22'09'30 |
ナイトメア・アリー
家出して巡業興業のキャンプに加わったスタントン・カーライルは、そこでいくつかの手品と読心術の手ほどきを受け、読心術の使い手として成功を収めたことで自信を深め、キャンプの娘モリーと組んで大きく成功しようと東海岸へと向かう。スタンの読心術は上流階級の人々の心を掴むことが出来たため、スタンはもう一歩進むことにした。
これまで二本の映画(悪魔の往く町(1947)とナイトメア・アリー(2021))が作られた有名な小説で、やっと読むことが出来た。サスペンスホラーの名作とされていて、確かに面白いが、心理学の話はやっぱり半世紀も前のためにだいぶ違っているし、内容的にも色々問題がある話でもある。 |
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22'09'27 |
ニャイト・オブ・ザ・リビング・キャット1
人間を猫に変えてしまう特殊なウイルスがパンデミックを起こした世界。猫に襲われ次々に人間が猫になってしまう中、生き残りを賭けた人間の戦いが始まる。
リビング・デッドものの定番を主題に、対象を猫にした作品。発想は面白いが、内容的にはあんまり特殊な感じはしない。本当に単に猫にしただけっぽい。猫は可愛いため、抱きしめたいのと嫌悪感が等間隔で襲ってくるくらいか?2巻では個性が出るのか? |
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22'09'24 |
現実主義勇者の王国再建記1
大陸ランディアの小国エルフリーデン王国で召喚魔法によって勇者として召喚された日本人相馬一也。勇者として目立った才能が無いため、他国との交渉材料として使われるはずだったが、王とじっくり話し合った結果、その政治的手腕を買われて、なんと王位を譲られてしまう。逼迫した王国財政を立て直すためにソーマ・カズヤの冒険が始まった。
剣と魔法の世界の中でひたすら経済と政治だけに特化した姿勢に感心したために読み始めた。架空世界の話だからこそ、難しい話をシンプルに出来るし、ファンタジー要素を加えることでちゃんと異世界転生ものとして成り立ってる。 |
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22'09'21 |
パタリロ!25
パタリロを中心にした短編集。雪だるまの恩返し。フグ毒で死にかけたパタリロを助けようと必死のタマネギ部隊の願いを聞き、宇宙の彼方から薬売りがやってくる話。CIAのヒューイットが拉致されてしまい、パタリロとバンコランで別々に救出作戦を行う話。そしてタマネギ部隊の見習いがマライヒに恋をしてしまう話。
基本全編短編集。キャラが増えたのでパタリロが不必要な話もいくつか出てくるようになった。それでもパタリロがいないと話が続かないのだが。 |
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22'09'17 |
アメコミヒーローの倫理学
アメコミの主流であるDCコミックとマーベル・コミックは双方奥深い物語性を持っているが、その中で誰が倫理的に勝っているのかという観点から、様々な項目を挙げて、代表的な二人のスーパーヒーローを戦わせる。
本当のファンにしか入り込めない領域でのアメコミの総論とも言える話。単純な強さではなく、社会的に何故彼らがヒーローと言えるのかを考察したものとなっている。
ただ、これは本当にファンの戯言であり、個人用のブログに書く程度の内容であることも確か。 |
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22'09'14 |
風と木の詩3
コンブラード学院に来る前、ジルベールは叔父のオーギュストによって育てられた。オーギュストが来る前は碌々教育もされていなかったが、彼のお陰で急速に常識を得ていく。しかし彼の心の中には誰にも入り込めない硬い領域があり、そしてそれはオーギュストも又持つものだった。似たものとして慈しみ、似たものとして憎むオーギュストの心に翻弄されるジルベール。
ジルベールの過去話だが、何故あのような青年に育ったのかの説明をしているはずだが、むしろジルベールの後見人にしてジルベールの愛するオーギュストが主人公となる。明らかなアダルトチルドレンの症状を見せるオーギュストの行動がかなり痛々しいが、よくこんな設定考えついたとそっちの方に感心する。 |
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22'09'09 |
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった8
各国の大使を招いての晩餐会が大々的に行われることとなった。公爵令嬢であるカタリナも出席しなければならなくなり、厳しいマナー教育を受けさせられる。あまりに詰め込みが長引いてしまったため、疲れて庭で昼寝をしていたところ、見慣れぬ異国風の男から声を掛けられる。
