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特救指令ソルブレイン

特急指令ソルブレイン事典
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 メタルヒーローシリーズ第10作にしてレスキューポリスシリーズ第2作。特警ウインスペクターの直接の続編で、共通する設定が多く、中盤からは準主役として前作主人公の香川竜馬も登場する。初期から前線に出るのは三体で、人間は二人。女性が入っているのも特徴。特警ウインスペクター同様、敵と戦うのではなくレスキューが主体となる。

主な登場人物
西尾大樹
ソルブレイバー
(役)中山幸一。本作が代表作。
 ソルブレイザーにブラスアップするソルブレイン隊の隊長。階級は警視正。あらゆる事においてヒーロー的。たとえ敵であっても命を奪わないよう心がけている。
樋口玲子
ソルジャンヌ
(役)森みつえ。
 ソルジャンヌにブラスアップするソルブレイン隊員。刑事ではあるが医師としても活躍する。
ソルドーザー (声)加藤精三。特撮では特に戦隊シリーズでのボス敵役が多い。
 バリアブル・レスキュードロイドで、ソルブレインの一員。階級は警部。人間と同じ感情を持ち、自分は人間であると思っている節あり。そのためか、最初はドーザーへの変形を拒否していた。
増田純 (役)井浦秀智。子役時代に「仮面ライダースーパー1」ジュニアライダー隊今井ノリオ、「大戦隊ゴーグルV」でコンボイのリーダー上田達也。「超電子バイオマン」では蔭山秀一を演じた。本作が俳優最後の出演作となる。
 正木本部長の代理としてソルブレインを率いる立場にある行動隊長。基本的には大樹と立場は同じなため、共同して行動することが殆ど。
戸川亀吉 (役)小野寺充。後に岸浩太郎。俳優兼歌手。特撮出演は本作のみ。
 ソルブレインメカニック担当。主にソルドーザーのサポートを行う。捜査ではソルドーザーに同行することが多い。階級は警部で「亀さん」とよばれている。
相川みどり (役)入江まゆこ。
 特装救急警察情報担当官。階級は警視。スーパーコンピュータークロス8000を使った情報収集の連絡を主な任務とする。
正木俊介 (役)宮内洋。東映特撮の重要人物の一人。
 ウインスペクターの総司令官。ICPOへ向かったウインスペクターに代わる新たなレスキューポリスとして、特装救急警察ソルブレインを組織した。
香川竜馬
ファイヤー
ナイトファイヤー
(役)山下優。前作特警ウインスペクター主人公。本作もそのままの役で出演している。
 ICPOに出向中のウインスペクターの隊長。メサイヤの破壊の為に来日。その後ICPO日本支部駐在員として着任する。それに伴い新型スーツナイトファイヤーを装着する。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 東京上空SOS

  脚本:杉村 升
  監督:蓑輪雅夫
 謎の宇宙ステーションが東京上空に現れた。それは稲垣博士と疑似頭脳A320によるものだったが、A320は更なる進化のため人間の体に自らの人工頭脳を埋め込むことを博士に指令する。しかし要求された肉体は博士の息子だった…

 前作特警ウインスペクターの好評を受けて同じレスキューポリスシリーズとして製作された本作。前作からの完全なる地続き作品で、正木本部長を始め、何人かのキャストが続投している。
 ウインスペクターと違うのは、スーツを装着するのが男女二人であることと、サポートメカが一体であること。合計3体のヒーローがいること自体は変わらない。
 そして今回正木本部長によって、ソルブレインの設立目的は犯罪を防ぐため蛇化だけでなく、犯罪者の心を救うと言う事が強調されている。続編でもちゃんと進歩していることをしっかり語っていた。
 その第一作目は、まるで戦隊もの?と思わされる派手なもので、ビル破壊の特撮とか、実際の自衛隊からの映像とか、凄い力が入っている(これだけ金遣ったら3話分位作れそうな位に力入ってる)。主人公大樹の活躍も充分に描かれ、スタント無しで全身火だるまになりながら走り回る姿とかもあり。
 A320の設定はまるで「大鉄人17」のブレインみたいなのだが、これが一話だけで終わってしまうのがこの作品の面白いところだろう。
 ウインスペクターの頃からマッドサイエンティストが作品に花を添えたが、ここに出てきた稲垣博士のイカレ方は凄まじい。「人類の進歩」のために自らの息子まで犠牲にしようというその姿勢は、まさしくマッドサイエンティストの鏡だ。とても格好良いぞ…あれ?それが人間性を取り戻していく過程が、短い時間の中でしっかり描かれているのが興味深い。
<稲垣博士の息子和夫は東映特撮によく登場する多賀啓史だが、いつまで経っても素人臭さが抜けない。
 東京上空に現れる宇宙ステーション。こんな地上から近いところを自立飛行できたら、最早それ宇宙ステーションとは言わない。
 人工頭脳に捕らわれた和夫は、ソルブレイバーの登場に、「助けてソルブレイバー」と言っている。既にこの時点でソルブレインは有名な存在になってたのか?「ウインスペクター」から数年後って設定なのだろうか?
 相変わらず現場大好きな正木本部長。意味もなく出張ってサングラスを外してたり…
 ソルブレイバーのマスクを外した大樹は汗びっしょり。「ウインスペクター」の竜馬ゆずりだが、この辺改良する気は無かったのか?>
VOL.1
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第2話 爆襲エスパー姉妹

  脚本:杉村 升
  監督:蓑輪雅夫
 2年前正木が逮捕した牧村の二人の娘が父の釈放を求めてきた。二人は音声を音声を強力な振動波に変える装置を用いてソルブレインに挑戦する。
 今回はもう一人のソルブレインであるソルド-ザーの顔見せ。最期にちょっと出てきて活躍するだけだったけど。

 第1話を継承し、犯罪者の心を本当に救えるのか?という問いかけがなされている。これはソルブレインを立ち上げた正木本部長の主張であり、この作品を貫くテーマとなっている。
 花を愛する凶悪犯が、花をくれた少女のために脱獄を諦めるとか、話としては出来すぎって感じがあるが、30分番組だったら仕方ないところか?
 火を用いた特撮シーンあるが、コントロールの難しい火を上手く使ってる。ウインスペクターでの経験がものを言っているな。
 それにしても早くも2話目から超能力とかイレギュラーな話を持ってきたな。これもウインスペクターあってのことか?
 人質に取られた少女役は本名陽子。後に声優として有名となった人。
<当時流行ったボディコン女性達のディスコ風景がある。時代だなあ。
 やっぱり現場大好きな正木本部長。真っ先に牧村姉妹の前に現れ、爆破によって吹き飛ばされてる。よくやるよ。>
第3話 父は天使か怪物か

  脚本:杉村 升
  監督:小西通雄
 公園で機動試験を行っていたソルド-ザーが敬太という少年と仲良くなった。ところがそんな時に自動車事故が起こってしまう。敬太の父である田代巡査が救出に向かうのだが、その時自動車の中にいた瀕死の渋沢博士に原生アメーバーを植え付けられてしまう…

 前回初登場のソルドーザ-を話の中心に持っていく。出来たばかりでまだ自我の薄いソルド-ザーが人間になりたいと思うようになったきっかけが描かれる。
 狂った科学者が作り上げたものが世間に迷惑をかける。本作には良く似合う物語。今回出てきた渋沢博士は完璧なマッドサイエンティストで、こういうひねくれまくった倫理を持ったキャラは実に素晴らしい。最後にホノオの中で高笑いしているのも良い感じ。
 マッドサイエンティストが出てくるとホラーっぽくなっていくのも演出的には良い感じ。
 ソルド-ザーの父は正木だとの発言が。知らぬうちに隠し子発覚か?今回も前線に
 渋沢博士を演じたのは高橋利道。「大戦隊ゴーグルV」のデスギラー将軍である。
<何ら索敵機能を持っていないソルドーザーが人捜しをする。これを許すって警察組織に問題があるんhじゃ?
 今回の救出劇は原生アメーバーを田代巡査から追い出すため、高熱の中で田代を拘束し続けるというもの。悪人が拷問してるみたいだな。>
第4話 夢のゲームソフト

  脚本:杉村 升
  監督:蓑輪雅夫
 ヘルメットを装着すれば臨場感溢れる画像が出てくるというサイバーアミューズメントシステム。その開発者佐野由紀夫が機械を盗んで逃走した。欠陥のあるそのゲームにこどもを誘い込んでゲームをやらせてテストをするのだが…

 こどもはゲームが大好き。それが完全なるバーチャルゲームならば本当に夢中になる。それが行きすぎてゲームから出られなくなってしまったこども達の救出劇が描かれる。ゲームの中に閉じ込められたこども達を救うために自分もゲームの中に入っていくソルブレイバー。それはいいけど、もっと他にやることがあるんじゃないのか?
 こども達がダンジョンゲームをしている場所は遊園地だが、これは結構良い感じの舞台設定だ。
 ちなみにゲームの中に出てきたモンスターは「超人機メタルダー」のモンスター軍団たちだった。
 ゲーム開発者の佐野由紀夫役は「光戦隊マスクマン」のレッドマスク役海津亮介。
<脳に負担をかけ、人間を植物人間にしてしまうというゲーム。そもそもそんなもん開発するな。という声が頭のどこかで…
 空気に触れると発火するというジュロンSを普通に捨てていた。しかもドラム缶から漏らして…現代だったら大問題。いや、どんな時代でもそうか。
 火が回るまで15分という状態で、こども達を救うためにゲームをやらせる大樹。無茶やるな。だったら消防車が先だろ。
 こどもたちのゲームの中に入るソルブレイバーはヘルメットの上からヘッドマウントディスプレイを装着していたが、それ無理じゃね?
 ゲームの中に入ったのは良いけど、どうやってこどもを救出するか何も考えてなかったソルブレイバー。考えるよりも早く体が反応してしまったのか?そんなのが隊長で大丈夫なのかソルブレイン?
 ゲームオーバーになりさえすればちゃんと現実に戻ってこれるという設定であれば、何もソルブレイバーがいる必要は無かったんだが。
 「人の命を救うためには自分の命も省みない」というナレーション。素晴らしい姿勢ではあるが、少なくとも今回は単なる無謀としか言いようがない。>
第5話 怪人がくれた勇気

  脚本:増田貴彦
  監督:小笠原猛
 狼男が現れたという通報を受け、調査に乗り出すソルブレイン。そんな時に大樹は、浮浪者の「ボンドさん」を探している少年山口直人と出会う。浮浪者狩りにあったボンドさんを助けたことがある直人に、ボンドさんを探す手伝いをしてくれるよう頼まれる大樹。

