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超人機メタルダー

超人機メタルダー事典
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 1987'3'16〜1988'1'17

 「時空戦士スピルバン」の後に続く形で投入されたメタルヒーロー作品。ただ、これまでのメタルヒーローとは明らかに一線を画す作品として作られたのが分かる。今までのメタルヒーローは全般的に似たようなデザインだったのに対し、機械むき出して、右半身と左半身で青と赤に塗り分けられたそのデザインは明らかにこれまでのメタルヒーローではなく、「人造人間キカイダー」への原点回帰が見られる。
 メタルダーは人間の姿をしていても人間ではなく、あくまで機械に過ぎない(主人公剣流星がサイドカーに乗ってたり、楽器に精通しているのもそれを意識してのことだろう)。彼が超人機としてのアイデンティティを探そうとする前半は悲しくなるほどの物語が展開していく。
 更に本作を彩る敵軍団の描写が妙に力が入っている。四つの軍団に分けられ、それぞれ個性づけられた軍団および敵の個性付けは見事で、中盤を除けば毎回敵のキャラクタ個性を出そうとしていた。ただ、メタルダー自身と敵モンスターに焦点を当てすぎたため、爽快感や人間ドラマは脇に置かれがち。
 毎回毎回骨太な物語が展開し、実に素晴らしい作品だったのだが、残念ながら多くのこども達には受け入れられず、視聴率は低迷。後半テコ入れを受けてこれまでのメタルヒーローっぽくしてしまったのが本当に残念。

主な登場人物
メタルダー
剣流星
(役)妹尾洸。代表作は本作。ほかにいくつかのテレビ番組など。
 太平洋戦争中に日本海軍の秘密兵器として作られたロボットで、大戦中は活躍の機会が無かったが、ネロス帝国の興隆を恐れた古賀博士により復活させられる。
仰木舞 (役)青田浩子。代表作は本作で、本作が最後の作品となるらしい。
 週刊誌「週刊アップ」の女性カメラマン。剣流星に興味を持ち、彼女のように振る舞ってる。メタルダーにとっては人間を勉強する先生でもある。
北八荒 (役)河合宏。現在の和興。特撮では「電撃戦隊チェンジマン」の疾風翔。「特捜ロボジャンパーソン」のジョージ真壁。それ以外にも数多くの特撮番組に出演している。
 元暴走族で、現在は世界グランプリトップを狙うレーサー。取材に来た仰木舞に惚れ、一方的に剣流星をライバル視するようになるが、頼もしい味方でもある。最後はメタルダーの頼みを聞き、その機能を凍結させる。
スプリンガー (声)林家源平。真打ち落語家だが、精力的に俳優業もこなしている。「ジャッカー電撃隊」の姫玉三郎役。
 メタルダーの相棒のロボット犬。頭も良く、メタルダーのメンテナンスを一手に引き受け、様々なアドバイスをしている。
トップガンダー (声)森篤夫。特に東映作品で多くの怪人役を演じた声優。
 元戦闘ロボット軍団暴魂。ゴッドネロスがゴルゴ13をモデルとして作ったそうだ。戦闘に美学を求め、フェアプレイを信条とする。5話でメタルダーとの戦いを経て、謀略がまかり通るネロス軍団に嫌気が差して軍団を裏切り、メタルダーの友となり、メタルダーの危機を幾度と無く救う。37話でメタルダーと共にゴーストバンクを破壊するが、生き残ったクールギンからメタルダーをかばって死亡。メタルダーが作った墓碑銘には「最愛の友」と刻まれる。
ゴッドネロス
桐原剛造
(役)新堂新二。香山浩介の名前で「スパイダーマン」の主役山城拓也を演じていた。他に「電子戦隊デンジマン」ヘドラー将軍など。
 太平洋戦争中古賀竜一郎博士の助手として働いていたが、戦争終結後、その知識を活かし、桐山コンツェルンを隠れ蓑にネロス帝国を旗揚げする。彼の野望は世界征服だが、力押しではなく、国同士を争わせ、漁夫の利を得ることを信条としている。最もリアリティ溢れる悪役とも言える。
クールギン (声)森篤夫。数多くの特撮に出演と声の出演あり。
 ヨロイ軍団凱聖。ネロス軍団のナンバー・2でもある。1話で目覚めたばかりのメタルダーと戦い勝利する。26話でメタルダーと再度一対一で戦い、ヨロイを切り裂かれるが、実はその下にもう一つの鎧を着込んでいたことが発覚する。そして更にそのヨロイをも断ち割った時、実はクールギンはゴッドネロスの本体桐原剛造の影武者だったことが分かった。
バルスキー (声)桑原たけし。ヴェテラン声優で、「キャプテンウルトラ」のナレーションを皮切りに、多くの特撮にも声の出演をしている。
 戦闘ロボット軍団を束ねる凱聖。「すべての責任は俺が取る」が口癖で、ゴッドネロスの命令に逆らうこともしばしばだが、部下の信頼は厚い。31話では直接メタルダーと戦い、レーザーアームで右手を斬り落とされる。36話ではローテールの助けを借り、メタルダーを追いつめるが、メタルダーと共に滝壺に落下。瀕死の状態となるが、最後の最後にローテールの持つ全軍団員の戦闘データを取り込んでメタルダーを追いつめ「栄光あれ〜」と叫んで最後は特攻をかける。軍団員の戦闘データを失い、レーザーアームに貫かれた際、実はメタルダーの生き方に憧れていたことを告白し、「生きろ」と言い残して自爆…無茶苦茶格好良い!
ゲルドリング (声)依田英助。俳優兼声優。俳優としても数々の特撮作品でちょい役で登場。声の出演では怪人役が多かった。「大戦隊ゴーグルV」の総統タブーの声。
 モンスター軍団を束ねる凱聖で関西弁を使う。「口八丁手八丁」を信条とし、部下には卑怯さとえげつなさを教え込んでいるが、卑怯さを信条としてるくせに人の言葉をすぐに信じたりする人の良さを見せている。32話で百年美人を食べることで、メタルダーのメタルボンバーやメタルメタルトルネードをはじき返す力を得ているが、百年美人の暴走によって苦しんでいるところをレーザーアームで倒されてしまう。しかし再生手術を受け、35話でメタルダーと再戦。頭のフードをはぎ取られると、そこから触手を出せるようになる。
ドランガー (声)飯塚昭三。東映特撮ではおなじみの声優。敵首領や大幹部役が極めて多い。
 機甲軍団を束ねる凱聖。重火器で身体を覆っているが、最終的にほとんどの武器を見せずに終わってしまう。37話でゴッドネロス(の影武者)が倒された後、全機甲軍団を率い、メタルダーとトップガンダーを襲うが、何故か剣を使って戦い、結構あっさりとレーザーアームで倒されてしまう。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 急げ!百鬼魔界へ

  脚本:高久 進
  監督:小笠原猛
 42年前の太平洋戦争で息子を失った古賀竜一郎博士が墓参りのために帰国した。だが、彼の本当の目的は、世界支配を企むネロスという組織に対抗するため、旧日本軍の秘密兵器として開発された超人機“メタルダー”を復活させ、ネロス帝国に立ち向かわせようとしていたのだ。だが、その行動は既にゴッドネロスの知る所であり、古賀博士は刺客により瀕死の重傷を負ってしまう。そして復活したメタルダーの戦いが今、始まる。

 敵の首領ゴッドネロスの正体桐原剛造が冒頭から既に出ているのが凄い。これだけで既に他のシリーズとは一線を画した、自信のようなものが感じられる。しかもゴッドネロスに続き、いきなり多量のネロス軍団員が登場というサービスてんこ盛り。彼らが群れをなして歩く姿は迫力満点。着ぐるみをあらかじめ多量に作っておいたのだろうが、これは凄い(数体『スピルバン』の戦闘機械人が入ってたりもするが)
 そして登場するメタルダー。その第一声は「僕は、誰だ?」だったりする。自分は誰か?と言うのがシリーズ前半部分の重要な要素になっているのがこの一言で分かるように出来ている。しかも古賀博士がメタルダーに語った言葉は、「君の行く手は茨の道だよ」…本作が決して子供向きでない、ハードな展開となることが思わされる。何せ自分のことを知らないのだから、まともに戦うことさえ出来ない。放映一回目のこの回ではなんとクールギンに負けてしまってる。通常リアリティを無視し、第一回目は主人公の強さを強調するものだが…
 ただ、結構これで笑える部分も多かったりする。桐原の秘書のテロップがいきなり「美人秘書K」、「美人秘書S」だもんな。しかもゴッドネロスの親衛隊が「ムキムキマン」って…
 ちなみに古賀博士役はヴェテラン俳優上原謙が勤めているが、その声は明らかに棒読みなのが残念。
VOL.1
<A> <楽>
第2話 余は神・ネロスなり

  脚本:高久 進
  監督:小笠原猛
 傷ついたメタルダーを待っていたのはロボット犬のスプリンガーだった。そのスプリンガーにより修理され、慣れも合わせて自らの性能を試そうとするが、その姿をネロス帝国に見られてしまう。ネロス帝国は、メタルダーがまだ不完全であることを知り、刺客を送りつける。

 敵は戦闘ロボット軍団のゴチャック。ゴーストバンクで刺客を決める戦闘をした後、刺客に定められる。メタルダーにとって二人目の敵となる。怪力と驚異的な生命力を持ち、力の使い方を覚えたメタルダーに圧倒されるも、メタルダーの回路を破壊。ほぼ相打ちと言っても良かった。
 スプリンガーや仰木舞との出会い、メタルチャージャー、サイドファントムと言った乗り物の登場。更にネロス帝国の刺客の決め方など、設定的な見所が多いが、その分、最後まで剣流星は悩みっぱなしで終わった感じ。
第3話 野兎への愛にハンマー男ベンKが涙する

