読書日誌
2019’10~12月

Home
Book

19'12'30 はじめの一歩125
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 ライト級東洋チャンピオンとなった間柴に挑むのは日本チャンピオンの伊賀だった。伊賀を日本チャンプに育て上げたトレーナーの栗田は自信満々で試合に挑み、それを迎え撃つ形となった間柴。ラフプレイすれすれの行為に対して間柴が取った戦術とは。

 基本もうだらだらと続けるしかない作品だったが、この話は結構締まりがあった。最初に一歩と戦ったときのチンピラ然としていた間柴がボクサーとしてここまで成長したかのか、という感じで、昔から読んでいればこそ楽しめる話になってる。
<A> <楽>
19'12'26 インズマスの彫像
H・P・ラヴクラフト (検索) <amazon> <楽天>
オーガスト・ダーレス (検索) <amazon> <楽天>
 著名な彫刻家ジェフリー・コレイは故郷のインズマスの近郊に家を借り、そこで創作活動を続けていたのだが、その作風に変化が生じてきて、ある日突然失踪してしまう。その家を訪ねた“私”は一冊の日記を見つけるのだが…

 「インスマスの影」姉妹編とも言える内容で、自分が何者なのかを悟ってしまった人物の行動を描く作品。これも典型的なパターン。
<A> <楽>
19'12'23 双亡亭壊すべし 9
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 双亡亭の侵略者を受け入れてしまった緑朗は正気を失いながら、それでもその侵略者を自らの肉体もろとも滅ぼそうと機会を狙っていた。一方大正時代の兵士達に襲われた凧葉はその凶刃に倒れされてしまう。

 最初からの主人公二人、凧葉と緑朗が別な場所で同時に死にかける。勿論話の都合上二人とも助けられることになるが、二人が倒れても話が展開するので、だいぶ人が増えたことを感じさせる。
<A> <楽>
19'12'22 黒の詩人
ロバート・E・ハワード (検索) <amazon> <楽天>
オーガスト・ダーレス (検索) <amazon> <楽天>
 怪奇に満ちた詩を書く詩人ジャスティン・ジェフリーに興味を持ったジェームズ・コンラッドは、そのイメージが一軒の家から始まったことを突き止めた。友人と共にその家を調査してみることにしたジェームズがそこで体験したこととは。

 人間が触れてはいけないものに踏み込んでしまった結果の話で、これこそ神話大系の骨子とも言える話。実力ある人が描くと迫力がある。怪奇ものとしてはかなり良い感じの作品に仕上がってる。
<A> <楽>
19'12'19 ファイブスター物語15
永野護 (検索) <amazon> <楽天>
 AKDに雇われてパルセット(パルスエット)を娶ったヨーン・バインツェルは魔導大戦でスパイ活動を強いられていた。だが別段隠すつもりもないために色々と周囲に迷惑をかけていた。そんな彼と合流したジークボゥだが、二人まとめて窮地に陥ってしまう。一方、膠着状態に陥った魔導大戦の中で、ファティマを使わずにGTMを駆動させる実験を行っていたコーネラ帝国はシステム・カリギュラと組んで大々的なデモンストレーションを行おうとしていた。

 本来トラフィック編に入ったはずのヨーン・バインツェル編がここで展開中だが、ヨーンよりもジークの方が目立ってる。一方ではこれまで何度も言われていた三大モーターヘッドがGTMとなってそろい踏み。名前と格好では全く分からないのが味噌だな。対比表が必要。
 あと、ソフト化もされてない花の詩女 ゴティックメード(2012)ネタを色々ぶっこんでるのもなんだか。
<A> <楽>
19'12'15 シャッガイ
リンウッド・カーター (検索) <amazon> <楽天>
 ハイパーボリア時代の魔術師エイボンは、この宇宙の真理の探究の末に行き詰まってしまった。最後の手段として危険な星シャッガイに意識だけを飛ばして探索する。だがそこでエイボンは想像を絶するものを目の当たりにする。

 「エイボンの書」の著者が味わった恐怖体験で、探求の果てに見たものはくたびれ損だったというオチがついた話。事情が分からない人が偶然入り込んだのではなく、意識して危険に飛び込んだというのが他の作品との違い。
<A> <楽>
19'12'12 墓場鬼太郎6
水木しげる (検索) <amazon> <楽天>
 「怪奇オリンピック」怪奇漫画家水木は鬼太郎から地獄オリンピックのチケットを手に入れる。だがそのチケットを使うためには死ななければならないという事実をつきつけられる。
 「ないしょの話」ねずみ男が持ってきた地図から、ニューギニアに新種の動物がいることがわかった。大学生山田はその探検隊に加わるが、そこで彼が味わったのはあまりに恐ろしい出来事だった。

