読書日誌
2021’1〜3月

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21'03'29 パタリロ!10
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 パタリロと周囲の人々が織りなすドタバタ喜劇の短編集。プラズマXとアフロ18の恋模様を描く「プラズマの恋」、パタリロの血液を必要とする大金持ちのためにバンコランが奮闘する「走れパタリロ」、なんとマライヒに子どもが出来てしまうと言う「マライヒの赤ちゃん」、フランス革命見物に行く「忠誠の木」、宇宙飛行士になりたい少年がパタリロに騙されてしまう「FLY ME TO THE MOON」。

 今巻も短編のみだが、なかなか充実した内容だった。無軌道なギャグ要素満載ながら、しんみりさせる終わり方が多い。マライヒの妊娠というイベントもあったが、今巻ではおなかの中から消えてしまっていた。
<A> <楽>
21'03'25 蠢く密林
デヴィッド・ドレイク (検索) <amazon> <楽天>
 ベルギー王国によってアフリカ奥地のゴム園では現地の人々が搾取に遭っていた。彼らは復讐を誓い、ついに禁断とされている儀式を用いて邪神を呼ぼうとしていた。その儀式に巻き込まれてしまったベルギー人の家族。

 パターンとしては古典的ゴシックホラーだが、予兆ではなく本当に邪神が現れるところが現代的かな?人権意識を喚起させる内容になってるのも今風。
<A> <楽>
21'03'22 サスケ3
白土三平 (検索) <amazon> <楽天>
 度重なる鬼姫の襲撃によって生まれ故郷の山を捨てて旅を始める大猿とサスケ。大猿の昔からの仲間である石猿の家に寄って旧交を温めつつ、幻術使いと戦ったり、さらわれてしまったサスケが子ども達に忍術を教えることになったり。

 あれだけしつこかった鬼姫の話があっさり終わり、それからは旅の話。こども向けに描かれただけあって残酷な現実で生きていく農民達のために戦ったりと、どっちかというとヒーローものっぽさもある。
<A> <楽>
21'03'19 アルソフォーカスの書
H・P・ラヴクラフト (検索) <amazon> <楽天>
マーティン・S・ワーネス (検索) <amazon> <楽天>
 オカルト好きな“わたし”が怪しげな古書店で手に入れた題目も分からぬ古書を読み解き、そこに書かれていた術式を行ってみたところ、精神が異星に飛ばされてしまう。導かれるようにそこの宮殿へと入った“わたし”がそこで見たものは…

 ナイアルラトホテップが地球に来た理由を描く話。ラヴクラフトの名前が冠されているが、モロに神話大系の中の物語なので、著者は全く関わりを持たないはず。名前だけか?
<A> <楽>
21'03'15 僕のヒーローアカデミア7
堀越耕平 (検索) <amazon> <楽天>
 “ヒーロー殺し”ステインに対してたった三人で戦わなければならなくなった学生三人。瞬間の判断ミスが死につながる戦いを経て、彼らが得たものは?そして学校では夏休みを前に期末試験が始まった。実践試験として、爆豪と組んでオールマイトと鬼ごっこをしなければならなくなった出久。

 前巻からの続きで“ヒーロー殺し”との緊張感ある戦いが最初に展開。この作品の大きな特徴として、瞬間の判断で展開がガラッと変わってしまうので、いかに最適解を見つけ出して行動するかがあって、それが緊張感につながっていて良い。
 あと、オールマイトから受け継いだワンフォーオールの力の意味についても説明されたが、その際、ヒーローが戦わねばならない最悪のヴィランの存在が明らかになった。かなり節目となる巻だった。
<A> <楽>
21'03'11 蜘蛛ですが、なにか?1
馬場翁 (検索) <amazon> <楽天>
 とある高校の一クラス。古文の授業中に突然クラスの空間が歪み、そこにいた生徒と先生が異世界に転生してしまう。その中の一人“私”が転生したのは、なんと一匹の蜘蛛だった。生まれた瞬間から生存競争のただ中に放り込まれてしまった“私”は生き残りを賭けて自らを強く鍛えていく。一方、人に転生出来たクラスメイト達もそれぞれ赤ん坊からやり直しながら、この世界に自らを順応させていった。

