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鈴木清順全映画 清/順/映/画 夢と祈祷師 すっころび仙人の人生論 鈴木清順―けんかえれじい 清順スタイル 花地獄 |
2017 | 2'13 死去 | ||||||||
2008 | 夢のまにまに 出演 | ||||||||
2007 | 馬頭琴夜想曲 出演 | ||||||||
2006 | 弁護士 灰島秀樹 出演 | ||||||||
映画監督って何だ! 出演 | |||||||||
2004 | オペレッタ狸御殿 監督 | ||||||||
ハーケンクロイツの翼 出演 | |||||||||
2002 | 幸福の鐘 出演 | ||||||||
2001 | ピストルオペラ 監督 | ||||||||
2000 | 月 出演 | ||||||||
1999 | EM/エンバーミング 出演 | ||||||||
1998 | しあわせになろうね 極道解散! 出演 | ||||||||
不夜城 SLEEPLESS TOWN 出演 | |||||||||
プープーの物語 出演 | |||||||||
1997 | 良寛 出演 | ||||||||
樹の上の草魚 出演 | |||||||||
ゆりかちゃん 出演 | |||||||||
1996 | 必殺!主水死す 出演 | ||||||||
ブラック・ジャック2 ピノコ愛してる 出演 | |||||||||
ひまわり<TV> 出演 | |||||||||
1995 | コールド・フィーバー 出演 | ||||||||
1994 | サーキットの狼II モデナの剣 ACT.2 出演 | ||||||||
1993 | 結婚 監督 | ||||||||
私が愛したウルトラセブン 出演 | |||||||||
1992 | 弘高青春物語 監督 | ||||||||
アイドル誕生物語 Niki-Niki伝説 出演 | |||||||||
1991 | 夢二 監督 | ||||||||
パチンコグラフティ 出演 | |||||||||
1990 | 美少女仮面ポワトリン<TV> 出演 | ||||||||
1988 | 北の海峡 出演 | ||||||||
1986 | セーラー服通り<TV> 出演 | ||||||||
1985 | ルパン三世 バビロンの黄金伝説 監督 | ||||||||
カポネ大いに泣く 監督 | |||||||||
ばあじんロード 出演 | |||||||||
ルパン三世PARTIII(2Y)<TV> 監修 | |||||||||
1984 | ルパン三世PARTIII(1Y)<TV> 監修 | ||||||||
1983 | 春桜 ジャパネスク 監督 | ||||||||
1982 | 終りに見た街 出演 | ||||||||
1981 | 陽炎座 監督 | ||||||||
MOMENT 出演 | |||||||||
1980 | ツィゴイネルワイゼン 監督 | ||||||||
ヒポクラテスたち 出演 | |||||||||
時の娘 原案 | |||||||||
1979 | |||||||||
1978 | ムー一族<TV> 出演 | ||||||||
1977 | 悲愁物語 監督 | ||||||||
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1975 | 暗くなるまで待てない! 出演 | ||||||||
1973 |
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1967 | 殺しの烙印 監督 | ||||||||
1966 | 東京流れ者 監督 | ||||||||
河内カルメン 監督 | |||||||||
けんかえれじい 監督 | |||||||||
1965 | 刺青一代 監督 | ||||||||
悪太郎伝 悪い星の下でも 監督 | |||||||||
春婦伝 監督 | |||||||||
1964 | 俺たちの血が許さない 監督 | ||||||||
肉体の門 監督 | |||||||||
花と怒涛 監督 | |||||||||
1963 | 関東無宿 監督 | ||||||||
悪太郎 監督 | |||||||||
野獣の青春 監督 | |||||||||
探偵事務所23 くたばれ悪党ども 監督 | |||||||||
1962 | 俺に賭けた奴ら 監督 | ||||||||
ハイティーンやくざ 監督 | |||||||||
1961 | 百万弗を叩き出せ 監督 | ||||||||
海峡、血に染めて 監督 | |||||||||
峠を渡る若い風 監督 | |||||||||
散弾銃の男 監督 | |||||||||
無鉄砲大将 監督 | |||||||||
東京騎士隊 監督 | |||||||||
1960 | くたばれ愚連隊 監督 | ||||||||
すべてが狂ってる 監督 | |||||||||
密航0ライン 監督 | |||||||||
けものの眠り 監督 | |||||||||
1959 | 素ッ裸の年令 監督・脚本 | ||||||||