 墓場鬼太郎シリーズの最終巻。今回収録した二つの話はどちらも鬼太郎があまり関わっていない。むしろトリックスターとしてのねずみ男の方が活躍してる。どちらの話もそれぞれ分解されて他の物語に使われているのも特徴だな。「ないしょの話」は後に「大海獣」として、映画にもなった話。
<A> <楽>
19'12'10 墳墓の主
リンウッド・カーター (検索) <amazon> <楽天>
 中央アジアに遺跡調査に向かった後、行方不明となったブレイン博士。生き残った探検隊メンバーの一人が持ち帰った手記に書かれていたのは世にも恐ろしい遺跡の存在だった。

 探検の末に発見したのは邪神だったというオチの話。結構多いパターンの話だが、この話はオチが分かりづらく、終わり方もモヤモヤしたものを残す。どっちかというと悪夢作品っぽさがあった。
<A> <楽>
19'12'07
レイ・ジョーンズ (検索) <amazon> <楽天>
 大学に通う“ぼく”が借りた農家の一軒家にはおかしな祭壇がしつらえられており、その中心には井戸があった。試しにその井戸からくんだ水を飲んでみたが、その夜から悪夢を見るようになってしまう。

 精神のみ異世界に飛んで宇宙の中心を観るという話。神話大系では有名な創造神にして知恵を持たぬ邪神アザトースの姿が垣間見られる話となっている。
<A> <楽>
19'11'30 仮面ライダークウガ10
井上敏樹 (検索) <amazon> <楽天>
横島一 (検索) <amazon> <楽天>
 恋人と思っていた本田絵美が駿河の依頼で接触したという事を知らされた津上翔一は再び絶望の淵に落とされてしまうが、そんな翔一の前に翔一同様アギトとなった者たちが現れ、仲間に入るよう誘いをかける。一方、メ・ガリマ・バと出会う事でグロンギの中に本当に人間のような存在がいることを知った五代はグロンギと人類の共存について方法がないかと考えていく。

 グロンギとアギト集団を間に挟んでの五代雄介のクウガと津上翔一のアギトのすれ違いがメイン。「仮面ライダー555」を思わせる著者らしいすれ違い描写となっている。
 グロンギの一部が何故アギトを生み出したのかがはっきりした。このままゲゲルが続くのを放置していると、どう転んでもグロンギは全滅してしまう。それを防ぐにはゲゲルを遂行するグロンギを力でねじ伏せてゲゲル自体を無効化すること。そのために多数のアギトを作ってゲゲルの邪魔をすることが目的らしい。なるほど理解出来た。
<A> <楽>
19'11'29 闇に潜む顎
ロバート・E・ハワード (検索) <amazon> <楽天>
 近所に引っ越してきたスタークという男と友だちとなった“わたし”。博識なスタークの魅力に捕らわれてしまうのだが、何故か近所の動物たちが次々と消えていく。更にスターク家の屋根裏から妙な音が聞こえるようになっていく。

 ストーリーはとても単純だが、その分ビジュアル的な話で、このままB級映画の脚本になりそうな話。
<A> <楽>
19'11'26 妖蛆の館
ゲイリー・マイヤーズ (検索) <amazon> <楽天>
 この世ならぬ何処かの時空。ある老人が夜な夜な催す祝宴。毎晩多くの人々が加わるが、その一部はどこかに姿を消してしまう。その事に気づいた“わたし”はそれに疑問を覚えて館に乗り込むのだが…

 おそらくはハイパーボリア時代の話で、老人というのはエイボンという名前なのだろう。この地は宇宙の深淵とつながっており、そのために不安定な土地となっている。やがて地上から消えていくその土地の崩壊が始まった時の話だと思われる。
<A> <楽>
19'11'22 シドニアの騎士14
弐瓶勉 (検索) <amazon> <楽天>
 いくつもの人間に融合していた落合の意思は、館長の小林を撃ち、融合個体“かなた”の残された肉体を乗っ取った上でシドニアに対し宣戦布告して去って行った。危機感を覚えた残されたシドニア上層部はレム星系への移民を急ぐことにしたが、二手に分かれてレム星系へ向かった移民船はそれぞれ奇居子に襲われてしまう。

