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年代 | ||
2022 | ||
2021 | キングメーカー 大統領を作った男 監督・脚本 | |
2020 | ||
2019 | ||
2018 | ||
2017 | 名もなき野良犬の輪舞 監督・脚本 | |
2016 | ||
2015 | ||
2014 | ||
2013 | ||
2012 | マイPSパートナー 監督・脚本 | |
青春とビート、そして秘密のビデオ 監督・脚本 | ||
2011 | ||
2010 | ||
2009 | ||
2008 | ||
2007 | ||
2006 | ||
2005 | ||
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2000 | ||
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1966 | ||
1965 | ||
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キングメーカー 大統領を作った男 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1968年。軍事独裁政権の打倒を目指す野党の政治家キム・ウンボム(ソル・ギョング)。しかし理想と情熱だけでは公然と買収活動を展開する与党には到底太刀打ちできずに落選を繰り返していた。そんなある日、ウンボムの事務所にソ・チャンデ(イ・ソンギュン)という男がやってきて、選挙スタッフに加わることになった。チャンデは、圧倒的な物量で勝る与党に対抗すべく奇抜な戦略と手段を選ばない汚い手口を次々と繰り出し、ウンボムを勝利へと導いていく。チャンでの尽力で若くして野党の党首選挙までこぎ着けるウンボム。しかしウンボムはチャンデのやり口を心から嫌っていた。 今世界で最も尖ったポリティカルフィクションを描けるのは確実に韓国映画だと思っている。昨年観た『KCIA 南山の部長たち』(2020)は2021年視聴映画のトップだったし、これも評価が高いという事で是非観に行きたいと思っていたし、実際大満足の映画だった。 『KCIA 南山の部長たち』もそうだが、韓国映画のすごいところは、元ネタがはっきり分かる人物をそのまんま映画に出来てしまうところだ。それこそ朴正煕であれ金大中であれ、すぐに分かる人物が主人公になってる。彼らにとってマイナスの部分まで描くため、遺族とかどう思ってるんだろう?とか思ってしまうが、その考え自体が日本的なのかもしれない。逆に言えば、それを考えてしまうために日本では実際の人物を描くのは難しいのかもしれない。韓国の場合は大統領が替わると、前の大統領を否定することは問題ないことにされるようなので、そのお国柄も入ってるのかもしれない。自民党がずっと政権を握ってる日本ではますます駄目だ。これに関しては到底韓国映画に敵わん(あのえげつない原作をかなりマイルドにした『小説吉田学校』(1983)が日本ではギリギリか。あるいは『新聞記者』(2019)くらいぼかせばなんとかかんとかといったところだが、あそこまでぼかすと何が何だか分からないレベル)。 その上で言うと、本作の位置づけは『オール・ザ・キングスメン』(1949)に近い。この作品は、人のために政治を志したスタークという人物が、やがて選挙に勝つことそのものを目的としてしまうようになり、青雲の志を失ってしまうというものだが、ここではウンボムがスタークの立場になってる。ただし少し違うのはそれに「ファウスト」の要素を加え、悪魔の誘いで彼が選挙に強くなることを描こうとした。しかも主人公はメフィストの側である。チャンデはウンボムの志を知っているし、それを心から応援している。しかし同時に選挙に受からないことには彼の思いを叶えることは出来ない。その矛盾を超えるために自らが悪となってウンボムを光のステージへと立たせる。 はっきり言えば、これだけのシチュエーションを用意できただけでもう最高なのは確定。これを上手く料理出来れば本当に最高の作品になる。 そしてこれが又上手いこと。チャンデは心からの献身でウンボムのために働く。そこに我欲は全くない。ただひたすらウンボムのためだけ。しかし彼のやっていることは裏技も良いところで、はっきり法に触れる方法である。ただ一方では当時の韓国の世相では与党の方が平気で法を破るので、それに対抗してるだけであり、彼らに勝つためには彼ら以上にえげつない方法を使わねばならないし、彼らのやり方の穴を突いて選挙民を引き込まねば選挙には勝てないのだ。与党も野党も完璧に違法行為をしてるのだが、相手を超えることが重要になる。金ではなく知恵を使って勝利するやり方が実に面白い。当時の韓国だから許された行為が次々と。本当にやったとすれば、ある種の痛快さと後ろめたさが絶妙な感じで入り込んでくる。 観ていてとても心地良い時間が結構多く、観ている間は実に幸せな気分になっていた。 ただ、それはあくまでウンボムが頂点に上り詰めるまで。後は決裂しかなくなってから、話はきつくなっていく。そのきつさもほどよい塩加減で最後まで大満足で観ることが出来た(韓国の地域差の根深さは本で知っていたが、実際映像化されるとよく分かったという新しい視点も嬉しい)。 満足はしたが、観終わると色んな意味で後味が悪い。 それは前述したように日本ではこんなのが作られないという絶望感であったり、事実の金大中の後のことを思うと、20年以上の空白がこんなことで。と思うと、色々と複雑な気分になる(この空白の中の事件の一部が『KT』(2002)で描かれているので、こちらもお薦め)。 色んな意味で本当に面白い作品だった。 |
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