  脚本:高久 進
  監督:冨田義治
 突然戦いの渦中に放り込まれ、戸惑うメタルダーだったが、美しい自然に触れ、人間の小心に触れることによって人間の心に目覚め始めた。しかしそんなメタルダーの命を狙うゴッドネロスの命令を受けた新たな刺客が送り込まれる。

 敵はヨロイ軍団激闘士のベンK。弁慶のもじりで、実際僧兵のような姿をしている。ロボット軍団のゲバローズとの戦いで完全勝利し、メタルダーに挑む。ゲバローズは大変身が軽く、鈍重なベンKより優位に立っていたようだが、手にしたハンマーを壁に叩きつけることで姿勢を崩したところを強烈なハンマーの一撃を食らって撃破される。ベンKは流星の友達になったウサギを捕まえたことで、流星の怒りにあって戦うことになる。光の直接照射に弱く、太陽を背にキックしたメタルダーに破れるが、中にいるのが人間だと知ったメタルダーにとどめは刺されずに終わる。
 相変わらず何も知らない流星が、前回出会った仰木舞に電話をかけ、デートとしゃれ込むのだが、何事にも戸惑うシーンがなかなか良い感じ。
 ところでベンKだが、ウサギを捕まえて「美味そうなウサギだな」とか言ってる。おや?と思ったら、ヨロイ軍団は人間なのだそうだ。
<スプリンガーの音声に調整が加えられ、やや間延びしたような声になってる。>
第4話 魚雷アグミス対海軍小尉メタルダー

  脚本:高久 進
  監督:冨田義治
 ゴッドネロス軍団は各軍団から一人ずつ戦士を出し、メタルダーを破壊しようとする。そして選ばれたのはヨロイ軍団から暴魂チューボ、機甲軍団から暴魂アグミス、モンスター軍団から雄闘ガマドーン。そして戦闘ロボット軍団から暴魂トップガンダー。一方、自分探しのため町をさまようメタルダーは仰木舞の協力で空白の40年の時間を取り戻そうとしていた。
 ネロス帝国には四つの軍団があるが、それら全てから四体の敵が出てくる。メインに戦うのはモンスター軍団の雄闘ガマドーン。カエルのような風貌をしており、両手の触手から高圧電流を流すことが出来るが、こいつの最大の武器は本人も言うように「口八丁手八丁」で、負けた振りしてメタルダーの油断を誘い、再び襲いかかるが、逆に油断してしまい、メタルダーに電流中枢をえぐり取られてしまう。又、自らを「魚雷」と名乗る機甲軍団の暴魂アグミスがメタルダー発見と同時に突っ込んで自爆。メタルダーの方は逃げた後だったため、単なる犬死にへ。
 冒頭でゴッドネロスの誕生日を軍団がお祝いするシーンあり。これは珍しい。結果的にネロスの怒りを買うばかりなのだが…
 敵がいきなり四体も出てくるのは大変珍しいが、これも着ぐるみがあらかじめ作られているから。それで四体がまとめてかかってくる話かと思ったのだが、実際は単独に一体ずつ向かっているようだ。それらは基本的に個々に誇りを持っているからだと思われる。
<今回のタイトルでも出ているのに、当のアグミスの活躍シーンがえらく少ないような…>
第5話 耐える!百発百中のガンプレイ

  脚本:高久 進
  監督:折田 至
      小笠原猛
 メタルダーの暗殺のために選ばれた戦闘ロボット軍団の暴魂トップガンダー。フェアプレイこそが美学と豪語するトップガンダーとメタルダーとの戦いが始まる。

 敵はトップガンダー。これまでゴッドネロスのために数々の要人を殺してきたスナイパーだが、フェアプレイにこだわり、メタルダーが飛び道具を持たないと見ると、愛用の狙撃銃を遠くに置き、どちらが先に銃を取れるかの競争を行う。その後一騎打ちの末、メタルダーに完敗する。とどめを刺すように命じるが、放っておかれてしまう。他にモンスター軍団暴魂のバンコーラ。腕を鞭のように伸ばすことが出来る。冒頭でトップガンダーと戦い、先に遠くに置かれた銃を取る競争をするが破れてしまう。
 名バイプレイヤー、トップガンナーが登場。フェアプレイを信条としており、メタルダーと一騎打ちの末、謀略がまかり通るネロス軍団に嫌気が差して軍団を裏切り、メタルダーの友となる。
 スナイパーに狙われているため、ひたすら待ちに入ったメタルダーと、それをじっと待つトップガンダー。そしてまるで居合いを思わせる対決と、緊張感のある演出が繰り広げられた。
 ここでもう一つの見所は、二人の勝負を邪魔したモンスター軍団を撃ってしまったトップガンダーを詰問する他の凱聖に向かって頭を下げるバルスキーの姿。それだけ部下を信頼しているバルスキーも格好良いぞ。
第6話 怒る!ヘビー級王者ガルドスをKOせよ

  脚本:高久 進
  監督:折田 至
      小笠原猛
 メタルダー暗殺に失敗したトップガンダーの公開処刑が行われようとしていた。だが、メタルダーとの対決が済んでいないとトップガンダーはネロス軍団を裏切って脱出する。逃亡中のトップガンダーをかばうメタルダーだが…

 敵は戦闘ロボット軍団の豪将ガルドス。凱聖バルスキーの副官で、実質的に戦闘ロボット軍団のナンバー・ツー。バルスキーに私淑しており、やはり正々堂々戦うのが好みらしい。メタルダーを遙かにしのぐパンチ力を持ち、そのパンチは一撃でメタルダーを吹っ飛ばすほど。ただし動きが直線的なため、搦め手で戦うメタルダーにより弱点の頭を破壊される。
 戦闘シーンがとにかく映える一本。ネロス軍団が総揃いでトップガンダーを追い、そこに割って入ったメタルダーを囲んで攻撃。これだけの数の敵と戦うヒーローは初だろう(再生怪人軍団除けば)。更に最後にほとんどガルドスと相打ちだったが、たった一人で立ち上がらなければならないと言う宿命を持つと言うのも良い演出だ。
 ネロス帝国のしていることはメタルダーと戦う事だけではなく、東西両陣営を疑心暗鬼にさせてその隙に勢力を拡大しており、これからは地球規模の戦争を行わせてついには世界を手に入れようと言う野望を持つ。この辺が結構リアル。更に軍団毎のカラーがはっきり表されているのも良し。
 人間との絡みが増えてきた剣流星だが、そうなるとだんだん演技下手が見えてくる。ちょっと気が削がれるな。
第7話 ゴールを決めろ!タグ兄弟との炎の決闘

  脚本:山崎晴哉
  監督:冨田義治
 成り行きで少年サッカーチーム“ドングリーズ”のコーチを引き受けることになった剣流星。だが、メタルダーの行方を捜すネロス軍団によりその行動は察知されており、ヨロイ軍団最強の兄弟剣士ダグスキーとダグスロンが差し向けられていた。

 敵はヨロイ軍団豪将で柳生新陰流の剣の達人タグスキーと薙刀の名人タグスロンの兄弟。兄弟ならではのコンビネーションでメタルダーを攻撃するが、すべての武器を奪われた際、お互いをかばい合う姿が見られる。
 メタルダーの自分探しが続く。今回は人の血縁の結びつきについて考えるのだが、自分に兄弟はないと結論づけたメタルダーに対し、兄弟と言いつつ実は血のつながりはないタグ兄弟の話を聞き、感慨を新たにする姿が描かれる。話自体大変良いと思うのだが、裏返せば中途半端に終わってしまうため、これってすぐに結果が出る話じゃない。以降の展開によほどの自身があるのか、単なる脚本の失敗か?
 突然少年サッカーチームのコーチとなってしまった流星だったが、そんなものまでインプット出来る旧日本軍のコンピュータとはどれだけ凄いのか。冒頭でいきなりオーバーヘッドキックなどをやらかしてくれる。最後、戦いの後にコーチとして戻ってきた際、タオルで左上半身を隠しているけど、これってやっぱり怪我を見せないため?良い演出じゃないか。
第8話 さらばバーロック!鉄仮面の秘密

  脚本:掛札昌裕
  監督:冨田義治
 メタルダー生みの親である古賀博士の足跡を辿る剣流星。一方ネロス軍団ではますます強くなっていくメタルダーに対抗するため、四軍団合同の演習が行われる。その演習に勝ち残ったバーロックにゴッドネロスはメタルダー暗殺を命じるのだった。

 敵はバーロックだが、ヘドグロスを始めとする三体のモンスター軍団とも戦っている。バーロックは青銅の仮面をかぶった体操服姿のおじさんに見え、あんまり強そうに思えないけど、鎖鎌と電撃を用いた攻撃でメタルダーを苦しめる。かつては人間であり、ライヴァルを死に追いやった過去を恥じている。そのためあくまで正々堂々を信条とするため、メタルダーに集中攻撃を許せず、トップガンダーと同様に結果的にネロス軍団を裏切る事になる。
 通常の人間ドラマは最小限に、戦いと、そこから始まる友情を強調した話で、ドラマの可能性についても考えさせられる。あんまり強そうに見えないバーロックという存在がとにかく光る話。
 結局バーロックはメタルダーを助け、「俺は負け犬じゃない」と叫びながらネロス軍団に突っ込んでいって殺されるわけだが、最後のメタルダーの台詞「さらば、バーロック」が何とも言えぬ余韻を残してくれる。
第9話 夢みるモンスター!十字砲火の恋人たち

