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石井輝男

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鑑賞本数 16 合計点 48.5 平均点 3.03
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
評論
石井輝男映画魂
絶滅危惧ビデオ大全
Hotwax presents 日本映画名作完全ガイド ~昭和のアウトロー編~ ベスト400 1960~1980

著作
江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間 (日本カルト映画全集)
つげ義春ワールド ゲンセンカン主人
メイキング・オブ無頼平野
DVD
石井輝男FAN CLUB
2005 8'12 死去
成瀬巳喜男 記憶の現場 出演
2002 地獄甲子園 脚本協力
2001 盲獣VS一寸法師 製作・脚本・撮影
1999 地獄 監督・製作・脚本
1998 ねじ式 監督
1995 無頼平野 監督
1993 つげ義春ワールド ゲンセンカン主人 監督・脚本
1991 ザ・ヒットマン 血はバラの匂い 監督・脚本
1987 ケンタウロスの伝説 総監督
1986 現代怪奇サスペンス<TV> 監督
1979 暴力戦士 監督
必殺仕事人<TV> 監督
1977 惑星ロボ ダンガードA対昆虫ロボット軍団 演出
1976 暴走の季節 監督・脚本
キンキンのルンペン大将 監督・脚本
爆発!暴走遊戯 監督・脚本
1975 実録三億円事件 時効成立 監督・脚本
爆発!暴走族 監督
大脱獄 監督・脚本
ザ・ゴリラ7<TV> 監督
1974 直撃!地獄拳 大逆転 監督・脚本
直撃!地獄拳 監督・脚本
従軍慰安婦 脚本
1973 現代任侠史 監督
やさぐれ姐御伝 総括リンチ 監督
ポルノ時代劇 忘八武士道 監督
海軍横須賀刑務所 脚本
子連れ狼<TV> 監督
1972 緋ぢりめん博徒 監督
1971 喪服の訪問者<TV> 監督
怪奇十三夜<TV> 監督
めくらのお市<TV> 監督
1970 監獄人別帳 監督
殺し屋人別帳 監督
怪談昇り竜 監督
1969 明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史 監督・脚本
やくざ刑罰史 私刑! 監督
徳川いれずみ師 責め地獄 監督・脚本
昇り竜 鉄火肌 監督・脚本
異常性愛記録 ハレンチ 監督・脚本
残酷・異常・虐待物語 元禄女系図 監督・脚本
江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間 監督
1968 徳川女刑罰史 監督
温泉あんま芸者 監督
徳川女系図 監督
続決着 監督
1967 網走番外地 吹雪の斗争 監督
網走番外地 悪への挑戦 監督
決着 監督
網走番外地 決斗零下30度 監督
1966 網走番外地 大雪原の対決 監督
神火101 殺しの用心棒 監督
網走番外地 南国の対決 監督・脚本
大悪党作戦 監督・脚本
網走番外地 荒野の対決 監督・脚本
日本ゼロ地帯 夜を狙え 監督・脚本
1965 網走番外地 北海篇 監督
網走番外地 望郷篇 監督
続・網走番外地 監督
網走番外地 監督
顔役 監督
1964 いれずみ突撃隊 監督
御金蔵破り 監督
ならず者 監督
東京ギャング対香港ギャング 監督
1963 昭和侠客伝 監督
親分を倒せ 監督
ギャング対Gメン 集団金庫破り 監督
暗黒街の顔役 十一人のギャング 監督
1962 ギャング対ギャング 監督
太平洋のGメン 監督
恋と太陽とギャング 監督
1961 黄色い風土 監督
霧と影 監督・脚本
花と嵐とギャング 監督
恋愛ズバリ講座 第三話 好色 監督
セクシー地帯 監督・脚本
黒い画集 ある遭難 脚本
火線地帯 脚本
1960 女王蜂と大学の竜 監督・脚本
黄線地帯 監督・脚本
女体渦巻島 監督・脚本
黒線地帯 監督・脚本
1959 日本ロマンス旅行 監督
猛吹雪の死闘 監督・脚本
戦場のなでしこ 監督・脚本
1958 女王蜂の怒り 監督
白線秘密地帯 監督
女体棧橋 監督・脚本
天城心中 天国に結ぶ恋 監督
スーパージャイアンツ 宇宙艇と人工衛星の激突 監督
1957 肉体女優殺し 五人の犯罪者 監督
リングの王者 栄光の世界 監督
スーパージャイアンツ 人工衛星と人類の破滅 監督
鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ) 地球滅亡寸前 監督
鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ) 怪星人の魔城 監督
続 鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ) 監督
鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ) 初監督作
1956 思い出月夜 脚本
1955 次郎物語 助監督
しいのみ学園 助監督
1954 娘ごゝろは恥づかしうれし 助監督
1952 おかあさん 助監督
1951 銀座化粧 助監督
1950 母情 助監督
1924 1'1 東京都中央区で誕生

