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2008 | ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛 監督・製作・脚本 | |
2007 | ||
2006 | ||
2005 | ナルニア国物語 ライオンと魔女 監督・製作総指揮・脚本 | |
2004 | シュレック2 監督・原案・脚本・声優 ケリー・アズベリー、コンラッド・ヴァーノンと共同監督 | |
2003 | ||
2002 | ||
2001 | シュレック 監督 | |
2000 | ||
1999 | ||
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1985 | ||
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1982 | ||
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1976 | ||
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1969 | ||
1968 | ||
1967 | ||
1966 | 12'1 オークランドで誕生 |
ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛 2008 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2008MTVムービー・アワード現時点でのサマー・ムービー賞 2009MTVムービー・アワードブレイクスルー演技賞(バーンズ) 2009サターン作品賞 2008全米年間興行成績第14位 |
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かつてナルニアにやってきて、白い女王からナルニアを解放したペベンジー王家の時代から1300年後。ナルニアは戦闘民族テルマール人によって支配され、ナルニアの住民達は彼らを避け、深い森の中でひっそりと暮らしていた。そんな中、テルマールの摂政ミラース(カステリット)は、自ら王位に就くため、王子のカスピアン(バーンズ)の暗殺を画策していた。その動きを事前に察知した家庭教師のコルネリウス博士(グラス)によって逃げ延びたカスピアンは森の中でナルニアの住民達と出会う。そして託された角笛を吹くとき…一方、ペベンジー兄弟は、一年後、なんとか現在の世界に馴染もうとしていたのだが、その時地下鉄乗り場で懐かしい音を聞く… 全7巻の壮大な童話を映画化するナルニア国物語の第2章。童話の通り、本作は第1章から1300年後の世界での、ペベンジー兄弟と、新キャラであるカスピアンとの戦いの歴史が描かれることになる。 原作では少年だったカスピアンが成人前の青年として描かれていることが大きな改変だが、これは色々な意味で細かい違いを物語にもたらしている。主役をペベンジー兄弟よりもカスピアンの方に重点が置けるようになったことと、カスピアン自身が自意識をしっかり持っているため全面的にペベンジー兄弟に協力している訳ではない(特に長男のペーターと、軽く諍いを起こしてもいる)ことだろうか。 この改変は本作では結構上手く機能している。これによって物語がぐっと大人向きになった。そして対象年齢が上がったことによって、かなり物語にも締まりが出ている。第1作の欠点は対象年齢の分から無さだったのだが、本作においてそれが“子供も楽しめる大人の物語”に変化したこと。少なくとも1作目よりは随分出来良く仕上がってる。 少々残酷さが増しているため、子供が素直に観られるかどうかは、ちょっと疑問が残るが、前回で全然苦労もしないうちにいつの間にか王様になってしまった子ども達が、今回は実際に苦労してることがよく示されてるのは良かった。それにカスピアン役のバーンズが美形だってのも鑑賞に際しては大きい要素。言っては何だが、四兄弟がなんか普通の顔してるから、これは大きな売りになっただろう。 アスランの存在感も、あくまで今回は“手伝い”に徹しているので、それも物語がぶれなかった大きな理由か。 「指輪物語」「ゲド戦記」「ナルニア国物語」といういわゆる三大ファンタジーは本作のシリーズ映画化によって、全てが映画化されたわけだが、ディズニーが「ナルニア」を買ったことは、特別な意味合いを持ちそうだ。 ディズニーは複合的な組織なので、映画そのものの売り上げよりも、それに付随するものを収入源と出来る。ミッキーマウスは現在ありとあらゆるものにプリントされているし、『パイレーツ・オブ・カリビアン』はそもそもディズニーランドの演し物から出ている。単体で留まらず、複合的に売り出せるのがディズニーの最大の強み。 その意味で「ナルニア」という長いシリーズはディズニーにとっては大きな資産になるはず。なにせ1世紀を超えての大人気ファンタジー。DVDの売り上げは間違いなくロングランになるだろうし、これを上手く使えば様々なメディアミックス展開も充分可能。少なくとも他のどの映画製作会社よりも資産を有用に使えるだろうし、別な言い方をすれば、7作全部をちゃんと作ってくれるだろう。という安心感もある。多少映画でコケたとしても、充分カバーできる体制が最初から整っているのだから。 少なくとも子供の頃から大好きな「ナルニア」を、安心して待っていられるのは、私にとっても結構ありがたいことだ。 |
