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仮面ライダー(新)

スカイライダー事典
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 1979'10'5〜1980'10'10

 「仮面ライダーストロンガー」で一度完結した「仮面ライダー」シリーズだが、その後も個別に特撮は作り続けられており、シリーズ復活の熱い要請を受けてによって1979年に再生した新しい「仮面ライダー」。
 当初本作は「新生」を目的としていたようで、「仮面ライダー」のリメイク的な位置づけだった。だからスカイライダーも当初は「仮面ライダー」とだけ呼ばれていたが、中盤からかつての先輩ライダー達の客演を経て、完全続編の位置づけとなっていった経緯がある(これもテコ入れの一種)。
 スカイライダーの大きな特徴としてセイリングジャンプにより空を飛べること。これまでのライダーには無い能力だったが、それが完全に活かせたか?と言えばちょっと描写不足で、後半はほとんど飛ぶこともなくなってしまった。
 後、本作はライダーシリーズで初めていわゆるイケメンを起用したことにより、女性の関心を集めた作品ともなった。主人公の村上弘明は現在も主に時代劇で第一戦で活躍中。

主な登場人物
筑波洋
スカイライダー
(役)村上弘明。本作が俳優デビュー作。特撮は本作一本だが、主に時代劇で大活躍中。
 空を飛ぶ事が大好きな青年。ハングライダーの練習中に志度博士が襲われているのを目撃し、博士を助けた事でネオショッカーに狙われる事となる。瀕死の重傷を受けたが、志度博士の手によって改造手術を受けて仮面ライダーとして復活した。
志度敬太郎 (役)田畑孝。東映バイプレイヤーとして活躍。
 ネオショッカーに捕らわれ改造人間を作っていた博士。ネオショッカーから逃げようとした所を筑波洋に助けられ、死にかけた洋の体に改造を施す。洋によって救われ、志度ハンググライダークラブを設立。ネオショッカーの活動に目を光らせていた。
谷源治郎 (役)塚本信夫。「帰ってきたウルトラマン」の加藤隊長。
 喫茶店ブランカの店長で洋の大学時代の先輩。離日した志度博士の頼みで洋のサポート役となる。家族を殺したネオショッカーに激しい怨みを持ち、世界中の支援組織と情報交換を行っているらしく、歴代ライダーの動向にも精通している。
叶みどり (役)田中功子。
 志度博士の助手の女性。志度博士が志度ハンググライダー倶楽部を設立した際、設立メンバーとなり、スカイライダーをサポートする。17話でヤモリジンの攻撃を受けて負傷し、戦線離脱する。
叶シゲル (役)白鳥恒視。
 みどりの弟。みどりが入院してからはブランカに入り浸っている。何かと事件に巻き込まれやすい。
がんがんじい
矢田勘次
(役)桂都丸。現4代目桂塩鯛。上方落語家。
 スカイライダーをサポートする正義のヒーロー…というよりはお笑い担当。ブリキで作ったスーツを着込み、怪人達に挑む男。度胸だけはあってどんな怪人に対してもまっすぐ突っ込んでいくが、大概の場合はすぐにぼこぼこにされてしまう。最初は素顔を明かすことはなかったが、別段こだわりがあったわけではないらしく、あっさりと正体を現す。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 改造人間 大空を翔ぶ
  
  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 ハンググライダーで大空の旅を楽しんでいた筑波洋は謎の一団に追われている自動車を発見し、その車を空中から助けるのだが、それが洋の運命を大きく変えてしまう。キャンプに来ていた仲間は殺され、洋自身も捕らえられて改造手術を施されてしまうのだった…
 敵はガメレオジン。保護色を使って音もなく人間に近づき、地面の中に引きずり込んでしまう。志度博士の助手叶みどりという女性に変装したりもする。
 主人公が自分の責任で仲間を死なせてしまったという重い展開から始まる仮面ライダー新シリーズ。悪の秘密結社によって改造されるというパターンは「仮面ライダー」を踏襲している事から、本当にリメイクを目指して作られた事が覗える。ちなみに脚本の伊上勝は「仮面ライダー」の第1話の脚本家でもある。
 今回が仮面ライダースカイライダー(以降「スカイライダー」に統一)の誕生の話となる。
 物語そのものは主人公の正義感、友人が殺される事による傷、そして改造を受けてショックを受けつつ、それを超えてヒーローとなるまでの心の動きを中心にストレートに、丁寧に描いているのが特徴。
 洋の友人が地面に引きずり込まれたり、博士が抱いていた女性の顔だけがガメレオジンのものになるなど、怪奇要素もある。
 ネオ・ショッカー首領の声は納屋悟郎。「仮面ライダー」のショッカー首領と同じ。こんな所にもこだわりが見える。
 コメディリリーフである飛田今太が早くも登場。初登場時から洋にお尻を蹴られるという災難な役。
 全般的に丁寧な作り方で、第1話としてはお手本的な作品であるとは言えよう。
<志度博士を助けた洋は次のシーンでアリコマンドの乗っていたバイクに乗っていた。盗んだんだろうけど、ヒーローとしてはあるまじき行為ではなかろうか?
 改造手術を受ける洋だが、顔とかはそのままなんの改造もされてないように見える。これからスカイライダーは機械ではないのかもしれない。
 これがデビューとなる筑波洋役の村上弘明は後に時代劇の重鎮となる訳だが、この時点ではまだ滑舌があまり良くなく、「ネオ・ショッカー」が「ネオ・ジョッカー」に聞こえたりする。>
DVD1
<A> <楽>
第2話 怪奇!クモンジン

  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 志度博士の元、新たに発足した志度ハングライダークラブ。これはスポーツクラブを表看板に、実質はネオ・ショッカーの動向を探るもの。その中で洋はネオ・ショッカーのグモンジンが高森という青年を誘拐するのを目撃するのだった。
 敵はグモンジン。クモ型の改造人間。網となるロープを口から吐き、新しいスペア人間をさらおうとする。仮面ライダーの事を知らされておらず、仲間だと思いこんでいた。
 2話にしてもう味方の組織が出来上がっているというスピード展開。これはシリーズでは当然なのだが。ちなみに志度ハングライダークラブのメンバーは志度博士を筆頭に、筑波洋、叶みどり、そしてみどりの友達杉森ミチの四人。そしてスカイライダーのバイクであるスカイターボが初登場。ライダーブレイクも初登場している。ただ、誰が作ったのかは明かされていない。
 一方ネオ・ショッカーの狙いがはっきりする。単なる世界征服ではなく、地球を救うために優良な人間だけを残して人類を淘汰するというものだった。これまでの組織とは多少目的が異なっているのも特徴(やってる事は同じだが)。
 スカイライダーは今のところまだネオ・ショッカー内でも知名度がないらしく、グモンジンは仲間と思いこんでいる。この辺はなかなか面白いが、それだけネオ・ショッカーはスカイライダーを重要視してない事が分かる。ただ、ここでゼネラル・モンスターとの直接対決が描かれた事で、ネオ・ショッカーもスカイライダーのことを認めるようになっていく。
 今回はひねくれてしまった青年の更正という意味合いも持ってる。ひねくれていても、青年は素直というポジティヴな見地だが、これこそがヒーローものの王道。
 ちなみに本作タイトルは「仮面ライダー」第1話の「怪奇蜘蛛男」からの引用。ちなみに脚本は伊上勝本人による。
 今回も飛田今太が出ているが、スカイライダーとは全く絡んでない。
<捕まえられても怯えず、「生きていても面白い事無い」とうそぶく高森に対し、「若者がそう言う考えは良くない」と説教するグモンジン。えらく積極的な発言だね。その後「あのひねくれた性格はネオ・ショッカーにうってつけ」とか言ってるんだが…
 高森を助けたスカイライダーはその姿のまま高森の家に入り込む。周りからはどういう目で見られてたんだろう?人さらいにしか見えなかったんじゃないか?しかも2回も入ってるぞ。
 スカイライダーが空を飛ぶのを見て驚くゼネラル・モンスター。自分たちで改造しておいて、能力も把握してなかったのか?
 高森家で弟の健二が勉強してると突然辺りが暗くなり、屋根裏からグモンジンが顔を覗かせる。このギミックをこっそりと、わざわざ作ってたの?>
第3話 勇気だ!コウモリ笛の恐怖

  脚本:伊上 勝
  監督:田口勝彦
 洋は公園で子供がさらわれているのを目撃。追跡するが爆発するコウモリの群れに襲われて逃げられてしまう。
 敵はコウモルジン。コウモリ笛を吹くと人の精神に負荷をかけ、牙には人間を凍らせる力を持つ。他に空を飛んだり溶解液を吐いたりもする。公園の管理人に化けて子ども達をさらっていた。
 子供を襲う悪人と、それを守るヒーロー。まさにフォーマット的作品。物語的に語る所はあまり無い。ただヒーローらしく、子供の声援を背に受けて戦うヒーローは、やっぱりヒーローのあるべき姿だろう。
 3話にしてようやくコウモリの改造人間が登場。少なくともシリーズを通してフル出場ではないか?
 志度ハングライダークラブに又一人ユミが入会。ネオ・ショッカーの事は分かっているようだが洋の体の事は分からず。
 これまでの三回の戦いは全てスカイライダーが空を飛べるという機能をきちんと考えられてるのも特徴か。
 今回の飛田今太は夜のの戦いを目撃。「特ダネや」と叫びながらフラッシュを焚いて写真撮ったら、コウモルジンの姿を見て気絶してしまう。
<結構大きな公園で子供がさらわれるのだが、次の瞬間には崖に続く路地に立ってる。
 コウモルジンの使っているコウモリ笛はそのシーン自体が「人造人間キカイダー」のギルの笛っぽい。スカイライダーが苦しんでる所もそれっぽい。
 コウモルジンが使っているコウモリ笛は木製らしいけど、地面に落ちたら爆発してる。>
第4話 2つの改造人間 怒りのライダーブレーク

  脚本:伊上 勝
  監督:田口勝彦
 ロボット工学の権威本田博士を殺害するサソランジン。その悲鳴を聞きつけた洋は急行するが、既に本田博士は溶かされてしまっていた。マンションから出てきた女性が怪しいと睨んだ洋
 敵はサソランジン。サソリ型の改造人間で、美也という女性が改造された姿。手から毒液入りの針を飛ばし、頭から溶解液を出す。美也の意識が残っているために悩み、ゼネラル・モンスターを殺そうとするが、逆に殺されてしまう。
 改造人間の哀しみが描かれた話。ネオ・ショッカーの改造人間は、スカイライダーを初めとして時には頭脳改造されておらず、自分の姿に悩む事になる。これはこれでもの凄く残酷な話だ。美也も救われることなくあっさりと殺されてしまった。
 美也の説得のために自ら変身した姿を見せる洋。洋の説得で改造人間でも普通の人間として生きる事が出来ると一旦は思うのだが、一旦改造人間にされてしまうと、そんな事は出来ない。その絶望感に苛まれる美也の姿が映える。
<事件が起こると偶然近くにいる洋。偶然と言えばそれまでだが、その偶然があまりにも多すぎる。
 改造人間の意識を乗っ取るペンダントを着けたサソランジン。これで当人の意識もないため、絶対ばれないとうそぶくゼネラル・モンスター。しかし、意識を失っているために周囲を見る事が出来なくなり、逆に目立ってしまっている。
 ゼネラル・モンスターにスカイキックを放つスカイライダー。ゼネラル・モンスターが姿を消すとキックはせずに普通に着地していた。簡単に切り替えられるものなの?
 ネオ・ショッカーの基地がどこにあるのか確証もないまま崖に向かってライダーブレイクを放つスカイライダー。もしそれが違っていたら自爆だな。>
第5話 跳べ!少女の夢をのせて

  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 洋はネオ・ショッカーに襲われている男を助けるが、その男は「OAL404便」という言葉を残して絶命する。その言葉を聞いた洋はそれが飛行機の番号であると推測し、早速成田に向かうが、その飛行機OAL404便は着陸直前に姿を消してしまうのだった。電車の中で知り合った少女の田代絵美はその飛行機に乗っている父親の姿を夢に見たと言う。だがその直後絵美と母親は何者かによって連れ去られてしまうのだった。
 敵はドクバチジン。ハチ型の改造人間で、口から針を出して攻撃する。人間改造学の権威田代博士を誘拐し、新しい改造人間を作らせようとする。
 特殊能力を持つ少女を助け、さらわれた博士を救おうとするスカイライダーの活躍が描かれる話。割とフォーマットかな?超能力を持つ少女だから、2種類の物語をミックスしたような話になってる。
 前回基地もろとも爆発してしまったように見えたゼネラル・モンスターの姿が見られる。ただ登場はほんの一瞬だった。
 細かい話になるが、ネオ・ショッカーに捕獲されたOAL404便の機長役は中屋敷鉄也。スカイライダーの中の人なので、最後の救出シーンでその姿は見られない。
 今回の飛田今太は田代母子を襲うアリコマンドの群れに自転車で突っ込んでしまう。初めて役に立ったな。
<「パパはどの飛行機で帰ってくるの?」という絵美の問いに母親は「OAL404便よ」とか言ってる。普通「何時着の飛行機よ」とか言いそうなもんだが。
 ドクバチジンの姿は大変すっきりしているのは良いのだが、遠目にはアリコマンドとあんまり姿が変わらないほど。シンプルすぎるって。
 志度ハングライダークラブには盗聴装置が常備されている。物騒なクラブだな。
 絵美が夢で見たという島に連れて行こうとするスカイライダー。セーリングジャンプの背中に子供を乗せるという無茶やってるけど、危険とか考えてなかったの?と言うか、傍目で見れば人さらいだぞ。
 田代博士の専攻は「人間改造学」…そんな学問があるもんか。>
第6話 キノコジン!悪魔の手は冷たい