  脚本:藤井邦夫
  監督:伊藤寿浩
 舞とのデートの最中、夢の話を聞き、自分も夢を見たいとあこがれるメタルダー。たまたまそれを聞き及んだゴッドネロスは夢を見させる能力を持つモンスター軍団軽闘士のヘドグロスにメタルダーに悪夢を見せるよう命じるのだった。

 敵はヘドグロス。前回も登場したが、こいつは軽闘士(最低の地位)だが、身体を液体にすることが出来ることと、相手に自分の思い通りの夢を見させることが出来るため、その能力を買われてメタルダーに悪夢を見させる。他にモンスター軍団のウィズダム。見た目普通の女性で、ヘドグロスの彼女と言った感じ。
 ロボットが夢を見てしまうと言う話で、これで電気羊の夢でも見れば面白かったのに。メタルダーにとって、眠っている時に見る夢を見たいという願いを持ち、対するヘドグロスはウィズダムと共に生きる未来の夢を見ている。二つの夢はそれぞれ異なるが、夢を巡っての戦いが描かれる。
 厳しい階級組織のあるネロス軍団だけに、最低の階級軽闘士はゴミ扱いされており、ヘドグロスは他の軍団員からもそっぽ向かれてる。そんな落ちこぼれが起死回生の攻撃に出る。敵の描写がしっかりしてるのが本作の特徴とはいえ、「ウィズダム、お前を必ず幸せにしてみせる」「俺の夢。ウィズダム…ゆ、め、を…」とか良いながら殺されてしまうヘドグロスは大変悲しい物語だ。お互いに夢を目指して戦う二人だったが、本作に限ってはメタルダーの方が悪役に見えてしまう。
第10話 超絶技!名曲ロボットのバイオリン攻撃

  脚本:上原正三
  監督:伊藤寿浩
 古賀博士の息子竜夫はヴァイオリンの名手であったことを知るゴッドネロスは音楽ロボのラプソディを再改造し、街でヴァイオリンを演奏させる。それを聴いたメタルダーは戦意を喪失してしまうのだった。戦うことの出来ないメタルダーに襲いかかるラプソディ。

 敵はラプソディ。戦闘ロボット軍団烈闘士。元々はたんなる音楽ロボットだったのだが、ゴッドネロス自らの再改造を受け、ヨロイ軍団豪将のダグ兄弟をも圧倒する力を得た。強いのみならず、手にしたヴァイオリンはストラディヴァリ。メタルダーのモデルである古賀竜夫のあこがれの名器であり、どうしてもヴァイオリンに攻撃が出来ない。
 音楽を主題とした作品で脚本家上原正三氏の本作での唯一の脚本話である。
 メタルダーが自分はロボットなのだからパーツを強化さえすれば強くなれる。と単純に思っていたところ、コンピュータのはじき出した答えは「強化不可」。この制限がこの作品の一つの枷であり、特徴である。
 ラプソディの言葉だが、「音楽を分かる奴はネロス帝国にはいない。心を込めて聴いてくれたのはお前だけだ」…じゃ、なんでこんなのをゴッドネロスは作ったんだ?最後に音楽が分かるメタルダーのために演奏しながら破壊されるラプソディは格好良いぞ…あれ?生き残ってるか。
第11話 勇者の追撃!天空にそそりたつ巨人!!

  脚本:扇澤延男
  監督:小西通雄
 かつてネロス軍団にこの人ありと称されたビッグウェインだが、今では半ば引退の身。新米のブルキッドは、彼の本当の姿を知ることで、彼からの教えを請うが、引退した身のビッグウェインはそれをかたくなに拒む。だが…

 敵はビッグウェイン。今は修理屋なんぞをやってるが、元豪将で「伝説の巨人」と讃えられた存在で、戦闘ロボット軍団の重鎮爆闘士ゴチャックが敬語を使う位。戦いに虚しさを感じてネロス帝国から逃亡するが、愛弟子のゴチャックが逃亡幇助罪に問われ、ゴチャックを救うためにメタルダーと戦う。右手に装備された矢が武器で、身が軽いだけでなく、突進してきたサイドファントムを持ち上げてメタルダーに投げつけるほどの力も持ってる。それとブルキッド。戦闘ロボット軍団の軽闘士で、冒頭でメタルダーと戦って破れるが、逃亡したビッグウェインの教えを受けようとし、返り討ちに遭ってしまう。
 ネロス軍団の一人にスポットを当て、ストーリーの大部分をビッグウェインとゴチャック、ブルキッドの三人の友情物語に持って行った異色の話。今までには考えられないようなお話で、この作品がどれだけ画期的だったのかはこの話を観るだけで分かる。最後に殺される敵キャラを主人公にすることで、話を無茶苦茶ハードなものとしている。予告で毎回「こいつは凄いぜ」と言ってるけど、これはこの話のためにあるようなものだ。
 最後にバラバラになったビッグウェインの残骸を手に取るゴチャックや、それを見て、「この始末については一切自分が責任を取る」と語るバルスキー。格好良すぎ。
 ただ一方、ビッグウェインを倒すためだけに登場するメタルダーの存在感が大変希薄になってしまった。変身前の剣流星の姿で一切登場はなく、ただビッグウェインを殺すだけにだけ登場してる。これじゃ完全に悪役だよ
 一人として(剣流星も含め)素顔のキャラクタが出てこないという珍しい話でもある。
 実はかつて偶然に本作を観たことで、この作品にはまった。
第12話 愛しのモンスター・包囲する忍者たち!

  脚本:藤井邦夫
  監督:小西通雄
 かつてメタルダーによって倒されたヘドグロスには恋人がいた。そのウィズダムは打倒メタルダーを誓う。そんな彼女にゴッドネロスは直々にメタルダー暗殺を命令するが、そのお膳立てとしてヨロイ軍団の爆闘士ガラドーとクールギンの従者影を派遣するのだった。

 敵はウィズダム。9話でメタルダーに倒されたヘドグロスの恋人で、そのお腹にはヘドグロスの子供を宿している。モンスター軍団に属するが階級はなく、「奴隷女」と呼ばれている。その武器は唯一爪のみ。それを最大限に活かすために罠をかける。そしてヨロイ軍団爆闘士のガラドー。メタルダーを罠にかけるため、ウィズダムを殺そうとするが、予定通りメタルダーに阻止される。忍者と言われるだけのことはあり、その動きは神出鬼没。手裏剣や分身の術、空蝉の術などを使う。それとクールギンの従者として影が登場する。これは戦闘員クラスの軽闘士で、複数登場。
 今回もネロス軍団の内部での人間(?)関係が描かれる。階級のないウィズダムと、軽闘士だったヘドグロスがどのように低く扱われていたか。そしてそんなもののために爆闘士が使われたと言うことで怒るガラドーとか。又、メタルダーが母となったウィズダムに優しい言葉をかけてたり…やっぱり単純じゃないな。しかもガラドーと戦い続けるシーンで終了とは。なかなか演出も良し。これも本シリーズの特徴的な話と言って良し。
<ガラドーとメタルダーが初めて相対するシーンでは剣流星が名前を聞くのだが、「忍びに名前など無い」と切り捨てる…あるじゃん。
 ヨロイ軍団は人間だから、影を倒したことで、ここで初めてメタルダーは人を殺したことになるが、自制回路はどうなったんだ?
 剣流星がメタルダーになった時の声が変わってる…時々あるが、えらく渋くなる。>
VOL.2
<A> <楽>
第13話 危機一髪!親と子が愛をもどす海猫の村

  脚本:高久 進
  監督:冨田義治
 クールギンの提案により、日本銀行に眠る金の強奪計画ゴールド作戦が敢行された。その計画を知ってしまった労働者の命をヨロイ軍団のヒドーマンが追うが、そこに現れたのは、なんとかつてメタルダーに破れたベンKだった。

 敵はヒドーマン。ヨロイ軍団の暴魂で、名前の通り非道な事が大好きという分かりやすい悪役。拷問したり、人間の首を絞めながら「泣け。わめけ」とか、土に差した刀の上にダイブしろとか、無茶苦茶にはまった悪役ぶりを見せてくれる。又、第3話に登場したヨロイ軍団のベンKが再登場。メタルダーに諭され、自分が犯した罪を償うために各地を巡礼して回っていたらしいが、メタルダーの危機に居合わせ、人質の母子を助けるために多数の影と戦って死亡。見事な立ち往生だった。又、今回もヨロイ軍団の影が多数登場してる。
 かつてメタルダーにより命を助けられたベンKが、人質を助けるために影たちと戦った末の立ち往生が描かれる。メタルダーが積極的に人間であるヨロイ軍団のヒドーマンを殺したりと、なかなか凄まじい光景が見られる。ヒドーマンによって女性や子供が拷問されるシーンもあり。それにしても自制回路はどうなったんだ?それ以上に怒ったと言うことなのかな?
 忍者のコスプレをする剣流星が見られるが、これだけで分身の術が仕えるようになったのが凄いところ。それで最後は舞とのデートシーンで終わるのだが、初めての仲間の死亡が出た余韻を大切にして、これはやめて欲しかったかも。
第14話 妹よ生きて!哀しみの女戦士マドンナ

  脚本:中原 朗
  監督:冨田義治
 ネロス軍団の女奴隷ユリコ。彼女には病弱な妹がおり、その手術台を稼ぐために敢えて奴隷の身分に自らを貶めたのだ。そんな彼女はヨロイ軍団のウォッガーに見出され、マドンナの名を与えられヨロイ軍団の軽闘士見習いとしてメタルダーに当てられる。

