夢の女 1993 |
1993日本アカデミー主演女優賞(吉永小百合)、助演女優賞(樹木希林)、美術賞 |
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奥山和由
堤康二
一力英夫
小田久栄門
中川滋弘
中沢敏明(製)
吉村元希
桜井妙子
斎藤雅文(脚)
吉永小百合
永島敏行
佐々木すみ江
樹木希林
安井昌二
片岡京子
長門裕之
戸浦六宏 |
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★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
4 |
3 |
2 |
3 |
夢の女(書籍)永井荷風 |
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明治末から昭和にかけ、良くも悪くも花魁として名を上げたお浪(吉永小百合)という女性の、波乱の生涯を描いた作品。お浪は妾先の旦那の死亡から始まり、娘を里子先から引き取るために花魁を続けていく…
永井荷風の同名小説の映画化作品。
吉永小百合が波乱に富む女性の生涯を演じた作品だが、1980年代の悪い意味での邦画の特性を見事に引き継いだ作品だ。この当時の文芸ものを観てると、金と有名どころの役者をふんだんに使って、「はい。どうぞ」という具合に出される。豪華な素材を使っておきながら、適当に味付けをして出された料理のようなもので、はっきり言って魅力を感じさせることはない。大体こういう作品にはなんでだか必ず吉永小百合なんだよな。似たような作品ばかりやらされて、彼女はとまどいがなかったのだろうか?
特に1950年代にはこの手の作品は多かったけど、この当時の作品にはかなり魅力的なものが多い。これは監督の真摯な態度とか巨匠とかは抜きにしても、これは一つに作品が時代性に見事にリンクしていたため、自分自身の身を振り返ってみることが出来たという点が大きい。しかるに1990年代はバブルの余波があり、物語として自分自身を振り返るどころの騒ぎではない。結果、どれだけ描写しても全く心に響かない。
結局キャラクタだけで観るしか無い訳だ。キャラに関しては悪くはない。吉永小百合は言うに及ばないが、彼女の周囲を取り巻く面々が個性揃いで面白い。特に静かに吉永小百合を見守り続ける樹木希林の役どころはなかなか良い。
…それ以外は全然駄目なんだけど。
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