 少年による浮浪者狩りや失業問題という社会問題を主軸に、少年が成長していく過程を描いた話。怪人も出てくるけど、ちゃんと話は成立してる。
 人間を実験台に兵器を作るって話はなんか「怪奇大作戦」っぽい感じ。モンスターが出てるだけあって、銃を使わない戦いの展開もある。
 未来食品開発の女社員は「超新星フラッシュマン」のピンクフラッシュ役吉田真弓。又未来食品開発の社長は「五星戦隊ダイレンジャー」のザイドス少佐役の田村円。
<市川が狼男になる度にワイシャツが破れているのだが、次の瞬間にはちゃんとスーツ姿になってる。ケンシロウ?
 無職の市川がちゃんと家に金を入れていたのを、未来食品開発のモニターをしていて狼男になってしまった。と推測する大樹。凄まじく飛躍した論理だが、それが当たってるところがすごい。
 銃を突きつけられたからと言って、その銃を落とすために銃を使う大樹。警察のやることじゃないな。
 狼男になった人は元に戻せると報告してきたソルジャンヌ。オオカミ男の発見からほとんど時間が無いんだが、どうやってそれが分かった?>
第6話 バクダンと落語家

  脚本:扇澤延男
  監督:小笠原猛
 玲子の高校時代の友人の落語家三遊亭金太が誘拐された。実は金太の実家は一流企業石丸化学の御曹司だったのだ。だが実家の母は身代金の要求を無碍に突っぱねてしまう。

 アクションは極力抑えられている救急警察シリーズだが、その中でも相当な異質な話で、なんと悪人さえも登場しない人情話に仕上がってる。
 誘拐犯は結構な人情家で、誘拐された当人がすっかり犯人に惚れ込んでしまい…これ本当に特撮ドラマなのか?実際今回は誰も逮捕者無し。「事件の真相を暴くことが俺たちの仕事じゃない。人の命と人の心を救うこと」という大樹の言葉は本作を象徴する一言になってる。
 ソルドーザーの社会勉強のために落語を聞かせに行くというシーンあり。それですっかり落語好きになってしまったソルドーザーは、ハリセンを持ってツッコミ入れてる。
 三遊亭金太役は本物の落語家三遊亭金時。プロが下手な落語家の役をやるって実は結構高度な演技。
<時限爆弾が爆発する時間を知っているはずなのに、わざわざ取り外しに行って火災に巻き込まれる犯人…>
第7話 人間再生マシーン

  脚本:鷺山京子
  監督:三ツ村鐵治
 生前人間再生マシーンの開発を行っており、自分の死後も機械に接続されていた甚五郎が突然甦り、かつての研究を再開する。爆弾探知機にも引っかからない爆弾を簡単に発見できてしまう甚五郎にソルブレインは協力を要請するが…

 死んだ人間が生き返るという相当異常な状態を当たり前のように受け入れてしまうすごい話。それに爆弾犯との戦いを並行して描く。
 生き返ったお爺ちゃんはとても偏屈な性格しているが、それでもそんなお爺ちゃんを一生懸命支える孫の関係が面白い。歳を取ればますます偏屈になってしまう人間というのもいるもんだな。
 しかし爆弾犯人相手にソルブレイザーを当てるのはやり過ぎのような?実際お爺ちゃん一人でも犯人を追いつめてた。
 お爺ちゃん役の「五星戦隊ダイレンジャー」の田豊将軍役上田忠好。
<人間再生マシーンはプログラムされた人格を元に、生前の体を再構成するというのだが、白衣はどうやって再生したんだろう?消える時も服ごと消えていたし。
 間一髪時限爆弾の解除に成功する大樹。しかし普通の時計の接続を外すだけで止まってしまう爆弾って随分安普請だな。
 お爺ちゃんは消えてしまっても、人格データはまだ家に残されてるんだから、また再生は可能なんだけどね。>
第8話 消えた強化スーツ

  脚本:山田隆司
  監督:三ツ村鐵治
 現用のソルブレイバーよりも高性能なスーツとして開発されていたプロトスーツが何者かによって奪われてしまった。調査を進めたところ、犯人は最後まで大樹とソルブレイバー装着者を争った岡山だと分かる。

 本格的な着ぐるみ対決は本作では初めての描写。しかしその対決というのがソルブレイバー対ソルブレイバーという面白い話。本物と偽が戦うのは特撮では定番の一つ。お約束通りちゃんと差別化も図られてる。
 ここに登場するのが大樹とソルブレイン隊長を争ったという岡山。大樹にライバル心むき出しで、ソルブレイン隊長になれなかったことが事の発端になる。尤もそれは伏線で、実はソルブレインにも理解がある笹本警部こそが犯人というオチがついた。
 プロトタイプスーツとソルブレイバーとの戦いがメインとは言え、プロトタイプスーツと正木本部長との戦いもなかなか見応えあり。
 そして見所のソルブレイバー対ソルブレイバーだが、結局はプロトタイプスーツの活動限界と、周囲が火の海になったことで救助活動になってしまった。
 笹本役は「大戦隊ゴーグルV」ゴーグルブラック役の春日純一。
<スーツのヘルメットを脱げばスーツの能力は失われるのは前作「ウインスペクター」から受け継いでいると思ったが、プロトタイプスーツでは顔を出してちゃんと活動させていた。
 ソルブレイバーのスーツの活動限界が来たから救助に行くな。と頼むソルジャンル。だったら自分が行けば?
 怪我して吊ってる腕で笹本をぶん殴る正木。その腕折れてたんじゃないの?>
第9話 父と子の赤い絆

  脚本:宮下隼一
  監督:小西通雄
 銀行強盗を追うソルブレインだが、カーチェイスの末、飛び出した一般車両を巻き添えにしてしまう。乗っていた少女は重体となったが、その血液はRh-AB・Nという特殊なものだが、その血液が奪われてしまう。

 これも本作の特徴で父と子の絆の物語となっている。「人の心を救う」という本作の趣旨に沿った作品でもある。
 娘の命と会社の命運を天秤にかける社長と、復讐に立ち上がった少女を交錯して描いた作品で、この短い時間にバランス良く複雑な物語を構築している。ただ、尺の短さはいたしかたなく、一時間番組で観たかった感じ。社長自身ではなく、全部罪は部下が負ってしまったあたりは少し話が弱いが、そうしないと30分には収まりきれんか。
 ドラマに力が入っている分、戦いの方は割を食ってしょぼかったが、珍しいカーチェイスシーンもある。
 神崎栄二を演じたのは「超新星フラッシュマン」の時村博士役の石濱朗。
<死にかけている娘の言葉をテープに録って父親に聞かせる正木本部長。なかなかの悪漢ぶりを見せている。
 結局最後まで謝ることが無かったソルブレイン。それで良いのか?>
第10話 わしら純情放火団

  脚本:扇澤延男
  監督:小西通雄
 老人たちが集まり、あけぼの社という放火団を結成した。偶然そのあけぼの社に面接にいくという老人岡田と出会った純は、彼のことを放っておけず、何かと面倒を見ようとするのだが、そのうちに岡田には何か隠し事があるのではないかと思う。
 一応初めての純が中心となっている話で、初の逮捕シーンもあり。

 話そのものは「特捜ウインスペクター」46話に近く、ちょっとしたいたずら感覚で犯罪を犯している人がしゃれにならない事態に落ちていく話となっている(脚本は同じ扇澤延男)。それが犯罪と分かっても、自分たちの義憤にすりかえてしまう老人たちがひたすら憐れだ。
 日本を支えてきた人たちが認められないまま消えていく。この日本の状況に対するアンチテーゼとも言える話で、終わり方も苦い。
 この作品のテーマである「犯罪者の心を救う」ことはこの話では失敗というか、純の心に釈然としないものを残すところで終わった。これはこれでありだろう。
<この時代に戦争経験者の元気な老人がいるって難しいところじゃないか?このネタはぎりぎりで戦後半世紀までだな。
 頭に日の丸のはちまきを着けている老人たちがいるが、これは演出の暴走と言うところか。>
第11話 愛と復讐の挽歌

  脚本:増田貴彦
  監督:小笠原猛
 ソルブレインに挑戦状が送られてきた。差出人は玲子の幼なじみの桐生だった。実は桐生の父桐生靖春は高名な植物学者だったが、麻薬物質を発生させるバイオローズの研究で麻薬取締法違反で正木に逮捕されており、その後自殺してしまったことが分かった。

 これまで今ひとつ個性を見せられなかった玲子が中心の話だが、こども向き作品の癖にいきなり麻薬の話。
 一応玲子の幼なじみが犯人と言うことで、玲子が中心と思われたが、実質的には正木本部長が話の中心だった。「特警ウインスペクター」でも過去色々恨みを買っていたものだが、相変わらずだ。そのため今回正木の活躍シーンがやたら多い。
 刑事ドラマとして重点が置かれているため、活劇シーンは抑え目。まあ正木が頑張ってるのが救いか。
 玲子としても幼なじみの復讐の相手と知りながら警視庁に入り、正木の下に付いたというのはどんな心境だったのやら。その辺もう少し突っ込んで描写して欲しかったところでもある。
 今回も犯人を救う事が出来ず。かなり重めの話に仕上げられている。
 一也の秘書役沼田勝一役は高品剛。「大鉄人17」の岩山鉄五郎役。あと、殺し屋の次男役は現役のスーツアクター岡元次郎(主に仮面ライダー役が多い。
<お姉さんをソルブレインに逮捕されてしまった真柴三兄弟の次男だが、何故か「姉貴」と言う言葉が「兄貴」と聞こえる。私の聞き間違いとは思うが、ひょっとしてほんとに兄貴だったりして。>
VOL.2
<A> <楽>
第12話 誕生!新ドーザー

  脚本:杉村 升
  監督:小笠原猛
 少女吉田由美の元に夜な夜なかかってくる母からの電話。しかし由美の母は10日前に交通事故で死亡していた。その頃ソルドーザーの新しい変形プログラムが進行していたのだが、ドーザーは頑なに変形を拒んでいた…

