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マイク・フィギス
Mike Figgis

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書籍
著作
デジタル・フィルムメイキング ─新しいプロフェッショナルとは何か(書籍)
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2003 レッド、ホワイト&ブルース 監督
2002 10ミニッツ・オールダー イデアの森 監督・製作・音楽
2001 HOTEL ホテル 監督・製作・脚本・撮影・音楽
2000 タイムコード 監督・製作・脚本・撮影・音楽
1999 仮面令嬢 監督・製作・音楽
1998 セクシュアル・イノセンス 監督・製作・脚本・音楽
1997 ワン・ナイト・スタンド 監督・製作・脚本・音楽・出演
1996 Foxfire 製作総指揮
1995 リービング・ラスベガス 監督・脚本・音楽
1994 明日にむかって… 監督
1993 心のままに 監督
1992
1991 男が女を愛する時 監督
オブセッション/愛欲の幻 監督・脚本・音楽
1990
1989 背徳の囁き 監督・音楽
1988 ストーミー・マンディ 監督・脚本・音楽
1987
1986
1985
1984
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1982
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1955
1954
1953
1952
1951
1950
1949
1948 2'28 誕生

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タイトル

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物語 人物 演出 設定 思い入れ

 

リービング・ラスベガス 1995
1995米アカデミー主演男優賞(ケイジ)、主演女優賞(シュー)、監督賞(フィギス)、脚色賞
1995英アカデミー主演男優賞(ケイジ)、主演女優賞(シュー)、脚色賞
1995全米批評家協会主演男優賞(ケイジ)、主演女優賞(シュー)、監督賞(フィギス)
1995NY批評家協会作品賞、男優賞(ケイジ)
1995LA批評家協会作品賞、男優賞(ケイジ)、女優賞(シュー)、監督賞(フィギス)
1995ゴールデン・グローブ男優賞(ケイジ)、作品賞、女優賞(シュー)、監督賞(フィギス)
1995インディペンデント・スピリット作品賞、監督賞(フィギス)、主演女優賞(シュー)、撮影賞、主演男優賞(ケイジ)、脚本賞

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リラ・カゼス
アニー・スチュワート
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スチュアート・リージェン(製)
マイク・フィギス(脚)
ニコラス・ケイジ
エリザベス・シュー
ジュリアン・サンズ
リチャード・ルイス
スティーヴン・ウェバー
ヴァレリア・ゴリノ
ローリー・メトカーフ
ジュリアン・レノン
キャリー・ローウェル
ボブ・ラフェルソン
ルー・ロウルズ
R・リー・アーメイ
ショウニー・スミス
ザンダー・バークレイ
マリスカ・ハージティ
キム・アダムス
エミリー・プロクター
スチュアート・リージェン
グレアム・ベッケル
アン・ラング
ルシンダ・ジェニー
エド・ローター
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 ハリウッドでの有名脚本家であるベン(ケイジ)はストレスから酒浸りとなってしまい、馘になってしまう。妻と子も家を出てしまい、ベンはラスベガスで死ぬまで酒を飲み続けようと決めて一路ラスベガスへ。そこで娼婦のサラ(シュー)と出会う。ロシア系ギャングのユーリ(サンズ)に暴力を振るわれる毎日を送っていたサラはベンの優しさに惹かれていく。そしてユーリと手を切り、自分のフラットへとベンを誘うのだった。ベンは「酒をよせ」と言わないことを条件にそこに住み込むことになったベンだったが…
 自らもアルコール依存症で、映画化決定後に自殺した作家ジョン=オブライエンの同名の自伝的小説の映画化作品。
 アルコール中毒を扱った映画はハリウッド史にはかなり多く、しかもその多くは主演男優賞、女優賞を輩出するというジンクスがある(精神病もそうだけど)。有名どころでは『失われた週末』(1945)『酒とバラの日々』(1962)、変則的なら『愛しのシバよ帰れ』(1952)『バージニア・ウルフなんかこわくない』(1966)なんかもそうだろう。本作もそのジンクス通り、
見事ケイジは主演男優賞でオスカーを得ている
 それでも通常ならば、酒を止めるまでの過程を描く事が多いのに対し、本作は全くベクトルが違い、酒が元で全てを失ったベンは、それこそ死ぬまで飲み続けるためにラスベガスへとやってきて、本当に死ぬまで飲んでしまう。
いわばこれは自殺なのだが、それをあくまで暖かい視点で見守っているのが特徴と言える。
 恥ずかしながら私は下戸なのでほとんど酒を飲めない
(ただし、飲んだらすぐに寝てしまうことが分かったので、寝る前には必ず一杯飲んでるんだけど…お陰で不眠症からは脱した)。だからこの心理は実はよく分からないのだが、果たしてそこまで酒を飲み続けることが出来るのだろうか?いや、それ以前にあんな風にまるで自然死のように死ぬような事が出来るとは思わないので(それ以前に凍死するか打撲死すると思う)、どうもリアリティが感じられないのが嫌だし、結局勝手を続けて回り中を不幸にし続ける男があんな風に静かに、しかもまるで祝福されたように死んでいくというのは、なんか釈然としない気持ちが残る。倫理的な意味で言えば、不品行のまま幸せに死んでいく事に一抹の気持ち悪さがあり。
 ただ、やっぱりそれを超えて良いのはキャラクタ。それまでヒーロー然とした役ばかり見せられて、
「絶対似合わない」とばかり思っていたケイジがここでは実に良いはまり具合を見せている。結局自分自身どう思ってるのか分からないけど、ケイジはこういう役の方が遙かに見栄えがするって。事実本作でのオスカー受賞のお陰で、そう言う深い役が多くなってきたのは嬉しいところだ。自分は最低だって顔しながら、ほんのちょっと嬉しいことがある時ににっこり笑う表情がとても良い。ここではやはり酒を飲むシーンにそれが現れているだろう。酒のお陰で全てを失い、しかも物語が進に従い、飲めば飲むほど回り中から蔑みの目で見られるのに、それでもグラスを持って、一杯目に口を付ける時のほっとしたような表情はやっぱり良いよ。一方のシューも見事にはまっている。娼婦役だからってふてぶてしさが無く、しなくても良い苦労を山ほど背負い込んでいるし、あんまり自己主張は出来ないんだが、いつまでも自分のためだけに王子様がやってくると信じ続ける、どこか少女めいたところのある女性。80年代に清純派として売り込んでいた残滓が残っている感じ。こう言うのにはシューはうってつけだな。
 全編を貫くスティングの音楽も良し。

 ところでケイジがコッポラの甥であることは周知の事実だが(本名ニコラス=コッポラ)、ケイジのオスカー受賞に際し、コッポラは「フランシス・フォード=ケイジ」名義で祝電を打ったのだとか。

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