12'09'30 | 縫製人間ヌイグルマー
女子高生の自立の話から始まり、宇宙と時空を超えた大規模さにエスカレートしていく無茶な話。著者の楽曲とはもはや別物とはいえ、これはこれでとても楽しい作品になってる。 これに限ってのことではないが、マイノリティに対する著者の目線はとても優しい。それが著者の特徴とも言えるか。 |
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12'09'27 | スパイダーマン1 (著)池上遼一 <amazon> 高校生小森ユウが高校の理科室で放射能実験をしていた時、クモに噛まれてしまった。その時からユウには超常的な力が与えられるようになった。この能力を人のために役立てようと考えるユウは、クモのデザインのコスチュームを作り上げる。そんな時に銀行強盗をする超人が現れ… 1970年に描かれた日本版「スパイダーマン」。今の著者のタッチと較べると、全然こなれてない泥臭い描写に驚かされるが、内容は極めて硬質。原作に平井和正が関わっているそうで、ヒーローのもう一つのネガティブ面を徹底して描いた作品となってる。「力ある者は責任を持たねばならない」。それは全ての「スパイダーマン」のテーゼだが、その「責任」が分からない高校生が主人公で、悩み苦しむヒーロー像がここにある。これはこれでとても面白い作品だ。 高校生がスパイダーマンになった話はアメコミでも「アルティメット・スパイダーマン」があるが、内容が全く違うのが興味深い。 |
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12'09'23 | ナイチンゲールの沈黙 下
一応の主人公である田口を差し置いて多数の人間が入れ替わり立ち替わり事件の真相を模索している。元々は医療ドラマだったはずなのだが、何故かこの話は超能力ものになってしまった。成る程このシリーズではこの作品だけ今ひとつと言われてる訳か。 |
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12'09'20 | ナイチンゲールの沈黙 上
「チーム・バチスタの栄光」続編。主要キャラは続投だが、主人公の比重が新キャラになっているのがちょっと変わったところ。相変わらずの筆の冴えですいすい読めてしまう。 |
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12'09'15 | 月光条例19
チルチル編のクライマックスなのだが、どうにも話が盛り上がって見えない。多分それはバトルに魔法を導入したことで、なんでもありになってしまい、しかも真っ正面からの戦いばかりなので、メリハリが感じられないというのが致命的か。とにかく早く終わって、次の作品作ってくれた方がいい気がしてきた。 |
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12'09'13 | リアル鬼ごっこ
元はネットに書かれた小説だったらしいが、設定も物語も無茶苦茶。しかも文体が変でとにかく読みにくいときてる。物語としても主人公はただ逃げるだけなのでメリハリもない。でも不思議と楽しく読めてしまうのがこの作品の不思議な魅力。本作が受けたのは多分この点なんだろう。 |
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12'09'11 | 手塚先生 締めきり過ぎてます! (著)福元一義 <amazon> 元まんが雑誌の編集で、その後手塚プロのアシスタント兼漫画家となったという経歴を持つ著者が、身近に見た手塚治虫という人物の逸話を紹介する、伝記。 逸話に事欠かない手塚治虫という人物を、様々な関わりで近くから見ていた人物の手記なので、また新しい手塚の側面が見えたような気になる。こういうのも読んでいて楽しいものだ。得に編集者から逃げるエピソードは、これまでたくさん書かれていてはいたが、編集者の立場から見ると楽しさは一層増す。一秒でも早く原稿を上げてもらいたいがために背景の手伝いをしていたら本当のアシスタントになってしまうとか、著者も大概面白い人だが。 |
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12'09'07 | 荒川アンダー・ザ・ブリッジ1 (著)中村光 <amazon> 世界的な大企業の御曹司で、こどもの頃から「人に借りを作るな」を座右の銘として叩き込まれていた一之宮行は、ある日ひょんな事から荒川河川敷に住む一人の少女ニノによって命を助けられる。その借りを返す条件としてニノが提示したのは「私に恋をさせてくれないか?」だった。この借りを返すため、自分も河川敷に住むことを決意した行は、そこにいた長老から新しくリクという名前をもらって生きていく事に。しかしここは変人だらけで… 数々のメディアで映像化された人気漫画。著者らしく、決して過激や下品に走ることなく、ちょっとした人情話のようなものも絡めて描く落ち着いた雰囲気のギャグマンガ。楽しく仕上がってるな。 |