 オカルティックな話にソルドーザーの変形を加えた話。ドーザー自身は自分が人間に準じた存在であると主張するため、ブルドーザー型に変形するのには拒否反応を示しているが、それを説得するのが本作の肝となる。ドーザーは生まれて3ヶ月と言うが、丁度劇中時間に合わせていたのかな?
 それでソルドーザーの変形だが、CGが使われている。この時代では珍しいが、これが後の特撮のスタンダードになっていく。
 マッドサイエンティストが登場しているが、やっぱりこの作品はそれがあってこそ面白くなるし、それにぴったりのシチュエーションが用意できるのが強みだ。
 ラストで由美の母親の心をプログラムされたマネキンが出てくる。ほとんどシチュエーションとして『サイコ』っぽい。こどもにはトラウマじゃないかな?
 劇中交通安全教室をしているシーンがあったが、そこで玲子が「ウインスペクターのウォルターやバイクルもやってた」という発言あり。物語がつながっていることがよく分かる一コマ。
 由美の父誠一を演じるのは森篤夫。声優の方で有名で、「超人機メタルダー」ではクールギンやトップガンダーの声を演じていた。
<押しかけハウスキーパーする亀吉とドーザー。それを簡単に受け入れてしまうお父さん…どっか頭のネジ外れてないか?
 母親ロボットを開発した岡島博士はコンピュータに自衛プログラムを組み込み、近づくものを攻撃する…とんでもなく矛盾しているが、それがマッドサイエンティストという生きものだ。
 火に巻かれた由美は口を動かさないまま「助けてー」と叫んでいる。
 お母さんの全人格が入ったフロッピーにはしっかり“3M”と書いてある。人間の記憶がその程度で収まるものか?>
第13話 殺人プレイバック

  脚本:杉村 升
  監督:新井 清
 ひき逃げを起こした悪夢を見て目覚めた大樹。その後ソルブレイン本部にて、その証拠ビデオが送られてきてしまう。身に覚えはないものの、それが証拠とされ、大樹は一時拘束されることに…

 冤罪により捕まってしまう主人公。そしてその無実を信じて働く同僚達。特撮作品では普通ない物語で、むしろ刑事物っぽい話が展開する。
 主人公の夢に入り込む犯人というのは、前作「ウインスペクター」でもラストの展開であったな。実際今回のソルブレイバーの出動時間は極めて少ない。全部で一分弱。
 今回捜査がメインなので、正木本部長が出ずっぱりで、メインの活劇も正木が行っている。
 犯人の広沢の部屋は特撮のビデオがいっぱい。しかもこどもの事故現場を撮影した写真まで置いてあった。これっていわゆる宮崎事件をトレースしてるようだ。ソルブレインが好きなあまり、心中まで考えてるとか、完全に精神疾患の様相あり。
 …特撮ファンがみんなこんな人間だと思われると困るんだが、決して自虐的にはなってない。こういうものもネタに出来るのが特撮の面白いところかな。
<車に轢かれて倒れ込んだ少女の姿。ビデオでは単に崩れ落ちただけだが、大樹の夢では派手に吹っ飛んでる。
 夢コントロールマシンというのが出てくるが、大樹が見ている夢は何故か第三者視点で自分を見ている。
 夢コントロールマシンを使われた正木本部長は犯人に対し「殺してやる」とか言っている。この番組では普通言わないよな。
 広沢が警視庁に送りつけたビデオには、正木の主観視点まで入っている。これでは証拠ビデオにはならないよ。>
第14話 愛を呼ぶ銃弾

  脚本:山田隆司
  監督:三ツ村鐵治
 今まで人に向けて銃を撃ったことがないということが誇りの影山巡査。そんな影山の勤務する派出所に拳銃強盗が入るのだが、やはり影山は拳銃を撃とうとしなかった。

 特殊装備を持ち、格好良く犯人逮捕するソルブレインと、あくまで地域に密着してしなくても良い苦労をする巡査。そのどちらが優れているか。という問いに対し、どちらも重要な仕事をしているというオチの話。下手に格好良いだけが本当の勤務ではないというのは、ある意味自己否定とも言えるが。
 話に合わせてか、ソルブレイバーはほとんど活躍らしい活躍をしてなかった。
<相変わらず体を張ってる正木本部長。無関係の人間が病院の中にバイクで入り込むとか、無茶なことをやってるけど。
 ビルの中での火災を前にドーザークローラーに変形するソルドーザー。あんまり意味がない気がするんだけど。格好良いから良し。
 牧丘が上がったビルの屋上に突如現れる影山と正木。待ち伏せてたら、上がった時点で捕まえろよ。
 影山の心中まで全部解説する大樹。それくらい本人に言わせろ。
 影山の辞職届を破り捨てる正木。上司じゃないんだから、それやっちゃいけないんだろうな。
 最後のナレーションで「頑張れソルブレイン」と言っているけど、今回に関しては言われるほど活躍してないな。>
第15話 人形は平和の使者

  脚本:高久 進
  監督:小西通雄
 玲子が町で出会った篠崎という老人。彼はマリアという人形を孫としてかわいがっていた。そんな篠崎のマリアへの愛に目を付けられ、マリアを誘拐されてしまう。
 人形を“孫”として慈しむ老人を襲う不良達。不思議なテーマの話。一種のコメディのような気もするんだが、人の愛の形は様々で、そう考えると決してコミカルな話ではない。
 現代の親子のあり方とかかつての太平洋戦争についても言及あり。かなり真面目に作られている感じ。
 社会的な逸脱を叱るのは老人の権利。しかしそれを暴力で返す若者という図式は、社会の縮図としても見られるだろう。特撮っぽくはないけど、これが出来るのが本作の強みだろう。
 ちなみに親善大使として日本に送られた青い眼の人形というエピソードは実話だが、それは大正時代のこと。篠崎が持っている人形はあまりにも新しすぎるのが愛嬌か?(ちなみに日本には今も数体残っている)
<強盗を起こしてその証拠も挙がっているのに、ソルブレインを見て「お前らの出る幕じゃない」とか言う不良達。お前ら薬でもやってんの?
 人形マリアが本当に青い眼の人形だったら、相当高く売れるんだが、その辺が全く分かってない不良たち。まあそれはそれでいいのか?
 亀吉にマリアの修理をお願いした際、正木は「ソルドーザーの複雑なメンテも出来るんだから出来ない訳無いだろう」とか無茶苦茶言ってる。全然違うだろうが。
 最後に「青い眼の人形」を歌っているのは玲子。ここはやっぱり正木に歌って欲しかった…うん。>
第16話 母艦S.S.-I消失

  脚本:杉村 升
  監督:小西通雄
 こども達がソルブレインの見学に来た。案内する大樹たちだったが、S.S.-Iを案内している時、S.S.-Iが何者かの誘導電波によって動かされ、行方不明になってしまった。中にいるはずの大樹とこども達を
 ソルブレインの母艦S.S.-Iが何者かによって奪われ、更に縮小されてしまうと言う、ある意味科学マインドに溢れた話。尤も、縮小装置の理論とか、色々穴があるので、単なる「この世界は何でもあり」としか言いようがなかったりする。まあ、おかしな科学者が出てくるのはこの作品の味とも言えるか。
 今回は理はあったとはいえ、結局テロリストのもくろみが成功した形になってしまった。ちょっと苦い終わり方だが、単に悪人を倒す事が事件解決ではないというのがよく表れてもいる。
<別段今回に限ってのことではないが、警視庁の裏にS.S.-Iがあるとしたら、都内にそれだけ大きな敷地があると言うことだよな?とてもそうは見えないんだが。
 S.S.-Iが強奪され、「どうしてこんなことになったんだ」と愕然とする正木。あなたが見学を許したからこうなったんです。
 笠原がS.S.-Iを強奪した理由は、色々説明はしてるものの、分子間凝縮装置の成果を会社に取られたからだという。それっていわゆる逆恨みって奴では?
 笠原は会社を破壊したらS.S.-Iを戻すと言ってるが、S.S.-Iの中に爆弾を満載させて会社に突っ込ませるという。最初から壊す気満々じゃないか。
 普通の住宅街に全長30メートルというS.S.-Iを置いて、しかもそれが大きくなったり小さくなったりしてるのに、誰もそれを通報しないのか?
 笠原がS.S.-Iに搭載した爆弾はミサイルのような形をしていて、しかも信管の部分から落ちてるのに爆発しない。実は時限式だったというのだが、だったらなんでそんな形にした?
 ソルブレイバーになってS.S.-Iの修理をする大樹。ブラスアップする必要ってあったの?
 S.S.-Iより早く巨大化した爆弾。時間差?
 最後に会社に置いてあった分子間凝縮装置が壊れ、「これで良かった」と言う笠原だが、その傍らにはもう一つの分子間凝縮装置が…これを壊さなきゃ何の意味もないんだけど。>
第17話 手錠のままの脱走

  脚本:宮下隼一
  監督:小笠原猛
 連続殺人強盗犯人の永田哲也が逮捕された。決して組織のことを話そうとしない永田から自供を引き出すため、大樹は囮捜査を名乗り出、永田と手錠に繋がれて護送車に乗る。予定通り護送車は故障し、永田と大樹は手錠でつながったまま逃げ出すのだが、連絡が途絶えてしまう。
 囮捜査で犯人と一緒に逃げることで友情を深めるという、どこかの映画で出てきたような設定の話。ドラマ部分に力が入っていて、30分に良く収めたと言う位話が詰まっている。
 今回は手錠を付けられたままの脱走と言うことからか、いくつもの映画からの引用が見受けられる。タイトルはそのまま『手錠のま〃の脱走』からだし、他に『網走番外地』『ミッドナイト・ラン』『48時間』などからの引用が散見。別段パクリという訳ではないけど。
 今回吹き替え無しで橋から飛び降りるとか手錠付けられたまま川に流されるとか、なかなかすごいアクションシーンもある。体張ってるなあ。
 今回永田役は「超電子バイオマン」のレッドマン役の阪本良介。
<あんまりツッコミどころがない話ではあるが、危険な任務である囮捜査をやってるのが唯一のソルブレイバー装着者というのに根本的な問題がある。
 発信器一つを落としたらもう追跡できなくなってしまった。GPS時代になったら、これ自体がもはや古すぎる描写になる。
 自分のことを「俺がちんぴらじゃなかったら何だって言うんだ?」と言う大樹。自分をそこまで貶めるか?
 金のインゴットを取引してるシーンあるけど、片手でトランクを軽々と持ってるとか随分軽そうだ。>
第18話 明日へ走る自転車

  脚本:鷺山京子
  監督:小笠原猛
 こども達の憩いの場であったサイクリングロードがイーストケミカル社の工場設立によって潰されそうになった。指導者の鶴岡らは工場設立反対の署名活動を開始するが…
 市民の憩いの場を守ろうとする人々と、それを取り巻く環境に立ち向かうソルブレインの姿が描かれる。話はとても地味で科学的なアイテムがほとんど出てこないが、これはこれで本作らしい造りだ。
 今回話の中心となるのは鶴岡。ほとんどこれまで出てくるシーンがなかったが、今回でようやくその個性を出すことができた。
 車に引きずられるソルブレイバー。更に引きずってるところに爆発が。体の張り方が半端じゃない。
<この時代でも音声記憶媒体はカセットテープなんだな。
 なんでわざわざ取引場所を採石場にするんだか。ご丁寧に爆発用のドラム缶もそこらかしこに。
 不正を暴かれただけで鶴岡を殺そうとする柳田。どっちの罪が重いのか考えたことある?>
第19話 亀ちゃんと探偵娘

  脚本:扇澤延男
  監督:石田秀範
 ソルブレインに出向していた科学者谷口九一が殺害された。そんな時、亀吉の前に一二三という探偵志望の娘が現れる。実は彼女は九一の妹であり、亀吉は彼女に振り回されることに…
 亀吉を中心とした珍しい話。コメディリリーフが多いキャラだけに、今回もそれに沿った話が展開していく。ただ、人殺しが前提にあったということで、多少重くもあり。
 いつも元気な亀吉だが、事件の渦中に巻き込まれていながらやっぱりハイテンション。最後は技術者らしく危険な任務をきっちりこなしていた。
 一方、いつに増して厳しい態度で臨む正木本部長。
<妙な名前だと思ったが、九一は九月一日生まれ。一二三は一月二十三日生まれ。単純すぎる。
 ちなみに本作が石田秀範監督のデビュー作となる。
 「この写真を見てピンと来たの」と言った次の瞬間、チャイムが鳴ってる。ありがちだが面白い演出だ。
 出向とはいえ職員が殺されたので、捜査を開始するソルブレイン。ここの捜査権って結構範囲が広いな。>
第20話 涙の手錠を打て!

