読書日誌
2014’10〜12月

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14'12'30 小説 仮面ライダーカブト (著)米村正二 <amazon>
 突如渋谷に落下した隕石。そこからワームと呼ばれる人外生物が日本中へと広がっていった。ワームと戦うためZECTによって開発された仮面ライダーシステムは、ZECTとは無関係の天道総司という男によって使用されることとなった。天道は渋谷隕石の前からワームが存在していたこと。そしてそのワームによってライダーシステムが作られたこと、更に彼らこそが本当に危険な存在であることを見抜いていた。そしてそんな天道に一種の憧れを抱きつつ、ZECTの一員として戦い続ける加々美新。二人の仮面ライダーの戦いの末は…
 TV版の完全小説化。一応これを読めばあの難解な物語の全容が掴めるようになっている。ただ、完全に破綻してるTV版の物語だけに、それを忠実になぞった時点で本書が良くなりようがない。この作品こそ新規まき直しで全く新しい物語にすべきだったんではないか?
14'12'27 新仮面ライダーSpirits9
村枝賢一 (検索) <amazon> <楽天>
 海底でさらわれた子どもを助けるべくショッカー怪人と戦う仮面ライダー1号とゼクロス。そして荒廃した東京でデルザー軍団と戦い続ける他のライダー達。彼らの行く末は?

 これまでの戦いで次々と悪の組織が消えていったが、残るショッカー怪人の群れと、全員幹部というデルザー軍団にとにかく手こずりまくり。その中で、1号の前には地獄大使が、ゼクロスの前には暗闇大使が現れて取引を持ちかけている。そこが特徴か。他のメンバーに押されて個性が出にくくなっているゼクロスが本来の物語へと導かれているのかもしれない。
14'12'21 三匹のおっさんふたたび
有川浩(検索) <amazon> <楽天>
 町内の正義の味方を結成したキヨ、シゲ、ノリの三人は、時に隠れ、時に表立って様々な町内で起こる事件に直面していく。その解決や、家の出来事なども含めて描く連作短編。
 一冊目ほどのパワーは感じられないものの、これはこれで充分に面白い。単に痛快なだけでなく、世相を反映したほろ苦さややるせなさといったものを含んでいるからだろう。でもそれをきちんと文章化できるのが著者の力量と言ったところか。
14'12'18 カオスノート (著)吾妻ひでお <amazon>
 著者の日常…のような不可思議な世界を描くナンセンスギャグ作品。
 著者の一番得意とする不条理劇で、あんまり力を入れず、ちょっと思いついたことを漫画にしたって感じ。でもこんなことを考えてると、だんだん本人の頭が心配になってきたりして。この人がアルコールに逃げたり、実際に逃亡したりしたのは、こんなことが頭の中で展開していたからなのかもね。
14'12'11 空飛ぶ二十面相 少年探偵25
江戸川乱歩(検索) <amazon> <楽天>
 「空飛ぶ二十面相」不思議な形をした彗星Rが地球に近づいていた。それに合わせて不思議な事件が起き始める。巨大なカニのような生物が目撃されるようになり、彼らは自分たちを“R”と呼んでいた。彼らの目的は、地球上にある美術品を自分たちの星に持ち帰ると言っていた。
 「天空の魔人」田舎の温泉に行った小林少年と井上、野呂の三人は、住民から不思議な話を聞いた。この村には巨大な鬼がおり、動物を空に持ち上げるというのだ。そんな中、走行中の列車の貨車が消えてしまうと言う事件が起こる。
 前半はいつもの通りというか、あまりにパターンすぎる物語だが、後半はきっちり推理小説している。むしろこの時期になると、短編の方が冴えてる感じがある。
14'12'09 銀の匙10 (著)荒川弘 <amazon>
 新年を迎えたエゾノーでは、豚肉ファンドを使ってベーコンやソーセージ作りにいそしんでいた。そんな中、学校を去った駒場の事を何かと気にかける八軒だが…
 三学期に入ったエゾノーだが、そこでまだ就職が決まってない大川先輩が妙に存在感を増している。何というか、後がない余裕の無さが身に沁みる。かつての自分自身がこんな感じだったからなあ。あと、八軒のアニキのロシア人嫁も登場。ソ連崩壊の時を知ってるって事は、それなりの年齢だと思うんだけど、言葉がかなり重かったり。