  脚本:平山公夫
  監督:山田 稔
 ネオ・ショッカーはライダー打倒のため300年も生き続けたというキノコを使ってキノコジンを作り上げた。キノコジンは洋の知り合い三田雪絵を襲い、その姿を手に入れて洋に近づくのだった。
 敵はキノコジン。300年間も生き続けていたというキノコを使って作り上げた改造人間。ライダー抹殺の為に生み出された改造人間で、洋の知り合いに化けて近づき、毒の胞子を出して人間を殺す。
 ライダー抹殺に向けて動き出したネオ・ショッカー。これまでネオ・ショッカーはスカイライダーの事を大して気に留めてなかったようだが、4話の基地爆破でようやく本気になったと言う事か。
 洋の過失で一人の少女に怪我を負わせてしまった苦悩が描かれる話。ややミステリーがかった話に仕上げられているが、物語としてはちょっと出来過ぎだろう。キノコジンの幻覚を見させる胞子も水に入っただけで消えてしまったし。
 ここでみどりの弟であるシゲルが初登場。
<看護婦の雪絵に化けるキノコジンだが、本体を放っておいたので、同じ病院に二人の雪絵がいることになってしまう。なんで最初に始末しなかった?
 変身する間を与えられない洋はそばに置いてあった消火器を使ってキノコジンとアリコマンドを撃退する。その程度で退却するのかね?そう言えば洋はこの消火器を上下逆にして使用してるけど、そう言う仕様なのかな?>
第7話 カマキリジン!恐怖の儀式

  脚本:伊上 勝
  監督:田口勝彦
 パリでネオ・ショッカーの世界会議が開催され、各支部は着実に人間減らし計画が着々と進んでいたが、日本支部はスカイライダーの活躍のお陰で計画の遅延が見られる。そこでヨーロッパ支部は強力な改造人間を日本に送り込んだ。強力な改造人間カマキリジンは自らの卵を孵し、日本中に蔓延しようとするが…
 敵はカマキリジン。カマキリ型の改造人間。多数のサタンカマキリを孵化させて日本中の人間を殺そうとする。
 ネオ・ショッカーも世界的な支部を持つことが分かった。それで世界会議などもあるのだが、KKKの姿をして会議してるのは、まるで「仮面ライダー」のショッカーそっくり。物語そのものも子供の誘拐を事前に知って…というフォーマットそのもの。しかも結局計画は失敗し、敵はカマキリジン一体しかいないし。
 今回の飛田今太は遊園地でカマキリジンと遭遇。気絶した所をアリコマンドの群れに踏みつけられ続ける。憐れ。
<サタンカマキリを孵化させるためには13歳と7歳の兄妹を捧げるというのだが、えらく細かい設定。その意味は、志度博士によれば、「ネオ・ショッカーが一番好きな数字」だからだそうだ。なんじゃそりゃ。
 洋が見張っている事を知りながら敢えて最初に見つけた兄弟をさらう事にこだわるカマキリジン。13歳と7歳の兄妹って他にもいそうなものだが、なんでこだわる?
 あらかじめ孵化したサタンカマキリを持ってきたら話は済んでしまったような気もする。>
第8話 ムカデンジンの罠!謎の手術室

  脚本:伊上 勝
  監督:田口勝彦
 新藤誠は被験者としてネオショッカーの改造手術を受けていたが、突然の機械停止事故が起こって逃げ出してしまう。空中パトロール中のスカイライダーは新藤を発見し、彼を追うアリコマンドを撃退する。ネオショッカーに怨みを持ち、ムカデンジン襲撃を阻止する新藤に対し、シンパシーを持つ洋だったが…
 敵はムカデンジン。ムカデ型の改造人間で、ネオショッカーに逆らう人間を殺し、猛毒ノムコロンをダムに入れようとする。変幻自在に伸び縮みする猛毒入りの尻尾が武器。実はその正体は洋の仲間となった新藤誠だった。
 改造人間の哀しみを描いた作品で、洋を含め二人の改造人間の戦いが描かれる。話自体も伏線張りまくりで先が読めず。なかなか凝った作りになってる。
 なんか久々にダムに毒を入れるという古典的手段が出てくる。更に悪の組織を裏切った人間を粛正と、二つのフォーマットを用いているのが特徴か。
 今回はアリコマンドが前のアリコマンドの肩を持ってつながる事でムカデっぽい攻撃をしてたり、釣り人に扮装して笠を投げつけて攻撃したりと、なかなか個性あり。
<それにしても洋の事件遭遇率は高すぎる。ちょっと町を出歩いてるだけですぐに遭遇するんだからな。
 新藤は「空手をやってる」と言ってるが、それは中国拳法か何からしく、戦う時は「アチョー」とか奇声をあげてる。
 猛毒ノムコロンを入れようとしているアリコマンドを発見する洋。偶然一本目をダムに投げ込もうとした所を発見する。まあ、この偶然は仕組まれたものっぽいが。
 ネオショッカーアジトに潜入しようとするスカイライダーに、囮を買って出る新藤。見張りのアリコマンドに対し、「おーい。俺だ。脱走した新藤だ〜」と叫ぶ。えらく単純な囮だな。
 アジトに閉じこめられ、絶体絶命のピンチかと思われたスカイライダーはセーリングジャンプであっという間に天井ぶち破って脱出。安普請は止めようよ。
 スカイライダーに負けてしまったムカデンジンを見たゼネラル・モンスターは「ムカデンジン。口ほども無い奴め」と怒ってる…改造したのはあなた自身でしょ?
 しかし終わってみると、新藤誠って一体どういう位置づけだったんだろう?全部ゼネラル・モンスターの策略だったのか、ムカデンジンと新藤自身は違う感情を持っていたのか、ちょっとその辺中途半端だったかも。>
第9話 コブランジンの殺人軍団

  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 ネオショッカーは殺人軍団結成のためコブランジンに命じ格闘技の達人を次々に催眠術をかけて拉致するのだった。その中には洋の空手の先生である三好良一もいた。
 敵はコブランジン。格闘技の達人を次々と集めてネオショッカー殺人軍団を作ろうと画策する。人間の姿ではサングラス姿で、そのサングラスを外すと催眠術が使える。怪人体では左手についているの蛇から様々な攻撃を繰り出している。
 子供を使って軍団を作るというのは結構多い。無力な子供が実はヒーローに対しては最も効果があるというのが理由なのだが、このように大人を使うというのは結構珍しかったりする。ただ、やっぱり素直さが違うため、意志力が強い人には全然催眠術がきかず、洋の師匠である三好一人によって計画は潰されてしまった。
 今回は様々な格闘技の達人と空手の先生が戦うという異種格闘技戦になっているのも特徴か。
 ゼネラル・モンスターはネオショッカーの中で昇進したそうで、制服もこれまでの黒からカーキー色へと変わった他、左手が大きなかぎ爪になっている。
 ちなみにコブランジンの人間体を演じたのは中屋敷鉄也氏。スカイライダーの中の人なので、前半の戦いはライダー対ライダーという面白い形となっている。一方三好を演じたのは中田博久。「仮面ライダーアマゾン」のゼロ大帝だが、なんか貫禄が出てきたみたい。
<洋の行く所必ず事件あり。むしろこいつに関わる事そのものが不幸なのではないかと思い始めた。
 三好は空手の世界チャンピオンという割には弟子が二人しかいないのは何故だろう?>
第10話 見た!カニンガージンの秘密

  脚本:平山公夫
  監督:山田 稔
 コンビナート爆破計画を遂行中のネオショッカーのカニンガージンの姿を偶然神山たくみ少年が見てしまう。スカイライダーによって助けられるが、学校には遅刻し、怪人に襲われたと言っても誰も信じてくれなかった。廊下に立たされ悔し涙を流すたくみ少年を見守る洋…
 敵はカニンガージン。カニ型の改造人間で泡のような溶解液を吐く。コンビナート爆破計画を遂行する。
 子供を守るヒーローの姿が描かれる話。話はやや強引なところがあるが、ネオショッカーを起こす事件と少年達の救出劇が同時に行われるため、子供の好奇心が事件と絡んでしまうという形式は悪くない。
<怪人に襲われていながら普通に学校に登校するたくみ少年。真面目なんだか不真面目なんだか。
 ネオショッカーが何かをしている事は分かっているのに、碌々調べもせずに現場を立ち去る洋。何人もの人が死んでるのに誰も現場を調べてないのも変。
 ところでコンビナートがあるこの町はどこ?東京でないとすれば、何故こんな所に洋がいるんだ?>
第11話 サンショウジン!地獄谷の脱出

  脚本:江連 卓
  監督:山田 稔
 スポーツに有能な少年達が次々とさらわれる。洋の知り合いである平井ミツコは柔道の全国大会優勝候補である弟の二郎の身を案じ洋に相談するが、なんと洋達の目の前で忽然と姿を消してしまうのだった。志度博士の情報から犯人はサンショウウオの改造人間であることを推測した洋はアリコマンドがいるという丹沢山中に向かう。
 敵はサンショウジン。サンショウウオの改造人間。口がつり上がり、まるでにこにこ笑っているかのような顔が特徴。水のある所にテレポート出来る能力があり、鞭で攻撃する。自分の敷設した地雷でふっとばされて、「今のは悪い例だ」と説明してみたり、酒に酔って寝てみたりと、なかなか愛嬌のあるキャラ。最後は自分の設置した高圧電流の流れるハードルにぶつかって消滅してしまった。
 少年達を捕まえて戦力としようとするネオショッカーと、少年達を逃がそうとする洋の姿が見られる。少年達はまだ脳改造を受けていないので、元気に脱出するが、仲間同士の争いがあったりしてなかなか複雑なキャラ描写になってる。
 なんとミチが洋を助けるためにわざわざ危険を冒して子ども達の訓練場に現れる。その後志度博士まで登場。これまであんまり個性が見られなかった周囲のキャラも目立っている。
 今回飛田今太はなんと地獄谷に登場。どこにでも現れる奴だが、一体何で?
<オオサンショウウオの説明を女性陣にする洋は白衣姿。大学生だと言う事だから、
 ゼネラル・モンスターの声に応じ、まるで隠れている洋に聴かせるかのように陰謀を語るサンショウジン。一々確認する必要も無さそうだが、視聴者のためのサービスか。
 洋を助けにやってきたミチは藪をがさがさ言わせながら登場。普通これで気付かれるはずなんだが、誰もそれに気付かない。
 地獄谷は人も通わぬ秘境だそうだが、その周囲にはコンクリートの塀や舗装道路があったりする。これのどこが秘境だ?>
第12話 暗闇のサンタクロース ああ変身不可能

  脚本:伊上 勝
  監督:田口勝彦
 クリスマスに浮かれる町の背後ではネオショッカーによる誘拐事件が多発していた。父親をさらわれた少年公夫の訴えを聞いた洋はアリコマンドを追い地下水道へと向かうのだが、洋がそこで見たのは、東京の地下に広がる地下水道そのものがネオショッカーの基地になっていたという事実だった。
 敵はナメクジン。ナメクジ型の改造人間。ほんの小さな空間でも入り込む事が出来、人間を溶かす溶解液を吐く。再改造後、ライダーの風車を固定化させるNO液を出せるようになった。
 ほぼ全編地下室の中で行われているという設定で、洋自身もアリコマンドに変装しているため、全体的に閉鎖的な雰囲気に覆われている。ナメクジンの不気味さも華を添えていて、かなりユニークな作品に仕上げられている。
 そしてスカイライダーの変身で重要なのはベルトの風車であることが分かる。これは「仮面ライダー」の時以来の設定か。
<見た事もない公夫のお父さんをあっけなく発見する洋。嗅覚でも優れてるんだろうか?
 スタントを使わずに洋がボコられるシーンがあるのだが、ナメクジンのパンチがモロに入ってるように見える。アクション作品って大変だ。>
第13話 アリジゴクジン 東京爆発3時間前

  脚本:伊上 勝
  監督:田口勝彦
 水爆に匹敵するという兵器プラスアルファ爆弾を東京のいずこかに設置するアリジゴクジン。しかしプラスアルファ爆弾の設計者である今井博士はネオショッカー基地を脱走し、助けを求めようとする。アリコマンドに襲われた今井博士を助けた洋はネオショッカーの恐るべき計画を聞くのだが…
 敵はアリジゴクジン。アリジゴク型の改造人間で体に巻き付いている鞭で攻撃する他、アリジゴクを作ってライダーを引き込もうとしたり移動したりする。
 東京爆破という、一種のシリーズ定番作品。今回は実際に東京タワーの展望台や船の科学館で話が展開しているため金かかってるね。
 ただし、話は立て続けにフェイクが用いられていて、かなり緊張度は高い。そのためか今回はついに飛田今太の登場はなし。
 ライダーの変身がちょっと変化。以降はこの残像演出が用いられるようになった。ちなみにセイリングジャンプが用いられるのは今回が最後となる。
<アリコマンドが扮した警官に追われ採石場に逃げてきた今井博士。凄い足の速さだが、そこで偶然洋と志度博士が別々に通りかかる。偶然もここまで来るとたいしたもんだ。
 今井博士がスイッチ入れてからスカイライダーが東京タワーに到達するまで40分弱。この間に随分いろんな事が起きている。物理的には無理っぽいんだが…
 爆発まであと30分という所になって東京を離れるように指示するアリジゴクジン。トラックに乗って逃げようとしてるけど、これ絶対巻き込まれる。
 爆弾の起動時間をカウントダウンする仲間達。「53秒よ」とか「13秒よ」とかえらい半端な時間だな。
 折角フェイクまで使ったんだから、いっそプラスアルファ爆弾を二つ用いてればネオショッカーの作戦は成功したと思う。>
DVD2
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第14話 ハエジゴクジン 仮面ライダー危機一髪

