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ジョージ・キューカー
George Cukor

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ジョージ・キューカー
Wikipediaより
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 アメリカの映画監督・プロデューサー。コメディと文学の翻案で有名。
 女優たちに素晴らしい演技を引き出すことができる監督として評判で「女性監督」として知られるようになったが、彼はその肩書きを嫌っていた。
Wikipediaより引用
経歴
1899'7'7 ニューヨークでハンガリー系ユダヤ人移民の子として誕生
1918 大学半ばで陸軍に入隊する
1920 ニッカーボッカー・プレイヤーズの舞台監督に就任
1925 ウォルター フォルマー、ジョン ズウィッキーとともに CF アンド Z. プロダクション カンパニーを設立
1928 パラマウント・ピクチャーズに入社する
1930 西部戦線異状なしで演出助手となり、その後監督となる。
1933 『若草物語』で米アカデミー監督賞ノミネート
1936 セルズニックから『風と共に去りぬ』(1939)監督のオファーを受け、二年間準備するが下ろされる
1940 フィラデルフィア物語で米アカデミー監督賞ノミネート
1942 通信隊に入隊し、プロパガンダ用映画の製作に携わる
1947 『二重生活』で米アカデミー監督賞ノミネート
1950 『ボーン・イエスタデイ』で米アカデミー監督賞ノミネート
1964 マイ・フェア・レディ米アカデミー監督賞受賞、ゴールデングローブ監督賞受賞
1970 米国功績アカデミーのゴールデン プレート賞を受賞
1975 『恋の旅路』でLA批評家協会特別賞受賞
1976 ジョージ イーストマン賞を受賞
1983'1'24 心臓発作で死去
5+
4+
3+ ガス燈
魅惑の巴里
スタア誕生
フィラデルフィア物語
2+
個人的感想
1983 1'24 死去
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969 アレキサンドリア物語 監督
1968
1967
1966
1965
1964 マイ・フェア・レディ 監督
1963
1962 チャップマン報告 監督
1961
1960 わが恋は終りぬ チャールズ・ヴィダーと共同監督
西部に賭ける女 監督
恋をしましょう 監督
1959
1958
1957 野性の息吹き 監督
魅惑の巴里 監督
1956 ボワニー分岐点 監督
1955
1954 有名になる方法教えます 監督
スタア誕生 監督
1953
1952 パットとマイク 監督
1951
1950 ボーン・イエスタデイ 監督
1949 アダム氏とマダム 監督
1948
1947 二重生活 監督
1946
1945
1944 ガス燈 監督
1943
1942 火の女 監督
1941 女の顔 監督
奥様は顔が二つ 監督
1940 フィラデルフィア物語 監督
1939 舞姫ザザ 監督
風と共に去りぬ 共同監督
1938 素晴らしき休日 監督
1937 椿姫 監督
1936 ロミオとジュリエット 監督
1935 男子牽制 監督
男装 監督
孤児ダビド物語 監督
1934
1933 晩餐八時 監督
若草物語 監督
1932 君とひととき 監督
女優と真実 監督
栄光のハリウッド 監督
1931 街のをんな 監督
心を汚されし女 監督
1930 名門芸術 監督
雷親爺 監督
戦争と貞操 監督
1929
1928
1927
1926
1925
1924
1923
1922
1921
1920
1919
1918
1917
1916
1915
1914
1913
1912
1911
1910
1909
1908
1907
1906
1905
1904
1903
1902
1901
1899 7'7 ニューヨークで誕生

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レビュー
マイ・フェア・レディ
My Fair Lady
1964米アカデミー作品賞、主演男優賞(ハリソン)、監督賞(キューカー)、撮影賞、音楽賞、美術監督賞、美術装置賞、衣装デザイン賞、録音賞、助演男優賞(ハロウェイ)、助演女優賞(クーパー)、脚色賞、編集賞
1964
NY批評家協会作品賞、男優賞(ハリソン)
1964ゴールデン・グローブ作品賞、男優賞(ハリソン)、監督賞(キューカー)
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アラン・ジェイ・ラーナー(脚)
オードリー・ヘプバーン
レックス・ハリソン
スタンリー・ホロウェイ
ウィルフリッド・ハイド=ホワイト
グラディス・クーパー
ジェレミー・ブレット
セオドア・バイケル
モナ・ウォッシュボーン
イソベル・エルソム
★★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 言語学者のヒギンズ教授(ハリソン)は下町の花売り娘のイライザ(ヘップバーン)のあまりにも下品な訛り・言葉使いに興味を持ち、友人のピカリング大佐に、自分が教育すれば半年で舞踏会に出られるぐらいの貴婦人に仕立て上げられると豪語し、賭けを始めた。厳しい教授のレッスンに堪えたイライザは見違えるような麗しき貴婦人へ変貌を遂げ、社交界へデビューするが…