  脚本:山田隆司
  監督:石田秀範
 不良に絡まれた一人の留学生が事故死した。その事故を起こした大学生を捜し当てては殺害していく影があった。それこそ殺された留学生の父親デヴィッド・コスギだった。香港警察のデヴィッドは実は大樹の教官だった。
 大樹本人に関わる話で、かつての教官であり、恩人でもある人物に手錠をうたねばならない悲しみをピックアップした話。
 一方で、訓練を受けた警察官が自らの娘のために殺人を犯すという話でもあり、刑事物ではよくある話。更にそこに権力を笠に着て犯罪を犯すどら息子の話も絡め、かなり盛りだくさんの話になってる。どんな悪者であっても救わねばならない命があり、同時にどんなに理に適っていても、捕まえなければならない人間もいる。
 心に手錠を打つという教官の言葉に、その教官に対して手錠を打つ。上手く出来た話でもある。上手く出来た分、ツッコミも少ない。
 デヴィッド・コスギを演じるのは中田譲治。声優として有名な人だが、「超新星フラッシュマン」のサー・カウラーを演じている。
<犯人の手口で「俺の恩人」の事を思い出す。と言っておきながら、純に「コスギ教官のはずはない」と聞かれなくても名指しで言っている。明らかに疑ってるだろ。>
第21話 帰って来たWSP(PART-I)

  脚本:杉村 升
  監督:三ッ村鐵治
 先のウインスペクターのファイヤーが使用していたギガストリーマーが送られてきた。必死の特訓の成果でギガストリーマーをものにする大樹のソルブレイバー。そんな時、東京にバイクルとウォルターが東京で目撃されるのだが…
 前作「特警ウインスペクター」が客演した話。前に「機動刑事ジバン」で前作「ジライヤ」の弟が客演したことはあったが、実際にヒーロー本人が出てきたのは初(正確には「宇宙刑事シャリバン」でギャバンが出たことはあるが)。「ウインスペクター」の主題歌と共に過去シーンが流れるのはなかなかぐっとくる演出でもある。
 とは言え、三話も使っているため、今回は顔見せとウインスペクターの活躍を振り返るのが話の中心となっている。改めて思うと、ウインスペクターの方がより特撮としてはそれっぽいのかもしれない。
 ファイヤーを超えたいという大樹。このファイト魂が必要だと言うことを言いたいのだろう。
 そして登場する竜馬。なんと初対面で大樹にローリングソバットをかましている。
<ウインスペクターの活躍を回想しているのに、端々に自分自身の活躍が出てくるのが正木らしさだな。
 回想シーンは基本的に格好良いシーンばかりなのだが、結構ツッコミが入ってたところも出てきてるな。
 メンテナンスのために送られてきたはずのギガストリーマーを勝手に試射するソルブレイバー。そんな事して良いのか?
 ギガストリーマーの試射で吹っ飛ばされるソルブレイバーに、「納得いくまでやれ」と指令する正木。納得する前に体がバラバラになりかねないんだが。
 極秘任務中というウインスペクターに、「まあいい。ウインスペクターはウインスペクターだ」とか連れない言葉を言う正木。>
VOL.3
<A> <楽>
第22話 非情のファイヤー(PART-II)

  脚本:杉村 升
  監督:三ッ村鐵治
 出会った竜馬に捜査妨害をされた上、なんとこどもを撃とうとしたシーンを目撃した大樹はショックを受ける。その後ウォルターとバイクルから連絡を受け、二体と会うが、二体も竜馬の行方を知らないと言う。そんな時、竜馬の姿を見かけた大樹だが…
 前作ラストでいきなり竜馬が悪人になってしまったような描写があり、なかなか緊迫した状態で話が開始。決して本心を明かさない竜馬に対し、不信感を募らせる大樹という構図が出てきた。
 謎の“メサイヤ”というキーワードが重要になるが、2話現在ではまだその真実は明かされていない。
 ファイヤーとソルブレイバーのそろい踏み。「着化」「ブラス・アップ」が同時に観られるのは楽しい話だ。一方、ウォルターとバイクルとソルドーザーが一緒にいるいるのも面白い。
 メサイヤの人間態として登場したのは堀田真三。東映特撮では数々の悪役をこなしてきた重鎮。ただ残念なのはほとんどしゃべらなかったこと。この人の「ぬわぁっはっはっはっ」という笑い声が効きたかったな。
<メサイヤが化けた女性は竜馬のことを「この人頭がどうかしてる」とか言ってる。この当時はまだこの表現許されてたんだな。
 メサイヤに搭載されている自爆装置は半径200メートルを吹き飛ばすとか。ロボット一体を破壊するにはあまりに威力が高い。大体諜報用ロボットなら隠密用だろ?
 藤波博士がメサイヤの開発に関わってると知り、メサイヤが諜報用ロボットであることを推測する正木。そこまで頭が回るのか?
 ウインスコードはなくなったが、ちゃんと着化が出来るように車を改造しているらしい。もうあの車は無くなったのかな?そう言えばよくこんな車が極秘任務で輸入できたな?
 松川電子工業は「人家から離れていて被害は最小限度に抑えられる」と言うファイヤー。外観は普通に道路とかビルとかが密集していたようなんだが?>
第23話 竜馬から大樹へ!(PART-III)

  脚本:杉村 升
  監督:三ッ村鐵治
 メサイヤは破壊するしないと主張する竜馬に対し、メサイヤが人間なのではないか?と疑問を持つ大樹はメサイヤを作った藤波博士に問い詰め、その頭脳には実際の人間の脳が使われていることを告げられる。時限爆弾が爆発するまで残り僅か…
 ソルブレインとウインスペクター共同作戦の最終章。
 メサイヤが人間であることを承知しながら、大勢の人を救うためには仕方ないと割り切る竜馬と、どうしても割り切れない大樹の心の葛藤がこの話の見所。モンスターはメサイヤではなく、それを作ってしまう人間の方だという結論となる。
 そしてギガストリーマーをソルブレイバーに託すファイヤー。これによって完全に主役交代が成立した。
 堀田真三の叫び声は今回もなかった。それが残念。
<黒のブルゾンと白いシャツという竜馬と大樹の格好はそっくりだな。まあ顔のことはさておき。
 ファイヤーに向かって手榴弾を投げるメサイヤ。ピンが抜かれてないんだが、ちゃんと爆発はしてる。
 ソルブレインのバンに乗ってるバイクルはいらんこと言うだけで、捜査自体は玲子や純に任せてるだけ。空を飛んで調査しているウォルターとはえらい違いだな。
 街中でギガストリーマーを乱射するソルブレイバー。その角度からしたら、民家やビルに当たるんだけど。
 結局街中で爆発したメサイヤ。半径200メートルの被害は結局出なかった。>
第24話 オオタカを救え!

  脚本:高久 進
  監督:小西通雄
 友人の夏木圭子と共にバードウォッチングを楽しむ大樹。そんな時東京の町に大鷹が帰ってきたという。しかしその大鷹を狙う密猟者も又現れる。大樹と知り合った不良少年の陽一は密猟者に声をかけられるのだが…
 一人の少年を主人公にして環境保護の大切さを訴える話で、前作「ウインスペクター」でも何作かあったが、まさしく宮内洋言うところの「特撮は教育番組」を地でいく話となっている。
 話としては大変こぢんまりした感じだが、密猟者に対してギガストリーマーをぶっ放すとか、無茶な描写もあり。
 圭子役は「仮面ライダーBLACK」の紀田克美役の田口萌。
<非番の時でもソルブレインの制服姿の大樹。この人に公私とかないんだろうか?
 不良少年陽一は大鷹を発見する。一発でそれが大鷹と分かるこいつもたいしたものだ。
 密猟者は多摩川の河川敷で猟銃ぶっ放してる。密漁以前に捕まるって。
 警視庁には密猟者のリストもあるらしい。個人情報垂れ流しだな。
 圭子の足下の地面を撃った密猟者だが、圭子は肩に怪我を負っている。そもそも散弾なんだから、こんなピンポイントに着弾しないんだけど。
 密猟者に対しソルブレインのみならず警視庁の全署員に非常招集をかける正木。どんだけ権限持ってるんだ?
 野鳥は害鳥だという犯人に対し、野鳥の大切さを熱弁するソルブレイバー。えらく説明的な台詞だ。
 犯人が立て籠もった廃屋には特殊液体火薬のドラム缶が山ほど。これって立派な不法投棄だよな。>
第25話 巨大母艦応答せよ

  脚本:杉村 升
  監督:小笠原猛
 島野教授が開発した大気圧変換装置が何者かに奪われ、それを用いての破壊工作が行われていた。島野教授からの通報を受けたソルブレインはS.S.-Iで犯人がいると思しき岩手に向かう。
 本作の大きな特徴でありながら、あまり出番がないS.S.-I。出てきても碌な事がないといういつもの話。出動したのはいいけど、その行く先々で火災が起こってなかなか現場に到達できないという姿がある。
 嘘をついている人物に、一緒に救急活動をしようと提案する主人公とか、一応の推理ものにもなっているが、肝心の特撮画面が少なすぎる上、ほとんど物語と関わりがないため、今ひとつ燃えない。
 島野博士を演じるのは石橋雅史。「ジャッカー電撃隊」のアイアンクローや「科学戦隊ダイナマン」のカー将軍でお馴染み。今回の役所は情けない博士役だったが、かつての馬場壮吉とアイアンクローとの対決を彷彿させる。
<S.S.-Iが着陸する場所はみんな同じに見えるんだけど?>
第26話 罠をしかけた刑事

