23'09'29 |
転生したらスライムだった件10
テンペストの名所となるダンジョンの改良を日々楽しんでいるリムルだが、同時にテンペストの立ち位置についても考えねばならない時期に来ていた。そこで正式に西方同盟の加盟を申請することとなるのだが、魔物の国を人類に対する脅威と見なし、排除を画策する者達もいた。彼らが仕掛けた罠を知らずに会議へ向かうリムルだが…
裏から世界を操る黒幕が登場。と思ったら、何故か一巻であっけなく退場してしまう。この作品、伏線で引っ張ると思わせてすぐに解決させてしまう展開がやたらと多い。その分話を大きくしやすいのは確かだけど。 |
|
23'09'25 |
パタリロ!37
マリネラの建国祭で劇をやることになり、パタリロは「ガラスの仮面」の主人公マヤ役を演じることになった。てんやわんやの中劇は始められるのだが…
パタリロが劇をする「ガラスのパタリロ仮面」、宇宙に巨大なレンズを作り、それを各国に売り込む「神の目」、僅かに残ったパタリロの良心が目覚める「良心抹殺」と、間者猫を主人公にした中編「間者猫武道整体」。中編が一本あるが、これは今ひとつ。ガラスの仮面の著者美内すずえをディスったのが一番面白かった。 |
|
23'09'22 |
ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン7 フォース・スクワッド・ジャム 上
4回目となるスクワッド・ジャムが開催されることとなり、今回もレン、フカ、ピト、Mの四人で出場することとなったが、ピトのスカウトで、何故かピトを恨んでいるはずのシャーリーとクラレンスという女性二人が加わった。一方現実世界では香蓮が初めて会った男から突然求婚されてしまう。しかも彼はGGOのことを聞き及び、スクワッド・ジャムに参戦するという。もしこのゲームに敗北したら結婚という賭を持ちかけられ、面白がったピトがそれを受けてしまった。
現実世界もゲームの中でも色々トラブル抱えながらのゲームとなる。そのため今回はゲームのオープニングの緒戦だけで終わってしまった。今回のSJはルールが特殊なので一筋縄ではいかないチームが多々登場している。 |
|
23'09'18 |
JJM 女子柔道部物語8
道大会終了後、自分たちの強さを認識したカムイ南高校女子柔道部は皆やる気を起こしてどんどん強くなっていった。その中でもえもの実力は飛び抜けて向上していく。
今巻はほとんどが高校生活の様子がメインだが、覚醒したえもはあらゆるスポーツで才能を開花させており、特に柔道ではもはや敵なしと言った風情。いよいよ本当の快進撃が始まるようだ。 |
|
23'09'15 |
心願の国
著者の一連の短編集「夏の花」の一編。故郷広島にて自然の声に耳を傾け、鳥の声を聴く。しかしこの地は原爆を受けて焼けただれた街でもある。その中で生き残った著者が見る自然の一コマ。
散文詩ともエッセイとも私小説とも取れる味のある作品。原爆を知る詩人だからこそ描けた哀愁感ある作品とも言える。 |
|
23'09'13 |
はじめの一歩133
鷹村の四階級連覇に、強運のキースが立ち塞がる。何をしても有利になってしまうキースに対し、鷹村は相打ちで対抗する。体力勝負となったこの勝負を制するのは…
実力もあり、更に幸運を味方につける相手に高村が挑むという話だが、終わってみるとあっけない。苦戦の末に勝利をもぎ取るというパターンはこれまでと全く変わらず。 |
|
23'09'09 |
裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT
ある日を境に突然裏世界の記憶を全て失ってしまった“私”紙越空魚。友人の鳥子の尽力で記憶は戻ったが、その空白が生じる原因を探ると、大学のゼミでTさんという人物と会ったことからと分かる。裏世界に何か関わりを持つ可能性を考え、そのTさんを尾行することにしたのだが…
初めての長編となった話だが、一巻で決着が付かないままだった。裏世界の方から空魚と鳥子に何らかの接触が持たれたということか。 |
|
23'09'02 |
デキる猫は今日も憂鬱8