 1938年に製作された『ピグマリオン』のリメイク作で、元は舞台劇でジュリー=アンドリュースが主役だった(実は本作もそのままアンドリュースに演らせる予定だったのを製作者の意向によって知名度の高いヘップバーンにしたそうだが、皮肉なことにこの年のオスカー女優となったのはアンドリュースだった)。オードリー=ヘップバーン主演の傑作の一つ。彼女の喋り方、物腰、歌などまさしく見事な作品。彼女が演技派女優であることを世に示した。又製作費は1500万ドルと、当時の破格の金額が遣われたが、大ヒットによって軽くペイできたとか(1964年から65年にかけ、『メリー・ポピンズ』(1964)『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)、および本作と、超ロングラン作品が三作も出てしまった)。日本では294日のロング・ランを記録したことでも有名。
 ヘップバーンはこんな難しい役を良くこなしたものだと素直に感心できる。イザベラという訛りの強い、気の強い下町娘から後半の貴婦人然とした物腰への変化とギャップは見事なものだし、ミュージカルシーンでの彼女は輝いて見える(歌は吹き替えで、『王様と私』(1956)でデボラ=カーの吹き替えをしたマーニ=ニクソンが歌ってるんだが)…尤も私としては舞台でイライザ役を演じたというジュリー=アンドリュースにも魅力は感じるが…
 だけど、なんと言ってもこの作品ではヒギンズ教授役のハリソンが良い(ハドソンは舞台からの続投)
 膨大な知識が頭には詰まっていて、金も地位も問題なし。しかも誰に対しても態度を変えることが無く、傍若無人な態度を崩そうともしない。こんな生き方、格好良すぎる。特に10数年前の私だったら、まさにこれこそ理想的な生き方だった。誰に煩わされることもなく、自分のやりたい研究に没頭し、優雅に生きたいように生きる。素晴らしい(ちょっとマザコン気味なのだけはいただけないけど)
 しかし、ヒギンズ教授がイザベラを拾った事によって彼の人生も転機を迎え、教育することによってイザベラだけでなく、彼も又、変えられていく。実際自分の理論を証明するための実験体としてしか見ていなかったイザベラ。彼にとって一つの作品に過ぎなかった彼女がいなくなった時、本当の自分の気持ちに気付く。いや、正確に言えば、既に気付いていたのに、今までの自分の信念が崩れるのを恐れ、得意の理論を用いて自分を騙そうとし、母の家で再会したイザベラに対し、強がりを言うしかできなかった。
 それで我の強い二人は意地の張り合いとなって決裂するのだが、それで家に帰る時の彼の自分に言い聞かせるような強がりの台詞。家に帰ってから、寂しさのあまり彼女の声を吹き込んだ録音機を書ける時の寂しそうな仕草。
 最後に彼女が帰ってきた時、帽子を目深にかぶり直して「スリッパを取ってくれ」と言うのだが、この気持ち、良く分かるな。あの帽子の中での表情は安堵感と威厳を崩さそうとしないように必死に押し留める事で、グチャグチャになっていたことだろう。男はそんな顔を見せるべきではない。そんな意思を充分に感じることが出来た。無茶好みだわ。
 これがホント、もし10何年か前にこの作品と出会っていたら、多分確実にマイ・ベスト筆頭作品になってたはず。大分年を食ってから、つい最近になって観たわけだが、今観ることが出来たお陰で随分と冷静に、この作品の巧さ、自分の感情をある程度コントロールして観ることが出来たのは良かったよ。
 勿論ヘップバーンとハリソンだけではなく、ハロウェイやクーパーと言った脇を固めるキャスト陣も上手く、特にミュージカル・パートでの本当に楽しそうな歌と踊りは絶品。しかし、面白いことに、ヘップバーンは最初のキャスティングではなかったそうだ(事実ここでの彼女の歌声は吹き替え)。元々舞台で演じたジュリー・アンドリュースにオファーが行ったそうなのだが、プロデューサーの意向により、アンドリュースが外されたとか(尚、この年のアカデミー主演女優でオスカーを得たのが『メリー・ポピンズ』のアンドリュースだったというのが皮肉というか…)。主演男優賞を受賞したハリソンはヘップバーンからオスカー像を渡され、彼女と客席にいるアンドリュースの二人に対し、「私の二人のフェア・レディスに心から感謝します」と語る。これは逸話揃いのアカデミー授賞式の名コメントの一つ。
 大ヒット間違い無しのこの作品を作ったワーナー・ブラザーズは何と500万ドルと言う破格値で映画化権を獲得した。他の映画会社なら兎も角、ワーナーらしく、エンターテイメント性が強く出ているのが特徴で、大変楽しい作品に仕上がっており、大成功となった。のみならず、映画業界において格下と見られていたワーナーの3本目のアカデミー作品賞受賞作となり、ジャック・ワーナー(4男)はプロデューサーとしてオスカーを手にする。ワーナーにとっても重要な作品となった。
製作年 1964
製作会社 ワーナー・ブラザーズ
ジャンル 恋愛(年の差)
売り上げ
原作
ピグマリオン <A> <楽>
ジョージ・バーナード・ショウ (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
「スペインの雨は主に平地に降る」
“The rain in Spain stays mainly in the plain.”