  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 ネオショッカー対策のため外国へと行ってしまった志度博士の置き手紙でブランカという喫茶店に向かう洋。そのマスター谷源治郎を探し洋は富士急ハイランドへと向かう。先行して富士急ハイランドに入っていた源治郎は、ここでネオショッカーの陰謀が展開していることを知るのだった。
 敵はハエジゴクジン。ハエジゴク型の改造人間で、手にした鞭を使う他、顔を伸ばして攻撃する。久々に叫び声があり。「ビビビビビー」だった。
 第2クルーに入り、話も新展開。志度博士の退場と谷源治郎の登場となる。
 話は富士急ハイランドをめいっぱい使ったもので、遊び心に溢れているが、動くジェットコースターの上での立ち回りなど、かなり危険なこともやっている。伝統のタイアップ企画を地でやってる感じ。
 そう言えばアリジゴクジンとの戦いで流れていた音楽は「仮面ライダー」で使われていたもの。これを初めとして様々な所で原点回帰というか、これまでのライダーを意識した作りになってるのも特徴か。これも路線変更のためかな?
 これまで倒された敵は光を出して消滅していたが、今回から爆発するようになったのも特徴。
<今更ながら、何故富士急ハイランドに毒風船があることを源治郎が知ったのか謎で、しかも都合良く目の前で親子が襲われている。
 みどり達の前で破裂する風船。テスト用なので猛毒細菌ドクダーは入ってなかったようだが、だったらなんでそんなテストをする必要あったの?
 富士の風穴で待つというアリジゴクジン。だけどスカイライダーが向かったのはいつもの採石場だった。その後実際に風穴には行くんだけど。
 ドクダーを詰めた風船をみんなに見せつけるネオショッカー科学者。その後ライダーの攻撃で風船は破裂してるけど、ドクダーは流れてこない。
 ライダーの戦いを観てるシゲルは「仮面ライダーって誰だろう?」と疑問を呈し、みどりは「もしかしたら?」と返す…いや、あなたは知ってないとおかしいだろ?>
第15話 恐怖 アオカビジンの東京大地震

  脚本:平山公夫
  監督:山田 稔
 新しく誕生した改造人間アオカビジンは、自らの体から出る腐食性カビを用いて地盤を溶かし、関東に大地震を起こそうとする。多発する小地震に疑問を持った洋は地震研究所の岡田博士を訪ねるが、震源地が地震の起こらないはずの新宿地下にあると聞き、ネオショッカーへの疑惑を募らせるのだった。そして洋が活動を開始したことを知ったアオカビジンは直接洋の前に姿を現す。
 敵はアオカビジン。あらゆるものを腐蝕させる青カビを使い、東京の地盤を溶かして関東に大地震を起こそうとする。カビに姿を変えて様々な場所に姿を現すことができる。叫び声は「カビー」。
 13話に続き東京全体にパニックを起こそうとする話で、話も派手なものに仕上げられている。ただものがカビだけに、どっちかというとホラー的。アオカビジン自身が
<あらゆるものを溶かすというアオカビジンのカビだが、時に土を溶かしてみたり、土を全く溶かさずに人間だけ溶かしたりと、指向性を持つらしい。
 飛田今太は青カビに囲まれ、溶けたビルの屋上から飛び降りてしまった。これで一巻の終わり…ではないところが彼のタフぶりを示している。
 源治郎を襲ったアオカビジンは火によって撃退されるが、その時「俺は火には弱いんだ〜」と自分の弱点をモロ叫んでる。伏線にしてはあからさまな。
 カビでスカイライダーの周りを囲みご満悦のアオカビジン。空を飛べるライダーに向かって何をやってる?でも結局セイリングジャンプは使わないままなんだが。>
第16話 不死身のゴキブリジンGモンスターの正体は?

  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 ゴキブリを一匹500円で買ってくれる会社の存在を知った洋はそこにネオショッカーの存在を感じ取り、調査を開始する。実は失敗続きで大首領から最後通牒を受け取ったゼネラルモンスターは自ら戦地に赴くことを決意する。そのためスカイキックに耐えるべくゴキブリジンを強化し、更に改造ゴキブリを日本中にばらまこうとしていたのだ。
 敵はゴキブリジン。ゴキブリ型の改造人間で、スカイキックさえもはじき返すマントを持つ。改造ゴキブリを東京中にばらまくゴキブリ作戦を遂行する。そして最後にヤモリジンがちょっとだけ登場。これがゼネラルモンスターの正体だった。
 ゼネラルモンスターとの直接対決が描かれる前後編の前編。前半の山場のはずだが、今ひとつ個性が見えない話。もうちょっと盛り上がっても良かったんだが。
 やっぱり主題がゴキブリってのが問題だったかな?流石に本物使えないのでいかにも作り物って感じだったし、ゼネラルモンスターの描写が長い分、その恐ろしさの描写が今ひとつ。
<ゴキブリジンはなかなか良いキャラしていて、愛おしそうにゴキブリを撫でてみたり、マントを両手でひらひらさせて大笑いしながら町中を走り回るとか…馬鹿すぎるが食事時には勘弁して欲しい描写だ。
 ゴキブリジンにはスカイキックが効かずに動揺するスカイライダー。だけどゴキブリジンは勝ち誇るどころか逃げ去ってしまう。何のための強化だ?
 ゴキブリジンの装甲は実はマントの方にある。スカイキックを弾くほどのマントだったらこれから量産すればいいのに。ゴキブリジンがひらひらさせて町を走るだけとは勿体ない話だ。
 ゴキブリジンの最後は両手両脚をばたばたさせて。リアルだ。
 改めて思うとゴキブリ型の怪人の中ではやっぱ「コンドールマン」のゴキブラーは最強だったな。>
第17話 やったぞ!Gモンスターの最後

  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 スカイライダーの前にヤモリジンの正体を現したゼネラルモンスターは必勝を期し最強の再改造を受ける。シゲルを襲って洋を誘い出すヤモリジンを前に劣勢を強いられる洋だが…
 敵はヤモリジン。ゼネラルモンスターの正体で、スカイライダーを上回る能力を持ち、更に人質を使ってライダーを追いつめる。角のようなものが爆弾となり、更に尻尾は鞭となる。
 ゼネラルモンスターの最後が描かれる話。完全にヤモリジンとライダーの一騎打ちに話が特化しているため、話はすっきりとしている。明らかにライダーよりも強いヤモリジンにどう立ち向かうのか。ボロボロになりながら戦い続けるスカイライダーの姿はやっぱり燃える。
 ゼネラルモンスターとの直接対決は、ゼネラルモンスターの姿でいる時は卑怯な作戦を使うものの、ヤモリジンとなってからは基本的に正々堂々というのも良い。
 ゼネラルモンスターの爆炎の後ろで高笑いする新しい敵魔神提督の姿や、以降みどり達は登場しなくなるが、それも今回の怪我によるものと説明されるなど、一部完の印象を強く与えている。飛田今太も今回から登場しなくなる。
<シゲルは歩道橋の上を這い回るヤモリを発見。「あ、ヤモリだ」と指さしてるけど、あんな所にいるヤモリをよく見つけたもんだ。それよりそのヤモリが完全に作り物で手とか全然動いてないんだが。
 ヤモリジンは最強の防御能力を持つと言うが、スカイキック一発で行動不能に陥ってしまった。もうちょっとしぶといかと思ったが。それより幹部が変身するのがヤモリってのもあんまり冴えないな。>
第18話 魔神提督の 電気ジゴク大作戦

  脚本:伊上 勝
  監督:奥中惇夫
 新しくネオショッカー幹部として着任した魔神提督は役立たずのプロフェッサー・ドクを粛正し、新しい改造人間シビレイジンを南米リオデジャネイロから呼び出すのだった。シビレイジンは発電所で自らの高電圧を流すことで東京中を大混乱に陥れようと画策する。
 敵はシビレイジン。電気エイ型の改造人間で、体から高圧電流を放つことが出来る。自分の体を電気信号に変えて電線内を移動することも可能。部下に高圧電流を流すアームカバーを付けさせて攻撃させていた。
 新展開。ネオショッカーでは新しく魔神提督が着任する。自分にちょっとでも逆らう人間は容赦なく殺してしまうし、南米から呼び出したというシビレイジンの強さも遺憾なく発揮され、新展開の物語としては理想的な作り方だろう(今回一話だけなのが残念だが)。物語そのものも、家庭内のアースの知識が攻略に役立つなど、この当時の特撮のパターンを上手く使っている。
 喫茶店ブランカにも新店員アキとナオコが入る。入ったばかりではあるが、既に個性を見せ始めており、彼女たちの遊びがシビレイジン攻略に役だった…確かにかなり無理があるけど。
<またまた“偶然”事件に出くわす洋。それで発電所に向かおうとする三田に「僕が行きます」とか言ってるのだが、それって余計なお世話では?
 シビレイジンの高圧電流に耐えられずに倒れるスカイライダー。そのまま黒こげにしてしまうかと思ったら、わざわざ涸れ井戸に連れて行って放り込んだだけ。詰めが甘い。
 高圧電流を流そうとしがみつくアリコマンドの頭を次々に踏みつけるコミカル演出あり。「秘密戦隊ゴレンジャー」を思わせる。>
第19話 オオカミジン殺しの叫び

  脚本:伊上 勝
  監督:奥中惇夫
 魔神提督の放つシビレイジンを下したスカイライダー。だがスカイターボには魔神提督による時限爆弾が仕掛けられていた。湖に飛び込むことで爆弾を外すことが出来たが、魔神提督は次なる刺客オオカミジンを超音波研究所に向かわせていた。
 敵はオオカミジン。オオカミ型の改造人間でイギリスのエジンバラからやってきた。超音波研究所で開発された殺人音波を自らの体に組み込む。首が取れても分離して攻撃するという化け物じみた攻撃も出来る。
 偶然殺人に使われるアイテムを開発した科学者にまつわる話で、これまで幾度となく使われていた定番ストーリーだが、メインはスカイライダーの戦いであり、前回に続いて絶体絶命の危機に陥る姿が見える。
 さりげなく村人の全滅が描かれていたりして、結構数多くの犠牲者が出ている話でもある。
 殺人音波から逃れるために久々にセイリングジャンプを使おうとするが、何故か機能しなかった。音波で機能を狂わされたのか?これがスカイライダーの特徴なのに、なかなか使う機会がない。
<スカイターボに仕掛けられていた時限爆弾を湖に飛び込むことで外すスカイライダー。だが湖から飛び出したスカイターボにスカイライダーは乗ってなかった。どうやって脱出したんだ?
 今回も偶然にシゲルの親友のお父さんが殺人音波を開発した博士。ヒーローの仲間には必ず著名な博士の知り合いがいるらしい。
 生物そ殺してしまうオオカミジンの殺人音波はアリコマンドやスカイライダーにも有用。その機構がどうなってるのかは謎。
 殺人音波を増幅する装置があるのだが、なんとそれはでっかいメガフォンだった。アリコマンドによって運ばれたメガフォンは何故か形が歪んでる。
 殺人音波を向こうにするにはイヤーガードを付ければ良いらしい。聴覚のみに反応するならば、聴覚をカットすれば良かったのでは?
 イヤーガードを付けたアリコマンドに向かって「かかれーっ」とスカイライダーに向かわせるオオカミジン。ちゃんと聞こえてるじゃん。
 そして崖から飛び降りるスカイライダー。落ちる時にあり得ない位置に手足が曲がってるが、これはいつものことか。
 基本的な問題だが、人間には聞こえないから「超音波」なのだが、ちゃんと音が聞こえてる。>
第20話 2人の仮面ライダー もう1人は誰だ!

