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マーク・ウェブ
Marc Webb

<A> <楽>
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鑑賞本数 合計点 平均点
書籍
2017
2016
2015
リミットレス
<A> <楽> 監督
2014 アメイジング・スパイダーマン2 監督
2013
2012 アメイジング・スパイダーマン 監督
Battleground-戦場
<A> <楽> 製作総指揮
2011
2010
2009 (500)日のサマー 監督
2008
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1978
1977
1976
1975
1974 8'31 インディアナ州ブルーミントンで誕生

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アメイジング・スパイダーマン2 2014

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アンドリュー・ガーフィールド
エマ・ストーン
ジェイミー・フォックス
デイン・デハーン
キャンベル・スコット
エンベス・デイヴィッツ
コルム・フィオール
ポール・ジアマッティ
サリー・フィールド
フェリシティ・ジョーンズ
★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
アメイジング・スパイダーマン 2012
2012国内興行成績第5位
2012HIHOはくさい映画賞第10位

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エマ・ストーン
リス・エヴァンス
デニス・リアリー
キャンベル・スコット
イルファン・カーン
マーティン・シーン
サリー・フィールド
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ1作
 かつて父リチャード(スコット)の突然の失踪を受け、伯父夫婦の元に身を寄せていたピーター・パーカー(ガーフィールド)。多少のいじめを受けつつも、クラスメイトの優等生グウェン(ストーン)に憧れを持つ普通の高校生をしていたが、科学者であった父の研究を見にやってきた父のパートナーだったカート博士の研究室で、研究中の蜘蛛に刺されてしまう。その日から不思議な力を手に入れてしまった…
 かつて大ヒットを記録し、後のヒーロームービーの先鞭を付けることになったサム・ライミの『スパイダーマン』(2002)は好評ではあったが『3』(2007)をもって終了。
 それから5年。リブート版として再びリリース。その第一作目が本作。
 今更ながら言わせてもらうと1作目が出たのが10年前。劇場で観てそのレビューも書いているが、今の自分の目から見たら、あのレビュー書いた頃は何にも考えてなかったな。というのが正直な感想である。もっと観るべきところはいくらでもあるのに、見た目だけで書いてしまったという反省点がいくらでも出てくる。
 本作を劇場で観ている間、
どれだけライミ版が面白かったか、頭の中で考えてる私がいた
 …いや、それで本作が愚作という訳ではない。同じシーン一つ取っても、本作とライミ版では随分違いがあることを考えさせられただけだ。
 実際演出力で言うなら、CGのい使い方がこなれてる分ライミ版を越えてるし、爽快感に至っては屈指の演出レベル。CGをいかに使うかを熟知した演出家がどんどん増えているんだろう。

 そういう意味でかなり面白く仕上がっているが、今回のレビューは自分なりにライミ版の見直しもあって、二つの作品の対比を中心に考えていきたい。

 まず基本姿勢だが、スパイダーマンが他のヒーローと違っていて、映画にする売りは、
主人公ピーターの若さがあるだろう。これといって個性の強くない平均的なロウワー階級の高校生が突然力を手に入れたとき、どんな反応をするか。それが第一の売りとなる。ライミ版も本作もその点では一致していて、恋愛模様を絡め、ヒーローであることの特殊性と、一般的高校生であることの普遍性の整合性を取ることに苦労する人物として描いていく。
 ただし、この二作の違いは恋愛要素に欠かせないヒロインとの関わりが随分異なる。
 ライミ版のヒロインMJは、当時もかなりあしざまに言われていたが、自意識が高くて結構嫌みなキャラだった
(決してそれで終わってないところがライミ版の良さでもあるが)が、一方の本作ヒロインのグウェンは自分のなすべき分限をしっかりと受け止めている理想的なヒロイン像。よってピーターの関わり方も随分異なる。
 平均以下の自分のことを決して振り向いてくれないMJに、執着心たっぷりにまとわりつくライミ版。お互いに存在を認めあい、きっちりと高校生らしいおつき合いが前提のウェブ版。これによってピーターの描かれ方も随分異なるようになった。
 方や恋愛がうまくいかず、いじいじするだけのライミ版パーカーと、実生活が充実しているから、他にしっかり目がいくウェブ版。これが根本的な姿勢の違いとなる。
 その点から見るならば、ライミ版の方が実は邪道な立場にあって、ウェブ版の方が本来の日ヒーローものに近い立場になるのだが、これはそもそも立脚点が違っていて、ライミ版の場合、このいじいじしたヒーローを描くことこそが目的だったのに対し、ウェブ版は違ったところを主題にしているから。