暗黒の旅券 監督 | |||||||||
らぶれたあ 監督 | |||||||||
1958 | 影なき声 監督 | ||||||||
青い乳房 監督 | |||||||||
踏みはずした春 監督 | |||||||||
暗黒街の美女 監督 | |||||||||
1957 | 裸女と拳銃 監督 | ||||||||
8時間の恐怖 監督 | |||||||||
浮草の宿 監督 | |||||||||
1956 | 悪魔の街 監督 | ||||||||
帆綱は唄う 海の純情 監督 | |||||||||
港の乾杯 勝利をわが手に 初監督作 | |||||||||
1955 | 坊ちゃん記者 助監督 | ||||||||
1923 | 5'25 東京で誕生 |
オペレッタ狸御殿 2004 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
2005毎日映画コンクール日本映画優秀賞 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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戦国時代。全て自分が一番でなければ気がすまないがさら城の城主安土桃山(平幹二朗)は、予言者びるぜん婆々により跡継ぎの雨千代(オダギリジョー)が自分よりも美貌となることを知らされ、雨千代を山に捨てるよう部下に命じる。だがその道中、雨千代の美貌に心奪われた唐の狸姫(チャン・ツィイー)が彼をさらい、自分の城に連れ帰ってしまう。一方、予言が変わらず苛つく安土桃山がその事を聞きつけ… 現時点では鈴木監督が最後に監督した作品で、邦画モノクロ時代に一時期流行ったオペレッタ喜劇を現代風にリメイクしたもの。 中国映画のスター、チャン・ツィイーが日本映画に初出演、デジタル復元された美空ひばりが出演などと、話題には事欠かない豪華な作品ではあった。 基本的に鈴木監督作品は、突き抜けた演出力のみを評価し、物語を語ってはいけないことは分かっている。それに脚本はそれを分かっていて、敢えてこういう物語にはしてるはず。 …でも、何というか、このシンデレラとオイディプスの物語を足してくっつけただけの物語の単純さと阿呆さ加減には、ある意味感動さえ覚える。何の脈絡もなく主人公は死に、やっぱり脈絡無く勝手に生き返る、ある種生と死を超越してる物語と言う所に監督らしさというのがあるのか?何にせよ物語は単純極まりない上にぶっ飛びすぎ。 ただ、物語が無茶苦茶でも、それに見合ったぶっ飛んだ演出は健在。少なくともこの時点までに鈴木監督が作ってきた舞台的演出が見事なまでに昇華された演出になってる。 これまでも鈴木監督作品は舞台演出を思わせるものが多かったが、基本的に密室劇がほとんどだった。前作『ピストルオペラ』が、舞台劇ではあっても、もっと開放的なミュージカルになっていたのだが、本作はそれを更に拡大し、舞台から更にもっと広いところに領域を広げた雰囲気になってる。背景にCGを使用する事によって、山やら空やらを自在に色づけしてのびのびとした雰囲気を作り出し、そこにCGキャラまで含めてオールキャストで踊りまくる。非常に見応えはある。 とにかく豪華で内容のない作品と言うのが本作の最大の賛辞となるだろう。ある意味清順監督が作った、最も枠に捕らわれないラディカルな作品なのかも知れない。 |
ピストルオペラ 2001 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
2001日本映画プロフェッショナル大賞6位 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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夢二 1991 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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ルパン三世 バビロンの黄金伝説 1985 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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今世紀初頭、何故かNYで次々とバビロニアの楔形文字が刻印された粘土板が発掘された。そこには伝説の黄金で作られたバベルの塔の在処が刻まれているという。NYマフィアのドン、マルチアーノの元でその情報を得た不二子は、意識的にルパンにそれを流していた。そんなルパンの前になじみのロゼッタ婆さんが現れてバビロンの黄金についての謎のことばと古ぼけた燭台を残していった… 自慢にならないけど、わたしが劇場で観た映画は数多く、その中には結構な数のアニメ作品も入ってるが、わたしにとって本作はかなり特異な位置にある。 実は、ストーリーを全く覚えてなかったのだ。それなりに映像に関する記憶はある方だと自負しているのだが、見事なまでに忘れ去ってた。 確かに劇場で観たはずで、観たという記憶はある。