 これまで何匹もの腺虫の中で時期を待っていた落合が満を持して登場。奇居子だけでなく、落合という最強の個体も敵となった。一方、レム聖域への移民計画は続いているが、長道がシドニア防衛に残った場合、長道なしの艦隊は襲われて全滅するのがパターン。今回はつむぎが同行した艦隊が全滅してしまった。
<A> <楽>
19'11'18 ク・リトル・リトルの恐怖
ドナルド・アレン・ウェルハイム (検索) <amazon> <楽天>
 “私”は引っ越してきた不思議な隣人エリファス・スノードグラスという男と知り合う。聡明な彼との会話を楽しんでいるうち、自分がミスカトニック大学の司書をしてることを漏らしてしまう。その話題に異常に食い込むエリファスの態度に不審を覚えるようになるのだが…

 混沌に足を踏み入れてしまった人間の末路を描く話。敢えて説明を省いて思わせぶりなところで終わらせるのは良かったけど、ラヴクラフトを真似ようとするあまり意気込みが強すぎて少々鬱陶しくも感じてしまう。
<A> <楽>
19'11'16 大いなる帰還
ブライアン・ラムレイ (検索) <amazon> <楽天>
 突如失踪したイギリス人ロバート・クルーク。失踪後に発見された手記から、ロバートの足跡を辿ることになるが…

 手記を書いた主人公が実は闇の眷属だったというパターンの話で、神話大系では最も有名な「インスマスの影」の翻案と言った具合。
 この世界で異物であるという自覚のある人物が、自分の真の姿を受け入れるというのは、ある種憧れににも似たものがある。
<A> <楽>
19'11'13 血界戦線 Back 2 Back 4
内藤泰弘 (検索) <amazon> <楽天>
 人体を破壊する麻薬を追うライブラ。組織の潜入捜査で酒場に入り浸るザップとツェッド。なかなか情報をつかめないまま、バーに通い詰め、いつの間にかその主のようになってしまう二人。

 今巻はオムニバスの短編のみで構成される。前作であっけなく殺されてしまった次元怪盗ヴェネーノがどうなったのか。いつも通りクズそのもののザップの話。そしてツェッドの意外な一面を垣間見せる一本。
 ヘルサレムズロットという雑多な街を描くには、一貫した長い話よりもこういった短編の連続の方がはまる。相変わらず描写がごちゃごちゃしてるけど楽しい。
<A> <楽>
19'11'09 深海の罠
ブライアン・ラムレイ (検索) <amazon> <楽天>
 とある島に駐留中の軍隊にいた貝マニアのジョブリングはそこで新種の貝を発見して、その改に夢中になっていく。だがその日から徐々に衰弱していき、ついに亡くなってしまう。上司のハリーはジョブリングの衰弱は新種の貝にあるのではないかと思い、残されたノートに従ってその海域に潜ってみるが…

 最後の貝の様子からすると転移ものだろうか?少々難解な物語。
<A> <楽>
19'11'07 オーバーロード8 二人の指導者
丸山くがね (検索) <amazon> <楽天>
 かつてアインズによって救われたカルネ村では、最初にアインズと遭った少女エンリが家族のために奮闘して働いていた。そしてそんな彼女を助けるのは、アインズのもう一つの姿モモンによって救われた錬金術師の少年ンフィーリアと、エンリが村を救うために呼び出した19体のゴブリンたち。だがそんなカルネ村にも又しても不穏な空気がながれこんでいた。

 閑話休題と言った感じで、カルネ村の生活と、村に迫る危機が一応のまとまった話。あとはナザリック大墳墓での一日を描くだけ。作品としては結構いい加減というか、投げやりな感じなのだが、それでも面白いのでついつい読み込んでしまう。不思議な作品だ。
<A> <楽>
19'11'05 銀河鉄道999 5
松本零士 (検索) <amazon> <楽天>
 銀河を離れ、未知の惑星に立ち寄りつつ、時に人類以外の生物や幽霊にまで出会いながら旅を続ける鉄郎とメーテルの旅。

 これまで以上に叙情性が高い話になっていて、時に肉体をほしがっている幽霊に自らの身を任せようとするなど、鉄郎もだいぶ大人になってきた感じ。テレビアニメだと30分番組に収める必要があるから余計な描写も増えるが、漫画版はストレート。
 この話の中では「ミー君の命の館」がなんとも沁みる。ペットを飼ってる身としては、家族に先立たれることの辛さが身にしみる。
<A> <楽>
19'11'02 ボクは、声優
野沢雅子 (検索) <amazon> <楽天>
 役者としてデビューし、その後声優として日本のアニメーションの黎明期から半世紀以上も中心となって活躍している著者が語る、自らの声優としての経歴と、その間のアニメーション業界の変化。

