悪魔のような女 1996 |
1996ゴールデン・ラズベリー最低新人賞(ストーン) |
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マーヴィン・ワース
ジェームズ・G・ロビンソン
ゲイリー・バーバー
ビル・トッドマン・Jr
ジェリー・オフセイ
チャック・ビンダー(製)
ドン・ルース(脚)
シャロン・ストーン
イザベル・アジャーニ
チャズ・パルミンテリ
キャシー・ベイツ
スポルディング・グレイ
アレン・ガーフィールド
アダム・ハン=バード
シャーリー・ナイト |
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★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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2 |
3 |
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悪魔のような女(書籍) ピエール・ボワロー、トーマス・ナルスジャック |
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全寮制の聖アンセルム男子校は野心家の理事長ガイ=ブラン(パルミンテリ)と、本来の所有者である妻のミア(アジャーニ)によって運営されていた。だが、生まれつき心臓の悪いミアに飽き足らないガイは教師の一人ニコル(ストーン)と公然の愛人関係を作っていた。常にガイからの暴力をかばってくれるニコルに、ミアも心を許すようになっていた。そしてある夜心臓発作を起こしたのを放っておかれた事でついにミアの怒りは頂点に達し、ニコルと共謀してガイの殺害に至る。しかし、プールの底に沈めたはずのガイの死体は忽然と消え去ってしまった…
シモーヌ・シニョレの主演作『悪魔のような女』(1955)リメイク作。シャロン=ストーンがシニョレ役に挑戦と言うことで話題となった。実際かなりの意気込みがあったらしく、シニョレに習って体重を増やしてタイトなスーツを着込むという、女優としての意地を見せたような作品となっている。
しかしストーンの思いはどうあれ、本作で個性を見せていたのはアジャーニあるいはベイツの方で、ストーンの悪役ぶりも全く中途半端。物語そのものも当時のサスペンスタッチにこだわるあまり、逆に軽くなってしまった。正直、これじゃ他のサスペンスと比べても抜きんでたところのまるでない凡作としか思えず。いや、オリジナルを冒涜したという意味では、余計酷くなった作品だったかもしれない。
特にストーンはそもそもブレイクした『氷の微笑』(1992)の悪女演技にあぐらをかいて、いくら格好を真似しようとも、自分自身の演技を全然変えようとしないから、悪女と言うよりは単にふてぶてしい女にしか見えない。むしろアジャーニの押さえても押さえても出てくる色香というか、妖艶ぶりの方がかえって引き立つ結果に。引き立て役がオリジナルとは全く逆になってしまった。
物語で言っても、余韻も何もあったものでなく、「あ、そう」で終わってしまう。オリジナルに対する敬意が無さ過ぎじゃないのかね?オリジナルにあったホラー性をすっぱりと切ってしまったため、ぬるいサスペンスでしかなくなった。
それでも最初に本作を観た時はかなり面白く思ったものだが、やっぱり後になってオリジナル観てしまうと駄目だね。お陰で評価がた落ち。
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