 敵はマドンナ。本名はユリコで、かつてウィンブルドン出場まで嘱望されたテニスプレイヤーだったが、病弱な妹ミツコの手術台を稼ぐため、ネロス軍団の奴隷とされていた。その運動神経を見出され、軽闘士見習いとなる。それと、彼女を軽闘士見習いとしたウォッガー。ヨロイ軍団の雄闘で、マドンナに爆弾を括り付けてメタルダーもろとも自爆させようとか、メタルダーに追いつめられた時は命乞いをして、騙し討ちを試みるような、極めて卑劣な性格をしている。他にも影をはじめ、何体かのヨロイ軍団員が登場するが名前は分からず(その弱さ故に軽闘士かも)。
 ネロス帝国がどのように人員を調達しているかが垣間見られる話。しかし、話自体は極めてストレートで、最後は極めてノーマルなハッピーエンドだし、逆にそれがシリーズらしくない話になってしまったのは否めない。
 メタルダーが大変人間くさくなってしまったのもちょっと残念…普通でない話を求めすぎだろうか?それにしてもロボット軍団より元は人間のはずのヨロイ軍団のキャラの方が卑怯なキャラが多いのもなんかなあ。メタルダーも平気で殺してるし。
 軽闘士見習いとはいえ、折角ヨロイ軍団なんだからマドンナは兜か何かを付けるべきだったんじゃ無かろうか?
 そうそう。クールギンが「女の言うことに向こうっ腹を立てるようではいかん。女をうまく使うことも、上に立つ者の役割と思え」などと言っているが、クールギン、過去に女性問題でなんか悲しいことがあったんだろうか?(考えすぎ)
第15話 翔くモンスター・息子よ、母の願いを!

  脚本:藤井邦夫
  監督:三ツ村鐵治
 戦闘ロボット軍団の攻撃を受けたメタルダー。その戦いの中、突如割って入った一体のモンスターがいた。鋭い爪を持ち、身体をスライム状に変化できるその姿に、メタルダーはかつて戦ったヘドグロスとウィズダムの姿を重ね合わせて見る。更にその場に現れたウィズダムから、彼がウィズダムとヘドグロスの間に生まれたヘドグロスJr.であることを聞かされるが、油断したメタルダーはヘドグロスJr.の攻撃を受け、脚を滑らせて崖から転げ落ちてしまう。

 敵はヘドグロスJr.。かつて戦ったウィズダムとヘドグロスの間の子。階級はなしだが、モンスター軍団の雄闘以上の攻撃力を有し、モンスター軍団激闘士ザゲムボー、爆闘士ダムネン、雄闘ガマドーンまでが敗北を喫する。最後は母ウィズダムをモンスター軍団に人質に取られ、メタルダーと共闘し、母を助けていずこへともなく去っていく。
 前半部分がネロス軍団が舞台の中心のため、それ以外にも数多くの軍団員が登場する。ウィズダムにより三人の影を失ったことを恨みに思うヨロイ軍団のガラドーは他のモンスター軍団共々メタルダーとヘドグロスJr.を共に殺そうとしてたりと、軍団によって温度差があるのも面白い。
 ヘドグロスを巡る話もこれでお終いだが、どれも質が高い。弱いモンスターに生まれてしまった哀しさと、母の強さ。更に父の敵を討つべくメタルダーに向かっていくJr.…
 結果としてこれはネロス軍団の非情さを強調することで終わっているが、それをモンスターの目で見るというのが大変面白い。
 ストーリーのツッコミになるが、ウィズダムの回想シーンでヘドグロスとウィズダムが仲睦まじくヘドグロスJr.の乳母車を押しているシーン…ヘドグロス殺された時はまだJr.は生まれてません
第16話 恋のライバルはバリバリ爆走族

  脚本:高久 進
  監督:三ツ村鐵治
 舞は一人のオフロードレーサーを取材していた。彼の名前は北八荒。元暴走族で、今は世界一のグランプリレーサーを目指しているレーサーだった。そんな時戦闘ロボット軍団のクロスランダーが南米から凱旋し、ゴッドネロスから最新型の銃をもらった。その試射のターゲットを八荒に定め、執拗に八荒を追い求めるのだった。

 敵はクロスランダー。戦闘ロボット軍団の爆闘士だったが、南米でのテロ活動で軍功を立て、暴魂となる。二丁拳銃を愛用し、頭部の飾りにも隠し銃が内蔵されてる。デザインはヒーローものの主人公クラスの格好良さがあるのに、戦闘ロボット軍団の中では珍しく卑怯な性格をしてる。それとクロスランダーの配下としてデデモスゴブリット。元戦闘ロボット軍団の強闘士だったが、クロスランダーとは逆に海外での失敗を問われ、軽闘士に格下げされる。
 剣流星のライバルであり、良き仲間北八荒登場。元暴走族で、現在は世界グランプリトップを狙うレーサー。取材に来た仰木舞に惚れ、一方的に剣流星をライバル視するようになる。結構性格は軽く、「俺はメタルダーの兄貴分だ」とか言っておいて、ピンチになると途端に手のひらを返して卑屈になる。それでもちゃんと最後は決めてくれる。
 ネロス軍団側の描写も優れており、冒頭のクロスランダーの凱旋式でちょっとだけ名前が出たトップガンダーが帰ってくるのが良い伏線になってるが、ネロス軍団を裏切っていながら、ガルドスやゴチャックは彼の実力を今も認めている事が分かる。ロボットでありながら結構描写が良い。更にクロスランダーの配下とされたデデモスとゴブリットが、クロスランダーの聞いてないところで無茶苦茶文句言ってたり、やる気なさそうに歩いてるとか、最後、頭部にダメージを受けながらもネロス帝国に帰ったクロスランダーが土下座して謝ってたりとか、なかなか味のある話だった。基本的に飛び道具を持たないメタルダーがクロスランダーの銃を奪ってそれを撃つシーンがある。
<クロスランダーの卑怯さを表す話として、ロシアンルーレットを北八荒に強制するシーンでシリンダーが全然回ってない。>
第17話 危うし舞!走る独眼竜トップガンダー

  脚本:高久 進
  監督:伊藤寿浩
 頭部の修理を終えたクロスランダーは、先の作戦の失敗はトップガンダーによるものとして、ネロスにトップガンダー抹殺を願い出る。ネロスはそれを許可し、再生したガマドーンと共同で、手始めに北八荒および仰木舞の誘拐を命じる。

 敵は修理を受け、ちょっとデザインが変わったクロスランダーと、これまた再生したガマドーン。まだ軍団員はたくさんいるのに敢えて再生怪人二人を中心とするのが面白いところだ。八荒を捕まえる作戦だったはずなのに、ガマドーンは何故か舞の方を捕まえ、更に少女趣味に改装した自分の部屋で「お嬢さん、僕みたいな男は嫌いですか」とか、自分の手の形を自在に変えて見せたりして舞を口説いてる…前回舞を襲った時に一目惚れしたのか?粘液を飛ばしてメタルダーを攻撃するが、新しいエフェクトを伴ったレーザーアームにぶった斬られて爆発炎上。二丁拳銃を使うクロスランダーとトップガンダーとは同じヒットマン同士、強烈なライヴァル意識があることもここで分かる。そして前回に続いてクロスランダーの配下としてデデモスゴブリットが再登場。こちらも少々修理を受けてるみたいだ。
 帰ってきたトップガンダーとメタルダーの初めての共闘が描かれる話。タイトルを観る限りではトップガンダーは舞を助けるために活動してるようだけど、実際はメタルダーのために戦ってる。
 ハードな展開が魅力だった本作も、テコ入れを受けたか、北八荒の登場と共に、随分軽くなった印象を受けるが(舞をガマドーンから守ろうとするのは良いけど、あっさりと気絶してしまうとか、ガマドーンが少女趣味の部屋で突然鳴り出す電話を受けるシーンとか失笑シーンは結構ある)、実際はトップガンダーとクロスランダーの緊張ある対決や、メタルダーとトップガンダーが悲しい宿命を負ったもの同士の友情を深め合うとか、本編を貫く話自体はかなり重厚。
 ゴッドネロスにシルバーカークスの位置が知られそうだからと言って、基地を洞窟に移動したメタルダー。こんなところも細かくて良い。
 そう言えば剣流星はヴァイオリンの名手と言う設定があるが、ここでは何故かサックスを吹いてる(以降もヴァイオリンではなく度々サックスを吹く描写が出てくる)。
第18話 舞の秘密情報・プールサイドの罠

  脚本:高久 進
  監督:伊藤寿浩
 旧日本軍関係の極秘資料の一部が日本に返還されることになった。そこに超人機に関する資料も含まれることが推測され、そこにゴッドネロスの資料が残っているかも知れないとメタルダーは当たりを付ける。だが、その当日、資料ディスクを持ってきた外交官がネロス軍団のザーゲンに襲われる…