 現在多く作られている転生ものの作品の一本だが、主人公が異形のもので、スピードと知恵以外ほぼ能力らしい能力を持たないというユニークな設定の話になっている。自分の能力を上げていくことと、下剋上的な戦いに溢れているので、これはこれで大変面白い。
<A> <楽>
21'03'08 はじめの一歩127
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 世界チャンピオンリカルドとのスパーリングにこぎ着けた千堂は、圧倒的な実力差の中、一発パンチを入れることが出来た。それを見たリカルドの弟子を自認するゴンザレスが千堂に挑戦状をたたきつけるのだった。一方、日本ではトレーナーとして二人の弟子達の面倒を看る一歩は、現役時代の自分に足りなかったものを痛感させられていた。

 一歩と千堂の二つの物語が展開していく。一歩の方は現役に未練たらたらで、全然前に進んでない感じ。一方千堂は着実にキャリアを積み、ついには世界ランカーとの公式戦へと臨むことになる。主人公を差し置いて盛り上がってる。
<A> <楽>
21'03'05 角笛をもつ影
テオドール・ドナルド・クレイン (検索) <amazon> <楽天>
 かつてラヴクラフトと共にホラー小説のシリーズを描いていた“わたし”も年老い、小説家としては既に引退していた。そんな“わたし”がある日出会った宣教師から、かつて自分自身がラブクラフト共に創造したはずの架空の民族が実在していたことを聞かされてしまう。

 老人の昔話をホラーに絡めた物語。メタ構造を取るために面白い話になってる。かなり新しい作品になるんだろう。
<A> <楽>
21'03'01 月刊少女野崎くん11
椿いづみ (検索) <amazon> <楽天>
 これまで散々後輩の若松で遊んだからと、自分がローレライだと打ち明けようとする結月。しかし肝心の若松はそれが冗談としか思ってなかった。他に鹿島の妹も登場し、なかなか賑やかになっていく。

 連載開始から10年は軽く過ぎているはずだが、未だに面白いのだからたいしたものだ。1巻からずっと引っ張ってきた音楽室のローレライが自分である事をばらすというイベントはあるものの、引っ張ってた割にぐだぐだな告白になってしまうのも本作らしさか?あと催眠術にかかってしまった鹿島が暴走したことで堀先輩の性癖がますます歪んでしまうイベントも。
<A> <楽>
21'02'25 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった4
山口悟 (検索) <amazon> <楽天>
 死亡フラグを全て回避し、魔法学園の卒業を控えたカタリナは卒業後にすぐ結婚を申し入れてくるジオルドに手を焼いていた。そんな折、義弟のキースが突然家出してしまう。そんなキースを連れ戻そうと意気込むカタリナだが、その助力を申し入れたのはジオルドとマリア、そして魔法局のラーナとソラだった。

 これまではゲームの中の出来事で基本的にカタリナの想定内で物語は進んでいたが、これからは完全オリジナルの世界観になっていく。将来の義姉となる?ラナと、その部下のソラがこれから話に関わってくるようになりそうだ。
<A> <楽>
21'02'22 パタリロ!9
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 一話完結の話を中心にした小話。パタリロの子孫となるパタリロ10世の話、タマネギ部隊創設の話、バンコランのもう一つの仕事の話など、盛りだくさん。

 根本的な設定にまつわる話が多々。前巻でパタリロ9世の話が出たが、ここでは10世。400年も未来の話で、パタリロに似た遺伝子はなかなか出てこなかったらしい。バンコランが00ナンバーを持つ女王直属というのもここが初出。タマネギ部隊に関しては5巻でちらっと出たが、創設の6人というのが出たのも初めて。
<A> <楽>
21'02'19 キノの旅22
時雨沢恵一 (検索) <amazon> <楽天>
 4つの旅人達の物語。「仮面の国」(師匠、キノ、シズ)、「退いた国」(キノ)、「取り替える国」(キノ)、「議論の国」(キノ)、「届ける国」(シズ)、「来年の予定」(フォト)、「餌の国」(キノ)と掌編。