これまで帝国の中だけの話だったが、ここからは外国の交流が入ってくる。ただ、やってることは全くこれまで通りで、単にキャラが増えただけという感じ。方向がぶれまくってる気がする。 |
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22'09'07 |
僕のヒーローアカデミア10
合宿訓練中にヴィラン連合に連れ去られてしまった爆豪。その責任が自分にあると落ち込む緑屋出久に、同じように責任を感じている同級生の面々が集まってくる。一方、ヴィラン連合のアジトを特定したヒーロー達は大規模攻勢をそこにかけようとしていた。
前巻が雄英の面々による激しい戦闘だったが、今巻は基本的にヒーローに任せ、出久たちはこっそりそれを眺めているだけ。とはいえ、展開はタメと解放が上手く噛み合っているので静かに燃える感じで良い具合。 |
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22'09'03 |
「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気
「宇宙戦艦ヤマト」の企画から監督までこなし、アニメの一時代を作り上げた西崎義展という人物の破天荒な生き様を描き、いかにしてアニメ界に足跡を残したのかを、多くの人たちのインタビューから考察する。
虫プロから始め、ほぼ詐欺師のようなやり方で金儲けと名前を売ることを続けてきた男の生き様。ほとんどの人たちから嫌われながら、それでも突き進む生き方が出来る人間は滅多にいない。こう言う人間が世界を変える。 |
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22'08'31 |
隣の宇宙人がコワい1
宇宙人が大好きで、誰とも友だちも作らずにひたすら宇宙人を思い続ける中学生の少年丸の内のクラスに念願の宇宙人が転校してきた。すっかり舞い上がってしまう丸の内だが、その真の姿が人間の美少女と変わらないことが分かって急速に興味が薄れてしまった。ところが熱烈なアプローチをかけられた当の宇宙人の宇宙村がすっかり丸の内に惚れ込んでしまい…
設定からしてモロに「うる星やつら」な作品で、同じコメディ作品。こっちの方が直情的な上に病んでたり変態だったりして、より現代風だがこういうの好きだぞ。 |
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22'08'27 |
終物語 下 化物語17
臥煙伊豆湖によって斬られて殺害された“僕”阿良々木暦は気がつくと地獄にいた。そしてその隣には成仏したはずの八九寺真宵の姿があった。彼女の話によると、これは臥煙の計画の一部で、暦はすぐに生き返ることになると言うが…
一応の物語シリーズの最終話。ようやく死んだはずの暦がどうなったかが分かったが、あまりにあっさりした結論になってしまった。あくまで一応であり物語はこれからも続くが、卒業というイベントで高校生活が終わること。そして2期の要であった忍野扇の正体と目的、そして彼女がどうなったかが描かれる。なんか終わるべくして終わった感じであんまり感慨はない。 |
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22'08'24 |
パタリロ!24
パタリロの無軌道な活躍を描く短編集。掃除嫌いのパタリロがタマネギ部隊の快感中枢を改造したり、自分の身代わりにロボットのパタリロを作ったり。新規のタマネギメンバー444号についての話。ヒューイットに空飛ぶスーツを貸したところ、おかしな事になった話など。
お騒がせなパタリロの行為を描くいつも通りの話。被害者としてだんだん堂に入ってきたヒューイットが酷い目に遭う話も入ってるし、スーパーキャットがついに力を取り戻すとか、後々の伏線となる話なども。 |
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22'08'20 |
女のいない男たち
ある夜突然かかってきた電話で古い知り合いの死を知らされる。かつて“私”が知る中で最も変わった女性だったが、彼女と別れて以来“私”の中には大きな穴が空いていることに気づかされるのだった。
一応エッセイっぽくまとめられた詩的な別れの話。好きな人を失うと、その喪失感は心に穴が開いてしまうということを著者流の表現で語る。 |
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22'08'17 |
織田シナモン信長2
柴犬に転生し、普通の家庭で飼われている織田信長ことシナモン。犬の生活もまんざらではなく、他の戦国武将が転生した犬たちと交流を深めつつ、飼い主の尾田市子とのまったりとした生活を満喫する。そんな時、新たな武将として真田幸村が現れる。
物語性は低めに、犬の本能をコミカルに描きつつ、戦国武将としての思い出話が展開していく。戦国武将の話は相当最新版の説を採っているため、著者は本当に好きで色々調べてることが分かる。
今回初登場したコーギーの真田幸村だが、この人の立ち位置もちゃんと考えられてるので、なかなか絶妙な匙加減。 |