14'12'06 ALL YOU NEED IS KILL (著)桜坂洋 <amazon>
 突如異世界からの侵略を受け、ギタイと呼ばれる殺戮生物との戦いを強いられるようになった人類。一進一退の戦いが続く中、日本に上陸するギタイに対する迎撃部隊の一員キリヤ・ケイジは、奮戦虚しくギタイの一体と相打ちになってしまう。ところが死んだはずの自分が何故か生き返り、丸一日前に戻っていることに気づく。殺される度、復活するキリヤは、徐々に戦いのプロフェッショナルへと成長するのだが…
 映画が面白かったので、原作を読んでみようと思って購入。これはこれで面白い作品ではあるのだが、作品としてはやはり映像向きの物語で、映画版の方が面白かった気がするな。
14'11'30 災禍の鎧 アクセル・ワールド7
川原礫(検索) <amazon> <楽天>
 シルバー・クロウにかけられたクロム・ディザスターの呪いを解くために必要なアーダー・メイデン救出作戦を敢行するネガ・ネビュラスの面々。だがいくつかの偶然が重なり、ハルユキのシルバー・クロウと謡のアーダー・メイデンは皇居の中に入り込んでしまった。そこにはシルバー・クロウのレベルでは到底太刀打ちできない強さの敵の群れと、何故かそこに閉じ込められていたトリリード・テトラオキサイドというバーストリンカーと出会う。
 クロム・ディザスター誕生秘話と合わせ、様々な物語が動き出していることを予見するような話で、実際この巻の中でもタクムが暗黒の波動に捕らわれたり、それを救ったり、物語もいくつかの分岐に分かれて展開してる感じ。前回に続いて終わり方は思いっきり引き。
14'11'26 げんしけん16 二代目の七 (著)木尾士目 <amazon>
 アンジェラの横やりで斑目を好きな人間の中に入れられてしまった波戸は、気づきたくなかった自分の気持ちに否応なく直面させられてしまう。そしてそれをとりまく現視研の面々にも、複雑な感情が渦巻く。だが中心にいるはずの斑目は…
 それが良いか悪いかはともかくとして、複雑な感情を持つ波戸がやはりここでは中心となるわけだ。かなり突っ走った設定ではあるものの、実にまっすぐな恋愛劇へと展開中。
 肝心な斑目が優柔不断なままなのがなんとも。オタクって生物は、こう言うのに耐性が無いから、すさまじく痛々しい。
14'11'23 いのちのレッスン (著)新藤兼人 <amazon>
 日本最年長の映画監督となった著者が、自らの映画人生を振り返り、幼少期の思い出から最初の妻との結婚、最愛の妻乙羽信子との生活に至るまで、そしてその間に作り続けてきた映画の思い出などを綴るエッセイ集。
 いわゆる左翼的な作品を、挑戦的に撮り続けてきた著者だが、エッセイを読んでみると、別段社会に喧嘩を売ろうとして映画を撮ってきたわけではない。という、割とありふれた暴露話になってる。淡々と自分自身がなしてきたことを綴ってる感じがあるが、その中で、映画を作るモチベーションとは、どんな女性と出会ってきたか。という一点に絞られているのが独自の視点。何かを作り出すとは、実際に自分の中にある強い思いが重要であり、そしてそれはおそらく人であるという事実なんだろう。なるほど映画人に破天荒な人が多いのも、それも一つの理由なのかも知れないな。
14'11'21 二十面相の呪い 少年探偵24
江戸川乱歩(検索) <amazon> <楽天>
 「二十面相の呪い」エジプトの秘宝を次々に狙う二十面相は、恩田氏の持つ真珠の象を盗み出すと予告した。連絡を受けた明智探偵は小林少年を恩田家に派遣するのだが…
 「黄金の虎」魔法博士を名乗る人物から挑戦を受ける少年探偵団。金で出来た虎の置物をめぐり、丁々発止のやりとりをくりひろげる。
 今回は2つの物語で展開。「黄金の虎」は二十面相では無く魔法博士なる人物とのやりとりになるが、やってることはほとんど同じで、メリハリには欠ける。
14'11'18 強殖装甲ガイバー31 (著)高屋良樹 <amazon>
 哲郎とと瑞紀をさらったアポルオンを探す深町晶とアプトムは、ついにアポルオンの出現を察知する。だがアポルオンはギュオーを追っている真っ最中だった。宿敵ギュオーを捕らえるため、なし崩し的にアポルオンに協力することになってしまうが…