 大上段ではなくあくまで個人史としてのアニメーションの歴史を語る話で、メインは苦労話と番組番組で出会った仲間達の話だが、それはとりもなおさずアニメーションの歴史そのものでもある。こう言うのが実は読んでいて楽しいのは確かだし、こう言うのをいくつも読んでいくうちに俯瞰としてアニメーションが見えてくることもある。
<A> <楽>
19'10'30 新仮面ライダーSpirits16
村枝賢一 (検索) <amazon> <楽天>
 命を賭け虚無空間に飛び込んだライダーマン結城丈二。大首領は丈二を殺さずに現実空間に返すが、それと同時に自らの精神を封じたキューブを託していた。それを核としてついに現実世界に肉体を構成するが、その姿は…

 大首領がついに現実世界へと姿を現したことでいよいよクライマックスに近くなってきた感じ。だけど、話を引っ張りすぎた感もあって、ようやくというか、今更感もある。
<A> <楽>
19'10'27 日本のいちばん長い日
半藤一利 (検索) <amazon> <楽天>
 1945年8月。日本は御前会議にてついにポツダム宣言を受諾し、無条件降伏を選択する。だがそれは、必勝を信じて疑わない郡部の激しい反発を受ける。特に陸軍大臣阿南惟幾の苦悩激しく、なんとか間を取り持とうと最後まで努力を重ねるが…

 先日劇場で映画を観る機会に恵まれ、改めて映画の素晴らしさを実感したものだが、その勢いを借りて積ん読状態だった本作を手に取ってみた。結構時間かかってしまったけど、本作を読むことで映画版の補完が出来た。映画では書けなかった部分、あるいは演出のために派手にした部分など、様々考えを新たに出来た。
 しかしこれを読んでようやく分かった事が一つ。軍の考えを本当に遂行したら日本は負けなかった。しかしそれは日本の人口を半分以下にして、国民の命をいわば人質にする方法で。それを本気で考えていたと、なんか納得できた。
<A> <楽>
19'10'23 俺物語!!1
河原和音 (検索) <amazon> <楽天>
アルコ (検索) <amazon> <楽天>
 巨漢とごつい顔、不器用な性格が相まってこれまで一度も女の子と付き合ったことのない剛田猛男は、親友の砂川誠と一緒に電車に乗っていたとき、遅緩を受けていた女の子を助ける。そして翌日、なんとその女の子大和凛子はお礼を言いに猛男の家を訪ねてきた。そんな姿を見た猛男は猛烈に凛子のことが好きになるが、てっきり他の女の子と同じく彼女は砂川の方が好きだと思い込んでしまい…

 不器用純情男が主人公という、今時大変珍しい恋愛ものの作品だが、読んでみて無茶苦茶しっくりきた。同じく不器用だが、時々思い切ったことをする彼女ととクールながらしっかりした親友に支えられてる安心感もあって、かなり読んでて楽しい。
 もう連載は終了してるようだが、逆に安心して読み進められるな。
<A> <楽>
19'10'22 Re:ゼロから始める異世界生活11
長月達平 (検索) <amazon> <楽天>
 ロズワール邸で旧知の殺人鬼エルザに殺され死に戻りしたナツキ・スバルは、試練の間に戻される。試練に失敗したエミリアを連れて外に出るのだが、そこで聖域の連中の反応が前とは違っていることに気づかされる。

 再び死に戻りによるループの始まり。これが四回目になるので、ちょっと飽きが来た感じがある。前と異なるのは、ナツキの事情を分かっているキャラが存在すると言うこと。
 スバルを死に戻りさせたのは、現在唯一生き残っている嫉妬の魔女だが、嫉妬の魔女に殺された他の六人の魔女の思念が入れ替わり立ち替わりスバルの前に現れる。全員幼女なのは著者の趣味か?
<A> <楽>
19'10'19 僕のヒーローアカデミア2
堀越耕平 (検索) <amazon> <楽天>
 雄英高校に入学した緑谷出久は、早速多くの試練に直面する。それでもこれを超えることでヒーローになれると信じて授業を受ける出久はその中で理解者も得られていく。そんな中、救助訓練の授業中、事件が起こる。

 緑屋出久と爆豪勝己のライバル関係を主軸に、クラスメイトの個性を少しずつ見せていく。思った以上にテンポが良く、その中での説明が結構上手。かゆいところに手が届く作りで、改めて上手い作品だと思う。
<A> <楽>
19'10'16 蠅男
海野十三 (検索) <amazon> <楽天>
 大阪に旅行に来た名探偵帆村荘六は、翌朝町中が火葬場の臭いに満たされていることを知る。その謎を解き明かしてみようと臭いの元凶を探ったところ、一軒の洋館にたどり着く。呼んでも誰も出てこない館に、警察の助けを借りて入ってみるのだが、そこで彼らは何者かに襲われてしまう。

