
 日本アルプス山中に巨大隕石が落下し、内閣情報局よりHEARTにその隕石を宇宙に投棄せよと言う指令が与えられた。単身SXに搭乗し、隕石運搬を試みるミナト隊長だったが、突如動き出した隕石によりSXは飲み込まれてしまう。隊長不在のままSX救出作戦が開始されるのだが…
 敵は隕石怪獣ギガドレド。一見隕石にしか見えない怪獣で、強いて言うならサザエのような姿をしている。宇宙空間に浮かぶ微生物が集合した群体生物で、あらゆるものを吸収し、やがて惑星の核を破壊するという。防御力は最強で、ウルトラセブン21のレジアショットさえも防ぎきった。内部に取り込んだミサイルの爆発によって破壊される。
 内閣とHEARTの間の齟齬が本シリーズの一つの売りだったが、それが端的に表れた話となった。結局そう言う場合割を食うのは中間管理職で、ここではミナト隊長がその役割を担うことになった。カタギリ次官が登場することによって、いつも苦言ばかり言ってるフジワラ秘書官がHEART寄りになってるのが特徴。
 なんだかんだで特撮には力が入っており、発射されたミサイルを手でたたき落とすネオスの姿なども見られる。
<一見して不気味すぎる物体を問答無用で「宇宙に持って行け」というのは無茶な命令だけど、お役所命令なんてそんなもんか。人命を無視するというのはやりすぎとはいえ。>
VOL.10
<A> <楽>
第11話 宇宙からの暗殺獣

  監督:高野敏幸
  脚本:武上純希
 隕石の落下を調査するHEART。そこで隕石に乗って飛来した怪獣グラールと、グラールに襲われているザム星人を発見する。カグラとナナは逃げ延びたザム星人の少年を保護するが、そこに謎の宇宙人メンシュハイトが現れ、少年を引き渡すように命令してくる。
 敵は暗殺怪獣グラール。オーソドックスな恐竜タイプの怪獣だが、全身に翼のような金色の突起があるのと、真っ赤な四つの目が特徴。地球に隠れ住んでいたザム星人を殺すために送り込まれてきたらしい。角から電撃を発し、巨大化したザム星人もあっという間に粉々にしてしまう。更にネオスのパワーを吸収するなど、大変な力を持っている。そしてそのグラールを操っていた究極進化帝王メンシュハイト。自ら「ザム星の盟主」を名乗る人型の宇宙人。実はダークマターによって生み出された究極の生命体だった。
 ラス前。これまで何度かに渡って登場していたザム星人の秘密が明かされることと、最強の敵メンシュハイトとの攻防が描かれる。
<ザム星人の生き残りの少年は人間と変わりない。台詞が棒読みなのが興醒め。
 内閣直属組織のHEARTが反乱するが、こう言うのが公務員だと思うと、怖いな。
 メンシュハイトの姿を見ていると、何となく大戦格闘ゲーム「ストリートファイターII」の豪鬼を思い出されるのだが、狙ったか?
 グラールにエネルギーを吸い取られてしまったネオスだったが、通常よりも長く活動してたりする。しかも人間の姿に戻らずにネオスの姿のままぶっ倒れてしまう。>
VOL.11
<A> <楽>
第12話 光の戦士よ永遠(とわ)に

  監督:高野敏幸
  脚本:武上純希
 グラールとの戦いでエネルギーを使い果たしたネオスを救ったのはゾフィとセブン21だった。二人からこれ以上の戦いは危険だと言い渡されるが、メンシュハイトから地球を救うため、カグラは敢えて戦いに赴くのだった。
 敵は究極進化帝王メンシュハイト。前回は人間体での登場だったが、ここでは怪獣化して地上で暴れ回る。ダークマターにより作られたメンシュハイトは、彼なりに宇宙の平和を考えていたようだが、その平和というのは自らによる宇宙の統治だった。怪獣化した姿はかなりグロテスクで、人類の考える悪魔のイメージそのもの(そこまで酷くないような気もするが)。セブン21とネオスの両面からの攻撃を凌ほどの力を持つ。空中に飛び上がって余裕で攻撃をしていたのだが、ザム星人の少年の力を受け取ったネオスとセブン21により光線技の連発を受けた上で二人にタコ殴りにされて破壊される。
 最終回。残り少ないエネルギーを使っての最後の戦いが展開される。エネルギーがないとか言いつつ、結構元気に戦ってた。
 最後くらいゾフィに戦って欲しかった気はする。結局ネオスを呼び戻すため、新しい命を故郷の光の国に取りに戻るだけしかやってなかった。
<カグラの機転で国防軍から逃げるアユミとザム星人の少年エスラー。行き先はまっすぐにハートビーターへ…どう考えても逃げられる訳ないじゃん。
 ゾフィから戦ってはならないと言われたのはネオスの方だったが、実際に戦う決意をしたのはカグラの方。この辺意思の疎通はどうなってるんだろう?ひょっとして背後でネオスは泣いてたかも知れない。
 メンシュハイトを倒したネオスとセブン21は、夕陽の中で仁王立ち。エネルギー少ないんだからさっさと変身解除するなり宇宙に飛んで行くなりすればいいのに。>
VOL.12
<A> <楽>