しかし、全く覚えてないので、これまで書けなかったのだが、先日TVでやっていたので観てみたが… …確かに覚えてない。微かに五右ェ門に惚れた女性が出来たと言うことだけは覚えていたが。こんな物語だったか?それにしてもつまらない作品だ。 最初の方はまだ結構面白いのだが、中盤、いかにも『レイダース 失われた聖櫃』(1981)のパクリが出てきた辺りから暗雲が立ちこめ、後半に至ると、もはやアホらしいとしか言いようのない内容に。 それに、多数の普通の俳優を声優に使っているが、声は決してこなれているとは言い難く、とにかく浮きまくってたし、それを話の中心に持って行ったお陰で、盛り上がるべき場所で思いっきり突き放された気分に。 更に恐ろしいことに、これが鈴木清順作品とは、とてもとても… 言っても詮無きこととはいえ、こんなの作るんだったら、押井ルパンを完成させて欲しかった。 |
陽炎座 1981 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1981キネマ旬報日本映画第3位 1981報知映画助演男優賞(中村嘉葎雄) 1981ヨコハマ映画祭第5位 1982アボリアッツ・ファンタスティック映画祭参加 |
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泉鏡花の小説の映画化。評論家からは絶賛されるが、興行的には失敗。 |
ツィゴイネルワイゼン 1980 | |||||||||||||||||||||||||||
1980日本アカデミー作品賞、助演女優賞(大楠道代)、監督賞(鈴木清順) 1980ブルーリボン監督賞(鈴木清順) 1980キネマ旬報日本映画第1位 1980毎日映画コンクール日本映画優秀賞、脚本賞、撮影賞 1980報知映画特別賞 1980ヨコハマ映画祭作品賞、監督賞、技術賞 1981ベルリン国際映画祭審査員特別賞(鈴木清順) |
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青地豊二郎(藤田敏八)と友人の中砂糺(原田芳雄)の二人は海辺の町を旅するが、そこの宿で小稲(大谷直子)という印象的な芸者と出会う。そして数年後、中砂は小稲そっくりの園(大谷直子二役)という女性と結婚し、青地を驚かせる。そして中砂は青地に1904年盤の「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを聴かせる… 1977年の『悲愁物語』に続く鈴木清順監督復帰第2作。1904年に録音された「ツィゴイネルワイゼン」のレコードに作曲家サラサーテの音声が入っているという挿話にインスパイアされて作られた作品。東京タワー駐車場にテント劇場を建て、自主上映という形で公開されたが、映倫の審査を受けずに公開されたにも関わらず大ヒットし、日本アカデミー賞まで受賞してしまった(黒澤監督の『影武者』がノミネート辞退したから、対抗馬がなかったというのも大きいが)。 映画の中には、時折本当にコメントに困る作品というのがある。 実際、改めて本作のレビューを書こうと思って考えてみたのだが、ストーリーのほとんどを覚えてない。いや、覚える以前にストーリーが最初から分からない。改めてネットで検索してストーリーを調べてみても、「あれ、そうだったっけか?」とか思ってしまうほど。実際思い出されるのは大谷直子が何回も出てきて濡れ場をやってる事くらいしかストーリー部分で覚えているのがないのだ。 だが、ストーリーは覚えてなくとも、画面の一つ一つは鮮明に頭に焼き付いている。怪談もののような暗い画面が一転して人工的な鮮やかな色彩に彩られる画面転換。まるで呪いのように繰り返し繰り返し現れる浮浪者や子供のイメージ。大谷直子の妖艶さと、彼女の纏う赤い襦袢。骨の素晴らしさを語る原田と、それに合わせてコリコリと鳴る骨の音。そしてツィゴイネルワイゼンの曲の中に出てくる不協和音…視覚、聴覚に訴えるイメージに関してはこれほど鮮明な作品もない。極端な作品である。 幻想に彩られた画面を縦横無尽に見せつけてくれるカメラワークの素晴らしさもあって、画面映えは凄まじいものがある。 何というか、鈴木清順監督は、この作品からストーリーを捨てたのではないかと思えてしまう。映画とはイメージを伝える手段であり、そのイメージに物語を従属させてみる。そんな試みのような機がするのだ。そして本作の成功以降、鈴木監督は同じようにイメージ先行の作品を作り続けたのだが、トータルで考えてみると、やっぱり本作が一番完成度が高かったように思える…問題はどういう意味で“完成度”と言うのかということだが…やっぱりこれも“イメージ”としか言えない。 いずれにせよ、悪夢描写が大好きな私としては、本作は見事なほどのツボでありながら、しかし何が素晴らしいのか、全く言える手段を持たないという…珍しい作品ではある。少なくとも、私の持論“映画は衝撃だ”というのは、本作において見事に言い表されているのは確かだ。 |
