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ジャンボーグA

ジャンボーグA事典
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 1973'1'17〜12'29

 「ミラーマン」の後番組として円谷プロダクションによって作られた特撮作品。
 正義の宇宙人エメラルド星人から与えられたジャンボーグAを駆って地球侵略を目論むグロース星人と戦うヒーローの姿が描かれる。地球防衛組織も存在し、怪獣と戦っているのだが、主人公ナオキはあくまで個人として戦っているのが大きな特徴。時に協調し、時に反発しながら敵と戦い続ける。
 途中で新しいロボットとしてジャンボーグ9が登場するが、主役メカが変わるわけでなく、そのどちらも主役メカとして使用されている。勿論初めての試み(一応片方にエメラルド星人が乗るという形で二つの主役メカがそろい踏みして戦うというシーンも後半で用いられてはいる)。
 特撮が一番流行っていたのが70年代だが、その大部分はヒーローの描写は定式として作られることが多かった。その中で、当時の青年そのままの姿で描かれるナオキの姿は大変新鮮。まさに時代を映した作品だと言える。
 ジャンボーグAおよびジャンボーグ9は後にウルトラマンシリーズである「ウルトラマンゼロ」でジャンボットおよびジャンナインとしてリファインされて登場している。

主な登場人物
立花ナオキ (役)立花直樹。他に「ザ・カゲスター」姿影夫役。70年代後半に芸能界を引退した。
 地球防衛隊の家に生まれながら、航空機パイロットとなった青年。エメラルド星人から贈られたジャンボーグAを用い、地球の危機と闘うこととなる。のちにエメラルド星人からジャンボーグ9を貸与され、二体のロボットで戦う事になる。役は立花直樹。
立花茂子 (役)桜田千枝子。
 ナオキの義姉で和也の母。真也が殉職した後、PAT基地の食堂で働いている。
立花和也 (役)香山高寛。
 立花真也と茂子の一人息子の小学生。母の働いているPATの食堂にいつもいる。叔父であるナオキが大好きで、よく一緒に行動しており、そのため事件に巻き込まれることも多い。
岸竜造 (役)大橋一元。
 PAT隊員。隊長の立花信也殉職に伴い、隊長に昇格した。デッドファイヤーとの戦いでファイティングスターで特攻して殉職した。
浜田守 (役)松川勉。
 PAT隊員。岸が隊長に昇格した際、チーフとなり、岸の死後三代目隊長に就任する。後にPAT隊長会議に出かけたのを最後に登場しなくなった。チーフ時代はナオキに対して反感も持っていたが、隊長となってからは、おおらかになっていった。
村上浩 (役)和崎俊哉。言うまでもなく「ミラーマン」のSGM村上隊長役。
 PATの3代目キャップ。SGMからの出向で、ジャンボフェニックスに乗って颯爽と登場した。鬼のような表情と命令を下す。戦いに際しては大胆にして繊細な作戦を立て、ジャンボーグAと9をサポートした。
伴野 大作 (役)田崎潤。東宝特撮映画ではレギュラーだった。
 大利根航空社長。かつて地球パトロール隊の隊員らしく、PATメンバーを怒鳴りつけることもある。ジャンスピナーがジャンボーグAに変身することは知らず、老朽化したセスナを売ろうとしたこともある。
エメラルド星人 (声)納谷悟郎他
 エメラルド星に住む正義の住民。巨大化も出来、ジャンボーグAと共に戦うこともあった。地球活動には制限があるらしく、カラータイマー風の警告装置を胸に付けている。実際に姿を現したのは三人で、主にナオキの夢に現れる人物と、カイン、そしてジャンボーグ9に乗って戦った人物が存在する。又、この姿は後に『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』での光の国の人々に使われている。
アンチゴーネ (声)森山周一郎。
 1話〜12話。グロース星人の最初の将軍。アンチスティッカーを用い次々にサイボーグ怪獣を繰り出すが、ことごとくジャンボーグAに破れ、最後は大阪を支配しようとゴールデンアーム、デッドファイヤーと共に大阪に現れたところをジャンボーグAの剣に貫かれて死去。自分の作った怪獣に「キング」と付けるのが好みらしい。
マッドゴーネ (声)池水通洋。
 13話〜32話。アンチゴーネの兄で第二の地球攻略司令官。最後はグロース本星からの指令でPAT基地とジャンボーグ9を破壊するために自ら前線に赴く。
サタンゴーネ (声)戸田皓久、内田稔。
 グロース星からやってきた3番目の幹部。曲がりくねった角は脱着可能で、剣として使ったり、ミサイルのように使ったりもする。主に心理的な作戦を展開するが、失敗続きで、最後は体内にニトログロースを注入されてジャンボーグAに向かって特攻する。
デモンゴーネ (声)田中信夫、加川友里。
 グロース星人が派遣した4番目の地球攻略司令官。初めての女性型だが、実は二つの顔を持ち、片側は男性型。4回にわたり直接対決を挑むが、最後は月で殺された。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 エメラルド星からの贈り物

  監督:黒田義之
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:矢島信男
 暗黒の宇宙から地球侵略へと乗り出したマッドゴーネ率いるグロース星人。巨大な怪獣を用い地球の文明を破壊しようとしているグロース奮闘する地球パトロール隊の面々だが、怪獣キングジャイグラスの前になすすべもなかった。そんな時、殉職した地球パトロール隊立花真也の弟ナオキは、飛ばしていたセスナで緑の空間に包まれる。そこで出会ったのは、エメラルド星人と名乗り、彼に戦うための力ジャンボーグAを与えるのだった。
 敵はキングジャイグラス。トカゲを元に作られた怪獣で、口から炎を出す。最初奥多摩ダムを襲っていたが、その後作戦変更で東京を襲う。ジャンボーグAのヘッディングキラーによって倒された。
 70年代に作られた雰囲気たっぷりの話で、ちょっと社会からはみ出した青年が、地球の平和のために戦おうとする、そのきっかけが描かれていく。今回は紹介編だけに、かなり都合良く作られてる感じはあるものの、一話目としては充分だろう。
 物語はかなりハードに描かれ、最初に主人公の兄が殺されてしまうなど、かなり意志高く作られている感じ。
<グロース星人の合い言葉は「殺せ、奪え、焼き尽くせ」…ってこれ、三光作戦のことじゃないのか?
 宇宙船型のアンチゴーネと遭遇した地球パトロール隊は、「ロボット型の宇宙船と遭遇」と言っている。どう見てもロボットには見えないな。
 マッドゴーネはトカゲを元にキングジャイグラスを生み出す。それは良いが、真っ先に「ダムを破壊して東京を水浸しにしろ」と命令してる。初めて地球に来た第一声がそれとはずいぶんと事情通だな。
 ダムを破壊目前に、いきなり一日が経過し、その後キングジャイグラスに東京を襲わせるマッドゴーネ。妙な行動をするもんだ。
 ナオキの前に現れたエメラルド星人の姿は、なんかウルトラマンそっくり。やっぱり円谷だけある。
 碌々説明も受けてないのにセスナをジャンボーグAに変身させるためにポーズとかけ声がはまってるナオキ。
 初戦に勝利したジャンボーグAの前に現れたグロース星人は「これから次々と怪獣を繰り出してやる」と宣言。わざわざそんなこと教えてくれるなんて随分親切な宇宙人だ。>
VOL.1
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第2話 大逆襲!アンチゴー

  監督:黒田義之
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:矢島信男
 ジャンボーグAパイロットとなったナオキは、これからの戦いを前に体を鍛え続ける。だが、兄を見殺しにした地球パトロール隊をどうしても許すことが出来ず、喧嘩を始めてしまう。そんな時、三宅島の少年に血清を届ける任務と、東京に怪獣が出現するのが同時に起こってしまう。
 敵はルバンガーキング。玩具のロボットをベースに作られたロボット怪獣。背中の装甲が硬く、伏せた状態で背中の砲塔から銃撃する。全身から強烈な光を出し、ナオキの視力を奪った。ジャンサーベルによって耳を切られ、ビームエメラルドを受け破壊される。
 今回も70年代風味満点で、プライドが高く、喧嘩っ早いナオキの勝手な行動と、それが正義への心へと変わっていくまでが描かれていく。まだまだ自分勝手な行動が中心で、戦いも自分の力を見せつけるためとしか思えていない。この辺が少しずつ変化していくのが本作の面白さだろう。防衛隊としても、ジャンボーグAに邪魔されなければ怪獣をやっつけられた。という自負もあったりして、それが喧嘩の元となる。最後は喧嘩によって仲直りするのもこの当時の描写。
 同時にナオキの責任感を試すような話でもあり。これによって少し成長していく。
 他の巨大ヒーローものと較べ、地球人の武器が結構強力に描かれるのも本作の特徴だろうか?
<ナレーションで「立花ナオキが視力を失えば、ジャンボーグAもめ●らになってしまう」…流石70年代。
 地球パトロール隊のみんなはジャンボーグAが現れると、「ジャンボーグAだ」と言っている。いつ名前を知ったんだ?
 ナオキのセスナが行方不明というのに、「放っておけば良いんです」とかとんでもないことを言う熊井。確かに喧嘩してるけど、それはあんまり。>
第3話 倒せ怪獣・ジャンファイト

  監督:東條昭平
  脚本:田口成光
  特殊技術:高野宏一
 喧嘩に負けて帰って来た和也に喧嘩を教えるナオキ。そんな時グロース星人が放つチタンガーが現れた。
 敵はチタンガー。銀色の蝙蝠のような姿でアシメトリーな顔つきが特徴。京浜工業地帯を暴れ回るが、一旦はナオキのセスナの旋回で目を回して倒れてしまう。二度目の登場では目を回すことはなくなったが、ジャンボーグAのビームエメラルドを受けて破壊される。
 兄の死が相当のダメージを与えているナオキは、あくまで復讐のために怪獣と戦おうとする。これはこれでエネルギーの発散だが、これでは本当の意味での戦いにはならない。この話単体ではナオキとPATのどちらが正しいのかははっきりとはしないのだが、責任感というものをしっかりと描こうとしている事が見て取れる。
 結局ナオキがやってる怪獣退治はPATとは相容れないもので、そのためチームワークを大切にするPATからは疎まれている。ナオキもPATに対するものの言い方も激しいが、これはこれでPATメンバーからは愛されているようだ。
<野村隊員に向かって「女は黙ってろ」と言い放つナオキ。これも時代だな。
 ファイティングスターに潜り込んでしまった和也を降ろすことなく攻撃を続ける岸隊長。いい加減な組織だな。>
第4話 危うし!ジャンボーグA

  監督:東條昭平
  脚本:田口成光
  特殊技術:高野宏一
 PATの最新鋭ロケットが完成した。そのスーパーロケットのコントロール装置を守る任務が日本支部に任されたが、なんとその運搬に選ばれたのは大利根航空のナオキだった。
 敵はジャイアントロボット。全身銀色のいかにもロボットという感じ。左手からはミサイル。右手からは炎を出す。一度目の登場ではジャンボーグAに右手を破壊されて撤退。二回目では触角を破壊された後、ビームエメラルドで完全破壊される。
 子供一人の命と地球平和のどちらが大切か?もちろん地球平和の方だが、大抵の場合そのどちらも重要だとする。この話では、極端な主張をする人物が登場し、自分の子供まで平気で見殺しにしようとする。そんな親に対し、「人間の命は地球より重いんだ」と叫ぶナオキ。
 しかしスーパーロケットは完全な破壊兵器で、星一つを完全に破壊してしまうらしい。この設定って「ウルトラセブン」26話「超兵器R1号」と同じ。「人間が超兵器を作れば宇宙人はもっと強力な武器を考える。どこまでいっても終わりのない愚かな戦いになってしまうんだ」というナオキの台詞もダンのものと酷似している。
 これまで突出した青年としか見られなかったナオキがかなり優しい考えを持っていることもきちんと描かれている。
 結局はスーパーロケットの発射は失敗したのだが、本当に大切なものって何?ということもあって色々考えさせられる話になっている。
<マッドゴーネの「行け、ジャイアントロボット」は、昔を知る人にはかなりしみじみとした台詞になってる。つか、あれは東映だが。
 セスナ一機しかない大利根航空にスーパーロケットのコントロール装置運搬が任せられる。何故かこれが一番安全だったりするのだが。
 PAT研究部の所長は子煩悩だが、ジャイアントロボットが現れると息子を足蹴にして「うるさい」とか言い放ってる。凄い人だな。
 ジャイアントロボットを前に玩具の刀を振り回す子供を見たマッドゴーネは「やっぱり地球人の子供は馬鹿だ」と一言。まあ間違ってはいないのだが、その後でまさか親の方が全く同じ事をやるとはマッドゴーネも考えていなかっただろう。それにしても子供一人を殺そうと襲いかかる巨大ロボットってのはなかなかシュールな構図だ。
 そんでそのこの父親だが、スーパーロケットを破壊しようとしているジャイアントロボットを前に「ウヒヒヒ。オレがあいつをやっつけてやる〜」とか叫びだしてジャイアントロボットに向かっていく…恐ろしすぎる。ナオキが思い切り「基地外め」と言っているのも分かる。>
第5話 叫べナオキ!いまだ