 敵は戦闘ロボット軍団烈闘士のザーゲン。「死神」の異名を持つ風貌と、左手に巨大な鎌を付けているのが特徴。罪もない人間を容赦なく斬り捨てるような卑劣なキャラだと思いきや、実はかなり紳士的で、「私は名もいりません。また、地位も名誉も望みません。ただひとつ私が望むものは、強敵メタルダーを葬ることでございます」とゴッドネロスに申し出、自爆装置を付けてメタルダーと戦う(殺したと思われた職員も実はロボットだった)。「死神には最初から別れの言葉などありません。死を前にして、私の胸は、むしろ喜びに打ち震えております」とか、自ら死神と言うだけあって、なかなか泣かせる台詞連発。しかし、あまりに紳士的に過ぎ、自分の身体に自爆装置が埋められてる事をメタルダーに打ち明けてしまったため、メタルダーは自ら右腕を斬り落とし、それをザーゲンに投げつけて自爆させる。
 一応話としてはゴッドネロスの秘密を暴こうとするメタルダーについて描かれる回だが、むしろ狂気じみた死神ザーゲンの描写の方が遙かに映えていた。戦闘ロボットのくせに夢まで見てる(自分以外の全軍団員がメタルダーに寝返ってしまい、ゴッドネロスにメタルダー同様にレーザーアームの姿を取るのはえらいシュールだ)。
 舞が爆弾の爆発に驚いた時、「大丈夫だ」と発言しているが、これは志村けんからか?流星が舞と八荒に対し、「んもー、だから最近の若い者は駄目だって言われるんでしょ」とか怒ってるのも面白い。バランスのいい話だった。
 ところでこのタイトルは全然合ってないような気が…
第19話 夏休みはゴーストバンクへ冒険ツアー

  脚本:高久 進
  監督:小笠原猛
 海に遊びに来た流星らは、同じくキャンプに来た一家と知り合う。久々の家族サービスという家族をほほえましく見守る流星。しかし娘のマリコが蝶々をを追っている内に、ネロス帝国のゴーストバンクへと入り込んでしまった。いなくなってしまったマリコをその鼻で探すスプリンガーはゴーストバンクの入口を発見。メタルダーはそこに降りていく。

 敵はヨロイ軍団暴魂のチューボ。ヨロイ軍団きっての剣の使い手で、ヨロイ軍団員としてはかなり初期から幾度と無く登場しているが、さすがに強く、メタルダーは彼を倒すために新必殺技のメタルトルネードを編み出す。ゴーストバンクに迷い込んだマリコを殺そうとする。又、かつてメタルダーと戦い、音楽ロボットに戻されてしまったラプソディが再登場。ゴーストバンクに迷い込んだマリコの命を何とか助けようとして、戦闘能力は失っているはずだが、あくまで戦おうとする姿はえらく格好が良い。。
 初めてメタルダーがゴーストバンクに突入した話で、ネロス帝国全員との戦いが描かれるという、大変豪気なお話。タイトルはお祭りっぽいのに、内容は極めてハード。スクラップ場行きが決定されたラプソディが自分を捨てて女の子を助けようとしたり、トップガンダーとの共闘が描かれたり。ベタかも知れないけど、やっぱり子供を出すのは効果的だ。
 ところでヨロイ軍団は人間がヨロイをかぶった姿をしてるので、暑くないのか?と言う疑問が生じるが、冒頭でチューボがいきなり「暑いなあ」と呟いている姿が描かれ、疑問は氷解。
第20話 ターゲットは仔犬?火をふく機甲軍団

  脚本:高久 進
  監督:三ツ村鐵治
 舞と八荒は捨てられた子犬を見つけ、流星の元にその子犬を連れて来た。子犬を捨てた車を追いかける三人だったが、偶然他の子犬を捨てようとした場所はネロス軍団の機甲軍団の訓練が行われていたのだった。その捨て犬を拾った機甲軍団のブルチェックは、それをメタルダーの囮にしようとするメガドロンに反発するが…

 敵は機甲軍団の烈闘士ブルチェック。頭部の大砲と右腕の破壊砲を武器とする戦車ロボット。ちなみに頭部の大砲は脱着可能。これまでも度々遠距離爆撃でメタルダーを苦しめていたが、ここではなんと子犬にミルクを与え、更に囮となった子犬を助けるために重傷を負うという心優しいロボットとして描かれていた。それと豪将のメガドロン。両肩に装備された二門のビーム砲が武器。機甲軍団の副官のはずだが、ここでは命令をするだけ。暴魂ダーバーボ。全身にミサイルを装備したロボットで、新型の自走ロボット砲、デスターX1の訓練を行い、子犬を囮にメタルダーをおびき寄せる作戦を敢行するが、メタルダーのプラズマパンチを受けてデスターX1と共に破壊される。ミサイルと顔の部分は脱着が可能。それと、これ又度々登場してきたジェット機型のストロープ。それとテストが行われた自走ロボット砲であるデスターX1。良く出てきた。
 これまでほとんど活躍の機会がなかった機甲軍団が全面にわたって登場する。機甲軍団はネロス軍団の中では最も軍隊っぽいプロ集団なので、やはり出てくるのも集団と言うことらしい。プロのロボット軍団であるはずなのに、子犬の命を守ろうとするブルチェックが、大変格好良い。
 メタルダーは命を大切にすることをプログラムされているが、同じロボットでもこういうキャラがいる。むしろ素材が人間のヨロイ軍団よりずっと暖かみがあると言うのが実によい。更に子犬を簡単に捨てる大人の描写もここにはあり、本当に人間が命を大切にしてるのか?と言う問いにもなっている。これが本作の味だ。
 そう言えばメタルダーの声ってころころ変わるな。ここのところしばらく流星役の妹尾洸の声だったんだけど、又渋めになってる。
 一応この話も八荒による「怒る!」と言う笑い(にならない)ギャグもある。ちゃんとその瞬間、流星の瞬転と同じくBGMが途切れるのも芸細かい。
第21話 大都会ミステリー・ホタルを呼ぶ美少女

  脚本:高久 進
  監督:三ツ村鐵治
 ある夜、バイクを走らせていた八荒はこども達にホタルがいると教えられ、自分もそこに行くことにした。だが螢子という少女と出会った八荒は子供を見失ってしまった。翌朝になってもこども達は帰ってこず、八荒は警察から事情聴取を受ける。消えたこども達を探す八荒と流星は人工的に作られたロボットホタルを発見し、更に何者かの襲撃を受けてしまうのだった。螢子が怪しいと睨むメタルダーに、本人から話を聞くと飛び出す八荒だが…

 敵はヨロイ軍団激闘士のジャムネ。キックボクサーで、グローブをロケットパンチのように飛ばして攻撃することも出来る…ところでこのグローブだが、いくら撃ってもどんどん飛んでくるんだが、一体どういう構造になってるんだ?(装着すると両手分だけになるんだが)
 なんかこう言ってはなんだが、普通のメタルヒーローシリーズっぽい作品だった。若者のエキスを取り出し、モンスター軍団に与えるという作戦だが、八荒とかこども達とか、全員助けもなくエキスを取られてしまうあたり、なんかホラーっぽくもある。ただ、本シリーズの売りはそうじゃないだろ?
 今回はむしろ八荒が主人公に近く、熱血の八荒と、冷静な流星が良い具合のコンビになってる。恐る恐るとはいえ、鉄棒でジャムネを背後から襲って撃退したり、人質となった螢子を救ったりと、大活躍してる。又、かがみ込んだ八荒が「怒る!」と叫ぶと、その背後から瞬転したメタルダーが飛び出す。コメディリリーフとしての演出が気に入った。
第22話 空飛ぶローラー!赤いイルカの襲撃

  脚本:高久 進
  監督:伊藤寿浩
 ネロス軍団に大金を渡され、流星を襲うアイスホッケー姿でローラースケートを駆使する武装集団“レッドドルフィン”。人間に攻撃が出来ないメタルダーに、次々と卑怯な手を繰り出してくるネロス軍団…

 敵は戦闘ロボット軍団雄闘のジャース。身体を重武装に固め、遠距離からメタルダーをねらい打ちする…これは戦闘ロボットじゃなくて機甲軍団じゃないのか?メタルダーが人間を攻撃できないことを見越し、人間にメタルダーを襲わせる策士めいた事もやってるが、最後はメタルボンバーで倒される。一応他にゲバローズゴブリットデデモスが出てくるが、人間相手には強くても、メタルダーが瞬転したらすぐにいなくなった。
 「若者は金に弱い」とかゴッドネロスに言わせておき、その後“ボートピープル”なんて言葉が出るあたり、当時の風俗が分かろうというもの(ローラースケートブームもあり)。結構な社会派作品となってる。本作の重さの方向性がちょっと変わったかな?
 前回登場しなかったからか、舞が中心となってる描写もあり。
<ヨロイ軍団凱聖のクールギンは「メタルダーは相手が人間である場合、必殺技を使うことをしない」とか言ってるけど、何人もの部下がメタルダーにぶち殺されてるのはどうなるんだ?>
第23話 トップは誰だ?!ピンからキリの大運動会

  脚本:中原 朗
  監督:伊藤寿浩
 ネロス軍団対抗競技大会が開催された。各軍団はしのぎを削り、訓練に余念がない。その中で一人ゴッドネロスの密命を受け、メタルダー抹殺の任務に就くロビンケン。子供がさらわれ、それを追うメタルダーの着いた先には…