 今巻はシズの話が多くて、過去にシズとリクの出会いの話もある。今巻はしばらく鳴りを潜めていた皮肉描写も多かった。
<A> <楽>
21'02'16 定額制夫のこづかい万歳1
吉本浩二 (検索) <amazon> <楽天>
 毎月サラリーマン平均を下回る二万千円の小遣いでやりくりする漫画家の“ぼく”が、その中からどうおやつ代や趣味代を出しているかを面白おかしく描くエッセイ風コメディ漫画。そして同じく少ない小遣いを有効活用している人たちを紹介しつつ、いかに楽しく過ごすかを描いてみせる。

 何かとネットで出てくるために興味を持って購入してみたが、思いのほか面白い。かつての「大東京ビンボー生活マニュアル」を彷彿とさせるのか?と思ってたのだが、家族持ちと言うこともあってそれ以上に切実な世知辛さが見え隠れしてる。金は少なくても最大限楽しむというのは、非常に共感を持てる部分でもある。
 あと読んでて思ったのは、節約というのはそれ自体が趣味みたいなものだな。困難をいかに乗り越えるのかというアスリート的感覚もあり。
<A> <楽>
21'02'12 オーバーロード13 聖王国の聖騎士 下
丸山くがね (検索) <amazon> <楽天>
 魔皇ヤオルバオトと戦うため聖王国入りしたアインズ・ウール・ゴウン。しかし最初の戦いでは敗北を喫し遙かな荒野に吹き飛ばされてしまった。これまでの経緯でアインズに心服するようになったネイア・バラハの精神的打撃は大きかったが、倒される前にヤオルバオトから奪い取った悪魔メイドのシズは、アインズが生きていると主張する。

 上下巻合わせて完全マッチポンプの話でナザリックが聖王国を手に入れる過程というだけの話なのだが、主人公視点を何も知らない一兵士に置いたことで、表面的な救国の英雄譚に仕上がってるのが特徴的。
<A> <楽>
21'02'09 聲の形4
大今良時 (検索) <amazon> <楽天>
 高校になって初めて出来た友人の永束から、みんなで遊園地に行こうという提案を受けた将也は、無理矢理引きずられるかのように遊園地へと向かう。同行する硝子を気遣いながら、それでも心浮き立つ気分を味わうのだが、無理矢理これに参加していた植野直花は、別な思惑があった。

 これまで生きる事が辛すぎていた将也が楽しいという感情を取り戻す話だと思ったら、後半でかなりきつい展開に。こう言う地雷が多数置いてあるから侮れない。
 ここで直花がやってることは、ひたすら善意から来ている。しかし人の善意というのは時に最も人を傷つける。そこを余すところなく描いているのが良いのだが、それがとてもきつい。
<A> <楽>
21'02'05 桐島、部活やめるってよ
朝井リョウ (検索) <amazon> <楽天>
 地方にある公立の進学校。バレー部のキャプテンでエースだった桐島が理由も言わずに突然部を辞めてしまった。それによって生じたさざ波は在校生の面々に少しずつ影響を及ぼしていた。五人の高校生を主人公に、その思いを描く。

 映画桐島、部活やめるってよ(2012)の方がとにかく面白かったので原作をと思って読み始めた。確かに面白い。
 ここに登場するのは特別なことのない面々だけど、その心理描写がとてもリアリティに溢れていて、昔の自分自身に思いを馳せるような気分。いるべきところにいる人がいなくなってしまった後の喪失感。それはおそらく長続きしない感情なのだが、その一瞬を上手く捕らえた好作。
 それにしてもこの原作でよくあんな映画が出来たもんだ。むしろそっちの方に驚く。
<A> <楽>
21'02'03 ようかい居酒屋のんべれケ。1
nonco (検索) <amazon> <楽天>
 アルバイトを何度やっても長続きしない本金ひのは、先輩の紹介で深夜開店の立ち飲み屋にアルバイトを始めた。ところがそこは妖怪がやってくる居酒屋で、なんとひのは妖怪を引き寄せるフェロモンを放出していると言われてしまう。次々にやってくる妖怪に妙に好かれてしまい、バイトに行く度に大変な目に遭わせられることに。