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12'09'05 | グイン・サーガ・ワールド1 久美沙織、牧野修、宵野ゆめ <amazon>
手を出すのにかなりためらいを覚えていたが、毒を食らわば皿まで。という思いで購入開始。現時点では外伝のみの構成だが、あるいはここから新しいグインサーガ正伝が始まるのかも。 |
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12'09'01 | 欲望という名の電車 (著)テネシー・ウィリアムズ <amazon> 都会で粗野な夫スタンレーとのつつましい二人暮らしをしているステラの元に突然姉のブランチが訊ねてきた。南部のお嬢様育ちのブランチが家にいることが我慢できないスタンレーはブランチに何かと難癖を付けていた。だが、ブランチには秘密が… 映画の方を先に観ていて、それから大分経って拝見。映画の方はなにか心かき乱されるものを感じていたが、原作戯曲の本作を読んで、実はそれこそがこの作品の主題だったのかと思う。実際読むのがきつい。 映画の方はブランドがなんか素人臭く思えたものだが、それこそがメソッドだと今頃になってやっと気付いたとか。 |
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12'08'29 | バクマン。20 (原作)大場つぐみ (画)小畑健 <amazon>
いよいよ最終巻。時間にして3年半。劇中時間では8年が経過した事になるが、最初のサイコーと亜豆のラブストーリーの決着という形で終わった。しかし、何というかこれで終わるってのはちょっと釈然としない気分もあり。多分これはメインとなる物語そのものよりもマンガ家のバックステージものとして面白くなってしまったからなんだろうな。でもこのタイミングで終わらせられたのは良しか。 |
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12'08'25 | 自由の彼方で
著者の自伝的小説とのことだが、激動の時代を生きてきた男の生き様が描かれている。オチもなく物語としてはあまり意味を持ってないが、一種の私小説なんだろうな。 物語の流れはそのまんま「阿Q正伝」と言ってしまえばそれまでなんだが。 |
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12'08'23 | 狼と香辛料6
話は閑話と言った感じでほとんど進んでいないが、新しい旅の連れが出来たと言うことが一番の特徴か。終了の引き延ばしで間延びしてる気もするけど、まあこれはこれで良いんだろう。 |
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12'08'21 | はれた日は学校をやすんで
初期の著者の作品に共通するのは、こどもの残酷さと、それに対するどうしようもないアクション。それが良く表れた作品群で、読んでいて「ああ、これあったな」と、ある意味では嫌な思い出を喚起させてくれることだろう。決して良い思い出ばかりではないが、それもまた思い出の一つだ。 |
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12'08'18 | 生物と無生物のあいだ (著)福岡伸一 <amazon> 生物学ではDNAの概念の登場と共に、分子生物学が主流となり、すべからく生物とはコードによって作られるというデジタル化が進んでいる。その研究を続けてきた著者が、これまでの分子生物学の流れと、自らがなしてきた研究、そして生物とは何かという命題について著者なりの考えをまとめて綴った作品。 たいへん分かりやすいという評判の専門書。確かに面白い。 一応私も有機化学が大学時代の専門だったため、ある程度は著者の言っていることは分かっているつもりで、本当に分かりやすく書いてくれていると思う。でも本当に読みやすいか?と言われるとどうなんだろうか?という感じ。結局“読みやすい”というのは比較なのかな? |
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12'08'14 | セカイ系とは何か
本作は色々セカイ系の作品について書かれている作品なのだが、改めて定義を問われると曖昧なものでしかないというのが結論らしい。ただこのセカイ系を巡っての東浩紀と宇野常寛のやりあいがどのように始まって展開したかと言うことだけは分かった。それだけで充分か。 今となっては東浩紀と宇野常寛のバトルも最早5年も前なので、どっちの主張も古く感じてしまう辺りはなんともかんとも。最近全然追いかけてないけど、今はどうなってるのかな? |
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12'08'12 | 新仮面ライダーspirits6