 理由は不明ながらギュオーを追うアポルオンと、それに協力してしまうガイバーが話のメインとなるが、その中でアポルオンの正体を晶はちょっとだけ推測してる。まあ、それは正しいのだろう。他にガイバーIIFに装着するヴァルキュリアの過去もちょっとだけ描かれている。たいした過去って訳じゃ無いけど。
14'11'15 植物図鑑
有川浩(検索) <amazon> <楽天>
 恋人と別れ、仕事ばかりで生活に潤いが失われていた会社員さやかは、ある春の日にアパートの前で行き倒れていた一人の青年を助ける。寂しさもあって、なんとなくその彼イツキを部屋に泊めてしまったさやか。それから二人の生活が始まった。野草について豊富な知識を持って、さやかを外に誘いつつ紳士的につきあうイツキに、やがて本気になってしまうさやかだが…
 とっても甘々なラブストーリー。正直、こう言うのは苦手とするところもあるのだが、文体のうまさでつい引き込まれてしまう。文章の巧さって点では確かに著者は一級品だ。
14'11'12 グリックの冒険 (著)斎藤惇夫 <amazon>
 ある家に飼われていたリスのグリックは、その生活には満足していたのだが、常にパワーをもてあましていた。そんな彼に伝書鳩のピッポーが遙か北に本当の故郷があると教えられる。そこで故郷への旅を決意したグリックは、旅の中でドブネズミのガンバや同じく北を目指す雌リスののんのんと知り合いながら、北へ向かって旅を続ける。
 著者のデビュー作である本作には「冒険者たち」の主人公ガンバも登場する。ただ、物語の完成度って意味ではこちらは高い。冒険とは、苦労の連続だってことがよく分かる。
14'11'07 KEYMAN5
わらいなく(検索) <amazon> <楽天>
 獣人型のキーマンによってアレックスは重傷を負い、サリーが連れ去られてしまった。監禁されたサリーが見たもの。それは量産されたキーマン達の群れと、その中心にいる男の姿だった。そこに、重傷を押してやってきたアレックスと、ネクロがやってくる…

 キーマンとは何なのか、そして獣人が何故生まれるようになったのか。全てはドクター・ネクロの仕業であり、ネクロはその歴史を背負うため、そしてそのネクロのやり残したキーマンの完成に向けてその息子が活動しているというのが流れ。色々と謎が明らかにはなってきたが、あくまでそれは設定部分。物語はまだ決着が付いてない。単なるSFというだけでなく、倫理に関する部分まで描こうとしているのが本作の面白いところだな。
14'11'06 電人M 少年探偵23
江戸川乱歩(検索) <amazon> <楽天>
 都内に突然現れたロボット。少々世間を騒がせた後姿を消すのだが、それは都内に作られたテーマパーク“月世界旅行”のサンドイッチマンだったことが分かった。突拍子も無い宣伝のために大賑わいのテーマパークだが、その背後では大きな陰謀が始まっていた…
 “世間を騒がす”という意味ではこれまでの作品もそうだが、二十面相がまずテーマパークを作るということで世間を騒がすというのが面白いところ。そして本作では、“究極の兵器とは何か?”という考察もなされているのが特徴。人を仮死状態にする爆弾って、確かに究極兵器と言えるかもしれない。
14'11'02 月光条例29
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 オオイミ王の元へとたどり着いた月光。だが退屈な日常から刺激を求めていたオオイミはそれを求めていた。圧倒的な力の前に、それでも戦い続ける月光だが…
 ラスボスであるオオイミ王との戦いがメインで、一番盛り上がるはずの話なのだが、なんかその最後の戦いがちょっと受け入れがたいものがあって、乗り切れなかった。著者の作品の、特に最後の戦いというだけにすごく期待していたんだけどなあ。
<A> <楽>
14'10'29 浄火の神子 アクセル・ワールド6
川原礫(検索) <amazon> <楽天>
 シルバー・クロウに寄生したクロム・ディザスターを巡り、ブレイン・バースト創設以来2回目となる七王会議が招集された。その決議により、一週間でクロム・ディザスターを浄化させられなければ、七王の総意としてシルバー・クロウを排除するという過酷なものだった。そんな中、リアルの中学校で飼育係にさせられてしまったハルユキは、同じ飼育係となった四埜宮謡という小学生と出会う。