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22'08'13 |
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン4 サード・スクワッド・ジャム ビトレイヤーズ・チョイス上
大学の授業などで忙しくなかなかGGOにダイブできない日々が続いていた香蓮だが、三回目のスクワッド・ジャムが開催されることになり、ピトフーイこと神崎エルザから、今度はチームとして登録したからと半ば強引に参加させられてしまう。徐々にフィールドが狭くなる特殊フィールドでレン、ピトフーイ、フカ、Mの四人は順調に生き抜いていく。
三回目のSJが開催。一応今回はSHINCとの決着を付けるという意味はあるものの、レン自身に高揚感はなく、淡々と戦いをこなしていく感じ。後半で変わるか? |
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22'08'10 |
銀河鉄道999 14
目的も分からないままメーテルと共に999に乗り旅を始めた鉄郎。かつて訪れた星や、新しい星など、いくつもの星を巡りつつ、多くの懐かしい人々や新しい人々と出会っていく。
エターナル編の2巻。前作と構造は似ているが、既に鉄郎が戦士として一本立ちしていることから、単にものを知らずにメーテルに教えてもらうだけでない存在である事がちょっと違い。後は折に触れてハーロックやエメラルダスとかが時折現れるのも特徴か。 |
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22'08'07 |
木野
妻との離婚を機に小さなバーを経営することにした木野。常連もつき、そこそこ生活も出来るような日々が続いていった。そんなある日、常連の一人カミタという男から、おかしな話をされる。彼によると、今は木野はここにいてはいけないというのだ。
色々なものを捨てざるを得なかった中年男の悲哀を描くような作品だと思ってたら、途中からオカルトっぽいものへと変化していく。映画版の『ドライブ・マイ・カー』(2021)の決めの台詞はここから来てる気がする。 |
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22'08'04 |
バツイチで泣き虫なおとなりさん
あまり深く考えないところもある好男子沢渡の住むアパートに一人の女性落合が引っ越してきた。自己評価が低く、何かあるとすぐに泣いてしまう彼女のことが気になってしまうが、ご飯を作りに来たりしてるうちに徐々に仲良くなっていく。
不思議と味のあるマンガを描いている著者で、twitterでフォローしていたら、いつの間にやらtwitterで書いてたマンガが単行本化されたというので読んでみた。エロっぽいんだけど全くエロがないという不思議な味を持つ微妙な感じ。この感じになんか惹かれてしまう。
現在も時折twitterの方では書いてるけど、2巻はないかな? |
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22'07'31 |
転生したらスライムだった件3
オークロードの襲撃を撃退し、ようやく魔物の国テンペストの町作りに本腰を入れられるようになったリムル。オーガの生き残りの面々を中心に、ゴブリンの王国から技術者と科学者を、そしてリザードマンの国からも敗残兵を招いて国は順調に育っていった。ところがそんなところに、最古の魔王と言われるミリムが突然やってくるのだった。単に町を見に来たと言うだけだが、あまりに圧倒的な力に町の人々は恐れ、リムルにその世話役を押しつけてしまう。
基本は町造りの話だが、これははっきりと国になりつつあるため、周辺国や魔王達が反応し始めている。今のミリムでは全く太刀打ちできない実力者もこの地には数多く存在することも暗示されている。 |
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22'07'28 |
悪の秘密結社ネコ3
猫総統による悪の秘密結社は着々と人類侵略を続けていた。徐々に増えていく秘密結社の人間会員。そして秘密結社に対抗するイヌーマンの周囲にも変化が訪れていた。
続編の常でキャラが順調に増えているが、雰囲気は相変わらずで、ゆったりした猫あるあるの話が続く。だからのんびり読むのにぴったりで癒やされてる。 |
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22'07'25 |
シェエラザード
何らかの理由でマンションの一室に軟禁状態にあった羽原の元に生活必需品を運び、時にベッドを共にする女性がいた。寝物語に彼女は本当か嘘か分からないが、自らがストーカーであった思い出話をするようになり、それを心待ちにするようになった羽原は彼女をシェエラザードと勝手に呼ぶようになる。
何かの長編小説の一部のような不思議な話。「ねじまき鳥クロニクル」の中に似たような話があった気がしたが、調べてみたら人の名前が違った。主人公が中心なのか、彼女の話が中心なのか判断が付かない変な作品だった。 |
