西部開拓史
How the West Was Won |
1963米アカデミー脚本賞、編集賞、録音賞、作品賞、撮影賞、作曲賞、美術監督・装置賞、衣装デザイン賞
1997アメリカ国立フィルム登録簿 |
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ジョン・フォード
ジョージ・マーシャル(共)
バーナード・スミス(製)
ジェームズ・R・ウェッブ(脚)
カール・マルデン
キャロル・ベイカー
ジェームズ・スチュワート
ジョン・ウェイン
デビー・レイノルズ
グレゴリー・ペック
ジョージ・ペパード
リチャード・ウィドマーク
ヘンリー・フォンダ
キャロリン・ジョーンズ
アグネス・ムーアヘッド
セルマ・リッター
クロード・エイキンス
ウォルター・ブレナン
リー・J・コッブ
アンディ・ディヴァイン
ハリー・ディーン・スタントン |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
4 |
4 |
3 |
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1830年から80年代に至る50年の間に、西部に移住したプレスコット一家3代にわたって経験した西部開拓の物語。
1部:父のゼブロン(マルデン)を初めとする総勢6人が西部移住のためオハイオ川を降っていく物語で、毛皮商人のライナス(スチュワート)と娘のイーブ(ベイカー)の出会いや河賊との戦いが描かれる。
2部:それから10年後の話で、キャバレーの歌い手となったイーブの妹リリス(レイノルズ)が賭博師クリーブ・バン・ベイレンと出会い、サンフランシスコに移住するまで。
3部:南北戦争時代で、ライナスは既に戦いに赴き、戦死しており、イーブとライナスの間の二人の息子の長男ゼブ(パペード)も戦争に志願するが、そこで絶望を味わい、脱走しようと考えていたところを偶然にも近くにいたシャーマン将軍(ウェイン)を助けてしまうまで。
4部:騎兵隊員の隊長となったゼブと野牛狩りの男ジェスロ(フォンダ)との交流と絶望を描く。5部は未亡人となったリリスがサンフランシスコの邸宅を売り払い、保安官となったゼブらと共に、再び西部へと移住するまでを描く。
ライフ誌に連載された絵物語にヒントを得たジェームズ=ウェッブが195冊の歴史書をもとに脚本を書き、ヘンリー・ハサウェイ、ジョン・フォード、ジョージ・マーシャルの3人の監督を用いて、更に出演は、キャロル・ベイカー、デビー・レイノルズ、ジェームズ・スチュワート、グレゴリー・ペック、ジョン・ウェイン、ジョージ・パペード、リチャード・ウィドマーク、ヘンリー・フォンダ、カール・マルデンなど、西部劇の主人公クラスが全員登場するという、これ以上ないほどの豪華なオールスターキャストを用いて作られた西部劇の本物の大作。シネラマ劇映画第1作でもあり、1963全米興行成績は5位となっている。
監督からキャストに至るまでまさにオールスター出演と言った感じの作品で、シネラマ画面いっぱいに使った画面はたいそうな見所(と言っても、テレビで観た私にはそれを言う資格無いだろうが)。しかし、主人公クラスが目白押しと言うことで、微妙な演技というのがなく、全てが直球勝負。クライマックスシーンばかりを詰め込むことになってしまった。こういう作品に微妙なものを求めてはいけないのだろう。一種のお祭りと思って観るが良し。オムニバスにした分、一話が短くなってるのも、クライマックス連発に拍車をかけてた感じだな。その分一話毎の物語自体の構造が非常に単純になってるのと、妙に間の悪い印象を受ける。
それに価値観が今から見るともの凄く古くさい。当時のアメリカはあたかもフロンティア精神を持って無人の荒野を行く西部の男達に自分たちを模していたのではないか?かつてアメリカ大陸を征服(開拓では決してない)したように、今や世界も征服に乗り出せると考えていた時代の産物だ。最後の「新しい時代の叫びだ」という言葉は、どうにも性格の悪い私などは勘ぐってしまう。
とにかく西部劇のエキス集大成と言った感じなので、西部劇ファン用の作品として考えるならば素晴らしい作品となるだろう。多分。
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