スター・トレック2 カーンの逆襲
Star Trek II: The Wrath of Khan |
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ロバート・サリン
ハーヴ・ベネット(製)
ジャック・B・ソワーズ(脚) |
ウィリアム・シャトナー |
レナード・ニモイ |
デフォレスト・ケリー |
リカルド・モンタルバン |
ジェームズ・ドゥーアン |
ジョージ・タケイ |
ニシェル・ニコルス |
ウォルター・コーニッグ |
カースティ・アレイ |
ビビ・ベッシュ |
メリット・バトリック |
ポール・ウィンフィールド |
アイク・アイゼンマン |
ジョン・ヴァーガス |
ジョン・ウィンストン |
ニコラス・ゲスト |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
4 |
5 |
3 |
3 |
4 |
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ジム=カーク提督(シャトナー)の誕生日に、かつてエンタープライズ号を乗っ取ろうとして失敗し、カークに恨みを持ち続けていたカーンが行動を開始。無生物状態から生物を創り出すジェネシス計画を指揮するマーカス博士を人質に取り、エンタープライズ号を罠にはめようとしていた…
監督と言い予算と言い、超大作となった1作目『スター・トレック』(1979)から3年後に製作された作品だが、前作と較べると、明らかに予算は抑えられていながら、低予算を逆に上手く使い、設定と会話で上手いこと物語を作っている(なんでも製作費は第1作の1/3以下だそうだ)。その点が受けたのだろう。1982年全米興行成績も7位と大健闘している。実はシリーズ中私が最も好きな作品だったりする。
ここで敵役として登場するのはカーン。これはテレビシリーズの「宇宙の帝王」で登場した敵役だった存在で、知ってる人には懐かしく、なかなかツボを押さえた人選といえる(テレビ版では「カン」だが、オリジナルシリーズを知らないとつらいんじゃないかな?)。私なんぞはたまたま知っていたために凄く嬉しかったが(シリーズ中この作品がマイベストなのは、その優越感を持ってるからなんだろう)。
まあ、しかしそれだけとは言えないだろう。TVシリーズの拡大版っぽい作品ではあるが、TVシリーズを知ってる人間にとっては、よくスタッフも設定を知っていることが分かって、なんかニヤニヤ出来る。結構ホラー的な演出も多く(耳にあれ入れるのは思い出すだけでも体に蟻走感が走る)、サスペンス的要素もあって、強引なストーリー展開ながら、かなり楽しめた。意味不明な台詞の数々も、これが結構哲学的で楽しい。多分今観たら更に分かることも多いだろうな。確かに前作と較べてしまうと安っぽい作品ではあるが、SFに関しては安っぽさの良さってのもあるのだ。
それに何より、キャラの思い入れが強ければ、この展開は驚かされるはず。まさかあのスポックが…正直、ラスト部分は大ショック。
実際、この作品は分水嶺的な作品なんだろう。これにはまれる&涙できるなら、その人はトレッキーか、その予備軍だ(私はどうやら予備軍で終わりそうだけど)。
あの衝撃のラストシーンだが、最初はスポックの死は冒頭に入り、その弔い合戦が描かれる予定だったが、スポック役のニモイが不快感を表したために物語が手直しされた。本人は誤解と言っているが、ニモイがスポックを永遠に封じるために本作の出演を了承したと言う噂がまことしやかに流れたのだとか。 |
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