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ニール・ブロムカンプ
Neill Blomkamp

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鑑賞本数 1 合計点 4 平均点 4.00
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
2016
2015 チャッピー 監督・製作・脚本
2014
2013 エリジウム 監督・製作・脚本
2012
2011
2010
2009 第9地区 監督・脚本
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979 9'17 ヨハネスブルクで誕生

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チャッピー

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ベン・ウェイスブレン(製)
ニール・ブロムカンプ
テリー・タッチェル(脚)
シャールト・コプリー
デヴ・パテル
ヒュー・ジャックマン
ニンジャ
ヨ=ランディ・ヴィッサー
ホセ・パブロ・カンティージョ
シガーニー・ウィーヴァー
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
エリジウム 2013

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ビル・ブロック
ニール・ブロムカンプ
サイモン・キンバーグ
スー・ベイドン=パウエル(製)
ニール・ブロムカンプ(脚)
マット・デイモン
ジョディ・フォスター
シャールト・コプリー
アリシー・ブラガ
ディエゴ・ルナ
ワグネル・モウラ
ウィリアム・フィクトナー
ファラン・タヒール
ブランドン・オーレ
ジョシュ・ブラッカー
エマ・トレンブレイ
ホセ・パブロ・カンティージョ
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
第9地区 2009
2009米アカデミー作品賞、脚色賞、視覚効果賞、編集賞
2009
英アカデミー監督賞、脚色賞、撮影賞、プロダクションデザイン賞、編集賞、音響賞、特殊視覚効果賞
2009
ゴールデン・グローブ脚本賞
2009LA批評家協会美術賞
2009放送映画批評家協会メイクアップ賞、
脚色賞、視覚効果賞、音響賞、アクション映画賞
2009VESアワードOutstanding Compositing
2010MTVムービー・アワード恐怖演技賞(コプリー)

2010ブルーリボン外国映画賞
2010
キネマ旬報外国映画第3位
2009ナショナル・ボード・レビュー
インディ系作品
2009
ピーター・トラバースベスト第8位
2009
タランティーノベスト第11位
2010映画com.ベスト第4位

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ピーター・ジャクソン
キャロリン・カニンガム
ビル・ブロック
ケン・カミンズ(製)
ニール・ブロンカンプ
テリー・タッチェル(脚)
シャールト・コプリー
デヴィッド・ジェームズ
ジェイソン・コープ
ヴァネッサ・ハイウッド
ナタリー・ボルト
シルヴァン・ストライク
ジョン・サムナー
ウィリアム・アレン・ヤング
グレッグ・メルヴィル=スミス
ニック・ブレイク
ケネス・ンコースィ
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
特撮事典
 ある日、正体不明の巨大宇宙船が突然南アフリカ共和国に飛来。ヨハネスブルクの上空に停止したまま何の反応も見せない宇宙船に、国連が調査団を派遣したところ、それに乗船していたのは栄養失調に陥った不気味なエイリアン達だった。彼らを難民として認定した南アフリカは宇宙船の真下にキャンプ地を敷設。第9地区の仮設住宅に住まわせることになった。それから28年の月日が流れ、野蛮で不衛生な彼らが住みついたそこはスラムと化していった。そこで市内の第9地区から郊外の第10地区に彼らを移送することになり、MNU (MULTI-NATIONAL UNITED)の社員ヴィカス(コプリー)が現場責任者に指名された。淡々と任務を果たしていったヴィカスだが、偶然手にしたカプセルの中に入っていた液体を浴びてしまい…
 ニュージーランド人のピーター・ジャクソンが製作し、南アフリカ出身の監督が作ったという珍しい経緯の外国産のハリウッド映画。徹底した低予算で作られ、主人公役は監督の友人の素人という、かなり手作り感が溢れてる。
 2009年は年末に公開された『アバター』に席巻された感のあるハリウッド映画界だが、それもあって『アバター』は貫禄のアカデミーノミネートを果たした。そんな中、こっそりと本作もノミネートされていた。オスカー候補に2作のSF作品がノミネートされたというだけでも凄いが、どう見てもB級にしか見えない本作がノミネートされたということは、それだけで快挙ではあろう。
 ただ、この『アバター』と本作にはもう一つ特徴がある。実はこの2作は内容的にも共通する設定が多いのだ。
 前提条件として異性人と人間のコンタクトというものがあるため、自ずと似ている部分もあるのだが、それだけでなくいろいろと類似するものも多い。それらを以下に徒然に挙げてみよう。

 最初に主人公は人間側に立って、差別的な目で異性人の住民を眺めているのだが、いつしか彼らの目で人類を見るようになっていく。又主人公は最初あくまで自分の都合だけで異性人を見ているが、やがて彼らにシンパシーを持つようになっていく。
 そして一旦キレてしまうと、立ちふさがる人類に対して情け容赦なくぶち殺す。
 その結果、主人公こそが最終的に人類ではなく異性人を勝利に導く役割を担う。
 細かいところだと、やたらタフな軍人が登場したり、パワードスーツが出てくるとか不思議な一致が多い。

