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CM製作会社を経て映画監督となる。 | ||||||||||
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夏時間の大人たち(書籍) _(書籍) |
2019 | |||||||||||
2018 | 来る 監督・脚本 | ||||||||||
2017 | |||||||||||
2016 | |||||||||||
2015 | |||||||||||
2014 | 渇き。 監督・脚本 | ||||||||||
2010 | フラレラ 監督 | ||||||||||
告白 監督・脚本 | |||||||||||
2009 | |||||||||||
2008 | パコと魔法の絵本 監督・脚本 | ||||||||||
ララピポ 脚本 | |||||||||||
2007 | |||||||||||
2006 | 嫌われ松子の一生 監督・脚本 | ||||||||||
2005 | ヘアスタイル 企画 | ||||||||||
2004 | X'smap 〜虎とライオンと五人の男〜 監督 | ||||||||||
下妻物語 監督・脚本 | |||||||||||
2003 | |||||||||||
2002 |
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2001 | |||||||||||
2000 | ドロップ・シネマ・パーティー 監修 | ||||||||||
1999 | |||||||||||
1998 | Beautiful Sunday ビューティフルサンデー 監督・脚本 | ||||||||||
1997 | 夏時間の大人たち HAPPY-GO-LUCKY 監督・脚本 | ||||||||||
1996 | |||||||||||
1995 | |||||||||||
1994 | |||||||||||
1993 | |||||||||||
1992 | |||||||||||
1991 | |||||||||||
1990 | |||||||||||
1989 | |||||||||||
1988 | バカヤロー! 私、怒ってます 「遠くてフラれるなんて」監督 | ||||||||||
1987 | |||||||||||
1986 | |||||||||||
1985 | |||||||||||
1984 | |||||||||||
1983 | |||||||||||
1982 | |||||||||||
1981 | |||||||||||
1980 | |||||||||||
1979 | |||||||||||
1978 | |||||||||||
1977 | |||||||||||
1976 | |||||||||||
1975 | |||||||||||
1974 | |||||||||||
1973 | |||||||||||
1972 | |||||||||||
1971 | |||||||||||
1970 | |||||||||||
1969 | |||||||||||
1968 | |||||||||||
1967 | |||||||||||
1966 | |||||||||||
1965 | |||||||||||
1964 | |||||||||||
1963 | |||||||||||
1962 | |||||||||||
1961 | |||||||||||
1960 | |||||||||||
1959 | 9'2 福岡県で誕生 |
来る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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香奈(黒木華)との結婚式を経て愛娘知紗を授かり、幸せな家族生活を送る田原秀樹(妻夫木聡)。だがそんな時、職場に「チサさんの件で」と訪ねてきた人がいた。仕事で忙しい田原は応対を後輩に任せるのだが、その後輩は突然血まみれになって倒れ、入院後に死んでしまう。それからほどなくして、知紗の周りに怪異な出来事が次々と起こり始める。友人で民俗学者・津田(青木崇高)に相談したところ、オカルトライターの野崎(岡田准一)と、霊媒師の血をひくキャバ嬢・真琴(小松菜奈)を紹介され、やや胡散臭さを感じつつも二人に会うのだが… 角川は30年ほども前からホラー小説の懸賞をやってて新人発掘に力を入れているが、その中で多くの優れた小説家を排出している。