  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 三浦半島で何者かによって釣り人が殺されたという源次郎の連絡を受け急行する洋。洋も又襲われるのだが、その怪人クラゲロンにはスカイライダーの技が通用せず危機に陥る。何者かの声によって救われるのだが、ネオショッカーは更なる広域作戦が展開しようとしていた。
 敵はクラゲロンサイダンプ。クラゲロンは香港からやってきたクラゲ型の改造人間で、軟体動物だけにスカイキックも通用しない。一方のサイダンプはインドからやってきたサイ型の改造人間で、硬い装甲はやはりスカイキックが通用しない。叫び声は「ガンジー」。二面作戦が展開するが、二人は仲が悪く、作戦に齟齬を来す。
 18話、19話とスカイライダーの危機が描かれていたが、この話ではいきなり二体の怪人が登場しており二面作戦が展開。しかも二体ともスカイキックが通用しないそれに対応するように、もう一人の仮面ライダーが登場と、サービス満点の話が展開。
 あくまで謎の存在として現れるもう一人のライダーだが、独特のデザインにより、観てる側には誰なのかすぐ分かってしまうのだが、最後の最後で全身を表すストロンガー。ちゃんと「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ」の口上までしっかり再現されているのが泣かせる。
 全く対応策がないままスカイキックの効かない二体の怪人と戦わねばならない。という展開はヒーローの王道で格好良いね。
 あと特徴としては、これまでの怪人は語尾に「〜ジン」と付いていたが、ここから新展開として名前にも統一感が無くなってくる。
<クラゲロンが混入した毒クラゲが顔に付着した園児がいたが、この子は溶けてないみたい。
 サイダンプによってさらわれた幼稚園の安田先生はずーっとサイダンプに担がれたまま。苦しくない?>
第21話 ストロンガー登場 2人ライダー対強敵2怪人

  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 二人の改造人間により絶体絶命の危機に陥ったスカイライダーを救ったのはストロンガーだった。ストロンガーの協力を得、特訓を開始する。一方、クラゲロンとサイダンプは着々と作戦を遂行しようとしていた。
 敵は前回に続きクラゲロンサイダンプ。クラゲロンは東京の水に毒子クラゲを混入する作戦を展開するがストロンガーの超電ドリルキックによって倒され、サイダンプはダムを破壊しようとするがスカイライダーの新必殺技大回転スカイキックによって倒される。
 ストロンガーの登場が描かれる後編。ライダーの特訓という、これも又定番の話が展開するが、先輩ライダーの協力があるため、なかなかに燃える。その結果大回転スカイキックをものにしたスカイライダー。しかし何度も何度もスカイキックを食らったストロンガーはよく無事だったもんだ。
 特訓の方に重点が置かれているためか、怪人側の作戦などはあんまり目立たないが、作戦が失敗し、二体二で戦うシーンはやっぱり見栄えする。
 これまで「仮面ライダー」と呼ばれていたのが初めて「スカイライダー」と呼ばれるようになった。先輩ライダーが出るようになったため、やはり区別が付けられるようになった。
 ちなみに今回流れるBGMは「仮面ライダーストロンガー」のものではなく「仮面ライダーアマゾン」のもの。
<先輩ライダーであるストロンガーに対しタメ口の洋。ライダーには先輩後輩はないの?
 源次郎にストロンガーと会った事を喋る洋。「ストロンガーって?」と質問するシゲルの頭を追いやり「邪魔だよ」という源次郎。児童虐待?
 ストロンガーは地面に手を付き「電気ショック」と叫ぶとアリコマンドの足下で爆発が起きている。これってエレクトリックファイヤーの事じゃなかった?後超電ドリルキックはチャージアップされないまま行われ、しかも「超電子ドリルキック」になってる。違う技なのかな?>
第22話 コゴエンスキー 東京冷凍5秒前

  脚本:土筆 勉
  監督:田口勝彦
 ラジコン飛行機で遊んでいたシゲルは友達のシンと共に廃屋に入り込むのだが、そこはネオショッカーの基地であり、怪人コゴエンスキーが巨大冷凍ミサイルを作っていたのだ。その生け贄を求め、子ども達を襲い始める。
 敵はコゴエンスキー。サブスギール国からやってきた怪人で、冷凍ミサイルを作り上げる。左目にはまっている栓を抜くと自爆してしまう。
 ここのところしばらくライダーの絶体絶命の危機が続いていたが、今回は割とコミカルな出来。これまで冷酷無情な性格を見せつけていた魔神提督がそれに合わせるかのようにやや間の抜けた上司役に変わっている。作戦になかなか入らないコゴエンスキーに対し、叱責もせずアリコマンドに不満を漏らしていた。
 今回は洋のバイクがスカイターボに変形する過程が描かれている。バイクに装甲がくっつくのだが、その装甲がどこから出てきているのか分からない。
<トラックの荷台から姿を現したコゴエンスキーはアリコマンドしか観ている者がいないのにポーズを取って「コゴエンスキーだ」とか大声で自己紹介。なんの意味もないけど。
 コゴエンスキーの故郷の名前はサブスギール、そこでの守護神はヒエールと言うのだそうだ。ネーミングセンス抜群だな。
 コゴエンスキーの吐く冷凍ガスで凍ってしまう人々。だけど実際はラップを体に巻き付けてるだけ。凍ってるように見せる工夫か。
 谷からもらった火炎放射器になる指輪だが、使用しているところを見ると指輪の大きさに見えない。
 一応最後はスカイキックで決めてはいるが、実質的にコゴエンスキーは自爆。最も情けない倒され方をした怪人と言っていい。>
第23話 怪人ムササビ兄弟と 2人のライダー

  脚本:伊上 勝
  監督:山田 稔
 源次郎の紹介で伊東という男と会う洋。伊東は妻と娘をネオショッカーに殺されており、以来ネオショッカーを倒すために活動していたのだ。ネオショッカーの極秘指令書を手に入れたのだが、その写真をムササベーダーに奪い取られてしまう。何とか写真を奪回する洋だったが、その指令書は既に書き換えられていた。指令書通りに現場に向かう洋だが…
 敵はムササベーダー。カナダから来たムササビ型の同じ姿をした兄弟怪人で、空を飛んだり炎を吐いたりしつつ連携作戦を得意とする。叫び声は「べーダー」
 前々回のストロンガーに続きV3が登場する話。声は確かに宮内洋だが、あんな目立ちたがりが人間体にはならずにスカイライダーのアシストで終わったのは結構意外。当然BGMはV3のものが使用されている。
 作戦書の奪取や罠などが張り巡らされており、二人のライダーが出るというだけでなくかなり濃密な話に仕上げられている。一話でやる内容ではない気がする。
 13話の東京タワーに続き横浜マリンタワーが登場。中華街も出てるし、観光地めぐりみたい。
<ムササベーダーから指令書を奪って喜ぶ洋達。しかし、奪われたことを知られた以上、作戦は変更されたと思って当然じゃないだろうか?
 伊東が密談に使った中華街の店の主人はムササベーダーに殺されたが、普通に店で作戦をしてる三人。しかも電話が鳴るとすぐに伊東が受話器を取っていた。危機感があるんだかないんだか。
 爆弾の起動音によってスカイライダーをおびき寄せようとする爆弾人間達。しかし、そこにはムササベーダーもいるので、陽動作戦にしてはお粗末すぎる。
 前にストロンガーの存在は知らなかったスカイライダーはV3の事を知っていた。ストロンガーから聞いたのかな?
 横浜に向かって急ぐスカイライダーはスカイターボを田んぼの中を走らせている…確かに信号待ちはないかも知れないけど、効率悪くない?いや、セイリングジャンプを使えば済んでしまうのでは?
 ムササベーダーの片割れは爆弾人間であることを最後にバラしたため、空中で破壊されてしまう。言わなきゃ横浜は全滅だったのに。しかし、合成での爆発は、ほとんど横浜が燃えてるようにしか見えないし、それを見て笑い合ってるスカイライダーとV3の姿は相当にシュールだぞ。>
第24話 マダラカジン毒ガスの恐怖

  脚本:鷺山京子
  監督:田口勝彦
 狂気の科学者川口博士が作り上げたドクロンという毒ガスを狙いマダラカジンが化けた男がやってくる。川口の妹のさゆりはなんとか兄を思いとどまらせようとするが、兄の方は大金と引き替えにその研究を売ろうとしていた。
 敵はマダラカジン。ボルネオのジャングルからやってきた蚊型の改造人間。川口博士の完成させた毒ガスドクロンを歳にばらまこうとする。叫び声は「マダラマダラマダラ」。
 強力な兵器を作り上げた博士を巡っての攻防戦。フォーマットに則った作品とも言えるだろう。主体を怪人との戦いではなく、科学者の方に持って行っているのが特徴。自分以外の事なんてどうでも良いと思ってる自分勝手な科学者のお陰で振り回されるスカイライダーの話が展開する。
 今回ライダーもなかなか非情なところで、川口博士が撃たれてもなんの反応もしてなかった。悪人だったら仕方ないと割り切ってるんだろうか?
 人間の悪を描くために話自体が重めに仕上がり、あまりツッコミ所は多くない。
<偶然に怪人に遭遇する確率がやたら高いブランカの面々。今回はドクロン散布の場所に選ばれたドリームランドに偶然遊びに来ていた。ナオコはいつも荷物の中にバトンを持っているらしい。
 人間に対して使用されたドクロンは皮膚病を発症させて骨にしてしまうが、アリコマンドに使用したら服も含めて消え去ってしまう。そう言えば防毒マスク付けて作業もしていたが、それって無駄なのでは?
 最後の戦いに向かうスカイターボのジャンプシーンが多用されるが、最後のシーン、あの直後ジャンプ失敗してたと思われる。後輪がジャンプ対象のネットにかかってたよ。
 ドクロンで充満しているはずのマダラカジンの注射器だが、何故かスカイライダーに対しては爆発するものになってる。>
第25話 重いぞ!重いぞ!50トンの赤ちゃん

  脚本:江連 卓
  監督:奥中惇夫
 雨中を帰宅途中の洋は陣痛で苦しんでいるエルザという妊婦を助け、赤ちゃんが生まれるまで付き添う事となる。ところが母親は消えてしまう。ボンゴと名付けられたその赤ん坊をあずかる事となったブランカの面々。ところがボンゴの成長は常人を超え、あっという間に大きくなる。
 敵はゾウガメロン。バミューダ海域の秘密基地からやってきたゾウガメ型の怪人。岩に変形し、丸まって攻撃する。叫び声は「ゴワー」。そしてボンゴ。エルザという母親から生まれたゾウガメロンの子どもで、洋の首を絞めて殺そうとする。
 子どもを攻撃出来ないヒーローの特性を活かして攻撃をかける。割と定番だが、その攻撃って子泣き爺か?話そのものは葛の葉の話にも似てるね。
 話そのものは定番でも死人が出る話なので、ちょっと重め。それまで親身に世話していた子どもが殺されてしまうのはきつい話だ。
 色々と細かい新しい設定が出てきた。洋はハムスターを飼っているとか、ハーモニカが得意だとか。何よりラスト、死んだボンゴのために涙を流すのが特徴的だろう。これまでのライダーが悲しみを隠すヒーローだったのに、スカイライダーはストレートな優しさを持つという事なのかも知れない。
<洋を「ママ」と呼ぶボンゴ。それじゃおやっさんがパパか?思いっきりジェンダーフリーだな。それ以前に5日で少年にまでなってしまうボンゴを不気味がるとかしろよ。
 エルザの助けを乞う手紙に「罠かも知れない」と言いつつボンゴを連れて行く洋。助けるまでブランカに置いておけばいいのに。
 ゾウガメロンの造形は結構良いのだが、何故か目が四つもある。口の中に中の人の覗き穴もあるので、合計6つも目がある事に。一方、ボンゴの造形の不細工さは何とかならないか?
 洋の上にボンゴが乗った状態で、その上に覆い被さるゾウガメロン。「親ガメの上に小ガメ」ならず、「子ガメの上に親ガメ」だな。
 50dもあるゾウガメロンの体重に耐える洋も凄いが、洋は動けないんだから、そのまま攻撃すれば良いんじゃないだろうか?>
DVD3
<A> <楽>
第26話 3人ライダー対ネオショッカーの学校要塞

  脚本:山崎 久
  監督:奥中惇夫
 野外活動で昆虫採集をしていた小学生達が大きなまっ赤な蛾を捕まえる。だがその蛾が出す鱗粉を浴びた子ども達は顔に奇妙な斑点を出して苦しみ出すのだった。たまたま転んで難を逃れた義雄少年がいた。
 敵はドクガンバ。ギリシアからやってきた蛾の怪人。大きな蛾に変身し、感染性のある毒鱗粉を出す。東京近郊の小学校を占拠し、東京中を鱗粉毒で覆ってしまおうとする。鎖付き鉄球で攻撃するが、それを逆手に取られてスカイライダーに振り回されてしまう。
 BC兵器の使用という割と近代的な話が展開するが、何よりここでXライダーとライダーマンの客演が一番のトピック。この二人が組むのは珍しい。登場の仕方が突然すぎるのはいただけないが存分にその強さを見せている。ちゃんとそれぞれのテーマ曲をバックに戦っているのも良い。特にライダーマンの強さは随分強調されているようだ。
 ネオショッカーの作戦規模は大きいが物語の展開は早い。客演まで入れるんだったら前後編にしても良かったくらい。
<台詞は棒読み。苦しんでるはずなのに笑っているなど、全般的に子役の演技が下手。
 ヨシオ少年が通報した時シゲルはブランカにいた。あれ?今は平日の昼間じゃないの?学校は?
 珍しくアリコマンドが台詞付き。スカイライダーによって十把一絡げで縛られた時、「そりゃないよ〜」と情けない声を出し、ドクガンバの鉄球の巻き沿いを受けて「やられた〜」と叫ぶ。
 崖崩れを起こしてスカイライダーを生き埋めにするドクガンバ。「死んだな」と一人ごちて去っていくが、確認しろよ。
 他のライダーと異なりライダーマンは半分素顔だから違いがよく分かる。ちょっと痩身すぎるね。>
第27話 戦車と怪人二世部隊!8人ライダー勢ぞろい