ある日幸来が家に帰ると、両親が来ていて諭吉の歓迎を受けていた。結局週末は母に引っ張り回されてしまうことになってしまう。しかしその中で本音をぶつけ合い、ようやく親子の和解を果たす。
お互いに意地を張ってギクシャクしていた親子関係が修復される話と、もう一匹の普通サイズのデキる猫ダイちゃんの話。この巻でそろそろまとめにかかると思っていたのだが、まだ話は続くようだ。結構楽しみにしてるのでそれで良いんだけど。 |
|
23'08'30 |
転生したらスライムだった件9
テンペストの建国祭が華々しく始まった。三日のプログラムに多くの国々から重鎮達が集まり、金に糸目をつけず大々的に行われる事になったが、式典の最中に支払いについてのトラブルが起こる。更にリムルの後にこの世界にやってきた異世界人マサユキも絡み、思いもかけぬ展開になっていく。
前巻からの続きで大々的なお祭りの話が一巻分続く。概ね大成功なので読んでいて楽しいものになった。これまでにいくつもの伏線があったが、この巻ではほとんどがスルーされている。単なる幸運だけで勇者になってしまったという異世界人マサユキもこれから関わってくるようだ。 |
|
23'08'26 |
銀河鉄道999 18
999は銀河鉄道の始発駅ディスティニーに到着した。ここは全ての列車の始発駅にして、機関車以外誰も場所を知らないところだった。そこで鉄郎が見たものは…
本巻が最終巻となるはずなのだが、話は途中で終わっている。どうやらエターナル編は最後まで描かれる事はなかったようだな。あと二話くらいあれば終わるだろうに勿体ない。それに著者の死でもう描かれる事はなくなった。 |
|
23'08'22 |
告白
地方都市にある公立中学校二年B組のホームルームで担任教師の森口が突然語り出したこと。それは少し前に事故死した守口の娘が実はこのクラスの男子二人によって殺されたというのだ。そこで森口が語った内容は恐るべき内容だった。
著者の作品を読むのはこれが初めて。映画『告白』(2010)の方で既に観ていたが、一切の救いのない原作の出来は凄まじく、よくこれを映画にしようと思ったもんだと思える。監督の悪意てんこ盛りだったな。 |
|
23'08'18 |
パタリロ!36
言葉の意味を変えてしまう正月の精がマリネラに帰ってきたことや、タマネギ72号が出会った人魚を助けたために起こった地球の危機、変装の名人ザナドゥが登場する話など。
今巻では珍しく中編的な人魚の話があって、タイムパラドックスを用いたSFネタになってた。ストーリーそのものが『モスラ3』を思わせるが、あの映画の10年前に描かれたものだった。こっそり脚本家がネタ元にしたんじゃなかろうか? |
|
23'08'14 |
愚物語 物語シリーズ19
「そだちフィアスコ」高校三年11月に公立高校へと転校した老倉育は、ここで心機一転友だちを作ろうとするのだが、初手から失敗してしまう。
「するがボーンヘッド」部屋の掃除をしていた神原駿河と忍野扇は、ゴミの山から処分したはずのミイラの手を発見した。しかもその手には不思議なメッセージの書かれた紙が握られていた。
「つきひアンドゥ」阿良々木家の見張り役人造人間の斧乃木余接は、ある日阿良々木月日に生きていることを見破られてしまった。思わず自分が魔法少女だと言ったところ、信じられてしまう。
阿良々木暦の卒業で一旦シリーズは終了。ここから暦以外のキャラの短編集に入る。今巻は三つの話で五人のキャラ。みんなそれぞれに愚かということでこのタイトルがつけられたらしい。 |
|
23'08'10 |
大市民挽歌1
作家山県も68歳となったが、相変わらず仕事とビール飲みながら美味い食事を食べて蘊蓄を語る。
著者というか、この作品を読み始めて何年だろう?随分付き合いが良い。著者もよく描いてるが、ついに電子書籍のみの発売になったようだ(だから知るまで時間掛かった)。内容は全く変わらず。老いというものに向き合おうとしてるが、話がウロウロしてるだけ。それでもまあ心地良いから良し。 |
|
23'08'08 |
同志少女よ、敵を撃て
