読書日誌
2017’1〜3月

Home
Book

17'03'29 仮面ライダークウガ4 
井上敏樹 (検索) <amazon> <楽天>
横島一 (検索) <amazon> <楽天>
 一条の尽力で、未確認生命体第四号は人類に敵対する存在ではないと警視庁にも周知がされたが、その分その正体は何であるのかと詮索も厳しくなっていく。そんな中、ある高校で何者かによる連続殺人事件が起こる。調査を始める一条と、それをサポートする五代だが、五代の体には異変が起こり始めていた。
 基本的にメインの話は薄いが、クウガが緑色のペガサスフォームに変身する話。それ以上でもそれ以下でもない。ここまで丁寧にやられると、一体この連載どれだけ続けなきゃならんの?って気がする。
 一応オリジナル要素としてはアギトの話が出てくるが、今のところクウガ以上の力を持つ存在であると言うことだけ。
<楽天>
17'03'26 宿神3
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 僧になったものの、まだまだ悩みは尽きない西行。一方、平氏の家のごたごたも糧に着実に勢力を伸ばしていく北面の清盛。そんな中、鳥羽上皇の死によって、これまで押さえられていた崇徳院と後白河天皇の確執が表面化していく。その流れさえも自らの出世の足がかりとしようとする清盛と、それを観ていることしか出来ない西行。
 保元の乱が主軸となる為、どちらかというとこの巻のメインは清盛となるはずだが、それを眺める西行という立ち位置をブレさせてない為、一歩引いた形で歴史を見ていることになるが、それが上手い具合に機能している感じ。
<A> <楽>
17'03'21 双亡亭壊すべし 1
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 普通の人間には入る事は愚か見ることさえ出来ない巨大な建物が都内にあった。だがそこに入る事が出来る僅かな人間は皆その建物に“食われて”しまう。双亡亭と呼ばれるその建物に、知り合ったばかりの少年が取り込まれてしまったことを知った絵本作家の凧葉 務は、突然何者かに拉致され、双亡亭の事を聞かれる。ほとんど何も答えられない凧葉だったが、その前に双亡亭を破壊すると宣言した柘植紅という少女が現れる…
 著者の新シリーズだが、少年漫画にしては極めて不気味な雰囲気を持つ作品で、これまでの著者の作品と較べてもかなりホラー性が強くなってる。
 当初変なタイトルかと思ったんだが、なるほどちゃんとタイトル負けしてない内容だった。
<A> <楽>
17'03'18 荒木飛呂彦の漫画術
荒木飛呂彦 (検索) <amazon> <楽天>
 人気作品のままロングランを続ける「ジョジョの奇妙な冒険」。その著者がデビューからの自分を振り返りつつ、自分流のアイディアの作り方、描き方の工夫など、様々な角度から自分自身の漫画を分析してみせる作品。
 先に同じくジャンプの人気漫画家ゆでたまごの作品を読んでいたが、これは室そのものが全く違う。これは本物の指南書であると共に、著者の自信に溢れているのが好ましい。自身と岸辺露伴が抱き合ってるというイラストによって、本当にこのキャラに自己を投影してることを伺わせてくれる。
 この作品自体トリュフォーの「映画術」をベースにしてると言うだけあって、実際にかなり構成が近い(途中までしか読んでないけど)。
<楽天>
17'03'16 月刊少女野崎くん6
椿いづみ (検索) <amazon> <楽天>