魅惑の巴里
Les Girls
1957米アカデミー衣装デザイン賞、美術監督・装置賞、録音賞
1957
ゴールデン・グローブ作品賞、女優賞(ケンドール)
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ソル・C・シーゲル
ソウル・チャップリン(製)
ジョン・パトリック(脚)
ジーン・ケリー
ミッツィ・ゲイナー
ケイ・ケンドール
タイナ・エルグ
ジャック・ベルジュラック
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 元踊り子で現在はジェラルド・レン卿の夫人となったシビルが、かつての仲間だった元踊り子アンジェルに名誉毀損で訴えられる。先ほど出版されたシビルの踊り子時代を綴った告白本に、嘘が書かれているというのだ。二人と座長のバリーについて二人の記憶は全く異なり、しかもどちらも自分が正しいと言い張り、泥沼化しかけたのだが、そこに当のバリーも現れ、全く異なる主張をし始めるのだった。

 実質的にMGMミュージカルのラストを飾った作品。豪華なセットとコミカル要素と、いかにもMGMっぽさにあふれているが、本作に関しては単純に終わらせずにひねりを加えていた。簡単に言えば黒澤明の『羅生門』(1950)の要素を入れ、一人一人の主張が異なる真実の本当の出来事を探るというパターンを作った。
 単純性を求めるミュージカルと、複雑な展開を見せる『羅生門』的要素は相容れない気もするが、意外にも結構それが上手く融合していた。ミュージカルと言うよりもソープオペラみたいな設定になってるが、即興っぽさも結構良い具合。
 『羅生門』に限らず、海外の作品をコメディに変えてミュージカルと合わせることに成功していればミュージカルももう少し続いていたかもね。意外な傑作も生まれていた気がする。
製作年 1957
製作会社 MGM
ソル・C・シーゲル・プロ
ジャンル ミュージカル
売り上げ
原作
歴史地域
関連
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
スタア誕生
A Star Is Born
1954米アカデミー主演男優賞(メイソン)、主演女優賞(ガーランド)、ミュージカル映画音楽賞、歌曲賞、美術監督・装置賞、衣装デザイン賞
1954
ゴールデン・グローブ男優賞(メイソン)、女優賞(ガーランド)
1955英アカデミー国外女優賞(ガーランド)
2000アメリカ国立フィルム登録簿
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モス・ハート(脚)
ジュディ・ガーランド
ジェームズ・メイソン
ジャック・カーソン
チャールズ・ビックフォード
アマンダ・ブレイク
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 ノーマン・メイン(メイスン)は高名な映画スターであったが、仕事のストレスからアルコール浸りの毎日を送っていた。そんな時ハリウッド映画基金募集ショーが行われ、そこで失態を起こしてしまう。それを上手く治めたのが新人ジャズ歌手のエスター(ガーランド)で、酔いが醒めた時にその事を知らされたノーマンは彼女を口説いて自分の相手役として映画出演させるのだった。ヴィキー・レスターの芸名で出演したミュージカル映画は大成功で、彼女の名は一躍有名になり、二人は晴れて結婚するのだが、酒浸りのノーマンの人気は次第に落ち、一方エスターの人気はどんどん上がっていく…
 かつてウィリアム・A・ウェルマン監督およびキューカー監督で映画化されたドラマをそれまで映画生活から離れていたジュディ=ガーランドの復帰作として、ミュージカル映画としてリメイク(現時点までに4作が作られている)。ガーランドファンに支えられ、1955年全米興行成績10位
 アメリカ映画界、特にMGMのミュージカル映画全盛時代燦然と輝き、ヴィンセント=ミネリとの結婚でも有名となったジュディ=ガーランドだったが(二人の間の娘がライザ=ミネリ)、1950年頃から睡眠薬浸りとなってしまい、結婚生活は破綻し、MGMからも放逐されて碌々演技も出来なくなってしまったという。そんな彼女を救ったのがプロデューサのシドニー=ラフト。結婚後、彼が製作した作品にガーランドを指名し、彼女のために作ったのが本作と言われる。そのため、オリジナル第1作の『栄光のハリウッド』を監督したキューカーを起用。万全の体制を敷いた。