長く続くスーパー1編だが、話は結構色々捻られてる。そのなかでやっと主人公らしく見せ場が出てきたゼクロスだが、これからちゃんと活躍できるんだろうかね? |
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12'08'09 | 脱走と追跡のサンバ
これも随分昔から積ん読の中にあったもので、たまたま手にとって読んでみたが、これは間違いなく面白い。著者にとっては初期の作品であるが、虚々実々に世界のあり方から心理学、哲学まで網羅した上で徹底的にパロディにするという著者の魅力が詰まったような話になっている。もっと早く読んでおいた方が良かったというのが正直な感想。勿体ないことをしてしまった。 |
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12'08'06 | なんだかなァ人生
私がかなり好きな漫画の一つに大市民があるが、その著者が改めて自らの人生を振り返って語るエッセイ。なるほどここに「大市民」のネタがあったのか!というのもあるが、文筆は慣れてないこともあってか、読みにくい部分も多々。これだったらむしろ「大市民」を再開してくれた方がありがたかったような? ところでこの作品は著者が自ら、しかも今までなんの関わりもなかった新潮社に持ち込みをして連載になったという曰く付き。そういうこともあるんだな。 |
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12'08'01 | はじめの一歩100
いよいよ100巻かあ…という感慨はともかくとして、なんでだか全然盛り上がって見えないという問題がある。特に青木の試合なんかはこれからの伏線になっているのだと思うのだが、もうなんでもしてくれって感じで。後はもう板垣のこれからをはっきりさせてしまって、一歩の世界戦への道行きを描いてくれる以外に何にも求められない。 |
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12'07'30 | わかったつもり (著)西村克彦 <amazon> 本を読んだ時、つい分かったつもりになって大切な事を読み落としてしまうことがある。誰にでも起こるこの事態は一体何故起こるのだろうか?このメカニズムを様々な事例から考察した作品。 ここでメインとなるのはスキーマというもの。つい人は文章を常識の範囲内で読んでしまい、そこに書かれていることを読み飛ばしてしまうと言うこと。特に粗読ばかりの自分自身を振り返って、当てはまることばかりなのが痛い。 |
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12'07'26 | バクマン。19 (原作)大場つぐみ (画)小畑健 <amazon>
ついに念願のアニメ化になり、いよいよラストが目前となったが、ここで声優オタが発狂状態というおかしな展開になってしまった。はっきり言って気持ち悪い。物語上、これは避けて通れない話ではあるのだが、終わり間近になって全然面白くなくなってしまったのが残念。 |
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12'07'24 | 号外!!虚構新聞 <amazon> ネット上で何かと物議を醸すことの多い“虚構新聞”。これまでネットに載せたその紙面を年代毎にまとめて一冊の書物としてみた作品。 ネットの方ではなにかと楽しく良く読んでいるのだが、いざ一冊の本になってしまうとたいして面白く感じないもんだ。多分あふれる情報の中で清涼剤のように摂取しているからこそ面白いのであって、それでまとめて出されても身構えてしまうからなんだろうな。 |
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12'07'21 | アオイホノオ8
著者が自分の作風を確立した前巻から痛々しさは無くなり、著者なりのマンガの描き方の教授のような話になっている。特にこの巻では細かく(いかにして手を抜いて)学園を描くのか延々と述べてる状況。 相変わらずなのが他の作家達のDisり具合で、原秀則の手抜き具合を見て「俺にまた、勇気と希望を与えてくれた」とか、岡田斗司夫の家庭の半端無い成金ぶりとか(…これ下手すれば訴訟もんだぞ)、山賀博之の自己保身だけのための交渉術とか…その辺楽しめるから良いか。 |
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12'07'18 | チェックメイト 後編 ブラックキャット4
話は一人一人の思惑によってごちゃごちゃに進み、しかし終わりはすっきりと終わる。著者のよく分からぬ凄まじいバランス感覚はここでも健在で、まさかこれがこんな終わり方をするとは思いもしなかったな。ほんとすっきり終わったのでかえって拍子抜けした。 |