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地獄 1999

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佐藤美樹
丹波哲郎
前田通子
平松豊
斎藤のぞみ
平山久能
和田洋一
薩摩剣八郎
鳴門洋二
若杉英二
掛札昌裕
桂千穂
川上さゆり
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
直撃!地獄拳 大逆転 1974

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石井輝男(脚)
千葉真一
佐藤允
郷えい治
中島ゆたか
畑中猛重
志穂美悦子
名和宏
松井康子
室田日出男
舞砂里
山城新伍
日尾孝司
安岡力也
白石襄
久地明
松井紀美江
東島祐子
葉山良二
丹波哲郎
池部良
嵐寛寿郎
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
直撃!地獄拳 1974

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石井輝男(脚)
千葉真一
郷えい治
中島ゆたか
水島道太郎
津川雅彦
白石襄
J・ハーマンソン
ウィリー・ドーシー
J・フェーロー
斎藤一之
安岡力也
G・イリキアン
B・ヨハンソン
日尾孝司
リンダ
名和宏
芹明香
室田日出男
伊達弘
沢田浩二
青木卓司
河合絃司
倉田保昭
西城正三
池部良
佐藤允
真田広之
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間 1969

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掛札昌裕
石井輝男(脚)
吉田輝雄
由美てる子
土方巽
葵三津子
小畑通子
賀川雪絵
小池朝雄
英美枝
小山陽子
木山佳
田仲美智
笈田敏夫
近藤正臣
加藤欣子
高英男
片山由美子
金森あさの
宮城幸生
土橋勇
由利徹
大泉滉
上田吉二郎
桜京美
沢彰謙
河崎操
岡田千代
阿由葉秀郎
三笠れい子
大木実
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
特撮事典
 医学生の人見広介(吉田輝雄)が目覚めたとき、そこは牢獄の中だった。明らかに精神を病んでいる人々の中で、自分に何が起こったのか混乱する広介だが、何者かに殺されかけ、逃亡した先で死んだサーカスの少女の殺人犯にされてしまう。逃げ回る内、新聞で自分そっくりの菰田源三郎の死亡記事を目にした広介は、埋葬された源三郎が生き返ったように見せかけて源三郎に成りすます。だが怪事件は次々に起こり、この原因は孤島に引き込んでいる源三郎の父丈五郎にあると睨んだ広介は、丈五郎の住む孤島へと船を向ける…
 エログロナンセンスに執着を見せる石井輝男監督が、"異常性愛路線"の1作として作り上げた作品で、江戸川乱歩の
「パノラマ島奇談」「孤島の鬼」をベースに、「屋根裏の散歩者」などの諸作品をミックスした物語で、出来上がったのは和製『ドクター・モローの島』(1977)と言った感じ。しかし、問題は主人公の父親役を土方巽が演じていると言う事で、後半は暗黒舞踏と作り物じみた奇形人間達がただ出てくるだけの作品になってしまった。それはそれでOKな訳だけど。
 本作はその内容のために長らくソフト化がされず、時折名画座でかかる特集での、ボロボロになったフィルムを観る他鑑賞の術が無かったが、
Synapse FilmsによりDVDが発売。今は日本でも購入できるようになった。私もそのお陰で長く観たい観たいと思っていた本作の鑑賞がようやく叶う。
 オープニングからいきなり半裸のお姉ちゃん達が虚ろな目をしてゆらゆらと踊っている状況で、これが
ただ者ではないことを感じさせてくれるが、オープニングのこの雰囲気はまさに全編を通した本作の意味合いそのもの。
 物語は一貫性を考えずに複数の乱歩小説をつなぎっぱなしにしているため、主人公がやってる事自体が積極的なのか消極的なのかさえ分からず、行動自体がほとんど意味を持たないが、そもそも物語としての体裁を整えようとしてない。ラストの明智小五郎の登場によってようやくこれが一応なり推理ものだったと分かる程度で、話そのものが完全に破綻してる。予算の都合もあるだろうけど、風景を美しく撮ろうという気もないらしく、全てがごたまぜになっていて、いかにも作り物然とした人間のオブジェがそこらかしこに散らばる。
 …と、まあ物語で考えるならば、
文句しか出てこないような気がするけど、だと言って、本作に込められた“思い”は本物。江戸川乱歩の小説は今でこそ日本の幻想文学としてもてはやされているが、そもそもは徹底して通俗的なものを描いているのだから、下手に文学性や衒学性などにとらわれずに作ることが出来たのはむしろ賞賛すべき。いくら無茶苦茶でも乱歩の世界観はこの作品にこそ込められているとも思う。事実だからこそカルト作品としてもてはやされたのだし、わざわざアメリカでDVD化されたことも、ここにはやはり“美”があるからだろう。
 それに何より本作の場合、舞台設定やストーリーよりも、
登場人物のぶっ飛び方にある。本作そのものの存在感を見せつけるような丈五郎役は暗黒舞踏家の土方巽で、意味不明な踊りを崖の上で延々と舞っているし(あれは本当に崖の上で踊っているそうな)、執事役で登場した小池朝雄は女装姿まで披露。途中脈絡もなく存在感を見せていた下男役の大木実はラストに明智小五郎として登場。荒技ですべての謎を解いてしまい、物語を一気に終わらせてしまう(当時売り出し中だった近藤正臣も登場しているが、特殊メイクの上に唸るだけ。石井監督は彼のことを知らなかったからだとか)。特撮部分が作り物めいているのを充分カバーできた濃さだった。
 この辺の濃い面々に囲まれてしまうと、どうしても主人公役の吉田輝雄は存在感が薄かったが、それもラストシーンの「おか〜さ〜ん」でしっかり個性見せてくれた。あのラストシーンは
ある意味映画史に残る名シーン。
 B級に徹したからこそ楽しめる作品であるのは確かだし、映画好き特に特撮好きな人にはお勧めする。
怒り狂われても責任は取れんけど
 ホラーとはそもそも設定で観るものではない。人の怖さを観るもの。その基本的な部分を再認識させてくれる作品である。
網走番外地 荒野の対決 1966