ナルニア国物語 ライオンと魔女 2005 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
2005米アカデミーメイクアップ賞、視覚効果賞、音響賞 2005英アカデミーメイクアップ&ヘアー賞、衣装デザイン賞、特殊視覚効果賞 2005ゴールデン・グローブ音楽賞、歌曲賞 2005放送映画批評家協会ファミリー映画賞、若手女優賞(ヘンリー) 2005全米BoxOfficeトップ11位 2006MTVムービー・アワード悪役賞(スウィントン) 2006全米BoxOffice第2位 |
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第二次世界大戦下のイギリス。ロンドンから田舎に疎開してきたピーター(モーズリー)、スーザン(ポップルウェル)、エドマンド(ケインズ)、ルーシー(ヘンリー)の4人兄弟姉妹はカーク教授(ブロードベンド)の家にやっかいになるが、ある日屋敷の探検をしていた末っ子のルーシーは空き部屋の衣装だんすに入った所、なんと彼女は雪に覆われた森の中にいたのだった。そこは“ナルニア”という不思議な国で、兄弟達は予言によって導かれたと言う。だが、同じくナルニアにやってきたエドマンドは、ナルニアを治めている白い魔女の虜になってしまう… C・S・ルイスが創造し、世界三大ファンタジーに挙げられる「ナルニア国物語」の第一巻の映画化(言うまでもないが、後の二つは「指輪物語」と「ゲド戦記」)。『ロード・オブ・ザ・リング』の大成功によって、これも映画化出来るようになったと、ある意味感慨深い。 私に関して言えば、子供の頃家に置いてあったこのシリーズを繰り返し読んでおり、数年前に家に帰った折、倉庫においてあるのを発見して持って帰って読み直した。それで改めてこの作品の魅力に取り憑かれてしまい、オフラインでは何人もの人に貸し出したが、お陰で周り中にファンが増大中(一人は独自に全部自前で買ったほど)。それに事実私はルイスの大ファンでもあり、「別世界物語」とかも大好きだし、一般の評価は低いみたいだけどルイス自身を描いた『永遠の愛に生きて』(1993)も大好きだ。 流石にここまで思い入れが高いと、当然評価は低くならざるを得ない訳で…はっきり言って映画観るのは怖かったりする。 ファン故に観たい。そしてファン故に観たくない。そんな複雑な思いを持ちつつ劇場に… とっ始めにBf型の爆撃機が多数出現。そこで頭は一瞬パニック。あれれ?「ナルニア」って第一次世界大戦下の話じゃなかったか?…まあ、それはそれで良いか。これでこのこの舞台が1939年の10〜11月と言うことが分かる。イギリスの気候風土からすれば、10月末といった所か? ところで、ここまで有名な原作になると、映画化には多大なストレスがかかるはず。その場合、映画化にはいくつかの方法があると思う。一つには、初期の『ハリー・ポッター』シリーズのように、とりあえずなんでもぶち込んで、なんとか一本作り上げる方法。もう一つの方法は『ロード・オブ・ザ・リング』のジャクソン監督のように、技術の粋を用いて自分の思いの丈をぶつける方法。本作はどうやら前者に当たるようで、とりあえず全てのエピソードは盛り込まれている。その意味では原作に忠実にそつなくまとめられた作品とは言えるだろう。ただ、物語の中心はどこかずれが感じられて仕方がない。 そつなくまとめること。本作を作るに当たってはそれが正しい作り方とは思うのだ。しかし、ここで描かれるのは、少年少女の冒険譚だけで終わってしまってないか? 表層的に見れば、確かにそれだけの物語なんだけど、実際の話では「ナルニア」はもっと深い所にメッセージがあるんだが、その部分は綺麗にスルーされてしまった。 その最たるものはアスランの描き方。ナルニアを作り上げた偉大なアスランは確かにライオンではあっても、ただのライオンであってはならないはずだと思うのだが、ここに登場するアスランは全然威厳がないのみならず、CG丸分かり。偉大さが全く感じられないのは致命的。少なくとも、私にとっての「ナルニア」の“あるべき姿”はそこにはなかった。 その代わりとして冒険と戦いが全編を覆う。『ロード・オブ・ザ・リング』に倣ったのかもしれないけど、独自性は感じられず。 結果として、一般向けの作品として考えれば良いんだけど、オリジナルが好きな人にはちょっと疑問符が残る作品となってしまった。これ観るんだったら、本を読んで空想の翼広げた方がなんぼか子供のためには良い。 |
シュレック2 2004 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2004米アカデミー歌曲賞、長編アニメ賞 2004カンヌ国際映画祭パルム・ドール(アンドリュー=アダムソン、ケリー=アズベリー、コンラッド=ヴァーノン) 2004ゴールデン・グローブ歌曲賞 2004放送映画批評家協会歌曲賞、長編アニメ賞 2005MTVムービー・アワード コメディ演技賞(バンデラス) |