第二次大戦。故郷の村をドイツ軍に焼かれた少女セラフィアはドイツ軍に復讐するためだけに狙撃兵となった。女性だけの部隊で訓練を経て、戦線に投入される。激戦地を転戦させられ、ついにはベルリンにたどり着く。そこには母を殺した狙撃兵がいた。
著者にとってデビュー作だが、一作でベストセラーとなった。内容の骨太さに対して微妙にラノベ風味を取り入れてとても読みやすいのが特徴で、バランスの取れた良作。
ソ連に舞台を取ってるのも面白い着眼点。女性狙撃兵って言ったらソ連だよな。 |
|
23'08'04 |
ようかい居酒屋のんべれケ。5
いつもと変わらないizakaya のんべれケの面々。だが変化は少しずつ起こっていた。ひのの体に起こる異変と、それに合わせるように現れる強大な妖怪。
なんか打ち切りにあってしまったのか、なし崩しに最終回になってしまったが、とにかくひののフェロモン体質には理由があって、その根本的な治療を行った結果、フェロモンは失ったが今度はひのが妖怪化してしまうという酷いオチだった。まあ楽しめたから良し。 |
|
23'08'01 |
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった10
魔法省で闇の魔法の習得を始めた“わたし”カタリナ・クラエスだが、なかなか闇の書の解読は進まず、気分転換を兼ねて魔法省の先輩サイラスに付き合って孤児院に行くことにしたが、それをみんなに知られてしまい…
少しずつ話は深まっているようでもあるg、あやってることは相変わらずの人たらし。大昔のテレビシリーズを見てるような気分になってくる。まあそれが持ち味なのは確かだが。 |
|
23'07'28 |
パタリロ!35
フランスからイギリス旅行にやってきた少年クリスティは、何故か行く先々でパタリロとマライヒと出会ってしまい、その度ごとに酷い目に遭わされる。そんなクリスティが巻き込まれた事件とは…
短編集で、珍しくパタリロが脇役となって初めて出た少年が主人公になる物語や、パタリロに化けた宇宙人の話、某国大使の娘に惚れられてしまってパタリロを頼らざるを得なくなったバンコラン、パタリロが開発した顔面入れ替え期で混乱するなど、まとまりがない短編集。 |
|
23'07'26 |
鬼桃太郎
かつて桃太郎によって散々蹂躙されて廃墟と化した鬼ヶ島では、桃太郎に対する恨みが高じてついい最強の鬼苦太郎が誕生した。一気に成長した苦太郎は自らの力を試すように次々と魔物達に力比べを挑む。
鬼の側から見た桃太郎の物語。形式として長編っぽく作られてるのだが、何もかも中途半端にあっけなく終わってしまう。この視点は面白いと思ったら、意外にこの形式で桃太郎を再構築してる人って多い。桃太郎ってイメージをかき立てられるんだろうな。 |
|
23'07'23 |
アオイホノオ23
北海道の自宅で短期連載のための原稿書きを続けるホノオ。その息抜きで、丁度公開された『うる星やつら オンリー・ユー』を観に行き、そこで衝撃を受ける。
今回はなんと半分くらいの紙面を使って『うる星やつら オンリー・ユー』(1983)の映画レビュー漫画になってしまった。書かれていることには一々頷けるのだが、私はここまで衝撃を受けるようなことはなかったので、それが新鮮だった。
時は1983年。私もこの年に「うる星やつら」を自覚して観るようになった。その延長線上での『オンリー・ユー』だったが、その翌年にこそ、本当の衝撃が待っていることなど知らずに過ごしていた時のことだ。私にとってリアルタイムな時間なので、共感度が高すぎる。 |
|
23'07'20 |
現実主義勇者の王国再建記3
網戸にあの侵略を食い止め逆に攻勢を掛けて首都を占領したエルフリーデン王国。王であるソーマは直ちに住民救済のための食料配布と宝珠を用いての娯楽放送を始める。その後帝国の仲介で和平交渉が行われる事になったが…
動きの激しかった2巻とは異なり、一巻まるごと戦後の調整だけで使っている。丁寧に細かい描写はむしろこっちの方が楽しい。この作品の面白さは事務的な部分にあって、合間合間に戦争があるって感じ。 |
|
23'07'16 |
BEASTARS3