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石井輝男(脚)
高倉健
田中邦衛
田崎潤
杉浦直樹
待田京介
由利徹
嵐寛寿郎
水城一狼
谷隼人
河津清三郎
三原葉子
細川俊夫
関山耕司
大友純
小林稔侍
大原麗子
山本麟一
小塚十紀雄
志摩栄
原信夫
打越正八
土山登士幸
沢田浩二
亀山達也
山之内修
大槻憲
都健二
志麻ひろ子
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第5作
 1966年邦画興行成績9位
網走番外地 北海篇 1965

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高倉健
田中邦衛
嵐寛寿郎
杉浦直樹
千葉真一
由利徹
砂塚秀夫
山本麟一
吉野芳雄
安部徹
藤木孝
加茂良子
宝みつ子
大原麗子
小林千恵
沢彰謙
小沢栄太郎
加藤欣子
山田甲一
井上昭文
小林稔侍
水城一狼
石橋蓮司
沢田孝二
植田貞光
久保一
秋山敏
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第4作
 殺人傷害の刑で服役していた橘真一(高倉健)は、真面目な態度が好印象を与え、無事仮出獄となった。刑務所仲間で病身の葉山(千葉真一)の願いで、保釈金を出してくれるという釧路港の志村運送店へ赴いた。ところがそこは左前で、到底葉山の保釈金など出せる状態ではなかった。そんなところへ、オホーツク海側の港町に荷物を運べば莫大な費用を出す、という男たちがやって来て、橘はその危険な仕事を引き受ける。雪の中、危険な運転を続けるトラックに強引に乗り込んだ男がいた。それは実は網走からの脱獄囚の浦上(杉浦直樹)だったのだ…
 この年、4本を連続して撮影した本シリーズの、この年最後の作品で、
1965年邦画興行成績2位。冬の網走から始まり、夏、秋ときて、又しても冬。その中で全国各地を回って又北海道へと帰ってきた。
 この作品も石井節が炸裂し、
設定に関しては本当に無茶苦茶なのだが、物語自体はかなり面白く、更に充分な予算のため、演出に関しては文句なし。和製ロードムービーの中でもかなり出来が良い作品に仕上がっている。
 北海道の寒さが身に凍みるような雪の演出が良いし、最後の雪を上手く使った立ち回りもなかなか見させてくれるよ。
 それに、やっぱりタイトルに折角「網走」と銘打っているんだから、舞台はやっぱり北海道が合う。
 ただ、キャストに関してはちょっと役どころ間違ってない?と言うのがいくつか。由利徹と千葉真一をもう少し上手く使えれば、更なる高評価にはなったものを。
網走番外地 望郷篇 1965