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めでたく結ばれたシュレック(マイヤーズ)とフィオナ姫(ディアス)がハネムーンから沼地に戻った時、フィオナ姫の故郷“遠い遠い国”から結婚を祝う舞踏会の招待状が届けられる。シュレックとフィオナ姫、そしてドンキー(マーフィ)は勇んで王国にやってきた。だがシュレックと怪物化したフィオナ姫の姿を見た国民はパニックに。魔女にそそのかされたハロルド国王はこの結婚を無効にし、チャーミング王子とフィオナを改めて結婚させるべく、画策するが… 大好評だった1作目に続いての作品で、本作も大ヒットを記録した(公開3日目に全米737スクリーンから4163スクリーンに拡大公開され、最も多くのスクリーンで上映された記録を作った)。 一般的には大ヒットとは言え、1作目『シュレック』はどうにも好みではなく、全然期待せずにTVになった時に観たのだが、あらら?って感じでかなり面白く仕上がってた。はっきり言って1作目よりも遥かに好みだ。 これは結局物語に一貫性があったという事実からなるのだろうと思う。1作目は小ネタの詰め合わせって感じで、主人公に意志力がまるで感じられず、展開が燃えないし、主人公に合わせて物語もテンポが悪かったが、本作の場合、非常にオーソドックスながら、主人公がちゃんと意志力持ってフィオナを救い出そうとしているのが好感度高くなった理由なのだろう。ストーリーもメリハリが効いてるし、こうなると古CGも映える。ラストの団結も良い感じ。最初はバンデラスの猫はやや違和感あったが、観てる内に逆にはまってるように思えるし。 それに1作目では隠されていた異人種間の結婚の是非が表面化されているのも興味深いところ。考えてみると、本作は『招かれざる客』(1967)をそのまんまアニメーションにしたような作品でもある。この重いテーマを正面切って描いたのは面白いし、異人種間の結婚が簡単なものではない。と言うことを改めて知らせる役割も持っていたのではないかな? …まあ、単にようやく“普通”になった。と言うことなのかもしれないけど。 |
シュレック 2001 | |||||||||||||||||||||||||||||||
2001米アカデミー長編アニメ賞、脚本賞 2001英アカデミー脚色賞、作品賞、助演男優賞(マーフィー)、作曲賞、音響賞、特殊視覚効果賞 2001カンヌ国際映画祭パルム・ドール 2001LA批評家協会アニメーション賞 2001放送映画批評家協会長編アニメ賞、作品賞 2002MTVムービー・アワード作品賞、チーム賞(マイヤーズ&マーフィ&ディアス)、コメディ演技賞(マーフィ&マイヤーズ) |
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どこかにあるおとぎ話の人物達が住む世界。人里離れた森の中の沼のほとりで孤独に暮らす怪物シュレック(マイヤーズ)の前に、おしゃべりなロバのドンキー(マーフィ)が現れた。これまでの静かな生活が邪魔されたことに怒るシュレックだが、ドンキーは全く意に介さず、沼地に居着いてしまう。実はこの土地の領主ファークアード卿は自らの力を示すために土地からおとぎ話のキャラクタ達を追い出していたのだ。そして大挙して沼地にやってくる人たちに辟易したシュレックはドンキーと共にファークアードに掛け合い、美しいプリンセスを連れてくることを条件に沼地を自分のものにしてもらえる約束を取り付ける。ファークアードの指定するのは、なんと恐ろしいドラゴンの住む古城で、ドラゴンに囚われているフィオナ姫を助ける羽目に陥ってしまう… スピルバーグが製作総指揮を執った力の入ったフルCGアニメーション作品で、はこの年からアカデミー賞に新設された長編アニメーション部門の、堂々の初オスカーとなり、ドリームワークスの実力を見せつけた作品となる。 ただ、これが面白かったか?と言われると…どうもなんか全然合わない。残念ながら小ネタの連続で形成された物語はどうにも入り込めなかった。ギャグも滑るし、盛り上がるべきところでするっと肩すかしを合うばかりだし、観ていてストレスばかりを感じた。大体おとぎ話の世界を舞台にしてるのに、おとぎ話の住民達が本当にな〜んにもしてないし、意味も見あたらないのが致命的では? 面白いと思ったのは最後のオチくらいかな?吹き替えで観たのが悪かったのか? 別段CGアニメに拒否感を感じるという訳ではなく、ピクサー製の作品は大変好きなのだが、何故かドリームワークス製のアニメは面白いと思えるのがない。相性の問題だろうか? ただ、一つ面白いと思ったことがある。ドリームワークス製の本作は、明らかにディズニーに対抗しようとしていることがはっきり分かること。そもそも監督のアダムソンはディズニーではかなりの重鎮だったが、報酬の分配で喧嘩して飛び出したという経緯がある。ディズニーの作り方を最もよく知っている人物が、「アンチ・ディズニー」を目して本作を作ったのは確実。 それでいくつものディズニーに対する悪意(というかアンチ・テーゼ)が見られるのだが、それがよく分かるのがラストだろう。これまでのディズニー映画の特徴は、必ず最後は美男美女が結ばれるという結末に持って行っている。それこそ『美女と野獣』(1991)とか『ノートルダムの鐘』(1996)であってさえ、最後に美女が結ばれるのは必ず美男子の方。ところが本作の場合、なんと最後はモンスター同士が結ばれるという。その皮肉の部分が面白くもあり、同時に面白くも無し…困った作品だ。 |