殺しの烙印 1967 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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飯が炊ける匂いが大好きで、その匂いに執着する花田(宍戸錠)はプロの殺し屋としてNO3にランクされている。そんな彼に500万円の報酬である組織の幹部護送任務に当たるのだが、その途中で殺し屋NO2とNO4らの一味に襲撃された。一体誰が何の目的で自分を襲うのかも知らないまま次々に舞い込む依頼を淡々とこなしていくが、そんな彼に同業の殺し屋が邪魔をしにやってくる。ついにその妨害で任務を失敗。組織は彼に女殺し屋美沙子(真理アンヌ)を差向けてきた… デビュー以来日活の監督として様々な映画を作ってきた鈴木清順だが、彼の名前が本当にはっきりと意識されたのは本作においてであろう。ジャパニーズ・カルト作品として有名となった本作は、虚構と現実の入り交じるストーリーは最早理解不可能で、主人公が一体何をやってるのか、何をやりたいのかさえ全然訳分からない。 だが一方ではまるで心象風景を表しているような密室や、あたかも本当に色が付いているかのような色彩感覚など、映像的センスは凄まじく、完璧に視聴者を置いてけぼりにして勝手に突っ走り、しかもそれを映像美と徹底したケレン味で見せつける。この映像を作り出せる監督は世界広しといえども、鈴木監督以外にはあり得ないだろう。現在の鈴木監督作品の原点はここにある。 ただ、本当に話自体はよく分からない。どんでん返しも入っているのだが、それはラストシーンだけじゃなく、物語そのものが意外性のあるものばかり。ちょっと目を離したら状況にあっという間に置いていかれてしまう。正直観ていてかなり唖然とさせられる。 それでも尚本作を称するならば、「純粋なるハードボイルド」とは言えるかも知れない。ハードボイルド映画は本作に限らず、雰囲気で見せる部分が大きく、あくまで主人公の男(がほとんど)をいかに格好良く見せるか。と言う部分にある。それこそ「マルタの鷹」であれ、「三つ数えろ」であれ、「チャイナタウン」であれ、物語性云々より主人公をいかに格好良く…格好悪い所も含めて全てひっくるめて敢えて「格好良い」と力ずくで言わせることに特徴あり。そう言う意味ではここの宍戸錠の姿は、まさしくハードボイルド的格好良さに溢れてる。それは炊きたてのご飯に鼻をくっつけるように匂いを嗅ぐ姿も、どこかずっこけた殺しのシーンも、それこそ座り小便する姿さえも、力ずくで「格好良い」と言わせるパワーに溢れてる。 …ただ、それは今の時代になったからこそ言えることかも知れない。この当時にこんなもの見せられたら、当然唖然とさせられた事はよく分かる。結果として「カルト映画」と呼ばれる訳だ。 流石にこんなもん出してしまったお陰で鈴木監督の所在を巡って松竹でも評価が分かれ、馘首騒動にまで発展してしまった。 |
東京流れ者 1966 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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東京流れ者 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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舞台となる地域によって、ハードボイルド調になったりコメディ調になったり任侠映画風になったりと、オムニバス映画のような構造になっている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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河内カルメン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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けんかえれじい | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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岡山中学で“喧嘩キロク”の異名を持つ南部麒六(高橋英樹)は先輩に混ざりOSMS団の副長にまでなったのだが、彼には大きな悩みがあった。実は下宿先の娘道子(浅野純子)にすっかりのぼせ上がってしまっているのだ。硬派を気取る手前、殊更道子に冷たく当たろうとするのだが、当の道子は純粋に好意から麒六を部屋に入れたり遠出に連れて行ったり。そのムシャクシャした気持ちを更に喧嘩にぶつける内、ついに中学の配属将校とまで喧嘩してしまい、岡山にいられなくなってしまう。それで会津に追いやられてしまうのだが、そこでも喧嘩三昧の生活を続けることに… 何かと話題となるが、これは“鍵盤”だけの映画ではない。 本作は鈴木清順監督の初期作品で、この作品により監督の名前は内外に知られることになる。だが、実のところ、公開当時は全く振るわず、批評家も黙殺しており、翌年これにより日活による監督解雇問題へまでつながってしまったという曰く付きの作品でもある。 しかし今からすればそれもよく分かる。