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高倉健
林田マーガレット
嵐寛寿郎
中谷一郎
桜町弘子
杉浦直樹
砂塚秀夫
待田京介
潮健児
安部徹
関山耕司
沢彰謙
石橋蓮司
八代真智子
田中邦衛
由利徹
ジョージ・吉村
東野英治郎
梓英子
国景子
相馬剛三
東野孝彦
滝島孝二
沢田浩二
大槻憲
伊達弘
秋山敏
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第3作
 故郷の長崎に帰郷し、かつて世話になった旭銃一(嵐勘寿郎)の元へやってきた橘真一(高倉健)。橘はかつて旭組の若い衆で巷を騒がせていた過去を持っていたが、旭組に敵対する安井を刺し、長崎にいられなくなってしまったのだ。そこで今も旭組は安井組のために苦しい毎日を送っていることを知る…
 この年何と4本ものシリーズ作品を撮った石井監督だが、大人気シリーズを短いスパンで公開したのが功を奏したか、
1965年邦画興行成績4位という記録を残す。
 物語としては任侠もののパターンに沿って、高倉健の強さを遺憾なく発揮した作品と言ってしまえる作品。ただ、石井監督の悪い所が見事に出た作品で、とにかく設定があまりにいい加減な上、情緒も何もない派手な“だけ”の演出ぶりばかりが目に付く作品だった。
 本作は親子の情愛を前面に押し出しているのが特徴で、橘親子、旭親子、そしてエミーというハーフの子の親子関係をポジティヴに描いている…はずなのだが、どうにも全てがしっくりいかないというか失笑ものとというか、凄く雑な印象を受けてしまう。ラストの長回しも、感動と言うよりは単にくどいだけ。
 いや、これこそが石井監督の本来の味といえば、その通りなんだろう。この人はや
っぱりB級にこだわるからこそ、その味が出てくるのだから。
続・網走番外地 1965

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高倉健
アイ・ジョージ
田中邦衛
室田日出男
中谷一郎
三原葉子
大坂志郎
嵯峨美智子
安部徹
嵐寛寿郎
沢彰謙
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第2作
 刑期を終え網走収容所から出所した橘真一(高倉健)は相棒の大槻(アイ・ジョージ)と共に一路本州へ。函館連絡船で大槻は尼僧のバッグから転がってきたマリモを手に入れるのだが、実はそれは函館で起こった銀行強盗事件で盗まれたダイヤが入っていたのだ。何も知らない橘と大槻は青森の川俣組に草鞋を預け、そこで仕事をもらって東京に帰る旅費を稼いでいたが、否応なしに強盗団に巻き込まれてしまうのだった…
 『網走番外地』でヒットを飛ばした東映が早速シリーズ化した作品の一作目
(この辺はさすが東映)。以降『網走番外地』の名を冠しているが、網走収容所からは離れ、橘を中心とした話へと落ち着いていく。本作もその余勢を駆って大ヒット。1965年邦画興行成績も6位と大健闘した。
 一作目がしっとりとした男達の物語だったのに対し、ほんの僅かな期間で続編が作られ、
いきなり荒唐無稽な物語に様変わりしてしまったのが大きな違い。一作目の余韻はどこへやら、徹底したB級娯楽大作へと方向転換してしまった。まあ、この安っぽさこそが石井監督らしさって奴で、一作目よりも遥かにこっちのほうが石井監督らしくって良し。
 ただ、だからと言って、作品自体の評価が上がる訳ではないけど。
 荒唐無稽な設定と、高倉健の度胸と啖呵。これだけ揃ってれば、後は物語の方が後でくっついてくるというタイプ。物語そのものが力業。もう笑うしかない作品に仕上がってる。
 これこそ東映らしさ。と言うものが観たければ、一作目と合わせて本作もお薦めできる。結構唖然とするだろう。
網走番外地 1965