 女性同士がイチャイチャするという一種の百合作品と言うべきか、異種族交流と言うべきか。Twitterで著者の4コマとかの短編を目にする機会が多くて試しに読んでみたら、なかなか好みの作品だった。ギャグのセンスが割と昭和チックなのが良い感じ。
<A> <楽>
21'01'31 機動警察パトレイバー 風速40メートル
伊藤和典 (検索) <amazon> <楽天>
 特車二課への出向を終え、アメリカへ帰国する香貫花クランシーを見送った特車二課の面々。だが次々に起こるレイバー暴走事件にてんてこ舞いの日々を送るようになってしまう。その中で篠原遊馬は、これが新しいレイバー用OSによるものではないかと推測し、独自に調査を始めた。それはレイバーをこよなく愛する同僚泉野明に心配を掛けまいとしてという側面もあった。

 脚本家による映画機動警察パトレイバー 劇場版(1989)のノベライズ版。教科書的に素直なノベライズと言った感じだろうか?外連味を失うとこんなに単純なのかと逆に驚く。
<A> <楽>
21'01'28 新九郎、奔る2
ゆうきまさみ (検索) <amazon> <楽天>
 応仁元年。一色義直邸が襲撃されたことで京の都に大混乱が起こる。父備前守盛定邸に住まう千代丸も否応なしに戦乱に巻き込まれてしまう。この戦乱の中、何か出来ないかと考えた千代丸は一日も早い元服を願う。

 応仁の乱が本格的に始まった。実は応仁の乱に関してはテレビで知った程度の知識しか無く、人間関係が把握できてないのが悔しい。少し勉強が必要のようだ。
<A> <楽>
21'01'25 大江戸恐龍伝3
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 源内が設計したゑれき丸が完成し、源内や杉田玄白らを乗せ、ニルヤカナヤ探索に向かう。その手がかりを求めて琉球で聞き込みを始めるのだが、そこで江戸学者を名乗る牧志朝典という老人と出会う。

 江戸の話から離れ、琉球を舞台に探索の旅が始まった。何かを行えば必ず手がかりを得られるんで都合良く話が展開していく。その分軽快に読める訳だが。
<A> <楽>
21'01'24 銀河鉄道999 8
松本零士 (検索) <amazon> <楽天>
 「交響詩(魔女の竪琴)」200年間も星の女王として搾取を続けてきた女王の正体。「宇宙僧ダイルーズ」999に乗り込んできた僧形の乗客が手持ちの鐘を鳴らす度に999に異変が起こる。「心やさしき花の都」花が咲き乱れる星で、その花を燃やし尽くそうとする家族と出会う。「大暗黒星雲アフリカ」暗黒星雲の中に入り込んでしまった999は未知の生物と接触する。「水の国のシャイアン」999に強制介入して水の惑星に誘導する種族があった。自分たちを宇宙に連れ出すよう頼まれる。「喰命聖女」滞在中大嵐で避難した鉄郎とメーテルは、人の命の炎を食べて長命を保つ女王に捕らわれてしまう。

 この辺になるとアニメ版にあったかなかったか記憶に薄いのも多い。最後の「喰命聖女」なんかはアニメ版の方をかなり強烈に覚えているけど。
<A> <楽>
21'01'21 Re:ゼロから始める異世界生活16
長月達平 (検索) <amazon> <楽天>
 聖域の解放から一年が経過した。この間にエミリアの女王戦のための用意を着々と進めるナツキ・スバル。そんな時エミリアのライバルであるアナスタシアから水の都プリステラへの招待状が届く。その真意が分からないままパックの呼び戻し可能性をちらつかされて、招待に応じることとなった。