  脚本:田口勝彦
  監督:山田 稔
 ネオショッカーの新兵器であるバリチウム弾と、それを発射する特殊戦車が完成。ヒルビランがその指揮を執るが、戦車を作り上げた泉田博士が戦車を破壊して逃亡する。泉田の娘カオルと共にさらわれてしまったシゲルだが…
 敵はヒルビラン。泉田博士が完成させた特殊戦車で都市を攻撃する。体に付いた多数のヒルを投げつけて攻撃する。叫び声は「ビラー」。そしてこれまで登場していた怪人の二世部隊が登場。更にヒマラヤからやってきたグランバーザミーの登場と、実に数が出てくる。
 ネオショッカーの広域作戦と八人ライダーの勢揃いが描かれる話で、戦車まで登場し、数多くの怪人が登場して見所が多い。
 物語としては兵器を完成させた博士がネオショッカーから脱出して、怪人が追いかけて来るというオーソドックスな話に仕上げられている。
 最後の八人ライダー登場はそれぞれのテーマ曲が流れて流石に盛り上がるが、ここでの彼らの活躍は控えめ。次回へと続く事になる。ツッコミ所は多いとは言え、やっぱり燃えるよな。
 造形はかなり気持ち悪くて良いヒルビランだったが、流石にあまり個性出せずに終わったのは残念な所。
<シゲルは洋用の通信機を見せびらかせていたが、それを使わなくても危機になると洋はやってくる。あんまり必要ないような?
 二世部隊の中にはヤモリジンもいる。かつての幹部もこうなると形無しだな。
 ネオショッカーの処刑方法は回転ノコギリによるもの。古典的なやり方だな。
 囚われの身となった洋はヒルビランが落としたヒルの溶解液を使って脱出。そんな威力があるならそもそも洋は完全に溶けてなければおかしいと思うけど。
 都市を散々に蹂躙していた特殊戦車だが、何故か八忍ライダーと戦う際はそこらの広場に移動してる。わざわざ移動する必要ないみたいだけど。
 仮面ライダー2号のマスクは濃いものに変えられてた。区別を付けるためだろうけど、普通逆じゃないのか?1号のサイクロンも旧型になってるね。
 細かい話だけどテーマ曲の順番はライダー→ライダーマン→V3の順。
 八人ライダーの声が違っているのはちょっと興醒め。それとライダー達がやってる事は戦車に乗っかって殴ってるだけというのもちょっと芸が無いかな?>
第28話 8人ライダー友情の大特訓

  脚本:田口勝彦
  監督:山田 稔
 ネオショッカーの二世部隊はマグマ噴出作戦を進めるべく多量の人間たちを拉致する。それを阻止すべく働くライダー達。だが歴戦のライダーも瞬間移動が出来るグランバーザミーには翻弄するばかり。スカイライダーはグランバーザミーに対抗するため自らのパワーアップの必要性を実感。先輩ライダーの協力を仰ぐ。
 敵はグランバーザミー。瞬間移動が可能な他、歴代ライダーのキックを受けてもびくともしない装甲。一撃でライダーの体を切り裂くハサミなど、まさに最強怪人。パワーアップしたスカイキックを受けても一撃では死ななかった。
 シリーズの節目となる作品で、それにふさわしく現時点では最強の敵が登場。先輩ライダー達との共闘とスカイライダーのパワーアップが描かれていく。お陰で色々盛り込んで豪華な作品に仕上げられた。
 スカイライダーのパワーアップは地道に特訓によってなされるのもこの時代の特徴だろうか。平成版になるとアイテムや特別な能力開眼が多くなるけど、それよりはこちらの方がリアリティあり。パワーアップを示すものとしてスカイライダーの体色が変わったのも特徴的だろう。ライダーの体色が変わったのは1号以来だ。
 その特訓だが、村上弘明自身が体当たりでやってるのが凄い。
 ちょっと話にまとまりが無いのが難点ではあり。この話は洋の無力さを徹底的に示して、もう一話使ってパワーアップを描いても良かった。
<瞬間移動が出来るグランバーザミーはスカイライダーとXライダーのキックをライダーマンと入れ替わる事で回避。結果モロに二人のキックを食らう事になるライダーマンだが、ピンピンしてるよ。
 特訓の際ストロンガーはどこからか鉄球を持ち出している。いつの間にそんな攻撃を覚えた?それに前にドクガンバが使ってたもののような?
 グランバーザミーを3点ドロップで倒すスカイライダー。しかし、地に叩きつけられたグランバーザミーの姿をよく見ると着ぐるみがべこべこ。というか、腕が無くなって穴が開いてるよ。>
第29話 初公開!強化スカイライダーの必殺技

  脚本:土筆 勉
  監督:田中秀夫
 社会見学でシゲルは古代エジプトのミイラを見に行くが、シゲルの目の前で突然そのミイラが動き出す。誰もそれを信じようとはしなかったが、おみやげにミイラの仮面を摸したお面をもらった子ども達に、そのお面が張り付いてはがれなくなってしまうと言う事件が続発した。しかもそのお面をつけた子ども達はネオショッカーのヒカラビーノによって操られるようになってしまった。
 敵はヒカラビーノ。エジプトから呼び寄せられた怪人で、ミイラの仮面を子ども達に付け、大人達を襲わせようとする。体中に付けられた包帯を使って攻撃する。人間が巻き付けられると干物になってしまう。叫び声は「ラービーノ」。
 新生スカイライダーの活躍が開始。OPも新しい歌に替えられた。今回はホラー風味満点で展開。子ども達がミイラのマスクをかぶって近づいてくる描写はリビングデッドものみたいでなかなかシュール。ただ、肝心のヒカラビーノが結構お茶目で、前回までの緊張感が薄れてしまった事は否めない。
 今回からスカイライダーの新必殺技が展開。今回はスカイスクリューキック。
<展覧会の名称は「古代エジプト秘宝館」…秘宝館ってなによ?スタッフのお遊びか?
 ミイラだけに、怪人の名前がヒカラビーノ。ジョークかよ。
 洋を絶体絶命の危機に追いやったヒカラビーノは、突然の地震にびっくりして逃げてしまう。その際「俺は地震が大嫌いなのだ」とわざわざ説明してる。なんともご丁寧な事だ。伏線かと思ったら全く関係がないんだが。
 ブランカが子ども達に襲われた際、ドアをひっかく音は完璧不快音。長く聞いてると鳥肌が立ってくる。
 折角谷を捕まえたのに、何もせずに縛り付けるだけのヒカラビーノ。この甘さが…
 子ども達に襲われた後、顔中傷だらけで町を駆け回る洋。拭けよ。
 ヒカラビーノが倒された時の台詞は「ヒカラビータ」。最後までギャグを忘れない怪人だった。>
第30話 夢を食べる?アマゾンから来た不思議な少年

  脚本:江連 卓
  監督:田中秀夫
 アキの弟のオサムの学校にブラジルから転校してきた麻野夢太郎という少年。彼は実は念力の持ち主で、その能力を見せつける事であっという間に学校の人気者になる。だがその夜からクラスメイト達は悪夢を観るようになり、凶暴化するようになった。オサムまでもが凶暴化したのを目の当たりにした洋は危機感を募らせる。
 敵はオオバクロン。アマゾンからやってきたバクの怪人で、子ども達に悪夢を見せて凶暴にしてしまう。念力を持つ他、爪に仕込んだ毒液で攻撃する。麻野夢太郎という少年に化けてオサムの学校に転校してきた。
 アキの弟オサムが初登場。初登場の割にはブランカに馴染んでいるのは、何らかの理由でシゲルが出られなかったからだろう。
 子どもを凶暴化させて大人を襲わせる作戦は前回に続いて。本作は妙にその作戦が多いように見受けられる。毒液を使った攻撃まで同じだ。
 名前だけではあるがアマゾンライダーに言及。現在アマゾンにいてネオショッカーと戦っているらしい。おそらくアマゾン役の岡崎徹が捕まらなかったため客演が出来なかったため、名前しか出せなかったのだろう。ここから歴代ライダーの客演シリーズが始まる。
 今回の新技はライダースピンと必殺稲妻空中落とし。
<魔神提督と酒を飲み交わすオオバクロン。洟から直接液体を吸い取ってるよ。
 子どもが凶暴化するとは割と定番の話だが、その目的は魔神提督によれば「勉強どころではなくなる」からだとか。えらくせこい作戦だ。
 あっという間にスカイライダーを追いつめたオオバクロンは「とどめだ」と言って爪でスカイライダーを突き刺し、倒れた所をトラックに積んだ土砂で生き埋めにする。なんで殺さない?
 スカイライダーの新技必殺稲妻空中落としを食らったオオバクロンは足だけを外に出してるスケキヨ状態。爆発するまで時間があるので、かなりじたばたしてる。>
第31話 走れXライダー!筑波洋よ死ぬな!!

  脚本:江連 卓
  監督:山田 稔
 学習塾に通っているナオコの弟タケシは塾の先生鬼島からいつも叱責を受けていた。それでタケシは気晴らしに友達と一緒に魔人峠にピクニックに出かける事に。だがその魔人峠ではネオショッカーのトリカブトロン主導で黄金掘りがなされていた…
 敵はトリカブトロン。モンゴルからやってきた怪人で鬼島という人間に化けて塾の講師をしており、生け贄としてタケシを送り込む。毒矢を使った攻撃でスカイライダーを苦しめる。そしてもう一人黄金ジャガー。サハラ支部からスカイライダー暗殺のため魔神提督によって呼び寄せられた槍使い。
 前後編で展開するXライダー編。今回Xライダー神敬介が客演。人間の姿ではほんの僅かだが、Xライダーとして共に戦う。こういう客演が続くのが本作の特徴。ちゃんと大変身で変身してるが、今回は変身した時点で終わってしまった。
 今回の敵は二体。槍と弓矢使いというのは面白い設定だ。
 前回に続き、今度はナオコの弟が登場。シゲルは出ているので、代わりという訳ではないらしい。
<塾ではお尻に根性棒で折檻受けてる。今はこれやったら大問題。
 タケシが来る事をあらかじめ分かっているかの如く登場する三郎。「タケシの友達だから霊感が強い」らしい。どんな理屈だ?
 パワーアップしたスカイライダーに次々に怪人がやられていると嘆く魔神提督。しかし、今のところ倒されたのは二人だけ。
 神敬介が客演。だけど「Xライダー」やってた頃と顔付きが大幅に変わっている。よくこれで分かったもんだ。
 黄金ジャガーと戦っている間に後ろからトリカブトロンに矢をいかけられ、谷底に落下するスカイライダー。その能力あるんだから飛べよ。>
第32話 ありがとう神啓介!とどめは俺にまかせろ!!

  脚本:江連 卓
  監督:山田 稔
 トリカブトロンの毒矢を受けたスカイライダーは谷底に転落。神敬介はすぐさまXライダーに変身し、洋を助ける。一方スカイライダーを倒したと思いこんだトリカブトロンは嬉々として報告。神殿の着工は順調に進んでいく。そして生け贄に捧げる子どもを選抜するため、子ども達に競争を強要する魔神提督。
 敵は前回から続き、トリカブトロン黄金ジャガー。そして魔神提督が前線に出ており、大首領そのものも魔神像に宿って登場。
 前回谷底に落とされたスカイライダーだったが、それは別段重要なパートにはならず。そのお陰でスカイライダーとXライダーの見せ場がふんだんに用意された。この方が良かったのかな?Xライダーのテーマ曲も存分に聴かせてくれる。
 神敬介が偶然この場所に来たのは、若い頃にここでお世話になったからだそうだ。日本にいる洋に一報あっても良いんだが、なんか理由があってのか?
 黄金ジャガーの性格の良さがよく出ていて、競争で脱落しそうになった子どもを助けたり、自分を倒したスカイライダーとXライダーを称賛していたりする。だからこそトリカブトロンと魔神提督の卑怯さも映えている。
 魔神提督の声は納屋吾郎だった。やっぱり大首領の声はこれでないとね。
 最後、Xライダーが神敬介の声でユキコに「幸せになるんだよ」と叫んでいる。なかなか小憎らしい演出じゃないか。
 今回の必殺技は槍渡り陽炎の術。体重をゼロにして黄金ジャガーの繰り出す槍の上に立ってみせた。
<トリカブトロンは5階級特進して将軍になったが、それで黄金ジャガーと同じ階級になったらしい。しかし、前回からタメ口利いてたような?
 神敬介はユキコと三郎の父親に向かって「とっつぁん」と呼びかけてた。よっぽど親しかったんだろうね。
 競争に脱落しそうになった二人の子どもを谷底に放り込め。と命令するトリカブトロン。生贄に捧げるんじゃなかったっけ?
 生贄の儀式を行う際、アリコマンドの一人は鬼の面を付けて太鼓を叩いてる。ナマハゲ?
 魔神提督は大首領に対し「黒き太陽よ」と呼びかけてた。え?大首領ってブラックサンの事だったの?
 魔神像の出した舌に向かってライドルホイップを投げるXライダーは「ライドル剣」と言っていた。名称が変わったのかな?
 スカイライダーの必殺技は99ある事が発覚。いつ特訓したんだ?それより「体重をゼロにして」って、どうやって?>
第33話 ハロー! ライダーマンネズラ毒に気をつけろ!!