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22'07'21 |
パタリロ!23
夢で先祖のパタリロ6世となったパタリロは主人のアスタロトと共に逃亡生活を送っていたが、アスタロトとはぐれてしまう。再び合流するまで逞しく生き抜く6世。
前半は前巻の続きでアスタロトの話で、地獄の王サタンに逆らったために逃亡生活を余儀なくされて、世界各地で身を隠そうとするがどれも最後は失敗してしまうと言う「逃亡者」タイプの話。後半は目覚めたパタリロがいつもの仲間達とわいわいやってる。前に存在が知られたマライヒの妹が実際に登場してる。 |
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22'07'18 |
裏世界ピクニック4 裏世界夜行
「あの牧場の件」“私”空魚達を襲ったカルト集団の本拠地の建物をBS研究所の汀らと調査する“私”と鳥子。
「隣の部屋のパンドラ」隣の住人のことが急に気になってしまった“私”。その瞬間から怪奇現象に襲われるようになる。
「招きの湯」小桜へのお礼を兼ね、“私”と鳥子は小桜を温泉に招待する。初めての日本の温泉を前にテンションがおかしくなってしまう鳥子だが、一緒に深夜に温泉に入ると…
「裏世界夜行」裏世界に対する装備も揃ってきたので、いよいよ宿泊を伴う調査を行うことにした“私”と鳥子。だが夜になると不思議な現象が起こり始める。
前巻での命のやりとりをするような切実な話とは違って少々緩やかな話になっているが、裏世界からの干渉が空魚をピンポイントで狙うようになってきた感じ。一方鳥子が空魚に対する感情が明らかに深い好意に変わってきていて、それに対して空魚が戸惑う描写が多くなってきている。 |
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22'07'14 |
へうげもの5
秀吉による大茶会が終わり、脱力してしまった織部は自分が目指す数寄を見失ってしまっていた。惰性のように生きているが、歴史は動き続け、秀吉による小田原城攻略が始まる。それに従軍する織部。
話としては空白期間を設け、そこで織部のレベルがもう一段階上がるという話がメインとなるのだが、それだけでなく有無を言わさず愛弟子を殺されてしまった千利休の秀吉に対する反発とかもあり、なかなかに重い。 |
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22'07'11 |
独立器官
作家の“僕”がジムで知り合った美容医師の渡海という男は独身主義者で自由を謳歌していた。時折一緒に酒を飲み、いかに上手く女性と付き合っているかを聞かされていたが、あるとき渡海から、本気で好きになった女性が出来たことを打ち明けられるのだが、その日から彼はみるみる痩せ衰えていった。
人が人を本気に好きなるという事を直球で描いたもので、ここまでストレートに書かれると、逆にすごく新鮮な思い。改めて恋愛が文学となるのは、恋愛とは、命に関わるものだからということを改めて考えさせられた。 |
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22'07'08 |
はじめの一歩131
鷹村の三階級目の挑戦となる、S・ミドル級チャンピオンのキース・ドラゴンとの対戦を控え、キース来日に合わせ、敵情視察を兼ねて彼の好きな麻雀勝負に鴨川ジムの八木が向かった。だがあまりに幸運すぎるというキースの運は想像を絶するものだった。
鷹村の三階級目となるチャンピオン戦だが、この巻はそれ以前のコメディチックな話。いつものパターンでチャンピオンの強さを強調するための話。極端な幸運の持ち主と言うことだけ。あと一歩がトレーナー経験から人を見る目ができつつあるというのもあるが、概ね消化試合。 |
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22'07'06 |
ぼくたちのアニメ史
日本のアニメーション黎明期から脚本家としてアニメに関わってきた著者が、アニメ誕生から、21世紀に至るアニメの変遷や、著者から見た監督やスタジオなどの特徴を挙げる。
それこそアニメーションの始まりとなった1963年時点から半世紀に至るアニメーションの歴史を凝縮したような作品になってるが、あくまで著者の目線からと言うのが良い。実に良い。 |
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22'07'03 |
JJM 女子柔道部物語5
次は全道大会に標的を捉え、練習に励むカムイ南。もえも又次の大会に向けて特訓を始め、黒帯試験へと挑む。
ほぼ全編練習だけの話になっているが、それだけで大変面白いのが不思議。オリジナルとなった「柔道部物語」も練習風景が面白かったので、筆の冴えは今も健在。 |
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