  監督:岡村 精
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:矢島信男
 和也が行方不明となったと聞き、急いで家に帰って和也を探しに行くナオキ。実は父が死んでしまったことがショックで、父親参観日の日に一人町を彷徨っていたのだ。
 敵はデスコングキング。カオリの持っているパンダのぬいぐるみが巨大化したもの。最初はただのパンダで、その目が赤く光ると強烈な光で目を痛め、青く光ると人の心を操れる。巨大化しても、元がパンダのぬいぐるみだけに、結構愛嬌のある顔をしてるが、全身に爆弾をくっつけ、攻撃を受けると体を丸めて防御する。丸まって原子炉を破壊しようとしたところをジャンボーグAに受け止められ、ビームエメラルドで破壊される。
 子供の心を操り、発電施設を破壊しようとする怪獣に対しての戦い。
 ある意味で父の死が原因でPTSDとなってしまった和也の心の傷を癒す話。和也の兄貴として、何とか和也の心に入ろうとするナオキの奮闘が描かれる。
 母は強く、「男はそんなことでくよくよしないの」とか言ってビンタ。それに対しナオキは「和也のことは分かる。悲しむときはとことん悲しめばいい」と言っている。これが70年代の価値観ってやつだ。基本は子供自身がそれを解決するしかないのだ。
<帰り道の女の子を追いかけ、声色を使って籠絡するナオキ。この当時だと微笑ましい光景なのだが、現代だとこれは通報レベル。
 ジェットコンドルでグロース星人の宇宙船を発見する熊だ。「よし。たたき落としてやる」と言った瞬間、逆に光線を受けてしまう。はずさない奴だ。
 和也に向かって慰めてるはずのナオキは、「お父さんはもっと悔しかっただろう。グロース星人がお前とママを苦しめてるんだ」とか、とんでもないことを言ってる。それを子供に聞かせるなよ。それで復讐心を煽ってどうする?(友人にこのことを言ったら、「それってダースベイダーを作ってる」と言われた)
 空から来る宇宙船に対し、そこら辺の物陰に隠れて宇宙船をやり過ごそうとするナオキ。空からじゃすぐに見つかるだろうに。
 デスコングキングの攻撃は全身にくっついてる爆弾だが、それを点火するには一旦口から火を吐き、導火線に火をつけねばならない。何という手間のかかる攻撃だ。
 ジャンボーグAとデスコングキングとの戦いは原発の敷地内。それ自体で相当やばくないか?
 そこにある原子炉ってスリーマイル島タイプだけど、日本にこのタイプの原子炉はありません。>
第6話 絶望!売られたジャンセスナ

  監督:東條昭平
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:矢島信男
 突然伴野社長によりセスナが売られることとなったと告げられるナオキ。”ジャン”という愛称を付けたジャンセスナを売られることを拒否したナオキはジャンセスナに飛び乗り、逃げ出してしまう。
 敵はモンスロボ。一つ目と巨大な角が特徴のオーソドックスタイプの怪獣。ヘッディングキラーで首を落とされて倒された。
 ナオキとジャンボーグAは秘密のヒーローなので、何らかの思いもかけない理由で戦えなくなることがある。今回はまさしくそんな話で、ジャンセスナが売られてしまって動かせないナオキの怒りが主題。それが社会的に見るなら勝手な行いであることも自覚はしてるらしいが、それでも叫ばずにはいられないのが、流石70年代と言ったところか。
 そしてそんなナオキを見た和也は、土下座してまでセスナを買い戻そうとしている姿がある。涙ぐましい話だが、そうならないようにあらかじめPATなりに事情を話しておくべきなんじゃないだろうか?
 ジャンボーグAはナオキの動きに連動しているが、ダメージもフィードバックされるようで、ジャンボーグAのダメージはそのままナオキのダメージになってる。エメラルド星人も余計な機能を付けたもんだ。その方が観てる側は燃えるけど。
<ナオキを連れ戻してこいと言う命令に「嫌です」と答える熊野。重大な命令違反だと思うんだけど。
 その後、「自爆でも何でもしてくれ」とか言う浜野。PATも無茶言うな。
 セスナよりも簡単に落とされてしまう戦闘機ってのも悲しいものだ。
 ジャンボーグAを秘密にするのは敵にその正体を知られないためだという。だけど今回みたいに売られるとか、ナオキが怪我でもしたらジャンボーグAが動かせなくなる。だったら組織を頼るという発想は無いのかね、この人は。そもそもエメラルド星人も、ジャンセスナはナオキ以外動かせないとか工夫できなかったもんか?
 ジャンセスナを買い戻すために、毎日の食事を一食にして働きづめのナオキ。なんと非効率な金の稼ぎ方だ。不器用すぎるぞ。そんなナオキを見ていながら、何も言わない伴野社長にも問題があると思うけど。
 社長にジャンセスナを戻してくれ。と頼み込む和也の貯金箱は何故かミラーマンの姿をしている。同一世界?
 必殺技として角ミサイルを持つモンスロボ。だけど使用したのはファイティングスターに一回使っただけ。一度もジャンボーグAに使わなかったってのは問題ないか?
 モンスロボを倒したのは頭突きであるヘッディングキラー。これって搭乗者のナオキにモロにダメージ食いそうなんだが。>
VOL.2
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第7話 立て!孤独の英雄ナオキ

  監督:東條昭平
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:高野宏一
 狙いを病院に定めたマッドゴーネはアンチゴーネを病院の上に降下させ、病院を乗っ取ってしまった。そんな時、誤って和也に怪我をさせてしまったナオキはその病院に行くが、にべもなくあしらわれ、怒りを覚える。これがグロース星人の手によるものと直感したナオキはPATの助けを借りず単独で捜査を開始するが…
 敵はキングテッドゴン。丸い姿で、両手が鞭になっている。PATとの交戦でダメージを受けたジャンボーグAをもてあそぶかのように攻撃する。怒りのナオキによるレーザー攻撃、ゴールデンレザー、ビームエメラルドの連続攻撃で破壊された。
 病院を舞台にしたホラー風味満点の話。話が都合よく進みすぎるきらいがあるが、30分番組じゃこれが限界か?ナオキはジャンボーグAあってのヒーローなのに、単独で捜査するなど、かなり無茶なことをやってる。それに関しては一応熊井によるツッコミも入ってる。
 後半、グロース星人の基地となった病院を破壊し始めたジャンボーグAとPATが戦うシーンもあり。凄い話だな。そもそもPATとジャンボーグAの間には、そんなに信頼関係が無かったようだ。怪獣退治の専門家であるPATにとっては、次々に怪獣を倒すジャンボーグAは、多少恨みもあるのかもしれない。
 そろそろ日本も訴訟の意識が高まってきた折、病院の不祥事に深く突っ込んだ内容にもなってるので、見ようによっては社会派ドラマでもある。
 グロース星人の戦闘員が初登場。
 自分が見たことを得々と語るヒーローってのも、これまでには出てなかったこと。70年代風味は満点だ。
<和也を診てくれなかったというだけで病院に乗り込み、あまつさえ夜中に忍び込んで大声を上げてるナオキ。一般人にしてはやりすぎ。よくこれで通報されなかったもんだ。
 夜中に侵入したナオキは病院の職員に合わせるため、自らも顔を白塗りにするが、その変装に満足してニヤニヤ笑う顔は不気味というか、モロにバカ殿様。
 ここまで危機が迫っているというのにナオキに何の警告もしないエメラルド星人もかなり怠慢じゃないか?
 怪獣製造中の病院には様々な怪獣の頭部がおかれているが、その中にはレッドキングらしきものがあった。
 病院がグロース星人に支配されてることを知り、ジャンボーグAでいきなり病院を破壊するナオキ。周囲の被害を考えず、生きてる人もいるかもしれないのに、酷いヒーローだな。もうちょっとやり方もあったんじゃないのか?おかげでPATと戦うことになってしまった。
 ところでジャンボーグAが倒れてもナオキの足場は水平のまま。どういう構造になってるんだろう?>
第8話 夕陽に唄え!トランペッター

  監督:東條昭平
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:高野宏一
 突然PATの野村隊員からデートの誘いを受けたナオキは、なんとなく心ウキウキデートの指定場所へと向かう。だが、そこで野村は一人の少女をナオキに紹介するのだった。だまされたと知ったナオキは怒るが…
 敵はグラスキング。鳥型の怪獣で、呪いの能力を持つ。額から怪光線を出して攻撃する。三島光子の夢の中に現れ、彼女を苦しめ続ける。
 青春まっただ中のナオキの姿が描かれる。女の子とつきあいたくもあっても、そんなことは軟弱だ。と思う気持ちが勝り、結局恋が発展しない。80年代くらいまでの少女マンガの定番。そんな複雑な男の感情を描こうとしているらしい。怪獣が出てくるために話は深まっていかないが、おもしろい設定の話だ。
 それだけでなく、白血病を患う少女に対してどうつきあっていくか、というかなり重い内容にもなってる。結局助けることができなかった。というオチも良し。
 この頃から、いわゆるお見合いというのは友人同士で紹介しあうようになっていったんだな。
 ジャンボーグAとブラスキングの戦いも、光子のヴァイオエインの音楽をバックにしたもので、演出も良い。
 ナオキはトランペットを吹き、しかも結構巧いことがわかった。
<光子をセスナに乗せてほしい。という野村の頼みを無碍に断るナオキ。なんでも「芝居がばれたら傷つく」とのことだが、別段恋人でなくても乗せるだけだったら構わないのでは?
 夕焼けを見て青春を語らう男女…何とも気恥ずかしい70年代。
 名前を知ってるし、しかも電話までかけてるというのに、ナオキが光子を呼ぶときは「君」としか言わない。これも気恥ずかしさ?
 病床に伏せる光子に聞かせるべく、自分の思いを込めるようにトランペットを吹くナオキ。しかし、夜中にそんなの吹いてると近所迷惑だよ。
 ブラスキングは鳥という割にはボクシングスタイルで戦ってる。羽根が傷つくのは構わないの?
 結局最後まで光子とブラスキングの関係がわからないままなのだが、その辺はもうちょっと細かく設定してほしかったところ(たとえばブラスキングと光子の魂が重なっていて、ブラスキングが死んだ時、光子も死ぬのだとか)。>
第9話 絶体絶命!ジャンボーグA

  監督:志村 広
  脚本:田口成光
  特殊技術:矢島信男
 大利根航空にいきなりやってきた男風間一平。セスナの腕は俺の方が上だとナオキに挑戦状を叩きつける。
 敵はキングジンジャー。顔が足下にあるツインテール型の怪獣。腹部(?)に当たる部分からミサイルを出して攻撃する。大利根航空を狙って出現するが、それはジャンボーグAを誘い出すためだった。そしてフライトキング。キングジンジャの攻撃で瀕死となったジャンボーグAの前に現れる二体目の怪獣。
 前後編の前編でナオキのライバルが登場する話。時代劇町の格好付けは一人前。現代だったら痛々しい奴だが、この時代だと妙にはまって見える。
 いつの間にかナオキと野村隊員がいい雰囲気。尤もナオキの方は格好付けか、何という事もないように平然としてるポーズを崩さない。
 ナオキのいないジャンセスナは単なる障害物。あっけなく怪獣に破壊されかけた。ジャンボーグAは秘密なので、こう言うことも起こりかねない。怖い話ではある。
 一平の格好付けもそうだが、今回は全体的に演出過剰のきらいあり。
 ジャンボーグAが剣を使うシーンあり。巨大ヒーローものには珍しいな。あっと言う間に奪い取られてしまうけど。
<オープニングいきなり登場してカメラ目線で自己紹介する一平。一体誰に向かって喋ってるんだ?
 キングジンジャは構造上、ものすごい短足。動きにくそうだな。
 キングジンジャが狙ってるのは大利根航空。アンチゴーネがジャンボーグAの事を知った?と言うわけではなく、単なる偶然らしいが、何という偶然。
 ジャンセスナが破壊されたと思いこんだナオキはタンクローリーでキングジンジャに特攻をかける。やりすぎだろそりゃ。エメラルド星人もそれを黙って見てたのか?>
第10話 響け!戦いのトランペット