 二つ目として、ベンおじさんに対するピーターの関わりも随分違っている。どちらもピーターがスパイダーマンとして立つきっかけを作るキャラだが、ライミ版ではベンはピーターにとって一種のメンター(精神的指導者)である。
「力を持つ者は責任も持つ」というベンの人生哲学はそのままスパイダーマンの行動に力を及ぼすこととなった。つまりライミ版はいじいじした性格の平均的高校生が、「ヒーローとして生きるとはどういう事か」ということを自らに問いかけていくことによる青年の成長物語として作られていたわけだ。だからベンの存在はシリーズ全体を通してピーターの中で生き続けており、一種の呪いのようにスパイダーマンの行動形式を彩っている。
 一方ウェブ版ではやはりベンは同じ事を語っているのだが、その言葉自体はそれほど重要視されていない。むしろ
ベンという存在が生きていたということが話の中心となっていく。だからライミ版とは異なり、ピーターはベンを殺した犯人を見つけだして裁きを受けさせることを目的としている。ここにあるのは個人的な復讐劇となっていたわけだ。

 三つ目として、ピーターの父親の存在がある。これに関してはウェブ版が実に個性を見せてる。オープニング自体が謎の失踪を遂げて死んでしまうピーターの父の姿から始まり、ラストは「父の本当の死因は?」という謎めいたメッセージで閉じられている。これはライミ版には一切なかった描写である。明らかにこれは本作の特徴となる部分であろう。

 これらのことを総合して考えると、ライミ版のテーマとウェブ版のテーマの違いが浮かび上がってくる。
 それは結局ライミ版スパイダーマンは“自分探し”をテーマとしているのに対し、ウェブ版スパイダーマンは“父親探し”を主要テーマにしているという事。
 そう考えるといろいろ合点が行く。ピーターをリア充にする理由は、自分自身のことを考えるのではなく父のことを考えるための布石であり、ベンおじさんは精神的支柱ではなく、二人目の父として考えていたということだから。ベンを殺した犯人に復讐しようとしているのは、だから親を殺された子供の普通の感情として描かれているわけだ。これはグウェンの父親の話にもつながっていき、厳格で頑固な部分はあるが、家族を本当に大切にしている父を失わせることによってピーターとグウェンとをしっかり結びあわせる役割を担っている。
 そういうわけで後発であるウェブ版スパイダーマンはライミ版スパイダーマンとは違った形でちゃんとテーマ性を手にしているという事になる。

 ただし、それを踏まえた上で言わせてもらうなら、これは
私の好みではない
 “父親探し”は最近ではハリウッドの流行のようで、何本も作られていて、ヒーローものでも『アイアンマン2』(2010)はモロに父親探しの物語になってた。
 そしてそのタイプの物語は私のツボにはまったくはまらない。
 家族をテーマにした物語だったら、“父親になる”話は大好きなのだが、“父親を求める”のは全く心に響かないのが私自身の限界というか、心の狭さというか…

 だからこそ観ている途中でも「ライミ版の方はこうしたのに」と思うことの方が多く、素直な意味でテーマを楽しむに至らなかった。

 あのラストもこの作品としては正しいのは分かっているものの、あそこでグウェンと仲良くなるのではなく、
「あなたのせいでお父さんは死んだのよ」と責められ、それに対して何も言い返せない姿が観たかった気がしてならないんだよなあ。我ながらゆがんでることは承知だが。

 そんなことで本作の評価は中間点という事にさせていただこう。
(500)日のサマー 2009
2009ゴールデン・グローブ作品賞、男優賞(ゴードン=レヴィット)
2009インディペンデント・スピリット脚本賞、
作品賞、主演男優賞(ゴードン=レヴィット)
2009放送映画批評家協会オリジナル脚本賞

2009ナショナル・ボード・レビューベスト10、新人監督賞

2009ピーター・トラバースベスト第9位

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マーク・ウォーターズ
ジェエシカ・タッキンスキー
メイソン・ノヴィック
スティーヴン・J・ウルフ(製)
スコット・ノイスタッター
マイケル・H・ウェバー(脚)
ジョセフ・ゴードン=レヴィット
ゾーイ・デシャネル
ジェフリー・エアンド
マシュー・グレイ・ガブラー
クロエ・グレース・モレッツ
クラーク・グレッグ
レイチェル・ボストン
ミンカ・ケリー
パトリシア・ベルチャー
イアン・リード・ケスラー
オリヴィア・ハワード・バッグ
イヴェット・ニコール・ブラウン
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ

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