  脚本:鷺山京子
  監督:山田 稔
 ネオショッカーの怪人ドブネズゴンはネズコンロボに積んだネズラ毒で東京中を混乱に陥らせようとする。それを追い、ニューヨークから結城丈二が来日してきた。そんな時シゲルの学校に転校してきた少年アキオは母親の言いつけで大切に飼っていたペットのハムスターを捨てに行くのだが…
 敵はドブネズゴン。ニューヨークからやってきた怪人で、自ら開発したネズラ毒を使い東京を死滅させようとした。追ってきたライダーマンと死闘を演じる。
 前回人敬介に続き、ライダーマン結城丈二が登場。この人はあんまり変わってないね。スカイライダーが来るまでという限定だが大活躍している。単独で見せ場を作る事が少ないキャラだけに、これはなかなか良い感じ。メインとなるストーリー展開も動物を大切にする子どもはその動物が助けてくれる。という感じ
 本作では珍しく大量の人死にが出た話。毒を浴びて人間が白骨になると言う設定は「仮面ライダー」を思い出させる。
 17話以来入院していたというユミが退院していた。シゲルの姉みどりはどうしたのかな?
<ネズラ毒は30秒で人間を骨にしてしまうが、ドブネズゴンは「これでは遅い」と改良を重ねる。基本的に噴霧された瞬間に人は死んでるんだけど。
 事故現場で警察官に「何があったんです?」と聞く洋に「ちょっとね」と素っ気ない返事をする警官。本来これが正しい対応。これまでが丁寧すぎた。
 ドブネズゴンはネズラ毒を尻尾から噴霧するのだが、ネズラ毒が無くなったと尻尾の毒を手にふりかけようとする。こいつは死なないのか?
 かつて右手は肘から手袋で覆っていた結城は今や手首からの手袋になってる。あれ、そこから見える肌は生身に見えるぞ。
 ライダーマンはドブネズゴンと戦いながらロープアームを使うが、形状は「スイングアーム」。>
第34話 危うしスカイライダー!やって来たぞ風見志郎

  脚本:土筆 勉
  監督:平山公夫
 天神山にピクニックに出かけたアキとナオコ。彼女たちはドライブ途中にネオショッカーに襲われている少女を見かけ、追いかける。一方洋もその事を知り、手がかりから南博士へとたどり着く。南博士の研究を狙っての攻撃だと知った洋だが…
 敵はマントコング。アフリカからやってきた怪力自慢の改造人間。タフぶりもすごく、V3ダブルキックさえはじき返してしまう。そしてボルネオから風見志郎が追ってきたというタコギャング。知恵者として知られるが、水の中での戦いでは無敵。
 前後編の前編。歴代ライダー客演シリーズもこれで3人目。ついに風見志郎が登場する。話自体は洋と志郎、そしてアキとナオコの二段構えで展開していく。
 しかし流石歴代ライダーの中でも突出した存在感を持つ風見志郎。今回は何とスカイライダー自身が登場しないという、ある意味もの凄い変則的な話ではある。いきなり洋に襲いかかり、高笑いしながら現れる登場の仕方もケレン味ありすぎる。この人は全然変わらないね。当然「変身ン。V3ァ」のかけ声も健在。
 そして今回からいよいよがんがんじいが登場。かつての飛田骨太に代わるおちゃらけキャラ。軍艦マーチをがなりながら登場するが、今ひとつ今回は個性見られず。ちなみにOPでのキャスト名は「謎の人」だった。
<わざわざブランカの前で人さらいをするネオショッカー。わざわざ洋も出向く必要ないから効率良いね…って問題か?
 南博士の研究は動物の特質を持つ植物を作る研究。カボチャが心臓のように脈打ってるんだが、これって悪魔の所行のような?
 マントコングに対し全く物怖じせずに戦いを挑むがんがんじい。こいつ危機感のネジが一本抜けてるんじゃないのか?死なないのは僥倖だが。
 南博士に言う事を聞かせるため亜矢子を拷問にかけるタコギャング。それ見て「流石知恵者」と褒める魔神提督…別段知恵があるとは思えないけどね。
 南博士の娘亜矢子は高校生くらい?こうなると「私には構わないで」が使えるね。
 マントコングとタコギャングは仲が悪いが、タコギャングはマントコングによって熱湯に漬けられてしまう。「危うくユデダコになる所だった」って、そういう問題か?頭の形状が変わってるけど。>
第35話 風見先輩!タコギャングはオレがやる!!

  脚本:土筆 勉
  監督:平山公夫
 マントコングと戦うV3、タコギャングと戦うスカイライダーは互いに死闘を繰り広げるが、どちらも決め手がないまま逃げられてしまう。その頃南博士は娘を人質に取られ、動物を植物に変える研究を強要されていた。
 敵は前回に続きマントコングタコギャング。タコギャングは地中に潜り触手を伸ばして攻撃する。「知性的」と言われていたが、戦い方は力任せだった。マントコングはV3に、タコギャングはスカイライダーに倒される。
 V3編の後編。V3は相変わらずの目立ちっぷり。爆風の中を走らせたバイクに乗ったままの変身と、往年の立ち居振る舞いを彷彿とさせる。一方スカイライダーの方も変身ポーズがちょっと変わり、「スカイ変身」となった。
 今回もがんがんじいが登場。磁石を使ってマントコングと戦うが、逆に自分がジープにくっついてしまった。でもアリコマンド程度だったら互角以上に戦える実力を持つのは分かった。
<ネオショッカーの秘密基地の門は電動式のようだが、スライド時にガタガタと揺れていた。
 ネオショッカーに捕まえられた若者達を救い出す際、なんと素手で鎖を引きちぎってしまう洋。これで疑問に思わないみんなも不思議だ。
 ところで南博士が開発した動物を植物に変える薬は「ワクチン」と言われているが「ウィルス」が正しいんじゃないか?>
第36話 急げ一文字隼人!樹にされる人々を救え!!

  脚本:江連 卓
  監督:山田 稔
 人間の体から植物を生えさせる特殊な種を持って来日した女性を追って一文字隼人が来日した。その頃ブランカでは洋の大学時代の同級生上条キヨコの危機を知らせるために弟のタケシがやってきた。
 敵はキギンガー。アマゾンからやってきた女性型怪人で、人間を木に変えるアフロマジンカ実験をしている。植物怪人らしく蔦を用いて攻撃する。そしてドラゴンキング。ガバドス島からやってきた拳法の達人。アリコマンドの特殊部隊の指導もしてる。
 人体実験を行っている村が舞台の話で、昔からの定番の一つ。2号ライダーの登場に合わせた話かな?でも人間を木に変えるという話は前回からの続きになるのかな?子どもに競わせて勝者を助けようと申し出る魔神提督の姿は32話のXライダー編にも話がかぶる。
 一文字隼人が登場。アマゾンにいたらしいが、人間を木に変える怪人アフロマジンカを追って来日。
 既に登場していたものの、未だに出会ってなかったがんがんじいと洋が初めて出会った話でもあり。
<アフロマジンカの種によって体中から植物を生やす人間がいるが、シールみたいなもので顔に貼り付けているため、所々はがれてるな。
 一文字隼人はアマゾンからやってきたそうだ。アマゾンはアマゾンライダーがいるんじゃなかった?
 牢に入れられた隼人に対しアリコマンドは「これはライダー用に作られた特別合金で作られてる」とうそぶく…の割にはあっけなく破壊されてしまった。
 ドラゴンキングは名前の割に顔付きとか魚みたい。名前負けしてるな>
第37話 百鬼村の怪!洋も樹にされるのか?

  脚本:江連 卓
  監督:山田 稔
 スカイターボもろとも爆弾の餌食にされたスカイライダーだが、危機一髪スカイターボの力で難を逃れる。一方仮面ライダー2号はがんがんじいが邪魔でなかなかその力を出す事ができずにいた。なんとか木にされた村人を救い、ネオショッカーの野望を打ち砕こうとする二人…
 敵は前回に続きキギンガードラゴンキング。キギンガーは木に変えられた人間を操る方法を研究中。ドラゴンキングは二体のライダーと同時に戦うが、ライダーダブルキックを受けて倒される。
 前後編の後編。ブランカの女性陣までも加えて大所帯となったが、アクションシーンはかなり見栄えのする話となった。がんがんじいを庇いながらのため、仮面ライダー2号があんまり活躍出来なかったが。
 2号ライダーとスカイライダーの二人によるライダーダブルキックが見られる。
 今回の99の必殺技は風車三段投げ。キギンガーを持ち上げて空中で回転させた上で地面に叩きつけた。
<前回ラストで危機に陥り、あっという間に回避してしまうのはこれまでのパターン。簡単すぎるなあ。
 大人は腰が重くて。とか言い合って百鬼村にやってくるナオコ達。目の前に木にさせられた人間がいるというのに危機感足りなすぎ。案の定キギンガーによって木にされてしまった。
 こんな危機的状況にあっても子ども達は元気。大喜びではしゃいでいたと思ったら、次の瞬間親の前で泣き出す。感情の上下が激しすぎるぞ。
 相変わらず危機感の感じられないがんがんじい。結局最後は一文字に気絶させられてしまった。>
DVD4
<A> <楽>
第38話 来たれ城茂!月給百万円のアリコマンド養成所

  脚本:土筆 勉
  監督:山田 稔
 月給百万円という新聞広告を出した会社が大人気で、次々に若者が面接に出向いていた。だがそこで連れて行かれた若者達は戻ってこない。そんな事件を知り、洋は変装して面接に行くが、連れて行かれた先は案の定ネオショッカーのアジトだった。ここで若者に脳改造を施し、アリコマンドにしてしまうというのだ。
 敵はガマギラス。ガマガエル型の怪人で、どことなくコミカルな風貌が特徴。ガマの油を使い人間を滑らせたり、人間を溶かしたりする。自らの体に油を塗りつける事で敵の攻撃を無力化も出来る。多彩な技を使って、スカイライダーとストロンガーを相手に戦った。叫び声は「ゲーコ」「タラリー」
 富に釣られた人間を改造するというホラー風味の強い作品。ドクターメテオによって脳をいじられた人間がどんどん非人間的になっていくのと、頭に大きな傷痕があるのが結構怖い。
 そして今回は客演としてストロンガーの城茂が登場。かつて「仮面ライダーストロンガー」の頃と随分風貌も変わり、丸くなった感じ。テーマ曲が西部劇風なのは結構はまってる。ちゃんと「天が呼ぶ。地が呼ぶ。人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ」がちゃんと語られている。登場は一話と短いが、個性は充分出ている。
 ちなみに今回のがんがんじいはネオショッカーのアジトを見つけて、ひたすら穴を掘ってる。本当に穴掘ってるだけなのだが、これが結構役に立った。
 今回の必殺技はスカイアトミックドロップ。ガマギラスを空中に抱え上げ、逆さまにした状態で頭から叩きつけてとどめを刺した。
<アフロヘアとサングラスという見た目に怪しげな変装をする洋。それであっさり騙されるのもなんだが、「よく化けたな」と高笑いする魔神提督が妙に馬鹿っぽい。
 ドクターメテオはマッドサイエンティストの鏡みたいな奴で、「脳がいじれる」とさも楽しそうに言ってる姿が良いね。こういうキャラは大好きだが、話の都合上邪魔なだけなのが問題。こいつも変身させれば良かったのに。
 脳をいじられた若者は一月も入院すれば元通りになるのだとか…嘘だ。
 最後去ろうとする城茂に「カラオケが出るまでは帰しません」とにこやかに言う谷と洋。これは城茂役の荒木しげるが歌手でもある事からかな?>
第39話 助けて!2人のライダー!!母ちゃんが鬼になる

  脚本:土筆 勉
  監督:平山公夫
 世界的ダンサーのキレーダが来日。行川アイランドのディナーショーに招かれた谷と洋はブランカの面々と共に行川アイランドへと向かうが、そのディナーショーにキレーダの持つ神秘の宝石を狙うウニデーモンによる襲撃を受ける。
 敵はウニデーモン。トゲが付いた赤鬼と言った風情。これまでにはない人間的デザインが特徴。キレーダの持つ神秘の宝石を埋め込む事で人間を鬼へと変えてしまう。叫び声は「ウ〜ニ〜ウニニニ」。そしてオカッパ法師。ウニデーモンの助っ人として呼ばれた河童の怪人。常に頭の皿に水を補給しなければならないらしい。
 今回は一文字隼人の二度目の登場。今度はポリネシアから来たそうだが、この人の活動範囲ってどれだけ広いんだ?
 敵は鬼と河童。純和風の戦いが展開。全般的にギャグに溢れたコミカルな作品になってる。
 洋の水着姿が前半の見所だが、この人の体格って凄いね。贅肉が全然付いてないよ。ファンが多いのは顔だけじゃないか。
<谷の下着は赤フンらしい。日本男児たるもの。とか言ってるが…で、沼はプレスリーの紛争で登場。思いっきり浮いてる。
 今回のがんがんじいはオカッパ法師が少年を襲っている所に現れるが、オカッパ法師の屁にまかれ、更にオカッパ法師の皿に載せられて空中高く放り投げられてしまう。
 キレーダの名は情感込めて呼ぶと「綺麗だ」に聞こえる。それが狙い?
 女好きというウニデーモンは捕らわれた女性を舐めるかのように接近。良いのか?魔神提督からも怒られてたよ。
 ウニデーモンの言う所によれば、節分は「鬼は内、服は外」だそうだ。このフレーズは結構良く使われる。
 オカッパ法師という名前もそうだが、必殺技の名前が「河童巻」ってのはちょっとセンス無いぞ。>
第40話 追え隼人!カッパの血が空を飛ぶ

  脚本:土筆 勉
  監督:平山公夫
 2号ライダーは逆転技によって窮地を脱する。だがネオショッカーは今度はブランカの面々を狙って罠を仕掛けてくる。一方痺れ毒を注入させられてしまったスカイライダーはウニデーモンによって処刑されそうになる
 敵は前回に続きウニデーモンオカッパ法師。ウニデーモンは神秘の宝石を付けた額が弱点で、オカッパ法師は皿が弱点。
 前後編の後編。洋よりも隼人の方が今回は個性を発揮しているのが特徴でもある。旧作ファンには結構嬉しい。前回スカイがウニデーモン、2号がオカッパ法師と戦っていたが、今回はそれが逆転してるのも面白い。そう言えば確かにパワー系、空中系の敵に対してはこちらの方が相性が良い。
 今回はがんがんじいのみならず沼も色々と個性を発揮してる。プレスリーの格好をしている沼は「エルビス」と呼ばれると、それだけでメロメロになってしまう。がんがんじいは前回オカッパ法師の皿で飛ばされたが、空中散歩を楽しんでいるようだ。そう言う状況か?
 今回の必殺技はスカイバックドロップ。空中に放り投げた敵の足を背中越しに掴み、そのまま地面に叩きつける技。オカッパ法師の皿を割った。
<洋を拷問にかけてなぶり殺しにしろと指令する魔神提督。いつもこれで逃げられてるのを全く学んでないな。
 空中を逃げるオカッパ法師に対しスカイターボアタックを仕掛けるスカイライダー。しかし、モロに糸が見えていて、スカイターボは糸で弾かれてる。>
第41話 怪談シリーズ 幽霊ビルのひみつ

  脚本:土筆 勉
  監督:山田 稔
 幽霊が出るという噂のある廃ビルに肝試しに出かけたシゲル達。だが彼らの前に本当にお化けが出てきてしまい、慌てて逃げ帰ることに。だがそこで撮ってきた写真に「たすけて」と書かれたメッセージを読み取った洋は調査を開始する。
 敵はクチユウレイ。巨大な口が顔全体を覆っている。戦中に日本軍が開発した毒ガスを掘っている。人魂となって攻撃したり、牙を爆弾にして投げつけたりする。
 歴代ライダー客演が一段落。再びスカイライダー単独の物語へと入った。しばらくは怪談シリーズと題して怪奇ものを連続することとなる。今回は特に前半部分にライダーの活躍は全くなく、周囲の人間が幽霊騒ぎで騒ぐばかり。そう言う構成は悪いとは思わないんだが、お化けの演出がくどすぎるためテンポを台無しにしてる。
 こういう時に緊張感のないがんがんじいが良い味を出す。今回とうとう矢田勘次の素顔が公開。
 今回の必殺技は竹トンボスクリュー。クチユウレイを肩に担ぎ上げて空中で回転させた後で放り投げた。
<東映らしさと言えばその通りだが、人魂のヒモを全く隠そうともしてない所が流石だ。
 幽霊ビルに入ったアキは武器としてバトンを持っていたが、いつの間にか無くなってる。
 毒ガスの威力は一本で百万人の人間を殺す事が出来るそうだが、それを吸ったアリコマンドは完全に消滅。どういう薬だったんだろう?少なくとも完全犯罪には使われやすそうだ。
 幽霊騒ぎはクチユウレイの仕業らしいが、むしろ騒ぎを大きくして洋の介入を許しただけのような…>
第42話 怪談シリーズ ゾンビー!お化けが生きかえる!?