  脚本:扇澤延男
  監督:小西通雄
 警察署の前で交通事故が起こる。跳ねられた男は連続企業爆破集団「5月のバラ」の一員で、指名手配中の草野だったが、跳ねられたショックで記憶を失ってしまった。公安の木崎は草野を用いて5月のバラを壊滅させようと考えるが…
 正義感溢れるため、やりすぎる刑事が登場。警視庁の中でも特殊な地位にあるソルブレインと公安が真っ向から対決する組織論の話になっている。
 犯罪者の心も救おうとするソルブレインと犯罪者を人間と思わず徹底的に潰そうとする公安。本作のテーマをきっちりと描いた好作となっている。物語としてはかなり質が高い。
 一方5月のバラの組織はまるで学生運動の本部のようだ。こんな時代も実際にあったんだよな。彼らの主張も、腐った企業に鉄槌を下すという、まさに学生っぽい主張で、そこが良い(強いて言えば、放映時代からはちょっとずれてるんだけど)。
 この作品だったら、もうちょっと人物描写を丁寧にやってたら一時間番組としても充分やっていけるな。その分ソルブレイバーの活躍はほんの僅かなんだが。
<5月のバラは盲点として警察署の近くにアジトを持っていたという。でも顔を見たらすぐに分かる人なんだから、盲点も何も無いと思うんだが。
 木崎のことを「容疑者に口を割らせるためなら、拷問紛いのことも平気でやる」と言って憤慨していた純。前回大樹がやってたこともそれに近いんだけど。
 正木に「査問会議にかけて懲戒免職にしてやる!」とか「目上に対する礼儀も知らんのか」と怒鳴ってるシーンがあるんだが、階級的に言えば大木と同等か、低い地位なんだけどね。>
第27話 お話し植物の秘密

  脚本:杉村 升
  監督:小笠原猛
 パトロール中に純は一人の少女と知り合う。その女の子智香子の父手塚博士はネオレラという知能を持った植物の研究をしていた。そんなネオレラを狙い、賊が研究室に忍び込むのだが…
 人間の研究が悪の組織に利用されてしまうと言う一昔前の特撮っぽく仕上げられた話。ただ、丁度この当時バイオテクノロジーの研究が進んでいたこともあり、丁度良い融合というところか。作品のカラーに合わせ、結構ほのぼのした作品になってる。マッドサイエンティストはレスキューポリスと相性が良いが、こういう話も出来ることを示した。
 今回は純と少女の心の交流の話でもある。こういう話も良い感じ。
 どうやらこの時代はライフサイエンス解禁のようで、遺伝子組み換えによって植物を使った知能の研究とか、こんなのも普通に行われているらしい。これはこれで問題のある時代でもある。
<純の勘は冴えていて、ぬいぐるみの中にネオレラが潜んでいることを推理した。でもそんな推理できる人間がいるとは思えないんだが。
 流石にまだCGは普通には使われていないので、ネオレラは全部ぬいぐるみのように使われている。安っぽい動きだが、それが実に良い。
 話に困ると爆発を起こすのがこの作品の特徴だが、智香子が逃げ込んだのがたまたま化学薬品工場で、しかも拳銃一発で大爆発が起こるとか、なんぼなんでも今回の爆発は無理がありすぎる。
 「罪を償う」という手塚博士。この場合の罪って、許可されてない遺伝子操作をしたからかな?でもそれはこの世界ではたいした罪にはならないと思うんだが。別段人殺しをした訳でもないし。それともネオレラがやったことも全部ひっくるめてなのか?>
第28話 急げ!命の母艦

  脚本:杉村 升
  監督:三ッ村鐵治
 ビル火災に出動するS.S.-I。救助活動中、脱走犯の巽次郎という男がS.S.-Iに乗り込み、少女を人質に立て籠もってしまう。巽を追ってS.S.-Iの中に入った大樹は巽によってS.S.-Iの操縦士に選ばれてしまう。
 出てくる度に酷いことになるS.S.-I。今回もやっぱり酷い目に遭ってしまう。活躍の場が本当に少ないな。
 それと今回は玲子が非情に重要な役で登場。救助がメイン任務のためあまり目立ったことが出来ない玲子だが、今回は少女の手術を行ったりS.S.-Iの操縦で活躍。大変凛々しい姿が拝める。
<犯人巽次郎に一々説明的な警察の面々。丁寧な説明ありがとう。
 しかし、わざわざソルブレイバーをパイロットに選ぶ巽の精神がわかりにくい。
 人質の少女を撃ってしまった巽に対し、「この子はお前の命綱なんだ」とか言う大樹。正論だが、女の子がいなくなったら殺すと言ってるようなもんじゃないのか?
 生命の危機に陥ってる割にやたら頑丈な美由紀。死にかけてる癖に大声でなんども「お兄ちゃん」を連呼してる。>
第29話 子供帝国の反乱

  脚本:山田隆司
  監督:三ッ村鐵治
 ソルブレインのコンピュータが何者かにハッキングされてギガストリーマーのデータが盗まれた。更にギガストリーマー作成に必要不可欠なジルコナイト3-2も盗まれてしまう。何者かがギガストリーマーを作ろうとしていると見た正木部長はソルブレインに出動を命じる。
 タイトル通りこどもが大活躍というか、大迷惑をかける話。こどもと言うより天才的なガキと言った方が良いか?その目的とは、こどもが自由に生きられる王国を作ろうというもの。この設定は特撮では結構良く使われる傾向にあるが(特にメタルヒーローシリーズでは多用されている)、元々の使用目的が悪いことでは無いというのがこの作品の特徴になってる。
 株とかを上手く使えばこどもでも大金持ちにはなれる。しかし天才と言っても株をコントロール出来る人はこれまでのところほとんどいないのも確か。
<いくら相手がこどもだからと言って、機密を次々に明かしてしまうソルブレイン。正木だけはそれでもちょっと気にしてるみたいだが。
 ソルブレインのコンピュータのアクセスコードは「RESCUE.LIFE&HEART」。随分単純なパスワードだな。でもどうやってそれを知った?
 ミニギガストリーマーの反動は2Gだそうだが、全くの反動無しでこどもが撃っている。
 相手がギガストリーマーの複製持ってるってこともあるんだが、こども相手にギガストリーマーぶっ放すヒーローってどうだろう?
 アキラ少年の主張は「こどもがこどもらしく生きられる社会を目指す」というもの。高度成長期にはこれはとても重要な考えだった。そう考えると、現代がいかに潤いのない社会であるかを考えてしまう。>
第30話 神様はつらいよ

  脚本:扇澤延男
  監督:小西通雄
 ドジな泥棒犬山は、盗みに入った神蔵産業で、偶然深海作業用パワードスーツを着込んでしまう。大きな力を手に入れた犬山はその力に酔いしれるが、その善意が「神様」と呼ばれてしまう。自分でスーツを脱ぐことは出来ず、更に酸素は4時間しか保たない…
 特別な力を手に入れてしまった人間の悲喜劇が描かれる話。
 大いなる力を手に入れてしまった人間は、善意を拡大させる。ただしその善意を利用しようとする人も又存在する。この手の話は脚本の扇澤が得意とするもの。
 今回怪しげな宗教団体が登場するが、現代では到底出来ない描写だろう。
 犬山を演じているのは石ノ森章太郎の息子小野寺丈。「星雲仮面マシンマン」では亀太役だった。今や俳優ではなく小説家として仕事してる人。
<「もっと良いことをしたいからスーツを着させてくれ」という犬山に、特別な猶予を与える大樹。盗人に追い銭とはまさにこのこと。
 工場を爆破した犬山に、「誰がこんな事をさせたんだ」と呟く大樹。遠因はあなたです。
 人の願いを叶えるために命さえ投げ出そうとする犬山。よっぽどこれまで良いこと無かったんだろうけど、こんなに良い人間ってのも現実離れはしてるよな。
 なんとソルブレイバーよりも強い犬山のパワードスーツ。ソルブレイバーの活動時間が10分なので、4時間も保つ分、こっちの方が遙かに高性能なんじゃないのか?>
第31話 彼女は夢の未来車

  脚本:扇澤延男
  監督:小西通雄
 大樹の先輩南部夫婦が完成させた未来カー“T-01”。フルコンピュータ制御で絶対に事故を起こさないという画期的なものだった。だがT-01からは“言葉”が聞こえると、ソルドーザーが言う。そんな矢先、T-01が盗まれてしまう事件が発生する。
 ソルドーザーを主人公に、車同士での感情の交流が描かれる話。ロボットが恋心を抱くのは前作「ウインスペクター」でもあったが、機械同士というのがこの話の面白いところ。今回は感情を持った車が人を殺した場合、殺人者となるのか?という緊張感のある話に仕上げた。
 車が喋るのはディズニー映画の『ハービー』若しくは『フラバァ』と似たような設定だが、死者も出ているので、それなりに話は重い。最後にソルドーザーが歌う「シャボン玉」の童謡の2番はとても切ない。こういう話が出来るのが面白い作品だ。
 南部光利を演じるのは「地球戦隊ファイブマン」のファイブレッド星川学役の藤敏也。出演は短かったが。
<T-01のベースとなったのはビートル。なんか安っぽい感じがあるが、趣はある。ちゃんとVWのエムブレムも目立ってる…というか、目立ちすぎてる気もするが。
 ソルドーザーがいるのにT-01を奪おうとする窃盗犯。警察官を前にして盗みを働こうとしていることになるんだが、それ無茶だよな。
 T-01を彼女と認識しているソルドーザーだが、その姿はメンヘラ女性を必死に止めようとしている男に見えるぞ。
 T-01を自らの手で破壊するソルドーザー。でも手を振り下ろした時には車はどこにも無かった。>
第32話 警官殺人を追え!