  監督:志村 広
  脚本:田口成光
  特殊技術:矢島信男
 キングジンジャを退けることには成功したものの、アンチゴーネは更にフライトキングを投入。圧倒的パワーで戦いに弱ったジャンボーグAを攻めるのだった。
 敵はキングジンジャー。戦いは前回から続いているものの、あっという目に倒されてしまう。そしてフライトキング。空飛ぶカエルといった風情のサイボーグ怪獣。頭の上にあるドリルを発射して攻撃する。パワーアップ後、ドリルの先端に丸ノコをつけた。
 前後編の後編にあたる話で、豪気に怪獣も二体登場。ただ地上では相変わらずナオキと一平の確執が続いている。一平は小物っぷりを示しているが、一方のその主人公のナオキ自身も余裕が無く、小物っぽいのが本作の特徴でもあるのだが。それで少しは成長したことになるのかな?
<前回のラストで殊勝に整備係を買って出たナオキだが、一旦ジャンに乗ったら態度が急にでかくなってる。それがナオキってもんだ。
 怒った一平は喧嘩でナオキに挑むのだが、こう言う時に主人公に挑む場合、自分の小物っぷりを見せつけることになる。
 怪獣が出たときにジャンボーグAが必要なのは分かるけど、それで怪獣の目の前に降りろとか言ってるナオキもいい加減怖い奴だな。つか、それでよく生きてたな。これで死んだら全責任はナオキだぞ。
 足を攻撃されたジャンボーグAは足を押さえて苦しんでるけど、痛覚はあるんだろうか?
 フライトキングに施されたパワーアップは顔の上のドリルに丸ノコを付けることだった。パワーダウンしただけのような?まともに攻撃も当たらないし。
 ジャンボーグAが傷つくと、ジャンも壊れる。自動で直る機能は付いてないらしい。>
第11話 壮烈!! 涙の一撃

  監督:鈴木俊継
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:高野宏一
 ジャンセスナの飛行中、そこに一人の少年と犬が乗り込んでいたのをナオキは発見する。その少年健太は飛行機が大好きな孤児で、いつしか空港に居着いてしまう。そんな健太少年が飼っていた子犬のピスがアンチゴーネにより、怪獣化させられてしまう。
 敵はドクロスキング。丸い胴体の下腹部に顔がある、タッコング型の怪獣。健太少年の友達の犬ピスが変身させられてしまった。救われることなく健太の乗るジャンボーグAにより破壊される。
 ヒーローと子供の交流が描かれる話。定番と言えば定番だが、何せヒーロー側が70年代青年だけあって、「心の健康」などという先生には真っ向から対立。「男は自分で生きる道を見つけるもんだ」とか言ってる。格好はいいけど、子供にそこまで求めるのは酷じゃないか?
<冒頭でナオキはジャンセスナの密航者を見つける訳だが、出発前の点検って、そんなにいい加減なものか?
 健太を助ける際、手に怪我をしてしまったナオキ。野村隊員が甲斐甲斐しく包帯を巻いてやってるが、服の上から包帯を巻いてる。
 復讐のため怪獣を殺してこそ男になれる。というのがナオキの主張。それはともかく、目の前にいる怪獣は健太の両親を殺した怪獣じゃなく、しかもペットのピスが変身させられたもの。これを殺せって、酷くないか?
 ジャンボーグAを磔にしたのはいいけど、ドクロスキングがやってるのは体当たりするだけ。せっかくのミサイルも至近距離で外してる。
 ジャンボーグAの奥の手で、体の表面を爆発させる事が出来るのだが、爆発時点でジャンボーグAの体がグニャグニャになってるんだけど。>
VOL.3
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第12話 大阪に死す! ジャンボーグA

  監督:鈴木俊継
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:高野宏一
 夢でエメラルド星人と出会ったナオキは、エメラルド星人から、これからの戦いはジャンボーグAをしのぐ敵との戦いになるため、PATとの連携が不可欠であるとと警告する。ナオキはそれを夢と笑い飛ばすのだが、実際にアンチゴーネは最強のサイボーグ怪獣を投入してきた。
 敵はゴールデンアーム。ジャンボーグAを徹底解析して生み出されたサイボーグ怪獣で、ジャンボーグAをしのぐ性能を持つ。全身が武器庫と言った感じで、体中からミサイルを出して攻撃する。なぜか背中にはマントを羽織っている。終始ジャンボーグAを圧倒するが、一か八かのヘッディングギアによって首を落とされて倒される。そしてデッドファイアー
 いよいよジャンボーグAをしのぐサイボーグ怪獣が登場。戦いはこれまで以上に過酷になり、PATとの連携が重要になっていく。しかし、ジャンボーグAに絶大な信頼を置くナオキは単独で戦おうとする。この辺がこの作品の面白さだな。いかにも70年代風だ。
 今回ミラーマンの鏡太郎役??が登場。名前が鏡一郎というのが笑える。PATのプリンスだそうで、喧嘩でもナオキ以上の強さを見せている。そんな鏡一郎を「気障野郎」と断定し、徹底的に嫌っている。大人の鏡一郎に、子供のナオキの対比がおもしろい。
 そして、新しいサイボーグ怪獣デッドファイアーの登場によって、PAT隊長の岸がデッドファイアーに突入して爆死。早くも死人がでてしまったか…
 ここでエメラルド星人が登場。ウルトラマンに似た姿をしている。
 そして今回、ついにナオキがジャンボーグAを操縦していることがばれてしまった。
 戦いのシーンではちょっとだけ早回しを使っているため、もの凄くスピーディに戦いが展開。
<アンチゴーネが大阪を標的にするのは良いけど、本拠地を通天閣にするってのは、ちょっと出来過ぎな感じ。
 サイボーグ怪獣に対し、格闘戦のみで挑むジャンボーグA。相手は飛び道具持ってるんだから、こっちも対抗位しろよ。
 ゴールデンアームにはじきとばされたジャンボーグAは背後の通天閣にぶつかるが、通天閣がふらふらと揺れてる。>
第13話 よみがえれ今! ジャンボーグA

  監督:鈴木俊継
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:高野宏一
 岸隊長の殉職という結果を受け、エメラルド星人はナオキを解任し、岸鏡一郎にジャンボーグAを任せると宣言する。その悔しさのもって行き場に困るナオキだが…
 敵はデッドファイヤー。大阪を破壊するために生み出された怪獣。口から炎を出す。そしてアンチゴーネ。巨大化してデッドファイヤーと共にジャンボーグAと戦うが、ここでジャンボーグAの剣に貫かれて絶命する。
 前後編の後編で第一部の終了。ジャンボーグAパイロットから解任されてしまったナオキの苦悩が描かれる。実際、若者そのものだったナオキの身勝手な行動はこれまでもかなり目立ったので、当然の結果とも言えるけど。そしてこう言った試練を受けることで徐々にナオキも成長していく。最後にアンチゴーネの死と、新しくマットゴーネの登場も併せて描かれる。
 自分の勝手な行動が遠因となり、PAT隊長の岸の死を招いたのだが、そのナオキ本人の責任とは、あくまで戦い続けることだった。それはちょっと間違ってる気もするんだけど。
 たとえ隊長が死んでも怪獣が出たら出撃しなければならないPATの苦労も描かれている。今回はむしろナオキよりも兄を失った鏡一郎の方が主体のようだ。実際こちらの方が主人公としてはよっぽどそれっぽい感じがする。でもあくまで客演だしね。
<アンチゴーネによれば大阪を燃やし尽くすのだそうだ。通天閣を拠点に日本侵略するとも言っているのだが、どっちかはっきりしろよ。
 拠点とするはずの通天閣を勝手に焼くデッドファイヤー。アンチゴーネもそれを黙って見ている。
 ジャンボーグAに乗れなくなったら、タンクローリーを怪獣にぶつける。それは前にも同じことをやってるけど、成長がないな。
 その姿を見て感動したエメラルド星人から再びジャンボーグAを任されることになるのだが、無謀なだけの気がするんだけどねえ。
 ナオキを乗せる前にジャンボーグAは勝手に飛んできたのだが、やっぱり中に誰も乗ってなかったのだろう。どうやって勝手に発進したんだ?見られて…なかったんだろうな。>
第14話 恐怖! 夜空に舞う地獄花

  監督:東條昭平
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:矢島信男
 グロース星人の新たなる幹部マッドゴーネはマッドフラワーによる地球侵略作戦を開始した。人間の体液を吸い、成長するマッドフラワーに、PATは
 敵はマッドフラワー。人間の体液を吸い、成長する真っ赤な花。体液を吸われた人間はミイラ化してしまう。日本全国に繁殖する作戦を防がれた際、最後の一体が怪獣化する。両手のツタと目か出る強烈な光で攻撃する。ジャンボーグAの胸から出る枯れ葉剤で駆逐された。
 ここから第2部。OPにナレーションが入り、新しい敵幹部マッドゴーネの登場が描かれる。
 PATも新編成。浜田が新隊長となり、新たな隊員が入ったが、その一人は風間一平。先にナオキからジャンセスナを奪おうとしたあの男。意外なところで出てきた。なんかナオキの方も素直に浜田の新隊長就任を祝福してるし、PATに普通に同行してる。準隊員みたいなものなのか?ジャンボーグAとの戦いにもシューティングスターがちゃんとサポートしてる。ずいぶん仲良くなったもんだ。
 舞台は川崎。丁度公害問題が起こっていた時期であり、和也なんかは空気が汚いとか言ってる。それで川崎に住む少女はマッドフラワーを「神様が贈ってくれた」とか言って喜んでる。皮肉な物語だな。
 人間がミイラ化するシーンもちゃんと描いているのは良いけど、これ子供にトラウマを与えないか?
<公害によってマッドフラワーは成長するらしいが、川崎と場所が特定されているのが何とも。さすが70年代。
 花が動いた。というナオキをはなから信じないPATの連中。地球を守る使命を持った人間がそれで良いのか?
 PATのマッドフラワー駆逐作戦中、一般人が平気で入り込んでる。
 生き残ったマッドフラワーを持っていった少女を探すのに、PATではなくナオキを頼る和也。この人の考えがよく分かるな。
 マッドフラワーはずいぶん簡単に駆除されてるけど、その程度の生命力でよく作戦が立てられたな。
 マッドフラワーが怪獣化したのは夜なのだが、次の瞬間昼間になってる。
 最後にマッドフラワーを倒したのはジャンボーグAの枯れ葉剤だった。もうじき使用禁止になるんだよね。>
第15話 嵐を呼ぶマッドゴーネ

  監督:東條昭平
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:矢島信男
 空手の特訓をしている青年石川信次を操り、立花ナオキとジャンボーグAの秘密を探ろうとするマッドゴーネ。そうと知らないナオキは彼をジャンセスナに乗せ、八丈島へと向かう。だが途中でエンジントラブルが起こり…
 敵はマイティグロース。四本足怪獣で、長い首が特徴。襟巻き状の首から光線を放つ。ビームエメラルド一発では倒すことができず、ヘッディングギアで首を落とされる。
 人間を操るってのは特撮には定番。何せヒーローは生身の人間を攻撃するわけにいかないので、敵に洗脳されると攻撃できなくなる。その割に平気に殴る蹴るしてる気もするが、その辺は見ない方向で。
 劇中2回もジャンセスナが操縦不能に陥ってしまった。エメラルド星人の科学力ってどんな程度なんだろう?
 PATの新隊員一平はなかなかのコメディリリーフで、なかなかいい味だしてる。「親分てえへんだてえへんだ」と言った感じ。
<ナオキがジャンボーグAのパイロットであり、ジャンセスナに秘密があることを薄々気づいたらしいマッドゴーネだが、だったらナオキを直接攻撃すれば済みそうなもの。それを敢えてしないのは、第2第3のジャンボーグAを出さないため…と言うことにしておこうか。
 エメラルド星人から贈られたジャンセスナがエンジントラブル起こすというのも変な話だ。
 PAT本部は奥秩父にあることがはっきりと分かったが、そうすると前回和也が川崎に行ったってのは随分遠出だったんだな。
 マッドゴーネの洗脳というのは、耳に付けた通信装置だけらしい。もうちょっと深いものかと思ったけど。
 PAT本部に迎撃システムはないらしいが、中にいるのが立花家の二人だけみたいな描写はいかがなものか?>
第16話 怪奇! 魔女怪獣現わる