 高校生漫画家野崎梅太郎の取材対象となるのは周囲の同じ高校のアシスタントたち。本人も色々挑戦を始め、ホラーゲームをやってみたり、バスケット部の女子マネージャーになってみたり。そんな野崎に振り回されつつも、一緒に楽しむ仲間たち。

 相変わらず楽しい作品で、結構繰り返し読めるのも強み。毎度笑ってしまう。最初からキャラは立っていたけど、サブキャラの配置がなかなか良く、こういう作品であるにもかかわらず、恋愛関係全くなしってのも特徴的。
<楽天>
17'03'09 白雪姫の微睡 アクセル・ワールド16
川原礫 (検索) <amazon> <楽天>
 シルバー・クロウ(ハルユキ)の前に現れたウルフラム・サーベラスはISSキットから放出された負の心意を受け、災禍の鎧マークIIへと進化した。更にこの世界から消えたはずのダスク・テイカーの能力を使いスカーレット・レイン(ニコ)の能力を次々と吸い取ってしまう。仮にニコを救えたとしても、能力は戻らないということを知ってしまったシルバー・クロウだが…

 盛り上がりと絶望が交互に来るような物語展開だったが、とりあえずはひとまずの決着を迎えた。最後に現れた加速研究会の首魁の意外な真相もあり。
<楽天>
17'03'05 うつヌケ
田中圭一(検索) <amazon> <楽天>
 過去10年にわたる鬱状態を経験した著者が、自分自身がどう鬱から抜けたのかを検証しつつ、インタビューによって、鬱のメカニズムと、どう抜け出すのかを考察した作品。
 漫画なので大変分かりやすく描かれているのだが、それがとても深いものを感じさせる。鬱というのは完全に治ると言う事はないということと、だからこそそのためにちゃんと理解しておく必要があると言うことは本当によく分かった。
 難しく描かれた鬱の本よりも、こちらの方がより理解が深まるかも知れない。
<楽天>
17'02'29 ズッコケ中年三人組
那須正幹 (検索) <amazon> <楽天>
 ミドリ市の小学校で大活躍したハチベエ、ハカセ、モーちゃんの三人組も、順調に年齢を重ね、今や全員40歳になっていた。それぞれの人生の中、再び故郷の町で住むようになった三人は、今も仲良く時に酒を酌み交わしつつ過ごしていた。そんな三人だが、揃って不思議な体験をする。その手口から、かつて日本中を震え上がらせ、ミドリ市での大立ち回りを演じた怪盗Xの仕業ではないかと推測するが…
 シリーズそのものはそうたくさん読んでいた訳じゃないけど、こどもの頃のたしなみとして何冊かは。そんなもんで懐かしんで手に取ってみたけど、三人が成長してほとんど私と同じような年齢になっていたかと思うと感慨深い。パターン的には昔懐かしい悪ガキ三人が中年三人になったといった風情。主人公たちが分別を持った大人になった分、自由さは少し減っているけど、楽しい作品に仕上がってる。
<楽天>
17'02'28 血界戦線3
内藤泰弘 (検索) <amazon> <楽天>
 力試しにヘルサレムズ・ロットにやってきた連中によってカツアゲされてしまうレオ。そんなレオを尻目に、いつもの騒がしい日常を送るライブラの面々を描く話と、ライブラの一員にして、危険すぎる為収監中のブローディ&ハマーが、自分をこんな姿にしてしまった魔術師アリギュラの出現によって呼び出される話。
 最初の話はインターミッション的で、仕事してない時のライブラの面々の日常とかが描かれていく訳だが、普段から日常で命のやりとりをしてるのもいれば、単にだらけてるだけの奴らとか、様々。結局力を持たないレオが一番割を食うのはいつも通り。後半の話は一つの体に二つの人格を持つメンバーの話となっているが、アメコミヒーローっぽさが良い感じ。なんだかんだでそろそろメンバー紹介も終わりくらいかな?