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12'07'15 | 激マン!5 (著)永井豪 <amazon> 「デビルマン」の連載終了も近くなり、激は全身全霊をあげてマンガを書き続けていた。そんな中、激は、足りなかった物語のキーパーソンを見つけ出していく。 元々そういう感じはあったのだが、「デビルマン」連載が終わりに近づいてくると、本当に「デビルマン」をそのままリメイクして描いているかのような感じ。むしろ「デビルマン」の方がメインで、それを補完する形で現実の著者の方が描かれていくようだ。これはこれで新しいマンガのジャンルとも言えるんだが。 |
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12'07'13 | チェックメイト 前編 ブラックキャット4
本当に久しぶりとなったブラックキャットシリーズだが、タイミングがいいのか悪いのかこれが最終巻となってしまったようだ。昔は平気だった、文章に著者の考えをどんどん入れていく文体がとても読みにくく感じてしまい、読むのに難航してしまった。 |
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12'07'11 | ネコソギラジカル 下 青色サヴァンと戯言遣い 戯言シリーズ9 (著)西尾維新 <amazon> 秘密兵器として招聘した想影真心によって全てのもくろみが破壊されてしまった狐面の男は、突然“ぼく”から手を引くと宣言する。だが完全に暴走状態となってしまった真心は“ぼく”の周囲をことごとく破壊していく。更に“ぼく”の最愛の玖渚友が死んだという報がもたらされてしまう。“ぼく”の出来る事は、戯言を駆使してより多くの者を救おうとすることだけだった… これが戯言シリーズの最終巻。一応形の上では前の話までは推理小説でまとまっていたのだが、最後の話だけは一切それはなし。ひたすらアクションに突っ走る。こっちの方が面白くはあるのだが。 ところで戯言遣いが、本当に戯言を使うシーンあり。なんか人に言った事がそのまま本当になるらしい。こんな能力あったのは今まで一切語られてなかったはずなんだが。 |
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12'07'06 | 月光条例18
こういう泣ける展開はとにかく上手い著者…のはずなのだが、この話はそんなに面白いとは思えなかった。う〜ん。パワー不足というか、もうちょっと引きが必要だったというか… |
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12'07'05 | ネコソギラジカル 中 赤き征裁VS橙なる種 戯言シリーズ8 (著)西尾維新 <amazon> 狐面の男に誘われるまま崩壊した澄百合学園へとやってきた“ぼく”。その傍らには“暗殺者”闇口崩子、“死神”石凪萌田、“殺し屋”匂宮出夢、そして“最強”哀川潤がいた。狐面の男と戦うには充分すぎる面々ではあったが、たった一人の少女の出現によって全ては崩壊してしまう。かつて“ぼく”が壊してしまった“橙なる種”想影真心によって…しかも彼女の存在は、狐面の男のもくろみさえも全て破壊してしまう。本物の最強を前に“ぼく”のすべきことは… ここまで積み上げられてきた前提条件が全て破壊されるという無茶苦茶な物語展開。もはやどうやって物語収拾させるのか訳分からなくなってしまった。今回もやっぱり死んじゃおかしい人も死んでるし。 |
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12'07'03 | ネコソギラジカル 上 十三階段 戯言シリーズ7 (著)西尾維新 <amazon> これまでに幾多の視線をかいくぐり、その度毎に大切な人を失ってきた戯言使いの“ぼく”。今は匂宮出夢に負わされた傷を癒すため入院中だったが、そんな“ぼく”の前に、“ぼく”を「敵」と言う狐面の男西東天が現れ、「俺を止めてみろ」と言ってくる。さもなければ世界の終末を開始するという狐面の男の言葉を何も出来ないまま聞くしかなかった“ぼく”なのだが… これまで自分を戯言遣いと韜晦しっぱなしの主人公が、曲がりなりにも事件の推理をする話だったのだが、ここにきていきなり少年漫画の主人公になってしまったかのようで、ほとんど全編アクションという変な展開。これまで出てきて生き残った人間達も次々と登場する一方、更に新キャラがわんさか出てくる。なにがなんだか…というところか。 |
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12'07'01 | 花のズボラ飯2
一巻目が完全ズボラ飯って感じの話だったが、2巻になって大分雰囲気が変わった。食事そのものよりもそれを取り巻く人間模様の方に力点が置かれるようになり、その分料理も手抜きではなく普通になってしまったかな?一巻のようなパワーこそ無いが、普通に面白かった。 |
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