西部戦線異状なし
Im Westen nichts Neues |
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エドワード・ベルガー
ダニエル・マルク・ドレイファス
マルテ・グルナート
ダニエル・ブリュール
レスリー・パターソン
イアン・ストーケル(製)
エドワード・ベルガー
レスリー・パターソン
イアン・ストーケル(脚)
フェリックス・カマラー
アルブレヒト・シュッフ
アーロン・ヒルマー
モーリツ・クラウス
エディン・ハサノヴィッチ
チボー・ドゥ・モンタランベール
ダニエル・ブリュール
デーヴィト・シュトリーゾフ
アンドレアス・ドゥーラー
ミヒャエル・ヴィッテンボルン |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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3 |
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第一次世界大戦開戦から3年が経過した1917年。ドイツとフランスの戦いは西部戦線で硬直しており、戦いに進展が見られなかった。そんな折、17歳のパウル・ボイメル(カマラー)は半ば親を騙して学友たちと共にドイツ帝国陸軍に入隊した。最低限の訓練の後、彼らは北フランスのラ・マルメゾン近郊に配属される。しかし戦争の現実は、パウルらの思っていたものとは異なり、ロマンは打ち砕かれてしまう。しかし現実を前に戦い続けねばならない彼らだが…
レマルク原作の「西部戦線異状なし」はこれまで二回映画化されている。そのどっちも作品として実に良いもので、これを題材にした作品で外れはない。
その意味では本作も全く外れなし。良い作品だった。
それに本作は前二作とは違った切り口で描いているのが特徴となる。
大きな違いはCGが使えるようになったため、戦闘シーンをメインに出来るようになったという事。そもそも原作は戦闘シーンはあまり重視しておらず、主人公の内面描写に力が入っていて、前二作は原作に忠実に、主人公の心の動きを中心にしていた。むしろ戦いよりも待機任務や、戦友達との語らいがメインの話になる。
本作もその点をしっかり描いている。前二作と較べ、本作の主人公パウルは人に流されがちで、物事を楽観的に捕らえすぎるきらいがあるが、それが戦場での経験で生き残ることの難しさに直面することで精神的にタフになっていくことに重点が置かれている。そしてその合間を埋めるように派手な戦いのシーンを挿入し、画面にメリハリをしっかりつけていた。また、戦いの最中にも色々考えているシーンも多く、非常に盛りだくさんの内容を詰め込んだ感じがある。その意味では確かに今の時代に作る意味があった。
主人公だけでなく、仲間の絆というか、お互いに依存している間柄の友が戦闘を経る度に減っていく描写がなんとも虚しさを感じさせてくれる。
だから一本の作品としては完成度も高く、大変良い作品だと言って良い。
ただ、それも含めて言うと、悪い意味でも原作とはだいぶ違った雰囲気になってしまった。作品としては良いのだが、「西部戦線異状なし」の映画化作品としては、どうだろうか?と言った感じ。
主人公の死の描写があったラストシーンも原作から離れてしまって、本来の余韻が感じられなかったのもマイナス面だな。 |
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