 第五部の開始。内容自体はラノベらしく軽快に進むが、ラストで驚きがあった。やっぱりこれがないと本作の特色が無くなってしまう。
<A> <楽>
21'01'18 パタリロ!8
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 少しだけ未来の話。パタリロの息子パタリロ・ド・マリネール9世と幼なじみで言語学の天才ルル=ベルが遭遇した宇宙人の話。ロンドンにやってきたラシャーヌとパタリロが鉢合わせする話。パタリロ流忠臣蔵の話。恋をしたいと願う高性能ロボットプラズマXの話。全て短編。

 まだまだ話は続くはずなのだが、話にまとまりが全くなく、既にネタ切れのように見える。ギャグ漫画家って、本当にいろんなところからネタ引っ張り出さねばならないことをうかがわせる。
<A> <楽>
21'01'14 顔の美醜について
テッド・チャン (検索) <amazon> <楽天>
 ルッキズムによる差別をなくするために、人の顔の美醜を判断できなくするカリーという処置について、法の可否を問う議案が出された。その国で高校生達がネットに上げた自分たちの意見を語る。

 基本的に全てネット上の意見を流すという面白い構成の作品で、この形式は新しい小説の形式としてそのまま使えそうな気がする。これで長編をちょっと読んでみたくある。
<A> <楽>
21'01'11 双亡亭壊すべし13
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 坂巻泥努に連れ去られた紅を救うべく双亡亭の最深部を目指す一行の前に、双亡亭に取り込まれた鬼離田菊代が立ち塞がる。一方別行動を取った凧葉たちは怯える少年達を発見する。

 双亡亭の内部で二つのパーティに分かれての探索となる。凧葉とセイイチの前に現れた子どもはどう考えても怪しいのだが、それをすんなり受け入れようとしたりとか、多少設定の甘さもあるが、かなり動きが出てきた感じ。
<A> <楽>
21'01'10 地獄とは神の不在なり
テッド・チャン (検索) <amazon> <楽天>
 破壊と奇跡を同時に起こす天使が定期的に顕現し、死後に行く別世界が垣間見られるようになった世界。かつて天使顕現の場に居合わせた妻を失い、その喪失感を埋められない男ニールは後の人生は神への復讐に生きる事を心に決め、天使を殺す方法を探していく。その探索の果てにあるものとは。

 不思議な世界観の不思議な世界の話。ファンタジックな物語だが、この舞台を使ったらマンガやテレビドラマなんかが作られそうだ。強いて言えば「ヘルブレイザー」から善悪を抜き取ったような設定でとても興味深い。
<A> <楽>
21'01'07 トクサツガガガ8
丹羽庭 (検索) <amazon> <楽天>
 数少ない休みを使って仲間内で海に行くことにした仲村さんたち。目的は海水浴ではなく撮影会。しかし運悪く雨交じりの曇り空で、決して撮影には好条件ではなかった。他に日本特撮の原点『ダゴン』の新作映画を観に行った仲村と、古いダゴンファンとの口論。

 年代的には丁度『シン・ゴジラ』が公開された時に重なっており、本作に登場する『ダゴン』はそのオマージュとなっている。ゴジラは古参の特オタよりも更に古い世代に当たるため、これを観ていた世代は既にお爺ちゃん。主人公の仲村さんとは三周り程度の世代のズレがあって、その辺のすりあわせが面白い話だった。
<A> <楽>
21'01'04 人類科学の進化
テッド・チャン (検索) <amazon> <楽天>
 人類が超科学を手に入れ、しかも人としての自我を保っている時代。人類はどう進化していくかの考察を交えて描くエッセイ風作品。

 未来科学のまっただ中で人間の進歩を考察する作品として「攻殻機動隊」があるが、本作はそれとは違い思考実験的な話になってる。どこまで行っても人は人であり続けるという観点で見ると、人としての限界というものを否応なく突きつけてくる。
<A> <楽>