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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ゴッサム・シティを牛耳るイカれた男ジョーカーのパートナーとしてもてはやされてきたハーレイ・クイン(ロビー)だが、ジョーカーと喧嘩別れをしてしまってから状況は一転した。勢力争いを繰り返すギャングからは、これまでの恨みを込めて暗殺命令が下り、警察ももはやお目こぼしをしようとはせずに彼女を追い回す。そんな中でも自分の主張を曲げずに暮らしていたが、そんな彼女もついにブラックマスク(マクレガー)に捕らえられてしまう。そして命と引き換えに、スリに盗まれたダイヤを取り返してこいと命令されるのだった。その犯人が知り合いのカサンドラ(バスコ)という少女であることと、彼女が警察に捕まってしまって収監されていることを知ったハーレイ・クインは早速警察署を襲うことにした。 スーサイド・スクワッド(2016)で鮮烈な銀幕デビューを果たしたハーレイ・クインに焦点を当て、その後の彼女の活躍を描くというコンセプトで作られた作品。 何度か書いているのだが、スーサイド・スクワッド自体はさほど映画的に評価されてない作品だが、私は大変お気に入りの一本だった。気に入った理由は一点だけで、そこで暴れ回ってるジョーカーこそ、私が考えるジョーカーそのものだったから。 そこで描かれるジョーカーは悪魔に魅入られたかのような強運を持ち、何をやっても成功してばかり。しかし金や女に全く興味がない上に、退屈を嫌うために、自分の命を賭けることばかりやってるというキャラ。何故ジョーカーがバットマンにこだわるのかは、バットマンだけが自分を止めてくれる存在だから。全身全霊をかけてぶつかる事が出来る存在であり、しかも自分より強い。だからこそバットマンに執着するというキャラである。スーサイド・スクワッドでジョーカーがハーレイ・クインを助けたのは、彼女に対する愛情に勝って命を賭ける冒険が出来る事にワクワクしていたからだと思われる。 そんな事を考えながら、「あージョーカー格好良いなあ」という思いにさせてくれたから、あの作品は悪く言えない。 ただ、ジョーカーに関しては昨年のジョーカー(2019)の予想外の大ヒットで、こちらのジョーカー像が世間には受け入れられてしまったため、再び前のジョーカーに戻すのにためらいがあったのかもしれない。結局本作ではジョーカーはシルエットのみの登場となる。 それでジョーカーから離れたハーレイ・クインが本作の主人公になるのだが、正直、ジョーカーなしのハーレイ・クインにはたいして魅力がないというのも事実。 ハーレイ・クインはかなりイカれたキャラではある。基本的には損得関係なく、自分の興味を惹くか惹かないかだけで行動するのだが、ジョーカーと組むとしおらしくなったり、ジョーカーのために一生懸命アイディアを出したり、時にはジョーカーに命じられて危険な任務を飄々とこなしてみたりと、結局ジョーカー次第のキャラでもあり、ジョーカーあってこそ輝くキャラクターとも言える。 そんなハーレイ・クインがジョーカーから離れて何をするのかと思ったのだが、全般的に中途半端な印象の作品が仕上がった。 中途半端さはいくつも挙げられる。 ハーレイ・クインのイカれた行動様式は、自分のしたいことをしてるだけなのだが、何ら主義主張がある訳でなく刹那的。リスクの覚悟がないので衝動的で後先考えないものになってる。それが本作の魅力なのだが、単に頭悪いだけにしか見えない一面もあって、それが妙に気になってしまう。もうちょっと目的意識があったほうがストーリーはしっかりしたのでは? なし崩し的に仲間になっていく他のキャラも全員女性だけというのが面白いのだが、その一面、多数の登場人物に深まりがなくて薄っぺらいだけになってしまった。キャラを多く出す分割を食った感じ。 女性が活躍する設定においても、やってることが70年代のリブ運動っぽくて、もうちょっと今のジェンダー論取り入れられなかったのかな?という感じ。 サイケデリック演出を狙った演出もなかなか面白いのだが、それも徹底されてないために、バットマンよりもディック・トレイシー(1990)の世界観の方に近くなってしまった。 全般的に言えば、多少とんがったところのあるグロリア(1980)ってところだろうか?面白くなくはないけど、概ね中途半端。 |
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