<A> <楽>
17'02'25 ビアンカ・オーバー・スタディ
筒井康隆 (検索) <amazon> <楽天>
 自分が美しい天才少女である事を充分に自覚している“わたし”ビアンカ北町は、いつもスリリングさを求め続けていた。今は生物研究部員として、生殖の研究を進めているのだが、ある日不意に動物では無く人間の生殖を実験室で行う事をひらめいた。いてもたってもいられなくなった“わたし”は自分の崇拝者である後輩の塩崎哲也から精子を手に入れる。これをどう使うか思案していく内…
 著者初のライトノベルという触れ込みで書かれた作品。考えてみると、日本のSF初期に、いわゆるジュブナイルを“発明”したのが著者とするなら、オリジンが子孫を真似てるという不思議な逆転現象になってる。
 それで著者が描いたラノベというのは、70年代全盛期の著者が「涼宮ハルヒ」を描いたらこうなるだろう。というものそのもので、想像豊かな人だったら吐き気を催すレベル。よくもこんなのを「ラノベです」と言って出せたもんだ。グロすぎるわ。
<A> <楽>
17'02'22 ワンパンマン9
ONE (検索) <amazon> <楽天>
村田雄介 (検索) <amazon> <楽天>
 ヒーロー協会に乗り込んできた人間ガロウ。その強さは本物で、次々とヒーローたちを粉砕していく。彼の目的とは?一方、サイタマの自宅をB級1位のフブキが訪れていた。

 二つの物語で展開中。一方のサイタマは相変わらずのゆる〜いコメディ路線。とりあえずサイタマと唯一肩を並べるタツマキの妹が登場したが、やってることはいつもどおり。
 ただ一方、ガロウの話はかなりシリアス。バランスが取れてるのか取れてないのか。
<楽天>
17'02'18 機龍警察
月村了衛 (検索) <amazon> <楽天>
 多用途歩行機械が普及している時代。警視庁は都市部へのテロ対策として新型機甲兵装「機龍兵」を擁する特捜部を創設した。だがそのパイロットとして民間のプロフェッショナルを抜擢したために機動隊からは激しい反発に遭っていた。そんな中、機甲兵装による地下鉄立て籠もり事件が生じ、警視庁特殊急襲部隊のサポートとして出動する事となる機龍隊だが…
 世界観の設定は「機動警察パトレイバー」とさほど変わらない立ち位置にある作品だが、非常にシリアスな設定のために、機龍隊の活躍よりもその危うい立ち位置というのが前面に出ており、政治的駆け引きが大きなウェイトを占める。その辺のリアリティを飲めれば実に楽しい。
<楽天>
17'02'17 宿神2
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 璋子と一夜の契りを結んだ義清だが、それ以来璋子は院に籠もり姿を消してしまった。彼女を求め懊悩を深める義清だが、そんな彼に帝の命で御所の屏風に歌を書くことになる。
 二巻にして早くも西行誕生となった。ただ、僧になったからと言ってもすぐに悟りを開くようなことも亡く、悩みは続いている。一方順調に出世を果たしていく清盛の姿の方が中心っぽい。
 平清盛こそが時代を作った人物で、保元の乱へと向かう時代に、清盛がなにをしていたかということ。その中で自分の事だけで悩む義清という対比が見所となる。
<A> <楽>
17'02'14 シドニアの騎士6
弐瓶勉 (検索) <amazon> <楽天>
 捕獲されていた星白型ガウナが岐神によって奪われてしまった。星白に思い入れが強い長道は激しく落ち込むものの、シドニアの面々との交流を通じてその傷は少しずつ癒えていく。だがそんな長道の思いとは別に、ガウナの攻撃はますます激しくなっていく。
 今回の戦いは、巨大な岩塊をシドニアにぶつけるという前回の続きと、ラストの巨大ガウナとの戦いの二つ。その間では長道とシドニアの面々との交流にページを割いてる。本作の魅力というのは戦いだけで無く、少々コミカルな交流シーンにもある為、これはこれで面白い。クローンである仄シリーズはよく区別が付かないけど、それぞれに個性があるのはよく分かった。