 本作ではまるでその立場が逆転したかのように、アルコール漬けの夫を甲斐甲斐しく看病する妻の役だが、その痛々しさが分かるだけに、この時の演技は鬼気迫るものがある。それにやはりミュージカル畑のヴェテランだけあって歌のうまさは折り紙付き。そしてメイソンの体当たり演技も素晴らしい(アカデミーはアル中演技に甘いと言われるけど、本作でもメイソンがちゃっかりノミネートされてる)。
 私はリメイク作である『スター誕生』(1976)の方を先に観たが、やはり脚本がベタな分、こちらの方が正しい作り方なんだろう。
 ただ一方では『スター誕生』(1976)と較べると間の悪さはどうしても感じてしまうし、特にこういったベタなメロドラマがどうにも苦手な私としては、さほど点数は高く付けられないのだが。

 ちなみに本作が復帰作と騒がれたガーランドだったが、本作で念願のオスカーを逃したこともあり、睡眠薬中毒は止まることはなく、この後ラフトとも離婚。1969年には睡眠薬中毒で亡くなっている。そう思うと、演技も痛々しく感じてしまう。

 長く本作は154分で上映されていたが、1983年にオリジナルの上映時間181分に復元された。
製作年 1954
製作会社 トランスコナ・エンタープライズ
ワーナー・ブラザーズ
ジャンル 職業(音楽)
売り上げ
原作
ウィリアム・ウェルマン (検索) <A> <楽>
ロバート・カールソン (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連 スタア誕生(1937)
スター誕生(1976)
アリー スター誕生(2018)
ガス燈
Gaslight
1944アカデミー主演女優賞(バーグマン)、室内装置賞、作品賞、主演男優賞(ボワイエ)、助演女優賞(ランズベリー)、脚色賞、撮影賞
1944
ゴールデン・グローブ女優賞(バーグマン)
<A> <楽>
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アーサー・ホーンブロウ・Jr(製)
ジョン・ヴァン・ドルーテン
ウォルター・ライシュ
ジョン・L・ボルダーストン(脚)
シャルル・ボワイエ
イングリッド・バーグマン
ジョセフ・コットン
メイ・ウィッティ
アンジェラ・ランズベリー
テリー・ムーア
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 イタリア留学から恋人グレゴリー(ボワイエ)を連れてロンドンに戻ったポーラ(バーグマン)。二人はそこで結婚し、彼女の育った家で新生活を始める。実はこの家はかつて彼女の育ての親である高名な歌手の叔母が殺された忌まわしい想い出のある家だったのだが、グレゴリーの頼みでそのままそこに住むことになった。幸せな生活を送る二人だったが、やがてポーラの身の回りでおかしな出来事が頻発し出す。物忘れが激しくなり、夜になると不思議と暗くなる部屋のガス灯も、それに気づくのは自分だけ…徐々に心の均衡を失っていくポーラ…
 いわゆる戦中から戦後にかけて流行することになるニューロティック・スリラーの走りと言える作品(イギリス流のゴシック・ロマンスをアメリカ的な演出で作るフィルム・ノワール)で、ストーリー自体は強引すぎてやや説得力に欠ける部分があるが、とにかく雰囲気が良い。幸せの絶頂にありながら、徐々に忍び寄ってくる不安と、それを裏付けるような証拠。何よりバーグマンの表情の変化が見事で、観てるこっちが完全に誘導されていた。その緊張感の持続の割にオチの弱さが少々気になるところだが、途中経過だけで充分元を取った感じ。なにより、表題のガス灯の使い方がとても活きている。ガス灯がこれだけ普及したのは霧の深いロンドンのみなので、これだけで分かる人には、「ああ、これはロンドンだな」と分かるように出来ているのも上手い作り方。電気とは異なり、ガスの場合ぼんやりと周囲を映し出すため、サスペンスにはもってこいのアイテムだし。
 キャラクターに関しては、何と言ってもバーグマンの表情の素晴らしさ。ここに尽きる。最初の幸せそうな屈託のない笑顔が徐々にこわばり始め、中盤の放心したような表情へと向かう課程が見事だ。最初善人に見えるボワイエの変節ぶりも、要所要所に登場するコットン(バーグマン共々MGMから借り受けたそうだ)の使い方も良い。あとラズベリー演じるメイドの行動が妙で、それも面白い。いずれにせよ豪華なキャストだ。