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高倉健
南原宏治
丹波哲郎
安部徹
嵐寛寿郎
田中邦衛
潮健児
滝島孝二
三重街恒二
ジョージ・吉村
杉義一
佐藤晟也
関山耕司
菅沼正
北山達也
沢彰謙
風見章子
志摩栄
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第1作
 親分のために行った傷害事件で網走刑務所での懲役三年を言い渡されたやくざものの橘(高倉健)は雑居房内を仕切る殺人鬼鬼寅の弟分を名乗る依田や彼に従う権田や桑原に対し、ことごとく反発し、常にトラブルメーカーとなっていた。そんな時に依田を中心とした脱獄計画が起こったのだが…
 
1965年の邦画の大ヒット作品となり、次々と新作が作られた網走ものの最初の作品。元々は伊藤一同名の恋愛小説が元で、そこから松尾昭典監督によって1959年に作られた映画の題名と舞台それに主題歌の詩を用いて新たな作品として作り上げたもの。
 監督の石井輝男はそもそも怪奇ものや怪談ものを得意とする監督で、
アングラ史上に残る数々の名作・迷作を作り上げているが、何故かその代表作となると本作になるのが面白いところ(このシリーズのヒットがあったからこそ好きなアングラ作品を作れたのかも知れない)。そもそも当時はカラー作品はあまり評価されない傾向があり、更に本作は主人公が前科者で女優が出ないと言うので、モノクロの社会派作品の息抜きのような形で上映されたのだが、予想外に本作の方が大ヒットとなってしまったという面白い経緯がある。
 私が本作を観たのは随分後になって、ビデオでだったのだが、結構驚かされたものだ。
 先ず、高倉健がよく喋ること。はしゃぎすぎて自分のやんちゃぶりを反省するシーンがあったり、
裸踊りまでしてる。渋くなって寡黙な役ばかり観てきたから、こんな役やってきていたと言うことが結構意外。
 こんな色気の全くない話を邦画界が作ることが出来たと言うことも凄いと思う。女性が出てくるのは回想シーンとか、あるいは面会シーンとかのほんの僅かな間だけ。その中で男の物語が淡々と演じられるのだが、そのストイックさと言い、その根底にある暴力性と言い、観る側にズシンと来るものを持っている。
 そしてやはりこれは「網走」だからこそ意味がある作品だ。酷寒の中、黙々と歩く人の群れと言い、最後の逃亡シーンと言い、目を焼くほどの純白の画面の中だからこそ、その苦しさが分かる。しかも刑務所の中に戻った途端、今度は黒一色。白と黒の画面のコントラストがなんとも味わい深い。私にとっても邦画の名作の一本に数えられる。
女体渦巻島 1960

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岡戸利秋
石井輝男(脚)
吉田輝雄
三原葉子
万里昌代
星輝美
城実穂
若水清子
吉田昌代
瀬戸麗子
近衛敏明
沖啓二
松原録郎
鳴門洋二
守山竜次
大友純
天知茂
大谷友彦
沖竜次
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
女体桟橋 1958