  監督:鈴木俊継
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:真野田陽一
 マッドゴーネのロボット宇宙船を見たナオキと和也は宇宙船を追って山奥の谷へとはいるだがそこで二人が見たものは黒づくめの女性。PATはその谷を調べることになったのだが、そこで怪音波を受けてしまう。そこになにがあるのか、再びナオキは調べ始めるが…
 敵はデモンスター。魔女谷に住む魔女の正体。人間の姿をして催眠音波を発し、飛行機を落としていた。恐竜型で飛べそうにない小さな羽根を背負ってる。必殺風車で真っ二つにされた。
 呪いを主題とした怪奇ものの作品。ロボットものには珍しい…訳でもないか。魔女ってのは面白い選択だ。迷信に凝り固まった村人に生け贄にされそうになったり、相当時代錯誤な描写があったりもするが。
 このところPATとは友好関係にあったナオキだが、久々にPATの連中と喧嘩してる。だいぶ丸くなったと思ったんだけどね。
<魔女谷付近を飛行すると魔女の声が聞こえ、飛行機が次々に墜落してしまう。人に気づかれないように秘密基地を作っていた理由がないんじゃないか?
 怪我をした和也を村の家に置いてPATに連絡を取ろうと外に向かうナオキ。この村には電話というものがないのか?駐在所にはあって、それで和也が電話かけてるけど、この時代でも電話がないなんてことあったんだろうか?>
VOL.4
<A> <楽>
第17話 エメラルド星から来たカイン

  監督:東條昭平
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:高野宏一
 マッドゴーネによる地球侵略作戦は着々と進んでいた。そんな地球に一つの光がやってくる。危機に陥ったナオキを助けた彼はエメラルド星人カインと名乗る。
 敵はフリーザーキラー「ウルトラマン」のペスターと同じく二人着ぐるみ怪獣。あらゆるものを凍らせるフリーザー光線を発する。エメラルド星人カインを倒した後、ネオフリーザー光線が搭載される。
 これまで偉そうにナオキに指令を与えていただけのエメラルド星人が初めて登場する。その際、何故地球人にジャンボーグAを与えたかが明らかになるが、それはエメラルド星を攻撃するグロース星人を阻止するため…って、それって地球は防波堤か?今回出てきたカインはそれに我慢できずに自分から戦ってるけど。
 それでカインが命を失ったのを見たナオキは、自分の使命の重さを噛みしめてる。これも成長の話なんだな。
 喧嘩に負けてナオキに泣きつく和也に対し、やられたらやり返せ。と励ますナオキ。これも時代の話だな。物語には何の関わりを持たないのが何だが。
<フリーザー光線を浴びたジェットコンドルは空中で機能停止。しかし、本当に空中で静止してる。どんな光線だ?
 ジェットコンドルがやられたのを見た浜田隊長は、「フリーザー光線だな」とその武器を見破ってる。どこからそんな知識を入れた?
 エメラルド星人の胸にはカラータイマーらしきものがある。エメラルド星はウルトラの星の一部なんだろうか?顔も似てるけど(ジョーニアス似)。
 戦い終わった直後にセスナに戻るジャンボーグA。絶対見られてると思うんだけどな。
 「もうジャンボーグAには頼るな」と言ってる浜田隊長だが、いざジャンボーグAが現れると、「強いぞジャンボーグA」とか歓声を送ってる。>
第18話 恐怖! アントロンの罠

  監督:鈴木俊継
  脚本:田口成光
  特殊技術:真野田陽一
 霧ヶ岳にハイキングに来た和也と友達。一方、荷物を運ぶため霧ヶ岳上空を飛んでいたのだが、そんなところに怪獣アントロンが現れる。
 敵はアントロン。偶然霧ヶ岳上空を飛んでいたジャンセスナを攻撃するため攻撃する。全身武器の固まりで、さらに体を分離することで敵の攻撃をさける。それぞれのパーツが人間の姿を取ることも出来る。
 偶然マッドゴーネの前線基地に迷い込んでしまった和也の活躍を描く話。グロース星人の前線基地はもうほんのわずかまで近づいていることが分かる。でも、前に一度PAT基地を攻撃してるんだから、そんな用意は不要の気がするけど。
 会社の荷物を運ぶよりも怪獣を倒す方を優先するナオキは、いつまで経っても出世できない。そんな姿も見える。
<和也たちが来た霧ヶ岳はPAT基地から10数キロ先だという。ハイキングとは言え、どうやってそこまで歩いてきたの?
 上空から和也たちを発見するナオキ。子供が三人いるって程度ではなく、個体認識までしてる。目が良すぎるぞ。
 アントロンと戦うため、ジャンセスナをジャンボーグAに変形させるナオキ。それはいいのだが、その際積み荷を窓から放り投げてる。別段そこまでする必要はないような?
 アントロンの目の前でジャンボーグAに変身させるナオキ。絶対ばれてる。
 おっとり刀で駆けつけたPATはそこに怪獣を発見できず、そのまま帰ってしまう。事前にレーダーで探すとかしないの?
 何とかしてPATを説得しようと言って、怪獣のことを説明するナオキだが、馬鹿にされてあっと言う間にキレてしまう。「もうPATなんか頼るもんか」…って、説得はどうした?
 電波も届かないはずの村には立派な橋がかかり、街灯まで装備されている。妙に近代的な村だな。>
第19話 危うし! 死の水爆ミサイル

  監督:東條昭平
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:高野宏一
 母からの手紙を受け取った一平。実は母に送った手紙にはPAT隊のチーフになったと書いてしまい、その雄志を見るために母が上京してくることになってしまう。すっかりしょげる一平を励まそうと、一日だけ熊井とチーフを交代することになった。そんな時、水爆ミサイルを積んだ輸送機がマッドゴーネによって捕らえられてしまう。
 敵はヴァレンタイン。黒雲をまとって現れるタコのような触手を持つ怪獣。ジャンボーグAもよって触手を結ばれ、身動きできなくなったところをビームエメラルドでとどめを刺された。
 新米PAT隊員一平が中心となった話で、とりあえずここで転任により退場。元々家出同然だったはずなのに、妙に母に孝行を尽くすあたり、矛盾の多いキャラではある。調子がいい男だが、熱さがある。もう少し長く登場してほしかったキャラだった。
 今回マッドゴーネが使った作戦は水爆を東京に投下しようと言うもの。目的を侵略から破壊に変えたのかな?
<PATは一応地球防衛隊なのだが、一般人が簡単に本部に入ってしまうとか、危機管理が低すぎる。
 水爆ミサイルと言っていたが実際には投下型。
 PATの謹慎処分とは、PAT基地から追い出すことだった。機密を持ってるんだから、基地内部に閉じこめるのが普通なのでは?
 水爆を積んだ輸送機を飛んで追いかけるヴァレンタイン。なぜか空中でばた足してる。必死に追いかけてる風だが、笑える。
 水爆を投下する予定の飛行機が地面すれすれを飛んでるのだが、それ以前に爆弾落とそうとしない?
 ヴァレンタインに捕まったシューティングスターと__はジャンボーグAに触手斬られた途端、又動き出す。これってジェット機だと出来ないんだよね。
 ヴァレンタインとジャンボーグAとの戦いでは、なんと触手を結んで身動きとれないようにしてしまう…笑わせようとしてるのか?>
第20話 ポンコツ自動車の大反乱!

  監督:黒田義之
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:矢島信男
 和也は学校で喧嘩っ早い子供と友達になった。その父親の運転するトラックがスクラップにされることになったのだが、その車がマッドゴーネによって暴走させられてしまう。
 敵はダンプコング。スクラップ行きのポンコツ車が合体して誕生したロボット怪獣。体の各所に車の名残がある。機械のきしみ音のような叫び声をあげる。タイヤや排気ガスで攻撃する。
 和也の友達がマッドゴーネの侵略に巻き込まれてしまった話。東映ものでは定番だが、円谷ものではそう多くない。
 東京に車があふれだしている世相を描いた側面もあるし、職業差別する子供たちの姿も出てくるので、結構社会派の意識が強い話でもある。
 これが初めてというわけではないが、グロース星人の戦闘員が登場。ケムール人のような顔をしてる。「ミラーマン」のインベーダーの流用にも見えるけど。
<東京の人間に宣戦布告するマッドゴーネ。「車の多さにつけ込んで侵略してやる」とか言ってるけど、侵略する側が「つけ込む」とか言っちゃいけないだろ。
 火災を消すために消火液を噴霧するシーンがあるが、遥か上空で散布してるはずなのに、まるで建物の至近距離から消化器を噴霧してるかのような勢い。
 マサオ少年の声に応え、ダンプキングを元のトラックに戻しているが、そんな事が出来るんだったら11話の健太少年の立場がないな。今回はグロース星人が操っていたから特別なのか?>
第21話 怪奇! 宇宙の怪獣墓場

  監督:黒田義之
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:矢島信男
 地球とエメラルド星を同時攻略しているグロース星人は、地球人にエメラルド星を攻撃するよう仕組む。エメラルド星にグロース星人の前線基地があると思いこんだPATはエメラルド星に向けミサイルを発射しようとする。
 敵はウータン。ガス状惑星に生息する幽霊怪獣。死んだ怪獣を幽霊にしてよみがえらせる力がある。体を丸め、球状になって攻撃もできる。そしてウータンによって幽霊となって復活したキングジャイラス、アントロン、バレンタイン、デスコングキング。
 地球の味方であるエメラルド星に向かって地球側が攻撃してしまうという話。かなり重い内容になってる。
 ナオキにだけ真実を告げているエメラルド星人だが、もっと広く協力を仰ぐ必要があったという事実を知らしめた事件でもある。見所が多いので前後編でやった方が良かったように思う。
 ついに(というかようやくというべきか)ナオキがジャンボーグAと関わりがあることを知ったマッドゴーネの攻撃を受けるナオキの姿もあり。グロース星人の戦闘員を簡単にのしてしまってる。ナオキってそんなに強いの?
 前にジャンボーグAに乗せた健太が再登場。こんな口の軽い子供をジャンボーグに乗せて良かったのかな?
<エメラルド星がどこにあるのか不明だが、普通のロケットで攻撃できるほど近くにあるらしい。それどこよ?月よりも近いのか?
 ジャンボーグAは宇宙も飛べる。その燃料はどうやって得てるんだろう?
 PATの誤解を解くんだったらジャンボーグAで訴えれば良いと思うのだが、それはやらないのね。効率悪い。
 ジャンボーグAにもう地球に戻るエネルギーはないと勝ち誇るマッドゴーネ。でも普通に戻ってるし、元気いっぱい戦ってもいる。どこがエネルギー切れだ。
 必殺風車でまっぷたつにされたウータン。だけど当たる前から二つに切れてるぞ。>
VOL.5
<A> <楽>
第22話 パット全滅作戦!!

  監督:黒田義之
  脚本:田口成光
  特殊技術:矢島信男
 マッドゴーネは自ら巨大化して日本侵略を開始すると宣言する。次々に町に現れたグロース星人により、次々乗り移られてしまう町の人間たち。偶然それを目撃してしまった信一少年だが…
 敵はテロキング。額に火炎放射装置を付けた怪獣で、マッドゴーネの予告通りに町を破壊している。顔の周りにいくつもの触手を持ち、そこから弾丸を発射する。
 これまで力押しばかりだったマッドゴーネが今回は絡め手に出た。アジテーションによって世間の耳目を集め、作戦に都合のいい世論を作ろうとしている。尤もやり方が稚拙なので、今一つ効果は上がってないけど。
 世界パトロール隊参謀の小野寺が登場。参謀という割に作戦もなにもなしに現場に率先して出ているが。
 全般的に物語としては完成度は低いのが残念。
<PATの自動車を奪い、テロキングに特攻をかけるナオキ。ジャンボーグAに乗れるのは自分しかいないのに、無茶やってる。
 今回の舞台は銀座っぽいけど、こんなところにも友達がいる和也。一体どこに住んでるんだろう?
 怪獣が現れるまで地上待機しているPAT。それはいいんだが、地上で攻撃してるうちに飛行機が使えなくなってしまってるぞ。
 テロキングの攻撃を受けて操縦不能になったジャン。だけどジャンファイトと叫ぶといつも通り宙返りもできるし、戦いが終わったら普通に飛んでる。
 小野寺参謀からPAT入隊の誘いを受けるナオキだが、その際小野寺は「前隊長の弟」と言っていた。前々隊長なんだけどね。>
第23話 祭りだ! おみこし大変身

  監督:東條昭平
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:高野宏一
 年に一度のPAT祭りが近づいていた。そんな中、PAT基地から基地の設計図が盗まれてしまう。それを知った浜田はPAT祭りの中止を進言するが、小野寺参謀により例年通り祭りは行われることに。だがこども会が作った怪獣御輿にグロース星人が潜入してしまう…
 敵はストーンキング。こども会が作った怪獣御輿にグロース星人が入り込んで巨大化した馬型の怪獣。ドドンゴっぽい。
 祭りと怪獣という不思議な組み合わせで展開する話。子供も多数出てくるので、話としてもあまり暗くしないよう注意はしているらしい。特に後半は御輿の中に入ったグロース星人を外に追い出すため、わっしょいわっしょいとみんなで御輿担ぎまでやってる。
<易々と本部にまでグロース星人を入れてしまうPAT。えらく不用心…というか、グロース星人の方もその時点で破壊工作していれば良かったのに。
 太陽光でエネルギーチャージできるようになったジャンボーグA。今までそんな設定無かったはずだが、これでエネルギー切れ起こすことはなくなったという。えらくご都合主義な。>
第24話 死闘! 海底の秘密基地