  脚本:鷺山京子
  監督:山田 稔
 夜な夜な人家に押し入り「ゾンビー」と呟いて子ども達を驚かす怪人が出没していた。その話を信じなかったシゲルの前に「ゾンビーは儂が作り出した」とうそぶく死人博士が現れる。
 敵はゾンビーダ。ハイチからやってきた。手に持った杖で死人を操る事が出来る。たとえ死人がバラバラにされても復活させる事も出来る。死人博士という人物の格好で町を歩き回ってる。
 怪奇シリーズ第2弾。前回が幽霊だが、今度はゾンビー。ネオショッカーが作戦を隠密裏に進めるための陽動作戦らしいのだが、どう見てもたんなる愉快犯にしか見えないのが難点。あるいはライダーを倒すためにしてるのだろうか?悠長な話だ。
 怖さもなく演出も冗長という、話としてもかなり今ひとつ感が漂う話。
 今回のがんがんじいは矢田勘次の姿でスーツの調整していたところをゾンビーに襲われて気絶。何にもしてなかった。
 今回の必殺技はスカイフライングソーサー。空中で臍を中心にくるくると回転した後でキックを放ちゾンビーダを倒した。
<夜中徘徊するゾンビーは自ら「ゾンビー」と自己紹介するし、死人博士までもが子どもが逃げ去った後「儂の名は死人博士」と自己紹介。自己紹介だらけだな。
 今回戦闘シーンは全編墓場だけど、本物のようだ。そんな所に死人の話なんか出して檀家とかから文句出なかったんだろうか?>
第43話 怪談シリーズ 耳なし芳一・999の耳

  脚本:江連 卓
  監督:広田茂穂
 鎧武者のような姿の象の怪人ミミンガーが人間を襲って耳を千切っていた。その現場を訪れた洋たちはお化けに興味があるという少年タカシと出会う。タカシの同級生であるオサムはお見舞いに行くのだが、そのタカシが「耳をくれ」と襲いかかってくる…
 敵はミミンガー。アフリカから来た鎧武者姿の象の怪人で、悪霊を呼び出すことが出来る。悪霊の力により相手を金縛りにしてしまう。
 怪談シリーズの第3弾。今度は耳なし芳一の話をベースとしているが、話は全然訳が分からず、話自体も耳なし芳一というよりは牡丹灯籠みたいな話。ネオショッカーの目的も全くの不明というかなりのやっつけ仕事に見える。
 悪霊なんて信じないという洋はあっけなく谷の説得に応じお寺に悪霊払いに出かける。妙にそのお坊さんが強いのもよく分からない。
 更に全身にお経を書いてミミンガーと戦う洋とか。なんだか本当に意味不明の話だった。
 今回の必殺技は風神地獄落とし。ミミンガーを逆さまに持ち上げて回転しながら上昇。そのまま地面に叩きつけた。
<根本的に耳を千組集める理由というのが全く分からないという問題がある。耳を集めて大首領に捧げる
 谷に言わせれば耳なし芳一は少年だそうだ。微妙にずれがある。
 ミミンガーの術は人間の耳を取り外してしまうが、がんがんじいの場合、中の勘次ではなく、着ぐるみの角がとれてる。>
第44話 怪談シリーズ 呪いの化け猫子供の血が欲しい!

  脚本:土筆 勉
  監督:広田茂穂
 街頭で“頭を良くする薬”が無料注射される。そしてその注射を受けた子ども達は夜、鈴の音を聴くと、それに操られてしまう。操られる子どもはブランカのシゲルやタケシまでもがその餌食にされてしまう。
 敵はドロニャンゴー。シリーズにはよく登場する黒猫の改造人間。“頭を良くする薬”を無料注射された子どもを鈴の音で操る他、妖術で洋を金縛りにしたりした。再生怪人を作るために子ども達の血を採取する。
 怪奇シリーズの第4弾。黒猫の怪物の話だが、問題はその改造人間が全然怖くなく、むしろメイクを施した女医さんの方が怖い。青を基調とした光線の加減が結構良い味出しているが、それ以外に見所は無い。
 珍しく変身ポーズ無しに洋がスカイライダーに変身してるシーンあり。
 今回の技はスカイランニングストーム。背中合わせにドロニャンゴーを持ち上げ、走っては脳天を地面に叩きつけるのを何度か繰り返す技。
<いきなり“頭を良くする薬”なるものが登場。しかも街頭で子ども達に注射してる。胡散臭すぎるぞ。
 ドロニャンゴーは出身地不明。それにしてもネーミングはどうになからないのか?
 ドロニャンゴーは“頭を良くする薬”を注射された子ども達を操るが、何故かがんがんじいや洋まで操ってる。
 洋を操るドロニャンゴーは「操られて死んでしまえ」と言ってるが、そんな事が出来たら、再生怪人なんぞ作る必要がない訳だが。
 魔神提督は洋が現れると共に「必ずこいつを殺せ」と言い残して去っていく。今がチャンスなんだから戦えよ。
 今回アリコマンドは洋に投げられると爆発する。それによって妖術鼓膜破りを防いだのだが、倒され方が一定しないな。>
第45話 怪談シリーズ 蛇女が筑波洋を呪う!

  脚本:江連 卓
  監督:山田 稔
 ブランカにやってきた女性客は突然バスケットケースから白蛇を取り出し店はパニックになってしまう。そしてその女性のバスケットには呪いの藁人形と「死 筑波洋」と書かれた紙が置かれていた。それ以降ブランカの面々には異変が訪れる…
 敵はヘビンガー。カンボジアからやってきた蛇型の改造人間。アブンガーによって殺された白河妙子のペットの白蛇が改造人間として蘇った姿として騙そうとする。両手が蛇になっていて、それがアリコマンドに変化する。そしてスエズ運河からやってきたアブンガー。一年前から日本に来ており、その際白河妙子を殺している。スカイライダーの能力を全て解析してから戦うと宣言する。
 怪奇シリーズの第5弾。ヘビ女の話で、呪いによって作られた改造人間の話。演出面も含めこれまでの怪奇シリーズの中では出来が良いが、折角呪いとか出てくるのだから、もうちょっと話しを引っ張るべきだったような気もする。
 結局アブンガーは倒されないまま。後の伏線になっているものと思われるが、魔神提督からなんと言われようとも自分の意志を通そうとするなど、なかなか格好良い存在として描かれてる。
 一応がんがんじいも登場しているが、アブンガーの姿を見てびっくりするだけ。
 今回の必殺技はライダー卍固め。ヘビンガーをこれで締め付けてからスカイキックでとどめを刺す。
<谷は白河妙子が殺されたのは「謎のショッカー怪人アブンガーによって殺された」そうだが、謎なのに名前は分かるんだね。
 そのアブンガーと一年前に戦ったというスカイライダーのカラーリングは改造後のものだった。あれからもう一年以上経ったという事なのか?
 湖から引き揚げられた妙子の服は全然濡れてない上に、きちんと服を着込んでいる。この程度の描写で良いのか?
 一年前に殺されたというのに、白河妙子の卒塔婆はまるで出来たてのような新しさ。何故か墓場から離れた場所に突っ立ってた。>
第46話 怪談シリーズ くだける人間!鏡の中の恐怖

  脚本:鷺山京子
  監督:山田 稔
 自宅で鏡を見ながら「もっと綺麗になりたい」と願うアキ。鏡の中から老婆が姿を現し、言われるままに呪文を唱えると、アキは鏡に吸い込まれ、替わりにアキの虚像が現れるのだった。同様の事故は日本各地で起こり、いきなり凶暴化した人間が他の人々を襲い、攻撃を受けると鏡となってしまうのだった。
 敵はカガミトカゲ。メキシコからやってきたトカゲ型の改造人間。ネオショッカーの科学力によってエリマキトカゲとなっている。鏡の中では無敵の力を持つ。他の怪人とはちょっと異なり、エリマキ部分からビームを放つ。又、鏡によって虚像を何体も作る。
 怪奇シリーズの最終話。鏡の中の世界を描く作品で、怪談ではなく現代風のホラーっぽい感じ。
 鏡の世界にはいるためには合わせ鏡を使うが、その説明はない。まあ、いつものことか。
 そしてその戦いをじっと観ているアブンガー。いよいよその弱点がはっきりしたらしい。
 今回の必殺技はスカイ大旋回キック。空中で旋回した後、その遠心力を使ってキックする。
<鏡の中に引き込む呪文は「ラーミ、レワカレイ」。なんとも安直な。
 タクシーの運転手の前に現れた老婆の背景はアキの部屋と同じだった。鏡に見えないぞ。
 アキがシゲルを襲うシーンで果物ナイフの切っ先を突きつけるシーンあり。そう言えば最近刃物を脅しに使う番組って無くなったなあ。
 珍しくカガミトカゲは自室を持っていて、ピンク色の部屋に多数の鏡が置いてある。「魔神提督の前に出ると肩が凝るわい」とか、サラリーマンっぽいね。
 鏡の中でカガミトカゲに殺される男は全身発光して死んでいくが、そこにある鏡に映った姿はなんも変わりない。
 鏡の中に入り、更に罠を破った洋の前に現れたカガミトカゲは「名を名乗れ」と言う。最初から洋を倒すために来たんじゃないのか?>
第47話 スカイライダー最大の弱点!0.5秒の死角をつけ

  脚本:江連 卓
  監督:広田茂穂
 これまでスカイライダーの戦いを見守り続けてきたアブンガーはついに絶対の秘策を見出す。スカイライダーは必殺技スカイキックを放った後、0.5秒の空白が生じるのだ。反撃の機会を見つけるため、細かい攻撃を続け、徐々に消耗させていく。
 敵はアブンガー。これまで2話に渡ってスカイライダーを見守り続けていたが、ついに秘策を会得。スカイキックと同等の技を会得。その技によってスカイライダーを屠ろうとする。
 いよいよラストストーリーに向けての展開が開始。特に今回は伏線を張りまくっていたアブンガーの、用意周到な作戦で徐々に追い込まれるスカイライダーの姿が描かれている。スカイライダーが体に溜められるのは10万カロリーでスカイキックには2万カロリーが必要。それを徐々に奪っていくというアブンガーの作戦は話も丁寧で、本当に最大の危機!と言った感じ。ただラストが急ぎすぎたかな?もう一話欲しかった。
 最後の最後は偶然アリコマンドの爆発がベルトの風車にエネルギーを与えたためだという。ベルトでエネルギー吸収出来るという設定が表だったのはこの作品では初めてのこと。
 洋の子供の頃の話が出てきた。かつて子供の頃の洋は吊り橋から落ちそうになった所を謎の男によって助けられたという。
 今回の必殺技はスカイダブルキック。スカイキックを放った後、空中で反転してもう一度スカイキックを放つ。アブンガーのアブンガースカイキックを破る。
<特訓によってスカイキックと同等のキックを会得したというアリコマンドがいた。こういうのを量産すれば良いんじゃないのでは?
 河原にいると切ない思いになるという洋。それはてっきり第1話の事かと思ったら、子供時代の話だった。
 三平少年は父と共にアブンガーに追われるのだが、何故かというと、工場を覗いたためだという。悪いのは自分自身じゃないのか?>
第48話 4人のスカイライダー 本物はだれだ?

