風と共に去りぬ
Gone with the Wind |
1939米アカデミー作品賞、主演女優賞(リー)、助演女優賞(マクダニエル、デ・ハヴィラント)、監督賞(フレミング)、脚色賞(シドニー=ハワード)、撮影賞、室内装置賞、編集賞、主演男優賞(ゲーブル)、作曲賞、特殊効果賞、録音賞
1939NY批評家協会女優賞 |
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デヴィッド・O・セルズニック(製)
シドニー・ハワード(脚) |
| ヴィヴィアン・リー |
| クラーク・ゲイブル |
| レスリー・ハワード |
| オリヴィア・デ・ハヴィランド |
| トーマス・ミッチェル |
| バーバラ・オニール |
| ハティ・マクダニエル |
| ジェーン・ダーウェル |
| ウォード・ボンド |
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| ★★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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5 |
5 |
3 |
4 |
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奴隷制度廃止を訴える北軍と制度の存続を願う南軍との間に緊張が高まる中、南軍都市アトランタでは戦争の話で持ちきりだった。その中にスカーレット・オハラ(リー)がいた。彼女は愛する男性アシュレイ(ハワード)は彼女が目もくれてなかったメラニー(デ・ハヴィランド)と結婚するという。プライドの高さから、その事実に逆上してしまい、好きでもない男と結婚してしまうが、夫は間もなく始まった戦争で戦死してしまう。そんな彼女を見つめる男がいた。彼女の人生の転機に度々現れ、彼女を救うレッド・バトラー(ゲーブル)。だが勝ち気の彼女はことごとく彼を無視し続ける。
マーガレット・ミッチェル原作によるベストセラーの映画化。
「この映画を観ることなしにハリウッドを語るなかれ」かつてそのように言われていた。これは現代でも十分通用するだろう(むしろ観ない方が“今の”ハリウッドを語る上で大切かも知れないけど)。それだけのパワーを持つ、「これぞハリウッド」と全身で言っているような作品である。アメリカ映画史に燦然と輝く傑作。
何しろその派手さ(有名な駅の炎上シーンはスタジオに残されていた『キング・コング』(1933)のセットを丸ごと焼き尽くしたという)、音楽、濃厚すぎる愛憎劇、男そのものを思わされるゲーブル、そして何よりヴィヴィアン=リー演ずるスカーレットの性格のきつさ。これらが見事に画面に収められている(何となく画面からはみ出しているかのようにも見えるが、そのことは置いておこう)。
でも、色々言われているが、この映画の一番の見所はスカーレットをリーがキチンと演じきることが出来た。と言う点にあるのではないか?彼女の周りだけ濃密な空気が澱み、長く一緒にいるだけで窒息しそうな気分になる。こんな性格を演じるのはもの凄いストレスだっただろうに。一方ゲーブルはそう言う女性を落とそうという意欲満々…猛獣遣いみたいだが、それが男の甲斐性ってやつなんだろうか。
この作品は監督および役者選びにえらく難航した(スカーレット役を決めるため、60人もの女優にスクリーン・テストを受けさせ、そこで使用したフィルムだけで映画が一本作れるほどだったという。その中にはヘプバーンやポーレット・ゴダードもいた)。結局はイギリス出身のリーに決定したが、そもそも彼女は『無敵艦隊』(1937)で競演したオリヴィエと恋仲となり(1940年に結婚)、オリヴィエを追いかけてハリウッドまで来て、そこでオハラ役に抜擢されたという逸話を持つ。
脚本は撮影終了まで何度と無く直され、しかも監督まで幾度と無く替わった(ジョージ・キューカーもいる)。撮影監督も複数存在し、特にアトランタの炎上はセルズニックの信用厚いウィリアム・キャメロン・メンジースが務めている。それを切り貼りしてでも作り上げた製作者であるデヴィッド・O・セルズニックの並々ならぬ苦心の作である(MGMの創立者メイヤーの娘婿だったセルズニックは義父と大げんかをやらかし、MGMから独立。セルズニック・プロを設立する。その第一作作品が本作。ゲーブルをMGMから借りるため、配給はMGMとなった)。この出来を観ると何となく納得してしまうけど。製作には絶対に無茶苦茶忍耐が必要な作品だ。その甲斐あり、この年のアカデミーは総ナメの快挙となる。助演女優賞では初の黒人受賞者マクダニエルを輩出した。それと、マクダニエルと同時にノミネートされたデ・ハヴィラントはジョーン=フォンティンの実姉。その年の興業収益トップと作品賞でのオスカーを両方共に受け取った初めての例となる。
ちなみに現時点で全ての映画の中で最も収益を上げている作品でもある(ギネスブックにも載っていて、総収益は3,785,107,801ドル)。それこそリバイバル上映する度に大入りだし、この記録は今も尚継続中。多分抜かれることは無かろう(なんせ1961年のリバイバル時には全米興行成績が8位になってるくらい)。
いみじくも製作者のセルズニック自身が見事に本作を言い表している。「太陽が昇らない国があっても、『風と共に去りぬ』が上映されていない国はない」。
尚、最後のレッド・バトラーの台詞に「damn」という言葉が使われているが、これはヘイズ・コードに抵触する言葉だったため、相当に揉めて、業界の重鎮の口添えでやっと許可を得たという。 |
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