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佐川滉
石井輝男(脚)
宇津井健
筑紫あけみ
三原葉子
小倉繁
浅見比呂志
原聖二
高松政雄
国創典
佐山幸夫
中村彰
植村謙二郎
吉田昌代
葉山由紀子
ジーン・谷
宮田文子
中島一豊
真木裕
大江満彦
旗照夫
コン・ウェイ
矢代京子
姿まゆみ
佐伯一彦
小森敏
双葉みどり
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
スーパージャイアンツ 宇宙艇と人工衛星の激突 1958
<A> <楽>
宮川一郎(脚)
宇津井健
三ツ矢歌子
林寛
池田輝久
浅見比呂志
真木裕
草間喜代四
ジャック・アルテンバイ
川原健
大谷友彦
エンベル・アルテンバイ
上田守
館正三郎
吉田昌代
浜野桂子
倉橋宏明
山田長正
千葉徹
高松政雄
山口多賀志
国創典
菊川大二郎
秋山要之助
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第6作
 一連の原子力爆弾強奪事件は超国家犯罪組織の“黒い衛星”によるものであることが分かり、その宇宙船を追跡するスーパー・ジャイアンツ。だが洗脳されてしまった山中博士による攻撃で宇宙の彼方に吹き飛ばされてしまう。スーパー・ジャイアンツ無き地球に原子力爆弾を用いて脅迫する“黒い衛星”だが…
 『人工衛星と人類の破滅』続編。石井監督が始めた人気シリーズだが、石井監督が監督した最後の作品になる。
 超国家の犯罪組織との戦いが描かれるが、悪の組織が用いるのが人工衛星と原爆を用いた脅迫とか、あるいは洗脳とかで、いかにも反共的なイデオロギーが臭う作品になってしまった。
 中でも洗脳に関して言うならば、「brainwashing」という言葉が出来たのが1951年で、元々はソ連によって思想改造されてしまった捕虜のことを指す。それを題材にしたハリウッド映画『影なき狙撃者』が1962年なので、それ以前に洗脳について描いた作品というのは、相当時代の先を行っていた感じだ。
 これまでの作品ではスーパー・ジャイアンツが強すぎて、登場した瞬間に全て終わってしまうため、いかにその登場を遅らせるかで苦労してるのが分かる。
 又、“黒い衛星”の科学力は明らかにオーバーテクノロジーなのも不思議と言えば不思議。それだけ某国に対して危機感を持っていたと言うことなのか、それとも劇中では語られなかったが、どこぞの宇宙人が地球人に化けて活動していたとか、その辺が少々はっきりしない。
スーパージャイアンツ 人工衛星と人類の破滅 1957
<A> <楽>
宮川一郎(脚)
宇津井健
三ツ矢歌子
林寛
池田輝久
浅見比呂志
真木裕
草間喜代四
ジャック・アルテンバイ
川原健
大谷友彦
エンベル・アルテンバイ
上田守
館正三郎
吉田昌代
浜野桂子
倉橋宏明
山田長正
千葉徹
高松政雄
山口多賀志
国創典
菊川大二郎
秋山要之助
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第5作
 宇宙の平和を守るため、日夜パトロールに勤しむスーパー・ジャイアンツは地球から国籍不明の人工衛星が何度も打ち上げられていることを知る。これが宇宙戦争の覇権を巡る某国によるもので、密かに原子力爆弾が宇宙に運ばれていることを突き止めるのだが、既に時は遅く、小型原爆の開発主任山中博士が白昼堂々とさらわれ、作戦は最終段階に移っていた。
 宇津井健主役の日本初のヒーロー作品も
本作で三作目。本数にしては既に五本目になった。今回は宇宙人は登場せず、あくまで人類の側だけでの物語になってる。
 特徴としては、これまでの牧歌的な雰囲気からリアリティが大分増したということになるだろう。
 本作が公開された1957年と言えば、ソ連がスプートニクの打ち上げに成功した年で、来たるべき宇宙戦争が目前に迫ったような気にさせられ、しかも冷戦構造の中でキューバの緊張も高まりつつあり、核戦争の危機についても考えられていた時期である。
 そんな中、宇宙に原爆を持ち出す秘密主義の大国が登場…となったら、イメージははっきりしている。そんな中でアメリカ側に立つ日本としては…という時事ネタを使う場合、SFを使うのが手っ取り早い。劇中明確に「それはソ連ではない」と明言もされているものの、見てる側のイメージとしてはどうしてもイメージが。
 そう考えると、平和のために戦うスーパー・ジャイアンツというのも、ある意味結構偏った思考を持つと言うような気もしてくる。