 敵はヨロイ軍団爆闘士ロビンケン。まるで実際の海兵隊のような格好をしている。ゲリラ戦法が得意で、土に潜って相手の足下に現れたり、ブービートラップを敷設してメタルダーを罠にかけたり。これを卑怯とは敢えて言うまい。結局レーザーアームで倒されてしまう。他にモンスター軍団豪将のブライディ。モンスター軍団の副隊長で、狼と蜘蛛を合成したようなデザイン。レースの勝利者となるも、ゲルドリングの命令でメタルダーと戦う羽目になり、結果的に貧乏くじを引かされてる。
 敵の組織の運動会という、本シリーズを通して…と言うよりあらゆる特撮番組を通して普通あり得ないような事が描かれる話。確かに全軍団員が最初から揃っている本シリーズだからこそ出来る芸当には違いない。競技自体が「チキチキマシーン猛レース」を思わせる競技自体それぞれの軍団の特徴が出ていて面白い。特に他の軍団が必死になって訓練してるのを尻目に、「果報は寝て待つんじゃあ」「何でもええ。勝てばええんじゃあ」との名台詞を吐いてひたすら食いまくるモンスター軍団のゲルドリングの姿が大変面白い。
 更に競技大会は妙なネロス軍団のテーマソングが流れる中、なんと公園にあるような普通のアスレチックで行われている。勿論それぞれの特性を活かしてのレースなので、障害物を銃や体力で粉砕したり、地面を潜ったり飛んだりしてるし、勿論邪魔はOKなので、妨害しまくってたりと、色々笑える演出が多い。20話であれだけ渋めの登場をしたブルチェックが水に怯えて立ち止まってみたり、水中メカのアグミスが息を切らして走ってみたり、ようやくゴール間近で、崖を登らされて悲鳴を上げるダグスロンとか…その中で応援してるんだか他の軍団を邪魔してるんだか分からない軍団長同士の醜い争いまで出てくる。更に最後の難関は、なんとメタルダーと戦わせると言う…可哀想に。更にゴッドネロスより、「戦え」と言われたゲルドリングが、「こうなったら破れかぶれや!」と叫んだ後、「行け。ブライディ!」って、あんたが戦うんじゃないのかい!
 結局レースの商品というのは軍団の凱聖にナンバー・2の地位を与えるというものだったが、メタルダーに勝ったら、別段レースやらなくてもその地位はもらえるんじゃ?
 最後にさらわれた子供が映した写真にポーズを取るメタルダー。妙にノリが良い。
 21話あたりからテコ入れで方向修正が行われていたが、その最たるものが本作と言うことになるか。馬鹿馬鹿しくて笑えるから、こういうのも有りだと思う。
VOL.3
<A> <楽>
第24話 プリンセス天功VSガラドーの魔術合戦

  脚本:高久 進
  監督:小笠原猛
 仰木舞の属する週刊アップが後援するチャリティマジックショーが行われ、そこでマジックを行うプリンセス・テンコーこと、引田天功。しかし、鎧武者との立ち会いで、何者かが本当に天功に斬りかかってくるのだった。マジックショーを観ていた流星は悪漢を追うが、そこに現れたのはヨロイ軍団爆闘士のガラドーだった。

 敵はヨロイ軍団爆闘士ガラドー。巨大なシルクハットに黒マント姿で現れ、引田天功の魔術を破って自分を世界一の魔術師と認めさせようとする。一応他に機甲軍団のメガドロンブルチェックダーバーボやヨロイ軍団の影が一応登場。
 …テコ入れもここまで来ると、ちょっと悲しすぎる。これまでのハードな展開は一体どこに?バラエティ作への転換を図るのは良いけど、これじゃあんまりだ。
 魔術勝負って、結局引田天功のマジックショーを見せるだけだし、12話で見せた渋いガラドーが消えてしまったのも悲しい。全編を通して最悪の話となってしまった。
 引田天功が本人役で出演するのは、「電子戦隊デンジマン」「宇宙刑事ギャバン」に続き3回目。
第25話 とびだせ!ジャック電撃応援団

  脚本:高久 進
  監督:三ツ村鐵治
 八荒とジョギングしていた流星はクールギンが一人の青年に刃を突きつける姿を目撃する。たまたまパトカーが通り過ぎたため、クールギンは逃げ去るが、襲われていた青年は時田と名乗り、軽闘士見習いだったが、脱走してきたという…一人の裏切り者に凱聖であるクールギンが出るのはおかしいと勘ぐる流星だったが、八荒と、そこに現れた彼の昔の暴走族仲間達は時田を助けようと申し出る。
 敵はヨロイ軍団豪将のタグスロン。かつて義兄のダグスキーと共にメタルダーを苦しめたものだが、ここでスクリューボンバーで倒されてしまう。オープニングでクールギン(なんと円月殺法を見せてくれる)と、他にヨロイ軍団の影たち、そして量産化されたらしいいつもの機甲軍団のストロープバーベリイ
 表題に「ジャック電撃応援団」とあるが、なんとここに登場するのは大葉健二(『宇宙刑事ギャバン』のギャバン)、渡洋史(『宇宙刑事シャリバン』のシャリバン、『巨獣特捜ジャスピオン』のブーメラン、『時空戦士スピルバン』のスピルバン)、春日純一(『大戦隊ゴーグルファイブ』の黒田官平、『科学戦隊ダイナマン』の星川竜、『巨獣特捜ジャスピオン』のマッドギャラン)、田中澄子(『超電子バイオマン』のイエローフォー)、澄川真琴(『時空戦士スピルバン』のダイアナ)という、豪華すぎるメンバー。
 この話から放映時間が変わり(どうやらハードすぎる内容がこども達に受け入れられなかったらしい)、そのテコ入れのために、これまで東映特撮作品に出てきた主人公達を総出演させたらしい。それにしても豪華な話だ。
 この話は前後編の前編となり、ここで倒されたダグスロンの報にショックを受けるダグスキーの姿で終了。
第26話 ぶっちぎり!炎のジャック野郎

  脚本:高久 進
  監督:三ツ村鐵治
 怪我を負った八荒は一刻を争う重体だった。大急ぎで救急車を呼びに行くジャック野郎達だったが、その前に弟ダグスロンの敵討ちに燃えるタグスキーが現れる…RH-Oという特殊な血液を持つ八荒は果たして助かるのか!そしてメタルダーとクールギンとの宿命の対決の果ては…
 敵はダグスキー。無茶苦茶強いはずなのに、冒頭でメタルダーに吹っ飛ばされて、自分の敷設した地雷で爆死。前回のダグスロン同様、最後が可哀想すぎる。そして宿敵であるクールギン。剣を構えるクールギンに対し、メタルダーは木刀で戦い、木刀を切られてしまったところを、レーザーアームでクールギンを下す…が、クールギンはヨロイの下にもう一つの鎧を着込んでおり、一方的なライバル宣言をして去っていく。
 前回に続いての話で、豪華なジャック野郎達のみならず、流星の心情も描かれた話。血液を必要としている八荒に、ロボットである自分が何も出来ない事に引け目を感じてたり、その代わり意識が戻るまでじっと八荒の傍らで手を握ってるとか、なかなか描写は良い。そして勿論歴代のメタルヒーロー達の活躍も忘れてはいけない。前回一人で影達に立ち向かって行った春日純一も再登場。大葉健二と共に戦う姿は、やっぱり格好良いなあ。細かいところが行き届いてるよ。
<クールギンとメタルダーの決闘シーンは、クールギンが刀の鞘を投げ捨てたところを「勝って帰るなら何故鞘を捨てた」とメタルダーが叫ぶ…おいおい。しかも刀を構えるクールギンに対し、メタルダーが持ってるのは木のオールだった。>
第27話 助けて!愛しのゴリちゃん逃亡日記

  脚本:扇澤延男
  監督:小笠原猛
 ネロス帝国の研究所から動物の凶暴化を促すバイオプラントを埋め込んだ実験動物ゴリゴンが脱走した。ゴリゴンの一体と出会って少女川本ユキはそれを「ゴリちゃん」と名付け、その面倒を見ることにした。一方、計画の流出を恐れたゴッドネロスはウォッガーIIにゴリゴン捕獲を命じる。

 敵はヨロイ軍団雄闘のウォッガーII。14話に出てきた時にメタルダーに真っ二つにされてるんだが、ヨロイ軍団員は人間だけに換えが無いし…二代目か?ゴリゴンの着ぐるみを3体も作るんだったら、新しいヨロイ軍団員を作ってやれって。繰り出した槍にメタルダーが飛び乗り、最後はメタルボンバーでとどめを刺される。
 可愛いモンスターをみんなで守るという、テコ入れがあったことを如実に示す話で、普通のメタルヒーローとか戦隊ものだったら、さほど違和感がないが、殊本シリーズに限っては、これはやって欲しくなかった。
 ゴッドネロスが重々しく「ゴリゴン計画」なんて言うシーンがあったりして、なんだかとっても違和感が…
 ところでゴリゴンからバイオプラントを取り出したら、おとなしいモンスターになったんだが、なんでウォッガーII以降、ネロス軍団から刺客が送られてこないんだろう?この辺の説明もしっかり入れて欲しい。
第28話 可愛い盗賊・きらめくダイヤに乙女の願いを!