 こう言う訳で目で見える形での類似点は結構あるが、むしろ本質的には
人間が持つ差別的感情や功利主義の否定。より原初的な意味での人間性(?)の回復。と言った意味にあってはほぼ一致していると言っても良い。
 この二つの作品に共通するのは、明らかに
批判精神。そもそもSFとは、直接的に語る事に困難を憶える事柄に対してストレートにぶつけられる場所なのだから、むしろここまでやってくれたことにSFファンとしても溜飲を下げさせていただいた。
 ただ、本作が『アバター』と大きく異なるのがエイリアンの生態であろう。“エビ”と称される彼らははっきり言ってグロテスク。表現は悪いが、これはエビと言うより脱皮中のゴキブリみたいな姿をしている。それにその生態というのも、生ゴミを漁ったり、ドロドロのキャットフードをぐっちゃぐっちゃに頬張ったりと、モロに生理的嫌悪感を引き起こす姿だった。実際「ぬめっとした昆虫が嫌い」という人だったら、その姿自体がホラーになってしまうだろう。
 だが、ここではそう言う姿にする必然性があった。このような嫌悪感をもたらすデザインだからこそ、物語の最初から人間に徹底的に嫌われていると言う設定が素直に入ってくるし、そしてそう言う生理的な嫌悪感を越えて行く過程がきちんと描かれていくのだから。観ている内に自分自身の感覚が変化していくのを感じる事ができるので、この辺デザインを含め、確かに巧みな作りになってる。実際
演出の教科書のようだ

 これらの演出を可能にさせているのは、二人の主人公の描写が丁寧に描かれているから。一応本作では主人公はヴィカスと言う事になってるはずだが、それと同様に重要な人物(?)としてクリストファーがしっかりと描写されている。

 最初の主人公であるヴィカスだが、最初に彼は様々なインタビューによってMNU 職員として登場する。そのインタビューが面白く、それだけでこの人物の人となり、彼が何かとんでもない事をやらかしたのだと言う事を伝えてくれる。そこだけでも彼は基本的に気が小さいながら人に合わせるお調子者の部分があり、任されたものはきちんと自分の責任を取ろうとする責任感も持ち合わせていること。MNUの高官である義父に頭が上がらない人物であることなどが詰め込まれている。そしてその後、実際の任務の光景により、彼がMNU職員として結構有能であることも分かってくる。この場合「有能」というのは、要するに
エイリアン達を「人格と権利を持つ物体」と位置づけている事から。下手な感情移入も、殊更憎むこともない比較的中立的立場を保持できると言う事だ。エビがこれ以上増えてしまうと困るので、卵を焼き払うが(この時点では権利を持たないらしい)、そこに良心の呵責を覚えている訳でもない。まあ、単純に言えば、本当に普通の男に過ぎない。
 そんなヴィカスが、一旦本物の危機に陥った時、彼は恐るべき戦士に変貌する。生き残るために彼が取った行動は、それまでの優しさや穏やかさは微塵もなく、目の前にある利用できるものはあらゆるものを利用し、立ちふさがるものはことごとく排除するようになる。内なる野性を呼び起こした狂戦士。そんな変化の描写が滅法格好良いし、この変化がとても楽しかった。
 更に最後の、完全変態して静かに第10地区で佇む姿も哀愁たっぷり。静と動の切り替えを上手く作ったな。

 そしてもう一人。クリストファーの描写も面白い。まずエビ達はかなり野蛮な存在として描かれてばかりいるのだが、このキャラ(と息子)だけはやや描写に違いがある。非常に理性的であり、しかも機械の操縦に習熟している。
 このキャラは背景が全く分からないものの、色々不思議なところがある。端的に言えばその名前だ。クリストファーという名前はどう考えても地球人の名前。更に彼自身燃料液体を「20年前から集めてきた」と言っているとおり、落下後8年後から活動を開始していることが分かる。ここから推測されるのは、こいつは地球で生まれたと考えられるだろう。そんな彼が何故燃料液体のことや、ましてや宇宙船の操縦の仕方まで覚えているのか。そもそも
そんなのが28年前に一人でもいたらこんな事態には陥らなかったはず。つまり、クリストファーは地球生まれの超天才児。おそらくはゴミ山の情報の断片から20年という歳月を掛けてここまで知識を積み上げてきたのだろう。膨大な時間を、自分の星に帰るために用いた、その蓄積が背景にある。そのために生涯をかけてきた男の姿がここにはある。ある意味とても人間くさく描いているがために、彼を通して、これまで嫌悪感しか持てなかったエビたちに近親感が持てるようになっていく。息子を出して「こんな天才的な子がいるのか?」と思わせる事で、クリストファー自身の知能の高さを描写するのも上手い方法。

 メッセージ性を高め、キャラを絞ってその内面を深めたことによって本作は一気に説得力を増す。
作りはB級でも、これを丁寧にやっていれば、充分大作並みの見応えを持った物語に仕上げることが出来るのだ。本作はそれを端的に表してくれた。おそらくは後年に残るSF作品となっていくだろう。

 …そういえば観た後でついくだらんことを考えた。これエビのクリストファーこそが主人公だったと考えたら、そのまんまこれは
「モンテ・クリスト伯」になるよな。第9地区はシャトー・ディフだし、ヴィカスはファリア神父だ。そうすると、続編は3年後にクリストファーが地球に戻ってきたところから始まり、友好使節を装い、地球人にねちっこく復讐を遂げる。
 …こんな続編だったら観てみたいぞ。

 尚、本作はいかにもアパルトヘイトっぽい描写が出ているが、これは実際南アフリカの歴史で1966年に行われた第6地区と呼ばれる地区の6万人もの人々の強制移住が元になっているのだとか。この際に第6地区では実際に暴動も起こっている。

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