いとこのビニー 1992 |
1992米アカデミー助演女優賞(トメイ)
1993MTVムービー・アワード ブレイクスルー演技賞(トメイ)、コメディ演技賞(ペシ) |
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デイル・ローナー
ポール・シフ(製)
デイル・ローナー(脚)
ジョー・ペシ
ラルフ・マッチオ
マリサ・トメイ
ミッチェル・ホイットフィールド
フレッド・グウィン
レイン・スミス
オースティン・ペンドルトン
ブルース・マッギル
モーリー・チェイキン
ジェームズ・レブホーン
レイノール・シェイン |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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5 |
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ニューヨークからロスへ旅行中の二人の青年ビル=ガンビーニ(マッチオ)とスタン=ローゼンステン(ホイットフィールド)。彼らが途中立ち寄ったアリゾナの小さな町のコンビニで殺人事件が起こり、二人はその容疑者にされてしまう。ビルには従兄弟に弁護士をしているビニー(ペシ)がいた事から、彼に弁護を頼むのだが、何と彼はこれが初めての仕事だという。リサ(トメイ)と言う婚約者を連れ、やってきたビニーは早速法廷でドジをやらかしてしまう…
私は映画というのは冒頭大体5分を観た時点で良質かどうか、一旦判断する傾向があるのだが、そう言う意味では、この作品の冒頭5分の評価は“最低”だった。30分観て、ペシの笑えないジョークと行動を見て、ますます駄作を確信。
大概ここまで悪い評価だと“駄作”と決めつけ、惰性で後半を観るものなのだが、本作はちょっと違った。30分を過ぎた辺りから、徐々に面白く感じられるようになってきた。ペシの奇矯な行動にも慣れてきたし、思ったより彼の役がまともなのが分かったので、純粋に物語に楽しめるようになったし、後半の30分の法廷での息詰まる攻防に、全く画面から目を離せなくなってしまった。
全く期待してなかったのに、こんなに面白かったと言うのは、とても貴重。こんな作品もあったんだね。
この作品はなんと言ってもキャラが立っているのが良い。主人公のペシも『リーサル・ウェポン2/炎の約束』(1989)とは又違った魅力を見せているし(ペシは2作目から登場)、全然年を食ってないマッチオ(マイケル・J・フォックスとかエミリオ・エステベスみたいに、ハリウッドでは時折、年齢不相応に若い人間が出てくる。マッチオも間違いなくその一人だ)。これから約10年前の『ベスト・キッド』(1984)の時からほとんど変わってないじゃないか)も情けない青年役を面白く演じていた。だが、本作での圧巻はなんと言ってもトメイだろう。その年の助演女優でのオスカーは伊達でなく(この年のノミネートはヴェテラン揃いだったのだが)、本当に生き生きとしていた。ただの派手好きな姉ちゃんと思ったら、実はかなりの切れ者という構成も良し。
特に後半の質は高いし、法廷ものとしてもウィットが利いているので是非鑑賞をお薦めしたい作品だ。
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