<A> <楽>
17'02'12 傾物語 化物語8
西尾維新(検索) <amazon> <楽天>
 高校三年生の夏休み最終日。阿良々木暦はこれまで自分が夏休みの宿題を全くしていなかったという事態に直面していた。思わず影にいる吸血鬼の忍に助けを求めたところ、忍はあっさりと過去へと行こうと言い出す。単に面白そうと言うだけの理由でその話に乗ってしまった暦だが、雑念が交じってしまった為、行った先はなんと11年前の5月11日。八九寺真宵が交通事故に遭って死ぬ一日前だった。これを天命と感じた暦は真宵の命を救おうと考えるが…
 今巻副題は「まよいキョンシー」で、八九寺真宵が中心となるはずなのだが、実はほとんど登場しない。ただ、彼女が幽霊であった為に今のこの世界が救われていたという事実が明らかになったと言う事。結果として、過去を変えてはいけない。それだけをずっと書き続けていた訳だな。
<A> <楽>
17'02'10 はじめの一歩116
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 会長と共に訓練した新型デンプシーロールは完成に近づきつつあった。だがその前に一歩はパンチドランカー症状に冒されていたことが分かってしまう。そのことに気づいた会長はしばらくの間の謹慎を命じるが…

 ゴンザレス戦に敗北したのはパンチドランカーのためだったというオチに持って行ったが、既に10巻以上前にそう言っておけば良かっただけで、ここまで引っ張る必要は無かった気がする。それで深刻になるかと思いきや、変なコメディ話を挿入したりで、なんだかバランスが取れてないとしか。
<A> <楽>
17'02'04 宿神1
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 平清盛と同じ年の生まれで、いつも一緒に行動していた北面の者佐藤義清。ある日二人は都で悪漢に絡まれる芸を売る兄妹を見かけ、二人を助けるのだが、その時義清はこの世ならぬものを呼び出す兄妹の力を見る。それから一年。義清は鳥羽上皇の中宮待賢門院璋子と出会い、激しい恋に落ちるのだが…
 著者が新しく主人公に立てたのは西行。これまで描いてきた空海の時代から約300年後。安倍晴明と同時代に生きた西行についてだった。清明とは性格も違うし、その魅力も異なる。
 この巻で描かれるのは空海になる前の義清の激しい恋物語となるが、もう一人遠藤盛遠という、同じ北面の者の恋物語が描かれている。この話、どこかで観た記憶が…と思って調べたら、この人、『地獄門』(1953)で長谷川一夫が演じていた主人公のことだったんだな。イメージが全く違うのでちょっと驚いた。
<A> <楽>
17'02'01 テラフォーマーズ19
貴家悠 (検索) <amazon> <楽天>
橘賢一 (検索) <amazon> <楽天>
 現在世界に増え続けているテラフォーマーたちは、何らかの意思によって動かされていることを突き止めた燈たち『一警護』は、日本国首相の密かな援助もあり、その本拠地を突き止めることが出来た。東シナ海に浮かぶ人工島へと突入を開始するのだが…
 折角地球に戻っての戦いなのだが、やってることは基本的に火星と同じ。なんのための地球編なんだか。
 能力の掛け合わせによって新しい能力を発動させるってのは面白くはあるが、これも前に燈の蓑虫とカマキリの掛け合わせってのがあって、その拡大版でしかない。結果的に、ずるずると続いてるだけ。
 それでも戦いの描写が面白い為に読み続けてしまう訳だが。
<A> <楽>
17'01'26 クリュセの魚
東浩紀 (検索) <amazon> <楽天>
 2445年。テラフォーミングが進み、多くの人類が住むようになった火星で11歳の“ぼく”葦船彰人は5つ上の少女大島麻理沙と出会った。同じ日本人というルーツを持つ二人は、合った瞬間から惹かれ合うようになり、出会いを続けていくのだが、5年後、突然彼女は消え、テロリストとして死んでいった。残されてしまった“ぼく”のために、彼女は一つのプレゼントを残して…