 七王会議がメインとなり、重い話が展開する…かと思ってたけど、実際は新キャラ四埜宮謡とハルユキの交流がほとんどメイン。彼女の話から、かつて七王の一角であったネガ・ネビュラスが何故崩壊したのかについても言及があったり、加速研究会の新たな作戦が展開したりと読み応えは充分。最後は思いっきり引きになってたけど。
14'10'26 小説 仮面ライダー響鬼 (著)きだつよし <amazon>
 江戸初期。徳川幕府によって太平の世が訪れたが、そんな中、人ならぬ者と戦う鬼と呼ばれる武闘集団があった。そんな彼らの元を訪れる伊賀忍者のタツマキは、鬼の一族の一人鬼十が作り出した化身忍者と呼ばれる忍びが現れたと告げる。それを重く見た鬼の頭領イブキはヒビキとサキという二人の鬼に真相を探らせる事にした。
 TV本編に登場した鬼の鎧が、当時「変身忍者嵐」に似ているという指摘がされていたが、そこから着想を得たか、かつての鬼達とハヤテの共闘が描かれる。ここまでのシリーズの中で、最も完成度が高く、展開の意外さを含め、かなり楽しめる作品に仕上がった。
14'10'21 はじめの一歩108 (著)森川ジョージ <amazon>
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 格上のゴンザレスに対し、どんな手も通用しない一歩は、ついに伝家の宝刀デンプシー・ロールを繰り出す。だが、それに合わせたかのようにゴンザレスは豹変していった。

 逆転に次ぐ逆転なのだが、やっぱり興奮しない。なんというか、長引かせるためにやってるとしか思えないのが残念か。でもこの展開からしたら、一歩の負けもありえるのか?
<A> <楽>
14'10'15 風に立つライオン (著)さだまさし <amazon>
 約30年前。内戦の続くケニアに向かい、そこで消息を絶った青年医師の島田航一郎。彼が残したもの。そして彼が出会った少年兵士のミケランジェロ・コイチロ・ンドゥングが東日本大震災の被害に遭った岩手に来て、ボランティアとして活動するまでを、彼らを取り巻く人々の手記を元に描く。
 実在の人物では無く、あくまで想像上の人物が主人公ではあるが、著者の作った歌「風に立つライオン」をベースに、実際に起こった事を絡めて描いているのが特徴。実在の人物では無いというところがネックではあるのだが。
14'10'11 仮面の恐怖王 少年探偵22
江戸川乱歩(検索) <amazon> <楽天>
 都内で次々と怪事件が起こる。ある時は蝋人形館の鉄仮面が動き出し、ある時は黄金の仮面を着けた人物が夜な夜な都民を驚かせる。そんな怪人の噂を聞き、調査に乗り出した少年探偵団だが…
 今回は少年探偵団を中心に、二十面相を相手に次々に起こる怪事件に立ち向かうという掌編の寄せ集めのような話になっている。いろんなものを詰め込んだのは良いけど、話が短すぎて今ひとつ乗り切れない感じを受ける。ただ、最後の物語の結末だけはかなり意外だが。
14'10'05 修羅の門 第弐門10 (著)川原正敏 <amazon>
 兵とTSFによるドリーム・トーナメントで、ついに陸奥の出番となり、TSF王者ボルトと対戦する事となった。王者の攻撃を全て受け止めてみせる陸奥だが…
 本人曰く「壊れている」陸奥は、相手の攻撃を全て受け、その上で全力を出して攻撃するというパターン。それがこの物語の全て。ただ、それが楽しいのか?と言われると、ちょっと違うなあ。とにかくワンパターンだからかな?
14'10'02 冒険者たち ガンバと15ひきの仲間 (著)斎藤惇夫 <amazon>
 友人のマンプクから海を見に行こうと誘われたドブネズミのガンバリヤ。半ば嫌々であったものの、そこで知り合った船ネズミたちと楽しい時間を過ごす。そんな中、重傷を負ってやってきた島ネズミの忠太。彼の言葉によると、彼のいた夢見が島にイタチの群れがやってきて、島ネズミたちはほぼ全滅してしまったという。忠太の言葉に心打たれたガンバは、島ネズミの家族を救うために自ら名乗りを上げるのだが…
 アニメ「ガンバの冒険」の原作となる作品だが、後書き読んだら実はこれは二作目だったそうだ。そちらの方も読んでおかねばならんな。