作品の投入が5年ばかり早かった。日本人に漫画、殊にスラップスティックものが受け入れるまでにはもう少し時間が必要だったし、硬派を自称する男が実は相当女々しい性格をしていたなんて二重性を持った主人公を題材にするのも、時代的には受け入れられなかったと思う。 しかし逆に言えば、本作があったからこそ、こういうタイプの硬派ラブコメっぽい作品が受け入れられていったのかもしれない。そう考えれば、本作の日本の社会に果たした役割は相当に大きいと思われる。考えてみると、初期のちばてつやの漫画の世界そのものだな。 それに舞台となる時代が太平洋戦争前とあって、本来もっと硬くなりそうな作品を、あくまでソフトにソフトに描いているのも好感度高い。自由な映画作りが出来たのはありがたいことだ。 話は中途半端に、唐突に終わってしまうが、これがもし続いていたとしたらどうだったか?政治的な偏向作品になってしまったか、それとも元のように道子との不器用なラブコメものになっていたか。今となっては分からないが、ちょっとそこが不満点だったか? 更にこれはどうでも良いことなんだけど、麒六が転校していった先の学校は…なんだ私の母校じゃないか(笑)。私にとっては先輩に当たるわけだな。その一点でも興味深い。 |
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春婦伝 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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中国戦線の日本軍に従う慰安婦の一団。その中には恋に破れた春美( 野川由美子)という女性もいた。かつての恋を忘れるため、仕事に精を出す春美だったが、そんな中、三上上等兵(川地民夫)と情をかわすようになっていく。だが、春美に惚れ込んだ三上の上司成田中尉(
玉川伊佐男)にそれがばれ… 中国戦線の恋物語を描いた田村泰次郎の同名原作を元にした作品。既に谷口千吉監督により『暁の脱走』として先に映画化されているが、鈴木監督は出来るだけ原作に忠実に描こうとした。 この時代、邦画は自由度を増し、コードやレッド・パージによってがんじがらめにされたハリウッドよりも遙かに深い話が作られるようになっていった。本作なんかは、その中でかなり過激な部類に入るだろう。何せ主人公が慰安婦で、モロにドロドロな男と女の関係の話を真っ正面から描いており、ハリウッドだったら完全にコードに引っかかってた所。その中で戦争批判や女性の地位向上を訴える部分まで全部入っている。これを映画化出来たって事自体が凄いし、これも鈴木監督だからこそ出来たこととも言える。 ただ、物語としてはどうか?と言われると、やっぱり好みじゃないなあ。ものがドロドロの三角関係だし、サラリーマンに置き換えても出来るような話だからなあ。この部分がどうにもはまりきれず。 |
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俺たちの血が許さない | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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肉体の門 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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花と怒涛 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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関東無宿 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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探偵事務所23 くたばれ悪党ども | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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俺に賭けた奴ら | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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すべてが狂ってる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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密航0ライン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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