本作の著者澤村伊智もそこから登場した作家で、そのデビュー作「ぼぎわんが、来る」が初の映画化作品となった。デビュー作を中島哲也監督に認められたと言うだけでももう成功者と言って良いだろうし、この豪華な俳優陣を見よ!というほど力のこもった作品になった。 …の、だが、出来た作品が今ひとつぱっとしない。 いくつも理由は挙げられるが、一番重要なのは、小説から映像化への転換の失敗だろうかと思う。 確かに原作は途中で主人公が変わるというか、主人公が誰か分かりづらい構造を取っているし、文章だから分かる伏線や謎解きも結構あるので、映像化は相当難しい作品だった。 だが難しいからこそ、中島監督なら想定以上のものが作られると思っていた。これまでの中島監督は原作以上のポテンシャルを引き出した作品を数多く作り上げている。だからこそ期待していた。 だが実際出来たものは少々疑問。 全般的に言うならさほど悪くない。平均点くらいは上げられる作品だろう。 でも、何点も引っかかるところが出てきてしまう。 特に問題は役者関係。監督の人徳か、日本映画では主役クラスが何人も出てくるのだが、その使い方が今ひとつにしか見えない。 最初に主人公の交代劇。元々の主人公は田原秀樹が途中あっけなく死んでしまうというのがストーリー上の衝撃。特に主人公が妻夫木聡という一流役者なので、てっきりこの人が良い人と思ったのに…と、いう演出が出来ていれば良かったのだが、最初から小悪人として描いてしまったため、この時点で驚きを失わせてしまった。あくまで普通の良い夫であり父であったと見せておいて、事件後に「その正体は」と持って行くべき部分だった。 その後を継ぐように野崎役の岡田准一と香奈役の黒木華、そして霊媒師の松たか子が中心になるのだが、特に原作では仲介役以外の存在感が無かった野崎が妙に存在感が高い。結果として原作よりも活躍の場が多くなったが、それが違和感になってしまった。 全般的に言って、良い役者を使い潰した感がある。 演出不足は最後まで続く。ラストの霊対決もあんなに派手にする必要性あっただろうか?見栄えだけであのシーン入れたとすれば無駄すぎる。ラストもちょっと違和感ある。 全般的な問題より、細かいところで色々不満が残るものになってしまった感じ。 |
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渇き。 2014 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014日本アカデミー新人俳優賞(小松菜奈) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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素行不良が原因で警察を辞めさせられた元刑事の藤島昭和(役所広司)は、離婚して警備会社で働いていた。そんなある日、コンビニで起こった大量殺人事件の現場に出くわしてしまう。そして程なくして、別れた妻桐子(黒沢あすか)から、娘の加奈子(小松菜奈)が行方不明になったと聞かされる。加奈子を探すため、娘の知り合いに当たる昭和だったが、娘の意外な面を見させられることに… 映画に向かない物語ってのは確かにある。それを敢えて映像化する場合、監督がそこに独自解釈を加える必要があるし、それを視聴者がちゃんと受け取れるように工夫する必要もある。中島監督はそれが出来る監督であり、これまで何作も、そんな映像化に向かない作品をきっちりと作り込んできていた。 ところが、本作においては、全くそれが出来てない。いやむしろそれをないがしろにし。物語の持つ残酷性ばかりをクローズアップして、それに対するフォローを敢えて入れてない。全く救いがない物語で終わらせてしまった。 物語の酷さは脇に置いたとして、この作品の大きな問題点は、「不親切さ」に尽きるだろう。 話が切れ切れでわかりにくいとか、シームレスに3年前と現在を行き来するとか、やたら人が出てくるくせに、その相関関係が分からないとか、それこそ色々あるけど、何より、わざとそれをやってると言うのが問題。下手くそな監督で、実力不足が説明不足につながったのならともかく、監督の場合は、それを意識的にやってる。 中島監督作品の一つの特徴として、くどいほどに登場人物の口を通して、しっかりと説明してくれるって点がある。ことが売りなんだから。その部分をわざわざ今回は使わず、視聴者に委ねたのは間違い。 結果として、本作は瞬間瞬間の映像を受け取るだけの作品に成り下がった。 あと、主人公を役所広司にしたのもあんまり良くなかった。この人、ダメ男を演じることが大好きのようで、いろんなタイプのダメ男を演ってるが、本質的に、顔が良いから根本的なところでダメ男に見えない。