  監督:東條昭平
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:高野宏一
 熱海沖を撮影するカメラマンをジャンセスナに乗せたナオキ。ところが現像した写真には何故か怪獣の影が映っていた。調査を志願したナオキは熊井と共に熱海へと向かう。
 敵はガメレオンキング。河童のような姿をした怪獣で熱海沖の海底基地を守っていた。長い舌を使ってジェットコンドルとシューティングスターを捕らえた。かなりデザインが良い。
 「仮面ライダー」シリーズでは定番だが、タイアップ作品で、熱海のホテルや名所などをめぐりながら怪獣と戦いを繰り広げる。ロケ自体はそんなに長くなかったけど、充分それを見せるためか、今回は人間ドラマを長く展開。
 いつもナオキと喧嘩ばかりしている熊井が今回はついにグロース星人に操られてしまう。この人も貧乏くじばかり引かされるなあ。でも今回初めて本当に中心になって話を展開させていた。
 珍しくナオキが「熊井さん」とさん付けて呼んでるけど、そんな時に初めてナオキと喧嘩して勝ってたりする。目がかなりイッてしまってるよ。面白い
 ナオキとグロース星人が直接戦うシーンもある。
<グロース星人が通信機を持ち出したのを見て、それで人間を操る事を推測したナオキだが、熊井が操られていても、全然気づかない。
 これまで散々ナオキがジャンボーグAと関係している事を指摘していたマッドゴーネだが、操られてる熊井がナオキ捕らえても、放っておいてる。
 海に沈められたジェットコンドルの酸素は1時間しか保たない。宇宙にも出られるほどの性能でも、通常運用だとそんなもんか?
 グロース星人に対しては非情なナオキ。倒れたグロース星人に対しても銃を撃ちまくってる。
 罠を張ってナオキを待っていた熊井は銃を突きつけ、「動くと死ぬぞ」と脅してる。操られてるならすぐに撃てよ。
 グロース星人からもらった時限爆弾はご丁寧にチクタクとやかましい音を立ててる。お陰ですぐに見つかってしまったが、グロース星人の科学力って高いのか低いのか分からないな。
 ガメレオンキングが倒された途端、島がグロース星人の基地であることが分かった。偽装してたんだろうか?>
第25話 グロース第1号作戦
チビッコどもを改造せよ

  監督:樋口弘美
  脚本:安藤豊弘
      岡野 敬
  特殊技術:矢島信男
 マッドゴーネは新たなるサイボーグ怪獣に地球の子供の頭脳を移植しようと試みる。まずは小学校の先生を洗脳し、その先生に子供を連れ去らせる。先生に連れられ、とある洋館へと到着した和也達…
 敵はガイアグネス。子供の頭脳を取り込んで完全体となる予定だったが、こども達に逃げられたため、未完成で出撃。自在に動き、分離も出来る長い尻尾と、先端から火花が出る鞭を武器とする。
 又しても狙われる和也。今度は小学校の友達と一緒に脳改造されそうになるのだが、和也は友達を逃がすために自らが囮となる。なかなか格好良いじゃないか。
 グロース星人には女性もいる。一応雌雄別体なんだ。
 ちょっとナオキの髪型が変わって、よりワイルドな雰囲気になった。
<和也が狙われたのは偶然だが、それにしても襲われる確率が高すぎるな。
 グロース星人による洗脳方法は様々で、15話ではでっかい通信機を頭に取り付けていたが、24話では小さなイヤーフォン。そして今回は光線を目に当てるだけ。一応進化はしてるようだ。でも前回これやってたら、PATはすぐに侵略されてただろうな。しかし、この洗脳は割と簡単に解けてしまうらしい。
 脚を怪我しているため、自らが囮となって圭太を逃がす和也。怪我をしてる割には跳んだり跳ねたりしてるぞ。
 和也の危機に、取るものも取らず愛車を走らせるナオキ。グロース星人が相手だったらジャンセスナを使った方が良くはないか?しかもPATは野村を除き全員出撃してる。もっと警察とか頼りにしようよ。>
第26話 グロース第2号作戦
気ちがい星とノンビリゴン

  監督:樋口弘美
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:矢島信男
 あまりにも忙しく働いている地球人を見たマッドゴーネが考えた次なる作戦は、地球人を怠け者にするというものだった。怪獣ノンビリゴンの光線を浴びた人はみんな怠惰になってしまう。街中に現れ、迷惑なノンビリゴンをどうするか…
 敵はノンビリゴン。街中でただ寝ているだけの怪獣だが、その光線を浴びた大人はのんびりしてしまう。体内にグロース星人を多数収納し、破壊活動を行った。破壊するとこども達が悲しむという理由でジャンボーグAによって宇宙に運ばれた。
 タイトルは一応これになってるが、後になってやはり問題があったのか、「謎!ノンビリゴンの正体」に変わってる。「ウルトラマン」34話と「帰ってきたウルトラマン」48話をミックスさせたみたいな話だが、単純に正義の組織だけでなく民間の市民団体まで出てくるのが特徴的。やっぱりこれが時代というものか。
 一方、おとなをのんびりさせると言うことでこども達にとってはノンビリゴンは一種のヒーロー。PATやナオキが悪者にされてるのも面白い。
 社長命令でジャンセスナのキーを渡してもらえず、ジャンボーグAを出撃させられないナオキの姿も結構情けないが、今までこういう事態になってない方がおかしい気はする。
<オープニングナレーションは今では到底書けないマッドゴーネの一人言。色々不都合があるのでここでも書かない。
 怪獣が出てきて迷惑してるという市民達は、「邪魔」とか「子供の勉強妨害」とか「日当たりが悪くなる」とか妙な理屈を付けてくる。
 怪獣のネーミングはこども達だったが、マッドゴーネもやっぱり「ノンビリゴン」と言っている。
 ノンビリゴンの光線で破壊される町並み。それでもノンビリゴンを応援するこども達…えらくシュールな光景に見える。
 ノンビリゴンが殺されたと思ってノンビリゴンの名前を叫ぶこども達。随分時間経ってるようだが、その間ずーっとジャンボーグAは仁王立ちのまま。ちょっと無理あるよね?
 それでノンビリゴンを宇宙に戻したナオキは「こども達が呼んだら帰ってこい」と呟いてる。戻ってきたらえらい迷惑…というか、来たら退治するだろうに。>
VOL.6
<A> <楽>
第27話 ジャンボーグA2号誕生
その名はJ-9

  監督:黒田義之
  脚本:田口成光
  特殊技術:吉村善之
 ナオキは新車のジャンカーZを手に入れ、早速和也と義姉を連れ遊園地へと出かけた。その頃マッドゴーネはジャンボーグAを倒すための最強ロボットジャンキラーを完成させていた。向かうジャンボーグAだが、ジャンキラーの前に敗北を喫してしまう。
 敵はジャンキラー。マッドゴーネによればスーパーロボット怪獣で、ジャンボーグAを倒すためだけに作られたロボット。ちょっとゴテゴテしてるけど、ジャンボーグAにかなり似ている。全身からミサイルを発射する。
 新しい力ジャンボーグ9が登場する。ジャンボーグAさえ敵わなかった強力な敵ジャンキラーの登場に合わせてエメラルド星人から贈られる。その際、たまたま買った新車ジャンカーZが変形するのだが、ジャンセスナ以上にサイズに問題があるような気がするぞ。
 ジャンボーグ9を贈られた際、エメラルド星人は「君に三つの命をあげよう」と言っている。一つはナオキの命、もう一つはジャンボーグ9。そしてもう一つは、現時点では明らかにされていない。ところでここに出てきたエメラルド星人は17話に出てきたカインなのか違うのかは今のところ分からない。
<新車ジャンカーZを手に入れるナオキ。でも前のフェアレディの方が価格的にも高いしスピードも出るんじゃないのかな?
 ジャンキラーに対しナパーム攻撃を行うPAT。市街地で使う兵器とは思えないぞ。
 伴野社長はドラム缶で五右衛門風呂としゃれ込んでる。それは良いけど、丸見えの空港でこれやってたら、単なる露出狂。
 ジャンキラーに敗北を喫したジャンボーグA。だけど、破壊された訳ではない。この程度の傷だったら、これまでにも受けてなかったか?
 新車で特攻をかけるナオキ。なんでそんなに死にたがるかな?
 ジャンボーグ9の変形にはジャンカーZをダッシュさせる必要があるらしい。でもどう観ても車は止まってるぞ。そもそも変身のためには両手をハンドルから離す必要があるので、とても危険。
 ジャンボーグ9はハンドルとペダルで操縦することになるのだが、これってジャンボーグAよりも操作性が落ちてないか?
 「ママが死んじゃう」と泣きじゃくる和也だったが、実際は元気そのものだった。この人の回復力は人間とは思えない。あるいは誤診だったのか?>
第28話 復活! ジャンボーグA
グロース第4号作戦

  監督:黒田義之
  脚本:田口成光
  特殊技術:吉村善之
 エメラルド星人により新たな力ジャンボーグ9を手に入れたナオキだが、ジャンセスナを失ったナオキの心は晴れなかった。しかも伴野社長により飛べなくなったジャンセスナはスクラップにされると聞かされ…
 敵はエアドルメン。前回に続いていかにもロボットという風情の怪獣。PATの新型レーダー装置の設計図を奪うために派遣された。空を飛べないジャンボーグ9を圧倒するが、復活したジャンボーグAに倒された。
 ジャンボーグ9編第2話。たった2話で弱点が露呈してしまう。つまりジャンボーグ9は空を飛べない。まあ、車が変形するから、理屈で言えば間違ってない。しかし登場2話にしてあっけなく前の主役メカにその地位を明け渡すとは、少々寂しい。
 そして前回エメラルド星人が言っていた「三つ目の命」が明らかになった。大方の予想通り、それはジャンボーグAの復活なのだが、そのためにジャンセスナを修理するのはナオキの役目。なるほど前回「君の努力が必要」って言ってたのはこのことか。
 それと今回から正式にナオキはPAT臨時隊員として迎えられた。いよいよナオキも組織の歯車か。と思ったら、それなりに独立心を出してるのがナオキらしいところか。
 不可抗力であっても、冒してしまった過ちは責められるべきもの。父親を連れ去られた雪子の叫びは重かった。ヒーローの義務とはこういう事を言うのかも。
<ジャンセスナをスクラップとして引き取りに来た業者はなんか随分小さいトラックでやって来た。いくらスクラップとは言え、セスナが乗る大きさとは思えないけどな。
 徹夜でジャンセスナを修理するナオキ。飛行機の規定には詳しくないけど、こんなので検査とかちゃんと通るのか?
 徹夜で修理したという割にはジャンセスナはしっかり塗装まで戻っている。>
第29話 グロース第5号作戦
にせジャンボーグAを送りこめ!

  監督:東條昭平
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:矢島信男
 プルトニウムを輸送中のPATの前に突然現れたジャンボーグA。ところがジャンボーグAは突然ファイティングスターとジェットコンドルを攻撃する。それをニュースで聞いたナオキは大利根航空にジャンカーZを走らせるが、ジャンセスナは忽然と消え失せていた。
 敵はにせジャンボーグA。グロース星人が作った偽物のジャンボーグAで、性能的にもオリジナルに劣らない。PATから奪ったプルトニウムを内蔵している。オリジナルとの違いは、腕をロケットパンチよろしく飛ばすことが出来る事。
 定番のヒーローの偽物話。ただし、ヒーローが二人いる本作ならではで、Aと9どちらもオリジナルで戦わせる事が出来る。そう言う意味ではユニークな作品に仕上がってる。
 今回は和也がもの凄い個性を出している。ジャンボーグAは父の生まれ変わりだと信じる和也は、ジャンボーグAが裏切ったと聞かされ、半狂乱になってる。いつもの和也らしくないが、暗闇の中で泣き叫ぶ描写は観ていてきつい。母から「なんであんたはいつもそうやって人を頼るの?」とたしなめられてるが、全くな話だ。
<プルトニウムを持ったせつ子を襲うグロース星人は容赦ない蹴りと肘を食らわせている。描写的にまずいな。
 ジャンボーグAと9の戦いのニュースを逐一母に知らせてくる和也。PATがニュース横流ししてるのかな?
 にせジャンボーグAにはプルトニウム爆弾が搭載されており、それを爆発させる訳にはいかずに攻撃できないジャンボーグ9。グロース星人としては別段攻撃しても問題無かったんだけど。
 本物のジャンボーグAを駈りにせジャンボーグAを攻撃するナオキは、にせジャンボーグAが爆発しないので驚いてる。最初から破壊するつもりで攻撃したって事か?
 プルトニウム爆弾の起爆装置はなんと導火線。どうやったらそれで爆発させられる?
 これだけの性能を持つなら、にせジャンボーグAを二、三体作れば簡単に東京くらいは破壊できそうに思うけど。ジャンボーグAの信用を落とすことも出来て一石二鳥。>
第30話 J-A J-9 を処刑せよ!