  脚本:藤井邦夫
  監督:伊藤寿浩
 ダイヤコレクターとして知られる伊集院宗徳の擁する伊集院財閥の宝石を狙う怪盗レッドパンサーが出没する。実は宗徳はかつてゴッドネロスの正体を知ってしまったため、ネロス帝国に殺されていた。ひょっとしてレッドパンサーは伊集院の関係者ではないか?と危惧するゴッドネロスはゴールドアイという宗徳秘蔵のダイヤを用いてレッドパンサーの抹殺を命じるのだった。

 敵はモンスター軍団豪将のブライディ。鋭い爪を武器とするモンスター軍団の副将で、狼と蜘蛛の合成モンスター。身体から蜘蛛を分離させる事も出来る。人間に変身して登場し、まるでエルム街の悪夢のフレディみたいな攻撃をしてる。
 メタルヒーローものっぽい物語なんだが、本作らしい味付けでバランス良く仕上がってる。闇の中で戦い、手ぶれありのカメラワークや雑音をも演出するのは、狙ってやってるとすればたいしたもの。
 怪盗が現れた!で、いきなり「ネロスと関係あるかも知れない」と言う流星。ちょっと推理が飛躍しすぎ…まあ、何が何でも「ゴルゴムの仕業だ」と断定する御仁よりはまだマシってもんか?(笑)
第29話 ある哀しいのら犬の物語

  脚本:中原 朗
  監督:伊藤寿浩
 ネロス帝国は家畜にモンスターの遺伝子を組み込み、人間を襲わせる計画を発動する。だが、独立心を失ってしまった家畜ではモンスターの遺伝子に拒否反応を起こしてしまう。そこでゲルドリングはジョージと言う野良犬に目を付け、ドグギャランとして町へと放つが…

 敵はドグギャラン。元はジョージという野良犬だったが、ゴッドネロスによりモンスターに作り替えられる。動物の自由のためサファリパークの動物を解放しようとするが、メタルダーと舞の飼い犬マミーの説得により正気を取り戻す。そしてゲルドリングに向かって突進するが返り討ちに遭ってしまう。悲しい存在。他にモンスター軍団凱聖のゲルドリングが直々に戦いに参加してる他、やはりモンスター軍団のバンコーラダムネン、機甲軍団のストローブもちょっとだけ登場してる。
 動物を使うとどうしても話がベタになってしまうもの。人間じゃないため演出が難しいから。しかし、どう見ても野良犬に見えないシェパードを「野良犬」と言い切るのはいかがなものか?
 家畜をベースにしてモンスターを作ろうというネロス帝国の作戦だったが、最初にモンスター化したネコは突然華やいだ音楽が流れ、ゲルドリングになついてくる…方向修正なんだろうけど、妙に可愛い演出だ。その後、野良犬のジョージが流星の通訳で喋ってるのもほのぼのしてる。
 ただ、最後はドグギャラン=ジョージが特攻をかけて死んでしまうあたり、前の演出が結構効いてるかも。
第30話 守れ!秘密基地

  脚本:高久 進
  監督:小笠原猛
 父に連れられてハイキングにやってきた和夫少年は崖崩れで動けなくなった父の事を知らせるため、山を彷徨う。暗闇の中、和夫少年を見つけたトップガンダーはメタルダーにそれを知らせるため、空砲を撃つが、たまたまシルバーカークスを探しに来ていたネロス軍団にもそれが聞かれてしまう。

 敵は戦闘ロボット軍団の豪将ガルドス。戦闘ロボット軍団の副将で、鎧武者のような風貌を持ち、直進的なメガトンパンチを武器とする。それと軽闘士のデデモスゴブリット。この二人は常にクロスランダーにこき使われているのだが、ここではちらっとだが、クロスランダー自身がガルドスにこき使われてるような…
 子供を主人公として、その成長を描くと言う、メタルヒーローものとしては定番の物語が展開される。これもテコ入れの結果だろうけど、ハードさが今ひとつ薄れてしまってる。意味もなく苛ついてみせるゴッドネロスとか、ほとんど意味もなくマスコミが出てくるとか、今ひとつ焦点が絞り切れてない。それと久々に登場したトップガンダーも、わざわざネロス軍団に居場所を知らせるかのような空砲を撃つとかねえ。それにいくら夜とはいえ、わざわざ子供をシルバーカークスに連れてくるメタルダーとか(親が心配してるのが分かってるんだから、病院に連れて行けよ)。
 …メタルダーとトップガンダーの友情が描けているのは良しとしよう。
第31話 瞬転を狙え!愛を夢みる少女

  脚本:藤井邦夫
  監督:小笠原猛
 メタルダーの弱点は、流星からメタルダーに瞬点する僅か0.001秒の間だけ完全な無防備状態になると言うことだった。そんな時、仰木舞と八荒と待ち合わせた流星に一人の少女がついてくる。夢と名乗ったその少女は名前も親も知らないと言うので、記憶喪失と判断した流星と八荒は親探しを開始するのだった。

 敵はバルスキー。戦闘ロボット軍団のリーダーのお出ましである。自分の軍団に対し、色々と温情をもって知られるバルスキーも、メタルダー相手には極めて非情となり、「俺に心の回路は不要だ」とまで叫ぶ。それとゴッドネロス直属の美人秘書と、名前のない戦闘ロボット軍団の軽闘士達。
 冒頭で突然とうとうとメタルダーの弱点を語り出すゴッドネロスを見て、まるで「仮面ライダー」時代に戻ったかのような単純な話になってしまった気がして、もうあかんかな?とか思ったんだが、さにあらず。夢という心を持ってしまったロボットの哀しみというのが存分に語られる名作に仕上がってる。しかも最後は流星を救うため、ほとんど自爆に近い爆発を起こさせるなど、なかなか凄まじい話になってる(ロボットだけに最後は再生してるのはどうか?と言う点だが)。子役も巧い。メタルヒーローシリーズ全部を通しても、これは名作と言い切れる。最後に「ネロス帝国を滅ぼした後、必ず夢を迎えに来ることを誓った」というナレーションも、最終回を知ってしまうと、凄く悲しく思える。
 ちょっとだけストーリー上のツッコミ。正体が割れた夢をシルバーカークスに連れて行く流星だが、ネロス軍団はシルバーカークスの場所を血眼になって探してるはずだから、追跡装置でもつけてたら、一発でシルバーカークスの場所がばれてるだろうに。
第32話 百年美人伝説

  監督:三ツ村鐵治
  脚本:柳川 茂
 100年に一度だけ咲くという幻の花、百年草の取材するように命じられた仰木舞は八荒のアドヴァイスに従い、八荒、流星と共に花咲山に住む植物好きの友和という少年の元に向かう。一方、これまでの戦いで被害甚大のモンスター軍団のゲルドリングはゴッドネロスから叱責を受け、仕方なくメタルダーを倒す方法を模索する。そんなところに現れたクールギンから百年美人がもの凄いパワーをもたらすと聞き、モンスター軍団も又、花咲山へ…
 敵はゲルドリング。モンスター軍団の凱聖だけに、本当に物語を終わらせにかかっていることが分かる。卑怯さを信条としてるくせに人の言葉をすぐに信じたりする人の良さを見せている。百年美人を食べることで、メタルダーのメタルボンバーやメタルメタルトルネードをはじき返す力を得ているが、百年美人の暴走によって苦しんでいるところをレーザーアームで倒されてしまう(この時点では生死不明)。後は百年美人に関する回想シーンで名前のない真っ赤なモンスターが登場してる(ヨロイ軍団員らしい)。後はモンスター軍団爆闘士のダムネンも出てくるが、その後、クールギンとの戦いとなり、ついにクールギンのマスクを割ることに成功…だが、その中にはもう一つのマスクが。
 あれだけの数がいたモンスター軍団も残りがもうほんの僅か。多分見えないところでメタルダーに殺されまくっていたと言う設定なのだろうが、すっかり少なくなってしまった軍団員が物悲しい。
 ところで、「百年に一回しか咲かない」花が10年程度のスパンで咲いてるのは、設定的に妙じゃないか?
第33話 大包囲網 熱き友情の脱出

  監督:三ツ村鐵治
  脚本:高久 進
 ネロス軍団の演習場に入り込んでしまったトップガンダーは、そこに死んだはずのネロス軍団員達がネロスの力により復活しているのを見る。その事実をメタルダーに知らせようとするトップガンダーだったが、ネロス軍団に発見されてしまい…
 敵はネロス帝国のモンスター軍団を除いた3軍団全軍だが、具体的にはトップガンダーと宿敵クロスランダーとの決着が描かれる話となった。これまで散々卑怯な真似を繰り返してきたクロスランダーは、最後まで卑怯さを保ったままレーザーアームで倒されるのがらしいと言えばらしいし、むしろ意味もなく再生したヨロイ軍団員よりはずっと描写は良い。
 再生怪人が山ほど出てくる話。しかし、ロボット軍団やモンスター軍団ならいざ知らず、替えのないはずのヨロイ軍団員が多数復活してるのはやめて欲しい感じはする。尤も、話自体はトップガンダーとメタルダーの友情が描かれる良い話ではあるんだけど。トップガンダーはロボットなので、同じ形態のロボットが作られることもある事が分かる。拷問を受けてトップガンダーの顔がボロボロになってるのも痛々しい。お笑いに走る傾向があった八荒も今回大変渋い役回りで出ているのもポイント。
第34話 千の顔を持つ帝王・ネロス

  監督:伊藤寿浩
  脚本:高久 進
 ワシントンで特派員の仕事をしている舞の父仰木信吾が日本に帰国した。舞と八荒、流星の三人は信吾を迎えに行くが、舞と信吾の乗った車は突然暴走を始める。実はその車の運転手はブライディだったのだ。実は信吾はアメリカでの仕事中、舞の依頼でゴッドネロスの情報を集めていたのだ。何とかブライディを撃退したメタルダーだったが、ブライディの襲撃は続いていく。その中で信吾の持ち帰った資料を調べる流星は、「村木國夫」という名前が繰り返し出てくることに気づく。
 敵はブライディ。モンスター軍団の豪将だが、28話で死んでるはずで、“II”の表記もないのは何故?一応蜘蛛の方が本体で、オオカミの方は蜘蛛が倒されると消えてしまうと言う演出はあるんだが、28話で蜘蛛も倒してるという事実は…設定は面白かったのに、勿体ない。そしてクールギンとメタルダーの戦いとなり、とうとうクールギンの素顔が明らかに…え?この顔は?と言う意外な展開が待っている。
 最終回に向け、否が応でも盛り上げようとしていることが分かる話で、実際これまで正体が分かっていたゴッドネロスと、分かっていなかったクールギンの関係が明らかになるという意外な展開。
 メタルダーとクールギンの戦いは、クールギンの円月殺法と、メタルダーの分身の術とのぶつかり合いとなり、無茶苦茶映えていた。クールギンの素顔が分かっても、肝心の登場人物は誰もその正体に気づかないというのも面白いところ。
第35話 帝王・ネロスの正体は?