  脚本:高久 進
  監督:小笠原猛
 大樹の親友の田中巡査が何者かに刺殺された。犯人らしき男は逮捕されたのだが、その娘は、犯人は絶対父ではないと主張する。少し前に田中が仕事を辞めたいと言っていた事を聞いていた大樹は、この事件の背後があることを察する。
 推理に特化した話で、特撮ではなくむしろ刑事物として考えた方が良い話になってる。このパターンも結構多い。オチとしては、意外な人物が出てくるが、これも刑事物の定番。
 ドラマ部分に力が入っている分、特撮部分はほんのわずかな時間しか取れなかった。
 最初に殺された田中巡査役は影丸茂樹。次回作「特捜エクシードラフト」で主人公を張ることになるが、他にも「ウルトラマン」シリーズでは皆勤賞という人物でもあり。
<警視にもなった大樹の親友が単なる巡査というのは、それだけに実力差があると言うことか。それとも仕事上で後になって知り合ったのか。そして殉職した田中は二階級特進して警部となった。お墓の前でそう呟く大樹の姿はかなり嫌味に見える。
 目の前で起こったビル火災に出動するソルブレイン。何故かそこにはちゃっかりソルドーザーが。お前今までいなかっただろ?>
VOL.4
<A> <楽>
第33話 勇者が涙を流すとき

  脚本:宮下隼一
  監督:小笠原猛
 かつて大樹が逮捕した少年滝田公平が少年院を出所した。だが不良仲間と合流した滝田はごろつきから危険な荷物の運搬を頼まれることになる…
 不良少年の更生の話になるのだが、なんか複雑というか、強引な話になってる。本当の勇者とは何であるかということを語る話となっているのだが、不良少年役が今ひとつ演技力ないため、なんだか痛々しい話になってしまった。
 珍しく正木が厳しいことを言っている。一人の少年を理解することが、結果として多くのこどもの道を誤らせると語っている。らしくはないな。
 一方、今回出ずっぱりだったのが純。拳銃の腕も確かなようだ。
 ちんぴらの土居役は東映特撮では数々の美形悪役を演じた広瀬匠。
<刑務所から出たばかりで警察を襲撃する滝田。これって公務執行妨害ですぐに少年院に戻されるよ。襲ったのが大樹で良かった…と言えるかどうか。
 こどもを脅すのに折角盗み出した高性能爆薬を使おうとする土居。これ爆発させたら自分も消し飛ぶんだけど。
 で、実際に爆発したら、あんまり派手には爆発してなかった。
 公平が鑑別所から少年院に送られるシーンがあるが、柵がとても低い。これじゃ逃げろと言ってるようなもの。>
第34話 新英雄九州へ!I

  脚本:杉村 升
  監督:小西通雄
 新和精密工業の専務の息子中田光夫が誘拐された。犯人の言うとおり身代金を持っていくが、そこに犯人は現れず、爆弾が仕掛けられていた。更に連絡を受けたソルブレインの前には怪人が現れ…
 21話で客演した前作「特警ウインスペクター」の主人公香川竜馬が、新装備ナイトファイヤーとして本格的に帰還した。今回はその前編。今回はソルブレイバーの危機に現れるというおいしい役回り。
 新キャラ登場と思ったら、実は前作の主人公というのは、なかなか意表を突いた起用。世界がつながっているからこその話とも言える。「仮面ライダー」シリーズでは、前のヒーローが客演していたけど、ここではレギュラーだもんな。
 今回はタイアップ企画なので、施設名が何度も連呼される。最近は少なくなったが、これあってこその特撮とも言える。
 今回は劇中歌がやたら多い。前後編で中だるみしないように配慮か?
 犯人の高岡隆一はてらそままさきが演じている。クロスの声と同じだが、全く違って聞こえる辺り、この人の演技は上手い。今回のクロスがちょっと声の調子高いのは、ここに理由があるのか?
<ホテルの従業員の声が妙に甲高い。本物の役者じゃないのか?
 ホテルの正面入り口に駐車してある大樹のソルギャロップ。こんな目立つ車をこんな所に置いたら、警察が来てることが犯人にはばればれでは?
 主人公のソルブレイバーよりも新しく出たナイトファイヤーの方がヒーローっぽいデザインしてるんだけど。>
第35話 新英雄九州へ!II

  脚本:杉村 升
  監督:小西通雄
 モンスターの正体は、液体金属・OG-9を注入された元プロレスラーのボンバー本間だったことが分かった。ナイトファイヤーの登場で何とか危機を免れたものの、高岡の復讐は続いている。
 前回衝撃的な登場をしたナイトファイヤーとパイルトルネードの威力を遺憾なく発揮した話となる。そのために金属人間という敵を配しての肉弾戦にしたのは良い手。本作では珍しい戦いメインの話だが、その中で復讐劇と親子の絆を描いているのが本作らしさと言えるか。
 どんな悪人であっても、息子を思う親の心は本物で、その愛情に応じる息子。それが本作の「心を救う」につながっていく。
 理性を失い、怪獣化したボンバー本間をどうするのかという事も本作の重要な点。こどもの涙に正気を取り戻し、そこで死んでいくその姿は涙を誘う。
 そして高岡を追うため、竜馬はICPOから出向し、ソルブレインの一員として常駐することに。客演を超えた競演が実現した。
 今回からナイトファイヤーの装着も「ブラス・アップ」に。格好はソルブレイバーだが、色はソルジャンヌと同じ。結構ややこしいヒーローになってる。
 てらそままさきは悪人役が結構良く似合う。やっぱりシャドームーンのイメージが強いせいかな?
<ナイトファイヤーはICPOが開発したそうだが、ボディはソルブレイバーと同じ。結局ソルブレインの方がほとんど作ったのではないか?
 高岡は銀色のブランコに乗っているが、それがどこにつながっているのか最後まで明かされなかった。
 高岡が持っている銃はM16。でもビームを撃っている。>
第36話 誘拐犯は隊長!

  脚本:杉村 升
  監督:三ッ村鐵治
 何者かにさらわれようとした少女を救った大樹だが、突然少女の誘拐犯として指名手配されてしまった。少女と共に逃避行を続ける大樹だが、ついにソルブレインからも指名手配を受けてしまう。
 突然全てのつながりが断たれ、使命手配犯となってしまう大樹の苦悩が描かれる。まあオチは分かるとおり夢オチとなる訳だが、それまでに誘拐犯にされるわ、人殺しにされるわ、挙げ句の果てに死刑を宣告されるわと踏んだり蹴ったり。
 それにしても洗脳に縁のある大樹で、これで洗脳されたのが3回目になる(4話と13話で行われてる)。
 レスキューポリスシリーズでは何かと相性の良いマッドサイエンティストもので、今回もなかなか良い感じ。
 ただソルブレイバーの装着時間は10秒ちょっとという本当に短い時間で、これだったら付ける意味がなかったんじゃないか?
<群衆が大樹に石を投げるシーンがあるが、普通の都会にあんな大きな石がゴロゴロ転がってるもんか?
 死刑を宣告され、誰も仲間がいないと呟いた大樹は、「本当の悪党になってやる」と言って逃亡する。この時点でヒーロー失格。本人曰く「芝居」だそうだが。
 それが偽物と確信した途端、拳銃を乱射して本部長を撃つ大樹。これもやっぱりヒーロー失格。
 大樹が洗脳装置から解かれた途端に駆け込んでくるソルブレイン。都合良すぎないか?>
第37話 哀しいヒットマン

  脚本:杉村 升
  監督:三ッ村鐵治
 インターポールのブラックリストにも載っているという鮫島がソルブレインの保護を求める連絡を入れてきた。訝りながら指定した山荘に保護に出かけるソルブレインの面々のその前で鮫島が狙撃されてしまった。その狙撃者は元ニューヨーク市警のヘンリー鳥羽。大樹は竜馬と共に鳥羽の行方を追う…
 一人のヒットマンの姿を通して正義のあり方を問う話で、これも普通の刑事物として作っても何ら違和感のない話。話にちゃんとひねりも入っているし、普通のドラマとしてはきちんと見られる作りになっている。
 その分やっぱり特撮部分がなおざりな感じ。何故かクライマックスシーンは化学工場で、そこらにあるドラム缶が爆発するパターンがこの作品は多すぎる。
 ヘンリー鳥羽を演じるのは「電撃戦隊チェンジマン」のチェンジグリフォン、「超人機メタルダー」の北八荒を演じた高橋和興。メタルヒーローシリーズでも度々顔を出し、次々回作の「特捜ロボジャンパーソン」では敵の親玉でもある。
<狙撃された鳥羽の姿が派手すぎ。撃たれた場所も左胸だし、これじゃ死んでるよ。
 竜馬の動きが固いな。久々でまだアクションに慣れてないのか?
 鳥羽の目的はありさを引き取り、アメリカで静かに暮らすこと…ま、良いか。>
第38話 死をささやく悪霊

  脚本:高久 進
  監督:小笠原猛
 若い女性の自殺者が多発していた。これには何か理由があると調査を開始したソルブレイン。自殺未遂者の口から「リガの女」という言葉が出ていることが分かるのだが…
 悪霊と戦うソルブレインの活躍を描く話。前作「ウインスペクター」では何でもありの感じだったが、本作になってぐっとリアル指向が続いていた。そんな中でのトンデモ話が投入された。
 科学部隊が悪霊と戦うというのも面白い設定ではあるが、この設定は戦隊ものの定番でもある。
 それで悪霊の退治方法は、玲子の身を張った悪霊払い。最後までオカルティックな話だった。
<特撮番組でナチスネタをするのはかなり危険な気がするのだが、大丈夫だろうか?しかもネオナチという実在の組織を出してるしなあ。内容的にやばすぎるんじゃ?
 最後に「俺たちは悪霊にも勝つ」と力強く言い放つ大樹。あまりに無責任な台詞でもある。>
第39話 夢を届けた宇宙人

  脚本:鷺山京子
  監督:小笠原猛
 装着者が思った通りに集団幻覚を見せるというサタンヘッドを悪用した銀行強盗が起こった。そんな時、ひょんな事から強盗団からそのサタンヘッドを手に入れた冴えないマジシャン水野良平。それを使ってこども達に自分は本物の宇宙人だと思わせるのだが…
 30話では神様になった善人が描かれるが、今回は宇宙人となった善人が描かれる。なんかこのネタ好きだね?それに脳細胞を破壊するような装置が出てくるのもこの作品ではよく用いられる。それがヤバイものである事を知りつつ、その熱意に打たれて大樹が放置するのも30話と同じか。
 ところでこれで良平は半分廃人になってしまう訳だが、それでも心を救ったことになるのか?
<こども達に自分が宇宙人だと思い込ませる良平だが、やってることが手品程度。せせこましいのが微笑ましい。
 それにしても試作品とはいえ、装着してすぐに頭痛がするような代物を世に出すのは無理がある。>
第40話 英雄に罠をかけろ