  監督:東條昭平
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:矢島信男
 ジャンボーグAおよびジャンボーグ9の能力を解析したマッドゴーネは、二体のロボットを倒すための必殺ロボットを投入する。
 敵はダブルキラー。単体ではそんなに強くないのだが、攻撃されるとキラーαとキラーβの二体に分離。二体で翻弄してジャンボーグAと9のエネルギー切れを誘った。
 今回は全編にわたって戦いのシーンばかり。70年代の人間ドラマに重点を置いている本作では結構珍しい作り。しかしその分見所は山ほど。ジャンボーグAと9の両方が大活躍し、そしてどっちも大ピンチとなる。さすがマッドゴーネが完全に解析しただけのことはある。ここで分かるのは、Aにせよ9にせよ、エネルギー切れが一番の心配事らしい。
 基本どちらか一方しか登場できないAと9が同一画面に出るのもなかなか貴重なカット。
 怪獣が二体に分離するのもユニークな設定だが、これは時を経て「新世紀エヴァンゲリオン」で再現されてた。ほぼ間違いなくこの話がベースになってるはず。
 円谷作品では「ウルトラセブン」「ウルトラマンA」に続き磔刑シーンあり。巨大十字架って結構好まれるアイテムなのかも。
<最初にマッドゴーネが観ているビデオではジャンボーグAと9が握手してる。どっちもナオキが乗ってないと変身できないのに、どうやって?あるいは先週のにせジャンボーグAとか?
 ジャンボーグ9の必殺技ダイナマイトパワーは大きく手を振り上げて突進する技。これってバンザイアタックじゃないの?>
第31話 氷の地獄へ突っ走れ!

  監督:黒田義之
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:高野宏一
 防衛隊の地下ミサイル基地がフリーザー爆弾の誤爆によって凍結してしまった。その基地を救うため、PATはフリーザーアタッカーを緊急出動させることとなり、その輸送をナオキが引き受ける。だが、その事をマッドゴーネに知られてしまい…
 敵はアルマジゴン。アルマジロ型のロボット怪獣で、体を丸めることで、ジャンボーグ9のほとんどの攻撃を防いでみせた。最後はブーメランカットとミラクルフラッシャーを合わせた合体技で圧縮されて爆発。
 PAT準隊員としてのナオキの活躍が描かれる話。隊員とは言っても憎まれ口をききっぱなしで、オレ様一番の態度が変わってないのはナオキらしいが、それでも大分丸くなってきたかな?
<ジャンカーZに和也が忍び込んだためにジャンボーグ9に変身できず苦しむナオキ。そんなナオキに「なにやってんだよ」とか和也が責めてた。お前のせいだって。
 車から乗り出して、後ろの車に消火器使う和也。子供がこんな違法な事をしてはいけません。
 ジャンカーZのエネルギー源は車だけにガソリン。それだけで巨大化したりあんなに光線技を出せたりするもんだろうか?しかもエネルギー切れ起こす寸前なのに。
 ジャンカーZの立ち寄ったガソリンスタンドで待ち構えていたグロース星人たち。そんなことが出来るんだったら、もう少しましな攻撃方法もありそうだけど。>
VOL.7
<A> <楽>
第32話 大爆発!マッドゴーネの最後

  監督:黒田義之
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:高野宏一
 作戦のことごとくが失敗に終わったマッドゴーネはついに自ら最後の攻撃を敢行する。強大な力を持つマッドゴーネに出撃したジャンボーグ9はなすすべもなかった。その時、PATの最終兵器ジャンボフェニックスが登場する。
 敵はマッドゴーネ。グロース本星からの指令でPAT基地とジャンボーグ9を破壊するために自ら前線に赴く。
 マッドゴーネ編の最終話。満を持しての登場だけに、流石に強い。そんな危機に対し、登場した新兵器は意外にもエメラルド星人によるものではなく、地球人が開発したジャンボフェニックスだった。ジャンボフェニックスというよりは新隊長の村上の意志力の強さでマッドゴーネを倒すことになる。
 そして今回からPATに新しいキャップ村上が登場。ジャンボフェニックスに乗って颯爽と現れたが、その態度はとても厳しい。これまでの浜田キャップと較べると、鬼のような表情で命令を下している。
 そんな村上に当然のごとくナオキは反発を覚えるが、実力でナオキにその存在を認めさせた。だんだん自らの選択で組織に順応していくことになるので、明らかに前半とは大きく路線が異なっているのがここからも分かる。
 鳴り物入りで登場したジャンボーグ9も負けるシーンが結構多い。ジャンボーグAの方が強く描かれるのは面白い。
 村上はSGMからの出向と言うが、SGMと言えば「ミラーマン」の地球防衛組織。ジャンボフェニックスも「ミラーマン」に登場してる。この二つの作品は微妙に連携を取っているらしい。
<前にジャンカーZをジャンボーグ9に変形させるには高速移動が必要だと説明されてたけど、止まってる状態で変形させることが多いな。
 グロース星人の体からカプセルを見つけた村上はそれを「BCガスだ」と見抜く。カプセルだけでなんでそれが分かるんだ?
 ジャンセスナを持ちながらジャンボーグ9に攻撃をかけるマッドゴーネ。中にいる伴野と和也は挽肉状態になってないか?>
第33話 サンタが悪魔の鈴鳴らす

  監督:岡村 精
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:矢島信男
 突如こども達の失踪事件が起こる。和也の友達も、サンタにもらったプレゼントを開けた途端に姿を消してしまった。
 敵はサタンゴーネ。サンタの格好をしてこども達にプレゼントを与え、それを開けたこどもを人形にしてしまう。
 サタンゴーネ登場の回。サタンだけに現れるのはサンタ…ってダジャレかい!こどもにとって最大のヒーローであるサンタが悪魔の使いとなってるというのはとても皮肉。蝉の鳴き声をバックに現れるサンタクロースってのシュールだ。
 サタンゴーネの目的はこども達を捕まえてグロース星に連れて行ってしまうというものらしい。それでこどもを一旦玩具にしてしまうらしいが、こどもが変えられてしまうのはソフビの怪獣。それもサータン(新マン)、ミクラス(セブン)、インベラー(ミラーマン)、ゴメス(ウルトラQ)と、又えらくマニアックなものばかり。
 前回えらく厳しい態度で臨んだ村上だが、もうすっかりPATに馴染んでる。喫茶店にナオキがいても何にも言ってないことからすると、任務以外は厳しくしなくて良いと思ってるのか?そう言えば村上はファイティングスターに乗ってるけど、前回出てきたジャンボフェニックスはどうなった?前回のマッドゴーネに対する特攻で壊れたか?
<ソフビ人形(インベラー)にされてしまうカオリの表情はなんか嬉しそう。危機感ないな。
 PATの面々を凍らしてしまうサンタクロース。そんな力持つなら、すぐさまPATを全滅させていれば…特にナオキを凍らせたんだったら、そのまま殺してたら作品そのものが終わってた。
 ジャンカーZがすっかり薄汚れてしまってる。撮影のため酷使してるんだろうな。
 こども達が詰まってるプレゼント袋は巨大戦でも重要アイテムだが、妙にでっかいぞ。サイズ的には家一件分くらいある。>
第34話 死神からの殺人予告電話!

  監督:岡村 精
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:矢島信男
 蝶の群れに襲われ宮川博士が殺された。更に「死神」を名乗る女性から赤ちゃんの殺害予告の電話が入る。必死に訴える家族だが、警察は全く取り合ってくれなかった。そんな時、ドライブに出たナオキと和也は赤ん坊の鳴き声を聞く。
 敵はバタフライング。蛾のような姿を持った怪獣で、死神を名乗る白服の女性に変身できる。無数の殺人蝶を放ち、人間を溶かす。
 ホラー風味満点の話。カメラアングルとか、光の加減とか、それっぽい演出が連発してる。偶然性が強すぎるとか、赤ん坊一人殺すのに随分手が込みすぎだが、演出が面白いのでそれで良いか。
 前回から登場したサタンゴーネはほとんど登場しないが、こういった手の込んだ作戦を好むらしい。
<さほどツッコミ所がある訳では無いが、たまたまジャンカーZ運転してるナオキが赤ん坊の鳴き声を耳にするとか、すぐにでも殺せる赤ん坊を放置してるバタフライングを放っておくとか、ちょっと甘さが多いか?
 実際に人が殺されてるのに、「忙しい」を理由に放って置いた警察が非道いな。今だったら裁判沙汰だぞ。
 旦那が殺されてもにこやかにこどもと帰っていく宮川博士の奥さん。結構シュールな光景だ。>
第35話 怪奇! 死の黄金怪獣

  監督:黒田義之
  脚本:若槻文三
  特殊技術:高野宏一
         吉村善之
 深夜。ジャンカーZでドライブ中のナオキを追い抜いた車を運転していた男が運転中に突然死んだ。それを目撃したナオキは、この男が自分の代わりに殺されたのではないかと推測する。
 敵はゴールドドラゴン。双頭の竜と言った感じの怪獣で、数多くのゴールドスネークが合体して誕生する。珍しく人間型ではない怪獣。そしてゴールドスネーク。ゴールドサタンの体を構成する鎖。人の首を絞めるために用いられる。
 前回に続いてのホラー風味の話で、暗闇の中で鎖が襲いかかってくるはそのまま恐怖シーンだし、それでちゃんと人が死んだところまで描写しているのが良い。それでゴールドスネークが襲ってくる際には鎖が擦れるような音がするのだが、このあたりがモロにホラー風。鎖が人を襲うシーンも頑張っていて、まるで触手みたい。
 今回の中心となるのは伴野社長と和也。グロース星人によって連れ去られ、鎖に襲いかかられるのを、二人の勇気で耐えきると言った感じ。
 このところジャンボーグ9に出番取られっぱなしだったジャンボーグAが久々にピンで登場。
 ラストシーンで伴野が和也に「おじさんのこどもになるか?」とか聞いている。色々含みのある言葉だ。
<ゴールドスネークに襲われるのはナオキを初めとして、和也と伴野社長、野村隊員以下PATの隊員たち、とにかくナオキの関係者達が襲われる訳だが、その襲われ方に脈絡がない。単純にナオキの関係者を狙っただけか。>
第36話 恐怖!蛇が岳の秘密

  監督:黒田義之
  脚本:田口成光
  特殊技術:高野宏一
         吉村善之
 はじめ少年は母の病気を治すため、おばあさんから聞いたエメラルド花を探しに行く。その途中で怪獣と出会うが、だれもはじめの言葉を信じてはくれなかった。ただ一人ナオキだけがその言葉を信じ、はじめを連れて蛇ヶ岳へと向かう。
 敵は幻霊怪獣オロロンガー。タッコング型の怪獣で蛇ヶ岳に咲くエメラルド花を守っている。
 少年との交流を描く話で、この作品では結構多いパターン。考えてみると、組織に属してないからこそこういう話が多いのかな?
 結局蛇ヶ岳にあったエメラルド花はサタンゴーネの地下基地のアンテナだったため、ジャンボーグAでわざわざエメラルド星まで行って花を持ってくる。オチの付け方がちょっと強引すぎるな。
 ここで登場したグロース星人はこれまでの全身タイツ姿とは異なり、蝙蝠のような仮面をかぶった、かなり洗練されたもの。多分仮面なんだろうな。
<この一月で11回も怪獣の通報があったというのに、全く相手にしない熊井。PATも超過勤務が続いてるんだろうな。
 はじめは和也と友達らしい。随分田舎に住んでるっぽいんだけど、和也の交友範囲って随分広いな。
 蛇ヶ岳の頂上からジャンカーZまで随分距離があるはずなんだけど、ナオキはあっという間に戻ってた。
 はじめ少年のためにジャンボーグAでエメラルド星向かうナオキ。ジャンボーグAの変身ってグロース星人を感知して発動するんじゃなかったっけ?
 ジャンボーグAが摘んできたエメラルド花はジャンボーグAが両手で抱えるほど大きかったのだが、それを落としたら人間よりも小さくなってしまった。>
VOL.8
<A> <楽>
第37話 出現! 恐怖の怪鳥エレキバード