 著者が小説を書いていたという事実を実は全く知らなかったので、思わず手にとって読んでしまった。
 設定に関して言うなら、様々な小説や映画からのツギハギのような部分が目に付くけど、内容としてちゃんとSF小説になっていた。それだけで充分だろう。
<A> <楽>
17'01'22 田中圭一の「ペンと箸」: -漫画家の好物-
田中圭一(検索) <amazon> <楽天>
 一世を風靡した、あるいは今も現役で頑張り続けている漫画家たちの子息たちとインタビューを行い、父や母の好物を聞いて、共にそれを食するという企画をマンガ化したもの。
 元々ぐるなびの企画として、サイトに上げられたもので、既に一通り読んでいたものの、やはり紙の書籍になったものを読むのは格別ではある。あの漫画家は今どうしてるのか。なんてことが垣間見えて、内容的にもとても面白い。
 本人曰く「イタコ漫画家」だけあって、どれもそのタッチを見事に模倣しているのが特徴で、特徴を良く捉えているのも良い感じだ。
<A> <楽>
17'01'20 オタクはすでに死んでいる
岡田斗司夫 (検索) <amazon> <楽天>
 かつてオタクの王様「オタキング」を称した著者だが、今のいわゆるオタクを名乗る子ども達のことが分からなくなってしまった。その断絶は何故起こったのか。そして旧来のオタクと現代のオタクの違いについて著者なりに考察した結論。
 なかなか衝撃的なタイトルではあるが、実質的に書かれている内容は「オタクは変質してしまったので、それを理解出来ない私はオタキングから卒業します」。頭がいい人だから、説得力持たせようと色々理論武装して、多少は共感できるところもあるが、概ねは「だから何?」というところ。
<A> <楽>
17'01'18 ミスター・メルセデス 下
スティーヴン・キング (検索) <amazon> <楽天>
 ミスター・メルセデスと呼ばれた大量殺人犯ブレイディ・ハーツフィールドはビル・ホッジスを自殺に追い込む為様々な罠を仕掛けるのだが、ことごとくもくろみは外れ、最後に誤って自分の母親まで殺してしまう羽目に陥る。自分を含めて全てを終わらせるため、街で行われるコンサート会場で自爆テロを敢行しようとするブレイディ。一方、独自にミスター・メルセデスを追うホッジスは、友人たちの力を借り、その目的を追跡する。

 完結編となる後編だが、読みやすい上に展開が見事で、ほぼ一気読みで読み切ってしまった。これが初めての推理小説とは思えないほどの完成度だ。
<A> <楽>
17'01'13 血界戦線2
内藤泰弘 (検索) <amazon> <楽天>
 ヘルサレムズ・ロットで蔓延する魔界産麻薬の出所を突き止める為、ライブラ所長クラウスは魔界の顔役ドン・アルルエル・エルカ・フルグルシュの協力を取り付ける為、彼の趣味とするプロスフェアーというゲーム勝負に挑む。
 今回の物語は二つ。ライブラ所長のクラウスの活躍(というかチェス勝負)が描かれる前半と、レオが偶然魔界の深淵をのぞき込んでしまった為に起こった事件の顛末となる。
 設定的に明らかになったのは、魔界の中心に位置するのは不死のヴァンパイアであることだが、まだまだ深淵の縁に立った程度。
 そしてライブラの構成員も少しずつ紹介され始めている。今回は数々の呪いを身に受けながら、持ち前の運の良さで自身の危機を回避するが、その分周囲の人間に多大な迷惑を引き起こすブリッツ・T・エイブラムスが登場。
<A> <楽>
17'01'12 ミスター・メルセデス 上
スティーヴン・キング (検索) <amazon> <楽天>
 刑事として長年街を守り続け、無事退職を迎えたビル・ホッジス。することが無くなってしまい、生きる気力も徐々に失われてしまう日々の中、彼の家に一通の手紙が投函された。それはホッジスが現役時代に起こった、8人の人間が同時に轢き殺した事件の犯人によるものだった。迷宮入りとなったこの事件を独自に捜査することを決めたホッジス。一方その犯人ブレイディ・ハーツフィールドは、ホッジスを打ちのめして自殺を促そうとしたのが当てが外れてしまう。そこで本当にホッジスを殺す計画を立て始めていた。