 ところでこの作品では「人工衛星」が連呼されるが、地上からロケット噴射でそのままの形で宇宙に行くとか、他の惑星に向かって行くとか、とんでもない科学力と、「衛星」では全くないところがご愛敬と言ったところだろうか?まだまだ人工衛星について知ってる人が少なかったのだろう。
鋼鉄の巨人 地球滅亡寸前 1957
<A> <楽>
宮川一郎(脚)
宇津井健
高松政雄
山口美奈子
岩下亮
阿部誠
館正三郎
中村彰
浅見比呂志
勝間典子
杉山弘太郎
五月藤江
志摩竜二
小浜幸夫
佐山幸夫
真木裕
菊川大二郎
鈴木信二
千葉徹
東藤泰彦
小森敏
山口多賀志
川辺修詩
山田長正
倉橋宏明
浪野幹雄
原聖二
築地博
浅野雪子
小野彰子
明日香実
大谷友彦
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第4作
特撮事典
 怪異星人によって浅見博士と深見博士の家族は捕らえられ、研究中の新兵器について白状しろと脅迫を受ける。浅見博士の息子亮はかねてからの約束通りスーパージャイアンツを呼び出す。
 『怪星人の魔城』後編に当たる話。何が起こるか分からない前編に対し、解決編となり、アクション主体になるかと思われたのだが、思ったものとはちょっと違っていた。
 理由は簡単なことで、スーパージャイアンツがあまりに強すぎるという一点に尽きる。何らかの方法でスーパージャイアンツが現れた途端に全部話が終わってしまうのだから、盛り上がらないことおびただしい。特に以降の特撮作品を観ていると、バランスの悪さが目に付く。
 ただ、話の都合上、ヒーローの登場まで徹底的に引っ張るという物語構造は、逆に後の作品には無い新鮮さもある。
 宇宙人が登場するくせに、洋館が舞台になるとか、明らかにやばそうな科学者が出てくるとかの怪奇趣味はやはり監督ならでは。
鋼鉄の巨人 怪星人の魔城 1957
<A> <楽>
宮川一郎(脚)
宇津井健
高松政雄
山口美奈子
岩下亮
阿部誠
館正三郎
中村彰
浅見比呂志
勝間典子
杉山弘太郎
五月藤江
志摩竜二
小浜幸夫
佐山幸夫
真木裕
菊川大二郎
鈴木信二
千葉徹
東藤泰彦
小森敏
山口多賀志
川辺修詩
山田長正
倉橋宏明
浪野幹雄
原聖二
築地博
浅野雪子
小野彰子
明日香実
大谷友彦
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第3作
特撮事典
 世界各地に怪円盤が出没しており、時を同じくして原因不明の奇病が起こっていた。その関連性にいち早く気づいた浅山博士だが、謎の異星人によって連れ去れかけてしまう。スーパージャイアンツは浅山博士を助けることができたものの、この事件に気づいた他の人々が次々とさらわれていく。
 
『鋼鉄の巨人』第3作で、第二部の前編となる話。前2作では地球を征服する敵は人類だったが、ここでは異星人となってるためか、とてもストレートな話になってる。
 そもそもスーパージャイアンツ自身が宇宙人会議の全権大使で、統一宇宙政府に地球が加わることがふさわしいかどうかを観に来たという設定なのだが、スーパー・ジャイアンツに権力を持たせることを快く思わない勢力もある事が暗示されることになった。
 ただ、そう言った設定を活かすことが出来ず、ヒーローが普通に地球侵略をしてきた宇宙人と戦うという単純な話になってしまったのが少々残念。この辺をもうちょっと細かくやってくれたら面白かったとは思うけど、こども向けの痛快娯楽劇と割り切ってしまったのかもしれん。
 作品自体はそこそこ面白いが、今の目から見ると、スーパージャイアンツの動きがどうしても鈍重に見えてしまうのが難点か。「月光仮面」なんかの場合月光仮面は軽業師のような動きをするので見た目軽快だが、ここでのスーパージャイアンツが相撲のような動きをするのがもっさりした感じになってしまう。日本製のヒーローとは言え、もうちょっと軽快な動きでいてほしかったところだ。
 あとやはり監督が石井輝男ってこともあるのか、どことなく全般的に怪奇風味というか、江戸川乱歩ものっぽくなってる。それは個性として捉えるべきなのだろう。
続 鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ) 1957
<A> <楽>
宮川一郎(脚)
宇津井健
高田稔
池内淳子
岩下亮
大沢幸治
勝間典子
林寛
高松政雄
瀬戸麗子
倉橋宏明
中山昭二
ジャック・アルテンバイ
杉山弘太郎
原聖二
国創典
山口多賀志
大谷友彦
村山京司
小浜幸夫
エンベル・アルテンバイ
小林猛
鮎川浩
白川品雄
御木本伸介
菊川大二郎
大原譲二
竹中弘直
真木裕
佐伯一彦
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第2作
特撮事典
 スーパージャイアンツの不在に子ども達のいる教会を襲うAB団はX14ウラニウム設計図の入っている革鞄を奪い取る。そしてAB団はスーパージャイアンツを殺人容疑者に仕立て上げ、日本を脅すための原爆の製造に取りかかる…
 前作『鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)』の続編として短いスパンで公開された作品。この公開スピードは日本では大正時代辺りに流行った連続活劇を意識してのことのようで、実際前作の終わり方も、問題提起で終わっていかにも「続く」と言った感じで、今回はその解決編と言った感じに仕上げられている。
 これが実は日本初のヒーロー作品ではあるのだが、既にこの時点ではヒーロー像は確定されていたことにも驚かされる。
 スーパーヒーローは特定の国や団体に属さず、貧しい庶民や子どもの味方であり、世界平和を脅かす者に対しては断固たる態度で臨む。このパターンは結局本作を始まりとして、連綿と現代に至るもフォーマットを変えずに続いているわけだ。
 そのためにスーパージャイアンツは異星人である必然性があった。とりあえず日本を舞台にしていても、彼の望むのは世界平和であり、日本という国そのものに対してのものではない。
 映画人としてこの立場に立つことは大変重要な部分でもあるし、それをしっかり受けて立ったからこそ、このヒーロー像は決して崩れることはない。そんな思いを抱かせてくれる作品でもある。
 そう言えばヒーローがごてごてした装飾を持たないタイツ姿ってのも、後の「ウルトラマン」に受け継がれた良い影響だったのかも知れない。