  監督:東條昭平
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:矢島信男
 遊園地に潜んだサタンゴーネは遊園地の中の怪獣慰霊塔の中で怪獣エレキバードの卵を孵化させようとする。そんな事を知らないこども達は遊園地に忍び込み、慰霊塔の怪獣を殴りつけるのだが、突然その怪獣が動き出す。
 敵はエレキバード。双子玉川園の地下で卵から孵った鳥型怪獣。口から出す黄色い煙で怪獣慰霊塔のロボットにエネルギーを与える。
 遊園地を舞台にした怪談話。舞台となった双子玉川園は当時実際に怪獣慰霊塔があったそうだ。
 怪談とは言え、遊園地が舞台だけに、どことなく話は牧歌的で、サタンゴーネがやってるのもなんか妙に子供じみてる。大体地上を捜索するのにその辺に潜望鏡を出してるとか、そこら中にグロース星人(新型)を出してみせたりと、やってることがあまりにも杜撰すぎる。
 飛べる怪獣が相手なので、今回はジャンボーグAオンリー。
<和也に対し、「危険だから来ちゃいけない」と言ったナオキだが、同じ事を村上隊長に言われ、もの凄く怒ってる。お前はこどもか?
 怪獣が出て逃げ惑うこども達。流石に素人のこどもだけあってみんな顔がにやけてる。
 突然動き出した怪獣慰霊塔の怪獣に殴りかかるナオキ。いくら等身大とは言え、怪獣相手に生身で立ち向かうとは、恐ろしいキャラだ。
 グロース星人を出し切ってしまったサタンゴーネはナオキ相手に自らが現れる。なんか安っぽい組織だな。
 観覧車のような乗り物にナオキを乗せ、自らも乗り込んだサタンゴーネは「PATここに来〜い」とか叫んでる。挙げ句の果てにPATにもナオキにも何にもせずに基地に逃げ帰ってる。こいつ何やりたかったんだろう?
 エレキバードに追われて双子玉川園から逃げ出すナオキ。そこには「一時休館」の立て札が。用意が良いというか、最初から休館時に撮影したのがモロバレ。
 首を180度回転させ、背中に乗ったジャンボーグAに炎攻撃するエレキバード。それじゃ自分の背中が焦げるぞ。
 サタンゴーネ相手に人質となったこどもを救出するPATの面々。この時点でサタンゴーネを殺そうとか全くしてないのも変と言えば変。>
第38話 サイボーグ・コマンドを倒せ

  監督:東條昭平
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:矢島信男
 PATに新兵器ハンターQが到着した。それに合わせるかのように、自らの身体を細菌兵器としたグロース星人のサイボーグコマンド達が地球に降下しようとしていた。これも新兵器であるパット・バモスを用いて探索を行うPATだが…
 敵はケンダウルス。地球に飛来したサイボーグの一体が変身した。頭部に反射板を持ち、ジャンボーグAのハンディングフラッシャーを跳ね返した。ジャンボーグA、ハンターQ、パット・バモス一世の連携で倒された。
 BC兵器を主題にした話。ヴェトナム戦争で枯れ葉剤の問題が叫ばれたのは丁度この頃だったか。社会問題と関連しているようだ。あと、タイムリミットまでに爆弾解除とか、「宇宙戦艦ヤマト」的な演出だが、実は本作の方が放映が一年ほど早い。
 緊張感が最初から最後まで途切れない好作。ただPATの新兵器の紹介がメインのため、肝心のジャンボーグAの活躍がかなり抑えめになっていた。ちなみに何故ジャンボーグAなのかというと、ジャンカーZをサイボーグによって使用不能とされたから。
 最後にさわやかな笑顔で「流石PATだ」と言ってるナオキの姿があるが、戦いを通して随分性格が変わってきてるな。
<捕獲したカプセルを喫茶店の中で熊井に開けさせる村井隊長。何という危ない真似をさせる。
 カプセルから現れたサイボーグを銃で撃ちまくるPATの面々。銃を持たないナオキは椅子をぶん投げてる。当たったら痛そう。
 サイボーグに突き落とされ、廃ビルから落下したナオキは途中の階に手を付けることが出来て、落下が止まった。物理的に無理じゃないか?
 倒れたサイボーグは首をロケットのように飛ばしているが、その首が行った先は、元の身体。何のために分離したんだ?
 ジャンボーグAを邪魔者呼ばわりする熊井。新兵器が届いた途端これか?調子よすぎる。>
第39話 なき叫ぶドクロ湖の恐怖

  監督:大木 淳
  脚本:若槻文三
  特殊技術:大木 淳
 友達と一緒に中津湖にキャンプに来た和也。だが中津湖はサタンゴーネによる前線基地が作られつつあったのだ。グロース星人に追われる事になった和也だが、彼らの行く先々に白骨が現れる。
 敵はデスムーン。人間で言う腹部に顔があるデザインの怪獣。中津湖で育てられていた怪獣で、何でも溶かす“死の水”を吐く。
 和也を中心としてやや怪談話に仕上げられた。次々と白骨が現れる描写があったりして、怖がらせようとしているのは分かるものの、細部はかなり甘い。何せうなり声を聞いた人間を一々殺してるのだから、逃げた人間から湖の異変があっという間に知れ渡ってしまう。
 ナオキが白骨と抱き合ってるシーンもあるけど、こどもが観たらやっぱりトラウマ植え付けられそうだ。
<大人は簡単に殺す癖に、寝てるこどもを殺すにはえらく時間をかけるグロース星人。そのお陰で結局逃げられる羽目に。
 白骨に触れた人は殺されて白骨にされてしまうのだが、骨の汚れとか、全部同じみたい。一体しか使えなかったんだろうな。
 通報を受けハンターQで出るPAT。こども達はみんな手を振って「ハンターQ」だとか言ってるけど、いつの間にか有名になってたんだな。
 ナオキは必殺技を「ハンディングフラッシャー」と叫んでるけど、実際に出てるのはミラクルフラッシャーだった。
 和也を迎えに行ったはずなのに和也達を置いてけぼりにして帰って行くナオキ。肝心の目的を無視してどうする?>
第40話 大奮戦! バモスI世 バモスII世

  監督:大木 淳
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:大木 淳
 龍神村に異変が起こったとの報を受け、PATはバモスT世とバモスU世を現場に向かわせる。対抗意識を燃やしたナオキも又ジャンカーZを駈り、龍神村へと向かった。
 敵はスケルトン。サタンゴーネから前線基地の建設を命じられ、グロース星人と共に龍神村で活動していた等身大の怪獣。任務が失敗すると巨大化する。
 これまでとりあえず出ていただけと言った感じだったパット・バモスが活躍する話。具体的に戦うのは相変わらずジャンボーグ9なのだが、サポートメカとして充分以上の活躍を見せてくれた。憎まれ口を叩くナオキも随分見直したようだ。
 空を飛べないジャンボーグ9(及びジャンカーZ)は、道が潰されると身動きが取れなくなってしまう。機動力で言えば難点があるな。勿論ジャンボーグAはジャンボーグAで動きにくいのだが。
 巨大化したスケルトンを前に、又してもエンストするジャンカーZ。エンジン掛かったとたんにジャンボーグ9に変身してたが、なんと戦いの最中にもエンストを起こす。ジャンボーグ9はどうやらジャンカーZのエンジンが駆動装置らしい。
<PAT本部で報告を聞いている一般人であるナオキと和也。こんな緩やかな組織で大丈夫なのかね?
 グロース星人に襲われて報告する野村隊員。「こちらせつこ、こちらせつこ」って、名前で報告してるよ。
 途中でエンストを起こしてしまったジャンカーZ。グロース星人から技術受けてる割には壊れ易すぎないか?
 逃げ回るグロース星人を機関銃で撃ちまくるバモスU世と民家を砲撃するT世。どっちが悪者かわからないな。
 スケルトンとサタンゴーネの挟撃を受けたナオキは「俺がバモスに対抗意識を燃やしたばかりにこんな事になってしまった」とか言ってる。素直なのは良いけど、それ全く違う。>
第41話 宇宙魔女ババラスのロボット作戦

  監督:東條昭平
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:吉村善之
 サタンゴーネの地球での失敗続きに業を煮やしたグロース星人は宇宙魔女ババラスを派遣する。サタンゴーネの祖母であるババラスは従えてきたオネストと共に地球攻略作戦を展開する。まずババラスは美しい女性の姿を取り、和也を籠絡しようとするが…
 敵はオネスト。ババラスに連れられてきたロボットで、犬に変身して和良い奴だと思わせ、和也を籠絡する。そしてババラス。サタンゴーネの祖母で、千年の眠りから覚めてサタンゴーネの加勢にやってきた。
 ババラスの登場の話だが、メインストーリーは和也となる。すっかり洗脳されてしまった和也は、オネストを良い奴だと思って、犬に変身したオネストを基地に連れてきてしまう。あっという間に正体はばれてしまうのだが、ひたすらオネストをかばう和也が哀れ。
 オネストがグロース星人だと分かっても「良い奴」と主張する和也をぶん殴るナオキ。きついことするが、これも和也を守るため。
 ババラスを前にしてサタンゴーネは自らを「サタン家」とか言っている。なるほどグロース星人にはちゃんと家系があるんだね。
 今回はジャンボーグ9がジャンカーZの故障によって作動不能になってしまったため、久々にジャンボーグAで戦っている。
<自転車を買ってくれと言う和也に「甘ったれるな」とか言ってるナオキ。でも結婚指輪でジャンカーZ買ってもらってるナオキは何も言えないはず。
 和也に向かって「私は決して怪しいロボットではありません」とか言ってるオネスト。どう見ても怪しいだろうが。
 オネストが出した自転車は骨董品としか思えない古い型。それでも「すげえ」とか言ってる和也が哀れだ。
 ジャンカーZが巨大化したオネストに蹴られて作動不能に。前回と言い今回と言い、ジャンカーZはどんどん扱いがひどくなっていく。
VOL.9
<A> <楽>
第42話 呪い針!ババラスの逆襲

  監督:東條昭平
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:吉村善之
 オネストからもらった自転車を乗り回す和也は、ババラスの呪いによって上空に連れ去られてしまう。和也の行方不明を知ったナオキとPATは必死の捜索を開始するが、その行方は知られなかった。そんな時、ババラスからの電話が入り、和也を取り戻すためナオキは単独で向かうが…
 敵はババラス。ナオキを呪いにかけるが、逃げられたために巨大化してジャンボーグ9と戦う。最後は白骨化して爆発した。ババラスに加勢するためサタンゴーネも巨大化して戦っている。
 ババラス編の後編。ババラスの呪いによって苦しめられるナオキの姿が描かれる。ババラスは存在感があるため、もう少しいても良かった気がするが、死に方が壮絶だったから良いか。それにしてもババラスの前では頭が上がらないサタンゴーネが情けなさ過ぎる。
 そしてPATにとっては3人目の殉職者が出た。中途隊員だった大羽だが、結局新米のまま殺されてしまった。
 今回熊井を襲ったグロース星人は旧型の姿をしていた。
<ババラスの指定した森に入ったナオキは何故か女性カメラマンと遭遇。これで罠だと思わない方がおかしいのだが、「写真撮ってあげる」という女性ににこやかにポーズまで取ってる。
 ナオキに発信装置を持たせたと言う村上。だけど肝心のその装置はナオキがスイッチを押さないと発動しないらしい。それじゃ意味ない気がするんだが?
 ナオキの時計に秘密があると見たババラスは時計を取り上げるが、それを破壊するとかしてない。さっさと壊してれば物語は悪の勝利で終わったというのに。そもそも折角ナオキを捕らえたのに、殺そうとかしてないこと自体が問題。
 そう言えばナオキが大葉の名前呼ぶのは初めてだったようだが、ちゃんと「さん」付けしてるな。>
第43話 殺し屋ロボット・必殺の罠

  監督:黒田義之
  脚本:安藤豊弘
  特殊技術:矢島信男
 ババラスを殺され、怒りに燃えるサタンゴーネはかつてジャンボーグAを破壊寸前にまで追い込んだジャンキラーを元にジャンキラーJr.を作り上げた。そしてサタンゴーネはジャンボーグをおびき寄せるべく、和也を含めたこども達を人質に取るのだった。
 敵はジャンキラーJr.。24話に登場したジャンキラーをベースにサタンゴーネに作り替えられたサイボーグ。ジャンボーグAのエネルギー回路を破壊することでジャンボーグAの動きを止めたが、ジャンボーグ9にあっけなく倒された。
 ジャンボーグを標的にしたサタンゴーネの作戦が展開。本人曰く「誇り高い一族」の出であるにも関わらず、かつてマッドゴーネの作ったジャンキラーを改造したことでも分かる。ただ、ジャンキラーJr.はジャンボーグAを倒すために作られたため、ジャンボーグ9に倒されてしまった。何という間が抜けた作戦だ。ジャンボーグAを誘い出すため、空中戦を挑んだところまでは良いんだけど。
 そのため、今回はジャンボーグAと9が同時に登場。そろい踏みは30話以来だ。
 前話で殉職した大羽の補充隊員に代わって今回から新しいPAT隊員として安田が登場。「ミラーマン」に登場した安田隊員本人。SGM時代はインテリっぽかったが、荒々しい雰囲気になってる。
<こども達を乗せたバスを腹部に収納したジャンボーグA。でも激しいアクションをしたら、中身はどうなるやら。ナオキ本人も多少は気をつけてるみたいだが、いつの間にかいつものように戦ってたりする。
 ジャンボーグAはエネルギー切れのため倒れてしまった。そこで「次はジャンボーグ9」だ。と勝ち誇るサタンゴーネ。それより早くジャンボーグAをばらばらにしろよ。
 「ジャンボーグ9よ、早く出てこい」とか言ってたサタンゴーネだが、いざジャンボーグ9が現れたら、「おのれ。又しても邪魔を」とか言ってる。どっちやねん。>
第44話 妖怪ロボット・地獄の鏡