  脚本:杉村 升
  監督:三ッ村鐵治
 今井という脱獄犯が純を拉致し、救出に向かった玲子のソルジャンヌを徹底的に痛めつける。模範囚で後3ヶ月で釈放のはずだった今井が何故このような暴挙に出るのかを探るソルブレインだが、今井の背後には、実はかつて大樹と竜馬にやられた高岡隆一の姿が…
 34話と35話で登場し、散々ソルブレインを引っかき回した高岡隆一が再登場。かつて持っていた中田の恨みをソルブレインにすり替えている。
 そんな深い闇を持つ高岡に対し、その心の闇を払えるのか。ソルブレインの設立目的である犯罪者の心を救うということが本当に出来るのか?と言う本作の本作にまつわる話でもある。高岡が最後に言った台詞「私を憎め」は、まさしく本作のテーマに対立するアンチテーゼを提供した。
 再登場した高岡隆一は悪のボスとしての貫禄充分。こういう役を演ってる声って、やっぱりシャドームーンだな。
 ソルブレイバーの危機にちゃんと現れるナイトファイヤー。外さないキャラだな。
<今井を説得するために死んだ息子の声を聞かせる大樹。かなり凶悪な説得だな。これじゃますます犯人を凶暴化させるよ。>
第41話 激突!高速マシン

  脚本:増田貴彦
  監督:三ッ村鐵治
 どんな犯罪者でも警察の届かないところまで逃がすという逃がし屋兄弟の久我。彼らはF1チームを持つ夢を実現するために危ない橋を渡っていたのだ。それを知った大樹は彼らの心を救おうとする。
 今回は本作のテーマである「犯罪者の心を救う」事に集中した話で、珍しいカーアクション主体の話に仕上げられた。かなり異色の話ではあるが、それを許容するのが本作の面白いところ。
 メカニックの亀さんが今回は大活躍。逃がし屋の車にステルス機能が搭載されていることを見抜いたり、それに対抗するため、徹夜で作業したり。こういう事には鋭いのね。
 日本では公道でのカーアクションは御法度なので、今回のアクションはあくまでオフロード(いつもの採石場)で行われてる。この方がリアリティあるか。
<ステルス機能が付いた久我兄弟の車はレーダーだけでなく目にも見えなくなってる。これってステルスじゃなくて透明なのでは?
 ソルギャロップを見て煽りまくる暴走族。警察相手に、しかもナンバープレート丸出しでよくやるよ。
 それで本気で逃げてるはずなのに、ソルギャロップが来るとちゃんと減速してる。なかなか礼儀正しい暴走族だな。
 純に覆面者を頼んだ大樹だが、犯人の見ている前で車を乗り換えてる。ばれるって。
 ソルギャロップの内部を写真に撮る久我哲也。警察の車が無防備すぎる。
 自動車整備工場にはセナの写真が飾ってあり、それをじっと見ているシーンがあった。肖像権の問題がないか?
 空中爆発を起こしたはずのソルギャロップが何ともなく戻ってきた。どんな機能だ?>
第42話 グラブに誓う復讐

  脚本:宮下隼一
      鈴木康之
  監督:三ッ村鐵治
 ソルブレイン設立の立役者でありながら、そのテクノロジーを軍事利用しようと考える遠山銀次郎代議士の国会選が近づいていた。当選が危ういと考えた遠山はアメリカから選挙参謀としてケン・タナカを呼び寄せた。実はケンは正木の大学時代の同窓生だったが、あくどい選挙活動を進んで行うその行動に、正木は不審を覚える。
 正木を中心とした話で、過去の親友の変化を叙情たっぷりに描く。正木にとっての正義と、人の命の大切さがよく分かる話。今回は正木のアクションもたっぷり。身を張るのが好きな人だ。
 そしてここで中心となるのは国会選挙。テーマがすごい。完全に社会は的な作品として作っているのが分かる。
 ケン・タナカ役は「金八先生」の乾先生役の森田順平。
<この時代でも日本は軍を持たずあくまで自衛隊らしい。ここまで犯罪が溢れていて、ソルブレインというとんでもない武装集団までいるのに。
 選挙演説で「新世紀が来る」と言っていたが、ウインスペクターが1999年だったので、これは2000年という時代設定だろうか?それなら本当に新世紀は目前って事になるな。
 大樹はケン・ナカタのことを「ミスター・ケン」と呼んでいる。普通「ミスター・ナカタ」じゃないのか?
 爆弾入りの達磨を投げつけたソルドーザー。達磨は空中で爆発するが、空中で静止してたぞ。
 政治家の秘書がみんあカンフー服のようなものを着ている。これってやっぱり右翼の立役者ってことなんだろうな。
 それがどういう形であれ、仮にも代議士が人殺しを命令しちゃまずいだろ。実際ばれてしまったし。
 今回は私設軍隊に対し出動するソルブレイン(とナイトファイヤー)。普通の人間に武器を使用するのはやっぱり問題あるような?(大きく見るとやっぱり犯罪者だから?)>
第43話 二つの顔を持つ女

  脚本:杉村 升
  監督:小西通雄
 銀行強盗を追うソルジャンヌは犯人の一人原島律子を追う。ジャンヌの前から姿を消した律子だが、後日玲子は律子を見つけるが、彼女は古川美由紀と名乗り、その性格は極めて善良だった…
 高岡による3回目の挑戦。今回も本作のテーマである「人の心を救う」ことにかけての挑戦となっており、大樹の憎しみの心をかき立てようとする高岡と、それでも人を信じようとする大樹の葛藤が見所。
 それで高岡の人の心をもてあそぶ方法だが、凶悪犯人に善良な市民の記憶を移し替えてしまうと言うもの。やったことはこれだけなのだが、これはある意味では正義を執行する記憶矯正の方法でもあるが、人を殺すよりも余計質が悪いのも事実。これが悪とばかり思えないと感じるのも問題だろう。結局記憶は元に戻ることもなく終わり、とにかく後味が悪い。
 今回のソルブレイバーの活躍は冒頭の銀行強盗で銃弾を受け止めるシーンと、落下した律子を受け止めるだけ。
 原島律子と古川美由紀の二役を演じるのは「機動刑事ジバン」でマーシャを演じていた。河合亜美。
<律子の撃った銃弾が通行人の少女を直撃。「私の目の前で人が撃たれたんです」と言う玲子だが、あなたが避けなければ当たらなかったんだけど。
 この時代でも記憶媒体はビデオテープなんだよな。>
VOL.5
<A> <楽>
第44話 コソ泥と老博士

  脚本:扇澤延男
  監督:小笠原猛
 連続空き巣犯の収が押し入った庄野博士宅。金が全く無いという博士に気の良い収は弁当を奢ることになってしまう。そのお礼として収に念力波を発する機械を手渡す。
 本作では特徴的に何本も作られている気の良い人間が機械で人並み外れた力を得るというもの。念力とかその類のパターン。30話、39話、そして本作と、三本も作られてる。
 このこそ泥も大概良い奴で、盗みに入った家で弁当をおごったり、超念動ヘッドギアを命がけで取り戻そうとしたり。博士を救うために自首までしている。
 それを「人の心を救う」物語につなげており、実に本作らしい作りになってる。
<前回の高岡に対し激しい怒りを覚える大樹だったが、今回はいつも通り。人の心を救うために何が出来るかをしっかり考えていたりする。
 念動力を使えるのは良いけど、何故ソルブレイバーを狙わず工場の壁とか天井を壊そうとするかな?
 一般人に向けてパイルトルネードを向け、「撃てるのかよ?」という問いに「撃てる」と即答する大樹。凄いな。>
第45話 標的は小さな証人

  脚本:宮下隼一
      鈴木康之
  監督:小笠原猛
 警察官狙撃事件が起こり、その目撃者の少女を保護するためその家に向かう大樹。しかしその少女ひろみは頑なに証言を拒み、心を開こうとはしなかった。彼女と共にいるヘルパーの洋子の言動に疑惑を抱く大樹だったが…
 少女の頑なな心に寄り添おうとするヒーローの姿を描いた話で、これと言ってSF的なガジェットも登場せず、脚本を直せばそのまま刑事物として使えそうな話。こう言うのがあるのも本作の特徴か。
 話があまりにも偶然の重なりが多すぎるのが難点。
 とにかく警察嫌いで生意気なことばかり言う少女がなかなか好演。
<犯人からの狙撃に、そこにあった机を盾にする大樹。でも机程度では貫通するのでは?何故か穴どころか傷さえ付いてないので、実はこの机、ジュラルミン製なのではないだろうか?
 逃亡のために別荘に置いてある車を使う大樹。ソルギャロップを使っていればこんな目には遭わなかったのに。
 ほんの僅かな間に花輪を作ってしまう少女。犯人に追われてるのにえらい余裕だ。
 拳銃を持った犯人に対し、ブラスアップもせずに生身で立ち向かう玲子。次の瞬間には大樹と共にブラスアップしてたけど。
 ナイトファイヤーのジャンプ姿はギャバンと同じだったり。
 重要参考人を護送するのに警察一人だけってのは無理があるんだけどね。しかも実務部隊が。>
第46話 天才瞬間製造機

  脚本:杉村 升
  監督:三ッ村鐵治
 片山博士の研究所に賊が入り、研究の成果を奪われてしまう。その際、その装置の光を浴びた孫の亨は記憶力抜群になり、その記憶を頼りに焼失した装置の設計図を再現するのだが…
 普通のこどもが超天才になってしまうという話。これは29話でもやった話だが、天才になった少年があくまで性格の良いこどもであり、その記憶を奪いに来た犯人と戦うと言うのが特徴。そう言う意味では普通の話か。この作品特有の副作用もなく、非常にすっきりした話に仕上がった。
 ナイトファイヤーの登場以来、竜馬がおいしいところは全部取ってしまうようになったが、今回は完全に大樹の上司的な位置づけで、地道な捜査をしてる大樹を見守って、最後に犯人逮捕だけ一人でやってしまうと言うおいしい訳をちゃっかり取っていた。まあこれが前作主人公の貫禄という奴か。
<亨の記憶で犯人には手に痣があったことを突き止める大樹。でも折角記憶力抜群になったんだから、それ以上のものを思い出せそうなんだよな。でもそれだけのことで犯人まで逮捕してしまう訳だが。
 真犯人の西川は病院の前で亨を誘拐。誘拐するんだったら、もっと人通りのないところでやらないとすぐにばれるぞ。
 亨の前で自分のしようとしてることをべらべら喋ってしまう西川。死人に口なしとは言うものの、少なくとも亨を誘拐したことは見られてる訳だから、真っ先に犯人に疑われるのは確実なんだが。
 今回は本当においしいところを全部竜馬に取られてしまったので、ナレーションの「頑張れソルブレイバー」という台詞がとても嫌味に聞こえてしまう。>
第47話 脱線!占い捜査隊