むしろ頑張ってやってるのが痛々しささえ感じられてしまう。 これだけの実力を持った監督が、わざわざこんなのを作ったと言うのが悲しいところだ。挑戦作と言えば聞こえは良いけど、この作品では挑戦は敗北に終わったようだ。 中島哲也は園子温にはならなくていい。 ちなみに、本作では結構珍しい経験をさせていただいた。 映画も後半になり、藤島が電話で殺人鬼と会話するシーンがあるのだが、そこに至った途端、映画館の画面が真っ黒になり、会話もなくなった。 えらく斬新な演出だな。と最初は思ってたが、体感時間にして一分ほども経ち、これはトラブルでは?と思い始めたところ、劇場スタッフがやってきて、「落雷のため電源が落ちました」という説明が入った。映画観てて停電って、初めての経験だった。 |
告白 2010 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2010日本アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、主演女優賞(松たか子)、助演男優賞(岡田将生)、助演女優賞(木村佳乃)、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞 2010キネマ旬報日本映画第2位 2010報知映画監督賞 2010ヨコハマ映画祭第2位 2010映画芸術ワースト第1位 2010映画com.ベスト第5位 |
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中学校の終業日。1年B組の担任の森口悠子(松たか子)は、最後の授業である告白を始める。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒であると言い、そして、少年法に守られた彼らを警察に委ねるのではなく、自分の手で処罰すると宣言する… 近年になって話題作を次々に作ってきた中島監督による最新作。この人の作品は大体が原作付きのため、それぞれの作品が全く異なる雰囲気を持っているのだが、どんな作品を作っても、やっぱり監督にしか出来ない味を持っているのが面白い。大体からして何故話題作と呼ばれているのかというと、監督が選ぶ原作がみんな映画向きには思えないものばかりで、映画にするには相当な苦労が必要とされるはずなのだが、それをしっかりとエンターテインメントに仕上げ、自分流の味付けを付けて作っているところがこの監督のプロ根性と言えよう。 本作もまた映画にするにはかなり困難な内容だと思えるのだが(むしろこの物語は低予算のテレビドラマの方が向いてる気がするが)、これまたしっかりした物語が展開している。 映画にするのが困難な素材をきちんと映画に収めることが何故可能なのか?ということを考えてみると、中島監督は特に人間というものを、極めて冷静な目で見ているからではないかと思える。いや、いっそそれは“冷たい視線”と言っても良い。監督は登場人物に一切感情移入しない余計なものを取り入れずに単に出来事だけ描くことによって、物語をぶれさせずに描くことが可能になっている。様々な物語を描くのは監督にとっては挑戦なのだろうが、これは中島監督の冷たい目があってこそ可能な挑戦に他ならない。 本作は大変面白いが、これで特定の人物に感情移入をさせていたら、この面白さは得られない。はっきり言えば、誰かに感情移入した時点で単なる痛い作品になってしまい、正面から観ることが出来なくなるものを、個々のキャラクタの内面を掘り下げることなく、事実を淡々と描くことによって、観る側も痛い思いをせずに物語を楽しむことが出来る(いじめを扱った作品の傑作には岩井俊二の『リリィ・シュシュのすべて』があるが、あれは全く方向性が逆で、感情移入させまくっていたため、あれは極めて痛い作品に仕上がっている)。 監督が誰にも感情移入しない、誰にも感情移入させない。これによって本作は初めて完成される物語なのだから。 実はこれ友人と少し話していて、その友人は登場人物がみんなモンスターになってしまった。と言っていたが、改めて考えると、監督はまさしくモンスターをどう描くか。ということに挑戦した結果、こんなのが出来たのだろうと思える。 だから本作は現代のいじめ問題とかに全くコミットしない。ここに出てくるのは悪意そのものによって動いている人間ばかりで、相手よりもより悪意の高い方が勝利するという、救いようのない物語なのだから。 しかしそれが良い。存分に中島監督の冷たさを感じられるから。 私自身本作を観る前には実は相当に身構えていた。本作がとても“痛い”ものになっていないか。イジメ問題や虐待問題へと突っ込んだ社会派作品になってるのではないか?と。今の時代にそれができたら大したものだが、やったらやったで観ているのが辛くなるだろう。