  監督:岡村 精
  脚本:安藤豊弘
      奥津啓二郎
  特殊技術:大木 淳
 新兵器分子破壊光線を開発したPAT。それを知ったサタンゴーネは配下のグロース星人をPAT基地に侵入させ、和也親子をさらう。二人を人質に取られ、手が出せないPATだが…
 敵はミラーコング。腹に大きな鏡を装着したロボットで、その鏡に人間を閉じ込める。
 最初に、まだ生きていた時代の和也と父親との幸せな思い出が描かれ、その後一気に落とす。良い感じだ。今回は初めて和也の母茂子が話の中心となっているのも特徴。
 前回登場した安田が随分存在感見せていて、武器に細工を仕掛けグロース星人の混乱を作り出したり、熊井をからかったりしてる。
 今回はジャンボーグ9で戦っているが、ナオキが手に怪我をしていても基本的に攻撃力が落ちる訳ではない。身体の動きをトレースするAだったらこうはいかないな。
<PAT基地への侵入を命令したサタンゴーネだが、配下のグロース星人は公然と命令に反抗してる。人望無いんだな。
 PAT基地へと侵入させるためにミラーコングを待機させていた。と勝ち誇るサタンゴーネ。泥棒するためだけに待機させてたって、えらくせこい気がする。
 PAT職員に変装して基地に侵入したグロース星人を「見かけない顔」と言うだけでいきなりぶん殴るナオキ。本当だから良いけど、人違いだったら、単なる暴力。
 サタンゴーネに言わせると、ミラーコングに付けられてる鏡は胸にあるそうだが、どう見ても腹にある。
 ミラーコングの中に人質がいるというのに、平気で攻撃をかけるPATとジャンボーグ9。何のための人質なんだ?>
第45話 ほえる昆虫怪獣・砂地獄

  監督:岡村 精
  脚本:安藤豊弘
      奥津啓二郎
  特殊技術:大木 淳
 砂丘にドライブに出たナオキと和也。だがナオキが少し目を離した隙に和也は砂に呑み込まれてしまい、行方不明となってしまう。翌日呆然の体で発見された和也だったが…
 敵はキングビートル。アリジゴクのような姿をした痩身の怪獣。砂浜に蟻地獄を作ってPATの車やジャンカーZを呑み込んだ。背中から伸びる昆布っぽい触手も武器。
 個々何話か毎度酷い目に遭ってる和也だが、今回はついにサタンゴーネに完全に捕らえられてしまい、その偽物が出てきてしまう。その中で母と息子の信頼関係が話の中心となるが、話としてはとても薄味で、サタンゴーネが何故こんな事をしたのかの説明もないので後半に入ってのネタ切れっぽい印象を受ける。
 和也の行方不明を受け、母の茂子はスナックをやめると宣言してるが、これだけいろんな目に遭わされてまだやってる方がおかしいという気もする。
 今回はジャンカーZが砂に埋もれてしまったため、出撃するのはジャンボーグAの方。無事ジャンカーZも救出した。
 サタンゴーネだが、右目を潰されてしまった。PATを罠にはめたのは良いけど、そこで勝ち誇ってるからそう言う目に遭う。
 個人的な話だが、今回の舞台になった村は一時期私も住んでたことがある。その頃にはすっかり町も賑やかになってたけどね。
<和也の写真を持って聞き込みを始めるナオキ。でも遊んでるこどもは写真も見ずに首を振っていた。興味のないものに対してはこどもは冷淡だ。
 ジャンカーZが砂に呑み込まれてからすぐにジャンセスナに乗り込むナオキ。ここって新幹線でも1時間半以上かかる場所なんだけど。ヘリコプターって速いんだな…って話じゃない気がする。>
第46話 サタンゴーネ最後の大進撃!

  監督:岡村 精
  脚本:若槻文三
  特殊技術:大木 淳
 直接PAT基地を狙って放たれた円盤形ミサイルをPAT新兵器のアンチミサイルが迎撃した。失敗続きのサタンゴーネに、グロース本星の首領デモンゴーネはサタンゴーネの体内に直接爆薬を埋め込み、PAT基地に突入させる。その頃警戒態勢にあるPAT基地には鼠の大群が押し寄せていた。
 敵はサタンゴーネ。体内に爆薬を注入し、PAT基地もろとも自爆しようとしたが、ジャンボーグAに止められ、結局一人だけ自爆して終わった。
 サタンゴーネの最後が描かれる話。もったいぶって登場した割にはお間抜けな作戦が多かったサタンゴーネは、最後までかなり情けない。わざわざネズミ使ってパニック状態を引き起こしたのは良いんだが、本人はこっそりと地底を掘り進み、岩盤があって基地にたどり着けずに地上に出たところをハンターQとジャンボーグAに倒される…ちょっと可哀想かも。
 後半はジャンボーグ9が使われる事が多いが、締めにはAというのは面白い構造だ。サタンゴーネはあっけなく倒されてしまったが。
 ネズミってのは結構生理的な嫌悪感をもたらすものがあって、これが多量に出てきて人間を食ってたりすると、なんか背中がゾクゾクする。ハリウッドのモンスター映画はこれを逆手に取ったもの。でもネズミを作戦に使うって凄く効果的だな。
<ネズミに配線を囓られジャンボーグ9は不稼働に。それでジャンボーグAの元に走って向かうナオキ。そんなに近くにいたんだろうか?
 ところでこの話だと度々セスナの音が聞こえるシーンがある。ジャンボーグAを使う伏線になってるのかもしれないけど、あんまり意味が感じられない。
 最後に自爆するサタンゴーネ。PAT基地全部を破壊できるほどだったはずだが、普通の怪獣の爆発とたいして変わってない。>
VOL.10
<A> <楽>
第47話 死闘! エース対ナイン?

  監督:東條昭平
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:吉村善之
 サタンゴーネが倒され、グロース星人は最後の手段としてデモンゴーネを地球に派遣する。その円盤から東京に女性予言者が現れ、ジャンボーグAと9が戦うだろうと予言するのだった。
 敵はデモンゴーネ。直接司令官が戦いに参加しているが、目から出る怪光線でジャンボーグ9を操り、結果としてAと9の対決が実現する。
 新章というか、最終章の始まり。何と今回はジャンボーグAと9との対決という、二大ヒーローならではの話が展開する。本作を見ていると、一度はこんな話がないだろうか?と思わせているので、ある意味夢が叶った作品とも言える。まあ、ヒーロー同士の対決は平成ライダーシリーズではデフォか。そして最後はエメラルド星人によってコントロールを取り戻したジャンボーグ9とAの共闘という、これも夢の戦いが見られる。
 デモンゴーネの力もたいしたもので、あっという間にジャンボーグ9を凍らせて自分の支配下に置いてしまった。
 久々にエメラルド星人が登場してるが、ナオキはその忠告を無視して突っ込み、結果として危機に陥ってしまう。ただちゃんと反省もしてるところは、成長なのかもしれない。
 今回は和也がえらく個性見せていて、ジャンボーグAも9も大好きな和也は、全編に渡って叫びっぱなし。
<デモンゴーネに操られた9とAが戦っているのを見た和也は「喧嘩してる」と称している。喧嘩にしては派手すぎるな。
 同士討ちを起こして倒れてしまうAと9だが、それを破壊もせず放っておくデモンゴーネ。やっぱりこいつも肝心なところで甘い。
 エメラルド星人に言わせると、デモンゴーネを倒すためには油断を誘うしかないとのこと。結果として真っ直ぐ突っ込んだナオキがその油断を誘うことになった。もしかしてエメラルド星人はそれまで見越して?だったら相当人が悪い。
 問題として、ちょっと動かなくなると機体を放り出してしまうナオキに責任があるとも言える。>
第48話 大逆襲! デモンゴーネ

  監督:東條昭平
  脚本:若槻文三
  特殊技術:吉村善之
 茂子と和也がデモンゴーネが化けた女に拉致される。通報を受け、出動するPAT隊員も次々に行方不明になってしまう。それらは全てナオキを呼び出す罠であり、人質を取られたナオキはその指示に従うしかなかった。
 敵はデモンゴーネ
 いよいよ完全にグロース星人の標的となってしまったナオキ。罠を次々に突破しつつデモンゴーネと戦う姿が描かれる。最終回近いのが何となく雰囲気として分かる話になってる。
 ただ、デモンゴーネも甘いのは甘く、直接ナオキをさらえばいいのに、周囲の人間をさらって恐怖心を与えようとした結果、逆転されてしまう。
 今回相当にカメラアングルに凝っており、決めポーズが一々ぴたりと決まってる。巨大戦も逆回転撮影を効果的に用い、見栄えする画面作りが出来ていた。
 ナオキも生身でデモンゴーネと戦ったりもしてるけど、流石に敵うはずはない。
<ナオキのために絞首台を用意したデモンゴーネ。でも足を縛って逆さ吊り。これが首だったら、全く問題無く作品が終わってたのだが。しかも見張りも置かずにPATと戦いに行ってしまうため、簡単に脱出され、更にジャンボーグ9まで解放してしまった。これじゃどうしようもない失敗だろ。
 とりあえず節子の手の縛めを解いたら戦いに行ってしまったナオキ。これじゃばれると思うんだけどな。>
第49話 謎! デモンの呪いが時を裂く

  監督:大木 淳
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:吉村善之
 突如東京中の時計が狂い始める。自体を重く見たPATは調査を開始し、その中心となっている時計台を破壊したところ、中からデモンゴーネが現れた。
 敵はデモンゴーネ。時を操る能力を持つことが今回分かった。
 ラス前。だがデモンゴーネとジャンボーグの対決というよりは、時間に縛られた社会への批判が込められた話に仕上がってて、現代人がどれだけ時間に縛られているのかをちくっと皮肉ってる。
 今回の戦いは時計の中にジャンボーグ9が取り込まれてしまい、サイケデリックな雰囲気の中での戦いとなる。前衛的な感じだが、単に気合い入れただけで脱出できてしまった。
 その分話は最終回の伏線もなく終わり、戦いとかもやや薄味。
<時を操る能力なんてあったら、すぐにでも侵略出来そうなもんだが。>
第50話 トウキョウ最後の日

  監督:大木 淳
  脚本:山浦弘靖
  特殊技術:佐川和夫
         吉村善之
 突如東京のみに真冬に40度以上の真夏状態となる異常気象が生じる。月に飛んだPATは、月に強力なレンズが置かれており、そこから強烈な光線が発せられているのを発見する。ナオキもジャンボーグAを駈り月へと向かう。
 敵はデモンゴーネ。最後の作戦で東京を焼け野原にしようとするが、ジャンボーグ9に阻止され、月で緑色の血を流して死んだ。
 グロース星人との最終決戦が描かれる話。最終回だけあって戦いも激しく、ジャンボーグA、9の二体を用いての攻撃となる。最初はAだが、デモンゴーネと巨大レンズの両面攻撃を受けて作動不能状態に陥る。
 飛べないジャンボーグ9をどうやって月に送るかというと、なんとロケットにジャンボーグ9をくくりつけて飛ばすという無茶な方法。それ無理。だが行ったはいいが飛べないため帰還は不可能。ナオキは死を覚悟するが、丁度よくやってきたPATによって地球に戻された。
 ラスト。デモンゴーネが死んだ月面には四つの十字架が立っていた。だが、そこに「我々はいつか必ず地球を手に入れてみせる」という声が…まだ戦いは終わってないらしい。
<これを言うと仕方ないんだが、空気のない月面で普通に声が聞こえるのはなんとかならないか?
 さすが乱暴者のナオキだけあって、ジャンボーグ9を月に送るために、ロケットの強奪までやってる。ただこれだと、ジャンカーZで月に送って、月で変形させた方が良いんじゃないのか?
 空を飛べない設定なのに、ジャンボーグ9はちゃんと機密性があり、宇宙でも問題無く活動できる。>