  脚本:扇澤延男
  監督:三ッ村鐵治
 時効間際の犯人捜査に息詰まっていたソルブレイン。そんな中、純の提案で良く当たる占い師に見てもらうことになったのだが、大樹はそれがインチキであることを見破る。それで彼らは偽の事件をでっち上げてソルブレインに一泡吹かせようとするのだが…
 高岡と同じようにソルブレインに恨みを持った人間が復讐を試みる話だが、スケール的にやっぱり小さい。犯人の妄想の中ではソルブレインメンバーもとてもコミカルだが、こういったコメディタッチの方が本作には似合ってる。今回は純が活躍というか、ドジばかり踏んでいるが、この人が中心となると必ずコミカルになる。人は死んでるので、一言で“軽い”とは言えない訳だが。
 インチキ占い姉弟の弟は「高速戦隊ターボレンジャー」イエローターボ役の片桐順一郎。
<自分の部屋で「火事だー」とテープに吹き込む薫。ソルブレイン以前に住民から苦情が出るな。
 偽爆弾騒ぎも高岡がやったことと同じ。妙にトレースしたような物語展開だな。
 又してもおいしいところを持っていくのはナイトファイヤーだった。普通の人間にパイルトルネードぶっ放してるけど。>
第48話 今日もいないパパ

  脚本:鷺山京子
  監督:小西通雄
 北山ミツルという少年と知り合った大樹。ミツルは全然家に帰ってきてないホリデー工業に勤める父親に家に帰ってもらうために病気だと嘘をついて父を呼び出したのだが、父親はそんな家族を無視して会社に戻ろうとする。だが突然倒れてしまい…
 人間を改造する技術をベースにした話で、いかにも科学犯罪って感じの話。元々がレスキューポリスシリーズは科学犯罪と戦う話がメインなので、これが正しいのだろう。それに親子の絆を絡めたのはレスキューポリスシリーズらしさになってる。
 北山を演じたのは「ウルトラマンティガ」や「ダイナ」で小野田岳彦を演じた大谷朗。東映特撮では悪役としてよく出てくる。そして黒木社長役はむしろ声優として有名な郷田ほづみ。更に鳥井博士を演じたのは「バトルフィーバーJ」でバトルフランスを演じた倉知成満。なかなか豪華な布陣だ。
<クロスに「人体には危険な音です」と言われて、ソルドーザーまで後ろに下がっている。別段必要無いんじゃないか?
 ホリデー工業って結構有名な会社らしいが、それにしても人が少ない会社だな。研究員が数名しかいないじゃないか。
 社長のいる埠頭までソルギャロップよりも早く到達した北山。人体改造を受けているとは言え、そんなに速く走れるのか?>
第49話 大好き!悪い子

  脚本:杉村 升
      浅附明子
  監督:小西通雄
 ソルドーザーは知り合った悪ガキの義彦と真理子という二人のこどもにいつでもソルブレイン本部に来るように言うのだが、それから二人は毎日のようにやってくるようになってきた。ところがある日を境に二人がぱったりと来なくなってしまう。実は義彦が急に真面目少年へと変身してしまったのだ。
 こどもが改造を受けることの危険性を描く話で、普通の少年が脳をいじられて突然変わってしまうというのは、既に29話と46話でやっている。長時間使用すると人間の脳が破壊されるってパターンも本作では多用されている。
 今回は面白い構成で、ソルドーザーの思い出話として物語が進行している。この作品では初めての構成となる。ドーザーを話の中心に持っていく話も少ないんだよな。ラストはもの悲しい感じだが、31話に続き、ドーザーを中心にするとこういう話になることが多い。
 柴田博士は完全に向こうの世界に行ってしまった性格で、良い具合のマッドサイエンティストとして仕上げられてる。
<義彦は「ジンギスカン」を歌っているが、歌詞はかなりいい加減。時代を感じるな。
 ソルドーザーをベタベタ触る義彦に、「洗ったばかりなのに」と文句を言う亀吉だが、それにしても随分汚れてるよ。
 少なくとも警察がエスケープしてきた小学生に何も言わないって事だけで問題がある。
 真理子に言われて小学校に潜入する玲子とソルドーザー。許可は?
 良心増幅装置は破壊兵器としても使われている。こんなのを人間の頭に使ってたの?>
第50話 希望を生んだ魔犬

  脚本:宮下隼一
      石山真弓
  監督:小笠原猛
 政情不安な国ラザニア共和国の反政府ゲリラが作った細菌兵器が日本に持ち込まれた。人間の血液を蒸発させてしまうと言う恐るべき兵器が実験用の犬から人間に媒介していくのだ。その分析を血液学の権威岡本博士に頼んだ大樹だが…
 ドラマ性を強調した話で、特撮部分が無かったとしても充分観られる話だが、行き過ぎた科学が人を滅ぼしかねないことの警鐘、活劇、親子の絆をバランス良く詰め込み、見事に本作らしさを強調した話となっている。通常の話はこれが最後なので、相当に力が入っていた感じ。物語自体が『アウトブレイク』なのはともかくとして。
 今回は親子の絆が人間だけでなく犬にまで適用されているのが面白い。我が子を守るために戦う母犬が実は人間にとっては最も恐ろしい存在というのも皮肉でよろしい。
 人間がミイラ化する描写はかなり力が入っているが、これ観てる子がトラウマになったりしないだろうか?
 岡本博士を演じたのは「ミラーマン」の石田信之。そしてその助手を演じたのは「仮面ライダーBLACKRX」の霞のジョー役小山力也。到底科学者には見えないが。
<政情不安な国というと中東になってしまうようだが、それって凄い偏見なのでは?
 一人で遊んでる少年を見た純は、その子が鍵っ子で、秘密基地を持っていることまで言い当てている。すさまじいほどの冴えだ。捜査とは何にも関係ないけど。
 少年から子犬を守るために噛みつく母犬。でもこれまで何日も少年が面倒を見ていて、しかもその餌まで食べてたんだけどなあ。
 爆殺され首輪だけが吹っ飛ばされた母犬。今じゃとても出来ない描写だな。
 父親が警察に連行されるときに子犬と遊ぶので忙しい少年。あんなに父親に懐いていたのに、いざとなったら非情なものだ。>
第51話 特救・解散命令!

  脚本:杉村 升
  監督:小笠原猛
 かねて警視庁で開発していた量産型ソリッドスーツが完成の見通しとなった。それに伴い現行のソルブレインチームは解散を命じられる。みんながばらばらになってしまう事を寂しく思いつつも、その決定に従おうとしていた。だが大樹には一つだけ気がかりが…
 最終回に向かい、ラストストーリーの開始。第一回目のこの話ではこれまでのソルブレインの活躍を振り返ることをメインに、高岡の罠にはまってしまうソルブレインが描かれていく。
 基本的には回想する人間が移された後、その回想シーンにつながるという構造。よくあるパターン。
 今回は回想シーン以外では装着のシーンは無し。こう言うのは結構珍しい。
<正木からソルブレイン隊員それぞれに新しい任地先が言われるが、玲子だけは「九州」と言われている。九州のどこ?>
第52話 特救・爆破命令!

  脚本:杉村 升
  監督:小西通雄
 高岡隆一が予告した時間に殺人事件が起きた。だがその殺人事件の目撃者の少年中井勇の通報した場所には何も無かった。少年の証言通りに調書を取ってみると、なんとその殺人犯は20年前の自分の父親・中井だった。自分の罪の重さにうちひしがれる中井に近づいた高岡が語ったこととは…
 最終章の第二話。人の心を惑わし、それでソルブレインに揺さぶりをかける高岡の作戦が展開中。「犯罪者の心を救う」ソルブレインに対する挑戦としては上手くはまっている。力任せでないところが本作らしさだな。
 今回の高岡の作戦は、罪の意識を植え付けた元殺人犯に、殺された男の息子を近づかせ、精神の均衡を崩すことで、ソルブレインを目的としたと言うより家庭崩壊を狙ったかのような作戦になっている。普通のドラマとして観てもちゃんと観られる。
 今回はいつもとは違い、竜馬の方が前線に出て大樹がおいしいところを持って行ってる。これはこれで良いんだけど、ますます主人公がどっちか分からなくなってきたな。
<高岡の作戦は周到だが、一般家庭の、しかもその職場に鍵を置くとか、ちょっとやり過ぎの感はあり。こそ泥みたいな真似を一人でやってたんだろうか?
 中井に対する高岡の指令は紙袋をソルブレイン本部に持っていく事。それ以上は言っていないので、爆弾のことをばらしても問題無かったような?
 一般人に向かって銃を撃つ竜馬。警察のやることか?
 あれだけ至近距離の爆発。しかも現場の工場が倒壊するほどの衝撃を受けているのに体が無事ってのもおかしくないか?
 次回予告のナレーションで、「軟弱な現代のこども達よ」とか言ってるけど、クレーム付かなかったのか?>
第53話 また逢う日まで

  脚本:杉村 升
  監督:小西通雄
 ソルブレイン本部爆破危機は免れた。だが高岡に唆され、中井に対する憎しみを増大させられた佐藤和也は勇を拉致する。
 ソルブレインに対する高岡の憎しみを救う事が出来るのか?という部分に焦点を当て、まさしく本作のテーマ「犯罪者の心を救う」事を主眼とした話。結果として高岡の心だけは救えなかった事になるが、最後までその基本姿勢を貫いたことは、有終の美を飾ったことになるのだろうな。
 S.S.-1がようやく最後に活躍。やってることは燃えさかる工場への突入で、しっかりその中には正木が乗っている。最後に寺岡を説得するのも正木の役割で、結局この作品の主人公が誰であるかはこれではっきりした。
 その高岡だが、自らをコンピュータに直結させ、憎しみのプログラムを常に自分に注入していたのだという。あまりに哀しい生き様ではあった。
<和也の尾行をしている純だが、あまりにもその姿はあからさますぎ。逆襲されるのも当然。一方勇を尾行する玲子も前回に続いてやっぱり見えすぎ。
 緊張の一瞬なのだが、空中浮遊によって現れる高岡の姿がなんか間抜けっぽい。
 工場は外が見えてるんだけど、それで「脱出不可能」と言われても説得力無いな。
 高岡が勝ち誇った声を上げる中、クロスが「ソルブレイバーとナイトファイヤーが危機に陥ってます」と言う声がなんとも…
 最後は国会議事堂をバックに大樹、玲子、純の車が別れ別れに走っていくシーンで締め。出向するのになんで車で移動するんだ?
 結果的に正木と共に残ったのはソルドーザーと竜馬だった。やっぱり竜馬が主人公っぽいよな。>