 確かに色々ツッコミ所は多いし、物語も単純に過ぎるとはいえ、邦画における最初のヒーロー作品が本作であったことを、現代に生きる特撮ファンは喜ぶべきであろう。
鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ) 1957
<A> <楽>
宮川一郎(脚)
宇津井健
高田稔
池内淳子
岩下亮
大沢幸治
勝間典子
林寛
高松政雄
瀬戸麗子
倉橋宏明
中山昭二
ジャック・アルテンバイ
杉山弘太郎
原聖二
国創典
山口多賀志
大谷友彦
村山京司
小浜幸夫
エンベル・アルテンバイ
小林猛
鮎川浩
白川品雄
御木本伸介
菊川大二郎
大原譲二
竹中弘直
真木裕
佐伯一彦
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第1作
特撮事典
 地球上で行われている原水爆実験は、星間世界にも深刻な問題となっていた。宇宙人会議の結果、地球に実験中止の呼びかけのために使者として彗星のスーパージャイアンツ(宇津井健)が選ばれた。早速人間の姿を取ったスーパージャイアンツは地球に来る。そこで嵐の中で壊れそうになった旅客機を救うのだが、その旅客機の中には原爆用のX14ウラニウムがあることに気づく…
 「ウルトラマン」に先行すること約10年。巨大化こそしないものの、SF特撮ヒーローが誕生した(ちなみにアメリカで放映された初の和製ヒーローでもある)。それまでチャンバラが担っていた連続活劇をSFにしたような話だが、その分単純明快で、スカッとする活躍が楽しめる。
 ただ、先行してあった『地球の静止する日』(1951)にインスパイアされたか
(勿論『ゴジラ』(1954)もあるし)、ちゃんと時事ネタとして、原水爆禁止を訴えかけるものもちゃんと持っている。主人公は異星人だが、何故地球に来たかと言えば、それは原水爆が地球のみならず宇宙にも悪影響を及ぼすという事を伝えに来たという。しかも武力ではなく話し合いを基調として。と言うのがやっぱり『地球の静止する日』って感じではある。
 これこそが本来のSFの持つ力というものだ。
 まあ、物語が単純すぎたりするきらいはあるけど、連続活劇ってことで考えるなら低予算で充分。
 それにしても、これが石井監督が作ったと言うのが結構な驚きなのかも?なんだかんだで芸域の廣い監督だな。


 …言うつもりはなかったけど、本作の冒頭部分は凄いツッコミ部分。
 宇宙から飛んできたスーパージャイアンツが突然スーツ姿で飛行機の中に入り込んでしまうのは、まだ良いとして、その後飛行機のフラップを直しに外に出たジャイアンツがやってる事って、尾翼を押してるだけで、しかも直った途端飛行機の上でスーツ姿に変身。そのまま歩いて飛行機の中に行く…どうやって?しかもそれまで風圧で飛ばされそうになってたのに、スーツになった途端普通に歩いてる。

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