そんな風に思っていたわけだが、実際の作品はそういう問題を見てはいるが、中島監督の一貫した冷たさのお陰で、痛さを感じずに済んだ。その点が助かったような不完全燃焼だったような、微妙な気分。 これって一切登場人物の心情を描かないホラー作品によく似ているような気がする。余韻がそれっぽい。 残念なところを挙げるならば、最後の最後で松たか子が「なんてね」という言葉を使ってしまったことだろうか。「これはリアルな物語じゃないよ」と言うことを言おうとしたのだろうけど、これまでのやり取りでそれは充分分かっていること。むしろあのセリフを使うことで逃げてしまい、物語が軽くなってしまったように感じてしまった。 |
パコと魔法の絵本 2008 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2008日本アカデミー美術賞、新人俳優賞(アヤカ・ウィルソン)、主演男優賞(役所広司)、監督賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、録音賞、編集賞 2008毎日映画コンクール技術賞 |
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嫌われ松子の一生 2006 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2006日本アカデミー主演女優賞(中谷美紀)、音楽賞、編集賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞 2006日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞(中谷美紀)、第6位 2006キネマ旬報日本映画第6位 2006毎日映画コンクール主演女優賞、技術賞 2006報知映画主演女優賞(中谷美紀) 2006ヨコハマ映画祭第3位 2006アジア映画女優賞(中谷美紀)、美術賞、視覚効果賞 |
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ガールフレンドに振られて落ち込んでいた川尻笙(瑛太)は上京してきた父から、先日亡くなった叔母松子(中谷美紀)の存在を聞かされ、彼女のアパートの始末を任される。笙はゴミ箱同然のその部屋を片づけている内、松子の一生を知ることになる…1957年福岡県大野島に生まれ、学校の先生、ソープ嬢、ヒモを殺害しての刑務所暮らし、美容師、かつての教え子との同性を経て、2001年に死んだと言う彼女の波乱の一生を描く。 『下妻物語』の中島哲也監督の最新作。女の一生を描くというテーマは実は私の好みではない。乗り切れ無いだろうと思うが、同じく乗れないと思った女性版バディ・ムービーである前作が面白かったので、ひょっとしたら当たり?と思って鑑賞。 結果。本当に面白かった。 ここまで陰惨でまさに古いタイプの典型的女性ものの作品をよくぞここまで面白く仕上げた。 事実、これを普通に映画化していたら、リアルになりすぎて成瀬巳喜男作品のような感じになったんだろうけど(それが悪いと言うつもりは全くないけど)、そこは流石に中島監督。これをミュージカル仕立てにし、更に原色でいかにも作り物っぽいCGを多用することによって一流のエンターテインメントに作り替えてしまった。悲惨なのに、妙に明るいダンスナンバーや歌のお陰で、「これでもか」と出てくる悲惨さが妙に笑えるものになってしまった。勿論それこそが本作の目的であり、映画にはこういう作り方もあるんだ。と妙に納得させられる。 それと、驚くべきは構成の巧みさ。ここで出てくる松子の一生は連続したものではない。確かに一応は時空軸に沿って物語は展開していくが、自在に過去と未来を使い分け、更にその狂言回しのために登場している瑛太演じる笙の現代が良い具合に挿入され、重くなりそうな部分を上手く回避しつつ、ストーリーをしっかり頭に入れられるように出来ている。この形式は『男はつらいよ 寅次郎の縁談』(1993)で甥の満男が伯父の寅次郎を観ている視点と同じもので、何となく男はつらいよの続編っぽい印象を受けるのだが、構成の巧さはそれ以上。 そしてほとんどの世代を一人で演じ分けた中谷美紀の演技は本当に見事。これまでバイプレイヤーばかりだった彼女が手持ちの演技力を総動員、更にそれ以上のものを引き出すことが出来た健闘を称えたい。脇を固める俳優陣も皆芸達者揃い。 話自体は合わないものの、それを感じさせない演出の巧さを評価したい。 助監督に武正晴。 |