 著者の創造した名探偵帆村荘六の活躍を描く話だが、とんでもなく型破りな探偵小説だった。主人公の帆村からして倫理観ぶっ飛んでて行動が読めないが、犯人の蠅男の設定がSF過ぎて驚かされる。
 なんか京極夏彦が大好きそうな話だった。
<A> <楽>
19'10'13 デキる猫は今日も憂鬱2
山田ヒツジ (検索) <amazon> <楽天>
 仕事はバリバリこなすものの、日常生活能力が壊滅的に無い飼い主の福澤幸来と、人間大まで成長し、幸来の世話すべてを引き受ける黒猫の諭吉。一人と一匹のゆるやかな日常を描く第2巻。部長の姪である優芽の誕生日会に招かれた二人。諭吉は着ぐるみという事にしてお宅を訪れるのだが…

 読んでいてなんかとても癒される気にさせられるので、すっかりお気に入り。1巻と2巻共にリビングに常備して、パラパラめくるのが日課みたいになってる。こんな猫欲しい。
<A> <楽>
19'10'11 呪いの銀簪 銭形平次捕物控4
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 銀の簪を目に突き立てる連続殺人事件が起きていた。平次はこれが過去平次と因縁のあった銀流しのお六の仕業と推測し、首尾良くお六を捕まえたのだが、彼女は犯人ではなかった。

 推理ものとして考えるならば絶対犯人はわからないが、最初から推理ものとして作られた話じゃないのでそれでいいんだろう。
<A> <楽>
19'10'07 くさったよめがあらわれた!
洋介犬 (検索) <amazon> <楽天>
 腐女子と結婚した著者と、常に妄想全開で会話する嫁との間の日常を描いた嫁観察日記。というより、腐女子の頭の中をチラ見する作品。

 Twitterで毎日のようにマンガを上げ、多くのフォロワーを持つ著者だが、一巻通して読んだのは初めて。しかも著者のメインであるホラーコミックでなく、コミカルな日常作品を最初に読むことになったのが面白い。
 パターンとしては「となりの801ちゃん」タイプというか、「気分は形而上」っぽさがある嫁観察日記だが、単に観察すると言うより、嫁さんの妄想に付き合ってる著者の精神を楽しんで読む作品だろう。
<A> <楽>
19'10'04 キノの旅16
時雨沢恵一 (検索) <amazon> <楽天>
 キノとシズ、師匠に加えフォトの物語。「死人達の国」(キノ)、「育てる国」(シズ)、「飲酒運転の国」(師匠)、「見えない真実」(フォト)、「残された者」(フォト)の短編に何編かの掌編を収録する。

 昔の作品と較べると全体的に視線が柔らかくなってる印象があるが、フォトの存在が一つの転機になったのかもしれない。それが良かったのか悪かったのかは判断付かないが、作品自体は安定してる。
<A> <楽>
19'10'02 JJM 女子柔道部物語2
小林まこと (検索) <amazon> <楽天>
 相手がたった一人しかいなかったとは言え、旭川の柔道大会で勝利を収めた神楽えもは気を良くし、すっかり柔道をやる気になった。自慢の髪も切り、厳しい練習にも耐えるが、どこかちぐはぐさも感じられてきていた。

 「1、2、の三四郎」あたりにつながる昔のスポ根漫画のような展開になってきてるが、その辺はさすがに現代に描かれたものらしく、単純な練習だけで終わらない。いろんな可能性を模索してる感じもあって、やっぱり楽しい。相変わらずあっという間に読み終えてしまうので一巻まるごと読んでも読み足りないのだが。
<A> <楽>
19'10'01 ぼぎわんが、来る
澤村伊智 (検索) <amazon> <楽天>
 幸せな結婚生活を送り、愛娘も手に入れた田原秀樹。イクメンとして幸せに暮らしていることを日々発信している秀樹だが、彼には一つ心配事があった。自分の家系田原家は代々何者か得体の知れない存在に取り憑かれていると言われている。娘を守るため、調べていく内、それは“ぼぎわん”と呼ばれるものである事が分かった。だが対処方法が見つからないまま、田原家は何者かの来訪を受けてしまう。

 角川ホラー小説大賞の受賞作。確かにこれは小説として実に怖い。怖いけど読み進めずにはいられなくなる面白さを持った作品だった。既存のホラー小説の怖さとはちょっと違うのだが、こう言う怖さのアプローチもあるのかと感心出来た。月並みな言い方をすれば、人間の業とはなんとも恐ろしいものである。
<A> <楽>