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ボブ・ペルシケッティ
Bob Persichetti

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鑑賞本数 合計点 平均点
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書籍

_(書籍)

_(書籍)
2019
2018 スパイダーマン:スパイダーバース 監督
2017
2016
2015 リトルプリンス 星の王子さまと私 脚本
2014
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スパイダーマン:スパイダーバース
2018米アカデミー長編アニメ賞
2018英アカデミーアニメーション賞
2018ゴールデン・グローブアニメーション作品賞
2018LA批評家協会アニメ賞
2018NY批評家協会アニメ賞
<A> <楽>
ピーター・ラムジー(共)
アヴィ・アラッド
フィル・ロード
クリストファー・ミラー(製)
フィル・ロード(脚)
シャメイク・ムーア
ヘイリー・スタインフェルド
リーヴ・シュレイバー
マハーシャラ・アリ
リリー・トムリン
ジェイク・ジョンソン
ニコラス・ケイジ
キミコ・グレン
ジョン・ムレイニー
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
スパイダーバース(書籍)
スパイダーマン <A> <楽>
 ブルックリンのエリート高校に通うマイルス・モラレスは堅苦しい寮を抜け出して叔父のアーロンと夜の散策を楽しんでいた。そんなアーロンに案内された地下で蜘蛛に噛まれてしまったことによって、マイルスは超感覚を手に入れてしまう。その力に戸惑うマイルスだが、ブルックリンのヒーロー、スパイダーマンと偶然出会い、同じ感覚を持っていることに気づくのだが、マイルスの目の前でスパイダーマンは殺されてしまった。スパイダーマンが死んだ責任を感じるマイルスだが、何故か別なスパイダーマンが目の前に現れてしまう…

 コミック原作から始まり、これまでいくつものメディアで作られてきた
「スパイダーマン」。映画だけでも近年三つのシリーズ作品が作られたが、それぞれの作品では微妙に(あるいは大幅に)設定が異なる。更に原作のコミックもいくつもの派生が出来て、10を越える別のストーリーが同時に存在するというややこしい状態になってる。主人公もピーター・パーカーである場合が多いが、性格や背景や時代なども全部異なるし、作品によっては主人公自体も変わったりする。
 そのために相当ややこしくなってるのだが、2014年に一つの企画としてマーベルコミック誌上で、いろんなスパイダーマンを一堂に会して物語を作ろうという企画が持ち上がった。オリジナルのスパイダーマン
(アース616という時空軸)を主人公にして、これまで登場した様々なスパイダーマンが時空のゆがみで同じ世界に入り込むというもの(ちなみに日本で作られた東映版「スパイダーマン」はアース51778の時空軸になる)
 これによってストーリーを収束させようという意図もあったようだが、結果として「スパイダーバース」自体が様々な別な時間軸で展開するようになり、更にこの企画で生まれた新しいスパイダーマンのスピンオフまで作られるようになって、ますます収拾が付かなくなったというオチもついてる。
 その企画から映画化に流れたのが本作。原作とは異なり本来の物語とは異なる
アース1610の時空軸の物語で、二代目スパイダーマンとなったマイルス・モラレスが主人公の作品となっている。

 現在トム・ホランドがピーターを演じてる『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)とスパイダーマンのライバルキャラヴェノムを主人公とした『ヴェノム』(2018)という二つのシリーズが続いているが、そこに更に新しいシリーズを前提に作られた。興行収入としても大ヒットしたので、本作もシリーズとなることは間違いなかろう。

 背後にある設定はかなりごちゃごちゃしてるが、そんなことを考えるよりも、たくさんのスパイダーマンが登場するのを素直に楽しむべき作品だろう。
 マイルス以外で本作に登場するのは、アース616とはほんのちょっと性格が異なったためにヒーローとして失敗してしまったまま歳を食ってしまったピーター・B・パーカーのスパイダーマン。ピーターではなく恋人のグウェン
『アメイジング・スパイダーマン』(2012)でのヒロイン)が蜘蛛に噛まれて誕生したスパイダー・グウェン、フィルム・ノワールの世界観の中で活躍しているスパイダー・ノアール、未来の時間軸でSP//dr というパワードスーツを駆使するペニー・パーカー、コミック世界から現れた不死身のヒーロー、スパイダーハムという5人。
 基本的に物語に関わるのはピーター・B・パーカーとグウェンの二人がメインだが、そうやって絞ったのは正解。登場キャラが多い割に物語がとてもすっきりしてる。
 物語もかなり単純で、主人公を思春期の少年にして、揺れる心に悩みつつ、自らのアイデンティティを確立していくというオーソドックスなビルドゥングスロマンになってるが、この物語にはそれこそが重要。ぴったりはまった物語ともなってる。

 で、これは絶対に言わねばならないことだが、本作の演出は本当に見事。

 ヒーロー作品は元々大部分はアニメーションで作られていたが、それは演出面で実写では出来ない事を行えることからだった。現在でもテレビの方ではヒーローものはアニメの方が優位に立つが、映画に関しては既に実写でそれが出来るようになってしまった。それならばアニメーションの優位とはどこにあるのか?と考えてみると、爽快な演出面以外の部分となる。
 そこで本作の出した回答は、二次元アニメと三次元アニメの融合である。これはこれまでにも挑戦した作品は数多くあるが、その中で最も上手くはまったのが本作だろう。主人公モラレスを含め大部分のキャラは3Dで描かれるのだが、スパイダーハムとペニー・パーカーは2D風味。3Dの上に2Dが乗ってるのを無理矢理ではなく出来るだけ自然に作っていて、更にスパイダー・ノワールは完全なモノクロームキャラ。彼らを自然に映すためには相当細かい作業が必要になる。その努力に敬意を表したい。この三人があまりたくさん出てないのは、それが一番作業量多いからなんだろう。

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