下妻物語 2004 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2004日本アカデミー新人俳優賞(土屋アンナ)、主演女優賞(深田恭子)、助演女優賞(土屋アンナ) 2004ブルーリボン新人賞(土屋アンナ) 2004日本映画プロフェッショナル大賞作品賞、監督賞、ベスト1 2004日本映画批評家大賞助演女優賞(土屋アンナ) 2004キネマ旬報日本映画第3位 2004毎日映画コンクール助演女優賞(土屋アンナ)、美術賞、スポニチ新人俳優賞(土屋アンナ) 2004報知映画新人賞 2004ヨコハマ映画祭第1位、作品賞、監督賞、主演女優賞(深田恭子)、助演女優賞(土屋アンナ)、新人俳優賞(土屋アンナ) |
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茨城県の田舎である下妻市。そんな土地でBabyというブランドのロリファッションに全てを賭ける女子高生がいた。彼女の名前は竜ヶ崎桃子(深田恭子)。周囲との協調も一切気にせず、我が道をいく彼女だったが、そんな彼女の世界に強引に入り込んできた女の子がいた。彼女の名前は白百合イチゴ(土屋アンナ)。桃子と同じく女子高生だが、特攻服に身を固めたレディースの舗爾威帝劉(ポニーテール)に属する走り屋(ただし中免は持っておらず)。最初の内、イチゴの存在をうるさがっているだけの桃子だったが… たまたま劇場で予告編を観て、そのぶっ飛び方と無茶苦茶なセンスに一目惚れ。絶対観ようと思っていた。 それで内容は、確かに面白い。田舎町に特攻服、そこにフリフリのロリータファッションなんて、こんな変な組み合わせと、畳みかけるようなストーリー展開。なんかもう、圧倒的なものを見せつけられたって感じがする。 何度でも書かせてもらうが、このセンスは尋常じゃない。決して良いとは言わない。むしろ悪趣味の域に入りかけてるんだけど、それを不思議な間と笑いで包み込んでいるので、最後まで違和感を抜けさせないまま楽しませてくれた。本作の一番の売りとは、どんなに奇抜な格好でも、見慣れてしまうと当たり前。とならない点にあるんだろう。本作は違和感が抜けないからこそ、楽しめる作品なんだ。 確かにストーリーそのものは大きくはない。下妻というほんの小さな街で起こった、事件とも言えないような事なのだが、過去の出来事からアニメから、妄想の世界まで小ネタが無茶苦茶にあって、それらが畳みかけるように出てくるので、凄く楽しめる。それを破綻させなかったのが凄い。 キャラがなんと言っても凄いところ。ロリータファッションに身を包んだ深田恭子の描写。身体が丈夫じゃなく、体育も休みがちという設定の桃子なのに、蹴られ、殴られ、頭突かれ、自動車に轢かれ、バイクから飛ばされ…それでもやっぱり絶対死なない…なんとも恐ろしいキャラクターだ。最後、ロリータファッションのまま泥水に頭からつっこみ、そこから這い上がってくる描写は凄かったぞ。 対する相棒の「御意見無様(ぶざま?)」の特攻服に身を包んだ土屋アンナも、複雑な内面を上手く表現できていたと思う(ただ、タバコは吸わせない方が良かった。普段吸ってないことが丸分かり) 脇を固めるキャラも立ちまくり。親父からお袋からお婆ちゃんから、八百屋のおじちゃんに至るまで出てくるキャラが全員濃い演技を見せつけてくれた。特に母親役の篠原涼子の怪演は凄すぎ。ゲロ吐くは、分娩台の上で不倫キスをやらかすわ、42歳でコンテストに出るわ…篠原涼子って、充分これからも女優として生き残れることを確信してしまった(笑)。お婆ちゃん役の樹木希林のアクションも良いね(実は先日亡くなった私の祖母も手で蠅を捕まえるという特技を持っていた。子供の頃、いくら真似しようとしても出来なかったんだけど)。そうそう。「水野晴郎だよ。水野晴郎が海苔弁ウーロン買ってんだよ。海苔弁暖めてもらってんだよ」…しかもそのTシャツの胸には『シベリア超特急』と…これは見事に変なツボにはまってしまい、大笑いしたかった。 ただ、凄く楽しめたんだけど、観てる内に少し考えることがあった。何というか、デジャヴュ…なんかこのぶっ飛びまくりの演出、どこかで…と思ったら、これって80年代のアイドル映画によく似てるんだ(あの当時のこういうぶっ飛んだ演出は女性アイドルには適用されず、主に男の方にやられてたが)。当時の技術では出来なかった細かい演出が今の時代になってやっと出来るようになったって事かな?しかも大変洗練された形で。 あと一つだけ残念だったこと。この映画は劇場の中で大騒ぎしたくなる。これは一人で観るより大勢で、むしろビデオで観たかった作品だったかも。 |
Beautiful Sunday ビューティフルサンデー 1998 | |||||||||||||||||||||||||||
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