 ゴシップだが、冒頭でバーグマンとボワイエのキスシーンはバーグマンの方が上背があるため、木箱を用いてのキスシーンとなったそうな(後にハリウッドではセッシュウと名付けられるものだな)。大柄な女性って言うのは、それはそれで苦労があるようだ
製作年 1944
製作会社 MGM
ジャンル 犯罪(サスペンス)
精神(病気)
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原作
パトリック・ハミルトン (検索) <A> <楽>
歴史地域 ロンドン(イギリス)
関連
フィラデルフィア物語
The Philadelphia Story
1940米アカデミー主演男優賞、脚色賞受賞。作品賞、主演女優賞、助演女優賞、監督賞ノミネート
1940NY批評家協会女優賞受賞
1995アメリカ国立フィルム登録簿登録
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ジョセフ・L・マンキウィッツ(製)
ドナルド・オグデン・スチュワート(脚)
キャサリン・ヘプバーン
ケイリー・グラント
ジョン・ハワード
ジェームズ・スチュワート
ルース・ハッセイ
ローランド・ヤング
ジョン・ハリデイ
ヴァージニア・ウェイドラー
メアリー・ナッシュ
ヘンリー・ダニエル
ヒラリー・ブルック
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 フィラデルフィアの上流階級の令嬢トレイシー(ヘプバーン)は、石炭会社の重役であるジョージとの結婚を控えていた。トレイシーの結婚式をスクープしようと考えた「スパイ誌」の社長キッドは、2年前にトレイシーと喧嘩別れした前夫デクスター(グラント)を利用してヘイヴン邸内部の取材を計画する。記者のコナーとエリザベスは、デクスターに連れられてヘイヴン邸に乗り込む。未だデクスターを許してないトレイシーは全員屋敷から追い出そうとするのだが…

 フィリップ・バリー原作のラブコメ舞台劇の映画化で、舞台の主役だったヘプバーンが映画でも主役を張っている。ヘプバーンをはじめとして、ケイリー・グラント、ジェームズ・スチュワートという蒼々たるメンバーで展開する。話としてはシチュエーションコメディに近く、登場人物が広い館内をあっちこっちに歩き回り、他のキャラと遭遇すると会話劇が始まるというもの。一応これは当時のラブコメのフォーマットに則っている。
 そのことは頭では分かっているのにどうにもはまりこめない。
 それは結局主人公のトレイシーに共感を持てないのが問題だろう。
 一応身勝手な上流階級の女性という設定だが、表情がコロコロ変わり、いろんな面を見せるキャラとして作られている。それはまるでヘプバーンの当て書きのような描写だったが、一体何が本当なのか最後まで分からずじまい。トレイシーは一体何をしたかったのか、何をここから得て、何を悟ったのか。その辺が分からないまま会話劇が続き、流されるようにいつの間にか復縁を果たしている。
 これがスクリューボールコメディ的な演出というのは分かるものの、トレイシーの主体がどこにあるのかが見えてこないし、この女性の性格がつかめないまま終わってしまうので、心がすっきりしない。
 観たままコメディとして観るのが正しいのだろうが、それが出来なかった時点でコメディとして観られなくなってしまった。
 他のキャラも頑張っているけど、やっぱりヘプバーンにばかり目が行ってしまうのも映画としては歪で、どうにも素直に楽しめなかった。

 これはまさしくヘップバーンのための映画だったそうで、舞台では利益の45%をもらう契約をし、映画では監督、脚本家、共演俳優を選ぶ権利を得る。映画ではRKOを解雇されたヘップバーンの本格復帰作となる。自らが主演、監督と共演者を選べることを条件にMGMに映画権を売る。当初クラーク・ゲーブルとスペンサー・トレイシーを予定するが、スケジュールが合わず、ジェームズ・スチュワートとケイリー・グラントが起用される。
製作年 1940
製作会社 MGM
ジャンル 恋愛(ラブコメ)
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原作
フィラデルフィア物語 <A> <楽>
フィリップ・バリー (検索) <A> <楽>
歴史地域 ペンシルヴェニア(アメリカ)
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書籍
著作・対談 評伝
 

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