ルイ先輩のお陰で演劇祭もなんとか無事終了したが、ベンガルトラのビルとレゴシの間は険悪感が漂っていた。そんな中、街の大きな祭り隕石祭が近づき、その手伝いのために演劇部の面々は外に出る。少し羽目を外した彼らは、気がつくと草食動物の肉を売り買いするという裏市に来てしまっていた。
前半はハルと食事しながらの会話が見所。お互いを恐れながら、表面的には余裕ぶっているのが読んでいてヒリヒリくる。そして後半は、初登場のパンダの医者ゴウヒンから食肉衝動がどこから来ているのかという根本的な問いが投げかけられる。
好きだという感情と殺して食ってやりたいという感情が表裏一体なのか。その問いにこれからレゴシは直面していかねばならなくなった。 |
|
23'07'12 |
噂
都内で若い女性だけを狙い、必ず足首を切り落とすという連続殺人事件が起こった。新しい事件現場である目黒署の刑事小暮は警視庁のエリート警部補の名島と組んで聞き込みを行う事になった。そこで分かったのは、この事件は若者の間で既に都市伝説として噂が広まっていたという事実だった。そんな小暮の元に、この噂を広めた張本人だと名乗る広告代理店の西村という男が接触してくる。
ネットで「後味の悪い小説」として紹介されていた作品だったが、確かに凄く後味が悪い作品だった。一見無駄のように見える伏線が次々にはまっていくスタイルが見事だが、すべてが終わったと思った瞬間に驚きの展開が待っていた。 |
|
23'07'11 |
定額制夫のこづかい万歳4
少ない小遣いでやりくりしつつ、しっかり自分の楽しみを見つけていく人々をインタビューする漫画で、ちょっと著者自身の生活も描きながら、多くの工夫を紹介していく。
この作品ですっかり有名になったため、著者の元に日本各地から小遣い運用の情報が入るようになり、その中には本当に面白い使い方をしてるのもあり。あと、ちょっと感動させようとしてる話もいくつかあって、その辺は長く続けるコツかな? |
|
23'07'07 |
蜘蛛ですが、なにか?8
世界の危機を救ったことで神化したのは良いが、今度は力の使い方を忘れてしまって無力になってしまった“私”。それでも魔王領への旅を続けるのだが、その途上で強力な力を持つオーガによって滅ぼされたという村を目撃する。実はそのオーガは“私”同様この世界にやってきた転生者のクラスメイト笹島京也だった。
神化したのは良いが、今度は何の能力も持たなくなってしまった主人公の苦難を描く話となるかと思ったら、話の半分以上は初登場となったクラスメイトの話だった。主人公と同じく魔物に生まれてしまったため、何度も命の危機に陥り、その度毎に強くなったという存在。 |
|
23'07'03 |
俺物語!!9
ケーキ屋でアルバイトをしている大和は、天才パティシエの一ノ瀬に惚れられてしまった。猛男のことしか見えていない大和はそんなことも全く気づいていなかったが、猛男の目には、この二人がお似合いに見えてしまって気が気でなかった。
パワー系でなんでも怪力で押し通す猛男がこと恋愛に関しては完全に身を引いてしまいがちというギャップが楽しい話。恋愛の方にウェイトを掛けると猛男はあくまで普通の高校生。まだこの話は終わってないので、それをどう料理していくかだろう。
しかしこの表紙見て少女漫画と分かる人はいないんじゃ ないか? |
|
23'07'01 |
マリアビートル
不運続きで何もかも上手くいってない何でも屋の七尾が今回引き受けた依頼は、東京発の東北新幹線に乗り、そこにあるバッグを盗んで上野で降りるというものだった。ところがそのバッグを持っていたのは七尾も知っている二人組の殺し屋だった。更にこの新幹線には、人を支配することに長けた中学生の王子と、王子の脅迫を受けて無理矢理乗り込まされていた木村という男が乗っていた。全員が予定外の事態に巻き込まれ、新幹線の中は大混乱を呈する。
映画『ブレット・トレイン』(2022)の原作にして、「グラスホッパ」の続編。何人か「グラスホッパ」から登場する人物もいて、混乱する群像劇という構成も同じ。物語の完成度としてはこっちの方が上だった。しかし改めて思うが、これは映像化不可能な作品だったな。 |
|
|
|
|