  監督:伊藤寿浩
  脚本:高久 進
 桐原剛造と村木國夫との関係を調べるべく、桐原コンツェルンに単身乗り込む仰木信吾。一方、世界の飢餓を救うため、私財を擲つニュースを観た舞と八荒は本当に桐原がゴッドネロスと関係を持つのか疑問に思えていた。しかし、その頃、信吾はネロスの手によって…
 敵はゲルドリング。32話で倒されていたが、再生手術を受け、更なるパワーアップを遂げている。そしてモンスター軍団の最後の生き残りとなる暴魂バンコーラ。同じく触手を伸ばすゲルドリングとタッグを組んでメタルダーを襲うが敗れ去る。
 これまで謎だったゴッドネロスの謎が次々と明らかになった回で、久々に「私を夜の闇に包め」を聞くことが出来る。村木がどのようにして桐原に、そしてゴッドネロスになったのかが明かされ、更に素顔を曝したクールギンが桐原剛造の影武者であることが発覚。自分で世界に混乱を引き起こしておいて、慈善活動家を気取る桐原の描写も奥深さを感じさせられる。
 又、ここでもトップガンダーがメタルダーのサポートとして登場。ゴブリットとデデモスをあっという間に倒してしまう。
 どうでも良いことだが、これまで大阪弁を喋ってたゲルドリングの広島弁は冴え渡り、ますますヤ●ザっぽくなってる。しかし、これにてモンスター軍団は全滅。最後にゲルドリングが「まだまだ」と言いつつ溶け去る描写はなかなかぐっとくるものがある。
VOL.4
<A> <楽>
第36話 大反撃!戦闘ロボット軍団

  監督:小笠原猛
  脚本:高久 進
 ネロス帝国にさらわれた仰木信吾を探す流星達は、舞の飼い犬マミーがあるビルで吠え立てるのを見て、ここに信吾が捕らわれていることを確信する。一方本拠地を嗅ぎつけられたことを知ったゴッドネロスは信吾にメタルダーを倒すように催眠術をかけてタグスキーのヨロイを着せ、メタルダーに差し向ける。
 敵はタグスキー(のヨロイを着た仰木信吾)。中身は信吾なので、メタルダーは戦うことが出来ず、大変な苦戦を強いられる。それ以外に機甲軍団の総攻撃と、女性型ロボットのロボット軍団強闘士ローテール。「私は女ロボット。戦いは好まない」とか言いつつ、しっかり罠を張っていたりする。そしてついに戦闘ロボット軍団凱聖バルスキーとメタルダーの一騎打ち。ゴチャックの完全破壊と、戦いのシーンだけでも見所満載。
 桐原コンツェルンとネロス帝国の関係がついにメタルダー達にも理解されるとか、機甲軍団の総攻撃により、シルバーカークスが破壊されるとか物語上でも大変重要な話に仕上がっている。既に話自体はラストストーリーに入ってると言うことなんだろう。物語も極めてハード。
 仰木信吾がゴッドネロスの催眠術を受けてメタルダーを襲うわけだが、ホラー的演出が冴えていて、なんかとても異様な雰囲気を漂わせていた。
 ところで、ここでバルスキーは倒され、戦闘ロボット軍団は全滅したとゴッドネロスは語っていたが…これも巧い伏線を張ってくれる。
第37話 大崩壊!ネロス帝国

  監督:小笠原猛
  脚本:高久 進
 助け出した仰木信吾からゴッドネロスの正体とネロス帝国への道を聞くことが出来たメタルダーはトップガンダーと共に桐原コンツェルンのハイテクビルからゴーストバンクへ降りていく。そしてついに相対するゴッドネロス…
 敵はウォッガージャムネガラドー。彼らは既に全員死亡してるが、又しても復活を果たしたらしいが、本当にあっという間に倒されてしまう。それとゴッドネロスとの決戦の前にヨロイ軍団暴魂のチューボが立ちふさがったと思うや、これもレーザーアームであっけなく倒されてしまう。更にゴッドネロスは二人の美人秘書を巻き込んで見苦しく自爆。
 ゴーストバンクの崩壊とゴッドネロスの死。機甲軍団の全滅。そしてトップガンダーの死。大変見所が多い話なのに、何故か話は淡々と過ぎていく。
 あれ?2話を残してるのにこれで終わり?と思わせる展開は流石。こういう展開にさせるかよ。影武者を前に出したのは、こうやってちゃんと伏線が張られていたと言う事実。しかもネロス帝国の崩壊およびトップガンダーの死が実に静かに描かれるのも印象深い。カタルシスこそ無いものの、逆にこのあっけなささが、この後の展開を予見させる。
第38話 大逆襲!愛と憎しみの荒野

  監督:三ツ村鐵治
  脚本:藤井邦夫
 ネロス帝国は滅びた。だが、メタルダーは盟友トップガンダーを失った。未だ生き残っているはずのクールギンを倒すことを誓うのだが、一方、瀕死の状態にあったバルスキーはクールギンの招きに従い、メタルダーとの最終決戦に臨むのだった。
 敵はバルスキー。36話でメタルダーに倒されているのだが、瀕死の状態で生き残っており、クールギンによって修理されてメタルダーとの最終決戦に臨む。そして戦闘ロボット軍団の生き残りローテール。バルスキーに戦いを止めるように懇願するが聞き入れられず、最後はバルスキーをかばってメタルダーのGキックを浴び、バルスキーと合体する。
 前回でネロス帝国滅亡が描かれたが、ここで話は一挙に急展開。主人公はなんとバルスキーになって、メタルダーと戦うしかない悲しき運命が語られる。「ロボットは情け無用!」という割に人情が厚い存在だった。ロボット同士のロマンスが語られるとは、なかなか凄いことをやってくれる。そして最後に実はバルスキーもメタルダーのような生き方に憧れていたことを告白して、「生き抜け」とアドヴァイスを与えて自爆。格好良いなあ。最終回一話前で脚本の方も意地を見せたって感じだな。
 最後のバルスキーとメタルダーの戦いは、まさにロボット軍団全軍団員との戦いになってしまい、もの凄い描写となる。
 バランス的に言っても、本作は突出した巧さを誇っている。
第39話 大決戦!メタルダーよ永遠に

  監督:三ツ村鐵治
  脚本:藤井邦夫
 舞と八荒に別れのビデオを送り、ゴッドネロスとの最終決戦に向け、一人最後に残ったゲートをくぐった流星は立ち並ぶヨロイ軍団の亡霊を相手に傷つきつつ、最後にゴッドネロスの前に立つ。しかし、メタルダーの弱点を熟知しているゴッドネロスはメタルダーに内臓されている超重力エネルギー制御装置を破壊してしまうのだった。
 敵はゴッドネロスと、ヨロイ軍団の亡霊達。ほとんどがカブトばかりの状態だが、怨念によって蘇ったと言うことは、こいつらは幽霊か?人間、機械、モンスターのみならず、幽霊までも軍団員として使うのか?
 いよいよ本作が最終回。改めて本物のゴッドネロスとの戦いが行われる。ゴッドネロス自身はそんな強いと言うほどではないが、なにせ超人機開発に携わっただけあって、メタルダーの弱点を熟知し、最後にメタルダー自身に選択を任せる。
 ゴッドネロスを倒したとして、超重力エネルギーが暴走すれば地球さえも破壊しかねない。だが、このままではネロスに膝を屈することになる…究極の選択に迫られるメタルダー。そして、全ての力を失い、流星にも戻れなくなってしまったメタルダーはスプリンガーと共に去っていく…
 本作は明確に“反戦”をテーマにしたため、本当の意味でハッピーエンドには成り得ない。悪に対するアンチテーゼとしてのヒーローは、悪が滅びた以上、同じく消えねばならないのだから。
 …しかし、それは自分の望みによって、友の手によってなされ、いつか帰ってくることを約束して。
 …ヒーローが自分のなすべき事を全てやり終えて、消えていく。ここまで明確に「最終回」を演出した作品もそう多くはなく、このラストシーンはやっぱりぐっと来る。特撮好きの醍醐味ってやつがここにはある。

 

ネロス軍団階級(参考)

ヨロイ軍団 戦闘ロボット軍団 モンスター軍団 機甲軍団
1 凱聖(軍団長) クールギン バルスキー ゲルドリング ドランガー
2 豪将(副団長) ダグスキー
ダグスロン
ガルドス
ビッグウェイン(元)
ブライディ メガドロン
3 暴魂 チューボ
チューボII
ヒドーマン
トップガンダー
クロスランダー
バンコーラ ダーバーボ
アグミス
4 雄闘 バーロック
ウォッガー
ウォッガーII
ジャース
ジャースII
ガマドーン
ヘドグロスJr.(候補)
バーベリイ
5 爆闘士 ガラドー
ガラドーII
ロビンケン
ゴチャック
クロスランダー(元)
ダムネン
6 激闘士 ジャムネ
ジャムネII
ベンK
ゲバローズ ザケムボー ストローブ
7 烈闘士 ザーゲン
ラプソディ
ブルチェック
8 強闘士 ローテール
ゴブリット(元)
デデモス(元)
9 中闘士 ムキムキマン
フーフーチュウ
10 軽闘士
マドンナ(見習い)
ゴブリット
デデモス
ブルキッド
ヘドグロス
奴隷 マドンナ ウィズダム
その他 時田 ゴリゴン
ドグギャラン