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ドゥニ・ヴィルヌーヴ
Denis Villeneuve

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鑑賞本数 合計点 平均点
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wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍

_(書籍)

_(書籍)
2017 ブレードランナー 2049 監督
2016 メッセージ 監督
2015 ボーダーライン 監督
2014
2013 複製された男 監督
プリズナーズ 監督
2012
2011
2010 灼熱の魂 監督・脚本
2009 静かなる叫び 監督
2008 華麗なる晩餐 監督
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000 渦 監督・脚本
1999
1998
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1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967 10'8 誕生

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ブレードランナー 2049
2017米アカデミー撮影賞、視覚効果賞、美術賞、音響賞
<A> <楽>
リドリー・スコット
ティム・ギャンブル
フランク・ギストラ
イェール・バディック
ヴァル・ヒル
ビル・カラッロ
リドリー・スコット
ティム・ギャンブル
フランク・ギストラ
イェール・バディック
ヴァル・ヒル
ビル・カラッロ(製)
ハンプトン・ファンチャー
マイケル・グリーン(脚)
ライアン・ゴズリング
ハリソン・フォード
アナ・デ・アルマス
マッケンジー・デイヴィス
シルヴィア・フークス
レニー・ジェームズ
カルラ・ユーリ
ロビン・ライト
ショーン・ヤング
デイヴ・バウティスタ
ジャレッド・レトー
ウッド・ハリス
デヴィッド・ダストマルチャン
ヒアム・アッバス
エドワード・ジェームズ・オルモス
バーカッド・アブディ
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 2049年。食糧問題を克服した人類は、汚染された地上で今も栄えていた。そんな中、過去反乱を起こした人造人間レプリカントを処分するために働く最新型レプリカントのK(ゴズリング)は、処置したレプリカントの家に埋められた死体のようなものを発見した。それを持ち帰ってラボで調査したところ、それは不可能なはずの妊娠出産を行ったレプリカントであったことを知る。社会不安を起こしかねないその事実の調査を上司ジョシ(ライト)から命じられたKだが、徐々に今まで観たこともない奇妙なビジョンに悩まされるようになっていく…
 いくつもの代表作を持つリドリー・スコットの排出したハイスピードSFにして、SF映画の最高峰の一本『ブレードランナー』(1982)
 低予算を逆手に取った鋭い演出で一世を風靡したこの作品。当然ながら何度も続編の声は出ていたし、何度かは企画まで通っていたはず。
 だがその度ごとに頓挫してしまう。
 それだけオリジナル版が偉大すぎたということだ。下手な続編を作ってしまったら酷評の嵐になる。製作側もそのリスクはなかなか犯せなかったのだろう。
 わたし自身も『ブレードランナー』はマイベストムービーの大切な一本なので、続編を作ってそれを汚されたくはないと思っていた。
 だが、まさかの制作完成。しかも監督はヴィルヌーヴ。ついこの前『メッセージ』観たばかりなのに。
 一体どんな世界を見せてくれるんだか。正直不安の方が大きいのだが、割と前評判は高いし、悪い評判も聞かない。
 ここまで手応えが無い作品も不思議な感じ。でもとにかく観てみないことにはなんとも言えない。

 最初の感想は
「淡々とした物語だな」という感じ。オリジナル版の、オープニングの派手さとごみごみした感じから一転。灰色の世界の中で、静かに静かに物語は進んでいく。主人公Kのやってること自体がゴミ掃除のような殺人行為で、その職務に高揚感もない。外ではレプリカントに対する差別にあい、家に帰っても合成食を食うだけの生活。唯一の心の拠り所はバーチャルパートナーのジョイの存在のみ。
 最初の20分くらいの展開を観るだけで、重さをひしひしと感じるような出来だった。オリジナル版よりも遥かにサイバーパンクっぽさが出ていて、ディックの原作
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の世界観にとても近い。良い感じである。
 そんなしょぼくれた任務の中で、Kは希望を見つけることになる。人造人間と人間の間に生まれた子どもを探しだし、闇に葬り去るという任務。その存在は人類にとってはマイナスであり、そしてK自身の任務としては抹殺対象となる。
 しかしアンドロイドとして差別を受け続けるK自身の立場としては、人類とアンドロイドの間の格差をなくす可能性をもったものとして、大きな希望でもあった。しかも調べれば調べるほど、そのハイブリッドの子どもとは自分自身ではないかという思いが強くなっていく。
 この辺りの展開になると、Kによる自分探しの旅となり、ラストまでの展開が思い浮かぶようになる。
 その辺で、「まあ無難な着地か」と思っていたら、又一波乱。Kのネクサス9は全員同じ記憶を持つため、その子どもの記憶はネクサス9全員が持つものという可能性が出てくる。そして捜査を推し進めた結果、Kの記憶はやはり後付けされたものだと分かる。
 ここで混乱。Kがその“運命の子”でなければ本作のストーリーは破綻するのではないか?誰かが嘘を言うか、何らかの間違いで、やはりKが“運命の子”に落ち着くのか?と思うようになり、ここからかなり真剣に観ていく。
 結果としてKがなしたことは、本物の“運命の子”を見つけ出し、その父親であるデッカードの命を救いつつ、親子の対面をさせるという目的へと転換されていく。
 そしてラストを観て、
「ああ、なるほど」と思わせる。
 結果として本作の構造はオリジナルである『ブレードランナー』を踏襲したものなのだ。かつてロイがデッカードにアンドロイドの未来を託したように、Kも又デッカードと“運命の子”を託して消えていく。アンドロイドとして人間を助けるという任務を果たして。