 著者の初となる本格推理小説。正直なことを言わせてもらうと、著者のファンタジックな作品はもうあんまり読む気がしなくなってた所だが、これは本当に面白かった。まだまだこんな引き出しがあったことに驚かされる一方、これまで書かれてきた作品にも、確かにこう言った推理に関わる物語も多かったから、慣れってのもあったんだろうな。
<A> <楽>
17'01'10 ワンパンマン8
ONE (検索) <amazon> <楽天>
村田雄介 (検索) <amazon> <楽天>
 地球の危機はひとまず回避された。その後の平和な生活へと戻るが、S級ヒーローの中でも最強の誉れ高いキングに謎の組織から暗殺命令が下る。そんな時、ほんの偶然から、キングの秘密を知ってしまったサイタマ。
 前回の地球最大の戦いから一転。ヒーローの日常生活のような話になっている。新展開にしては随分ぐだってるようでもあるのだが、実は最もオリジナリティの高い話で、本作でしか描けない設定なので、完成度が非常に高い話でもある。
 結果として、最強のヒーローは、充実感を持てないというジレンマを追求した話とも言える。
<A> <楽>
17'01'08 武神伝説編 新・餓狼伝 巻ノ三
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 かつて松尾象山が磯村露風の紹介で出会った青年京野京介。驚異的なバランス能力を持つ京介は露風の指導を受け、世界最強の格闘家となるべく世に送り出された。最初に行われたボクシングの試合に招待された象山と丹波文七だが、その試合を見守る内にふつふつと血が滾ってしまった文七は…
 二巻を読んでからもう随分時間が経ってしまったが、本来的なストーリーからちょっとずれてないか?
 まとめてみると、本来この作品は丹波文七を中心に北辰館と東洋プロレスの絡みがあって、そこに須玖根流が絡んできたかというところだったはずだが、そこに新しく京野京介なる格闘家が現れ…本当にこれちゃんと収束するのか?真面目に心配になってきたぞ。
<A> <楽>
17'01'06 はじめの一歩115
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 青木と木村の試合が始まった。目標を持ち、そのために邁進する青木と、ただ青木につきあうだけで戦うという木村の間に、少しずつ差が生じ始めていた。一方、ゴンザレス戦での敗北から試合を封じられた一歩は歯がみしつつ、二人の戦いを見守るしか無かったが…

 具体的なストーリー進展はほとんどなし。一応青木のこれからについての話になるのかも知れないけど、全員何もせずに停滞してるだけ。ギャグが笑える訳でもないし、なんか本当に停滞してるだけって感じだ。
 しかしここまでくると、本当にこれ復調できるのやら?20年以上も続く作品だけに、著者にちゃんとラストが見えてるかどうか。
<A> <楽>
17'01'04 天地無用!GXP13
梶島正樹 (検索) <amazon> <楽天>
 何者かによって連れ去られてしまった福を後先考えずに単独で追ってしまった西南は見事に宿敵タラントの罠にはまってしまい、その本拠地である未開の惑星へと共生不時着させられてしまう。それでも追跡を振り切り、福を探しに向かったところ、偶然現住のワウ族を海賊から救うことに。そこで突然救世主扱いを受けてしまうのだが…

 いよいよクライマックス近く。後書きを読む限り、これはあくまで第一部の終わりに過ぎないらしいが、テレビ版のクライマックスに直結はしている。ただテレビ版と較べてみても明らかに「DUEL!」成分が高い。テレビに出てきた何体もの福の複製体がそれぞれ「Duel!」の登場人物に対応するなど、妙な癒着を感じさせる。
<A> <楽>