  脚本:土筆 勉
  監督:広田茂穂
 公園で遊んでいる子ども達の前に突然姿を現したスカイライダーは、突然子ども達を突き飛ばし、遊び道具を壊し始めた。ライダーが子供を苛めている光景を目にしたナオコ達。勿論そんなことを信じないブランカの面々だが…
 敵はドロリンゴ。ミンダナオ島からやってきたナメクジのような改造人間で、任意の姿を取ることが出来、スカイライダーに化けて子ども達を苛める。スライムのような粘液を出して、人間を溶かすことが出来る。更に分裂し、三体の仮面ライダーへと変身。叫び声は「ドロドロドロリー」。
 定番の偽物登場。それにしても偽ライダーがやってることが子ども達を苛めるという妙にせせこましいのが笑える。なんぼなんでも単に苛めるだけってのはなあ。これだけの能力を持ってるドロリンゴを全く活かしてないネオショッカーの作戦のお粗末さはなんもかんとも。
 偽ライダーはこれ又定番でマフラーやブーツなどが黄色い。偽物は「スカイライダー」ではなくあくまで「仮面ライダー」というのが特徴か?
 ドロリンゴの作戦はスカイライダーをネオショッカーの仲間にすると言うものだが、最初からこの作戦は無理があるだろう。
 物語そのものはお粗末そのものだが、終盤の四体のスカイライダーの戦いのシーンはなかなか見応えあり。谷や沼もアリコマンドの格好してドロリンゴを騙す役に一役買ってる。
 今回の必殺技は水平回転チョップ。空中で数回回転しながらチョップを連続でたたき込む。
 後細かい所だが、洋の血液型はO型である事が判明。
<全般的にツッコミ所しかない話だが、敢えて言わせてもらうと、偽ライダーに跳ね飛ばされたコウスケ少年に輸血する洋。改造人間の血って普通の人間に輸血して大丈夫なの?
 偽ライダーを前にして「お前か。仮面ライダーの偽物は!」と叫ぶ洋。しかし、既に一回会ってるんだけど。
 ドロリンゴの着ぐるみはポンチョのように上にかぶせるもの。それで中の人のいないドロリンゴと戦ってるシーンは極めて間抜け。
 スカイキック同士の激突で偽ライダーの脚は折れてしまう。しかし次の瞬間元気に戦ってた。ベースが軟体動物だから?
 頭に怪我をしているコウスケ少年を引きずり回し、あまつさえ頭を持ってぐりぐりと振り回す谷。こいつは凶悪だ。>
第49話 ロケット発射!筑波洋を宇宙の墓場へ

  脚本:土筆 勉
  監督:山田 稔
 ネオショッカーの改造人間ザンヨウジューは宇宙ロケットを建造。そこに弘を誘い込んで宇宙に追放してしまう計画を立てた。たまたまボーイフレンドのヨウスケと共に釣りにやってきたアキを化石にしてしまい、オサムとヨウスケを人質に取る。
 敵はザンヨウジュー。三葉虫型の改造人間で口から出す化石液で人間を化石にしてしまう。体を丸めることでスカイキックさえ跳ね返すが、そのまま空高く持ち上げられて地面にたたき落とされてしまった。叫び声は「ジュワー」。
 ライダーを標的とした作戦の中でも最も派手な作戦が展開。なんと宇宙ロケットを建造し、それにライダーを入れて宇宙に飛ばしてしまうと言うもの。観音像そのものがロケットになっていて空に吹っ飛んでいくという派手な話だが、話自体はオーソドックスな展開。
 今回の特徴としてはブランカの面々がいつも以上に大活躍してた事が挙げられるか。沼とナオコは結構良いコンビで、お互いにツッコミいれながらもなんだかんだでちゃんと謎に迫っていく。いつの間にかがんがんじいまで仲間に入ってるけど。
 今回の必殺技は岩石落とし。丸まったザンヨウジューを空高く持ち上げて地面にたたき落とす。
<化石化されたアキを見たナオコはこれを彫刻と勘違いするが、その姿は普通の格好に粉を吹いただけ。どう見たって生きてるだろ。
 アキのボーイフレンドであるヨウスケは色々物知り。釣りからロケットの構造まで知ってる。
 初めてであったはずのヨウスケに対し「ヨウスケ君」と呼びかける洋。よく名前までわかったな。
 スカイライダーがロケットに閉じ込められたのは良いんだが、割と簡単にコントロール装置が破壊されてしまう。それはそれで墜落したロケットからよく無事で脱出できたね。その説明は「俺はスカイライダーだから」だそうだ。つまり落下前にセイリングジャンプで逃げたって事だろうか?そこまで説明しないと分からないぞ。
 せっかく洋を化石にしたんだからロケットになんか乗せずに切り刻んでしまえば良かったのに。>
DVD5
<A> <楽>
第50話 君もアリコマンド少年隊に入隊せよ!?

  脚本:鈴木生朗
  監督:山田 稔
 小学校で教材として使われていたタガメが巨大化してタガメラスとなり、子供達をさらう。それを皮切りに、次々と子供達をさらうアリコマンド達。実はアリコマンド少年隊結成のための作戦だった。次々とアリコマンド化されていく少年達を前に洋は…
 敵はタガメラス。タガメ型の改造人間で、子供達をさらい、アリコマンド少年隊を組織する。右手の鎌で攻撃する他、口吻をのばして人間の体液を吸う。叫び声は「ターメー」。
 これまでのシリーズ作品で何度も登場した少年による戦闘員の話。これまでと違うのは親や友達に絶望して進んでアリコマンドになろうとする少年がいることか?この手の話の常でヒーローは子供達に手を出せないことを逆手に取った作戦が展開していく。
 それに対しスカイライダーのとった方法はとにかく動き回ることで少年達を疲れ果てさせてしまうというもの。成る程。これは良い作戦だ。
 今回の必殺技はスカイフライングソーサー。空中で大の字になってくるくると回ってからキックする。
 ラストシーンで子供達に「大きく叫ぶんだ」と言ってえいえいおーする洋の姿が見られる。これが嫌味無くできる時代だったんだな。
<アリコマンド少年隊は子供達をさらっていくが、棒で地面を叩いて威嚇したり、飛び跳ねたりと、やっぱり子供っぽいね。なんかほほえましい。
 タガメラスに襲われた少年達が残した弁当を平らげるがんがんじい。今時それは危険すぎるぞ。
 アリコマンド少年隊の姿を見て「格好良い」と漏らすサダオ。棒きれ持って集団で子供を追いかける姿のどこが格好良いんだ?
 妙な訛りがあるタガメラスは時折語尾に「だわさ」とか付けてみたり、子供を見つけて「ぴったんこ」とか言ってる。妙に味のあるキャラだ。
 自称ヒーローのがんがんじいもやっぱりアリコマンド少年隊には手出しが出来ないが、このキャラの場合単にいじめられてるだけに見えてしまう。
 そう言えばタガメラスに血を吸われた子供のフォローがなかったな。やっぱり死んでしまったのか?>
第51話 ネオショッカー 紅白死の大決戦

  脚本:鷺山京子
  監督:山田 稔
 原っぱで野球をしていたシゲル達の前に男がふらりと現れ、野球が上手くなるお守りとして紅白の鉢巻きを着ける。ところが鉢巻きを着けられた子供は違う色の鉢巻きを着けた子供を襲うようになってしまった。実はこれはネオショッカーの怪人リングベアの実験であり、鉢巻きを着けた者が互いに憎み合うようになるのだった。リングベアは子供に城の鉢巻きを、洋に赤の鉢巻きを着けさせ、他愛に戦わせようとするが…
 敵はリングベア。シベリアから呼び寄せた怪人で、紅白の角を使い、紅白の鉢巻きを着けた者を操る。怪力で一旦はスカイライダーを追い詰めた。叫び声は「ベアベアベアベア」。
 最終回に向かってこれが通常の最後の話となる。それでネオショッカーの作戦は、子供を使ってライダーを襲うという作戦が展開する。これって話の方向性は前回とほぼ同じ。
 今回は雨上がりでの撮影だったのか、すぐにどろどろになってしまうが、その汚れがかえって死闘を演出できていたと思う。
 今回アリコマンドは紐付きの棒を使用してスカイライダーと戦い、複数でライダーを絡め取る。珍しくアリコマンドに見せ所があり。
 今回の必殺技はライダータイフーン脳天落とし。敵の首を足で挟み込み、回転した後で頭を地面にたたきつける。
<紅白の鉢巻きを操るリングベアは両手に紅白の旗を振って人を操る。「赤挙げて〜」というゲームをやってるみたいだぞ。
 そのリングベアの作戦を聞いた魔神提督は「以前にも同じような作戦を行った」と漏らしてたが、やってる事っていつも同じじゃん。
 なんと魔神提督までをも操るリングベア。こいつに野心があったら幹部交代もあり得たぞ。
 今回がんがんじいは矢田勘次の姿でバイクに乗ってたが、スーツを風呂敷にくるんで背負ってる姿はほとんど裸の大将。>
第52話 洋の父が生きていた!改造人間FX777とは?

  脚本:江連 卓
  監督:奥中惇夫
 度重なる失敗によって大首領の怒りを買ってしまった魔神提督。次に失敗したら命はないとまで言われ、今度こそ洋を殺そうと必殺の布陣を取る。その頃洋は科学者であり、ネオショッカーに殺された両親の墓参りにやってきていた。何故ネオショッカーは両親を狙ったのか。その事を知ろうと思う洋だが…
 敵は蛇塚。アリコマンド養成所でアリコマンドを訓練している。右手を伸ばすことが出来る事以外はほとんど攻撃手段がない。そして魔神提督が直接登場し、ちらりと大首領の姿も観られる。
 最終三作の開始の話。今回は洋の父親とネオショッカーの関わりが描かれていく。ここで両親がネオショッカーに殺されたという事が発覚。だがその両親がネオショッカーに協力しているという衝撃の事実を聞かされる。なんと両親は自分同様改造人間とされている。これまでの軽めの話と全く異なり非常に重い話になっており、流石最後の話というだけあり。
 同時に歴代ライダーの客演もなされ、ストロンガー城茂がゲスト出演。前に出たときは落ち着いていたが、今回はちょっと性格が過激になっていて、オリジナルに忠実な感じ。だが無茶なのも継承したためか、簡単にネオショッカーの罠にかかってしまう。
 ラスト、次回作である「仮面ライダースーパー1」の予告が始まった。
<両親がネオショッカーによって殺されたという事実が発覚したが、初期とは設定がずれてるような?両親がネオショッカーに殺されたこと自体をいつ知らされたのかも不明。>
第53話 魔神提督の最後!そして大首領の正体は?

  脚本:江連 卓
  監督:奥中惇夫
 父を捜す洋の前に現れた魔神提督と戦うスカイライダー。だが魔神提督には逃げられ、茂も又ネオショッカーの罠にはまり地底深く引きずり込まれていた。魔神提督が父ではないかと疑う洋は魔神提督に対し…
 敵は魔神提督。スカイライダーとの戦いでは割とあっさり退却するが実は月の光を浴びると翌日には完全回復するのだという。しかも心臓さえ残っていれば大首領の力で何度でも甦る。そしてついにその全貌を現した大首領の姿が見られる。その姿は巨大な翼竜のような姿。
 魔神提督に着けられていたプレートが洋の父を示すFX777を示していたことから、魔神提督が父では?と疑う洋。途中までは本当にそうなのか?と視聴者にも思わせるストーリー展開は巧み。だが、その真実が分かってからが本当のクライマックスとなる。
 続々と集結する歴代ライダー達。前回のストロンガーに続き、ライダー2号が登場。ちゃんと変身シーンも用意されている。
 魔神提督は心臓さえ残っていれば復活できるらしいが、大首領はそれを許さず、その心臓を握りつぶしてしまう。これまで散々スカイライダーを苦しめてきた割にはあっけない最後だった。
 そして大首領の正体も明らかに。前回から何度か登場していた巨大翼竜がそれで、大首領は暗黒星雲からやってきた宇宙人だという。
 ストロンガーおよび2号ライダーと対峙する大首領。しかし恐るべき事にほとんど合成を使ってない。巨大な着ぐるみが使用されるというのもなかなか剛毅な話だ。
<これまでネオショッカー基地の祭壇の後ろにあった巨大な目。これが実は大首領本人だったと発覚。ずっとこんなところでじっとしていたのか。>
第54話 さらば筑波洋!8人の勇士よ永遠に・・・・

  脚本:江連 卓
  監督:奥中惇夫
 魔神湖に現れた大首領が暴れ出したことによって東京には大地震が発生。そして大首領は酸素破壊爆弾による最終作戦を敢行しようとする。日本の危機に際し、続々と仮面ライダー達が来日してきた。
 敵は大首領。巨大な翼竜の姿で、仮面ライダー単独ではとうてい敵わないほどの巨大さで、8人のライダーが集結してさえ全く歯が立たなかったが、弱点の右足を攻撃され、更に8人ライダーによって宇宙に連れられて酸素破壊爆弾もろとも爆死。そして戦闘員もアリコマンドのみならず、どくろ暗殺隊も登場。
 最終回。苦労の末に助け出した洋の母が殺され、更に地球そのものを破壊してしまうと言う酸素破壊爆弾の脅威にさらされる。そして全ライダーの集結。と、最終回としては申し分ないシチュエーションと言えよう。
 最後はきちんとスカイライダーの見せ場を作りつつも8人ライダーが全員で攻撃。そして全員の力を集結して大首領を宇宙へと運び去るというラストシーン。ヒーローが死んで終わりというのは東映では結構珍しい作りだが、それ故に名ラストと言えよう。
<ネオショッカーの最終作戦は酸素破壊爆弾だった…えっと、これって英訳すると「オキシジェン・デストロイヤー」だよね?
 大首領の右足って着ぐるみ状態と大道具とでは太さに随分違いがある。
 最後ライダー達は全員大首領と共に宇宙へと散った。ここで全員死んだと思われたが、劇場版の仮面ライダースーパー1で何の説明もないまま復活してしまった辺り、物語を知ってしまうと「な〜んだ」でしかないのが寂しい。>