 そう言う意味で、物語として実にしっかり作られている。

 …いるのだが、なんか消化出来ないモヤモヤした思いが残る。
 なんでKが“運命の子”であってはいけないのか?とか、もう少しKのやるべき事が無かったのか?もっとすっきりさせられなかったのか?など。
 その辺実は友人と徹底して話し込んだのだ。結果的に色々“足りなかったもの”は挙げることが出来たのだが、最終的に
「こうするしかなかったのか?」というのが結論だった。

 たまたま本作は友人と共に観に行き、そのご数時間にわたって語り合ったが、未だに明確に「これがフィックス」と言えるほどの理解に至ってない気がする。
メッセージ 2016
2016米アカデミー音響賞、作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、美術賞、音響賞、編集賞
2016英アカデミー作品賞、主演女優賞(アダムス)、監督賞、脚色賞、作曲賞、撮影賞、編集賞、特殊視覚効果賞
<A> <楽>
スタン・ヴロドコウスキー
エリック・ハイセラー
ダン・コーエン
カレン・ランダー
トーリー・メッツガー
ミラン・ポペルカ(製)
エリック・ハイセラー(脚)
エイミー・アダムス
ジェレミー・レナー
フォレスト・ウィテカー
マイケル・スタールバーグ
マーク・オブライエン
ツィ・マー
フランク・スコーピオン
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
あなたの人生の物語(書籍)テッド・チャン
 ある時、世界中各地に謎の浮遊物体が突然出現した。その内側にいる生物が何かのメッセージを発していることが分かり、言語学者のルイーズ・バンクス(アダムス)と物理学者のイアン・ドネリー(レナー)が呼び集められ、空軍大佐のウェバー(ウィテカー)の指導の下、二人は“ヘプタポッド”と名付けられた生物とのコンタクトを図るのだが…
 テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」の映画化作品で、アカデミー賞作品賞にもノミネートされた。
 ジャンルとしてはこれは古くからあるファーストコンタクトものの作品とは言えるだろう。知性の高い知的生命体が宇宙からやってきて、人類に覚醒を促すというパターンは映画でも数多く作られている。多くはインベーダーによる地球侵略ものとなり、ほぼ毎年のように作られ続けているが、そういうのではなく、メッセージ性を高めた交流を描いたものもいくつか存在する。
 古くは『地球の静止する日』(1951)から『2001年宇宙の旅』(1968)『未知との遭遇』(1977)などが代表作となるだろう。本作もそれにつながる作品として記憶に留めておくべき作品だ。
 そう言う作品では、異星人は地球人にプレゼントを持ってくるが、そのプレゼントを受け取るために地球人が進歩しなければならないとするのが共通する特徴。かつてSFに夢が溢れていた時代には、人の知性が全てを解決すると見られていたので、彼らが持ってきたプレゼントは人類としての知性を高めるためのものとなっていた。
 本作も又、それらのSF作品に共通するものがあるが、2010年代に作られた本作は、夢に溢れると言うよりは、「早く理性を取り戻さないと地球は本当に危ない」という危機感に溢れたものになってる感じがする。だからこそ社会派作品として、数多くの賞をいただくことができたのだろう。

 本作を特徴付けるのはもう一つある。それは
次元という問題である。
 昔から四次元とは一体どんな世界なのだろう?という哲学じみた話がSFでは盛んに取り上げられていた
(映画では8次元を扱った『バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー』(1984)とかいう作品もあるが)
 “点”が一次元、“線”が二次元、“立体”が三次元とすれば、四次元とは一体何なのか。その一つの解釈として、“時を制する”という概念があった。時を制することによって、三次元的思考では到達できないところに行けるというものである。
 本作は、その“時を制する”という入り口に人類を運ぶのが異星人の役割であり、それに最初に気がついたのがルイーズであった。という話になっていく。物語冒頭から挿入される幻想は、あたかも過去に起こったことのように思わせながら、実は未来を見ていたと言うオチを作っているが、これこそが時を超えるための第一歩となっていくわけだ。

 それによって彼女の身に起こった変化が、やがて全人類の共通した力へと変えられていく。そこに希望を見いだすのが本作の特徴と言えようか。終わり方はあっさり目だが、人類に向かっての大きな希望を描いているのが好感度高い。

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